1: 2014/06/07(土) 13:02:05 ID:yXDuS0s6
駄作ですが、昔書いていたもの

ネネ「しんちゃん…あたし、しんちゃんが好きなの」の別verです。



2: 2014/06/07(土) 13:03:37 ID:yXDuS0s6
幼い頃から、人気者で
面白くて、楽しくて変Oで
年上好きの女好き・・・・・。
それでも、みんな
みんな、あなたが大好きだった。



―――あたしも。



「しんちゃん、あたしね
あたし、・・・・・・


しんちゃんが好きよ?」




狂おしいほどに、好きよ
スキヨスキヨスキヨ・・・・?
好きなのよ、シンチャン?
DVDを借りにいくゾ
3: 2014/06/07(土) 13:05:08 ID:yXDuS0s6
……言ってしまった。
言ってしまった。
言ってしまったわ!

思っていた以上に、恥ずかしくなる。
でも、彼の奥の瞳に魅入られる。

頬が暑い。
高校を卒業して、しんちゃんはグッと
身長も伸びて大人っぽくなった。
グリグリいがぐり頭も、今や髪の毛は伸びて、青少年。
そんな、しんちゃんを周りの女の子たちが放っておくわけもなく、
しんちゃんの周りには、女の子たちが沢山いた。


・・でも。

しんちゃんは誰とも付き合わなかった。
誰の告白にも、応じなかった。

4: 2014/06/07(土) 13:05:44 ID:yXDuS0s6
そうなの。誰も、付き合わなかった。
あたしだけは特別だった。



・・・そう、特別なのよ、
私は。


だって、あたしは、かすかべ防衛隊のマドンナだもの。
あたしは、しんちゃんを、誰よりも傍で見てきたんだから。
すっと、ずっと・・・




ね?
ねぇ、あたしのことを…好きだよね?
しんちゃん…。

5: 2014/06/07(土) 13:10:08 ID:yXDuS0s6
長い長い、間をおいて、
しんちゃんはニッと元気よく笑った。


「改まって、どうしたんだゾ!


オラも、ネネちゃんを好きに決まってるゾ!
なんたって、かすかべ防衛隊の仲間だもん」


え・・・・?



「・・どういう、こと・・?」



・・・・・そっち?
そっちの意味に捉えるの・・・?
あたしの、好きとは、一緒じゃ、ないの?

6: 2014/06/07(土) 13:10:38 ID:yXDuS0s6

「オラ、ネネちゃんと友達になれて良かったゾ」



そう、微笑む彼の眼差しは
あたしが期待していたものじゃなくて。

7: 2014/06/07(土) 13:11:12 ID:yXDuS0s6
「しんさまぁ!」
「お、ちょっと待ってて、あい。
すぐに行くから」



・・・・あたしには、見せない
彼の笑顔。守るような手、
あたしが、期待していて、欲しかった暖かい眼差し。



・・・ねえ、それは、ずっと、あたしだけのものだったでしょう?
あたしだけの、ものだったじゃないの?




ねえ・・・・?
・・・・・・・・・ねえ?

8: 2014/06/07(土) 13:13:46 ID:yXDuS0s6
ドスッ。
ドスッ。
ドスッ。



鈍い音が、室内に鳴り響く。
もう、何時間経ったのだろうか。
暗闇のそこでは、何も見えない。


「ネネちゃん・・・」


いつの間にかやってきていた、おにぎりが震えている。
こいつも、見かけはおにぎり頭ではなくなったものの、
弱虫なところは変わっていない。
おにぎり頭と呼ばれることに、コンプレックスでもあったのだろう。
いまや、茶髪にロングのチャラ男へと進化した。
中身は変わらずとも、見かけは大変身。


そのいがぐり頭をなつかしく思うとともに、
なぜだろうか。
少しだけ、あのころに戻りたいと思った。

9: 2014/06/07(土) 13:16:15 ID:yXDuS0s6
「もう、やめようよ・・・こんなこと」
「こんなことって、・・・・・なにがぁ? 

うるさいわよ、おにぎり!」


そういうや否や、おにぎりは泣き出した。
ほんっと! 見かけだけね・・・・。
あたしは、ため息をつく。


「泣くんじゃないわよ!!
ほんと、泣き虫なのは変わってないわね! 
まったく!!」



仕方がないので、ハンカチを渡すと
「ありがとう、ネネちゃん」と震える手で、
彼は、ハンカチを受け取る。
そして、彼は、あたしを強く引き寄せた。



「ネネちゃんは、可愛い!
そして、ネネちゃんは優しくて強くてカッコイイんだよ!

ぼくは、ずっとそんなネネちゃんを見てたんだ!!」

10: 2014/06/07(土) 13:17:11 ID:yXDuS0s6
涙と鼻水でぐしゃぐしゃにしながら
顔を真っ赤にさせて、鼻息を荒くして
力説するマサオくんに、思わず苦笑いをした。
女の子に、カッコイイって・・・・・どゆこと?
意味分からない。


「ぼくは、ネネちゃんが好きだ!
だからもう、こんなネネちゃんを見るのは
たえられない!

やめてネネちゃん!!!
しんちゃんを解放してあげてネネちゃん!」

11: 2014/06/07(土) 13:17:50 ID:yXDuS0s6








「却・下よ」



泣きそうな、元おにぎり頭を思い出して
あたしは、思わずニタリと笑う。




そして、あたしの髪の毛と同じように
赤く染まった、あたしだけが、見ている彼を、
見て、あたしは、包丁を突き刺した。

12: 2014/06/07(土) 13:19:54 ID:yXDuS0s6



「ね・・ねね、ちゃん・・」
「・・・・うる、さいわよ、
おにぎり頭」



(おにぎり頭のくせに、言うじゃない)



あんたを好きになれば、良かったかしら?
泣き喚く顔が、昔から全然変わってない。
ドジでマヌケで泣き虫で、女の子扱いも下手くそだし、
見かけだけチャラ男だけど、

13: 2014/06/07(土) 13:20:26 ID:yXDuS0s6



いつも真っ直ぐだった。
それでも、少しだけ、
ほんの少しだけ。
さっきまでの憎しみでいっぱいだった心が楽になっている、
あたしがいた。





(ああ・・・今日のママのご飯は
なんだったのかしら・・・・)





もう、なにも、見えない。

14: 2014/06/07(土) 13:21:23 ID:yXDuS0s6



「ネネちゃん。おらも、ネネちゃんが大好きだぞ」
「じゃあ、あの子の好きはなんなのよ」
「あたしは、マドンナよ! かすかべ防衛隊のマドンナなのよ!!」
「あたしが愛されないわけがないじゃない!」
「あたしが、みんなから愛されないなんておかしいわ!」
「ネネちゃん・・!」
「あたしは、ずっとみてたのよ! ずっとずっとずっとずっと
ねえ、しんちゃん。だから、あたしだけを見て?」 


ドスドスドスッッ!!



「あたしも、あなただけしか見ないから


永遠に、ね?」

15: 2014/06/07(土) 13:22:16 ID:yXDuS0s6
久しぶりにクレしんSSでした。
ほんとは、かわいいあいちゃんを書きたいのですが
なかなか思いつきません。

16: 2014/06/07(土) 13:25:17 ID:Qzk3ttuw

引用: ネネ「しんちゃん…あたし、しんちゃんが好きなの」