1: 2012/05/24(木) 16:27:32.61 ID:RflbZaVA0
折木(こうすれば話を聞くためのエネルギーも要らん。省エネ省エネ)ナデナデ

える「お、折木さん……////」

5: 2012/05/24(木) 16:32:05.92 ID:RflbZaVA0
折木(いつもはあんなにうるさいのに、こうすると借りてきた猫のようになるな)ナデナデ

える「……////」

折木(しかし何というか、こう……こうしていると俺も落ち着く)

折木(いや待て。何を考えているんだ俺。いかんいかん)

える「あの、折木さん……////」

6: 2012/05/24(木) 16:34:28.77 ID:RflbZaVA0
折木「ど、どうした千反田」ナデナデ

える「いえ、あの、はずかしぃ……デス////」ゴニョゴニョ

折木「ん? 何だって?」ピタッ

える「あっ……な、何でやめちゃうんですか!? 何かよくないことでもあるんですか!? 私、気になりますっ!!」

折木(う、うるさい!)

9: 2012/05/24(木) 16:42:30.30 ID:RflbZaVA0
折木(ずっとこうしてなきゃいけないのか……)ナデナデ

える「ぁぅ////」

折木(……こうして見ると、意外に……まぁ可愛いといえる顔かも知れんな)

える「……////」

折木(ちょっと、からかってみるか。普段俺のエネルギーを消費させてる仕返しだ)

折木(……)ツンツン

える「むにゃっ///」

12: 2012/05/24(木) 16:45:29.45 ID:RflbZaVA0
折木(頬を指でつつく攻撃)ツンツン

える「や、やめてくだしゃい///」

折木「やめていいのか」

える「ぁ……」

える「や、やめないでくださいっ!! 私、こうしていると新たな何かを見つけ出せそうな気がするんですっ!!」

折木「わ、分かった分かった!」ツンツン

える「はぁぅ////」

17: 2012/05/24(木) 16:49:18.68 ID:RflbZaVA0
折木「……」ツンツン

える「////」

折木「……」ツンツン

える「////」

折木「……」ピタッ

える「折木さんやめないでくだs――!!」

折木「」ツンツンツンツン

える「////」

折木(これは省エネではないッ……!!)ツンツン

19: 2012/05/24(木) 16:55:46.71 ID:RflbZaVA0
折木(どうする……どうやら俺は爆弾のスイッチを押してしまったらしい)ツンツン

折木(今日は伊原とその他も部活に来ないから、こんなこともできたが……)

折木(もし明日、廊下なんかで急に――)


 える「折木さん! なでなでつんつんしてくださいっ!!」

 エー アノフタリソウイウカンケイダッタノー キャー


折木(いかんいかんいかん! それだけは……非常に面倒くさいことになる……!!)

21: 2012/05/24(木) 17:02:17.88 ID:RflbZaVA0
折木(ここは……アレだな)

える「折木さんっ! 手が止まってますっ!!」

折木「うがッァ……」ガタンッ

える「!? ど、どうしたんですか折木さん!」

折木「くッ、バ、バカ……近づくなっ!」

折木「ぁア……ぁぁあぁああ!」グガガガ

える「えぇええっと……ど、どうしましょう!?」

折木(疲れるなぁこれ)

22: 2012/05/24(木) 17:08:34.44 ID:RflbZaVA0
折木「頼む、もう、俺は……お前に触れることができないんだッ」グハァ

える「えっえっ……」オロオロ

折木「これは俺の深い闇と凄惨な過去により生じた事象、お前に介入してほしくないッ……」

える「で、でもっ! ほ、保健室に行きましょう!」グイッ

折木「!?」

折木(千反田の手……すべすべでやわらかくて……何だッ!?)

23: 2012/05/24(木) 17:13:08.20 ID:RflbZaVA0
折木「ち、ちたんだ……」

える「はいっ? どうしました? 苦しいんですか? 大丈夫ですよ、すぐに保健室へ――」

折木「違う、そうじゃなくて……」

える「?」

折木「……」

折木「……」ペロッ

える「ひゃわっ!?////」

折木(あ、甘い……)

29: 2012/05/24(木) 17:22:39.84 ID:RflbZaVA0
折木(これがイイトコのご息女の味か……)ペロペロ

える「お、おれきっ、さんっ////」

折木「……」ペロペロ

折木(まさか……)ピタッ

える「……折木さん? やめちゃうんですか? 何でやめちゃうんですか?」

折木(やっぱり)ペロペロ

える「ぁぁあっ////」

33: 2012/05/24(木) 17:26:45.43 ID:RflbZaVA0
折木(それにしても、色気のある声を出す)ペロペロ

える「ひゃぁぅっ! ぃゃぁ////」

折木「……」パクッ

える「むにゃぁ!?////」

折木(甘い。氷菓子みたいだ)

える「……折木さん……////」

39: 2012/05/24(木) 17:33:19.17 ID:RflbZaVA0
折木(……氷菓子?)

折木(こいつの伯父が文集を『氷菓』と名付けたのは、こいつが氷菓子のように甘いからか?)

折木(……。いや、伯父がこいつの味を知ってるってのは無理があるな。名付ける意味もない)

折木(でも他の可能性を考えるのも面倒だし、これを結論にして後で三人に発表するか)

える「あ、あの、折木さんっ」

折木「ん」

える「早く、保健室に……」

折木「ああ、そうだったな。それじゃあ、行こうか」

41: 2012/05/24(木) 17:39:41.31 ID:RflbZaVA0
折木「あ、千反田、ちょっと待て」

える「はい?」

折木(俺は思春期の男子高校生だ。この欲求は決して異常ではない)

折木(まずはドアに鍵をかける)ガチャガチャ

える「え? 折木さん、どうして鍵を?」

折木「すまん。さっき鍵をかけてたんだ」

える「……そうでしたっけ?」

42: 2012/05/24(木) 17:42:21.02 ID:RflbZaVA0
折木「さあ、先に行ってくれ」

える「はい。分かりました……」

折木(小首を傾げている。どうにも腑に落ちていないようだな。さすがは好奇心の亡者)

える「……」ガタガタンッ

える「え? あれ? 折木さん、ドアが開きません――」

折木(そして後ろからこうする、と)ギュゥッ

える「ッ!?////」

49: 2012/05/24(木) 17:50:50.02 ID:RflbZaVA0
える「ぁ、ぁ、ぇ?/////」

折木「大変だ千反田。倒れそうだ。しばらく肩を貸してくれないか」

える「か、肩じゃない……/////」

折木「ん?」

える「なんでもない……です……/////」

折木「ぁあ、今すぐ倒れそうだぁ。しっかり支えてくれぇ」ギュゥゥゥゥ

える「ゃぁぁ……/////」

53: 2012/05/24(木) 17:55:36.50 ID:RflbZaVA0
折木(とてつもなく良い匂いがする。これがバラ色だな)

折木(そういえば前に読んだ小説で、『女の子は耳が弱い』っていう話があった)

折木(よし、やってみるか)

折木「なあ、ちょっといいか」

える「は、はい……」

折木「……える」ボソリ

える「はぅ!?/////」

57: 2012/05/24(木) 18:02:57.21 ID:RflbZaVA0
える(折木さんが名前で……名前で……!////)

折木「えるって可愛い声してるよな」

折木「目も大きくて、えるに引き込まれるようだ」

折木「千反田えるって名前も、響きが素敵だと思う」

折木「なあ、折木える、にならないか? それとも千反田奉太郎かなぁ」

える(だ、だめ……そんな……おかしくなりそう……////)

59: 2012/05/24(木) 18:07:27.46 ID:RflbZaVA0
折木「……える、好きだ」

える「ぁ……////」

える「」

折木「える?」

える「」

折木「……何てこった。気を失っている」

える「」プシャァァァ

折木「うわッ! こ、これはやばいかも知れん」

63: 2012/05/24(木) 18:12:06.86 ID:RflbZaVA0
折木「……」

折木「とりあえず、寝かせておくか。いや、でもこんなびちゃびちゃだと身体に悪いな」

折木「……」

折木「スカートと下着を脱がせて、イスを並べて寝かせよう」

折木「よし」スッスッ

69: 2012/05/24(木) 18:15:12.22 ID:RflbZaVA0
 一時間後

折木(下半身に何も身に着けていない少女の横で読書し続ける忍耐。何て辛いんだ)

折木(……)チラッチラッ

折木(いかん。邪な考えは捨てろ。手を出したら人生が終わる)

折木(既に終わってる感が否めないが、さらに終わる)

える「……ぁ……ぅ?」

折木「あ、おはよう」

える「おれき……さん?」

73: 2012/05/24(木) 18:22:35.01 ID:RflbZaVA0
える「えぇと、私は……何をしていたんでしょう……?」キョロキョロ

える「あれ? えーと……」

える「……」

える「あ」

える「……」

える「…………」

える「ほ、奉太郎のえOち/////」

折木「!!?」ドッキーン

85: 2012/05/24(木) 18:39:56.53 ID:RflbZaVA0
折木(待て、待て。騒ぐな心臓。省エネだ省エネ)

折木「……千反田、まずは下を隠せ」

える「へ?」

える「……」

える「ひゃあぁぁあっ!!?/////」

折木「……」フーヤレヤレ

える(あぁぁあう! ぬ、ぬがされた……ってこと……? みられた……? みられた……!?)

える(折木さんに……みられた……ぁあぁぁ……)

える(……しかも、名前で呼んでもらえなかった)ショボン

88: 2012/05/24(木) 18:44:41.94 ID:RflbZaVA0
える「……」

える「ぁ、ぁの……///」モジモジ

折木「ん?」

える「あっち向いててもらえませんか……?////」

折木「ああ、すまん」

える(いつもの折木さんだ……)

折木(さっきまでの俺はどうかしてた。ああ、俺らしくない)

折木(いろいろと手遅れかも知れんが、今まで通り千反田に接しよう、そうしよう)

折木(……)

折木(……)チラッ

折木(工口い……)

90: 2012/05/24(木) 18:50:56.74 ID:RflbZaVA0
える「……」

折木(千反田も落ち着いてきたか。さっきから俯いて動かないままだ)

折木(髪がだらっと垂れて、何というか、貞子みたいだな)

える「……」

折木「なあ、千反田」

える「はひっ!?」ビクッ

折木「さっきはすまなかったな。謝っても許されることではないと思うが」ペコリ

える「い、いえ! ほうたr……折木さんも男性ですし……」

折木「奉太郎って言おうとしたよな?」

える「!! ち、ちが……噛んだだけですよ」

折木「言おうとしたよな?」

える「……はぃ////」

92: 2012/05/24(木) 18:56:39.75 ID:RflbZaVA0
折木「そうか。言おうとしたんだな」

える「////」

折木「ふむ」

える「……?///」

折木(千反田と会話しているというのにこの静けさ。この状況はもはや芸術の域に達している)

える「折木さん……?」

折木「何でもない。そのままでいい」

える「そのまま?」

折木「気にするな」

93: 2012/05/24(木) 19:00:19.34 ID:RflbZaVA0
折木「ちょっと眠くなってきたな。俺は一眠りするよ」

える「えっ」

折木「おやすみ」

える「あ、は、はい。おやすみなさい」

折木「……、……Zzz」

える「……」

折木「Zzz」

える「……」

折木「Zzz」

える「……」ドキドキ

95: 2012/05/24(木) 19:09:16.76 ID:RflbZaVA0
える「……」コソコソ

折木「Zzz」

える「……ほ、ほーたろ////」ボソッ

折木「何だ?」ヒョイッ

える「きゃぁぁあっ!?」

折木「ほーたろーのお目覚めだ。何か用か?」

える(あぁぁぁ……ぁああぁ! 恥ずかしいぃぃ……/////)カァァァッ

折木(顔が真っ赤だ。何とまあ可愛らしい)

96: 2012/05/24(木) 19:17:03.66 ID:RflbZaVA0
折木「とまあ、今のは冗談だ。おやすみ」

える「……はい」

折木「……」

える「……」

折木「Zzz」

える(怪しい。わたし、気になります)

える(そうだ。呼べばいいんだ)

える「折木さーん?」

折木「Zzz」

える(返事がない。寝てる!)

99: 2012/05/24(木) 19:25:16.51 ID:RflbZaVA0
える(……ね、念のためにもう一回)

える「ほーたろ////」

折木「Zzz」

える「ほーたろ、寝てますか……?////」

折木「Zzz……ん……Zzz」

える(あんまり声かけると起きちゃうかな)

える(でも、名前呼ぶの何か楽しい)ドキドキ

える「ほーたろ♪ ほーたろー♪」

104: 2012/05/24(木) 19:33:46.80 ID:RflbZaVA0
折木(これが……甘酸っぱいバラ色の高校生活か……)キュンキュン

折木(里志、分かったよ。俺は千反田に惹かれていたんだ。もう変な見栄は張らない)

える「ほーたろ」ドキドキ

える「……好き、ほーたろー////」

折木(ッ)ドキッ

折木(……)

折木「んー……むにゃむにゃ」

える「!」

107: 2012/05/24(木) 19:44:07.60 ID:RflbZaVA0
折木「……える……愛してる……Zzz」

える「あ……////」

える「私も、愛してます。好きです。大好きです////」

折木「うん……俺も……」

える「……ほーたろー////」ギュゥゥゥ

折木「える……」

106: 2012/05/24(木) 19:39:49.21 ID:JHlw4dURi
110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/24(木) 19:55:28.53 ID:RflbZaVA0
折木「……ん」

える「……」スピー

折木「いつの間にか、寝ちまってたのか。こいつまで……」

折木「……」

折木「……」チュッ

える「……えへへ///」

折木「うわッ!?」

える「ほーたろ、大好き////」

折木(は、はめられた……なんてこった……)

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/24(木) 20:03:55.91 ID:RflbZaVA0
 翌日

里志「やぁホータロー。今日は早いね」

折木「いろいろあってな。生活を改めることにした」

里志「へぇ? 失恋でもしたのかい?」

折木「縁起の悪い……まぁ紙一重とは言うが……」

里志「紙一重!? ついにホータローも恋を……!」

折木「いや口が滑った。じゃない、冗談だ冗談」

里志「本当に~?」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/24(木) 20:10:20.17 ID:RflbZaVA0
伊原「お疲れ~。あ、ちーちゃんまだ来てないんだ」

里志「やぁ。そうみたいだね」

折木「……」

里志「ホータローぉ? 何だか寂しそうだねぇ」

折木「な、何言ってんだ。ちょっとぼーっとしていただけだ」

里志「ふ~ん?」

伊原「え、なになに? 折木が何かオモシロイことになってるの?」

折木「あー、もう……やめてくれ」

里志「まさかぁ、千反田さんと何かあったのかなぁ?」

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/24(木) 20:13:14.82 ID:RflbZaVA0
折木「黙秘権を発動する」

里志「おぉ? こりゃ図星みたいだね」ニヤニヤ

伊原「なによぉ、いつの間にデキてんじゃないわよぉ」ニヤニヤ

折木(恥ずかしい……辛い……)

える「お、遅れてごめんなさいっ」ガララッ

里志「おっ。ウワサをすれば」

える「へっ?」

伊原「ちーちゃん、やっほー♪ お待ちかねだったよー」

える「あ、は、はい……はい?」

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/24(木) 20:17:04.14 ID:RflbZaVA0
里志「ホータローがねー、千反田さんのこと『好きすぎてたまらない』って言ってたよ」

える「ふぇっ!?////」

折木「おいッ!?」

里志「いやぁ、ビックリだね。もっと早く教えてくれたらなぁ」

える「え、あ、その……昨日、お付き合いを始めさせていただいて……////」

折木「えるも何言ってんだ!」

伊原「わっ。下の名前で呼んでるんだ! アツアツだね~」

折木(ぎゃああああああああ)

える「////」

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/24(木) 20:23:53.08 ID:RflbZaVA0
 皆も省エネをモットーに生活していれば、えるたそのような美少女が現れてくれるかも知れない!

 希望を胸に抱いて、さあ、レッツ省エネ生活!

 おしまい

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/24(木) 20:30:41.43 ID:RflbZaVA0
 後日談

える「ほーたろ! これってどういうことなんでしょう!? わたし、気になります!」

折木「……」ナデナデ

える「はうっ////」

折木「……」ナデナデ

える「……////」

折木「謎はどうでもよくなったか?」

える「はい////」

折木「いいコだ」ナデナデ

える「んっ……///」

138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/24(木) 20:36:33.82 ID:RflbZaVA0
里志「あー、また部室でイチャついちゃって」

折木「おう」

える「ご、ごめんなさい……」

里志「いや幸せそうで何よりだけどさ。ホータローの膝の上に千反田さんが乗ってる絵はなかなかシュールだね」

折木「こいつ軽いからな。膝に乗せても問題ない」

折木「あと、良い匂いがする。もう俺は、この匂いなしじゃ生きていけん」

える「ど、どんな匂いなんですかそれ////」

折木「甘くて、何ていうのかな、大好きなヒトの匂いがする」

える「~~~/////」

里志「ホータローも結構クサいセリフを吐くねぇ」

折木「余計なお世話だ」

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/24(木) 20:46:19.97 ID:RflbZaVA0
里志「あ、そうだ。今日ちょっと用事があるんだったよ。ごゆっくりね~」ガララッ

折木「……」

える「……」

折木「あ、手が滑った」フニッ

える「んぁっ////」

える「ほ、ほーたろっ……   なのはだめです……////」

折木「手が滑ったと言っているだろう」 

える「んぅっ……! ぁぅ……////」

折木「二人きりなんだから……な?」

える「……はぃ////」

 おしまい!

引用: える「私、気になりまs……あぅ///」折木「……」ナデナデ