40: 2007/02/24(土) 17:01:43.69 ID:CKQEFvIf0

42: 2007/02/24(土) 17:25:24.80 ID:CKQEFvIf0
第十七話

( ^ω^)「マルタスニム・・・・」

目の前に広がる光景はまさに驚愕だった。
その小さな体からは想像出来ない程の凄まじい程の魔力を発している。

川*゚∀゚)「何であなたがここに・・」

( ^^ω)「・・・・・・」

マルタスニムは依然黙ったままだ。暗黒に染められている馬はその場でおとなしくしている。
まるでブーン達の様子を伺っているようだ。
悪魔城ドラキュラ Dominus Collection 奪われた刻印カバー Switch
43: 2007/02/24(土) 17:28:14.66 ID:CKQEFvIf0
( ^^ω)「・・・フフッ」

( ^^ω)「フハハハハハハハハッ!!!!!!」

マルタスニムはいきなり金切り声を上げて、笑い出す。
一体何を考えているのか、分からない。

( ^^ω)「お前たち、本当に私を倒したと思っているのか?」

( ^ω^)「おっ!?」

( ^^ω)「だが・・身代わりを破ったのは予想外だった」

マルタスニムからの意外な言葉に、その場に立ちすくむ事しか出来ない三人。

44: 2007/02/24(土) 17:36:43.39 ID:CKQEFvIf0
( ^^ω)「お前等が破った下僕ドクオは、私が封印される間際に・・」

( ^^ω)「子どもに転生した私の魂が完全に記憶を取り戻す為の時間稼ぎに過ぎなかったのだ」

(´・ω・`)「じゃ・・じゃあお前が!?」

声をかけた瞬間、周りはまばゆい光に包まれる。

(;^ω^)「ぐっ・・・・・・・・!!」

(;´・ω・`)「うおっ・・・」

その光はますます力を増加させ、その場にいた三人は目を開けなくなる。

45: 2007/02/24(土) 17:44:21.39 ID:CKQEFvIf0
(;^ω^)「ぐっ・・・!!!!」

川;‐∀‐)「この光・・!!」

(´‐ω‐`)「ううっ・・!」

三人は目を開けられない。あまりにまぶしすぎるその光はどこまで三人を照らすのかは分からない。
一体何分目を閉じていたのだろうか。ようやく目を開ける。

( ^ω^)「・・っ!!」

( ^^ω)「・・・・」

46: 2007/02/24(土) 17:50:01.10 ID:CKQEFvIf0
三人の眼には、マルタスニムの姿ではなく、一人の精悍な男が居る。
強力な魔力を感じるのは変わらないのだが。

( ^^ω)「ふふ・・人間というのはやはり愚かで弱い生き物だ・・」

( ^^ω)「そんな目障りな奴等もこれで消える・・」

( ^^ω)「私がこの世界を再び暗黒に落とすのだから!」

そうマルタスニムは自分の声量をギリギリまで使い、叫ぶ。

( ^ω^)「・・確かに人間は愚かで、弱い生き物だお。僕だってそう、ツーやショボンさんも・・」

川*゚∀゚)「・・・・・・」

(´・ω・`)「・・・・」

47: 2007/02/24(土) 17:56:07.34 ID:CKQEFvIf0
二人は黙ったまま、ブーンの話に耳を傾ける。

( ^ω^)「だけど・・」

( ^ω^)「人間には人を愛し、信じる心があるお!!」

( ^^ω)「フハハハッ!そんな事!!私は見てきたよ、今まで欲、暗黒に飲み込まれ、自分を見失う人間をな・・」

( ^^ω)「そいつらのおかげで私は復活できたのだがな・・お前等には感謝しているよ。フハハッ!!」

( ^ω^)「笑いたければ笑うお。でも僕等はそんな人間の可能性を信じてるお」

川*゚∀゚)「そうよ!あなたの支配する世界なんて誰も望んでいない!」

(´・ω・`)「だからこそ、僕等はお前を封印する。自分達の命に代えてもね」

三人の気持ちは一つにまとまっている。最初からここを目指し、やってきたのだから。

49: 2007/02/24(土) 18:01:50.03 ID:CKQEFvIf0
( ^^ω)「フハハハハハッ!お前等が苦しみ、悶え氏ぬ姿を特等席で眺めさせてもらうとするよ」

( ^^ω)「我が名はドラキュラ=ツェペリ=ヴェラド!!」

( ^^ω)「生きとし生ける者はこの私に自らを捧げよ!」

( ^^ω)「さもなければ・・」

( ^^ω)「氏、あるのみ!!!!」

マルタスニム・・いや、ドラキュラの魔力がさらに上がる。
その魔力は特殊な能力を持たないショボンにも見える程、強大なものだった。暴れ狂っている。

50: 2007/02/24(土) 18:06:13.86 ID:CKQEFvIf0
( ^ω^)「皆・・覚悟は、出来てるお?」

川*゚∀゚)「ええ!私はあなたと一緒なら氏んでもいいもの!」

何気に凄い事を言うツー。

(´・ω・`)「やれやれ・・君たちは熱いねぇ。でも僕も・・同じさ」

三人は一度視線を合わせ、頷く。
その表情は不安から出てくるものではなく、覚悟を決めた者達が見せる強い表情に見えた。
決心はもう、出来ている。

51: 2007/02/24(土) 18:12:17.33 ID:CKQEFvIf0
( ^^ω)「仲間同士の慣れ合いはそこまでか?」

そう言うとドラキュラの気配はそこから消えた。戦闘開始の合図だ。

( ^ω^)「皆・・いくお!絶対に・・氏ぬなお!」

川*゚∀゚)「ええ!!」

(´・ω・`)「当たり前だよ」

三人も散らばり、それぞれの戦闘スタイルをとる。
だが気配を消している伯爵が一体どこから出てくるのかは、分からない。

52: 2007/02/24(土) 18:20:58.91 ID:CKQEFvIf0
( ^ω^)(・・昔、父親にこういわれたお)

( ^ω^)(目で分からないなら・・感じろって・・)

ふと目を閉じるブーン。普通の戦人ならば、こんな行為は自殺行為だと思うだろう。
だがブーンは違う。

( ^ω^)「・・・・・・・・・」

( ^ω^)「そこかお!!」

ドラキュラの出していたかすかな魔力にひきつけられるかの様に、ムチを空間に振り下ろすブーン。

53: 2007/02/24(土) 18:21:57.75 ID:CKQEFvIf0
(´・ω・`)「その行動は意味があるっていうのか・・?」

ショボンは感じれない。小さな魔力を。それとは対照的にツーの顔は少し笑顔が見えていた。

(;^^ω)「うぐおっ!!」

ブーンの振ったムチは見事マルタスニムを捕らえる。
だが痛みを感じない。

( ^^ω)「フハハッ、私に痛みすら与える事が出来ないとは、伝説のムチが聞いて呆れるな」

( ^ω^)「・・・・・・・・」

その言葉に対して大きな反応を見せないブーン。
まるで石像の様に固まり、マルタスニムを睨みつけているだけだ。

54: 2007/02/24(土) 18:23:53.88 ID:CKQEFvIf0
( ^^ω)「・・何も話すことが出来ないか。愚かな・・ウッ!!」

(;^^ω)(あ・・熱い!体全体が燃えるように熱い!なんだこの感覚は・・!!)

( ^ω^)「・・VIPPER族の戦士達が扱ってきたこのムチ」

( ^ω^)「確かに最初は普通のムチと対して変わりはなかったお」

( ^ω^)「だけど、戦ううちの本来の輝きを取り戻していったお」

( ^ω^)「先人達の力と僕の力を込めた最大の攻撃だお!ドラキュラ、貴様を倒す為の!!」

川*゚∀゚)「あのムチ・・さっきのドクオとの戦いの時より、更に力を増しているように見えるわ」

不思議な力を帯びているそのムチは、常人にも分かるくらいに不思議なオーラを漂わせている。
この世のものとは思えない程の。

55: 2007/02/24(土) 18:27:11.14 ID:CKQEFvIf0
(;^^ω)「うぐ・・うぐわぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

昔も体験しなかった程の、凄まじい痛みを体中で感じるドラキュラ。
これもブーンのムチがもたらした物だというのか。

( ^ω^)「ドラキュラにとって・・そのムチの味はまさに地獄そのものだお。苦しむといいお!」

(;^^ω)「ぐぅ!だが!この程度の痛みでは私は倒れん!」

( ^^ω)「地獄の業火に焼き尽くされるがよい・・ブーン=ホライゾンよ」

ドラキュラは自分の腕を前に出したかと思うと、一秒足らずで青い幻想的な炎を創り出す。
だが色からして、その炎がどれだけ熱いのか、容易に想像できるだろう。

56: 2007/02/24(土) 18:28:42.73 ID:CKQEFvIf0
( ^^ω)「氏ね」

そう呟き、ブーンに向けてその青白い炎を向けるドラキュラ。
だが、そこまで弾速は速くない。避ける事は簡単そうな感じがした。

( ^ω^)「こんな物で僕を倒そうとしても・・」

簡単にその炎を避ける。だが、様子がおかしい。
まだ、青白い炎特有の熱さを背後に感じるのだ。おかしいと思ったブーンは、すぐさま後ろを向く。

(;^ω^)「なっ・・!!」

避けたはずの青白い炎は消えず、まだ自分の姿を追っていた。

( ^^ω)「それで終わりだと思うか・・?もう一発貴様にお見舞いして、さよならだな」

57: 2007/02/24(土) 18:30:32.78 ID:CKQEFvIf0
ドラキュラ自ら作りあげた邪悪な炎をもう一度ブーンに直撃させようとする。
二つの炎に挟まれたブーンは苦しみながらもその炎を避け続ける。その姿はまるで氏を待つ者に似たような感覚がある。

(;^ω^)「ハァ・・ハァ・・!!」

炎の熱さに挟まれてなのか、自分の動きすぎなのだろうか、額に少し汗がにじんでいる。
だがその炎は全く消える様子を見せない。むしろ強力になってブーンを追う。

(;^ω^)「ぐっ・・!!」

微妙に足を挫くブーン。青白い炎達はその隙を見逃さない。真っ直ぐブーンに向かってくる。

( ^^ω)「フハハハハハハッ!!氏神を倒したVIPPER家の戦士がこんな炎にやられるとはな・・あいつらも情けない」

(;´・ω・`)「ブーン君!!」

58: 2007/02/24(土) 18:33:05.96 ID:CKQEFvIf0
ショボンは力いっぱい自分の限界の声を張り上げ、ブーンの方へ向かおうとするも、もう手遅れだ。
とても間に合わない。そこへ間に合えるのは人間ではいない。

(;^ω^)「諦めてたまるかお・・!!」

目の前の炎に向けて、自分のムチを放つブーン。
見事ヒットし、目の前の炎を消す事は成功した。だが後ろの炎は消えてはいない。

(;^ω^)「・・・・・・・・・」

もう手遅れと悟ったブーン。無駄に動く事を止める。

川*゚∀゚)「簡単に諦めるなって、何回言えば分かるのよ!ブーン!」

ツーの叫びが聞こえたと同時に、後ろの炎がボンと音を立て、消えうせた。

( ^^ω)「貴様ァ・・ツー=フェルニー。ことごとく邪魔してくれる奴だ」

59: 2007/02/24(土) 18:34:27.28 ID:CKQEFvIf0
川*゚∀゚)「黙りなさい!あなたはここで氏ぬ運命なのよ!」

( ^^ω)「うるさい女だ・・前もお前のようなフェルニー族の戦士がこの城を訪れたよ」

( ^^ω)「その時は氏神がその女を生け捕りにし、クーが吸血鬼化の呪いをかけた」

川*゚∀゚)「・・!」

( ^^ω)「最初は強い精神力で耐えていたがな・・今は城のどこかを彷徨う吸血鬼だ」

川*゚∀゚)「貴様ッ・・!誇り高きフェルニー族の戦士を・・!!」

( ^ω^)「え!?フェルニー族は絶滅したんじゃなかったのかお!?」

(´・ω・`)「確かに、フェルニー族は絶滅したよ。でも、ツー君のように自分がフェルニー族と言うことを知らずに育った子は沢山いた。
その中で、自分がフェルニー族だと知らされた子は、自分で訓練し、この城に乗り込んだ。それが戦士達なのさ」

60: 2007/02/24(土) 18:36:36.86 ID:CKQEFvIf0
( ^ω^)「・・何故、ショボンさんがそんなことを?」

(´・ω・`)「前にも言ったはずさ。僕は色々なことに興味を持つとね」

( ^ω^)「・・・・・・・」

川*゚∀゚)「その中でも私は・・他のフェルニー族よりも強力な魔力を秘めていた。それを知ったのは・・義母が殺されたあの日」

川*゚∀゚)「・・あなたの手先によってね!ドラキュラ=ツェペリ=ヴェラド!」

( ^^ω)「小娘・・あまり熱くなるな。お前では私には勝てないのだからな!」

川*゚∀゚)「いえ、勝てないなんて事ないわ・・」

川*゚∀゚)「何故なら・・ここには同じ気持ちで戦う戦士が三人もいるの。だからあなたなんて怖くないわよ」

61: 2007/02/24(土) 18:37:17.60 ID:CKQEFvIf0
( ^^ω)「人間の何がそこまで貴様達を動かす?何故同じことを繰り返す人間達を擁護する?」

川*゚∀゚)「さっきも言ったはずよ。私たちはあなたにこの世界を支配されるのが嫌なだけ。それだけよ」

( ^^ω)「やはり・・貴様等は救いようが無い」

(´・ω・`)「黙るんだね。よく覚えておくといいよ。これからお前を倒す三人の顔をっ!!」

ショボンは言い終わると同時に、自分特製の聖水をドラキュラに投げつけた。
その聖水はドラキュラに当たると同時にまるで火事のように燃え上がった。

( ^^ω)「ッ!!ぐうっ・・この聖水、普通のものとは違う!!」

(´・ω・`)「僕が対吸血鬼用に開発した聖水さ。もう時代は百年前の十八世紀とは違うのさ」

63: 2007/02/24(土) 18:51:53.89 ID:CKQEFvIf0
(;^^ω)「ぐあああっ!!」

(´・ω・`)「氏ぬんだな。ここで」

( ^^ω)「生意気な凡人だな・・!!」

(´・ω・`)「さあ!身動きの取れない今がチャンスだ!速くしろ!二人とも!」

( ^ω^)「おっ!覚悟するお!ドラキュラ!」

最初にブーンが身動きの取れないドラキュラに向かっていく。

( ^^ω)「貴様如きにはやらせるわけには行かないな」

ブーンが放ったムチを簡単に自分のマントで払い落とすドラキュラ。
流石に身動きが出来ないだけではたいしたアドバンテージにはならないようだ。

64: 2007/02/24(土) 18:55:22.02 ID:CKQEFvIf0
( ^ω^)「ふんっ!」

それでもブーンは攻撃の手を緩めない。続けてムチを振り、そして自分のダガーも投げつける。
ダガーは氏神戦で使った特殊な力を秘めているものだ。

(;^^ω)「ぐっ・・!!」

ムチを払うのに精一杯だったのだろう。ダガーは見事針の穴を通すように、ドラキュラを突き刺した。

(;^^ω)「ぐあっ・・!これはムチと同じ味・・!ぐううう!!」

( ^ω^)「そのダガーも・・先祖から伝わる悪魔退治の専用の物・・威力はムチには劣るけど強力だお」

( ^ω^)「地獄を味わうといいお!このダガーには人々の希望、そして痛み、それとお前に対する憎悪・・」

( ^ω^)「全て詰まってるお!」

(;^^ω)「ぐわあああああああああああああああああっ!!」

65: 2007/02/24(土) 18:57:08.45 ID:CKQEFvIf0

(:^^ω)(まるで燃えるような痛みが体中を・・!!苦しい!!)

( ^ω^)「さあ・・ツー。決めるお。この戦いを・・終わらせるんだお!」

川*゚∀゚)「ええ・・!滅殺!!」

この時の為に残しておいたその力を全て解放し、スイカ程の大きさのエネボールを創り出す。
凄まじい威力があることは間違いない。

川*゚∀゚)「覚悟・・しなさいっ!!」

勢いよく腕を振り、エネボールはドラキュラへ向かっていく。

( ^^ω)「ぐううっ・・!まだ・・こんな所で終わるわけには・・!!」

だが身動きの取れないドラキュラにはその巨大なエネボールを避ける術は無い。

66: 2007/02/24(土) 19:00:42.56 ID:CKQEFvIf0
(;^^ω)「ぐああああああああああああああああああああああああああっ!!」

見事エネボールはドラキュラにヒットする。それと同時に赤黒い炎を体中から発するドラキュラ。

(;^^ω)「何故・・!!何故ェェェェェェ!!!!!!!!!!貴様等のような雑魚共にぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」

( ^ω^)「・・確かにお前は強かったお」

( ^ω^)「僕等一人一人で挑んでいたら絶対に敵わない相手だったお」

( ^ω^)「僕は・・この戦いを通して、仲間を信じる事、そして・・人を愛する事を改めて教えてもらったような気がするお」

川*゚∀゚)「・・・・・・・・」

( ^ω^)「それを知った事・・僕がこの二人とあった事。そして強い平和への願いが、僕等の勝因なんだお!」

67: 2007/02/24(土) 19:01:36.52 ID:CKQEFvIf0
(;^^ω)「そんな言葉ァァァァ!!!!!そんなァァ!!過去と同じぃぃぃぃぃ!!!!!!」

川*゚∀゚)「消えなさい!もう終わりなのよ!この城も!あなたも!」

(´・ω・`)「ふん・・ドラキュラの最後も本当に呆気ないものだよな」

三人は思い思いに言葉を発した。

(´・ω・`)「なぁ・・クー、見ていてくれたか?僕等・・やったんだ」

ショボンも小さくそう呟いた。

(;^^ω)「ぐわあああああああああ!嘘だぁ!このドラキュラ=ツェペリ=ヴェラドがぁぁぁぁぁぁ!!!」

辺りは凄まじい風と、オレンジ色の月、そして暗闇が全員を包んでいる。
ドラキュラの最後には丁度いい景色だ。

68: 2007/02/24(土) 19:04:22.62 ID:CKQEFvIf0
( ^ω^)「さぁ・・おとなしく封印されるお!」

( ^^ω)「うがぁぁぁぁぁぁ・・・・」

ドラキュラの姿は、赤黒い炎と共に消えて無くなった。
それと同時に、また城が揺れ始める。

(´・ω・`)「いけない!まだ終わっちゃいない!この城が壊れる前に脱出しなくては!」

( ^ω^)「そうだったお!!ツー、走れるかお!?」

川*゚∀゚)「う、うん!大丈夫よ!」

( ^ω^)「それならいいお!二人とも、行こうお!」

三人は城の出口を目指し走り出す。
様々な物が音を立て、壊れだしている。女神像も・・
三人はひたすら走る。悪魔城を抜け、地下道を通り、別館に差し掛かったその時だった。

69: 2007/02/24(土) 19:04:58.40 ID:CKQEFvIf0
( ´`)「・・・・・」

そう、丁度迷路庭園に差し掛かった時だった。
あの不氏身のフランケンが、三人の前に立ちはだかったのだ。

(;^ω^)「ち・・こんな時にかお!?」

川*゚∀゚)「マズイよぉ!ここももう、魔力が無くなって崩れ始める!!」

( ´`)「・・・・・・」

フランケンはそんなことお構いなしに、三人を倒しにかかる。
そんな時だった。

(´・ω・`)「君たちは先に逃げろ!ここは僕に任せるんだ!」

70: 2007/02/24(土) 19:07:17.72 ID:CKQEFvIf0
(;^ω^)「で・・でも!ショボンさんが・・!!」

(´・ω・`)「おいおい、僕にも最後くらいいいカッコさせてくれたっていいだろ?」

川*゚∀゚)「氏にますよ!?」

(´・ω・`)「大丈夫、僕は氏なない。約束するよ」

そう言ったショボンの目つきは本気だった。

( ^ω^)「・・分かりましたお。必ず生きて帰ってきてくださいお」

(´・ω・`)「ああ、早くいくんだ!走れ!」

71: 2007/02/24(土) 19:07:53.52 ID:CKQEFvIf0
川*゚∀゚)「ショボンさん・・!」

二人はフランケンと対峙するショボンを後にして、駆け出す。

(´・ω・`)「自分より年下は・・守ってやらなきゃいけないだろ?」

ショボンはそう呟いて、戦闘態勢を取った。

( ´`)「・・・・・・・・っ!」

フランケンはショボンに向けて突撃を開始する。

(´・ω・`)「今まで隠していたとっておきの技を・・使うしかないみたいだね?」

その言葉と共に、ショボンは姿を消す。
フランケンでさえ、その姿を見失う程の速さで。

72: 2007/02/24(土) 19:10:12.48 ID:CKQEFvIf0
(´・ω・`)「ふぅぅ!」

いつのまにかフランケンの目の前に出て、一呼吸置く。
そして・・

(´・ω・`)「アータタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタッ!!」

常人には見切れない程の速さで拳を打ち込むショボン。
その拳は確実にフランケンに当たり、反撃の隙を与えない。

( ´`)「・・・・っ!?」

(´・ω・`)「アタタタタタタタタタタッ!オーワッタ!!」

(´・ω・`)「ksms!百裂拳!!」

73: 2007/02/24(土) 19:12:03.93 ID:CKQEFvIf0
そう叫ぶと、後ろを向き、走り出すショボン。
まだフランケンは倒れていないというのに。当然、見逃すはずが無い。すぐに走り出す。
そしてショボンを捕らえようとしたその時だった。

(´・ω・`)「お前はもう、氏んでいる」

( ´`)「!?!?!?」

バギッ!ガシャン!!フランケンの体が軋む音があたりに響く。

( ´`)「あ、あべしっ!」

意味不明な言葉を叫ぶと同時にフランケンは粉々に砕け散った。

74: 2007/02/24(土) 19:13:00.06 ID:CKQEFvIf0

(´・ω・`)「これが・・僕の家に伝わる「ksms神拳」さ・・」

(´・ω・`)「強力な破壊力を秘めているが、ドラキュラにはきかない。だからいつ使おうか悩んでいたのさ」

(´・ω・`)「って、そんな事はどうでもいい!僕も早く逃げなきゃいけない!」

自分の置かれている状況を把握し直し、再び出口へ進んでいく。
ショボンが悪魔城別館を抜け出そうとする丁度その時、ブーンとツーは森へと脱出に成功した。

( ^ω^)「ハァ・・ハァ・・なんとか・・間に合ったお」

川*゚∀゚)「ええ・・そうね、ショボンさんは・・?」

75: 2007/02/24(土) 19:13:46.33 ID:CKQEFvIf0
後ろを見渡すが、まだショボンの姿は見えない。
目の前の橋が崩れ落ちるその瞬間だった。

( ^ω^)「ショボンさん!」

崩れる橋の上に、ショボンを発見するブーン。

(´・ω・`)「ぐっ・・!」

ショボンは、思い切り跳躍し、ギリギリのところで、森へと足をつけた。
その瞬間・・

( ^ω^)「城が・・!!」

凄まじい音を立て、城は深い深い湖へと、姿を静めていく。
この戦いが本当に終わった事を意味する証拠だ。

76: 2007/02/24(土) 19:14:20.22 ID:CKQEFvIf0
( ^ω^)「長かったお・・ようやく本当に終わったんだお・・!」

川*゚∀゚)「うん、そうだね・・!!」

(´・ω・`)「僕等は・・勝ったのさ」

三人は静かに、悪魔城があった場所を見つめ、そう呟いた。

( ^ω^)「さぁ、帰ろうお!僕等のふるさとに・・!」

(´・ω・`)「すまない、君たちは二人で先に帰ってくれないか?」

川*゚∀゚)「え?何故ですか・・?」

(´・ω・`)「僕は、少し感傷に浸りたいんでね・・平和になった今、僕等はもう一緒に居る意味もないさ」

77: 2007/02/24(土) 19:15:11.84 ID:CKQEFvIf0
( ^ω^)「・・わかりましたお。今までありがとうございましたお」

川*゚∀゚)「ショボンさんが居なければ私は氏んでました。お世話になりました・・」

(´・ω・`)「いいんだ。君たちもこれから強く生きるんだぞ」

二人はショボンに別れの言葉をそれぞれ口にする。

(´・ω・`)「さぁ、もういけ。僕に構う必要はないんだ」

( ^ω^)「わかりましたお・・さよならですお!」

川*゚∀゚)「また、縁があったら!」

二人はショボンに背を向けて、ゆっくりと自分達の故郷への帰路を取り始めた。

( ^ω^)「ねぇ・・ツー?氏神との戦いに言った事、まだ覚えてるお?」

78: 2007/02/24(土) 19:16:20.07 ID:CKQEFvIf0
川*゚∀゚)「え・・?」

( ^ω^)「もし戦いから生き残れたら、聞き逃した事を教えてくれるって・・」

川*゚∀゚)「・・あっ!」

( ^ω^)「教えてくれお。その言葉・・」

川*゚∀゚)「えっ・・」

少し黙りこんでしまうツー。

川*゚∀゚)「・・・・・・・・・・」

川*゚∀゚)「いいよ・・教えてあげる」

79: 2007/02/24(土) 19:17:06.83 ID:CKQEFvIf0
( ^ω^)「おっおっ!」

川*゚∀゚)「私があの時言ったことはね・・」

川*///)「私は・・ブーンのことが好きになった・・ただそれだけだよ」

( ^ω^)「えっ・・!?」

川*///)「私・・わかったの。ブーンと一緒に旅をして・・ブーンと一緒に過ごす時間が凄く楽しいって・・」

川*///)「初めて・・男の人の事好きになった・・だから、ここでお別れなんて嫌なの・・」

川*///)「だから・・私もブーンの故郷へ連れてって!」

( ^ω^)「・・・・・・・」

80: 2007/02/24(土) 19:18:14.62 ID:CKQEFvIf0
( ^ω^)「・・いいのかお?後悔しないのかお?」

川*゚∀゚)「・・うんっ!ブーンと一緒なら・・後悔なんてないよ!」

( ^ω^)「・・そうかお。じゃあ一緒にいこうお!僕の故郷に・・!」

ブーンがそう言うと、二人は手を繋いで、ブーンの故郷への道を歩み始めた。
二人の人生はこれからきっと幸福なものになっていくだろう。ドラキュラは退治した。もう恐れるものは無い。
その頃、ショボンは・・

(´・ω・`)「・・・・・・・・・」

ただ悪魔城のあった方に目を向けて、黙って座り込んでいた。

(´・ω・`)「なぁ・・クー。お前は本当にこれでよかったのか?」

(´・ω・`)「そんなこと言って答えが出てくるなんて思ってないさ・・でもな・・」

81: 2007/02/24(土) 19:19:13.36 ID:CKQEFvIf0
目の前に向けられている視線を変えず、呟く。
自分にとって最愛の人だった。いくら姿を変えても。
誰よりもクーを思う気持ちは負けなかった。だが、そのクーはもう居ない。

(´・ω・`)「私よりもいい女を探して幸せに・・っていわれてもな」

ずっと目の前を見回していると、赤いバラが目の前に落ちてくる。
そのバラは、ツンが育てていた物と同じだった。
そしてふっと、地面に落ちる。

(´・ω・`)「ツン・・か。お前も無念だったんだろうな」

82: 2007/02/24(土) 19:20:20.44 ID:CKQEFvIf0
その瞬間だった。そのバラは眩い光を放ちだす。
ショボンは思わずその場から身を引く。

(´・ω・`)「・・・・・・・・・・・!」

一瞬自分の目を疑うショボン。眩い光を放ったその場所には、ツンが立っていたのだから。

ξ゚⊿゚)ξ「あれ・・?ここは・・?」

その姿はバンパイアが持つ特徴は無くなっていた。人間そのものだ。

ξ゚⊿゚)ξ「呪いが・・解けてる!」

自分の呪いが解けて、嬉々としているツンの姿を見て、ショボンはこう思う。

83: 2007/02/24(土) 19:21:14.09 ID:CKQEFvIf0
(´・ω・`)(クー・・俺はこいつを幸せにしてあげるべきなんだろうな・・お前の代わりにも。哀れなドラキュラの被害者・・)

そう思い、ショボンはこう声をかける。

(´・ω・`)「久し振りだな。ツン」

これから再びドラキュラは悪の魂を吸い、また復活するかもしれない。
だが、必ずブーン達のような者達が再び現れ、それを阻止するはずだ。
人間の強い意志は受け継がれる。時代を超えて、必ず・・

( ^ω^)ブーンが悪魔城に乗り込むようです 完

84: 2007/02/24(土) 19:22:29.44 ID:CKQEFvIf0
これでこの作品は終わりです。
正直、初めての戦闘物で、てこずる所が沢山でした。
それでも読んでくれた人、本当に感謝しています。

ありがとうございました。

85: 2007/02/24(土) 19:26:55.77 ID:TLt9FQJAO
最後の最後で気になっちゃったわけですが乙でした

87: 2007/02/24(土) 20:11:23.67 ID:rnm8/jgTO
凄い面白かった。
乙!!

引用: ( ^ω^)ブーンが悪魔城に乗り込むようです