1: 2025/01/21(火) 23:20:58 ID:???00
すみれ「ギャラクシー!」

2: 2025/01/21(火) 23:21:11 ID:???00
可可「いつもいつもやかましいデスよすみれ」

可可「なにをそんなに叫ぶことがあるのデスか」

可可「"銀河一のスターになる"って・・・」

可可「叫んでなれるものではありマセンよ」

可可「ま、まぁちょっとなら応援したりお手伝いくらいはしてやらんでもないデスガ・・・」

可可「なにニヤニヤしてるのデスカ! あくまで普通に! 分相応の話デス!」

恋「すみれさん! 可可さん! 来て下さい大変です!」

可可「な、なんデスカ、レンレン?」

恋「結ヶ丘の屋上に! UFOが!」

可可「ハイ~~!?」

3: 2025/01/21(火) 23:21:43 ID:???00
宇宙人「・・・・・」

かのん「あれが宇宙人・・・!?」

恋「見た目はわたくしたちとソックリですね・・・」

夏美「世紀の大発見ですの~! は、配信しないとぉ~!」

四季「配信はStop。うかつなことしちゃダメ。まだ録画まで」

宇宙人「■■■■■」

かのん「な、なんか喋ってるよ!?」

可可「か、かのん! ここはかのんの人たらしで何とかしてクダサイ!」

かのん「むりむりむり~! 私人見知りしちゃうから!」

かのん「ちぃちゃん部長だからがんばって!」

千砂都「さ、さすがに私も無理だよぉ」

4: 2025/01/21(火) 23:22:23 ID:???00
メイ「きな子はわかるか!?」

きな子「え、えーと・・・」

きな子「ふんふん・・・なるほど」

可可「え? すみれもあの宇宙人の言葉がわかるのデスか!?」

きな子「えーとっすね・・・」

きな子「【私はエレクチオン星から来たデカ・マッラー神の使いです】って言ってるっす!」

メイ「なんだマッラー神って」

きな子「そ、それで、すみれ先輩をギャラクシーアイドルとしてスカウトに来たって言ってるっすー!?」

「「ええ~~!?」」

5: 2025/01/21(火) 23:23:00 ID:???00
かのん「ギャラクシーアイドル・・・なんかすごそう」

恋「あの、それは具体的にどのような・・・?」

きな子「え~と・・・」

きな子「歌を歌ったり、人前で踊ったり、テレビに出たりと、いろいろみたいっす」

夏美「なんか普通のアイドルとかタレントみたいですの」

きな子「あー、その認識でいいみたいっす」

夏美「意外と宇宙も代わり映えしないんですのね・・・」

メイ「しかしあの宇宙人、見る目あるな! 私もすみれ先輩は宇宙で通用するくらいの器だと思ってたぜ!」

四季「でもなぜわざわざ地球に? エレクチオン星なんて聞いたことない。接点なんて全く無いはず・・・」

きな子「聞いてみるので待って欲しいっす」

宇宙人【我々のエレクチオン星にはデカ・マッラー神という神様がおわします。そして、すみれさんにはマッラー神の加護が宿っているのです】

きな子「って話っす」

かのん「どうしよう。色んな意味であの宇宙人の言っていることが理解できない」

6: 2025/01/21(火) 23:23:46 ID:???00
恋「突拍子のなさすぎる話で反応に困りますね・・・」

千砂都「仮にその話が本当だとして、宇宙に行っても私たち生きていけないんじゃ・・・」

宇宙人【その心配は要りません。地球とエレクチオン星の環境は限りなく同じに近いです。それに、地球のことや、あなた方Liella!さんの活躍も調べさせていただきました】

宇宙人【できるだけすみれさんの希望する環境を提供します。ギャラクシーアイドルとしての活動もその一環です】

恋「す、すごいですね。すみれさんを誘うためだけに宇宙からいらっしゃるなんて」

メイ「ほんとにすげぇぜ・・・! すみれ先輩が宇宙で輝く姿を間近で見れるってことか!」

夏美「これは大バズり間違いなしですの~!」

かのん「え、待って。私たちも行くつもりなの!?」

夏美「当然ですの!」

メイ「こんなチャンス逃せるかよ!」

7: 2025/01/21(火) 23:24:36 ID:???00
きな子「あ、そのことなんすけど・・・」

きな子「行けるのはすみれ先輩ひとりだけみたいっす・・・」

メイ「はぁ!? な、なんでだよ! 私たちだってちょっとくらいいいだろ!?」

宇宙人【エレクチオン星は、ここ天の川銀河から遥か遠くのアンドロメダ銀河にあります。地球との移動は簡単ではありません】

宇宙人【今回伺ったのは、あくまでマッラー神の加護を宿すすみれさんを招待することが目的なのです。残念ですが】

メイ「なんだよそれぇ~・・・」

夏美「がっかりですのぉ~・・・」

千砂都「移動が簡単じゃないっていうのは?」

宇宙人【星間航行技術のない場所への移動は難しいのです。今回の訪問もかなり大変でした】

千砂都「そうなんですね・・・」

恋「ま、待ってください。場合によっては二度とすみれさんとお会いできない可能性もあるということですか・・・?」

宇宙人【はい。その通りです】

宇宙人【といっても、あくまで準備やコスト的な話であって、航行中の安全面は何の問題もありませんよ。すみれさんを無事に送り届けます】

四季「スペースシャトルで宇宙に行くような話みたい」

夏美「すみれ先輩と会えなくなるかもしれないなんて・・・」

メイ「でもこれを逃したら、すみれ先輩の宇宙デビューのチャンスは・・・」

宇宙人【無理にとは言いません。よくお考え下さい】

「「・・・・・」」

8: 2025/01/21(火) 23:25:23 ID:???00
可可「・・・・・」

可可「で? あなたはどうするつもりなのデスか? すみれ」

きな子「す、すみれ先輩・・・。行っちゃうんすか・・・?」

メイ「すみれ先輩の夢を叶えるなら、必要なのことなのか・・・」

夏美「で、でも、他の星での話でしょ? それはすみれ先輩の希望と合ってるんですの?」

宇宙人【アンドロメダ銀河は航行技術が発展しており、銀河内であればコンビニに行く感覚で他の星へ移動できます。もちろん情報の流通も】

宇宙人【何時になるかはわかりませんが、きっとすみれさんならこの星に活躍を届けることも可能なはずです】

可可「よかったデスね、すみれ。心置きなくショウビジネスに励めマスよ」

可可「・・・何を迷っているのデスカ。夢を叶えられるのデスよ」

可可「相変わらずあなたは臆病者デスね」

可可「いつもいつも目立とうとするクセに、いざ自分の番になると逃げ出そうとする」

可可「そんなだから、いつまで経っても変わらないのデス」

可可「チャンスが来ないのではありマセン。あなたがチャンスから逃げているのデス」

10: 2025/01/21(火) 23:25:57 ID:???00
かのん「可可ちゃん・・・」

千砂都「す、すみれちゃんは、きっと可可ちゃんと離れたくなくて・・・」

可可「やめてクダサイ!」

可可「・・・可可のことを、夢から逃げる言い訳にしないでクダサイ」

可可「あなたはセンターに立てたじゃありマセンか。もう忘れたのデスカ?」

可可「可可は、すみれなら出来ると知っていマス」

可可「可可は、すみれの夢を応援してマス」

可可「それとも、銀河一のスターになるという言葉は嘘だったのデスカ?」

可可「・・・あなたの一番のファンを裏切るつもりデスカ?」

11: 2025/01/21(火) 23:26:21 ID:???00
可可「・・・! それでこそすみれデス!」

千砂都「・・・すみれちゃん、本気なんだね」

宇宙人【覚悟は決まりましたか】

恋「わたくし、応援しています!」

かのん「まさかセンターを奪われるどころか、世界中に歌を響かせる夢も超えられちゃうなんてね」

きな子「うぅ・・・寂しいっすけど、すみれ先輩のこと絶対に忘れないっす!」

メイ「わ"だじも"ぉ~! すみれ先輩のこと、どうにかして絶対に追いかけるからなぁ!」

夏美「宇宙じゃ電波が届かないですの・・・。配信どころか、電話で声を聞くことすらできないですの・・・」

四季「どうにかして宇宙と交信できる装置を作ってみせる」

きな子「毎日メッセージ送るっす!」

宇宙人【では、地球を発つ準備ができたら行きましょう】

13: 2025/01/21(火) 23:26:46 ID:???00
宇宙人「ご友人やご家族とはお別れを済ませましたか? では行きましょう」

宇宙人「みなさん毎日メッセージをくれると仰っていました。良いご友人ですね」

宇宙人「この宇宙船に乗ってください」

宇宙人「え? どうして言葉が通じるか、ですか?」

宇宙人「すみれさんにはマッラー神の加護が宿っていますから」

宇宙人「ではこちらのカプセル内で横になってください。ぐっすり眠れます。起きる頃には我々の星に着きますよ」

14: 2025/01/21(火) 23:27:10 ID:???00
夏美「宇宙船が飛んでいきますの・・・」

きな子「本当に行っちゃったんすね・・・」

千砂都「くよくよしてられないよ。すみれちゃん抜きでラブライブ!優勝しなきゃいけないんだから。がんばらないと!」

メイ「そうだそうだ! マルガレーテに負けてらんねぇんだ!」

四季「魂が燃える」

可可「・・・・・」

恋「可可さん・・・」

かのん「大丈夫? 可可ちゃん」

可可「ふふ。心配いりマセンよ」

可可「別に、二度と会えなくなると決まったわけではありマセン」

可可「すみれががんばるのナラ、可可はそれ以上にがんばるだけデス」

15: 2025/01/21(火) 23:27:37 ID:???00
宇宙人「起きましたか、すみれさん。着きましたよ」

宇宙人「ここが我々の星、エレクチオン星です」

宇宙人「驚きましたか? 地球とは文明レベルがまるで違うでしょう」

宇宙人「ここでならあなたの望むスターになれる。我々にはそれをお手伝いする力がある。今後は私があなたのマネージャーとしてお供させていただきます」

宇宙人「まずはこの星の代表にご挨拶に行きましょう。準備はそれからです」

宇宙人「私の性別? 我々は無性です」

16: 2025/01/21(火) 23:28:25 ID:???00
夏美「うぅ~~。一段と寒い夜ですのぉ~」

きな子「夏美ちゃんのほっぺあったかいっすぅ~」

夏美「にょわあっ!? やめるんですのぉ!」

メイ「もちもちすべすべだぁ」

夏美「あ~も~ふたりで卑怯ですの!」

恋「わ、わたくしも混ざっていいですか!?」

夏美「れ、恋先輩も? まぁいいですの・・・」

恋「はわわ・・・。温かいですぅ」

夏美(断りづらいですの・・・)

きな子(むぅ~)プクー

メイ「きな子ももちもちだぁ」


マルガレーテ「はぁ。なんで私まで天体観測なんかに。しかも都会から離れてこんなとこまで」

かのん「まぁまぁそう言わないでさ。今日は私たちにとって大事な日なんだ」

マル「その人が旅立って1年って話でしょ。何度も聞いたわよ。・・・ふん、しょーがないわね」

冬毬「とはいえ知らない人の話をされても、私もマルガレーテも困惑するだけです」

かのん「じゃあ今度いっぱいその人の話聴かせてあげるね! ほら、ホットカフェオレできたよ。これ飲んで待ってて」

冬毬「・・・あったかい」

17: 2025/01/21(火) 23:28:55 ID:???00
四季「・・・よし、調整完了」

千砂都「おぉ~、見えるよ見えるよ。光ってるマルがたくさん!」

四季「真ん中にあるのがアンドロメダ銀河」

千砂都「これがかぁ。案外小さいんだね」

四季「光が見えないだけで、地球からは本当なら月の何倍もの大きさに見える」

恋「・・・肉眼では見えませんね」

四季「一応、見える。あれがアンドロメダ」

夏美「って指差されても星がいっぱいでどれかわかりませんの」

四季「他より光がぼんやり大きいものがそれ」

メイ「・・・たぶんあれか?」

18: 2025/01/21(火) 23:29:39 ID:???00
かのん「わぁ・・・きれい」

可可「・・・・・」ソワソワ

かのん「可可ちゃんも見る?」

可可「あ、は、はい・・・!」

可可「・・・これが」

かのん「どう、見えた?」

可可「・・・はい。見えマシタ」

かのん「ふふ。すみれちゃんが見えなくてがっかりした?」

可可「べべべ別にそういうわけデハ・・・!」

千砂都「あはは。まあ望遠鏡じゃすみれちゃんまで見えないよね」

可可「その通りデスよ! からかわないでクダサイかのん!」

19: 2025/01/21(火) 23:30:09 ID:???00
かのん「あ~あ、もっと遠くまで見える望遠鏡があれば、すみれちゃんが見えたかもしれないのになぁ」

四季「・・・そもそも、すみれ先輩を観測することは物理的に無理」

千砂都「そうなの?」

四季「天の川銀河とアンドロメダ銀河の距離は230万光年と言われている」

四季「この二つを移動するのに、光の速さで230万年かかるということ」

四季「今私たちが見ているアンドロメダは、230万年前の姿」

四季「だから、すみれ先輩が見えることはない」

かのん「・・・そっか」

きな子「・・・すみれ先輩。無事にたどり着いたんすかね・・・」

マル「連絡とか取ってないの?」

恋「四季さんが作ってくれた通信機で各々メッセージを送ってるのですが、未だ反応はないですね」

夏美「そもそも届いてるかどうか確かめようもないですの」

メイ「ぜってー届いてるって! 私たちの心は宇宙を越えて繋がってるんだから」

可可「・・・そうデスね」

20: 2025/01/21(火) 23:31:01 ID:???00
恋「・・・不思議なものですね。宇宙の話なんて遠い世界のように思えて、でもふと夜空を見上げれば意外とすぐそこにある」

四季「実際、アンドロメダ銀河は天の川銀河に最も近い銀河」

四季「そしてこの2つは近づいている」

千砂都「近づいてるって・・・えっ、どうなっちゃうの?」

四季「2つの銀河が衝突して融合する。・・・と言われている」

恋「そ、そうなんですね・・・」

夏美「はえ~。初めて聞きましたの」

きな子「ぎ、銀河どうしがぶつかったら大変なことになっちゃうんじゃないすか?」

四季「少なくとも生物が生きられる環境ではなくなる。きな子ちゃんも太陽に焼かれちゃう・・・」

きな子「ひえぇ~。・・・一大事っす」

四季「まあ、何億年も先の話だから。私たちには関係ない」

かのん「・・・もし本当に銀河がくっつくんならさ」

かのん「その時まで私たちがうーんと長生きできたら、またすみれちゃんと一緒になれるかも! なんてね」

夏美「えぇ~? 何億年も年を取ってまで生きたくないですの~」

メイ「夢がないなぁ夏美は」

夏美「夢じゃ腹は膨れませんのー」

21: 2025/01/21(火) 23:31:30 ID:???00
宇宙人「お疲れ様です。すみれさん」

宇宙人「デビューライブ、この上ない出来でしたね」

宇宙人「開催前の時点で話題は持ちきり、銀河中の誰もがあなたのデカマラオーラに魅了されました。幸先の良いスタートだと言えます」

宇宙人「失礼。デカマラは禁句でしたね」

宇宙人「ええ。あなたの活躍はまだまだこれからです」

宇宙人「・・・どうしました?」

宇宙人「・・・すみれさんからもメッセージを送ってるんですよね?」

宇宙人「まぁ、地球とここは果てしなく遠いですからね。どうしても時間はかかります。気長に待ちましょう」

22: 2025/01/21(火) 23:32:08 ID:???00
宇宙人「お疲れ様です。すみれさん」

宇宙人「今日の記念ライブ絶好調でしたね」

宇宙人「あなたがこの星に来て早3年。今やこの銀河であなたを知らぬ者はいない」

宇宙人「マッラー神の目に狂いはありませんでした」

宇宙人「それとは別に、あなたに嬉しいお知らせです」

宇宙人「あなたの通信機に着信がありましたよ」

宇宙人「・・・そんなに慌てなくてもメッセージは逃げませんよ」

宇宙人「私は失礼しますので、ごゆっくりどうぞ」

24: 2025/01/21(火) 23:32:43 ID:???00
かのん「あー、もしもーし。もう喋っていいのかな? すみれちゃーん、聞こえますか? もうそっちの星に着いたのかな?」

かのん「えへへ・・・。早くメッセージ送りたくて勢いで始めたから、何話せばいいかわかんなくなっちゃった。まあこれからたくさん話せばいいよね。あ、でもあんまりメッセージ送ったら負担になっちゃうかな? こっちにはいくらでも送ってくれていいから、お返事待ってるね!」

25: 2025/01/21(火) 23:33:15 ID:???00
千砂都「すみれちゃーん、うぃっすー! どう、新天地は? 科学とかがすっごい発達してて、ザ・SF!って感じの場所なのかな?」

千砂都「私たちはラブライブ!優勝に向けて意気込んでるよ。なにせすみれちゃんがいない状態で挑まなきゃいけないからね。だからすみれちゃんも応援してね! 私たちも応援してる!」

26: 2025/01/21(火) 23:33:38 ID:???00
恋「すみれさん。無事にエレクチオン星に着きましたでしょうか? 道中何事もなく過ごせたことをお祈りしています」

恋「あなたがそこで経験することは、何物にも劣らない宝物になるでしょう。わたくしたちにとっての宝物は、すみれさんと一緒に過ごした時間です。あなたからは多くのものを学びました。それらの宝物は、きっとわたくしたちを大きく成長させてくれます。ともに更なる発展を」

27: 2025/01/21(火) 23:33:58 ID:???00
きな子「う"ぅ"~~・・・じゅみ"れ"せぇんぱ~い・・・。あぅ・・・夏美ちゃんありがとうっす・・・ズビビ」

きな子「きな子、ぜったいにぜったいにぜったいに、すみれ先輩のこと忘れないっす! すみれ先輩が教えてくれたことも、すみれ先輩といた思い出も、絶対に忘れないっす! すみれ先輩は永遠にきな子たちの中で生き続けるっすぅ! ・・・え?なんすか?縁起でもない? ご、ごめんなさいっす。・・・また会える日を待ってるっす!」

28: 2025/01/21(火) 23:34:24 ID:???00
メイ「あ"あ"ぁ"~・・・じゅみ"れ"せぇんぱいぃ~・・・。う"ぅっ・・・すまねぇ四季・・・ジュルル」

メイ「私にとってすみれ先輩は憧れだった。どんな時も堂々としてて、自分を輝かせることができる。私はどうしてもスクールアイドルとしての自分に自信をなくすことが多くて、でもそんな時にすみれ先輩のことを思い出せば、いつだって頑張ろうって思えたんだ。次に会う時は、すみれ先輩がびっくりするような人間になってるからな!」

29: 2025/01/21(火) 23:34:51 ID:???00
四季「このメッセージが無事に届くことを祈ってる」

四季「これから先、すみれ先輩には辛いことがたくさんあると思う。ギャラクシーアイドルとしての活動だけじゃなく、私たちとのことも・・・。正直、これがすみれ先輩に届くかもわからない。危惧していた通り、本当にお別れになってしまうかもしれない。・・・私は「心が繋がってる」って言葉が好き。数字で表せなくても、そう思うだけで確かに心が強くなる。だから、きっと大丈夫」

30: 2025/01/21(火) 23:35:14 ID:???00
夏美「オーニナッツゥ~! あなたの心のオニサプリ~! すみれ先輩の推しの夏美ですの~!」

夏美「て、おどけてみましたけど、やっぱり寂しいですの。だから早急にそちらの映像を送ってほしいですの~! これはすみれ先輩のお顔を見たいだけで、決して宇宙の動画をうpして再生数を稼ぎたいわけではありませんの! ですので、もしよかったら宇宙人の動画とか、エレクチオン星の珍しい物とか、いろいろ送ってほしいですの! こっちからは今は声しか送れませんけど、たぶん四季がどうにかしてくれますの。その時は私の自慢の妹を紹介しますの!」

31: 2025/01/21(火) 23:35:38 ID:???00
可可「聞こえマスか、すみれ。着替えは持っていきマシタか? 歯ブラシは忘れてマセンか? ちゃんとお風呂に入ること。忙しくてもご飯を食べるのデスよ」

可可「・・・なんて。すみれが体調管理を怠るわけありマセンよね。すみれがどれだけ努力してきたか、可可はよく知ってマス。だから何にも心配していないのデス。先日、あの宇宙人が現れて、スカウトの話を聞いた時、可可はうれしくなりマシタ。やっとすみれのことを認めてくれる人が現れマシタ!って。だから可可は、すみれは行くべきだと思ったのデス」

可可「・・・ま、まあ、その・・・。ちょっとだけさみしいデスけど。ほ、ホントにちょっとだけデスよ! ・・・きっとまた会えマスから。涙はそれまで取っておきマショウ。また連絡シマスね」

33: 2025/01/21(火) 23:36:01 ID:???00
宇宙人「どうでしたか、すみれさん」

宇宙人「・・・見たことないくらい幸せそうな顔をしてますね」

宇宙人「からかってなんていませんよ」

宇宙人「また明日からも頑張りましょう」

34: 2025/01/21(火) 23:36:32 ID:???00
可可「すみれ~。今日も練習でヘトヘトデス・・・」

可可「すみれがいない分、みんな熱が入ってて・・・。入りすぎてて、このところ全身からオーラが立ち昇って見えマス」

可可「ア! 可可だって負けてマセンよ!」

可可「た、ただ、今日は筋肉痛で動けそうにないデス」

35: 2025/01/21(火) 23:37:07 ID:???00
可可「すみれすみれ! 聴いてください!」

可可「ついに! ラブライブ!に! 優勝しマシタ!」

可可「グスッ・・・。みんなの努力が実って嬉しいデス」

可可「可可もこれで上海に帰らなくて済みマス」

可可「ほら! 何も心配いらなかったデショウ! すみれは心配性すぎるのデス!」

可可「・・・でも、すみれが心配してくれたことは感謝してマスよ」

可可「まだこれで終わりではありマセン。来年も! Liella!は続いていくのデス!」

36: 2025/01/21(火) 23:37:27 ID:???00
可可「すみれぇ~!? 大変デス!」

可可「えーと、どこから話せばいいのやら・・・」

可可「かのんの留学が中止になったり! マルガレーテが転入してきたり! ナッツに妹がいたり! あまつさえその3人がユニットを組んだり!」

可可「もー! しっちゃかめっちゃかデス!」

可可「また何かあったら連絡シマス!」

37: 2025/01/21(火) 23:37:57 ID:???00
可可「すみれ。今日は可可の人生で特別な日になったと思いマス」

可可「Liella!のみんなが上海に来てくれて、そこでみんなでライブをして、ママとパパに想いを伝えて」

可可「可可のやりたいことが見つかりマシタ」

可可「夢を抱くってこんなに幸せなことなのデスね」

可可「・・・ズルいデスすみれ」

38: 2025/01/21(火) 23:38:28 ID:???00
可可「しゅーみーれぇ~!!」

可可「ふふふ! ふふふふふ!!」

可可「何があったと思いマス!? 何があったと思いマス!!?」

可可「なんとなんと! ラブライブ!にまた優勝できたのデス!」

可可「ああ・・・。前人未踏の連覇・・・。未だに夢か現実かわかりマセン・・・。可可、幸せすぎて氏んじゃいそうデス・・・」

可可「この幸せをすみれにも分けてあげたいデス」

可可「・・・・・」

可可「・・・すみれが一緒にいてくれればよかったノニ」

可可「・・・冗談デスよ!」

39: 2025/01/21(火) 23:39:01 ID:???00
可可「すみれ。今日は卒業式デス」

可可「きなきなの送辞も、レンレンの答辞も、スバラシカッタデス・・・」

可可「これで可可たち1期生は卒業、みんなそれぞれの道へ進んでいきマス」

可可「可可は・・・、日本の芸能事務所に所属することになりマシタ」

可可「そう。可可は、これからもステージに立ち続けることにしたのデス!」

可可「ふふん。すみれぇ、うかうかしてたら可可のほうが先に宇宙で有名になってしまうかもしれマセンよ~?」

可可「・・・・・」

可可「・・・すみれ」

40: 2025/01/21(火) 23:39:24 ID:???00
可可「いつになったら返事をくれるのデスか。もう1年以上待ってマスよ」

可可「・・・・・」

可可「・・・なんて。届くわけないデスよね」

可可「シキシキが言ってマシタ。すみれのいる所は、とってもとっても遠くて、メッセージを届けるにはすっごく時間がかかるって。だから・・・」

可可「きっと、すみれからのメッセージは可可たちには届きませんから」

可可「このメッセージが届く頃には、可可たちはもういませんから」

可可「めげずに頑張るのデスよ」

可可「すみれ。私の・・・」

可可「なんでもありマセン」

41: 2025/01/21(火) 23:39:59 ID:???00
宇宙人「今日もお疲れ様です、すみれさ・・・」

宇宙人「ど、どうしたんですか? ひどいお顔ですよ」

宇宙人「なんでもないことないでしょう」

宇宙人「・・・あなたがそこまで言うなら詮索はしませんが」

宇宙人「次のライブは大丈夫ですか? 今から辞退しても・・・」

宇宙人「わかりました。ご無理のないよう」

宇宙人「不要だとは思いますが、改めて説明しますね」

宇宙人「次のライブは、あなたが最上のスターになるために一番大事なステージとなります」

宇宙人「このライブはマッラー神へ捧ぐステージ。すみれさんが分りやすい言葉で言えば神楽でしょうか?」

宇宙人「ここでマッラー神に認められることにより、あなたはデカマラのランクアップを果たし、更なるデカマラオーラを得ることができます」

宇宙人「・・・問題なさそうですね」

宇宙人「我々も本腰を入れてサポートさせていただきます」

宇宙人「・・・はい?」

宇宙人「・・・そうですね。地球とエレクチオン星は時間の流れが違います」

宇宙人「この星の人間は、地球換算で数百万年は生きるでしょうね」

宇宙人「それがどうかしましたか?」

宇宙人「・・・はぁ」

42: 2025/01/21(火) 23:40:23 ID:???00
宇宙人「・・・すみれさん。見事でした」

宇宙人「これまでの私の人生の中で、最高のライブでした」

宇宙人「さぁ、マッラー神が待っています」

宇宙人「この先は私も知らない世界です。でも、あなたなら大丈夫です」

43: 2025/01/21(火) 23:40:47 ID:???00
マッラー神「よくぞここまで来た。我がデカマラを宿す者よ」

マッラー神「・・・なんという面構えか。先の輝かしい姿とは別人だ」

マッラー神「言わずともよい。そなたの事情は知っておる」

マッラー神「我はこの宇宙の全てを生み出した者」

マッラー神「宇宙に存在する全ての過去も行く末も、我にはわかる。そなたの心中もな」

マッラー神「ゆえに、そなたに道を示そう」

44: 2025/01/21(火) 23:41:28 ID:???00
マッラー神「そなたの前にはふたつの道がある」

マッラー神「ひとつは、我が力を糧にマッラーの儀式を行い、更なるデカマラの高みへと至る道]

マッラー神「そなたほどの剛の者であれば、頭ひとつ抜けた手練れとなるやもしれん」

マッラー神「もうひとつは、そなた自身のデカマラの力を使い、儀式を執り行う道」

マッラー神「そなたの身に宿るそれはまぎれもなく神の力の一端。いくらか宇宙の理に干渉することも叶うであろう」

マッラー神「例えば、友のいる過去へ戻ることもな」

マッラー神「急くでない。話は最後まで聞け」

マッラー神「力の使用には代償を伴う」

マッラー神「もし、そなたのデカマラの力を使えば、そなたはデカマラを失うこととなる」

マッラー神「単に股間の一物を失うということではない。そなたに宿るマッラーの加護も手離すということだ」

マッラー神「すなわち、そなたはもう夢を抱くことは許されぬ」

45: 2025/01/21(火) 23:42:21 ID:???00
マッラー神「さあ、選ぶがよい」

マッラー神「過去を捨て、このままデカマラの道を歩むか」

マッラー神「夢を諦め、友のもとへ戻るか」

マッラー神「・・・・・」

マッラー神「それがそなたの答えか」

マッラー神「後悔するでないぞ」

マッラー神「ではこれより儀式を行う」

マッラー神「我とともに、儀式の一節を唱えるのだ」

マッラー神「なに、難しいことではない。そなたが常日頃口にしていた言葉だ」

マッラー神「・・・まったく。軽々しく唱えおって。その度に我が修正する羽目になったわ。・・・まあよい」

マッラー神「ではゆくぞ。せーのっ」

46: 2025/01/21(火) 23:42:32 ID:???00
「ギャラクシー!」

47: 2025/01/21(火) 23:43:39 ID:???00
可可「いつもいつもやかましいデスよすみれ」

可可「なにをそんなに叫ぶことがあるのデスか」

可可「・・・す、すみれ!? なぜ泣いているのデスか?」

可可「アワァ!? き、急に抱きつかないでクダサイ!」

可可「・・・あ、あのすみれ。おなかにナニか当たってるのデスが」

可可「・・・股間を見つめてどうしたのデスか?」

可可「デカマラが消えてない? 何を言ってるのデスカ?」

恋「すみれさん! 可可さん! 来て下さい大変です!」

可可「な、なんデスカ、レンレン?」

恋「早く屋上に! 地球がヤバいんです!」

可可「ハイ~~!?」

48: 2025/01/21(火) 23:44:06 ID:???00
可可「な、なんデスかこりぇは!? そ、空が、空が光ってマス!」

かのん「なんなのあれ? たくさんの星・・・?」

夏美「今ニュースでも流れてますの!」

夏美「ア、アンドロメダ銀河がものすごい勢いで接近してるんですの~!?」

四季「このままじゃ、地球が滅びる・・・!」

「「ええ~~~!?」」

49: 2025/01/21(火) 23:44:36 ID:???00
3年後


きな子「夏美ちゃんまだっすかー!」

夏美「ちょちょちょっと待ってほしいですの~! スマホが見つからない~!」

メイ「早くしろー! スペースシャトルに間に合わなくなるぞ!」

四季「一本逃しても次のシャトルで間に合うけど」

メイ「ダメだ! 先輩たちを待たせることになっちまう」

冬毬「姉者! 電話鳴らして見つけました!」

夏美「でかした! 冬毬ぃ!」

きな子「じゃあ行くっすよー!」

50: 2025/01/21(火) 23:45:10 ID:???00
かのん「あ、来た来た。こっちこっちー!」

マル「遅刻せずに来たようね」

恋「これで全員揃いましたね」

可可「フーッ! フーッ! 準備できたなら早く行きマスよ!」

夏美「可可先輩、目ぇ血走ってすの・・・」

きな子「だ、大丈夫っすか・・・」

四季「ライブグッズでフル装備してる」

千砂都「昨日全然寝られなかったみたい・・・」

可可「当然デス! 今日はすみれのデビュー3周年の記念ライブデスよ! 期待せずしてどうしろと!」

メイ「そうだそうだ! 今やすみれ先輩はこの新銀河を股にかけるギャラクシーアイドルなんだからな!」

かのん「わ、わかったからいったん落ち着こうね、ふたりとも」

冬毬「・・・! 空が暗くなってきました」

マル「星が輝いてる。・・・きれいね」

可可「始まりマス!」

メイ「みんな、コーレスの準備はできてるか!? いくぞ!」

51: 2025/01/21(火) 23:45:27 ID:???00
「ギャラクシー!」

52: 2025/01/21(火) 23:45:56 ID:???00
マッラー神「・・・・・」

マッラー神「二つの銀河が融合し、新たな世界が生まれた」

マッラー神「これがあの者の選んだ道か」

マッラー神「宇宙を改編してなお、あの者はデカマラを失わなかった」

マッラー神「つまりは我の創り出した宇宙の法則ごと創り変えたということ」

マッラー神「よもや、神である我を上回るデカマラの使い手であったとは、まっこと思いもせなんだ」

マッラー神「夢も、友も、諦めぬ・・・か」

マッラー神「・・・どうやら次なるマッラーの神が見つかったようだな」

53: 2025/01/21(火) 23:46:09 ID:???00
end

引用: 可可「銀河の向こうのあなたへ」