44: 2007/02/16(金) 19:46:10.79 ID:Nc3mNCOX0

46: 2007/02/16(金) 20:22:38.40 ID:Nc3mNCOX0
第十五話

(´・ω・`)「・・クー」

ショボンが小さくそう呟く。クーは聞こえてないふりをし、話を続けた。

川 ゚ -゚) 「あの女・・珍しい奴だな」

(´・ω・`)「吸血鬼の呪いをかけられながらも・・人間としての心を失わなかった」

(´・ω・`)「それに比べて・・貴様はどうなんだ?クー」

氷のように冷たい口調でそう言い放つショボン。

川;゚ -゚) 「・・・・」
悪魔城ドラキュラ Dominus Collection 奪われた刻印カバー Switch
47: 2007/02/16(金) 20:37:13.47 ID:Nc3mNCOX0
何も言い返すことが出来ず、ショボンを見つめるクー。
その間も先程見せたショボンの冷たいまなざしは変わることが無かった。
クーに対する憎悪が渦巻いている。

(´・ω・`)「さて・・氏神も戦っているし、いい機会だね」

川;゚ -゚) 「・・・・・・・・・」

(´・ω・`)「クー・・お前をここで頃す。それが今のお前に対して出来る最後の行動だ」

川;゚ -゚) 「正気なのか・・ショボン」

(´・ω・`)「当たり前だ」

その言葉は少なくとも嘘には聞こえない。透き通って聞こえた声に近かった。

48: 2007/02/16(金) 20:38:01.20 ID:Nc3mNCOX0
川;゚ -゚) 「ショボン・・お前に私は倒せない」

(´・ω・`)「ふん・・どうかな、決意のある者程、強く感じるものさ」

そう言うと、ショボンはツーの方へ向いた。

(´・ω・`)「ツー君、君は黙って僕等の戦いを見届けてくれ。手など出さなくていい」

川*゚∀゚)「・・・・・」

無言で真っ直ぐショボンを見つめる。何だか、時間の流れが遅く感じる。

(´・ω・`)「もし、僕が氏んだら・・僕の代わりにこいつを始末してくれ。頼んだ」

49: 2007/02/16(金) 20:38:57.89 ID:Nc3mNCOX0
すぐに了承を出せないツー。
何故なら、ショボンがここで氏ぬとは思えない、いや、思いたくなかったからだ。
だがショボンの強い視線はずっとツーに向けられたままだった。

川*゚∀゚)「・・分かりました。ショボンさんの思い、受け取ります」

その視線に押されたのもあってか、了承してしまうツー。
だが何よりショボンとの約束を信じていた。
氏なない事。それを条件にショボンとクーの一騎打ちを許可したのだから。
それをよそに、ブーンと氏神の戦いは再開されていた。

50: 2007/02/16(金) 20:41:04.36 ID:Nc3mNCOX0
( #^ω^)「おおあっ!!」

勢いよくムチを振り下ろす。氏神はその攻撃をギリギリの所で避ける。
まるで先程までのブーンの動きが嘘だと思えるくらいに、ムチの鋭さは上がっていた。
鋭いナイフのように、氏神の黒い衣装にかすったムチが、その衣装を少し剥いだ。その威力を物語るには充分だった。

 (;・∀・) 「ぐっ・・!!」

今までで初めて焦る表情を見せる氏神。
怒りはここまで人を強くするものだったのだろうか。氏神は目を疑う。

52: 2007/02/16(金) 20:48:46.81 ID:Nc3mNCOX0
 (;・∀・) (さすがはVIPPER家の血を継ぐ者だ・・!!)

 (;・∀・) (だが、私は負けるわけにはいかん!伯爵様はまだ完全復活していないのだ!!)

氏神は氏神なりに、伯爵に忠誠を誓っている。
その為にも、ここでブーンにやられる訳には行かなかった。
それぞれの思いが、この場で交錯しあうように、互いの武器がぶつかっている。

 ( ・∀・) 「食らえ!!」

氏神が勢いよく鎌を投げる。鎌は先程よりも更に速度を増し、風と切り裂く。
その風の抵抗には全く怯まず、小さな音だけ立ててブーンへと向かっていった。
この鎌をよけきれる人間なんて中々居ない。いや、居ないに等しい。

53: 2007/02/16(金) 20:51:02.63 ID:Nc3mNCOX0
氏神が初めてブーンに会った時、完全復活といっていたが、その言葉はまやかしに過ぎなかった。
ただ、ブーンたちを焦らす為の言葉だったのだ。
そんな氏神の考えなどよそに、ブーンは鎌に集中していた。

( #^ω^)「・・・・・・」

だがブーンは無闇やたらには動こうとはしない。
耳の神経、目の神経を集中させ、その鎌だけを捕らえるのに集中する。
さっきまでの動揺した姿のブーンはそこには居なかった。

( #^ω^)「そこだお!!」

54: 2007/02/16(金) 20:53:11.65 ID:Nc3mNCOX0
何も無い空間にブーンは、ムチを振り落とした。
バシン!!鎌が下に落ちる。見事にブーンは鎌の居場所を見切ってみせたのだ。

 (;・∀・)「な、なにっ!?」

明らかに動揺する氏神。何故ならブーンにその鎌を取られてしまったから。

 (;・∀・)「何故人間がその鎌を持てる・・!人間が持てば魂を持っていかれるはずだ・・!!」

( #^ω^)「そんなちゃちな能力、バンパイアハンターには通用しないお。この鎌は捨てさせてもらうお!!」

 (;・∀・)「よせ!!」

55: 2007/02/16(金) 20:58:48.04 ID:Nc3mNCOX0
氏神の静止など耳にせず、その鎌を投げ捨てるブーン。
うろたえる氏神とは対照的に、自信に満ちた表情で氏神を見つめるブーン。
いつのまにか立場は逆転していた。

( #^ω^)「これで・・お前の武器はなくなったお。ツンの分まで、お前には痛い目にあってもらうお・・」

 (;・∀・)「・・・・・・」

ブーンがゆっくりと氏神へ向かっていく。何も出来ずに、ただ唖然と浮く氏神。
段々と距離が無くなり、遂に追い詰められる氏神。

56: 2007/02/16(金) 21:01:04.09 ID:Nc3mNCOX0
( #^ω^)「覚悟するお・・」

 (;・∀・)「ぐ・・こんな若造に私が・・!!」

( #^ω^)「お前はやりすぎたお・・ふんっ!!」

ブーンがムチを振ろうとしたとき、右腕に刃物で切られたような激痛が襲った。

( ;^ω^)「うああああああっ!!何故・・」

 ( ・∀・)「貴様は馬鹿だな・・この鎌は捨てられても持ち主のところへ戻る・・」

 ( ・∀・)「私はその事を踏まえ、あえてお前に花を持たせてやってたのさ」

57: 2007/02/16(金) 21:04:01.55 ID:Nc3mNCOX0
( ;^ω^)「ぐっ・・」

ブーンの腕からは血が溢れる。傷口が悲鳴をあげている。
痛みもなかなか収まってくれる様子もなかった。
一気に形成逆転されてしまった。

 ( ・∀・)「ふははっ、バンパイアハンターともあろうものが哀れな姿だな」

 ( ・∀・)「だがもう苦しむ必要もない・・私がお前をツンと同じ場所へ連れてってやる」

そう冷たく言い放ち、鎌を持ち上げ、ブーンに振り下ろす準備を始める氏神。

( ;^ω^)「ツン・・」

58: 2007/02/16(金) 21:07:32.59 ID:Nc3mNCOX0
( ;^ω^)「ツンの為にも・・!!僕は負ける訳にはいかないんだお!!」

 ( ・∀・)「もう遅い。氏ね」

氏神の鎌が振り落とされる。その鎌はまるで悪魔の様に、ブーンの頭を目掛ける。

( ;^ω^)「ふおっ!!」

 ( ・∀・)「・・まだそんな力が残っていたのか」

ブーンはムチを器用に扱い、鎌を止める。
意地なのか、ツンの無残な氏に対する思いだったのかはどちらか分からない。
だが、確実にブーンは力を取り戻している。

59: 2007/02/16(金) 21:10:36.98 ID:Nc3mNCOX0
( ;^ω^)「簡単に・・やられる訳には行かないお!僕・・いや、僕等は世界の平和を望んでいるだお!」

 ( ・∀・)「その言葉は聞きあきt・・」

ドスッ。
氏神の体にブーンのダガーが突き刺さった。

( ;^ω^)「僕がムチ以外の武器を持っていないと思ったのかお?それならお前は油断しすぎだお」

 (;・∀・)「う・・うがぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」

鋭い痛みが氏神を襲う。体全身を駆け巡り、再び一周して痛みが戻ってくる。
それの繰り返しが氏神を襲っている。

60: 2007/02/16(金) 21:16:02.33 ID:Nc3mNCOX0
(  ^ω^)「・・終わりだお。そのダガーには特別な力が篭っているお」

 (;・∀・)「うわっ!うがああああああ!!!」

(  ^ω^)「どうやら僕の声ももう届いていないみたいだお・・」

その言葉と同時に、力を失った鎌がブーンのムチから離れた。
このときを待っていたといわんばかりに、ブーンはきつくムチを握り締める。

(  ^ω^)「チェックメイト・・だお」

自分の力を精一杯込め、ムチを振った。
ブーンの頭の中には、今までの氏神との対峙、そしてツンの無念の氏が浮かんでいた。

61: 2007/02/16(金) 21:19:10.28 ID:Nc3mNCOX0
 (;・∀・)「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

ムチが当たった瞬間、大地を揺るがす程の悲鳴をあげる氏神。

 (;・∀・)「この氏神がぁぁぁ!!こんな小僧に・・!!!」

 (;・∀・)「嘘だぁ!!!!!!!!」

(  ^ω^)「何度も言うけど・・僕はバンパイアハンター、ブーン=ホライゾンだお」

 (;・∀・)「貴様ぁ!!忘れんぞ!忘れんぞぉぉぉぉぉ!!伯爵様ぁぁぁぁ!!!!」

発狂を繰り返して、やがて砂となり、風に流されていく氏神。
なんだかその姿が酷く呆気なく見えていたのはブーンだけだったのだろうか。

62: 2007/02/16(金) 21:21:09.53 ID:Nc3mNCOX0
(  ^ω^)「どんなに強い奴でも・・氏ぬ時はこんなもんだお」

(  ^ω^)「地獄で・・反省するといいお」

(  ^ω^)「ツン・・君のおかげで、氏神を倒せたお。ありがとうだお」

目の前には幼馴染が自分の方へ手を振っている。そんな姿が映っているような気がした。
一方、ブーンが目の前で氏神を倒す姿を見ていたクーは明らかに動揺していた。

川;゚ -゚) 「ま・・まさか氏神がやられるとは!しかも若いバンパイアハンターに・・!!」

(´・ω・`)「ふふっ・・人を見た目だけで判断しない方がいいよ、クー」

63: 2007/02/16(金) 21:25:02.78 ID:Nc3mNCOX0
(´・ω・`)「さて・・こちらも決着をつけようか、クー」

ショボンは闘志を心の奥に秘めたまま、そう話し掛けた。

川;゚ -゚) 「お前とは・・戦いたくは無かった。小さな頃から色々と世話になって・・ずっと仲良くしてくれた」

(´・ω・`)「だからこそ僕は君をこの手で殺めなくちゃいけない。間違ってしまった方向に進んだから」

川;゚ -゚) 「・・・・・・・・・・」

(´・ω・`)「お前もこの事実が分からない程馬鹿じゃないはずだろ?」

川;゚ -゚) 「・・・・・・・」

64: 2007/02/16(金) 21:28:38.68 ID:Nc3mNCOX0
ここまでいわれても、クーは依然無言のままだった。
何も言いたくないのだろう。これ以上、自分を否定されるのが怖いから。

(´・ω・`)「ふぅ・・何も言わない奴を相手にすると少し疲れるよ。それじゃ、始めようか」

川;゚ -゚) 「・・・・・・・・・」

フッとクーの姿が消えた。ショボンは一瞬同様するも、その場に立ち続ける。
下手に動いて体力を消耗するよりは、相手が来るのを待つ方がいいと思ったのだろう。

65: 2007/02/16(金) 21:30:26.42 ID:Nc3mNCOX0
(´・ω・`)「・・・・・・・・」

(´・ω・`)「こっちか!!」

ショボンは自分の右側の方向へ向かって思い切り右ストレートを打ち込んだ。

川;゚ -゚) 「グフッ!!」

見事、クーの左頬を捕らえる。後ろへ仰け反るクーを依然冷たい目で見続けるショボン。

(´・ω・`)「クー・・舐めちゃいけないな、僕を。本気でやらないと、勝てないよ?」

67: 2007/02/16(金) 21:34:05.43 ID:Nc3mNCOX0
川;゚ -゚) 「ぐぅ・・!!」

殴られた左頬を擦りながらクーは唸る。

川;゚ -゚) 「やはり・・本気でやらないといけないのか。魔法で・・」

(´・ω・`)「最初からそうしなよ」

川;゚ -゚) 「生意気な口を利けるのもこれで最後だ・・ショボン」

クーがそう言うと同時に、辺りが肌寒くなってくるのを感じるショボン。
またあの魔法なのか・・とため息を吐く。

68: 2007/02/16(金) 21:36:57.47 ID:Nc3mNCOX0
(´・ω・`)「だが・・今回はさっきとは一味も二味も違うようだな・・」

川゚ -゚) 「それくらいはお前にも分かるか、ショボン」

先程の動揺の表情は完全に消えていた。今のクーは完全に魔女アクトリーセと化している。
例えショボンであろうと、抵抗無く頃す。それくらいの雰囲気を漂わせていた。

川゚ -゚) 「私が魂と引き換えに手に入れたこの魔法・・・」

川゚ -゚) 「ショボン、親戚として、苦しまないように全力でお前を頃す」

(´・ω・`)「ようやく魔女の本性を表したな。やれやれだ・・」

69: 2007/02/16(金) 21:40:50.80 ID:Nc3mNCOX0

川゚ -゚) 「そんな口を叩いていられるのも今のうちだ。こんな形で出会いたくはなかったんだがな・・」

先程も口にしたような言葉を繰り返し、依然力を溜め続けるクー。
冬の様に冷え渡った空気が、辺りを包んでいる。

川*゚∀゚)「マズイよ・・本当に全力で打つつもりだわ・・」

川*゚∀゚)「ショボンさんの防御壁じゃ防ぎきれない可能性は高いよ・・」

ツーは見切っていた。クーがどれほどの力を持っているのかということを。

川*゚∀゚)「あの程度の力じゃ・・私は倒せない。私の力は伯爵を封印する為の力・・」

70: 2007/02/16(金) 21:43:19.76 ID:Nc3mNCOX0
川*゚∀゚)「彼女もそれはわかっていたはず。なら・・どうして私の目の前に現れたの?」

川*゚∀゚)「勧誘した所で私がのらない事くらい歴然なはずよ。もしかして・・他の目的が?」

一人でツーは考え続けた。
クーは一体何が狙いだったのだろうかと。だが当然答えは導き出せないままだった。
そんなツーを置き去りにして、二人の対決は進展を見せている。

(´・ω・`)「さ、寒い・・なんて寒さだ」

川゚ -゚) 「これが私の全ての力を込めた魔法さ・・これを防げればショボン、お前の勝ちだ」

71: 2007/02/16(金) 21:44:29.74 ID:Nc3mNCOX0
(´・ω・`)「かかってきなよ・・クー、お前が行った事は間違いだと僕が身を持って教えてやる」

川゚ -゚) 「ふふ・・上等だよ。ショボン」

一気に自分の力を解放するクー。
周りがまた冷えた様に感じる。ショボンは凍える手を擦りながら、クーの方を見る。

(;´・ω・`)「・・・!!これがお前の本気の力か!!」

クーの体の周りには氷山のような氷達が居る。それも沢山。
自分は今、一体何を見ているのか。一瞬目を疑うが、これは現実なのだ。

73: 2007/02/16(金) 21:52:57.44 ID:Nc3mNCOX0
川゚ -゚) 「・・私を頃すと言うのなら、この氷を全部避けてみるんだな、ショボン。さぁ、行け、私の下僕達」

ついにクーはショボンに向けて攻撃を開始する。
大きな氷山たちが沢山ショボンに向かって降り注いだ。

(;´・ω・`)「防御壁を張ったが・・おそらくこの攻撃をガードできるのは一回だけだろう」

(;´・ω・`)「それだけこの魔法は強力で、僕の防御壁は心細いものだ」

一つ目の氷がショボンを襲う。その氷の姿は怪物のように見えた。
凄まじい速度でショボンを迫っていく。

74: 2007/02/16(金) 21:56:34.60 ID:Nc3mNCOX0
(;´・ω・`)「ぐっ・・!!」

一発目の氷は辛うじて転がり、避ける。
ビルが崩れるような音と共に、その氷は砕け散った。

川゚ -゚) 「ほお・・やるな、ショボン。だが我が下僕達はまだまだお前を狙っている」

すぐさま二発目の氷がさっきの氷の速さより上がって、ショボンを捕らえようとやってくる。
一発目で倒れて避けたショボンの反応は明らかに遅れている。
氷は無表情なはずなのに、自分を捕らえようとニタリとにやけているようにショボンには見えた。

75: 2007/02/16(金) 22:00:18.14 ID:Nc3mNCOX0
(;´・ω・`)「うおっ!!」

ギリギリまで引きつけ、咄嗟に横に転がり、二発目も何とか避けるショボン。
だが、自分の目の前に広がる光景を確認し、絶望する。

(;´・ω・`)「もう三発目が目の前に・・ぐあっ!!!」

凄まじい衝撃がショボンを襲う。
防御壁を作っておいたのが正解だった。何とかダメージだけは免れたが、もう自分の体を守るものは無い。

川;゚ -゚) 「やるじゃないか・・ショボン。次で最後の一撃だ」

76: 2007/02/16(金) 22:02:51.34 ID:Nc3mNCOX0
(;´・ω・`)「ぐうっ・・」

何故かショボンの体は自分の思う通りに動かない。

(;´・ω・`)「何故・・何故動いてくれないんだ!!」

何故か?さっきショボンを凄まじい衝撃が襲った。
その衝撃のせいなのか、体が動きずらくなっていたのだ。

川;゚ -゚) 「状況は・・どうやら私の方が有利みたいだな・・」

(;´・ω・`)「ちぃ・・」

川;゚ -゚) 「最後の一撃だ・・覚悟・・するんだな」

77: 2007/02/16(金) 22:06:40.52 ID:Nc3mNCOX0
クーも疲れを見せている。当然と言えば当然だ。
全力の力のうち、もう四分の三の力を使っているのだから。

川;゚ -゚) 「さよならだ・・ショボン」

クーのさよなら。この意味はどちらに働くのか、まだ分からない。
そしてついに最後の一発が、ショボンに向かってやってきた。

(;´・ω・`)「動け・・動けぇ!!!!!」

いくら口で叫んでみても、足が少し動いただけで、移動できるまで回復はしなかった。
これが自分の最後なのか。ショボンは今までのことを思い出している。

78: 2007/02/16(金) 22:09:12.71 ID:Nc3mNCOX0
(;´・ω・`)「ふふ・・色々あったな。楽しかったこと、辛かった事・・」

(;´・ω・`)「何より、研究している時が1番充実していたよ」

(;´・ω・`)「そして馬鹿みたいな正義感を感じて、この城にやってきたな・・」

ショボンはもう諦めていた。二人との約束を忘れて。

川*゚∀゚)「ショボンさん・・!!」

(;^ω^) 「あのままじゃ・・!!」

だが二人も反応できるほどの余裕は残していなかった。
ただショボンが氷に砕かれる瞬間を見ているしかないのかと思うと自分が情けなくなっていた。

79: 2007/02/16(金) 22:11:22.47 ID:Nc3mNCOX0
(;´・ω・`)「あの二人に会った事が・・1番の収穫だったかな」

(;´・ω・`)「あんな若者達が居るなら・・きっと僕に出来なかったことをやってくれる」

(;´・ω・`)「だから・・心配はしないよ。二人がこの世界の運命を握ってる」

(;´‐ω‐`)「頼んだよ・・」

静かに目を閉じ、氷に自分の体を砕かれるのを待つ。
ズガァァァァァァァァン!!!
辺りがまた凄まじい衝撃に包まれ、氷のしぶきで何も見えなくなる。ショボンの安否も確認できない。

80: 2007/02/16(金) 22:17:15.77 ID:Nc3mNCOX0
川*゚∀゚)「ショボンさん!!」

(;^ω^) 「おあ・・・・・・・・・!!」

ブーンは遂に居ても立っても居られなくなって、ショボンの居た場所へ向かっていった。
だがそこにもう、ショボンの姿は無かった。

(;^ω^) 「しょ、ショボンさん・・・」

もう遅い。そう思って絶望するブーン。仲間の一人が氏んでしまったことに呆然と立っていることしか出来なかった。

81: 2007/02/16(金) 22:18:56.48 ID:Nc3mNCOX0
川*゚∀゚)「・・・・・・・・」

二人とも無言になった。やがて氷のしぶきも治まって、辺りの景色は綺麗になる。
そこでブーンとツーは二人の人物を発見する。そう、クーとショボンの姿を。

(;´‐ω‐`)「・・・・・・・・」

(;´・ω・`)「あ・・あれ?生きてる」

ショボンは目を開く。目の前にはもう力を使い果たし、寝そべるクーの姿を発見する。

(;´・ω・`)「クー・・!!お前まさか・・わざと外したのか!?」

82: 2007/02/16(金) 22:22:14.35 ID:Nc3mNCOX0
ショボンの言葉を聞いて、クーの姿を発見した。

川;゚ -゚) 「・・いや、外したつもりはなかった・・」

川;゚ -゚) 「どうやら、もうあの氷を制御するだけの力が残っていなかったみたいでな・・」

川;゚ -゚) 「狙いがはずれ・・ゴホッ!!」

(;´・ω・`)「よせ!無理に話すな!」

川;゚ ー゚) 「ふ・・ふふ、それがさっきまで私を頃すと言っていた者が言う言葉か・・?」

苦し紛れに笑ってショボンに話し掛けるクー。
もう、表情に覇気は見られなかった。

83: 2007/02/16(金) 22:26:06.41 ID:Nc3mNCOX0
川;゚ ー゚) 「あ・・ありがとう、ショボン。お前に殺されるなら・・本望だよ」

(;´・ω・`)「・・・・・・」

川;゚ -゚) 「私は・・魂を売り渡してから、ずっと迷ってた・・」

川;゚ -゚) 「人の命を簡単に奪って・・呪いにも手を染めて・・」

川;゚ -゚) 「こんなことは望んでいなかったんだ・・元の生活に戻りたかった・・」

川;゚ -゚) 「でも・・遅かった。だから私は、殺される事を望んだ・・」

(;´・ω・`)「クー・・!!」

84: 2007/02/16(金) 22:28:41.66 ID:Nc3mNCOX0
川;゚ -゚) 「最初はあのツーという娘にそれを望んだ・・」

川;゚ -゚) 「だけど・・ショボン、お前が現れて・・お前に殺されたいと思った」

川;゚ -゚) 「でも、お前と戦った時は全力だった。決して手加減はしなかった・・」

川;゚ ー゚) 「ありがとう・・ショボン。魔女になった私でも真剣に見つめてくれて・・」

また笑顔を見せるクー。それとは対照的に泣きそうな表情を見せるショボン。

川;゚ ー゚) 「さぁ・・頃してくれ。私を解き放ってくれ・・ショボン」

(;´・ω・`)「なぁ・・クー。その前に、一つ聞いてくれないか・・?」

85: 2007/02/16(金) 22:29:53.24 ID:Nc3mNCOX0
川;゚ ー゚) 「な・・なんだ?」

(;´・ω・`)「実はな・・ずっとお前が失踪するその日に、お祝いと一緒に言おうと思ってた言葉があるんだ」

川;゚ ー゚) 「・・・・?」

少し間を置くショボン。少し顔を赤らめながら。

(;´・ω・`)「クー・・俺はお前の事が好きだ。親戚とか関係なく・・一人の女として・・」

川;゚ ‐゚) 「!!!」

(;´・ω・`)「だからこそ・・俺はお前を間違った方向に行ったまま生かしておきたくは無かったんだ・・」

(;´・ω・`)「勝手な・・男心かもしれないな。だからあえて俺は、お前に冷たい態度を取ってたんだ」

86: 2007/02/16(金) 22:31:35.27 ID:Nc3mNCOX0

川;゚ ‐゚) 「ショボン・・」

川;゚ ‐゚) 「分かっていたよ・・あえての冷たい態度・・」

川;゚ ー゚) 「私の・・為だったんだよな」

(;´・ω・`)「あぁ・・・・」

そしてクーは呟いた。

川;゚ ー゚) 「わ・・私も・・好きだぞ。お前の事・・」

川;゚ ー゚) 「その言葉を・・魂を売る日より一日早く聞いていたら・・私たちは幸せに過ごせたかもしれないな・・」

87: 2007/02/16(金) 22:33:14.03 ID:Nc3mNCOX0
二人は沈黙し、見つめあう。そしてショボンはこう言う。

(;´・ω・`)「・・クー、目を閉じて・・」

川;‐‐‐) 「んっ・・」

二人は熱いキスをした。今日で最初で最後の・・

川;゚ ー゚) 「もっと・・早く愛し合いたかったな・・」

川;゚ ー゚) 「ご・・ごめんな。ショボン。もう時間が来てしまったようだ・・」

川;゚ ー゚) 「わ・・私の他に・・素敵な女を見つけて・・幸せにな」

そう言うと、クーは動かなくなった。

88: 2007/02/16(金) 22:34:36.55 ID:Nc3mNCOX0
(;´・ω・`)「クー・・・?」

(´;ω;`)「クー!!!!!!!!!!!!!」

ショボンはクーを抱きしめて、泣いた。
切ない別れを見ていたブーンとツーも一緒に。

川*;∀;)「うわぁぁぁぁん!!」

( ;ω;) 「・・・・・・・・」

(´;ω;`)「クー・・」

そう呟いた瞬間に、クーの姿は消えていた。
天に帰ってしまったのだと、ショボンは思った。

89: 2007/02/16(金) 22:34:53.57 ID:Nc3mNCOX0
(´;ω;`)「・・・・・・」

(´;ω;`)「お前の為にも・・必ずドラキュラを倒してみせる。だから見ていてくれ・・!!」

号泣し、決意を新たなものにするショボンに、ブーンとツーがゆっくりとやってきた。

( ;ω;) 「け、決意は充分ですかお?」

(´;ω;`)「・・・・・・・・・」

(´つω `)「あぁ・・」

涙を拭きながらそう呟いたショボン。

川*゚∀゚)「それじゃ・・行きましょう!天守閣へ!!」

三人はツン、クーの氏を無駄にしない為、走り出した。ドラキュラの下へ。ついに最終決戦が三人に迫っている・・

第十四話 完


90: 2007/02/16(金) 22:36:01.56 ID:Nc3mNCOX0
続きは今書いています。
体調が良くなり始めたので、間に合えば十二時頃に投下しようかと思います。
間に合わなければ明日の投下になると思います。

96: 2007/02/16(金) 23:36:13.70 ID:Nc3mNCOX0
皆さんどうもです。マイペースで頑張っていきます。
今頃なのですが訂正です。
時代背景は中世のヨーロッパと1話に書いたのですが・・
元ネタの確認不足のせいで矛盾が生じていました。
なので、時代背景は十九世紀中期に修正します。申し訳ないです。

( ^ω^)ブーンが悪魔城に乗り込むようです【第十六話】


引用: ( ^ω^)ブーンが悪魔城に乗り込むようです