2: 2007/02/24(土) 15:01:22.60 ID:CKQEFvIf0

7: 2007/02/24(土) 15:13:26.47 ID:CKQEFvIf0
第十六話

(  ^ω^)「・・・いよいよこのときがやってきたお」

川*゚∀゚)「そうね・・ここまで来るのに長かったわね」

(´・ω・`)「色々な事が起きたな・・」

三人は遂に、天守閣の前の大きな門まで到達していた。
とても高い所にあるそこは、強い風が吹き荒れていた。
悪魔城ドラキュラ Dominus Collection 奪われた刻印カバー Switch
9: 2007/02/24(土) 15:15:39.27 ID:CKQEFvIf0
(  ^ω^)「皆・・覚悟はいいかお?」

川*゚∀゚)「ええ・・いきまs

???「すいませんモナ!ちょっといいですかモナ!!」

聞き覚えのある声、語尾をしゃべる男に足を止められる。

(  ^ω^)「あんたは・・悪魔商人の・・」

( ´∀`) 「モナーですモナ!覚えていてくれましたかモナ!!」

(  ^ω^)「覚えてたお。で、何のようだお」

10: 2007/02/24(土) 15:17:18.66 ID:CKQEFvIf0
( ´∀`) 「突然ですが、お別れを言いに来たモナ!!」

(  ^ω^)「いや、正直一回もお世話になってないから早く帰るお」

( ´∀`) 「え!?」

(  ^ω^)「いい時を邪魔しやがって・・早く消えないと僕のムチをお見舞いするお?」

(;´∀`) 「すいませんでしたモナ!!失礼しましたモナ!!」

すぐに姿を消すモナー。

川*゚∀゚)「ねぇ・・さすがに可哀想じゃない?」

11: 2007/02/24(土) 15:20:30.42 ID:CKQEFvIf0
(  ^ω^)「いいんだお、早く入るお」

(´・ω・`)「ブーン君にはこんな一面があるのかい・・」

三人はそれぞれの思いを抱えながら、協力した大きなドアを開ける。
目の前に広がった光景は、大きな棺が置いてあるだけの、無機質な部屋だった。

(  ^ω^)「きっと・・あの棺の中にドラキュラは居るはずだお!!」

川*゚∀゚)「そうね・・棺の前に行ってみましょう」

三人は棺の前に向かった。まるで闇のような、嫌な感じが三人を襲った。

12: 2007/02/24(土) 15:26:28.39 ID:CKQEFvIf0
(;´・ω・`)「ぐっ・・僕にも分かる・・氏神、クーを凌駕する凄まじい魔力が・・!!」

( ;^ω^)「・・まだ姿も表していないのに・・さすがといった所かお」

川*゚∀゚)「でも・・d

バン!!ズガァン!!
ツーが言葉を発そうとしたその時、棺のふたが勢いよく吹き飛んだ。

( ;^ω^)「もしかすると・・!ドラキュラが外に出ているのかもしれないお!!」

ブーンがそう叫んだものの、ドラキュラは一向に姿を表す気配が無い。
三人は警戒したまま、辺りを見回す。

13: 2007/02/24(土) 15:29:46.44 ID:CKQEFvIf0
???「フフ・・フハハハハハハハハ!!!」

三人の笑い声ではない笑い声が辺りに響き渡っている。
身をキュッと引き締め、その声を聞いた。

???「そんなにこのドラキュラ伯爵に八つ裂きにされたいのか・・」

川*゚∀゚)「どこにいるの!?姿を表しなさい!!」

 ('∀`) 「フハハハ・・貴様等を倒して、世界を再び闇の世界へ陥れてやる・・」

ついにドラキュラが姿を表した。だが思った以上に情けない顔をしているので少し幻滅するショボン。

14: 2007/02/24(土) 15:33:35.21 ID:CKQEFvIf0
(´・ω・`)「こんな奴がドラキュラ・・うおっ!!」

呟いた瞬間にショボンは向かい側の壁までもの凄い勢いで吹き飛ばされる。
まるでボロきれのように。

 ('∀`) 「何か言ったか・・?そこの雑魚」

(;´・ω・`)「ぐ・・・ぐぅ・・」

気を失ってしまうショボン。

川*゚∀゚)「ショボンさん!!」

急いでショボンの方へ向かうツー。だが目の前にドラキュラが現れる。
あまりの速さに何も成す術が無い。

15: 2007/02/24(土) 15:37:20.63 ID:CKQEFvIf0
川*゚∀゚)「しまった・・!!」

 ('∀`) 「フフフ・・久し振りに女の血が吸えるな・・」

川*゚∀゚)「・・・・っ!!」

動きをドラキュラに固定されるツー。
さすがはかつて魔王と呼ばれていただけある。ガッチリと掴んだその手はツーの動きだけでは取れそうになかった。

(  ^ω^)「そう簡単にやらせるかお!」

16: 2007/02/24(土) 15:42:57.44 ID:CKQEFvIf0
ブーンが勢いよく掴んでいたムチをドラキュラへふるう。
見事、顔へヒットし、ツーを離すドラキュラ。

 ('∀`) 「・・・・・・・・」

 ('∀`) 「この痛み・・お前、VIPPER家の血を継ぐ者なのか?」

(  ^ω^)「そうだお!覚えているかお!?このムチの力を・・!!」

 ('∀`) 「ああ・・覚えている」

 (#'∀`) 「憎らしいなぁ・・お前は私の手で始末しないと気がすまない」

17: 2007/02/24(土) 15:45:53.11 ID:CKQEFvIf0
そう言った瞬間、伯爵はブーンの目の前まで迫ってきていた。

( ;^ω^)「っ!!!!」

すぐにムチを振ったものの、その狙いは正確ではなく、いつもの速さもなかった。
伯爵はそのムチをしっかりと掴む。ムチはまるで弱った蛇のように、垂れ下がってしまった。

( ;^ω^)「・・・・・・・・」

 (#'∀`) 「貴様から八つ裂きに・・・」

 (#'Δ`) 「ぐおわぁ!!!!!!!」

18: 2007/02/24(土) 15:48:31.56 ID:CKQEFvIf0
川*゚∀゚)「あなたを封印しようとする者は一人じゃないのよ・・?」

ツーが限界まで力を溜めたエネボールをドラキュラの頭にヒットさせる。
そのダメージは相当大きかったようで、頭を抱えながら苦しむドラキュラ。
すぐに、ツーの方へ戻るブーン。

( ;^ω^)「すまないお、ツー」

川*゚∀゚)「一人で挑んでたらこの時点で二人とも氏んでたわね・・」

川*゚∀゚)「ショボンさんはおそらく気絶しているだけ・・だけど回復しようとすれば、また伯爵が近くによってくるわ」

( ;^ω^)「仕方ないお・・こいつは二人で対応するしかないお!!」

19: 2007/02/24(土) 15:54:06.78 ID:CKQEFvIf0
川*゚∀゚)「そうね・・自分達の特性を生かしながら戦うわよ!!」

二人はようやく完全な戦闘態勢に入る。伯爵は攻撃を受けてから停止したままだった。

 (#'Δ`) 「・・貴様はフェルニー家の一族か・・」

 (#'Δ`) 「くっ・・憎たらしい・・。貴様等の先祖に倒されたことは今でも記憶に残っている・・」

(  ^ω^)「今回もきっと同じ結果になるお」

 ('∀`) 「・・・・・・・」

 ('∀`) 「ふふっ、それはどうかな。貴様等の力で私を倒せるのか?」

20: 2007/02/24(土) 15:56:50.63 ID:CKQEFvIf0
いかにも自信のある顔でそう聞く伯爵。
だがブーンとツーも強気な姿勢を崩さなかった。

川*゚∀゚)「そうよっ!あんたはまた、暗い地面の中に葬り去られる運命なのよ!」

 ('∀`) 「・・・・・・・・」

 ('∀`) 「やはり、いつ見てもお前等の様子は変わらないな」

 ('∀`) 「貴様等の祖先も同じ事を言ってたよ」

 ('∀`) 「いつ・・聞いても」

 (#'∀`) 「忌々しい言葉だな!!」

21: 2007/02/24(土) 16:02:39.18 ID:CKQEFvIf0
伯爵は自分の魔力を解放する。
その全てを飲み込もうとする魔力に対し、体が少し震える二人。

(  ^ω^)「・・でも!こんな所で引き下がれないお!いくお!ツー!!」

川*゚∀゚)「ええ!!」

(  ^ω^)「とりあえず奴は僕がひきつけるお!その間に滅殺の力をもう一度限界まで溜めといてくれお!」

川*゚∀゚)「でも・・ブーンが危ないよ!!」

(  ^ω^)「心配するなお!僕を信じるお!!」

22: 2007/02/24(土) 16:09:04.95 ID:CKQEFvIf0
肩を掴み、ツーに話しかけるブーン。
その瞳からは一種の覚悟が感じられた。ツーはその視線に押されるように答えを出した。

川*゚∀゚)「・・分かった。私、信じるよ」

(  ^ω^)「任せろお!さぁ・・いくお!!」

川*゚∀゚)「ええ・・!!必ず伯爵を倒すわよ!!」

ツーのその言葉と同時に、ブーンは伯爵に向かって走り出す。
伯爵も何をたくらんでいるのか分からないが、マントを持ち、何かを起こそうと準備しているようだ。

24: 2007/02/24(土) 16:12:34.69 ID:CKQEFvIf0
 ('∀`) 「ふふ・・まずは貴様からか。地獄の業火で焼き尽くされるがいい」

伯爵は、マントを開く。
それと同時に激しい炎がブーンに迫る。一体どこから出したのか質問したいくらいの業火だ。

( ;^ω^)「ぐおっ・・」

ギリギリでその炎を避けるブーン。

 ('∀`) 「なかなかいい反射神経を・・」

 (#'∀`) 「ぐおあっ!!」

ブーンの長いムチがいつの間にか伯爵の顔面を捕らえていた。

25: 2007/02/24(土) 16:16:36.95 ID:CKQEFvIf0
 (#'∀`) 「ぐおおおっ・・・この熱さ・・この痛み・・!!」

 (#'∀`) 「懐かしい痛みだな・・まさにVIPPER家のムチの味!!」

 (#'∀`) 「それでなくては倒しがいが無いな。VIPPER家の戦士よ」

( ;^ω^)「ふっ!!」

その勢いでもう一度ムチを振り、伯爵の反撃の態勢を作らせない。
いくら伯爵といえど、ドラキュラを封印できる能力の保持者が二人も相手では劣勢にならざるを得ない。

26: 2007/02/24(土) 16:21:13.62 ID:CKQEFvIf0
 (#'∀`) 「グッ・・調子に乗りおって!!」

ズガァァァン!!
伯爵は凄まじい衝撃波を出し、ブーンを襲う。

( ;^ω^)「うぐわぁっ!!!!!」

衝撃波を避けきれなかったブーンの体に凄まじい衝動が襲った。
この衝撃、今まで体験した事はまずないものだ。

川*゚∀゚)「ブーン!!大丈夫!?」

その様子を見て、思わずツーが声をかけてしまう。

27: 2007/02/24(土) 16:23:40.27 ID:CKQEFvIf0

( ;^ω^)「だ・・大丈夫だお!ツー!今は自分のことに集中するお!あと一息であいつを倒せるお!!」

川*゚∀゚)「ええ・・わかってる!!」

一度ブーンは立ち上がり、ツーの元に走った。

( ;^ω^)「今まで溜めた力を、僕がドラキュラにムチを当てたら解放して欲しいお」

( ;^ω^)「二人の攻撃が一緒にヒットすれば、おそらくダメージが大きいはずだお。それで・・決めるお!」

川*゚∀゚)「把握したわ!上手くやってね!ブーン!」

( ;^ω^)「任せておけお!いくお!」

28: 2007/02/24(土) 16:29:03.31 ID:CKQEFvIf0
その声と同時にブーンは自分の全力を使い、走り出した。
だがドラキュラも黙ってみてくれている訳ではない。追撃態勢を取っていた。

( ;^ω^)「もう遅いお!覚悟するお!ドラキュラ=ツェペリ=べラド!!!!」

渾身の力を込め、ムチを振った。
ムチはもう一つの生き物としてみていいくらいに、凄まじい勢いでドラキュラへ向かっていく。
さすがに防ぎきれはしなかったようだ。

 (#'∀`) 「うぐぁ・・!!」

一瞬よろめくドラキュラ。

29: 2007/02/24(土) 16:31:16.83 ID:CKQEFvIf0
川*゚∀゚)「はぁぁ・・滅殺!!!!」

溜めていた力を一気に解放し、ドラキュラへ向けるツー。
苦しんでいたドラキュラに攻撃を当てることは容易いことだった。

 (#'∀`) 「う・・うがぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

ドラキュラは凄まじい悲鳴を上げる。まるで獣だ。

( ;^ω^)「やっ・・やったのかお?」

 (#'∀`) 「貴様等・・本当にこれで私に勝ったつもりか・・?」

 (#'∀`) 「心が闇に覆われている人間は沢山居る・・彼らの闇がある限り、私は何度でも復活できる・・!!」

30: 2007/02/24(土) 16:33:21.52 ID:CKQEFvIf0
 (#'∀`) 「所詮貴様等がもたらす物は一時的なものに・・・!!!」

 (#'∀`) 「ウガァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」

(  ^ω^)「・・・やっぱり最後ってのは呆気ない物だお・・」

川*゚∀゚)「そうね・・終わったのね。ようやく・・」

(  ^ω^)「みたいだお。ここまで・・長かったお」

二人は疲労しきった表情を見せ合い、笑いあった。

31: 2007/02/24(土) 16:35:14.74 ID:CKQEFvIf0
川*゚∀゚)「・・あっ!ショボンさんは!?」

(;´・ω・`)「う・・うん?」

(  ^ω^)「大丈夫ですかお!?ショボンさん!?」

(;´・ω・`)「あ・・ああ。体に異常はないらしい」

川*゚∀゚)「よかった・・それじゃ、帰りましょう!私たちの故郷へ・・!!」

(  ^ω^)「おっ!!」

ゴゴゴ・・・・・

32: 2007/02/24(土) 16:36:30.80 ID:CKQEFvIf0
川*゚∀゚)「もしかして・・ドラキュラが倒され、魔力を失った城が崩れるの・・?」

(;´・ω・`)「ノンビリしている暇はないな。早く脱出しよう!!」

三人は急いで天守を後にし、走り出した。
長い長い階段を下っているその時だった。
シュカッ!!!!

(  ^ω^)「お!?」

どこからか弓矢がブーンの足元を掠める。

34: 2007/02/24(土) 16:37:00.12 ID:CKQEFvIf0

(  ^ω^)「一体・・どこから!?」

上空を見渡すブーン。そこには見慣れた顔が居た。
暗黒に染められた馬に乗り、空を駆け巡るその姿が。

川*゚∀゚)「あれはっ・・・!!!」

( ^^ω)「・・・・・・・・」

マルタスニムだった。紫色の目でこちらをじっと見つめている。
しばらくして、どこかへ消えていった。

36: 2007/02/24(土) 16:38:03.24 ID:CKQEFvIf0
(;´・ω・`)「今は構っている暇はない!急ごう!!」

三人は心に何かつっかかったまま、先程氏神、クーと戦った場所まで降りてきた。
その時だった。上空からさっき見た暗黒の馬が自分達の下へ降りてくる。

( ^^ω)「皆さん・・お急ぎですかホマ?」

その紳士的な言葉からは想像できないほどに、悪の魔力を放っていた。さっきの伯爵など軽く凌駕する。
マルタスニムの正体とは一体・・

第十六話 完

37: 2007/02/24(土) 16:38:54.88 ID:CKQEFvIf0

引用: ( ^ω^)ブーンが悪魔城に乗り込むようです