76: 2007/02/08(木) 18:45:06.14 ID:gt7mihf40

77: 2007/02/08(木) 18:56:49.32 ID:WRbosACA0
第四話

言われるがまま、ツンの言っていた男を捜すブーン。

( ^ω^)「・・・多分、この館にはいないお。本館に向かってみるかお」

近くにあった渡り廊下を渡り、本館へ向かう。あたりは驚くほど静かだ。
時間は昼になっていた。明るい日差しが館内へ降り注いでいる。

( ^ω^)「さっきあんなに凄まじい戦いを繰り広げていたのが嘘みたいだお」

さっきまでは巨大な骸骨、ケルベロス、吸血鬼と戦いを繰り広げていたのがまるで昔のように感じられた。
それほど、外の天気は穏やかだった。
悪魔城ドラキュラ Dominus Collection 奪われた刻印カバー Switch
78: 2007/02/08(木) 19:00:12.52 ID:WRbosACA0
( ^ω^)「お・・疲れたお」

怪我は回復してきていたものの、なかなか休む暇が無く、疲れは溜まる一方だった。

( ^ω^)「でも弱音は吐いてられないお。ローストチキン食べて頑張るお」

一度壁へ腰掛け、食事を始めるブーン。
だが嫌な気を感じていたのは気のせいではない。

( ^ω^)「・・この感じ、さっきの」

ガシャーン!!!!!
ブーンが腰掛けていた近くにあったガラス張りが割れた。目の前にいたのはさっきの吸血鬼だったのだ。

79: 2007/02/08(木) 19:04:00.54 ID:WRbosACA0
( ^Д^)「よっ、さっきは世話になったな」

( ^ω^)「貴様・・」

( ^Д^)「トドメを刺さなかったのが裏目に出たな?バンパイアの回復力を舐めちゃいけないぜ」

( ^ω^)「今度こそ地獄に送ってやるお」

( ^Д^)「できるならな?あ、それと吸血鬼が太陽の光に弱いってのは時代遅れだからなw」

ケタケタ笑うと同時に姿を消した。

80: 2007/02/08(木) 19:06:01.46 ID:WRbosACA0
( ^ω^)「・・・・・・・・」

ブーンはその吸血鬼の姿を掴む為、目を閉じ気配だけを察知する。

( ^ω^)「やっぱりかお・・」

何かを確認するように呟く。そして、何も無い空間にムチをふるった。

(;^Д^)「うがああああああ!!!!!!」

ムチをふるった方向にヤツがいた。

( ^ω^)「魔物は昼には魔力の力が弱くなる・・これは昔からの言い伝えだったお」

81: 2007/02/08(木) 19:09:06.50 ID:WRbosACA0
( ^ω^)「やっぱり本当だったんだお」

(;^Д^)「なんだって・・?」

( ^ω^)「お前の動きはさっきより明らかに遅くなっていたお。悪いが、そのくらいじゃ僕には勝てないお」

(;^Д^)「ぐああああああ!!」

ムチで完全に捕らえた吸血鬼に向かって聖水を投げつけるブーン。ただでさえ弱っているのに、モロに聖水を食らえばひとたまりもない。

( ^ω^)「ジ・エンドだお。おとなしくくたばれお」

人間の姿を維持出来なくなった吸血鬼は姿をコウモリに変えた。そのコウモリにも容赦せず、ムチをふるう。
小さな悲鳴のような声をあげ、コウモリは消えていった。

82: 2007/02/08(木) 19:14:31.65 ID:WRbosACA0
( ^ω^)「・・ふぅ」

倒した敵がいた所にはまたお金が落ちていた。

( ^ω^)「無いよりあった方がいいお。いただくお」

落ちているお金を拾って、ブーンは先にある小さな扉の方へ歩いていった。
小さな扉の先には沢山の部屋への扉がある。とりあえず1番近い扉へ向かってみることにした。

( ^ω^)「ツンが言ってたその男は一体どこにいるんだお・・」

扉を開けた時、そう呟いた。それと同時に男の声がする。

「動くなっ!!」

83: 2007/02/08(木) 19:16:59.22 ID:WRbosACA0
( ^ω^)「おっ!?」

(´・ω・`)「お前・・何者だ?バンパイアじゃないのか?」

( ^ω^)「僕は普通の人間だお」

(´・ω・`)「じゃあ何故こんな危険な所にいるんだ!?バンパイア退治は僕に任せておけばそれでいいんだ」

( ^ω^)「あんた・・なにもんだお?」

顔はどこかで見たことがあった。だが、すぐには思い出せなかった。しょぼくれた眉毛が印象的だ。

(´・ω・`)「僕を知らないのか?ははっ」

(´・ω・`)「僕は最強のバンパイアハンター、ショボン・クソミソンだ」

( ^ω^)「ショボン・・あ!!」

84: 2007/02/08(木) 19:19:57.67 ID:WRbosACA0
どうやら思い出したらしい。彼は長年バンパイアの事について研究を続けていて、本も出していた。
ドラキュラ復活の知らせを聞いて、一人でやってきたらしい。

( ^ω^)「あんた・・普通の一般人と同じ能力しか持ってないお?」

(´・ω・`)「ふ・・若造が何を言うんだい?バンパイアなどにんにくと十字架、聖水があれば倒せるさ。さっきまで、それで応戦していたのだから」

よく見ると、首ににんにく、背中には十字架を背負っていた。

( ^ω^)「なっ・・あんたじゃ無理があるお!危険な目にあうのは僕だけで充分だお。帰るお!!」

(´・ω・`)「ふ・・若造が何を言う!お前こそ何者なんだい?」

( ^ω^)「僕は、VIPPER家の血を引く者・・ブーン・ホライゾンだお」

85: 2007/02/08(木) 19:22:35.59 ID:WRbosACA0
(´・ω・`)「なっ!あの言い伝えにあるVIPPER家の・・!?」

( ^ω^)「このムチが何よりの証拠品だお」

そう言って不思議なムチをショボンへと見せる。

(´・ω・`)「・・これは、言い伝えにもあったムチと確かに同じ。お前、本当に?」

( ^ω^)「そうだお。本当じゃなかったらこんな所来てないお」

(´・ω・`)「言い伝えは聞いていたが・・まさか本当に血を引く者がいたとは・・信じられん」

ショボンがビックリした様子を見せた。何より、伝説だと思っていたことが現実になっているのだから。

86: 2007/02/08(木) 19:25:05.21 ID:WRbosACA0

( ^ω^)「わかったかお?なら早く引き返すお!!今ならまだ間に合うお!」

(´・ω・`)「・・・・・」

(´・ω・`)「そうはいかない」

( #^ω^)「何故だお!?このVIPPER家の血を引く僕でさえ一度氏にかけてるお!?あんたは危ないお!!」

ブーンが声を荒げながら、ショボンに帰ることを進める。

(´・ω・`)「悪いが僕はもう歳だ。氏ぬ覚悟は出来ている。それにドラキュラの研究をしているんだ。一度でいいから本物を見てみたかった・・」

(´・ω・`)「もう見てしまったからには引き返せん。だから僕のことは放っておいてくれ」

( ^ω^)「・・そんなに言うなら勝手にしろお。それより僕はあんたに用があるんだお」

88: 2007/02/08(木) 19:27:00.59 ID:WRbosACA0
(´・ω・`)「ん、なんだい?」

( ^ω^)「あんた、バラの庭園で女にあったかお?」

(´・ω・`)「あぁ・・あのバンパイアの女か。会ったね。あいつは不思議だ。バンパイアだというのに僕を攻撃してこなかった」

(´・ω・`)「どこか・・悪魔にはない悲しい雰囲気をもっている女だった」

( ^ω^)「僕もそう思ったお。きっと呪いをかけられてからまだ日が浅いんだお」

(´・ω・`)「やはり・・気の毒な女だ。連れ去られて呪いさえかけられなければ、立派な男と結婚して幸せな人生を送ってたはずなのにな」

ため息をもらしつつ、そう語るショボン。

89: 2007/02/08(木) 19:30:32.67 ID:WRbosACA0
( ^ω^)「まあ、そんな事はどうでもいいお。あんたが書庫のカギを持っているって聞いたお」

( ^ω^)「もらえないかお?」

(´・ω・`)「あそこはもう僕が調べておいた。だが何もこのカギしか見つからなかった」

( ^ω^)「・・・・」

カギには迷路庭園のカギと記されていた。

( ^ω^)「悪いんだがこのカギを貸してもらってもいいかお?」

(´・ω・`)「あぁ、これでいいならね」

ブーンはショボンから迷路庭園のカギを受け取った。

90: 2007/02/08(木) 19:35:09.43 ID:WRbosACA0
( ^ω^)「ありがとうだお。それじゃもう行くお。あんた、氏ぬんじゃないお」

それだけ言い残し、ブーンは部屋を後にした。まだ昼で、外は静寂に包まれている。

( ^ω^)「さて・・迷路庭園に向かうお」

近くにあった階段を下り、外へ続くドアの前へやってくる。

( ^ω^)「お・・?」

ふと自分の足元を覗くと、そこには光り輝く契約書が置いてある事に気が付いた。

( ^ω^)「・・・・・・」

何故かそれを開封してみたくなる。よくは分からないが、自分にとって必要な物な様な気がしたからだ。

91: 2007/02/08(木) 19:37:18.21 ID:WRbosACA0
( ^ω^)「・・・・・・・!!!!」

( ´∀`)「こんにちわモナ」

契約書を手に入れた瞬間、いきなり男が目の前に現れたのだ。

(;^ω^)「あんた・・何者だお?」

男は随分と心の器が広そうな顔をしている。

( ´∀`)「私は、悪魔城を訪れる冒険者に色々と役立つアイテムを売ってる者モナ」

( ´∀`)「悪魔だけど、お金さえ渡せばある者は売るモナ。客が人間だろうと悪魔だろうと関係ないモナ」

(;^ω^)「・・・・」

( ´∀`)「ビックリしてるモナ?何にしろ、契約書を持てばもう契約者モナ。これから何か欲しい物があったらこの契約書で僕を呼ぶモナ」

(;^ω^)「でも・・」

( ´∀`)「心配するなモナ。この契約書は色々な所に落ちてるモナ。あ、ちなみに僕の名前はモナーモナ」

92: 2007/02/08(木) 19:37:47.20 ID:WRbosACA0
そう言って、モナーは消えていった。

(;^ω^)「本当に・・何でもありな場所だお。ここは」

ため息を漏らし、外へ続くドアを静かに開く。目の前には迷路庭園が広がっていた。

第四話 完


( ^ω^)ブーンが悪魔城に乗り込むようです【第五話】


引用: ( ^ω^)ブーンが悪魔城に乗り込むようです