627: 2006/07/12(水) 00:20:37.16 ID:0ccNxgBnO
ある日のこと、部室に行くとそこには誰もおらず、俺一人だった。一人だと何もやることがないので、時間を置いてから出直そうとしたのだった。
キョン「ん?」
出るときにふと目についたものがあった。部屋の片隅に捨てられるように放置されてあった、いつかの笹の葉である。
葉も短冊も随分汚れており、何が書かれてあるかなんて全くわからなかった。
しかし、よく見ると一つだけ新しい短冊があった。誰かが付け足したのだろうか。
キョン「ん?」
出るときにふと目についたものがあった。部屋の片隅に捨てられるように放置されてあった、いつかの笹の葉である。
葉も短冊も随分汚れており、何が書かれてあるかなんて全くわからなかった。
しかし、よく見ると一つだけ新しい短冊があった。誰かが付け足したのだろうか。
636: 2006/07/12(水) 00:27:53.15 ID:0ccNxgBnO
本来ならば人の願い事を覗くのはルール違反なのだろうが、どうしても気になってしまったので、俺は見てしまった。
そこに書かれていた名前は、「涼宮ハルヒ」だった。意外なような…予想通りのような…。
そこに書かれていた名前は、「涼宮ハルヒ」だった。意外なような…予想通りのような…。
663: 2006/07/12(水) 00:39:49.06 ID:0ccNxgBnO
さてさて、ハルヒが新たに何と書いてあったか見せてもらおう。多少の罪悪感はあったといえばあったが、好奇心には勝てなかった。悪いなハルヒ…でも隠すならもっと見付かりにくい場所に隠すべきだぜ。
それにしても、ハルヒにしては随分無用心というか、迂濶だったな。古泉や朝比奈さん、長門なら見付けても何も言わなかっただろうが、残念ながら見付けたのは俺だ。
運が悪かったな、ハルヒ。
一応念のために警戒しておこう。え~っと、廊下には誰もいない、来る気配もなし。
よし、じゃあ拝見させてもらいますよ~ハルヒさん。
俺がこのあと激しく後悔するなんて、誰が予想できただろう…いいや、誰もできやしないね
それにしても、ハルヒにしては随分無用心というか、迂濶だったな。古泉や朝比奈さん、長門なら見付けても何も言わなかっただろうが、残念ながら見付けたのは俺だ。
運が悪かったな、ハルヒ。
一応念のために警戒しておこう。え~っと、廊下には誰もいない、来る気配もなし。
よし、じゃあ拝見させてもらいますよ~ハルヒさん。
俺がこのあと激しく後悔するなんて、誰が予想できただろう…いいや、誰もできやしないね
676: 2006/07/12(水) 00:45:46.22 ID:0ccNxgBnO
短冊に書かれていたのはこうだった。
「キョンが(消した跡がある)、キョンと…幸せになれますように 涼宮ハルヒ」
俺は頭が真っ白になった。つまりこれの意味するところは、ハルヒが…俺を…。
「キョンが(消した跡がある)、キョンと…幸せになれますように 涼宮ハルヒ」
俺は頭が真っ白になった。つまりこれの意味するところは、ハルヒが…俺を…。
690: 2006/07/12(水) 01:02:15.22 ID:0ccNxgBnO
正直俺は困った。いや、ハルヒが嫌いだから困ったわけじゃない。ハルヒが俺をそんな風に思ってるなんて、考えたこともなかったのだ。そもそも俺にとってハルヒは、俗に言う友達以上恋人未満な存在で、恋愛対象として認識していなかった。
見なければよかった…明日から、いや今からどんな顔して接したらいいんだ…。
こういうとき俺以外の第3者なら、軽々しく「今まで通りでいいじゃないか」といったことを言うだろう。
俺だって当事者じゃなかったらそう言う。
だが今は違う。俺がその当事者なのだ。少なくとも俺にとって、今まで接するというのは困難である。
そうこうしてるうちに足音が近付いてきた。まずい、笹の葉を隠さないと…!
なんとか笹の葉を元の場所に戻し、見えないように隠すことができた。さぁ誰だ、誰が来るんだ…ハルヒか…今来られるとちと厳しいが…
ガチャ
見なければよかった…明日から、いや今からどんな顔して接したらいいんだ…。
こういうとき俺以外の第3者なら、軽々しく「今まで通りでいいじゃないか」といったことを言うだろう。
俺だって当事者じゃなかったらそう言う。
だが今は違う。俺がその当事者なのだ。少なくとも俺にとって、今まで接するというのは困難である。
そうこうしてるうちに足音が近付いてきた。まずい、笹の葉を隠さないと…!
なんとか笹の葉を元の場所に戻し、見えないように隠すことができた。さぁ誰だ、誰が来るんだ…ハルヒか…今来られるとちと厳しいが…
ガチャ
693: 2006/07/12(水) 01:12:13.11 ID:0ccNxgBnO
長門だ…よかった。今のこの状況では一番安心できる。
キョン「よう、ハルヒ達ならまだ来てないぞ」
長門「休み」
キョン「えっ?」
長門「先程涼宮ハルヒに会った。今日は彼女の都合で休み。私はあなたへの伝言を頼まれた」
キョン「ああ、そうか…わざわざありがとな」
長門「いい」
休み…か。今はそのほうがありがたいな。
キョン「じゃあな長門、また明日な」
長門は小さく頷いた。あいつなりの挨拶だったんだろう。
俺は振り返ることができなかった、長門の視線を感じたからだ。あいつに見つめられると、隠し事を全部話してしまいそうになるからだ。
さて、明日からどうする…俺
キョン「よう、ハルヒ達ならまだ来てないぞ」
長門「休み」
キョン「えっ?」
長門「先程涼宮ハルヒに会った。今日は彼女の都合で休み。私はあなたへの伝言を頼まれた」
キョン「ああ、そうか…わざわざありがとな」
長門「いい」
休み…か。今はそのほうがありがたいな。
キョン「じゃあな長門、また明日な」
長門は小さく頷いた。あいつなりの挨拶だったんだろう。
俺は振り返ることができなかった、長門の視線を感じたからだ。あいつに見つめられると、隠し事を全部話してしまいそうになるからだ。
さて、明日からどうする…俺
700: 2006/07/12(水) 01:26:25.08 ID:0ccNxgBnO
翌朝、こんなに学校へ行くのが憂鬱なのは久々だ。できることなら昨日に戻って、あのときの俺を引き止めたいところだ。しかし、休む訳にもいかないのでしぶしぶ俺は、学校へ行った。
教室のドアを開けると、ハルヒが待ってましたと言わんばかりに
ハルヒ「おっはよーキョン!今日もシケた面してるわね~朝御飯ちゃんと食べてんの?」
最近のハルヒは、以前に比べ随分社交的になり、クラスの男子や女子と普通に会話するくらいになっていた。
しかも以前までの奇人変人ぶりもピタリと止まっており、男子にも女子にも人気が出てきたようだ。
まぁ性格以外は完璧だったからな、こいつは。
教室のドアを開けると、ハルヒが待ってましたと言わんばかりに
ハルヒ「おっはよーキョン!今日もシケた面してるわね~朝御飯ちゃんと食べてんの?」
最近のハルヒは、以前に比べ随分社交的になり、クラスの男子や女子と普通に会話するくらいになっていた。
しかも以前までの奇人変人ぶりもピタリと止まっており、男子にも女子にも人気が出てきたようだ。
まぁ性格以外は完璧だったからな、こいつは。
703: 2006/07/12(水) 01:37:15.01 ID:0ccNxgBnO
ハルヒ「聞いてキョン!今日は弁当箱も新しいのに変えたのよー」
前に中庭で食べて以来、俺とハルヒは毎日一緒に昼食をとっていた。人気急上昇中のハルヒと弁当を食べている俺は、谷口曰く「羨ましい」の一言だそうだ。
しかし今日の俺は一緒に食べる気にはなれなかった。
キョン「すまん、ハルヒ。悪いが今日は一緒に食べれそうにない」
ハルヒ「え?……どうして……」
キョン「昼休み、少し用事ができてしまってな、だから今日は…すまん」ハルヒ「うん…わかった…仕方ないわね」
ハルヒはすでに普通の女の子となっていた。それだけに、このときの悲し気で寂し気な表情は、直視できなかった。
前に中庭で食べて以来、俺とハルヒは毎日一緒に昼食をとっていた。人気急上昇中のハルヒと弁当を食べている俺は、谷口曰く「羨ましい」の一言だそうだ。
しかし今日の俺は一緒に食べる気にはなれなかった。
キョン「すまん、ハルヒ。悪いが今日は一緒に食べれそうにない」
ハルヒ「え?……どうして……」
キョン「昼休み、少し用事ができてしまってな、だから今日は…すまん」ハルヒ「うん…わかった…仕方ないわね」
ハルヒはすでに普通の女の子となっていた。それだけに、このときの悲し気で寂し気な表情は、直視できなかった。
708: 2006/07/12(水) 01:44:33.69 ID:0ccNxgBnO
俺はその日から、ハルヒを避けるようになってしまった。授業中、休み時間、部活に関しては適当に理由をつけてずっと休んでいた。最初の頃はハルヒも問いつめてきたのだが、次第にそれもなくなり、会話すらもしなくなった。
そんなある日のこと、ハルヒは学校を休んでいた。会話はほとんどしていなかったが、いないとなると寂しい気もする。
国木田「キョン、お客さんだよ」
お客とは古泉、朝比奈さん、長門だった。
そんなある日のこと、ハルヒは学校を休んでいた。会話はほとんどしていなかったが、いないとなると寂しい気もする。
国木田「キョン、お客さんだよ」
お客とは古泉、朝比奈さん、長門だった。
717: 2006/07/12(水) 02:01:53.54 ID:0ccNxgBnO
古泉「最近姿を見せませんね、どうしたんですか?」
みくる「涼宮さんがすごく心配してましたよ…それに、悲しそうでした…」
長門「あなた…なぜ…?」
キョン「それは…ちょっと理由があって…」
長門「嘘」
たしかに下手な嘘だったが、俺はとっさに
キョン「嘘じゃねぇよ、証拠でもあんのか?」
ある、今ムキになっている俺自体がその証拠だ。
長門「ならどうして、私達を見ない?嘘じゃないのなら、どうして私の目を見ない?」
みくる「長門さんの言う通りですよ。キョン君、本当のことを教えてください。」
キョン「………」
古泉「言えませんか。ということは、もう気付いてしまったのですね、涼宮さんのこと…」
古泉は何もかもお見通しのようだった。俺のことも、ハルヒのことも。
古泉「長門さん、頼みます」
長門「了解」
古泉がそう言うと、いきなり長門は例の呪文を唱え始めた。
キョン「な、なにをするつもりだ!古泉!」
古泉「知ってもらおうと思いましてね、最近の涼宮さんを」
みくる「涼宮さんがすごく心配してましたよ…それに、悲しそうでした…」
長門「あなた…なぜ…?」
キョン「それは…ちょっと理由があって…」
長門「嘘」
たしかに下手な嘘だったが、俺はとっさに
キョン「嘘じゃねぇよ、証拠でもあんのか?」
ある、今ムキになっている俺自体がその証拠だ。
長門「ならどうして、私達を見ない?嘘じゃないのなら、どうして私の目を見ない?」
みくる「長門さんの言う通りですよ。キョン君、本当のことを教えてください。」
キョン「………」
古泉「言えませんか。ということは、もう気付いてしまったのですね、涼宮さんのこと…」
古泉は何もかもお見通しのようだった。俺のことも、ハルヒのことも。
古泉「長門さん、頼みます」
長門「了解」
古泉がそう言うと、いきなり長門は例の呪文を唱え始めた。
キョン「な、なにをするつもりだ!古泉!」
古泉「知ってもらおうと思いましてね、最近の涼宮さんを」
727: 2006/07/12(水) 02:18:23.88 ID:0ccNxgBnO
キョン「ハルヒを?どういう意味だ…!?」古泉「あなたがいないときの涼宮さん。その情報をあなたの脳に送ってるんですよ。ほら?だんだん見えてきたでしょう?」
ハルヒ『キョンは…また来ないの…?どうして?』
『お弁当がマズかった…?』
『最近は話してもくれない…見てもくれない…』『グスッ…嫌われちゃったの…あたし…。もしそうなら、謝るから…グスッ…あたし、謝るから…。グスッ…キョンに…会いたい…話がしたい…キョン…どこ行っちゃったの?…戻ってきてよ…』
部室の机に伏して泣いているハルヒ、朝比奈さんに泣きついているハルヒ…俺がいない間の、ハルヒの記録だった。
ハルヒ『キョンは…また来ないの…?どうして?』
『お弁当がマズかった…?』
『最近は話してもくれない…見てもくれない…』『グスッ…嫌われちゃったの…あたし…。もしそうなら、謝るから…グスッ…あたし、謝るから…。グスッ…キョンに…会いたい…話がしたい…キョン…どこ行っちゃったの?…戻ってきてよ…』
部室の机に伏して泣いているハルヒ、朝比奈さんに泣きついているハルヒ…俺がいない間の、ハルヒの記録だった。
752: 2006/07/12(水) 02:31:35.74 ID:0ccNxgBnO
古泉「機関や閉鎖空間、そんなのは抜きにして言わせてもらいます。涼宮さんを助けてあげて下さい。ここまで彼女の心を弱くしたのはあなたです。追い詰めたのもあなたです。だから助けてあげて下さい」
みくる「キョン君…わたしからも、お願いします。私もあんな悲しそうな涼宮さん、見てられません」
長門「あなたには責任がある。義務がある。拒否は認められない」
そんなに言わないでくれよ、泣いてるあいつを見たとき、もう決心してたさ。
キョン「あいつは今、どこにいるんだ?」
長門「自宅。じゅう…しょ…は…」
言い終わる前に長門の体は消滅した。
キョン「長門!?」
古泉「閉鎖空間ですね、しかも今までに類を見ないほどの速さです。この速さだと、さすがにぼ…くも…」
続いて古泉が消えた。
みくる「キョンくん…涼宮さんのこと、よろしくお願いします。」
そう言って朝比奈さんは、笑顔で消滅した。
みくる「キョン君…わたしからも、お願いします。私もあんな悲しそうな涼宮さん、見てられません」
長門「あなたには責任がある。義務がある。拒否は認められない」
そんなに言わないでくれよ、泣いてるあいつを見たとき、もう決心してたさ。
キョン「あいつは今、どこにいるんだ?」
長門「自宅。じゅう…しょ…は…」
言い終わる前に長門の体は消滅した。
キョン「長門!?」
古泉「閉鎖空間ですね、しかも今までに類を見ないほどの速さです。この速さだと、さすがにぼ…くも…」
続いて古泉が消えた。
みくる「キョンくん…涼宮さんのこと、よろしくお願いします。」
そう言って朝比奈さんは、笑顔で消滅した。
763: 2006/07/12(水) 02:45:41.22 ID:0ccNxgBnO
背後ですさまじい轟音が聞こえた。振り返るそこにいたのは…神人だ…しかも数が尋常じゃない。古泉達に気をとられていたが、クラスの連中も消滅していた。
俺は急いで崩壊する学校から脱出した。ハルヒに会いに行くために。だが住所がわからない、教える前に長門が消えてしまったからな。仮に聞いたとしても、この状況だと住所の確認なんかしていられない。
俺はただ走った…崩壊する街を…崩壊する世界を…。ここで世界を、いやハルヒを助けられなきゃ、俺はただの屑だ…。
ハルヒの居場所はわからない、だけど闇雲に走っているわけでもない。あいつの居場所は、神人が教えてくれる。神人が唯一壊していない、きれいな道…俺はその道をただひたすらに走った。
こんなときでも俺の体は消えていない…ハルヒが、俺を必要としてくれているんだな…ありがとう、ハルヒ
俺は急いで崩壊する学校から脱出した。ハルヒに会いに行くために。だが住所がわからない、教える前に長門が消えてしまったからな。仮に聞いたとしても、この状況だと住所の確認なんかしていられない。
俺はただ走った…崩壊する街を…崩壊する世界を…。ここで世界を、いやハルヒを助けられなきゃ、俺はただの屑だ…。
ハルヒの居場所はわからない、だけど闇雲に走っているわけでもない。あいつの居場所は、神人が教えてくれる。神人が唯一壊していない、きれいな道…俺はその道をただひたすらに走った。
こんなときでも俺の体は消えていない…ハルヒが、俺を必要としてくれているんだな…ありがとう、ハルヒ
769: 2006/07/12(水) 02:56:14.81 ID:0ccNxgBnO
そして俺は、ハルヒを見つけた。周囲にいるのは神人だけ…それ以外は何もない、寂しい場所だった。
キョン「ハルヒ…」
座ってうずくまっていたハルヒがゆっくり顔を上げる。
ハルヒ「キョン?どうしたの?そんなに血相変えて…」
今にも消えかかりそうな声と、弱々しい表情でハルヒは言った。
キョン「帰ろう、元の世界へ」
ハルヒ「元の世界?何言ってるの?」
キョン「いいから。こっちへ来るんだ、ハルヒ。」
ハルヒ「……イヤ…」
キョン「ハルヒ?」
ハルヒ「イヤ…行きたくない。」
キョン「どうして!?」ハルヒ「だって…そこには誰もいないもの…有紀もみくるちゃんも、古泉くんも…」
キョン「俺がいるじゃねぇか!」
ハルヒ「いないわよ!あんたは今、目の前に立ってるけど…どこにも…いないわよ…」
キョン「ハルヒ…」
座ってうずくまっていたハルヒがゆっくり顔を上げる。
ハルヒ「キョン?どうしたの?そんなに血相変えて…」
今にも消えかかりそうな声と、弱々しい表情でハルヒは言った。
キョン「帰ろう、元の世界へ」
ハルヒ「元の世界?何言ってるの?」
キョン「いいから。こっちへ来るんだ、ハルヒ。」
ハルヒ「……イヤ…」
キョン「ハルヒ?」
ハルヒ「イヤ…行きたくない。」
キョン「どうして!?」ハルヒ「だって…そこには誰もいないもの…有紀もみくるちゃんも、古泉くんも…」
キョン「俺がいるじゃねぇか!」
ハルヒ「いないわよ!あんたは今、目の前に立ってるけど…どこにも…いないわよ…」
776: 2006/07/12(水) 03:05:33.07 ID:0ccNxgBnO
キョン「ハルヒ…」
ハルヒ「もう帰って…誰も見たくない、誰とも話したくない…みんな消えちゃばいいわ…」
キョン「嘘つくなよ…」ハルヒ「嘘じゃないわよ!」
キョン「嘘だ!じゃあ俺はどうして消えてないんだ!?お前が本当にみんな消えちまえって思ってるんなら、俺はここにはいない」
ハルヒ「それは…」
キョン「お前はわかってるはずだ、何もかも。だから…」
ハルヒ「うるさいうるさい!もうあたしに構わないで!ほっといて!」
その瞬間、俺の体が…足元からゆっくりと消え始めた
ハルヒ「もう帰って…誰も見たくない、誰とも話したくない…みんな消えちゃばいいわ…」
キョン「嘘つくなよ…」ハルヒ「嘘じゃないわよ!」
キョン「嘘だ!じゃあ俺はどうして消えてないんだ!?お前が本当にみんな消えちまえって思ってるんなら、俺はここにはいない」
ハルヒ「それは…」
キョン「お前はわかってるはずだ、何もかも。だから…」
ハルヒ「うるさいうるさい!もうあたしに構わないで!ほっといて!」
その瞬間、俺の体が…足元からゆっくりと消え始めた
784: 2006/07/12(水) 03:16:25.05 ID:0ccNxgBnO
キョン「はは…まいったな…どうやら本当に必要なしと判断されたらしい」
ハルヒは俺を睨みつけている。敵意を剥き出しにして…
キョン「ハルヒ…実は俺、お前が新しく書いた短冊…見ちまったんだ」
ハルヒ「えっ?」
キョン「それで、お前の気持ち…知ってしまったんだ。そのせいで俺、どんな顔してお前に接したらいいかわかんなくてさ…悪かったな。」
ハルヒ「キョン…」
キョン「お前が誰も必要としてなくてもいい。ただ覚えててくれ、俺達SOS団は…最期まで団長のお前を必要としていたってこと」
ハルヒは俺を睨みつけている。敵意を剥き出しにして…
キョン「ハルヒ…実は俺、お前が新しく書いた短冊…見ちまったんだ」
ハルヒ「えっ?」
キョン「それで、お前の気持ち…知ってしまったんだ。そのせいで俺、どんな顔してお前に接したらいいかわかんなくてさ…悪かったな。」
ハルヒ「キョン…」
キョン「お前が誰も必要としてなくてもいい。ただ覚えててくれ、俺達SOS団は…最期まで団長のお前を必要としていたってこと」
798: 2006/07/12(水) 03:24:13.99 ID:0ccNxgBnO
ハルヒ「キョン…ダメ…行っちゃダメ…」
ハルヒは立ち上がり、目からは大粒の涙を流していた。そして消えかかる俺に近付いてくる…
ハルヒ「わたしを置いて…どこ行っちゃうの…?もうどこにも行かないで…独りは寂しいの…」
キョン「俺だって…寂しいさ…すごくな…」
ハルヒ「どうして…どうしてこれ止まらないのよ…あたしが止まれって命令してんのよ…キョンは消さないでよ…。世界の終わりに、独りはイヤなの…」
ハルヒは立ち上がり、目からは大粒の涙を流していた。そして消えかかる俺に近付いてくる…
ハルヒ「わたしを置いて…どこ行っちゃうの…?もうどこにも行かないで…独りは寂しいの…」
キョン「俺だって…寂しいさ…すごくな…」
ハルヒ「どうして…どうしてこれ止まらないのよ…あたしが止まれって命令してんのよ…キョンは消さないでよ…。世界の終わりに、独りはイヤなの…」
819: 2006/07/12(水) 03:38:06.06 ID:0ccNxgBnO
キョン「ハルヒ…もうそろそろ限界みたいだ…」ハルヒ「ダメ…ダメ…!あんたが消えるなら…あたしも消える!」
ハルヒの体が消え始める…すごい速さで…
キョン「バカなことはやめろ、ハルヒ!!」
ハルヒ「いいの…ごめんね…最期までワガママな女で…素直になるのってむずかしいね…」
ハルヒの体は俺と同じくらい消えかかり、速度も俺と同じになった。
キョン「今のお前は…充分素直だよ…」
ハルヒ「でも、遅すぎたわね…こんなギリギリで…」
キョン「お互い様だ」ハルヒ「……キョン…?」
キョン「なん……」
ハルヒは自分の唇と俺の唇を重ね合わせた。前の閉鎖空間とは逆になっちまったな。
ハルヒ「好き……よ、キョ………ン…」
キョン「ああ、お…れ……も……だ……」
そして俺達は消えた。世界と共に
ハルヒの体が消え始める…すごい速さで…
キョン「バカなことはやめろ、ハルヒ!!」
ハルヒ「いいの…ごめんね…最期までワガママな女で…素直になるのってむずかしいね…」
ハルヒの体は俺と同じくらい消えかかり、速度も俺と同じになった。
キョン「今のお前は…充分素直だよ…」
ハルヒ「でも、遅すぎたわね…こんなギリギリで…」
キョン「お互い様だ」ハルヒ「……キョン…?」
キョン「なん……」
ハルヒは自分の唇と俺の唇を重ね合わせた。前の閉鎖空間とは逆になっちまったな。
ハルヒ「好き……よ、キョ………ン…」
キョン「ああ、お…れ……も……だ……」
そして俺達は消えた。世界と共に
827: 2006/07/12(水) 03:44:47.64 ID:0ccNxgBnO
目が覚めた。
どこだ?
部室だ
どうして?
俺とハルヒは確かに消滅した。
なのに体は元通り…どうなってる…?
ハルヒが倒れている…まさか氏んでるなんてことはないよな…
キョン「おい、ハルヒ。ハルヒ!」
頼む、目を覚ましてくれ
ハルヒ「う……ん……キョン?」
どこだ?
部室だ
どうして?
俺とハルヒは確かに消滅した。
なのに体は元通り…どうなってる…?
ハルヒが倒れている…まさか氏んでるなんてことはないよな…
キョン「おい、ハルヒ。ハルヒ!」
頼む、目を覚ましてくれ
ハルヒ「う……ん……キョン?」
836: 2006/07/12(水) 03:50:00.16 ID:0ccNxgBnO
キョン「よかった…一瞬氏んでんじゃないかと思ったぜ。でも、どうして…俺達部室にいるんだ…あのときたしかに…」
ハルヒ「消滅したわよ…あたしも、あんたも…」
キョン「じゃあ何で…?」
ハルヒ「それは…その…」
キョン「もしかして、お前がやったのか…?」
ハルヒ「うん……。完全に消えちゃう前に、一つだけ願い事したの…」
ハルヒ「消滅したわよ…あたしも、あんたも…」
キョン「じゃあ何で…?」
ハルヒ「それは…その…」
キョン「もしかして、お前がやったのか…?」
ハルヒ「うん……。完全に消えちゃう前に、一つだけ願い事したの…」
843: 2006/07/12(水) 03:54:57.10 ID:0ccNxgBnO
キョン「願い事?なんて?」
ハルヒ「何てって…あんたも知ってるじゃない…」
ハルヒはもじもじしてそう言った。
キョン「知るわけないだろ。あの状況でどうやってお前の思考を読みとるってんだ」
ハルヒ「そ、そうじゃないわよ…!」
キョン「じゃあ一体どういう意味なんだ?」
ハルヒ「何てって…あんたも知ってるじゃない…」
ハルヒはもじもじしてそう言った。
キョン「知るわけないだろ。あの状況でどうやってお前の思考を読みとるってんだ」
ハルヒ「そ、そうじゃないわよ…!」
キョン「じゃあ一体どういう意味なんだ?」
862: 2006/07/12(水) 04:06:20.40 ID:0ccNxgBnO
ハルヒ「だ、だからぁ…」
こんなときに何考えてんだって思うかもしれないが、もじもじしながら下を向いて、耳まで真っ赤にしているハルヒはかなり可愛かった。
ハルヒ「見たんでしょ?あの短冊?」
キョン「短冊?ああ…見たな」
ハルヒ「だからあたし、それをお願いしたのよ…。キョンと一緒に…幸せになれますように…って…」
俺と幸せになる…俺の幸せって何だ?元の世界に戻ること?違う。ハルヒと一緒に生きること?違う
元の世界に戻って、ハルヒと一緒に生きることだ。
そうか……だからか。だから戻って来られたのか…。
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「何よ……あっ……」
俺はハルヒを抱き締めた。
キョン「これからはずっと一緒だ。もうどこにも行かない。」
ハルヒ「……約束よ?」
キョン「約束だ」
ハルヒ「破ったら…氏刑なんだからね…」
キョン「望むところだ」
ハルヒ「バカ…キョン」
こんなときに何考えてんだって思うかもしれないが、もじもじしながら下を向いて、耳まで真っ赤にしているハルヒはかなり可愛かった。
ハルヒ「見たんでしょ?あの短冊?」
キョン「短冊?ああ…見たな」
ハルヒ「だからあたし、それをお願いしたのよ…。キョンと一緒に…幸せになれますように…って…」
俺と幸せになる…俺の幸せって何だ?元の世界に戻ること?違う。ハルヒと一緒に生きること?違う
元の世界に戻って、ハルヒと一緒に生きることだ。
そうか……だからか。だから戻って来られたのか…。
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「何よ……あっ……」
俺はハルヒを抱き締めた。
キョン「これからはずっと一緒だ。もうどこにも行かない。」
ハルヒ「……約束よ?」
キョン「約束だ」
ハルヒ「破ったら…氏刑なんだからね…」
キョン「望むところだ」
ハルヒ「バカ…キョン」
912: 2006/07/12(水) 04:23:06.57 ID:0ccNxgBnO
それからしばらくして、古泉と朝比奈さん、長門とも再会できた。朝比奈さんは号泣し、古泉はいつものスマイルで「よかったですね」、長門に関しては…
キョン「世話かけたな」長門「ええ」
てっきり「いい」って言うと思ったんだがな。
キョン「長門」
長門「なに?」
キョン「えーっと、その…」
長門「おかえりなさい」キョン「えっ?」
長門「おかえりなさい、キョン…お疲れ様」
キョン「何だか新婚の奥さんみたいだな」
長門「そうね。ふふっ」
長門が初めて笑った。カメラがあれば…カメラがあれば…!!
俺達はそのまま鍋パーティーをした。材料等は『機関』と鶴屋さんがどうにかしてくれた。
俺はこれから、ハルヒの側にいようと思う。閉鎖空間なんて発生させない。もし発生してしまっても、そのときは俺がなんとかしてやる。
俺の隣にはハルヒが、ハルヒの隣には俺がいる。俺達は手を握りあった、もう二度と離れないように…いつも一緒にいられるように…
ハルヒ「幸せに…なれますよーーにっ!!」
キョン「世話かけたな」長門「ええ」
てっきり「いい」って言うと思ったんだがな。
キョン「長門」
長門「なに?」
キョン「えーっと、その…」
長門「おかえりなさい」キョン「えっ?」
長門「おかえりなさい、キョン…お疲れ様」
キョン「何だか新婚の奥さんみたいだな」
長門「そうね。ふふっ」
長門が初めて笑った。カメラがあれば…カメラがあれば…!!
俺達はそのまま鍋パーティーをした。材料等は『機関』と鶴屋さんがどうにかしてくれた。
俺はこれから、ハルヒの側にいようと思う。閉鎖空間なんて発生させない。もし発生してしまっても、そのときは俺がなんとかしてやる。
俺の隣にはハルヒが、ハルヒの隣には俺がいる。俺達は手を握りあった、もう二度と離れないように…いつも一緒にいられるように…
ハルヒ「幸せに…なれますよーーにっ!!」
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