94: 2007/02/08(木) 20:00:32.19 ID:tefv+SSlO

95: 2007/02/08(木) 20:28:19.70 ID:WRbosACA0
第五話

迷路庭園の入口の前に立つブーン。
扉の前にまるで本物のような、犬の銅像が置いてある。
その犬の銅像はまるで自分のことを凝視しているようにも見える。

( ^ω^)「不気味で仕方ないお・・でも行くしかないお」

迷路庭園の扉を開けると共に、不気味な音があたりを包んだ。

( ^ω^)「この音・・チェーンソー?」

ブルルルン!!ブルルルルン!!」

そう、この音はチェーンソーの音だ。ブーンは恐怖を感じる。
悪魔城ドラキュラ Dominus Collection 奪われた刻印カバー Switch
96: 2007/02/08(木) 20:30:30.04 ID:WRbosACA0
(;^ω^)「・・どこから来るお?」

耳を澄まし、そのチェーンソーの音がどこから来るのか模索している。

(;^ω^)「どこから・・?どこから・・?」

次第に音が自分の下にやってきているのは確実に判断できる。
さらに恐怖と不安がブーンを襲う。

(;^ω^)「う・・・うわああ!!」

目の前にその音の正体が現れた。

( ´`)「・・・・・・・・」

背の高い男、いや、フランケンシュタインと言った方が通じやすい。
二メートルを超えるその体で、ブーンの方へ走りながら接近してくる。

97: 2007/02/08(木) 20:36:43.53 ID:WRbosACA0
(;^ω^)「うわっああああああああ!!!」

その姿に思わず絶叫を上げるブーン。そんな事は全く構わずブーンに接近してくるフランケン。
本来ならば庭の掃除に使うチェーンソーを振り回しながら。

(;^ω^)(落ち着くんだお!!とりあえずあのチェンソーが当たればいくら僕でもひとたまりも無いお)

(;^ω^)(こいつも動きが緩慢・・ならば攻撃を避けながら回避するお)

( ´`)「・・・・・・・」

いつのまにかブーンのすぐ近くまで接近していたフランケンはチェーンソーを思い切り頭の上から振りかぶる。
そして、思い切りブーンへ振り落としてきたのだ。

98: 2007/02/08(木) 20:43:07.05 ID:WRbosACA0
(;^ω^)「おっ!!」

相手のモーションが大きかった為、難なく回避に成功するブーン。すかさずムチを振り回す。

(;^ω^)「悪いが氏ぬわけには行かないお!覚悟するお!」

自分の力を上手くムチへと伝わせる。ムチのしなりは前より更に鋭くなっている。
パシーン!!!
ムチが嫌な音を出し、フランケンの顔面に直撃する。

( ´`)「・・・・・・・」

だがフランケンはまるで効いた様子を見せず、今度は鋭くチェンソーをブーンに向かって振ってくる。

(;^ω^)「しまっ・・

(;^ω^)「おああああああああああああああ!!!!!!!!!」

99: 2007/02/08(木) 20:45:23.20 ID:WRbosACA0
ブーンの悲鳴が辺りに響き渡る。チェンソーがモロにわき腹にヒットした。
すぐに回避したので傷口は深くならなかったものの、出血が止まる様子は無い。

川*゚∀゚)「ん・・・あの悲鳴・・?」

その頃、ツーも悪魔城別館に進入に成功し、迷路庭園の近くまでやってきていた。
悲鳴を聞いた瞬間、聞き覚えのある声だと言う事を確認する。

川*゚∀゚)「まさか・・ブーンが?」

川*゚∀゚)「・・助けなくちゃ!私は、VIPPER家と友好関係があるからね」

そう言って、迷路庭園へ向かっていくツー。

(;^ω^)「お・・おお・・」

出血が止まらない。だが、ここでヤツを倒さなければ、自分は氏ぬ。
危機感に襲われたブーンは自分のわき腹をかばう事はせず、立ち上がる。痛みがブーンを襲う。

100: 2007/02/08(木) 20:49:57.25 ID:WRbosACA0
( ´`)「・・・・・・・・・・・」

フランケンは苦しむブーンに容赦なく引導を渡そうとしている。チェーンソーを大きく振りかぶる。

(;^ω^)「おっおっ・・VIPPER家の男ともあろう者がこんなヤツに・・」

悔しそうに地面を見つめる。避けるほどの力は残っていない。
静かに目を閉じ、氏を待った。

101: 2007/02/08(木) 20:53:44.11 ID:WRbosACA0
川*゚∀゚)「簡単にあきらめないでよね!!」

ツーの声が聞こえた瞬間、エネルギーボールのような物がフランケンを直撃していた。

( ´`)「・・・・・・・」

まともに当たったからなのか、ゆっくりと地面にひれ伏した。

川*゚∀゚)「フェルニー家、ツー=フェルニーが華麗に参上!!」

よく分からない言動とポーズを決めて見せる。

(;^ω^)「あんた・・帰ってなかったのかお?」

102: 2007/02/08(木) 20:55:55.40 ID:WRbosACA0
川*゚∀゚)「当たり前じゃない!私だってドラキュラを封印する為にここにきてるのよ?」

(;^ω^)「・・・・・・・・」

ガクッと座りこむブーン。わき腹からの出血はまだ止まっていなかった。

川*゚∀゚)「ちょっと!大丈夫!?」

(;^ω^)「余計な手を出すなお・・」

川*゚∀゚)「変な意地張らないの!じっとしてて!!」

ツーはブーンの近くに座ると、回復魔法を使い出す。

川*゚∀゚)「私は滅殺の他にも、こういう魔法も使えるのよ?」

103: 2007/02/08(木) 21:00:59.25 ID:WRbosACA0
(;^ω^)「・・・・・」

ブーンは申し訳なさそうな顔をしながら下を向いていた。

(;^ω^)(・・情けないお。あんなに訓練してきたのに・・あいつ一体すらまともに倒せないなんて・・)

自分の弱さを恥じた。大口を叩いていた自分が情けなくなった。

川*゚∀゚)「よしっ!これで大丈夫!!」

(;^ω^)「すまないお・・迷惑掛けて」

川*゚∀゚)「気にしないでよ。私たちは本来協力し合う間柄なんだから」

(;^ω^)「・・・・・・」

104: 2007/02/08(木) 21:03:51.80 ID:WRbosACA0
そう言われても気分が晴れない。自分の弱さがいつまでも心に残って離れない。

川*゚∀゚)「ねぇ、そんなにがっかりするのは勝手だけどさ・・」

川*゚∀゚)「皆最初から強い訳じゃないんだよ。いくら頑張ってても」

(;^ω^)「・・・・・・・・」

川*゚∀゚)「おそらく私に助けられて、自分が弱いって思ってるんでしょ?」

川*゚∀゚)「そんな気概じゃ、ドラキュラなんて倒せないよ」

(;^ω^)「・・・・・・・・」

105: 2007/02/08(木) 21:06:07.70 ID:WRbosACA0
川*゚∀゚)「私も氏ぬ覚悟でここに来てるの。だから遠慮なんてしないで」

(;^ω^)「お・・・すまないお。君がいなかったら氏んでたお」

(;^ω^)「これから・・ヨロシクだお」

川*゚∀゚)「そうでなくちゃ!ヨロシクね!!」

二人は握手を交わす。

川*゚∀゚)「あんまりぐずぐずしてられないよ。早く中心部に行く方法を探そう。多分、迷路庭園の先に地下通路があるの。そこにいければ多分、中心部にいけるわ」

(;^ω^)「そうなのかお・・?」

106: 2007/02/08(木) 21:07:26.52 ID:WRbosACA0
川*゚∀゚)「ええ、だから早く探しましょう」

ブーンはツーの手を借り、立ち上がる。そして二人は地下通路に通じる道を探す事にした。

川*゚∀゚)「やっぱり迷路庭園ってだけに・・複雑ね」

( ^ω^)「確かに・・今どこにいるのかさえ分からないお」

二人は迷いかけていた。コンパスも何故かこの場では狂ってしまい、あてにならなかった。
少しずつ焦る二人。ここにはまだ何が出てくるかも分からない。

( ^ω^)「お・・行き止まりだお」

108: 2007/02/08(木) 21:10:47.86 ID:WRbosACA0
広めの行き止まりに出たブーンとツー。

川*゚∀゚)「・・!!ねぇ、ブーン」

( ^ω^)「なんだお?」

川*゚∀゚)「人の・・気配がしない?」

そういわれて、意識を集中するブーン。確かに人の気配が感じられた。
ツーがそう言ったと同時に一人の小さな子どもが飛び出してきた。

109: 2007/02/08(木) 21:13:18.22 ID:WRbosACA0
( ^^ω)「うわあああホマ!!!!!」

川*゚∀゚)「落ち着いて!!私たちは人間だから・・」

今まで恐怖にさらされていたのか、かなり精神的に動揺していた。

川*゚∀゚)「あなた・・名前は?」

( ^^ω)「・・マルタスニム=ハセガワ、ホマ」

川*゚∀゚)「ハセガワ君、君はどうしてここへ・・?」

( ^^ω)「・・魔物に誘拐されて。パパとママは殺されたホマ」

110: 2007/02/08(木) 21:16:08.46 ID:WRbosACA0
( ^^ω)「他にも沢山の子どもたちが誘拐されてここにいるホマ」

( ^^ω)「僕は魔物の隙をついてここに・・ううっ、頭が痛いホマ」

( ^ω^)「大丈夫かお?」

( ^^ω)「う、うん。大丈夫ホマ。何かを忘れている気がするんだホマ。思い出そうとすると思い出せないホマ」

( ^ω^)「あまり無理するんじゃないお。とりあえずここは危険だから逃げるお!」

( ^^ω)「わ、わかったホマ!」

とりあえず、ブーンとツーはハセガワを逃がす為、出口を探そうとする。その瞬間・・

111: 2007/02/08(木) 21:19:59.61 ID:WRbosACA0
ブルルルン!!

チェーンソーの音があたり一面に響きわたった。

川*゚∀゚)「え・・あいつは確かに私が・・」

(;^ω^)「構ってる暇はないお!早く逃げるお!!」

川*゚∀゚)「そ、そうね、ハセガワくん!走れる!?」

( ^^ω)「う、うん。大丈夫ホマ!!」

三人は一斉に駆け出し、出口を探す。しばらく走ると門のような物が見えた。

112: 2007/02/08(木) 21:22:24.38 ID:WRbosACA0
(;^ω^)「占めた!早く・・」

ブーンがそういいかけた瞬間、自分達の後ろに何か邪悪な気を感じる。

川*゚∀゚)「・・後ろに何かいるね」

(;^ω^)「確かに・・」

二人とも感じていることは同じだった。さっきのフランケンとはまた違う、邪悪な気を感じていた。

???「ガルルルルルルルッ!!!」

113: 2007/02/08(木) 21:25:12.37 ID:WRbosACA0
川*゚∀゚)「おそらく・・逃がしてくれる事は無さそうね、ハセガワくん!」

( ^^ω)「な、何ホマ?」

川*゚∀゚)「あなたは逃げなさい!ここは私たちで何とかするから!おそらくこいつらは庭園さえ抜ければ現れないから!」

( ^^ω)「わ、わかったホマ!ありがとうホマ!」

ハセガワは門をくぐり。外界へと続く道を走っていった。

川*゚∀゚)「よし、ブーン、いくわよ!」

(;^ω^)「把握したお!!」

二人はすぐに視線を前に戻す。目の前にいたのは入り口にあったはずの銅像だった。

120: 2007/02/08(木) 22:18:23.06 ID:WRbosACA0
▼・ェ・▼ 「ガルルルルッ!!」

Δ・ェ・Δ「ウーッ・・・」

まるで双子の様な銅像の犬二匹がブーンとツンを睨みつけていた。

(;^ω^)「先手必勝だお!」

ブーンは勢いよく片方の犬にムチをふるった。

▼・ェ・▼ 「ギャウン!!!!!」

ムチの威力が大きかったのか、少し後ろに下がる一匹。

(;^ω^)「今のうちに力を溜めるお!二匹まとめて地獄に送るんだお!」

121: 2007/02/08(木) 22:19:35.45 ID:WRbosACA0
川*゚∀゚)「わかってる!もう少し待って!!」

ツーは腕に「滅殺」の魔法を使う為に力を送る。少しするとエネルギーボールが形成されている。

(;^ω^)「くっ・・・」

もう一匹の攻撃が腕に当たる。だが直撃ではなかった為、何とか耐えるブーン。
片方がブーンに体当たりを仕掛ける。

(;^ω^)「グフッ!!」

その体当たりがブーンの体を直撃する。苦しそうな表情を見せる。

(;^ω^)「オラッ!!」

だが怯むこと無く、ムチを奮う。空気を切る音と共に、銅像に当たる。

123: 2007/02/08(木) 22:20:03.78 ID:WRbosACA0
Δ・ェ・Δ「キャインキャイン!!!!!」

ムチが当たるたび、悲鳴をあげる銅像。

川*゚∀゚)「ごめん、準備できたよ。ブーン、横に避けて!!」

(;^ω^)「おっ!!」

思い切り横に飛び込んで、地面に転がるブーン。

二匹「ギャヒイイイン!!!!」

もの凄い悲鳴をあげて、二匹は銅像へと姿を変えてしまった。

川*゚∀゚)「さぁ・・早く先へ!!」

(;^ω^)「わ、わかったお!!」

二人は出口を探す為、迷路庭園の中へ再び駆け出した。

第五話 完

( ^ω^)ブーンが悪魔城に乗り込むようです【第六話】

引用: ( ^ω^)ブーンが悪魔城に乗り込むようです