1: 2014/04/13(日) 18:51:36 ID:5m0dbxH2
男「…っ…」ゾクゥ

男「……!」チラリ


イケメン「…」じぃー


男(み、見てるよなっ? 俺のことすっげー見てるよな…っ?)

男(ここ最近やけに視線を感じてたんだが…やっぱアイツか…俺を見ているのは何故だ…)

男「はぁ~…」

男(この学校に入学してから早二年。彼女おろか友達も出来ぬまま過ぎ去っていく日々)

男(いや、それは俺の自主性が無さ過ぎるってのもあるんだろうけど、うん、今は別にいいや)フルフル

男「いっ……今の今まで俺は、教室内で…なるべく空気になろうとしてきたつもりだったんだが…っ…」

トントントン トン

男「…」チラッ

イケメン「…」じぃー

男(なんでコッチ見てるんだよ!?)
ふらいんぐうぃっち
2: 2014/04/13(日) 18:52:36 ID:5m0dbxH2
男「ぐぅっ…なんだ俺をそんなに見つめて…ッ!」

男(ハァッ!? も、もしや何時の間にかいじめの対象として観察されている、のか?)

イケメン「…」じぃー

男(あ、ああっ…違いないぞあれは…完全に俺を標的として見定めてる目だ…俺には分かる…!)

男(比較的この学級は殺伐とした人間性を持った奴は少ないと思ってたのにっ)

男「やっぱ顔なかァ! 顔が全てを制する手段なのかよ…ッ! 馬鹿野郎、神さはなんにも見ちゃくれてねぇ…!!」ボソッ


イケメン「何が顔なの?」


男「どぅあッッ!?」ガタタ

イケメン「やぁ! どうも! さっきから視線を感じてたから、こっちから話しかけてみたんだけどさ」

男(いや! いやいやいやいや! お前のほうが見てたじゃん! 滅茶苦茶俺のこと観察してたじゃん!)

3: 2014/04/13(日) 18:54:45 ID:5m0dbxH2
イケメン「何かオレに用事? ん?」

男「あ…いえ…別になんも用事ないっすケド…」

イケメン「へぇーそうなんだぁー。んじゃオレの勘違いってことね、ごめんごめん」

男(なんでお前が納得してんだよ! お前がまず説明しろよッ! そのすまし顔もイケメンだな畜生!)

イケメン「んーあのさぁ君って、前から思ってたんだけども」

男「えっ?」

イケメン「なんで何時も怒ってんの? なにかイラつくことでもある感じ?」

男「えっ!? おっ!? 怒って? …る?……ないけど、なに、怒ってる……見える…?」

イケメン「うんすっげー見えるよ。日常的に誰か構わず呪って生きてるように見える」

4: 2014/04/13(日) 18:56:26 ID:5m0dbxH2
男(うぇぇぇっ!? 別に怒ってないけど…むしろ静かに生きたいと願ってる方だけど…)

イケメン「だからオレ的には君が一回笑ってる所見てみたいなー」

男「はぁっ!? な、なんで…」

イケメン「ほらほら。人の笑顔って周りを幸せにするって言うしさ、そういったことも含めて一つ、どう?」

男(そういったことって何なんだ…)

イケメン「え・が・おっ! え・が・おっ! それっ!」パン パン

男「うぇっ?! あ、いや! そんな急に言われても無理っ」

イケメン「出来る出来る君になら普通にできるって。口角上げて、にこーってするだけだしさ」

男「口角上げて…にこー…?」

イケメン「そうそう。やってみ、簡単だから」

男「……に、にこー」プルプル

イケメン「……」

イケメン「怖ッ!!」

5: 2014/04/13(日) 18:58:17 ID:5m0dbxH2
男「ッ…!」ブツン

男「テメーがやらせたんじゃねーかアホ!!」

パァン

イケメン「──………」くらぁ

男「あ…」


「い、今…ウソでしょ?」

「あいつイケメン君のこと叩かなかった…?」


男(や、やばっ俺はなんてことをっ!? あ、謝らなければっ)くるっ

男「ご、ごめなひゃっ! しょなつもりふぁんてっ!」

イケメン「…」

イケメン「キタァ────!!!」

男「ほぁいっ!?」

6: 2014/04/13(日) 18:59:40 ID:5m0dbxH2
がっしぃいいい

イケメン「ちょっとこっち来て」ぐいぐい

男「…っ? …!?」ズリズリ


廊下


男「さ、さっきのことだけど…えっとアレは別に悪気があってやったわけじゃあなくて…っ」ダラダラ

イケメン「聞いてくれ。いいから黙って聞いててくれ」

男「な、なんしゅかっ?」

イケメン「オレの頭叩いたよね」

男「うひっ! あっ、えっと、ごめんなさい…!」

イケメン「フンスー! 最高だったよ! マジでドンピシャクリーンヒットだった!」

男「ついイラッと来て思わず…」

男「は?」

イケメン「小気味よい打撃音。手首の効いたスナップ。淀みない発言。そして──最高のタイミング」

7: 2014/04/13(日) 19:07:06 ID:5m0dbxH2
イケメン「とうとう見つけた…君がオレにとっての最高の救世主! ノアの方舟! マリア様!」

男「のあ…のあ…?」

イケメン「以前から目をつけていたんだ。もしかしたら君がオレの欲望を解消させてくれる人じゃないかってさ」

男(なにこの人怖いよッ!)

イケメン「聞いてくれ…是非にと聞いてくれ…オレの抱える闇を…オレの抱える思いを…」

男「やっ……やだ!」

イケメン「やだって言うなよ! お願いだ! オレの気持ちを解消させてくれるのは君だけなんだ…っ!!」

男「やだやめて…っ…お願いします何でもしますから…っ」

イケメン「何でもするって、何もそこまで怯えなくてもいいじゃないか…」

男(分からねえだろうな! お前にはわからないだろうな! 久しぶりにクラスメイトと喋る奴の気持ちなんて!)サメザメ

8: 2014/04/13(日) 19:13:10 ID:5m0dbxH2
ヒソヒソ ヒソヒソ

イケメン「むっ? 流石にここまで騒ぐと人目を引くか…」

男(お前だからだよ…)

イケメン「ここじゃあんまり詳しく話せないな。付いてきてくれ、説明させて欲しい」グイッ

男「ちょ、ちょっと…マジでなんなんすか…っ」

イケメン「えっ? オレのコト知らない? …結構クラスじゃ目立ってる方だと思うけど」

男(知ってるよ!)


屋上


男「寒い…」ブルル

イケメン「──あれは、この高校に入学してすぐだった…」

男(勝手に語り始めたよ…)

イケメン「俺は入学してすぐに友人が出来た。両手で数えられないぐらいに、たくさん出来たんだ」

男「…さよですか」

イケメン「オレは素直に嬉しかったよ。これはウソじゃない、友好関係がたくさんあったほうが楽しいからな」

9: 2014/04/13(日) 19:20:26 ID:5m0dbxH2
男(泣いていいかな)

イケメン「けど直ぐに気づいたんだ。満足行く高校生活を送れると思っていた矢先、オレはとあることに…」

男「…なんすか」

イケメン「それは……それはっ!!」ガンッ!

男「っ」ビクッ

イケメン「くっ…くそっ…なんでだッ…どうしてこうなったんだッ…!!」

男「お、おい」

男(急にどうしたんだ? そ、そんなたいそれた悩みを抱えてたのか…?)

イケメン「オレはただ…ただみんなから…ッ!」

男「……」ゴクリ

イケメン「突っ込みを貰いたいのに…っ! なんでみんなオレのギャグをスルーするんだ…っ」

男「あの。帰っていいですか」

イケメン「ただオレは何気ない会話で、軽くポイっと突っ込みを入れて欲しいんだよ!!!!!!」

男(知らんッ!)

10: 2014/04/13(日) 19:26:16 ID:5m0dbxH2
イケメン「考えてみてくれッ! 『最近筋トレハマってさーマジ鍛えまくってんだよねぇ』と言われて俺が何気なくッ!」

イケメン「あーじゃ亀のうOことか食べると筋肉育ちやすいらしいぞっ? っと言ったら! みんな…みんな…」

男「…………」

男「え、喰ったの?」

イケメン「……」コクリ

男(クッ! だ、誰だそいつの名前超知りてぇ! 後で影からこっそり顔確認したい!)

イケメン「これだけじゃない…まだまだたくさんある…オレがボケたいがゆえに不幸のどん底に落とされた友人たちがな…」

男(ボケなきゃいいじゃん…)

イケメン「今ッ! だったらボケなきゃいいだろって思ったろッ!」

男「ぇうっ!? お、思ってないデス…!」

イケメン「いやー……いいんだ、君の気持ちもわかる。だったらオレがボケなくていい、ただそれだけで済む話だ」スッ

イケメン「このメモ帳を見てくれ。どこからでも読んでくれていいから」

男「は、はぁ」ペラ

男「…なんすかコレ」

イケメン「オレのボケ手帳だ」

11: 2014/04/13(日) 19:32:57 ID:5m0dbxH2
男「え、えー………」

イケメン「引くだろう。ああ、ドンドン引いてくれて構わない。オレもメモ帳が出来上がった時は三日三晩悶え苦しんだ」

男「で、あの、これが何か?」

イケメン「………」

男「?」

イケメン「今期。オレは放送部員となった、クラスの委員会のな」

男「それは駄目だやめろッ!」

イケメン「それだ───ァッッ!!」

男「はぃいいいぃいっ!?」

イケメン「即座の理解力。そして的確な突っ込み。あっ…ぁぁあっ…ぞくぞくするねぇっ…いいよきみぃ…!!」

男(きめぇ…)

イケメン「ふくくっ…その通り…君が予想したことが現実に起こりえるんだ…この手帳のネタを放送時に使ってしまうかもしれない…このままではッ!!」

イケメン「けれど君の突っ込みがオレの欲望を癒してくれる! こんなものちっぽけだと思い知らせてくれる!」ギュッ

男「………いやいやいやいや……」

12: 2014/04/13(日) 19:41:04 ID:5m0dbxH2
イケメン「お、お願いだ! オレのどうしよもない欲望を…受け止めてくれッ! お礼はなんだってする! 本当だ!」

男「ご、ごめんなさい…他あたってくれませんか…」

イケメン「何が欲しい!? 出来る限りのものなら奢ってやるから! お金なら……うん、バイトするから!」

男「い、いえいえ…そんな金なんて…」

イケメン「じゃあ彼女か!? 彼女なのか!? だ、だったらどーにかして君のこのみにあわあわあわせて紹介してあげるし!」

男「か、彼女ぉ? そ、そういうのって自分で作らないと意味ないと思うし…」

イケメン「…意外と理想が高いんだな」

男「うっさいわ!」

イケメン「ふほぉぉぉぉっ」キラキラキラ

男(し、しまった! 余計な突っ込みを…!)

イケメン「ジュルリ。や、やっぱり君じゃないと駄目だ…っ…オレの高鳴った鼓動は君じゃないと収まり用がない!!」

男「マジ勘弁してください…」

イケメン「ぐぅうぅぅっ…なぜだ何故こうも頑固なんだ…っ」

男(必氏過ぎて怖すぎる)

13: 2014/04/13(日) 19:52:22 ID:5m0dbxH2
イケメン「あ。そうだ、だったこれはどうだっ!」

男「…なんすか」

イケメン「友達!」

男「んっ」ぴくっ

イケメン「おっ?」

男「……」プイ

イケメン「おっ? んっ? なぜだろう、君が一瞬反応したかのように見えたんだが?」

男「…な、なんでもねぇよ…」ボソボソ

イケメン「友達、欲しい?」

男「…………イラナイ」

イケメン「やれやれ。ウソが下手くそだなぁ君は」

男「ぐっ、う、うるさい! 俺は怒ってんだよ! 友達欲しいって馬鹿かッ! 俺が友達居ないみたいな言い方するな!」

イケメン「………」

男「うっ……あっ………その………え、居るのとか…惨めになる質問……してくれなくてありがとう……」かぁぁぁ

イケメン「これでも友人は多いからね。うむうむ」コクコク

14: 2014/04/13(日) 19:57:09 ID:5m0dbxH2
イケメン「はてさて。これで君とオレの利害は一致したわけだが」

男「ま、待ってくれ! 俺は別に友達なんて要らないし…!」

イケメン「本当に?」

男「いらない!」

イケメン「一緒に放課後買い食い」

男「ぐぉっ?」

イケメン「宿題を忘れて写させてもらう」

男「ぬぉおっ…」

イケメン「購買部の好きなパンを語り合ってみる」

男「…や、やりたい…っ」

イケメン「え? なんだって?」

男「……………」

イケメン「ふむ本当に君は強情なやつだ。じゃあ最後に──これはどうだ?」

男「え?」

イケメン「これからの残り高校生活、オレと一緒に青春をしよう!」

15: 2014/04/13(日) 20:03:55 ID:5m0dbxH2
男「……青春……?」

イケメン「君には大変醜いところを見せ続けたけれども、これでも、人を楽しくさせる自信はある!」

イケメン「知っているよ。君のことは入学当時から見ていた、君がどんな生活を送っていたかは、どんなことを望んでいたかは──君よりも知っている!」

イケメン「オレは君を満足させる! だからオレを満足させてくれ!」



イケメン「──それがオレと君との契約だ!!」



男「……」

イケメン「ど、どう? やってみたいとか思ったりする、かな?」

男「…は、はは」


入学当時の俺は、
それはそれは何事に対してもわくわくしていた。

桜が散る校庭。
賑わう新入生との声。
見慣れぬ見新しい校舎。

それら全てが俺を祝福してくれてるように思えて、心から期待に身体が震えた。

16: 2014/04/13(日) 20:09:51 ID:5m0dbxH2
ここから新しい自分がスタートする。
昔の自分を捨て去るつもりなんて無いけれど、また新しい自分が始まっていくのだと。

けど──現実はそうじゃない。

期待だけでは何も変われない。
凝り固まった自分は自分のままで、時間の経過と共に輝かしい高校生活は終わりを告げる。

そのまま、ずっとそのまま、俺は俺のままに。

何も手に入れることもなく、こうやって人生も終わるのだろうと思っていた。


けれど消えていく希望の光りの先に、
俺は何かを追いかけるように──とある生徒の背中を見ていた。


イケメン「どうする?」


俺は、一歩だけ近づけたのだろうか。
わからない。とても怖くて足が震えている。

どうしようもなく苦しくて、今にも逃げ出したかった。


男「……駄目だ」

17: 2014/04/13(日) 20:19:40 ID:5m0dbxH2
男「なに、言ってるんだよ。俺がお前と友達…? ハッ、んなの周りから同情されるに決まってんだろ」

男「あーやっぱイケメン君ってかっこいーあーんな根暗な奴も友達にしてあげるなんてー、てさ」

男「影でブチグチ言われるんだろどうせ…それに、お前だって何処まで本気かはわかんねぇじゃん」

男「友達? 友情? バカ言え、んなもんどうせうわべだけの都合のいい関係だろ…」

男「俺は気づいてんだよ。現実なんてツマンネーことばっかで、良いことはお前みたいなイケメンが全部かっさらっていくって」

男「俺は俺用のステージが用意されてんだ。俺は俺だけの誰でもない演技をしていかなくちゃ駄目なんだよ…」

男「カッコイイやつはスポットライトを浴びて…いっぱいいっぱい沢山の歓声を貰える…けど、俺はそうじゃない…」

男「……俺はそこら辺の草役なんだって…」

そう、俺はそんな奴だった。
希望なんて感じずに、暗闇でじっと根を張ってギリギリのラインで生きながら氏んでいく。

それが、俺なんだ。


イケメン「だからなに?」

男「…っ…お前に!」

イケメン「そうだな。オレにはわかんないよ、けど、だからなんなんだ?」

18: 2014/04/13(日) 20:25:02 ID:5m0dbxH2
男「だから何…だと…?」

イケメン「それが君だったとして、草役やスポットライトを浴びなくて、それがなんだって言うんだ?」

男「ッ…お前には到底わかんねえだろうな! イケメンでイケメンで女子やら友達やら全てうまく行ってて!」

イケメン「……」

男「そんな奴と俺が友達なんて、ムカつくんだよ! 俺が惨めになるんだよ!」

イケメン「なんで?」

男「だからッ」

イケメン「周りだろ。だからどうした」

男「だから、どうしたって…お前…」

イケメン「周りから惨めに思われて何なんだ。周りから馬鹿にされてなんなんだ」

イケメン「君は周りから見られないと生きられない人間なの?」

男「ちがっ」

イケメン「俺は君だけが欲しいんだよ」

イケメン「周りなんて関係ない。俺は君だけが必要としている。君のその素質を、君の突っ込みを、ただ君だけを…なのに、君は」

イケメン「どうして───オレ以外のことで悩んでるんだッ!」

19: 2014/04/13(日) 20:29:38 ID:5m0dbxH2
男「おおっ…?」

イケメン「なら俺は君の友人となるために周りの友人を全部裏切って見せる」

男「ちょ、それは…」

イケメン「女子も含めるぞ。だったらメルアドも全部消そう、君との通信手段用にしてもいい」

男「ま、まって…」

イケメン「これでいいんだろ。これで君は満足なんだろう? じゃあ、オレと契約しよう」

イケメン「──今のオレは君だけが欲しいんだ」

男「……ぐっ…がっ…ごっ…」

イケメン「オレは真剣だぞ」

男「ぐぎぎっ、じゃ、じゃあ今消してみせろ! メルアド全部!」

イケメン「いいよ」ピッピッ

男「お、おう」

イケメン「…」ピッ

男「……っ…」

男「ま、待った! 分かったお願いしますそれだけはちょっと…!!」

21: 2014/04/13(日) 20:33:54 ID:5m0dbxH2
イケメン「ん。じゃあやめる」ピッ

男(よくよく考えたら俺が後で周りから恨まれる結果になってたんじゃ…?)ダラダラ

イケメン「じゃあどうする! 後は君の答え待ちだぞ!」

男「どう、するって…」

イケメン「オレと友だちになって青春を謳歌する。けれどオレの欲望を解消させてもらう」

男「………」

男「……俺は…っ」


希望の光りは何処にある。。
こんな変O野郎と共に、残りの高校生活を過ごして何かを得られるだろうか。



『──……かっこいいな、君は』



男「…!」

男「………わか、った」コクリ

イケメン「え? 本当に?」

22: 2014/04/13(日) 20:37:54 ID:5m0dbxH2
男「お、俺がお前に突っ込みをするッ! その代わり……ッ…ちょ、ちょもだち! になる!」

イケメン「友達な。友達トモダチ!」

男「そおっ! トモダチ!」

イケメン「トモダチ! トモダチ!」

男「トモダチ! トモダチィ───!!」



ああ、なんだろう。
少しだけ良いなって思ってしまったからには、仕方ない。きっと仕方ない。



イケメン「ありがとう…っ! ありがとう! 本当にありがとう!」

男「な、なんだよ…喜びすぎだろ…」

イケメン「これでやっと夜ぐっすり寝れるしさ…うんうん…ありがとぉ…」

男「寝ろよ…」

イケメン「うんうん…今日から寝る…っ」

男「……くす」

23: 2014/04/13(日) 20:41:39 ID:5m0dbxH2
そんなこんなで、
とんでも無い変Oイケメン君が俺の友達となった。

これが後に待つ怒涛の高校生活になるとは、思いもよらなかった、程でもない。

何となく予想はついていた。つきまくっていた。

突っ込みだけに、つきまくっていた。


数日後、


俺とイケメンが恋人関係になったと噂されたのが、
つきまして最初の問題なのだろうと俺は思った。


プロローグ『俺のツッコミ待ち』

24: 2014/04/13(日) 20:42:15 ID:5m0dbxH2


気まぐれに更新していきます
ではではノシ

29: 2014/04/14(月) 20:36:51 ID:SLz6V3To
自販機前

男(珈琲飲もうっと)チャラチャラ

チャリーン コロコロ

男「しまっ…」


男(──落ち着いて見届けるんだ俺……)ジィー


コロコロ…

男(放っておけば壁にぶつかって止まる。誰かこの様子に気がついた者は居ない)チラチラッ

男(気の利いた優しい生徒が拾うとことも無い。俺が注視してないからだ、それが俺の懸念…)

男(だって俺は拾ってくれた相手に、気軽にお礼を言える自信無いからな!)

30: 2014/04/14(月) 20:37:53 ID:SLz6V3To
チャリン

男(拾いに行こう)スィー

男「よいしょっと…」


バン! ぐりっ!


男(えっ? 誰かに百円踏まれた──)

女「………」ジロッ

男(だ、誰だ!? 全然見たこと無い女子生徒だ…)

男「あの、その足どけてもらってもいいです、か…?」

女「………」

男「下にお、俺の百円があるっていうか、その…?」

31: 2014/04/14(月) 20:41:40 ID:SLz6V3To
女「……アンタ」

男「な、なに?」

女「アイツと付き合ってるんでしょ。全然信じらんないけど、あの顔だけ良い変Oとアンタって」

男「つき、へっ? なに? だれが?」

女「しらばっくれるんじゃないわよ! もう学校中に広まってるんだから!」

男「うひッ!」

女「こんの変Oッ! 男同士で付き合うとか頭どうかしてるんじゃない?! 変Oは類を呼ぶって本当だったのね!!」

男「なにそれ……え、別にそんな言葉ないけど……」

女「うるさいわね!! なによ!! なんか文句あるワケ!?」

男(わ、わけがわからん…! とりあえず百円を貸して欲しい…!)

女「あ、そう? あくまでしらを切るってワケね!! へーそーなの、ふーん」グリグリ

男「俺の百円…」

女「いい? べっつにあたしはどーでもいいんだけどさ。心から心底どーでもいいんだけど!」

女「──これ以上アイツをおかしくさせたら、末代まで祟るわよ!」

32: 2014/04/14(月) 20:42:55 ID:SLz6V3To
~~~~

男「…ということがあったんだ」

イケメン「へぇー大変だったなぁ」ほのぼの

男(訳が分からなかったが明らかにお前が原因だろう、と流れで突っ込みたい)

イケメン「それからどうなった?」

男「勝手に怒って勝手にどっか行った…」

イケメン「ははっ。アイツらしいな」

男「え、知り合い?」

イケメン「多分幼馴染。隣のクラスの委員長だな」

男「…。なんでその人が俺のこと怒るんだ?」

イケメン「さー?」

男(さーじゃねええええ! 滅茶苦茶怖かったんだぞ! うわぁぁあっ…女子に怒られるのキツイんだからな…っ)サメザメ

33: 2014/04/14(月) 20:48:26 ID:SLz6V3To
男「と、とにかく原因はあると思うんだ。確か俺が誰かと付き合ってる…とか言ってたから」

イケメン「付き合ってるの? 嘘、初耳だぞ何故黙ってた!」

男「だ、誰とも付き合ってねーよ…っ! それに声でかいから…!」

イケメン「オレというものが居ながら…」

男「誰の許可も貰う必要ねーよっ」パシッ

イケメン「うっひッ!」ビクン

男「ど、どうした?」

イケメン「……いまのグット!」グッ

男(きめぇ…)

イケメン「まあ気にしないで良いと思うけどな。すぐに飽きて関わってこなくなるぞ、多分」

男(最後の一言で不安なんだけど…)

イケメン「それよりもさっ? 今日は何処に行くんだ? そろそろゲーセン行ってみようか?」

男「! い、行きたい!」ピクン

イケメン(嬉しそうだなぁ)

34: 2014/04/14(月) 20:55:26 ID:SLz6V3To
男(ゲーセン……そもそも一度も行ったことがないけど、お金は大丈夫だよな…ちゃんと貯金箱から出してきたし…)ワクワク

イケメン「じゃあ帰るか。そういえば君は部活はやってる?」

男「え、やってないけど…お前は?」

イケメン「全部辞めてきた」

男「うぇっ? なんでっ?」

イケメン「飽きたから」

男(なんですかそれ…そもそも全部って、幾つ掛け持ちしてたんだよお前…)


スタスタ ガラリ ピシャッ


「…ねえ聞いた? やっぱ噂って本当だったんだねぇ~!」

「あの二人ガチで付き合ってたの? 急に仲良くなったとか思ってたけど…」

「オレというものがありながら、なんて言っちゃってたな…うっわーっとと、」

バン!

女「……」キョロキョロ

35: 2014/04/14(月) 21:01:21 ID:SLz6V3To
「おー女じゃん。どうした?」

女「…アイツは? 何処行ったの?」

「イケメン君か。さっき愛しの恋人と一緒に放課後デートに、」

女「チッ! 出遅れたか…これだから売れ残れ教師のhrの長さは嫌なのよ…ッ!」ダダダ

「行っちまった…」

「女も大変だねぇ。昔ながらの幼馴染が同姓に取られるなんてさ~」

「え? 付き合ってたの二人って?」

「いやいや。勘違いされやすいけど、あの二人って───」


ゲーセン

男「ふわぁー………」キラキラキラキラ

イケメン「とりあえず何がしたい?」

男「ふぇっ? じゅるる、あ、えっと、うんっ! 色々とやりたい……です」

イケメン(普段氏んだ目をしているのに…なんてきれいな目を…)

36: 2014/04/14(月) 21:10:53 ID:SLz6V3To
イケメン「……あ。じゃあプリクラを撮ろうか?」

男「ぷ、ぷりくら?」

イケメン「高機能射影遊戯機体なんだけど」

男「こうきしゃえ…ゆうぎ…?」

イケメン「うんうん。じゃあ早速行こう、きっと君も気にいるよ」ズイズイ

男「ま、待って! ちょっと本当に一人にしないで…!」オロオロ


ヒョコ

女「…居たわ」

女(なかなか楽しそうに遊んでるじゃない。なによ、久しぶりにアンタの笑顔なんて見たわね…)

女「だからって認めないわよ…ッ…お、男と付き合うなんてどーかしてるわ! 頭に蛆が湧いてるんじゃないっ!?」

ソソクサ…


男「こ、これ押すのか?」

イケメン「そうだよ。そして次に、ここに立ってくれ」

37: 2014/04/14(月) 21:16:02 ID:SLz6V3To
男「お、おおっ? これはどういった遊びなんだよ? 説明をちゃんとしてくれないと…」

イケメン「大丈夫。オレに任せとけって」


女(ここに入っていったわ。プリクラ? はぁっ!!? 男二人でプリクラァ!? ば、ばっかじゃないの!?)ソソソッ

女(中でどんな会話してるのかしら…聞き耳立ててやるわ!!)


スッ


男「俺は初めてなんだよ! もっと優しく、」

イケメン「優しくしてるだろ。君がもっと柔らかくしないからだ」


女「」ピキーン


男「柔らかくってなんだよ! お、俺は理解力には定評はあるぞ…!」

イケメン「だったら最初の優しい説明でわかると思うけどな。それに定評って、誰からの?」


女(コイツ等中でなにやってんのよ────ッッ!)【後半を聞いてない】

38: 2014/04/14(月) 21:25:01 ID:SLz6V3To
女(変O! 変O変O変Oッ! ところかまわず盛ってるのねド変O共…ッ!!)


男「くそぅ…お前のほうがデカいな…」

イケメン「そう? 別に大きいからって良いこと無いと思うけどなぁ」


女(!!??!?!?!!?)


男「…男にとって身長ある方がいいだろっ」

イケメン「い、いまはそうでもないけど…屈まなきゃ映らじゃないかコレ…」


女(へっ変Oどもがぁ……なに比べ合ってんのよ…っ…最悪ッ! 耳が腐るッ!)


男「うわっ! いきなりだなオイ…!」

イケメン「ははっ。びっくりした? オレも最初の頃は驚いてさーこんな急にくるもんなのかって」


女(……へ、へぇ~……そ、早漏なのねアイツ……)

39: 2014/04/14(月) 21:32:55 ID:SLz6V3To
男「普通はカウントダウンとかしないか…」

イケメン「実はしてたよ。君がテンパってて聞いてなかっただけだ」


女(なんなのよッなんなのよこいつ等ッ! 付き合ってまだ間もないはずじゃなかったの!? この発展具合はなんなのよッ!!)


男「まだやるのかコレ」

イケメン「それだけお金を払ったんだから、一回だけじゃないさ」


女「………えっ?」


男「そうはいっても…俺はもう一回だけで十分だ…」

イケメン「場慣れの問題だって。いつかは慣れると思う」


女「なに、それ…えっ? お金……払った……まだやるのかって………」

女(あの変O…まさかお金を掴ませて……無理やり付きあわせてるってコト…?)

女(確かにあの目つき悪い奴は、たかが百円で必氏になってたけど……嘘、嘘嘘……)

40: 2014/04/14(月) 21:42:59 ID:SLz6V3To
男「…そういうもんか」

女(! 流されちゃダメよバカ! アンタはもっと身持ちを良くしなさい!!)

イケメン「たかが五百円じゃないか。大丈夫大丈夫」

女(五百円で身体売ったの!!? やっぱアンタばっかじゃないの!!?)

男「そうはいっても、俺にとって五百円は大きいんだよ…」

女(大きくないわよ全然小さいわよあんぽんたん!!)

イケメン「えっ? …案外君って家系苦しい感じ?」

女(そこを付け込んだんでしょアンタが!!)

男「…いや、バイトしてるし平気」

女(そのバイトで五百円しか稼いでないけど平気なのそれ!!)

イケメン「へぇー気になるなぁどんなバイト?」

女(アンタサイテーよ!! そうやって問い詰めてプレイってこと!? そういうプレイってこと!?)

女「はぁっ…はぁっ…だ、ダメよ…もうダメ…止めなきゃ駄目…!!」

女「ッ───アンタ達!! 淫行はそこまでよ!!」

41: 2014/04/14(月) 22:01:27 ID:SLz6V3To
ガバァ!

女「あれ?」


イケメン「こっちで今度は絵を描けるんだよ。おいでおいで」

男「そうなのか。へぇーすげぇ~ほぉぉー」


女「い、居ない…そうかタッチコーナーに行ったのねっ!」ババッ

女「今ならまだ間に合う──」

警備員「キミ。ちょっと良いかな」

女「えっ? な、なによ!? あたし急いでるんだから…!」

警備員「さっき報告を受けてね。話を聞かせてもらってもいいかな」

女「嫌よ!! 今止めないと何時止められ、ちょまっ! 放しなさいよコラ───ッ!!」


男「ん? なんだか外が騒がしいな…」

イケメン「ふふっくくっ」

男「…なんで笑ってんだお前」

42: 2014/04/14(月) 22:07:24 ID:SLz6V3To
イケメン「いやいや…やっぱり君と友達になれて良かった」

男「はぁ?」カキカキ

イケメン「オレの日常で埋まっていた面白ものがドンドン発掘されてるんだ。笑わずにいられない、くくっ」

男「訳のわからないことを言うなよな」コトリ

イケメン「…確かに、ごめんごめん」

カキカキ

イケメン「もう少し待っててくれ。君にきっと楽しい青春を送らせて見せるから」

男「お、おおっ?」

イケメン「…待っててくれ」

コトリ

男「…わかった。それと何気なく相合い傘書くなよきめぇ!」

イケメン「マジ突っ込みラブリーっと」

男「やめろーっ!」

43: 2014/04/14(月) 22:12:30 ID:SLz6V3To
~~~~

女「……やっと開放された…」ボー

女(こんな店二度と来ないわ絶対に! 周りの友達にも言いふらしてやる…ッ!)

女「あ……そういえば、変Oと目つき悪奴は………」

キョロキョロ


男「フンスー」テカテカ

イケメン「フィギュアとれてよかったな」


女「居た!!」ダダッ

女(やっぱりアイツは変Oだった──昔から顔だけは良くて周りからはチヤホヤされてたけど……)

女(隠された本性をあたしは知っている! とんだ変Oで馬鹿でアホなやつだってことを!!)

女「けど…ッ」

女「ぐっ……!!」


だだだっ

44: 2014/04/14(月) 22:17:53 ID:SLz6V3To
男(まさかここでレア物が手に入るとは…!)

イケメン「そんなに嬉しいの?」


「──そこの二人止まりなさいッ!!!」


男「えっ?」

女「っ……!!」ダッ


だきっ ぎゅうううううう


男「うぇえええっ!!?」

女「ばかっ…何やってんのよ、馬鹿じゃないのアンタはっ! 苦しいなら頼りなさいよ! もっと周りに相談とかしなさいよ!!」ギュウウ

男「!?!!??」

女「そうやって自分を汚しても何の解決にもならないよッ……例え言いづらくても、例えそれが嫌なことであってもよ…!!」

ポロポロ

女「正直に話せば……ちゃんと人は助けてくれるんだから!!」ポロポロ

45: 2014/04/14(月) 22:24:18 ID:SLz6V3To
男「…え、えっ、えっ?」ドキドキドキ

女「ばかっ……ちゃんと自分の幸せを考えなさいよ…っ」ぎゅっ

イケメン「あのー」

女「黙れ早漏野郎ッ!!」キッ

イケメン「え、なに早漏…?」

女「アンタには心底失望したわ腐れ外道っ!! 昔から変Oだって思えば……なんでこんなんなっちゃったのよ!!」

イケメン「……」

女「あたしは…っ……あたしは昔からアンタのこと大っ嫌いだった!! こんな幼馴染が居るなんて最悪だったわよ!!」

女「けどそれでも! アンタはちゃんと真面目に考えてる、そこだけは認めてあげなくもなかったわ!!」

女「でも……さいあくよっ……なによ、なんなのよっ……それじゃあ駄目じゃない……!」

女「今回のことでアンタのこと……心から嫌いになったわ……本当に…本当によ……」

イケメン「……そうか」

女「なにがそうなのかよ……ッ!」

イケメン「なぁ女。聞いてくれ」

イケメン「──お前勘違いしてるぞ」

46: 2014/04/14(月) 22:28:45 ID:SLz6V3To
女「…え?」

イケメン「予想するにオレが金を払って、う、うん、身体を買ってると思ってるだろうけど」

イケメン「ただプリクラ撮ってただけだからな?」

女「え……え……」

男「あわわっわわっ」

イケメン「そろそろ離してやってくれ。気絶しちゃうぞ」

女「……」ドサ

男「あ痛っ!」

イケメン「そういうこと。全然違うから、お前の勘違い、だからさ──」スッ

男「い、今なにが起こったんだ……え?なに?今から言うことを言えって? わかった…」

女「……」

男「このド変O女がッ!」

イケメン「ブフッ」サッ

女「」

47: 2014/04/14(月) 22:36:33 ID:SLz6V3To
男「……。あれ!? 今俺何言った!? ちょ、違うんですごめんなさ…っ!」ハラリ

ハラリ ハラリ パサッ

女「……」スッ

【相合傘プリクラ】

女「っ……っ……」プルプル

イケメン「それ撮ってただけだよーん?」

男「ちょ! 良くわからないけど煽るんじゃないっ!」

女「──こんの…ッッ」ばっ!


女「ド変Oカップルが!! 氏ね!!」ガン!

男「ふぃぎゅあー!?」


ひゅーん ボゴォ!


女「氏ね氏ね氏ね変O変O変O!! ばーかばーか!! 腐れホ〇野郎ども! 氏ね、しねぇ───!!! ば──かっっ!」ダダダダダダダ

48: 2014/04/14(月) 22:41:31 ID:SLz6V3To
イケメン「気をつけて帰れよー」フリフリ

女「ば───かっ!! ホ〇!!」

イケメン「ふぅ~さてさて…」

男「」チーン

イケメン「そんなにショック受けるなって」

男「何が悪いんだ…俺に何の非があったんだ…」シクシク

イケメン「敢えて言うならタイミングかな」

男「意味が分からん…ううっ…フィギュア…俺のフィギュアが…」

イケメン「大丈夫だって。また来ればいいじゃないか」

男「え…っ?」

イケメン「何時だって来れるんだ。今日だけじゃない、いや、明日にまた来よう」

イケメン「──オレと一緒にさ」

男「っ……そ、そんなこと言ってもだまされないぞ!」

イケメン(嬉しそうだなぁ)

49: 2014/04/14(月) 22:47:40 ID:SLz6V3To
イケメン「あ。そうだついでにアイツも連れて行く? 女のやつもさ」

男「お前は恐れというものを知らないのか…」

イケメン「いやいや楽しいことになるって絶対に」

男「……やめてください、お願いします」

イケメン「ん? もしや抱きつかれた時に……惚れたか!? そうなの!?」

男「ち、ちがっ」

イケメン「友人としてアドバイス。本当にアイツはいい子だから、おすすめする」

男「違うって言ってんだろボケ!」

イケメン「うひぃ~~~っっ」

男「うわぁ…」

なんやかんやあって、ひとつの問題が終わったということになる。
なんやかんやあっても、楽しくなかったといえば嘘になる。

嘘と真はまさに表裏一体。

真が増えればまた嘘も増える。
──この日を境に『俺とイケメン君と女さん』の三巴の戦いになったと噂されるのは、そう遅くはなかったのだった。

一話『俺の突っ込み無し』

50: 2014/04/14(月) 22:48:19 ID:SLz6V3To


次からは
一週間に一回投稿出来たら良いなって

ではではノシ

56: 2014/04/21(月) 00:22:11 ID:dfRS4TwM
帰宅路

イケメン「帰りに何処かよっていく?」

男「あ、うん」

イケメン「そういえば駅前に美味しいクレープ屋できたんだって。オレ、甘いのに目がなくてさ」

男「じゃ、じゃあ行ってみるか」

イケメン「君も甘いのいけるの? おおっ、じゃー行ってみようぜ」

男「…うん」チラリ

イケメン「ははっ」

男(コイツはいつも幸せそうだな…なにか悩みとか無いんだろうか…)

男「なぁお前ってさ…」

イケメン「どうした?」

男「その、なんていうか」

男(恥ずかしくて聞きにくい…どうやったらそう楽観的に生きられるのか、なんて…)

57: 2014/04/21(月) 00:23:00 ID:dfRS4TwM
イケメン「おいおい。どうした急に、一段と目が氏んじゃってるぞ」

男「…氏んでるのは元からだし、これ以上酷くなったら困る…」

イケメン「たしかにな」ウムウム

男「その、いきなりこんなコト聞くのもなんだけど……お前って」

イケメン「うん?」

男「えっとあのその~……う、うん……」ポリポリ

イケメン(…? 何でアゴを掻いてるんだ?)

男(どうしよう、もうここまで言いかけたのなら言ったほうがマシだよな)

イケメン(あごを──ハッ!!? まさか髭の剃り残りあったのか!?)ササッ

イケメン(元より生えにくいけれど、剃り残りはどうしようもない…)サワリサワリ

男「ううっ…あ、あのっ…さ、お前って悩みとか……あったりしないの、かなっ……て」ブルブル

58: 2014/04/21(月) 00:23:54 ID:dfRS4TwM
イケメン(それとなく教えてくれてたのか、あれ? 触った感じ感触が……)

イケメン「なにも無いな…」

男「ええっ!? ひ、ひとつ足りとも…っ?」

イケメン「え、うん? 無いけど…」

男(精神力バケモノかよ! す、すげぇ…これが顔も性格もイケメンってやつか…)ドキドキ

イケメン(えらく驚いてた。そんなに長いの生えてたのか…?)サワサワ

男「………」ズーン

イケメン(あれ、何か落ち込んでしまったぞ。…もしかして髭に憧れてる?)

男(一方俺は悩みだらけで首が回らないぐらいだしな。あー人生もっと楽に生きられないかなー)

イケメン「大丈夫、年を取れば案外増えていくもんだって」ニコリ

男「ッ…!? こ、これ以上増えても困る!!」

59: 2014/04/21(月) 00:25:10 ID:dfRS4TwM
イケメン「ええっ? じゃあ結構、朝とか大変な方だったり…?」

男「あ、朝? ああ、うん…まぁ…毎朝ベッドから出たくなくなったりするかな…」

イケメン「出ること拒むぐらいもじゃもじゃになるのかっ!? しかも毎朝っ!?」

男「…うん、もじゃもじゃになる。こう色々といっぱいいっぱいになって…」

男「それでもやっぱり学校には行かなくちゃって、気になる」

イケメン「が、頑張ってるんだな。オレはそういった経験がないからさ、上手くアドバイスできないけど…」

男(みたいだな…悩みが無いっていうぐらいだし…)

イケメン「……。でも、やっぱ男同士そういったこと隠して生きるの無しにしよう」

男「えっ…?」

イケメン「いくら恥ずかしくても、それが自分のコト──なんだって思わなくちゃな」

男「……」

イケメン「だって自分は一人だけなんだ。ちゃんと向き合って生きていかないと、うん」

62: 2014/04/21(月) 17:26:10 ID:KylbAPfA
男「お前…」

イケメン「なっ?」

男(な、なんて良い事を言うんだろう…やっぱ悩みがない奴は凄いこと言うなぁ…)

イケメン(だから毎日顔に生えわたる剛毛を、どうそこまでツルツルに剃れるのか方法を是非に聞きたい)ソワソワ

男「そ、そうだな。確かに一人で抱え込んでも……良いことなんて無いよな」

イケメン「っ! そうそう!」

男「その、あの、さ……俺とお前はと、トモダチュ…トモダチ…なんだし…一つ試しに…」ドキドキ

イケメン「うんうん。試しになんだ? もしかてオススメのシェービング…」

男「お、おおっ……そのす、素直をだなっ!」

イケメン「砂をッ!?」ビク

男「あ。うん…そういったのって難しくてさ、俺にとってはさ」

イケメン「誰だって難しいぞそれっ!? す、砂をなんて…無理無理ッ!!」

男「そ、そお? 結構お前とか……そうっぽく見えるけど…?」

イケメン「どんな風に見てるんだオレのこと!?」

63: 2014/04/21(月) 17:31:15 ID:KylbAPfA
男「お前…」

イケメン「なっ?」

男(な、なんて良い事を言うんだろう…やっぱ悩みがない奴は凄いこと言うなぁ…)

イケメン(だから毎日顔に生えわたる剛毛を、どうそこまでツルツルに剃れるのか方法を是非に聞きたい)ソワソワ

男「そ、そうだな。確かに一人で抱え込んでも……良いことなんて無いよな」

イケメン「っ! そうそう!」

男「その、あの、さ……俺とお前はと、トモダチュ…トモダチ…なんだし…一つ試しに言いたいことがあるんだが…」ドキドキ

イケメン「うんうん。試しになんだ? もしかてオススメのシェービング…」

男「お、おおっ……そのす、素直…とかの…やり方だな…!」

イケメン「砂のやり方ッ!? え、砂っ!?」ビク

男「あ。うん…そういったのって難しくてさ、俺にとってはさ」

イケメン「誰だって難しいぞそれっ!? す、砂をなんて…無理無理ッ!!」

男「そ、そお? 結構お前とか……そうっぽく見えるけど…?」

イケメン「どんな風に見てるんだオレのこと!?」

64: 2014/04/21(月) 18:10:17 ID:/3ok0Aic
男「えっ? …ち、違うの?」

イケメン「違う違う! お、オレは君とその、根本的に違うしさ…!」サスサス

男「あ……うん」ズキン

イケメン「だからやめたほうがいいと思うな…」

男「……そ、そっか。ごめん、変なコト言って」しょんぼり

イケメン(びっくりした~砂を使って髭を剃るとか、オレには高等技術すぎる…)

男(まぁその…分かってた、うん、俺が素直になるなんて…向いてないし、相談したことが間違いだよな…)

イケメン「えっと、君のことを思って言ってるんだよ? そういうのやっぱ良く無いと思うからさ…」

男「……うん、ごめん、ごめんなさい…」ギュッ

イケメン(ううっ、凄くしょんぼりしている…案外オススメの方法だったのかな…?)

男(もう帰りたいな…家に帰って好きな本読んで飯食べて、寝たい)

65: 2014/04/21(月) 18:18:58 ID:/3ok0Aic
【クレープ屋】

イケメン「あ、ほら着いた。ここだよココ」

男「………」

イケメン「えっと、言ってた評判良いクレープ屋なんだけど、その…一緒に食べる?」

男「………」コクリ

イケメン「あ、うん。じゃあ食べよっか…うん…」

男「………」ズーン

イケメン(ど、どうしようっ!? 凄く傷つけてしまったらしい!! 砂でするのはそこまでの性能を秘めているのか!?)

男「あ」

イケメン「ど、どうしたっ?」

男「えっ? あ、いや…なんでもない…」スッ

店員「いらっしゃいませー何をご注文されますか~?」

イケメン「っ! え、えーっとそれじゃあ──」

男(今の今まで気づかなかったけど、アイツ、うなじに白髪が一本…)

66: 2014/04/21(月) 18:31:45 ID:/3ok0Aic
イケメン「──クレープを一つと、あとは~」

男(取ってやろうか。でも、他人に何気なく触れるのは…ちょっと気まずい…)ソワソワ

イケメン「そうだ、君は何を食べるんだい?」くるっ

男(まー……別に良いか、コイツならそう気になったりしない、と思うし)スッ


イケメン「…なんでそこでオレを指差すんだ?」

男「えっ?」びしっ

店員「──……ッ!?」ドキン


イケメン(ハッ!? そういえばまだ剃り残しの件が残ってたじゃあないか! それを指さして…ッ?)サスリサスリ

男(指差し、ああ、取ろうと伸ばした指先がそう見えるのか…)ニギニギ

店員(な、なんなのこの子達ッ!? 男二人でクレープは珍しいと思ったけど、ええっ…た、食べちゃうの? 今晩君はこの子を食べちゃうの…!?)ドキドキ


イケメン「あ、ありがとう。わざわざ言ってくれて、感謝するよ」

店員(感謝しちゃうのね! そこは嬉しがっちゃうのね!?)

男「あ、いやっ……まだ言うのは早いっていうか…」

店員(そ、そうよねっ!!! そういうのは今夜になって、二人で分かち合ってからいうものよねっ!!)

67: 2014/04/21(月) 18:45:21 ID:/3ok0Aic
イケメン「確かにその通りだ。出来れば詳細に言ってくれないかな、頑張って…一人でやるから」

店員(おぅおえっ!? こ、今晩のプレイを妄想しつつ先に独りで…ッ!? なんてもうやらしい子だーぁ!!)

男「でも結構難しい、と思うけど。だって後ろだし」

店員(バック!? そりゃちょっと独りでやり切るのは問題があるわー!)

イケメン「後ろっ!? もうそれは違うものじゃないかな…!?」

店員(そうよそういうのは違うわ目つきが悪い子君! 愛が無い! ラブがないわ! …じゅるる)

男「違う? まぁお前の年齢だと…そうでもないんじゃないか、結構見かけるし」

店員(どういうことぉぉ! バックでぱんぱかしちゃうのは高校生では流行りなの!? きゃーなんつー時代だよまったく!)パン

イケメン「結構見かけるのか…君が言うのなら…君のほうが詳しいしみたいだし、うん、そうなんだろうね…」

店員(お、押し切られちゃうのね!? 今晩はバックでこんばんわってか! なーにいってんだ私! あはは!)

男「お、おう。だからちょっと試しに……後ろ向いてくれないか」

店員「ッ!?」

イケメン「ああ、良いよ。出来れば優しく頼むな…結構痛むから」

店員「ッ……!!?」

68: 2014/04/21(月) 18:52:28 ID:/3ok0Aic
男「うう…っと、届かないから屈んでくれない?」

イケメン「こう?」スッ

店員「────」

男「もうちょっと下。そうそう、右にずらして…」

イケメン「こうかな」ススッ


店員「」サラサラサラ…


男「えいっ」

イケメン「あ、痛ぁ!? ちょ、髪の毛をどうして抜くんだ!?」

男「は、はぁ? だから白髪が──」

イケメン「白髪? …全然違うじゃないか、君が抜いたのは真っ黒だ!」

男「え? あ、本当だ……光の反射でそう見えただけか…あっと、ご、ごめっ」

イケメン「ッ──君はオレにムカついてるはわかってるけれど、そういった返しは酷いと思うぞ!?」

男「えっ? ええっ? い、いや別にムカついてなんか…ただ俺は…」

69: 2014/04/21(月) 19:05:57 ID:/3ok0Aic
イケメン「君が当然と思ってることでも、オレにとっては無茶だってこともあるんだ…っ」

男(何言ってんだコイツ…)

イケメン「そうか、そうなんだなっ…君はどうしてもやってほしいんだな…砂を……!?」

男「っ……そ、その話は………もう終わったろさっき…」プイッ

イケメン「──そんなワケないだろっ!?」グイッ

男「ええっ?」ドキ

イケメン「君があれだけ言いたかったことなんだ! それをオレにやって欲しかったんだろ…!?」

男「やって欲しいって…別に俺はそこまで相談したかったことじゃ…」

イケメン「っ……そうか、君は相談したかったんだな」

男「あっ…ち、ちがっ…」かぁぁぁ

イケメン「それがいつも通りだったとしても、これは間違いじゃないかって気にしてたんだ…それを教えると言いつつ知りたかったのか…っ」

イケメン「──ごめん、友達になろうって言っときながら君の気持ちが理解できてなかったよ…すまない、本当に…」

男「……あぁあううっ…」プシュー

70: 2014/04/21(月) 19:12:46 ID:/3ok0Aic
イケメン「これからもよろしく頼む。こんなオレだけど、君と仲良くしたいんだ」

男「は、はいっ」コクリ

イケメン「おっと。そういえば注文途中だった、すみません長話をしてしまって…」

店員「」ボタボタボタ

イケメン「店員さん!? どうしたんですか!?」

店員「………」グッ

イケメン「え?」


~~~~~


イケメン「なぜタダでクレープをくれたんだろう…」

男「…美味しい」

イケメン「おっ? だろうだろう?」

男「お、おう。クレープで美味しいと思うの…初めてかもしれないな…」

イケメン「なんだかエラく気合を入れて作ってれてたから、一味違うのかもしれない」

男「………」ぱくぱく

71: 2014/04/21(月) 19:17:50 ID:/3ok0Aic
イケメン「美味しいかい?」

男「あ。うん、美味しいっていうか…」

イケメン「うん?」

男「…その、なんていうかさ、こう…あのさ、あれっていうか…」

イケメン「どうしたどうした。オレらは友達だろう、もっとハッキリ言っても平気だって」

男「……えっと、友達と食べるのは……美味しいと、おもう、です…」

イケメン「……」

男「やっぱ無し! 今の忘れろーっ!」ブンブン

イケメン「いやいや。オレも君と食べれて、普段よりも美味しいと思えるよ」パクパク

男「……そ、そうっ?」

イケメン「うんうん」

男「あ──そっか……へへっ」

イケメン「おっ? 今笑った!? すっげー普通に笑ったよね!?」

男「ち、ちがっ笑ってねーよ!!」

72: 2014/04/21(月) 19:23:58 ID:/3ok0Aic
イケメン「くっそーもっと近くで見とけば良かった」

男「か、からかうなよ……って、相談のこと聞きたいんだが…」

イケメン「相談? ゴクン、ああそうだった」

男「こ、答えてくれるのか?」

イケメン「勿論。君とオレは友達だ、だから助言してあげるよ」

男「は、ハッキリと頼むっ。曖昧に言われると……寝る前とかで、もじゃもじゃになるから」

イケメン「それは大変だ。じゃあハッキリと言わないとな」

男「お、おう」ドキドキ

イケメン「君の相談の答えだけど──うん!」


イケメン「やっぱ君には砂を……ってのは無いな!」

男「」



【この誤解が解けるまで一週間程かかりました】

第二話『俺の今晩の突っ込み(仮)』

73: 2014/04/21(月) 19:24:33 ID:/3ok0Aic
また一週間後に
次は三本立てです宜しくお願いします。

ではではノシ

78: 2014/04/28(月) 14:35:02 ID:lIlYGgDw
図書館

男(今日は図書室で読書をして過ごそう…)ガララ

男(最近はよく人から視線をもらって疲れるし…まぁアイツとつるんでたらそうなるわな…)

男(ここは唯一、ゆっくりと落ち着ける場所だ。憩いの場所だといえるだろう)

男「さて…」チラ


眼鏡「…」パラ


男(おっとと、先客さんが居たか。珍しいなこんな放課後に)ガタ

眼鏡「…」チラリ

男「…!」ペ、ペコリ

眼鏡「…」コクリ

男(目があってしまった…ていうか、足なっがー足長おじさんかよ)

79: 2014/04/28(月) 14:35:35 ID:lIlYGgDw
眼鏡「…」パラリ

男(普通に読書に戻ってしまったし、俺も静かに本を読もう…家から持ってきたこの──)


【君に恋して三千里走ったけど本当の大事な人は海から覗いてた!?〈Ⅲ〉】


男(という究極にまどろっこしいタイトルのラノベだ。実は大好きなんだコレ…)ワクワク

男(陸上部でエースだった主人公は、大会のゴール直前でアワビの殻を踏んで大怪我をしてしまう)

男(その怪我で選手生命を頓挫。部員や両親からも見放され、生きる希望すら無くしかけた時──)

男(──海で不正にアワビを踊り食いしている思い出の少女と再開する)

男(そして、淡い初恋と過去に持ちえていた熱き情熱を胸に、あまんちゅへと捧げる─ハートフルラブコメグルメスポーツ小説…)

男(最高だ。何もかも新天地すぎてうまく言葉すら浮かばない。ただただ、最高だ)ブルブル…

80: 2014/04/28(月) 15:35:52 ID:lIlYGgDw
男(今作で三巻目を迎えるのだけれど、タイトルにもある【君】という女の子がやっと活躍するシーンがあるんだ…!)

男(お馴染みのツンデレ具合。素直になれない不器用さ。主人公のことを陰ながら見守り続け…)

男(己と主人公との逆境と漁業法の罪に苛まれながらも、彼女は胸に秘めた強き想いを…やっと彼に…!)

男「ムッフー…読ませてもらおう…」パラリ



眼鏡「…」じぃー



男「…、………、……?」チラ

眼鏡「…」フィ

男(今…あれ…ん…?)

眼鏡「…」パラリ

男(き、気のせいか? 多分気のせいだろう…うん…そうだよな…)パラリ

81: 2014/04/28(月) 15:37:13 ID:lIlYGgDw
眼鏡「…」チラッチラッ

男「…………」

眼鏡「…」じぃー

男「…………………………」



眼鏡「…」じぃ─────



男「…っ?」チラリ

眼鏡「…」フィ

男(見てたよな絶対に! 凝視レベルで観察されてた!)

男(な、なんだ俺に何か用でもあるのか……じゃあ何で目を逸らすんだろうか……っ?)ズーン

82: 2014/04/28(月) 15:39:54 ID:lIlYGgDw
眼鏡「…」パラリ

男(ちょっとこのまま見続けてみよう、かな)じぃー

眼鏡「…」

男「…」じぃー

眼鏡「…」パラリ

男「…っ…」じぃぃー

眼鏡「…」チラリ


男「っ!」ビクゥ

眼鏡「…」ビクッ


男「っ…っ…っ?」ドキドキドキ

眼鏡「…」カ、カチャ フィ

男(いや無理がある! 何事もなかったように眼鏡の位置なおして逸らしたけど無理がある!)ドッドッドッ

83: 2014/04/28(月) 15:42:51 ID:lIlYGgDw
男(やっぱり俺を観察していたんだ。なんだよ、これで二人目だよ…どういうことだよ…)


「──げっ! なんでアンタがここに居るのよ!?」


男「えっ?」

女「最悪…静かに勉強できるのココぐらいなのにっ」

男(……うっわーココに来て一番会いたくない人来た~…)

女「な、なによその顔はっ! なんか文句あるわけ!? あるならはっきり言いなさいよ!」

男「……ぅ…」ガタ

女「ふんっ。言っとくけど、この前のことは謝らないからっ。アンタ達が男同士で卑猥なことするから悪いのよ!?」

男「………」イソイソ

女「そ、そりゃまぁフイギュアを蹴ったのは悪いと思うけど──えっ? ちょ、ちょっと何処行くのよ…?」

男「…帰るんだけど…」

女「は、はぁ? なんでよ急にどうして帰っちゃうわけ? 良いじゃない別にここに居たって…」

84: 2014/04/28(月) 15:46:19 ID:lIlYGgDw
男(苦手過ぎるんだよこういうタイプの人…というか女子って時点で苦手なので…)スィー

女「あ…」

男(本は帰ってから読もう。そうしよう、そうしよう)

女「ッ~~~~! ま、待ちなさいってば!!」ぐいっ

男「うわぁっ!?」

女「そんな嫌そうな顔しなくたっていいじゃない…! そ、その…えっと…だからあれよあれ!!」

男(なんですか…っ!?)ドッドッドッ

女「…………えっと」シュン

男「…?」

女「とりあえずべ、勉強をあたしに教えなさいよ! 何も聞かず教えなさいッ!」

男「……は、はい?」

女「いいから、つべこべ言わず、教えなさいっ! ───わかった?」

85: 2014/04/28(月) 15:48:20 ID:lIlYGgDw
数分後

男「そこは一旦置いといて、次の式に振り当てて…」

女「うん」サラサラ

男「…違う違う。そうじゃなくて、求めた答えは置いておく感じで…」

女「う、うん」サラサラ

男「あれ? 答え最初から間違ってない?」

女「……」ブルブルブル

男(あ。怒りそう)

女「っはぁ~……そう、ね…間違ってるわ多分…わからないけど…っ」

男(数学苦手なのかこの人…つか教えるのが怖すぎる…爆弾処理してる気分だ…)

女「あー駄目駄目。今日は乗り気じゃないわ、うん、気分が空振ってる感じよね」ポイ

男(気分てなんだろう)

女「…気になったんだけど、あんた今日は一人なワケ?」

86: 2014/04/28(月) 15:51:27 ID:lIlYGgDw
男「え、あ、うん」

女「へぇ~いつも一緒だってワケじゃあないのね」

男「…まぁ」

女「………」

男「………」

女「…あの、さ」

男「な、なにっ?」

女「いったいアンタってば。どんな魔法使ったのよ」

男「魔法…?」

女「……。アイツをあんな楽しそうにさせるなんて、魔法以外に何があるっていうのよ」

男「意味がわからないんだけど…」

女「そ。わからないなら良いわ、べっつにあたしが気にすることじゃないし。どーでもいいしあんな変Oなんて」

87: 2014/04/28(月) 15:55:37 ID:lIlYGgDw
男(変O、ってことはアイツの事なんだろうけど。何が言いたいんだこの人)

女「ただ出来ればその、なんていうのかしらね、ああいったアイツも良いなって思うし」

男「は、はあ」

女「楽しくないよりは楽しそうな変Oを見てたほうが安心できるから、アンタにはこれからも──」チラリ

男「っ……」ドキン

女「──待ちなさい、それって【恋覗】じゃない?」

男「へ? こ、こいのぞ?」

女「あたし見たことあるわよ、そのアニメ。深夜に何気なくテレビ見てたらやってたわ、原作なのそれ?」

男「ああ、うん、そうだけども」

女「へぇーちょっと見せなさいよ。ふーん、へぇ~ほぉ~このへんはまだアニメ化されてないわね」パラパラ

男「…そういうの抵抗、とかないの?」

女「抵抗? なにそれ、絵柄とかのこと? …フツーに可愛いじゃない」

88: 2014/04/28(月) 15:59:03 ID:lIlYGgDw
男(…少しだけ自分の中の好感度上がった)

女「あたしの姉がこういう系好きで、良く買ってるのよ。読ませてもらってもいるし、アニメも見たりしてるわよ」パラパラ

男「え、結構詳しかったり…?」

女「別にそこまで趣味じゃないし、けど、まぁー面白いか面白く無いかぐらいは言えるわね」

男「ほ、ほう。ちなみにその…こいのぞは…?」


女「うん。笑えるぐらいに面白く無いわよね~あっははー」


男(好感度急降下)

女「絵柄は可愛くて好きだけど、内容が駄目。盛り込み過ぎて起承転結どころか転転転転、まさにてんで駄目ってやつねぇ~」

男(そこが面白いというのに…)

女「しかもこのメインヒロイン! なにアワビ食ってんのよばっかじゃない? 腹壊して氏んじゃうわよコレ~! あははは!」

89: 2014/04/28(月) 16:16:22 ID:lIlYGgDw
男(そういった好奇心の塊であるからこそ、他を惹きつける魅力に長けているんだ…!!)ブルブル

女「くっくっ…確かにギャグとしてはセンスあるかもね、あたしは好きじゃないけど」

男「っ……その辺にしておいてく、」



ぞわぁあああぁぁあ



男「!?」ビクゥ

男(きゅ、急激に立ち込めた負のオーラは何だ…っ!? 恐ろしく寒気がする…!!)



眼鏡「───」ぞぞぞぞぞっ



男「……っ!? め、……眼鏡の……人……ッ!?」

90: 2014/04/28(月) 16:16:52 ID:lIlYGgDw
眼鏡「…」ぞぞぞ!

男(今まで静かに読書をしていたのに何故…!? そんな強烈な雰囲気を醸しだして…っ)

女「それにさぁ~グルメとか銘打ってる癖に、なんら味に関しての描写がなってないの。くっく」



眼鏡「…」ゴォォオオオ!



男「…!」

女「多分この作者、陸上おろか運動もやったことないと見た。心理描写が甘すぎ甘すぎ」



眼鏡「…」ギュインギュインギュインギュイン!!



男「…!?」

女「しかも恋愛も未経験じゃないのこれ?」

91: 2014/04/28(月) 16:21:53 ID:lIlYGgDw
眼鏡「………」ドドドドドドドドドド

男「…や、やめとくんだ、そろそろ…」ダラダラダラ

女「はぁ? 急に何よあんた──あ、ごめ……そういえばあんたの本だったわね」

男「う、うん。俺は別にどうだっていいんだ、違う、心配するところはそこじゃない…!」

女「そ、そお? あんたが好きで買って読んでるわけじゃない、それをあたし…」

男「い、良いんだ! 俺のことは!」

女「えーっと、じゃああんたも同意見ってコト?」




眼鏡「…」ボッッッ! ドゴゴゴゴゴッゴゴゴッゴオッゴゴ!




男「違う!! 俺は違う!!」ガタタ

女「な、なによっ?」

男「はっ…はっ…はぁっ……お、俺は大ファンなんだ……この作品の…!!」

92: 2014/04/28(月) 16:22:46 ID:lIlYGgDw
女「そおなの?」

男「あっ、ああ……だからそういった人もいるわけでっ……一々気にしてちゃ駄目だと、俺は思うんです…!!」ドッドッ


眼鏡「……」しゅるるるるるるる ぽんっ!


男「───ッ……! ……っ…はぁ~…」ストン

女「なんで最後敬語だったの?」

男「…気にする、な」ダラダラ

男(分かった。分かってしまった、あの人多分、この作品の大ファンか、それ以上の人だ)チラリ

眼鏡「…」パラリ

男(予想では作者様じゃあ無いだろうか。本当に予想だけれども、間違ってるかもだけど)

男(だからさっきから読んでいる俺を気にしてたんだ…なるほどな…そりゃ気になるわな…)

女「じゃあさ、そんな大ファンなら好きな所教えなさいよ?」

男「……!」

眼鏡「……」ぴくっ

93: 2014/04/28(月) 16:24:07 ID:lIlYGgDw
男「えっ? ちょ、何言って…」

女「なによー答えられないってワケ? 大ファンなのに? 実は面白く無いのに惰性で買ってるとか?」


──ヂリッッ…


男「違うっ!! ちゃーんと答えられるぞー!? あったりまえだろ!?」

女「じゃあ教えなさいよ。どんな所が好き?」

男「──ゴクリ……」

男(どんな所が好き!? 言えばなんだって言える! けれどこれを作者様かも知れない人が聞いてるんだぞ…!?)チ、チラ


眼鏡「…」わくわく


男(わくわくしてらっしゃる! 肩がウキウキしてるんだぞ! こ、ここで失礼なことを言ってみろ…今後楽しく読めなくなるだろ!!)

男(どうすればいい!? 何を言えばいい!? 俺はこの作品で何を愛し感動し感銘を受けたか───)

94: 2014/04/28(月) 16:34:04 ID:lIlYGgDw
男「俺は…っ」


『素直が一番だぜ?』


男「っ──………頑固で融通が聞かなくて、けれど結構他人のことを良く見てて」

女「うんうん」

男「勉強は苦手だけど、唯一取り柄の運動だけは頑張ろうという強い意志を持っていて…」

女「ほうほう」

男「昔っからの幼馴染のことを大切に思ってるけれど、そんな素直な言葉は恥ずかしくて出せれない…」

女「…うん?」

男「けれどずっと心配はしていた…人知れず抱えてしまった悩みを、解決できるチカラを持っていないことに悔やんでる…!!」

女「えっ」ドキッ

男「そんな幼馴染を他の誰かに───救われていたことが気に喰わないけれど、けれどやっぱりそれでも素直になれない!!」

女「……」

男「そんな!! そんな…!! その娘が、大好きなんです……っ!!」

95: 2014/04/28(月) 16:34:51 ID:lIlYGgDw
男「──こいのぞの幼馴染キャラのツンデレが!!」

男(言った──言ってやった──俺の素直な感想を…!)

男「ど、どうだっ? これが俺の…!」

女「あ、その……えっと…」もじもじ

男「…?」

女「あ、あたしは別に、どんな所が好きって、あたしのことを聞いたんじゃないんだけど…っ」カァァァ

男「………」

女「ばっ何よ急に恥ずかしいこと言って! アンタなんか全然タイプじゃないし…っ…目つき悪いし…でも、あの…」てれてれ

男(いったい、彼女は、何を言っている?)

女「あ、アンタって変Oと付き合ってたんじゃ───」



眼鏡「……」ガタタタ!!



男&女「!?」

96: 2014/04/28(月) 16:36:32 ID:lIlYGgDw
眼鏡「……」ズンズンズン

男「えっ? な、なになにっ? なんですかっ!?」ダクダクダク

眼鏡「───」スッ

だきっ ぎゅううううううううう

男「うぇぇぇぇええええええ!?」

眼鏡「……」ギュウウウ

男「な、なにっえっ!? なにっ!?」

眼鏡「……──」ボソッ



───アリガトウ…


男「……は、はいっ!! 俺も嬉しいです!!!」

眼鏡「…」コクコク

女「」

【この後ド変Oホ〇ビXチと叫ばれました】

第三話『俺の素直な突っ込み』

97: 2014/04/28(月) 16:46:04 ID:lIlYGgDw
教室

イケメン「……」

イケ友「どぉ? 見てよこの上腕二頭筋! キレてないッ? 超絶きれてないッ!?」

イケメン「ああ来てるよコレ。果てしなく来てるねコレ」

イケ友「だろ? ここまで来ると俺も良く分かんなくなっちゃってるからマジやべーよコレ」

イケメン「ふむ。じゃあ続けてるんだ」

イケ友「……ああ、続けてるぜ?」キラリン

イケメン「こうやって効果を目に見えて確認できると、オレもアドバイスしてよかったと思うな」

イケ友「あんがとなー! メキメキ育ててやるぜー? ちょーやるぜー?」



男(コイツかよ亀のウOコ食ったやつ…)チラリ

98: 2014/04/28(月) 16:46:38 ID:lIlYGgDw
イケ友「そういや亀ちゃんの方も元気でなぁ。写メ見る写メ見る?」

イケメン「おお。可愛いな」

男(…どうしよう案外笑えない。気になってたけど実際分かると引いちゃうわコレ…)

イケメン「さて、今日はもう帰るから。お前は部活だろ?」

イケ友「そなのよぅ。バスケの先輩が今日は来いってうるくてさぁ、んじゃまたな~!」ブンブンブン

イケメン「またな」

男「……」チラリ

イケメン「ん。さあ帰ろう、今日は何処へ行こうか?」

男「な、なぁ…もしかしてアイツが前に言ってた亀のうOこの…」

イケメン「──あれは悲しい事件だった。忘れたほうがいい、オレも無かったことにしたいんだ」

男(じゃあ今からでも止めてあげろよ…)

100: 2014/04/28(月) 16:54:07 ID:lIlYGgDw
イケメン「そんなことより、誤解が解けて久しぶりの一緒に下校だ。とことん楽しもう」

男「…ああ、うん」ガタ

イケメン「近所のディスカウントショップ行ってみるかい?」

男「…!」ぴくっ

イケメン「ははっ。君ってああいった店好きだろう? 実はオレもなんだ、買わなくても見まわってるだけで楽しいし」

男「い、行きたい!」

イケメン「うん。じゃあ早速行こうか──」


イケ友「イケメン~やっぱ今日は一緒に帰ろうぜ~」ガラリ


男「…あ」

イケ友「なんか部活休みだったわ~最近行って無くて知らなかったんよ~ナハハ」

101: 2014/04/28(月) 16:55:24 ID:lIlYGgDw
イケメン「おお。そうか」

男「……」

イケ友「おっけ~じゃあ準備してくるぞっ」ダダダ

イケメン「了解。玄関で待ってるぞ」

イケ友「ういっす~」

男「…じゃ、じゃあ俺は先に帰るな」

イケメン「うん? 待つんだ、君も一緒に帰るんだよ?」

男「いやいやいや…! 俺アイツのこと全然知らないしっ! …だから、その」

イケメン「オレは君と帰るんだよ。アイツはおまけだろ」

男「おまけって…」

イケメン「大丈夫、平気だよ。心配しなくてもオレが付いてる。寂しい思いはさせないさ」

102: 2014/04/28(月) 16:55:57 ID:lIlYGgDw
男「あ。うん…」


~~~~~


俺は過去に経験したことがある。
あれは小学生の頃。当時はまだ友人と呼べる人も居たのだった。

幼きゆえの無邪気さで、相手もまた大人しい俺を仲間に引き入れてくれて。

俺の友達の友達。そんな知らない人たちと遊べる時間が──とても楽しかった事を覚えてる。

男「…」

それと同時に、凄く悲しかった事を覚えてる。
俺を友達と読んでくれた当時の友人。彼が俺以外の友人と居るときは、

本当に、本当に、楽しそうだった。

わかっている。知っていたんだ、自分が相手を楽しませることが出来ないことは。
不器用で盛り上がる話題も振れないし、共通の趣味も持ち合わせてなかった。

103: 2014/04/28(月) 16:57:06 ID:lIlYGgDw
ただ彼の優しさで付き合ってくれていただけなんだ。
なんら自分の魅力ではない。だから、彼が心から笑うあの表情を見るのが──辛かった。

自分の知らない彼の顔を見るのが、俺は嫌だった。
俺も彼を楽しませたい、けれどやり方がわからない。

なのに、周りは当然のように──彼を笑わせる。

自分の情けなさに、無価値さに、当時の俺は恐ろしく諦めてしまったのだろう。

──何も出来無い、ただのでくのぼうだと。

男(今だって忘れられない…)

あの頃から何も変わってない。自分は一人ぼっちなのだ。

楽しい思い出なんて、結局、俺なんかが作れるわけがないと。

~~~~

男「…………」

104: 2014/04/28(月) 16:59:12 ID:lIlYGgDw
だから、今もまたそうやって彼の知らない顔を──


イケメン「どう思う? あれはオレの間違いじゃなかった筈なんだ」

男「……」

イケメン「あそこでバヒューンと蹴ったボールは確かに入らなかったけれど」

男「……」

イケメン「あのシュートは正解だった。なのに何故怒られるのだろうか、オレはそれが気に食わないんだよ」

男「……」

イケメン「だからオレは審議を申し立てるんだ。今度の体育でまたああいったチャンスがあるなら…」

男「…あ、あのさ」

イケメン「なに? どうした?」

男「その……俺にだけ話しかけ過ぎじゃない…?」

──だと思ったんだけど。コイツは例外らしい。

105: 2014/04/28(月) 16:59:46 ID:lIlYGgDw
イケ友「……」ぽけー

男「ほ、ほら! あの人もさっきからぼけっとしちゃってるし、話についていけてないし!」

イケメン「ついていけないのは、アイツが体育サボるから悪いんだろう。オレは関係ない」

男「そりゃそうかもしれないけれど…っ…もっと共通の話題とか、友達なら、知ってるだろ色々と…?」

イケメン「…?」

男「お、俺はっ……別に良いんだって、お前らが会話してるのを傍から聞いてるだけで…その、楽しいからさ…」

イケメン「……」

男「そいつは昔からの友人なんだろっ? 俺は知らないけれど、えっと、だから…やめとけって、そういうの」

イケメン「…君は」

男「な、なんだよ」

イケメン「優しいんだな。知らない相手まで気を使うなんて」ニコ

106: 2014/04/28(月) 17:04:55 ID:lIlYGgDw
男(その知らない奴を引き入れたのは何処のどいつだよ! …ま、まぁ俺には関係ないけど…怒ることでもないし…)

イケメン「オレは君と会話したいんだ」

男「えぅっ…なんだよそれ…っ」

イケメン「今日はそもそも君と帰る予定だったろ? アイツはオマケだとさっき言ったじゃないか」

男「で、でもっ」

イケメン「だってもでもじゃない。それに、君が気にするほどイケ友はやわじゃないぞ」

男「…そ、そうなの?」

イケ友「はっ!? またぼんやりしちまったー…ジュルル、なに話してたん? んっ!?」

イケメン「な? だって──亀のウOコ食うやつだぞ…」ボソボソ

男「ブフッ」

イケ友「ちょ、なに人の顔見て笑ったん!? なになになに!?」

イケメン「何でもないさ。そういえば彼のことを紹介してなかったね、彼は男君だよ」

イケ友「おー最近イケメンと仲いいやつだよなっ! よろしくっ!」

107: 2014/04/28(月) 17:13:20 ID:lIlYGgDw
男「よ、よろひゅくっ!」

イケ友「よろちくび!」

男「…古ッ!?」

イケ友「えっ? なははーちょいとネタ古かった? わかりにくい感じだったかー」

男(しまった、何気なく突っ込んでしまったっ)ドキドキ

イケメン「オレが思うに君とイケ友は相性がいいと思うぞ。案外、すぐに仲良くなれると思う」

イケ友「マジでー? でもでもコイツのこと全然知らないぜ?」

男(初対面でコイツとか…いや、初対面じゃないけど…)

イケメン「おいおい。初めて会話するのにコイツ呼ばわりするなよ、失礼だろ」

男「…!」ぴくっ

イケ友「おわぁっ!? し、しまった! ごめんよ男ぉ~おれってばすぐに、こうなんつーの……やっちゃうからさ~」

男「い、いや! 気にしてないんで…大丈夫だし…」

イケ友「やっさしぃ~! ありがとうマジ感謝すっべ! いい友だちできたなぁ~イケメン~」

108: 2014/04/28(月) 17:19:08 ID:lIlYGgDw
イケメン「だろう」ドヤッ

男(…照れる)

イケ友「そういえば一つ気になったことがあるんだけどさ、男」

男「な、なにっ?」

イケ友「もしかして……と、飛び級なの?」

男「は?」

イケ友「背小さいし、なんか幼いし、前髪長いし、なんかこう──天才中学生みたいなっ!?」

男「ち、違うけど…同じ高校生だけど…?」

イケ友「うっそマジで!? まぁ目つきが人の血を飢えてる気がするしな…もしかして頃し屋?」

男「違うわ!」

イケ友「わっ」

男「……っ……あ、ごめっ、急に怒鳴って」

イケ友「だよなぁ~めんごめんご~なわけないよなぁ? じゃあ飛び級は当たってたかぁ」

109: 2014/04/28(月) 17:23:58 ID:lIlYGgDw
男「それも違う!」

イケ友「えっ? じゃあ高校生、なの?」

男「高校生、立派な高校生だって! アンタと同じタメ……はっ!?」ビクゥ

イケ友「マジかよおれやっぱ馬鹿だなぁ! なはははは! ばっかでぇおれぇ~」ゲラゲラ

男(危険だ…何故か素でツッコミを入れてしまう…! 段々とアイツのせいでおかしくなってきてる…!)チラリ


イケメン「……………」


男「……?」

イケ友「タメなら趣味もあいそうだなぁ! ちょい男、好きな楽曲はなんだべ?」

男「え、あんまり聞かないけど…」

イケ友「実はおれもなんだよぉ~! やべぇやべぇ! 趣味合いすぎぃ~!」

男「じゃあ聞くなよ…!」

イケ友「だよなぁ聞くなって話だよなぁ! なははははは! ひぃーお腹痛いっ」

110: 2014/04/28(月) 17:31:35 ID:lIlYGgDw
男(何か良くわからない人だ…けど、不思議と嫌な気分じゃない、気がする)

イケ友「面白いわぁ男。是非におれとも友だちになってちょんまげ!」

男「! …あ、えっと、その親父レベルのギャグをやめたら、いいけど」

イケ友「うわっ辛辣なコメント! 傷つくわ~めっちゃ傷付くわ~」

男「あ…ご、ごめん…」

イケ友「でっも、グッドよそれ。ナイスな突っ込み、でもおれの性分なんで無理なんよ」

男「そ、そうなの?」

イケメン「あのさ、そろそろ店に着くんだが…」

男「お、おう? わかっ──」

イケ友「──なぁなぁ好きな漫画何読むんだ? ワンピース? ナルト?」

男「えっ? いやー漫画は読むけどそこら辺は…詳しくない、かも」

イケ友「んじゃ今度かすべ! めっちゃ泣けるから! ごうきゅうもんだから!」

111: 2014/04/28(月) 17:36:31 ID:lIlYGgDw
男「い、良いの? ありがとう…」

イケ友「良いの良いの。あ、でも、兄貴達に読まれてボロボロだけどオッケ?」

男「全然平気…うん」

イケ友「おー!! 心広いぜー! イケメンなんてボロな奴は嫌だ! なんて言うんだぜ~」

男「へぇ~」

イケメン「偶にお菓子の食べかす入ってるだろ。そういうの君は許せる?」

男「…うーん、俺は平気かな。ものは大切にして欲しいけど」

イケ友「だっよなぁ~! 平気平気! 読めなくなるわけじゃねぇっつの! なぁ?」

男「お、おう」

イケメン「…………………さ、行こうか」

男(なんか、良いなこう言うの。むふふっ)


店内


イケメン「お。これなんて君に合いそうだな」

112: 2014/04/28(月) 17:43:15 ID:lIlYGgDw
男「どれどれ。なんでハリセンだよ馬鹿」

イケメン「実にいい組み合わせだろう? これでオレの頭を…くっふふ」

男(変O…)

イケメン「それに、こう言ったので今度──」

イケ友「ほらみてみぃー男! ほらほらこのマスク! めっちゃ似合ってない!?」ダダダダ

男「ぶっほっ! なに、それ…!?」

イケ友「ハルクだよハルク! ウォォォォオオ! 食べるぞー!!」

男「ハルクは人は食べないだろ…」

イケ友「え、そうなの? マジかー」スポッ

男「ぶふぅ! なんでまた下に仕込んでるんだっ」

イケ友「え? なにかまたおれ被ってる…!?」

男「あ。ごめん、普通の顔だった…」

イケ友「ちょー!? そりゃ失礼だっつーの! 激おこぷんぷん丸だぜぇ!?」

113: 2014/04/28(月) 17:48:34 ID:lIlYGgDw
男「ははっ、ごめんごめん」

イケメン「……!」

イケ友「おー? 男ちゃん、笑った顔素敵じゃーん。いつもしかめっ面で怒ってると思ってたわー」

男「怒ってないけど…それに、お、男ちゃん?」

イケ友「気に入った奴をおれはちゃんづけするのだ。なはは、どうだい嬉しい?」

男「気持ち悪いかも…」

イケ友「えー!?」

男(──なんだろう、何故か普通に会話出来ている気がする。本当に、本当に普通に会話をしてる気分だ)

男(いつもだったら上手く言葉が出なくて、苦しくて、大変で、そのままきゅっと閉じこもるのに)

男(…これも、コイツのお陰かな。コイツと知り合って、と、友だちになって、だから──)チラリ


イケメン「……………」ぐぬぬ


男「…?」

114: 2014/04/28(月) 17:53:12 ID:lIlYGgDw
男(やっぱり変だ。コイツさっきから顔が強張ってる気が、する?)

イケメン「………」プルプル

男「ど、どうした? お腹でも痛い…とか?」

イケメン「おれよりも…」ボソボソ

男「えっ?」

イケメン「ふぅ。いや、なんでもないさ」

男「そ、そっか」

イケメン「ちょっとトイレに行ってくる。ここで待っててくれ」くるっ

男「あ…」

男「……どうしたんだろう、アイツ」

イケ友「いやー楽しいわぁ! こんな楽しいのってどれぐらい久しぶりだろうなぁ」

男「え?」

115: 2014/04/28(月) 17:59:41 ID:lIlYGgDw
イケ友「最近はおれも私生活が忙しくて。あーバイトしてんのよおれっち」

男「へー…」

イケ友「それも含めて、イケメンの様子も気がかりだったし。ここんところ元気なかったしなー」

男(あれ、確かあの人も…女さんも言ってた気がする)

イケ友「けど、なはは。こうやって出掛けて寄り道して、ワイワイとふざけあって笑いあうっつーの?」

イケ友「──良いよなやっぱ。楽しいよな!」

男「………」


ああ、そうだ、これは楽しいことなんだ。
ふざけあって笑い合って会話して。仲良く買い物に出かけること、それは、楽しいことなんだ。


男「…なのに」


アイツは何故か苦しそうだった。
いつもらしさが無くて、それはまるで──自分の知らないアイツの一面を見ているようで。

116: 2014/04/28(月) 18:05:19 ID:lIlYGgDw
男(多分周りが心配してることって、突っ込み成分が足りなくて元気なかったことだと思うけども)


今は違うはずだろう、なんて。
今は俺が居るじゃないか、なんて。

俺ばっかり楽しい気分になってちゃ、駄目なんじゃないかって。


──俺はアイツを喜ばせることが、出来るんだから。


男(だって俺はアイツの……と、友達なんだから…!)

イケ友「どったの? 男ちゃん?」

男「…ごめん、俺アイツの事追いかけなくちゃ」

イケ友「えっ?」

男「帰ってもいいから、もしかしたら、逸れるかもしれないし……だから、その、じゃあ!」ダダダ

イケ友「おー? バイバイ! 今度漫画持ってくるからよー!!」

男「あっありがとう! それじゃあ!」

117: 2014/04/28(月) 18:11:54 ID:dkCEUFNQ
~~~~

イケメン「ふぅ」キィ

イケメン「…らしくないこと考えてしまったな。気をつけよう」


「──おい…! 見つけた!」


イケメン「うん? ああ、男君。わざわざ迎えに来てくれたのか」

男「はぁはぁ…ち、違う、そうじゃなくて…」

イケメン「そうなのか? あれ、イケ友の奴は?」

男「そ、それは今は置いといて…はーぁ、ふぅ。俺の話を聞いてくれ…!」

イケメン「あ。うん、どうした?」

男「……っ…」

コイツは昔の俺と同じなんだ。
自分の知らない友人の顔を見たくない。それはコイツであっても、同じこと。

イケ友とコイツは仲が良かった。
なのに、俺ばっかりイケ友と話してしまって、だから。

118: 2014/04/28(月) 18:26:33 ID:dkCEUFNQ
『──最近は私生活が忙しくってよ』


忙しくて笑えてなかった彼の笑顔を、見てしまったから、
なのにぽっと出の俺が彼を笑わせてしまったから。


男「ごめん。何もお前のこと考えてられてなかった」

イケメン「え…」

男「お前だって思うところはある、はずなんだよな。そんなの俺が一番解ってることなのに…」


気にすることなんてない。
コイツは俺よりも人間関係が豊富で、自分よりも強いメンタルを持ってるはずだ。

けど、俺は謝りたいんだ。だって、俺はお前の──


男「…と、友達だからちゃんと言っておきたいんだ」

イケメン「……」

男「だ、大丈夫! あの人は…お前の友達は、ちゃんとお前の友人だよ。お前のことを気にかけてて、大切に思ってた…」

119: 2014/04/28(月) 18:32:16 ID:dkCEUFNQ
お前が元気がなくて、彼を笑わせてやれなかったとしても、
今は俺がいる。だからお前は元気じゃないか、だから何時だって──

男「…そう、悲しむなよ。お願いだからさ」

イケメン「男君…」

男「なっ?」

イケメン「…そうか、気づかれてしまったんだ。ははっ、情けないな本当に」

男「……」

イケメン「じゃあ君は察しててくれたんだ。オレの気持ちを」


ああ、お前はとんでもなく変Oだけど。
友達を、あのイケ友を大切に思ってるぐらいは分かってたさ。

やさしいやつだって事はわかってる。


イケメン「そっか。じゃあ君にお願いしても良いんだね」スッ

男「うん?」

イケメン「──このハリセンで思いっきりオレを叩いてくれることを、望んでもいいんだね」

120: 2014/04/28(月) 18:36:57 ID:dkCEUFNQ
男「…………」

イケメン「ああぁぁぁあああ…ぞくぞくするよぉ……いや、本当に悔しかったんだ。実にね」

イケメン「アイツはオレよりも君の突っ込みを引き出せている。くっそ、なんだよアイツはぁ…!」ギリリ

イケメン「紹介しておいて何だけど、今は凄く後悔しているんだ。君の突っ込みはオレだけのものなのに…っ!!」

男「えっと……」

イケメン「さぁ早くオレをこれで叩いてくれ! かまわないさ、人目があろうとオレは今は望んでいる!」

イケメン「そして誓おう! これからはアイツよりも数倍良くボケてみせると! さぁ男君! さぁ!」

男「……」スタスタ

イケメン「えっ……ど、何処行くんだいっ?」

男「……」チラッ

イケメン「うんっ? はぁはぁ…」

男「……変Oッ!!」

イケメン「ふぉぉぉぉぉおおお!!」

121: 2014/04/28(月) 18:41:27 ID:dkCEUFNQ
男「俺が馬鹿だった! お前がこんなことで悩んでたなんてッ…てっきり俺はイケ友のことを思ってたとばっかり…!」

イケメン「え? まぁ嫉妬してたけど…」

男「突っ込みにだろ!」

イケメン「うぅんうん…むひっ…いいよぉ…その突っ込みぃ…」ニヨニヨ

男「きめぇ!」

イケメン「ははっ。今に始まったことじゃあないだろ?」キラ

男「ううっ…俺の心配を返してくれ…っ」

男「ん?」チラリ



イケ友「はわわっ…イケメンが男ちゃんに調教されてる…!!」ガクガクガク



男「えっ!? ちょ、まっ!」

イケ友「ご、ごめんそんな関係だったんだな…う、うん…お、お幸せに!」ダダダダ

122: 2014/04/28(月) 18:43:16 ID:dkCEUFNQ
イケメン「ふぅ。オレと君の関係におそれをなしたか……所詮アイツはその程度だ」

男(友達……やっとまともな友達が……)


【次の日はちゃんと漫画本を貸してもらえました。けれど新品でした】


第四話『俺のツッコミ依存症』

124: 2014/04/28(月) 22:05:03 ID:dkCEUFNQ
教室 放課後

男(最近よく周りから視線を感じる)

男「……」チラリ


「キャーあの男子がそうなの?」

「マジで~なにそれ~」


男「うっ……」ササッ

男(はぁ~なんでだろう、やっぱりアイツとつるんでると目立っちゃうのか)

男(まぁ仕方ないこと、だよな。俺みたいな根暗な奴が…こう…調子に乗ってるとか思われるだろうし)

男(分かってたことなんだよ。そうそう、分かってたことなんだって)ギュッ

男(……ただ友達になっただけなんだけどな。違うんだけどな)

「こらホ〇野郎」

男「……うぇ?」

125: 2014/04/28(月) 22:11:01 ID:dkCEUFNQ
女「アンタに頼みたいことがあるんだけど……なによ、その顔は?」

男「え、あ、あれ? …俺に言ってる?」

女「ハァ~? アンタ以外に誰が居るのよ」

男(ホ〇野郎って。まぁ図書室での件を見ればそう思われるかもだけど…)

男「へ、変なことを言うなよ…俺はホ〇じゃないっ」

女「いやホ〇でしょ」

男(ぐぬぬ)

女「それで、今日の放課後空いてる? またちょっと勉強教えて欲しいんだけど」

男「えっ? なんで俺が…一人でやればいいじゃん…」

女「一人で勉強して何が変わるっていうのよ。ばっかじゃないの?」

男(そうかもしれないが、実に態度が気に食わない)

126: 2014/04/28(月) 22:15:47 ID:dkCEUFNQ
女「だからあんたに──」

「ちょいとお待ちな。お嬢さん」

女「──……あんたはお呼びじゃないわよ変O」

イケメン「おやおや。どうやらオレが知らないうちにお二人さん、随分と仲がよろしくなったようで?」

男「ち、ちがうっ」

女「……。そうよーあんたが愛しい彼氏を放っておいたうちにね」

男「おまっ!? しかも彼氏ってなんだよ…!」

イケメン「……」じぃー

女「なによ」

イケメン「何考えてるんだ?」

女「あんたには関係ないことよ」

127: 2014/04/28(月) 23:55:22 ID:dkCEUFNQ
イケメン「彼のことでオレが関係ないことなんて無いけどな」

女「あら? 案外あんたって束縛すんのね。そういうの嫌われるわよ」

イケメン「友人として単に疑問を持っただけだ」

女「友人? ハッ! 一緒にプリクラ取りに行っておいて、友人? もう少しまともな冗談をつきなさいよ変O」

イケメン「……」

女「……」

男(な、何だこの状況は…っ)アワワ


「ねぇーあの状況なになにっ?」

「女とイケメン君が取り合ってるんだってー」


男(何を!?)

イケ友「あああっ…とうとう女っちが乗り出してきたんだ…っ…どっちが飼い主として格があるか勝負をしに…!」

男(あんたは何を言っているんだ…!)

128: 2014/04/29(火) 00:01:05 ID:Vic3mfpQ
男(こ、ここは両方の知人として仲裁に入らなければ…っ)

男「あ、あのー二人共…」

イケメン「なに、男君」

女「なによ、男」

男「あのさ、その、取り敢えずこっち見てくれない二人共…?」

イケメン「用がないなら口を出さないでくれないかな」

女「あんたが入ってきちゃ面倒になるのよ、黙ってて」

男「ご、ごめんなさい………」

男(やっぱり二人には勝てなかったよ…)

イケメン「…女。君は昔からオレのことを嫌ってたよな」

女「へぇーあんた気がついてたの? びっくりしたわ、アホだと思ってたのに」

イケメン「モチロン。君はすぐに表情と口が出るからね、まるわかりだった」

女「なによそれ。あたしのことアホだと言いたいワケ…?」

イケメン「オレは何も言ってないよ。ただそう思ったのなら、くく、そうなのかもな」

129: 2014/04/29(火) 00:13:35 ID:WYW0sIuk
女「よく言えたものねあんた…ッ…顔は良いもんだから、見境なく変O行為をしまくってたあんたがよく…!」

イケメン「勝手な解釈だ。とんだ君の勘違いだと思うけどな」

女「勘違い? 小さい頃の数々の変O行為を、あたしの勘違いだと言い切る気? バカ言わないでよ、全てをここでばらしてあげましょうか? ん?」

イケメン「ああ、良いとも。オレは何も恥じゃあない」

女「……。そう、あんたはそういうふうに割り切るのね。それが【正しいこと】だと思うことにしたのね」

イケメン「………」コクリ

女「あっそ。それもあれなワケ、コイツのお陰ってワケ?」ビシッ

男「…?」ビクッ

イケメン「どう捉えるかは君の勝手だ。昔と同じく、君の勝手だ」

女「そうねあたしの勝手だわ。それにあんたにどう思われようとも、あたしは勝手に動くだけ」

イケメン「…なにを」

女「いい? あたしはずっとあんたの【ああいった所】が嫌いだった。それをアンタ一人で納得されても、こっちが納得できない」

女「──何時かまた後悔するかもしれない。そんなの、見ててムカつくのよ。苛つくのよ」

イケメン「……」

130: 2014/04/29(火) 00:19:53 ID:WYW0sIuk
女「コイツに何を救われたかは知らないけれど。ハン! どこぞの知らない男性と直ぐに抱きつくやつよ? あんたを裏切るかもしれないじゃない」

イケメン「なんだそれ。初耳だぞ」

男「…」ギクリ

女「うるさいわね。今は関係ないでしょ」

男(じゃあバラすなよ…)

女「あたしは納得するまで絶対に目を離さないから。あんたがまた変O行為に走らないよう、あんたと──コイツから目を離さない」

男「……」

女「憶えておきなさいよ」

イケメン「……」

女「………」

イケメン「…ははっ、オレのこと心配しすぎだろ女」

女「ばっ違うわよ変O! 何よ心配なんてしてない! ふざけるな変O!」

イケメン「はいはい。わかったわかった、君は本当に優しいやつだよ。幼馴染でよかった」

女「してないってーの! こんのっ……あんたからも何か言ってやりなさいよ!!」

男「お、俺っ!? いきなりこっちふるなよ…!」

131: 2014/04/29(火) 00:25:40 ID:WYW0sIuk
女「あんたの言ったことなら犬になれって言っても、コイツは犬になるわよ!?」

男「ならねーよ!」

イケメン「わん」

男「なるんじゃねーよ!」

イケ友「ッ…!? や、やっぱり…!!」ガクガクガク

男「ち、ちがっ」

女「ほーらやっぱり変Oじゃないっ!! そうやっていっつも変Oプレイしてるんでしょ!? そーなんでしょ!?」

イケメン「舐めるなよ。こんな程度でオレと彼の関係を見破ったつもりか」

女「なんっ…!?」

イケ友「首輪…ムチ…ロウソク…?」

男「違うから!! ちょっと二人共黙ってくれ! あと君も!!」


シ───ン…


男「あ……」

132: 2014/04/29(火) 00:30:47 ID:WYW0sIuk
女「び、びっくりした」

イケメン「ど、どうした大声をあげて…?」

イケ友(あ! そういえばまだトイレ行って無くね!? 漏れる漏れる…!)ダダダ


男「あっ…いや、その…えっと…」

男(教室中が静かに…もともとこの二人の会話に聞き耳立ててたし、俺が大声をあげたせいで…っ)



じぃー
    じぃー  じぃー

  じぃー   じぃー  じぃー  じぃー  じぃー



男「俺はっ…違う、から……ホ〇でもなくて…それに飼い主でも…」

男(きもち、悪い……頭が痛くて、視線が、見られてて、ずっと我慢してたけど、やっぱ)

男「そんなに怒るなって、コイツは……色々と悩んで、たから………」

男「だから、だから、俺は友達だから……ちゃん、と……とも……だち………」ガクッ

男(あれ───視界が、まっくら───)

133: 2014/04/29(火) 00:35:05 ID:WYW0sIuk
ガタタ!

イケメン「……!! 男君!!」

女「きゃあ!? ちょ、あんた大丈夫!? ねぇ! ねぇってば! ちょっと……! 早く保健室!」

イケ友「スッキリスッキリ──んっ!? 男ちゃんどったの!? みんな退け!! 早くおれの背中に乗せろ!」

イケメン「しっかりしてくれ! くそっ、なんでこんなこと───」

男(──声が遠く…)


プツン

134: 2014/04/29(火) 00:35:39 ID:WYW0sIuk
保健室 昼休み

男「モグモグ」

イケメン「ほぉー」じぃー

男「モグ…モグ…」

イケメン「ふーん」じぃー

男「ゴクン」

イケメン「ふむふむ」じぃー

男「なんだよ…!」

イケメン「どうした?」

男「食べてる様子をマジマジみるなっ」

イケメン「何でこんな所で食べてるんだろうと思って」

男「俺の勝手だろ…あと見るな、気が散るから…」

イケメン「そんなの俺の勝手だ!」

男「ああ勝手だなッ!」ドン!

135: 2014/04/29(火) 00:36:41 ID:WYW0sIuk
イケメン「くぅぅうう~~~~っっ!!」プルプル

男(気持ち悪いな相変わらず…)

イケメン「一旦倒れた後でも、君はキレッキレだなっ! んん~~~!!」

男「な、なぁお前さ…」

イケメン「おお。どうした? まだオレはボケてないから喋らなくてもいいぞ」

男「いや喋らせろよ。会話はさせろよ」ダン!

イケメン「んふふっくふふっ」

男「今の何が嬉しかったの…?」

イケメン「いつものことだ。君が突っ込んでオレが喜ぶ。ただそれだけのこと」

男「ぐっ…!!」

イケメン「おっ? どうした?」

男「そ、それだよそれぇ! お前はなんとも思ってないのかよぉ!?」

136: 2014/04/29(火) 00:39:20 ID:WYW0sIuk
イケメン「ああ『あの噂』か。オレと君が付き合ってるとか何とかの」

男「ッッ…!!」カァァァ

イケメン「何故照れるんだい?」

男「照れてないわッ! 恥ずかしがってるんだよ! ああもうっ…それが原因で周りから見られてたのかよ…!」

男(さっき女さんが全部説明してくれた。くそぅ…なんだよそれ…付き合ってるとか頭おかしいんじゃないか…!)

イケメン「人の噂も七十五日。いつの日か廃れていくさ、ズズ、お茶美味しいな…」

男「なっげーよッ! 七十五日って一学期過ぎるわ終わるわ勝手に茶を飲むなっ!」ぱしっ

イケメン「ほぅ…いいなぁ…こうやって君のツッコミを聞き入れながら、昼過ぎの一杯…ふむふむ」

男「だからお前はそれで良いのかよっ…周りからほ、ほもぉ…ぅ…あ、扱いされてるんだぞ…!」

イケメン「別に。そうなる時は、それなりの覚悟はしてたつもりだった」

男「えっ?」

137: 2014/04/29(火) 00:41:24 ID:WYW0sIuk
イケメン「オレにもわかってたさ。あの時に、あの【契約】のために君を呼び出して、大声でああいったことを言ってしまって…」

イケメン「こうやって連れ添っていればな…些か勘違いされてしまうことぐらい」

男「お前…」

イケメン「だけど収まりが聞かなかった。あの時のオレはオレじゃ無くなっていた」

イケメン「仕方ない、仕方ないことだったんだよ。それはきっとな…」

男「……」

男「うん。しかたなくねぇよ? 分かってたならもっと上手く伝えられただろっ」

イケメン「あ。やっぱり?」テヘペロ

男(コイツ…ッ)ピキィ


「はいはい騒がない青春ボーイ共」ガラリ

138: 2014/04/29(火) 00:43:26 ID:WYW0sIuk
男「せ、先生…」

イケメン「あ。先生こんちにわ」

先生「こんにちわ。さてキミ、キミだよキミ」

男「え、はい? 俺…?」

先生「ここは人が居なくても保健室。騒いじゃ駄目だし、復活したなら出て行きな。飯も食っていいとは言ってないけど」

男「…それは今更じゃないですか…」

先生「そりゃそうだ。今更言い出したんだ、今更ながら認めて出て行ってもらわないと」

男「お、俺はここでの昼食が当たり前だったから…」

先生「私も当たり前だったよ。けど、それは今までのキミだ。今のキミはきっと以前とは違ってる」

男「………」

先生「こんな立派な友達ができたんだ。とっとと屋上でも教室でもいいから、そこで食べておいで」

139: 2014/04/29(火) 00:44:31 ID:WYW0sIuk
男「…と、トモダチ…」チラリ

イケメン「トモダチ?」

男「と、友達だろ!」

イケメン「イェース!」

男「いちいちキメ顔するなっ!」

先生「…おやおや、キミがこんなに大声を出すなんて」

男「くぅぅッ!」カァァァ

イケメン「侮っちゃ困りますよ先生。彼の実力はこんなもんじゃあない、未だオレにだって計り知れないものがあるんです」

男「かっ過大評価するなって! そりゃお前が言ってるだけだろ…!!」

イケメン「オレだけが認めて何が悪い。また他人か、オレじゃなくって他人が大切なのか」

男「そのまた勘違いを引き起こすようなことを…っ!」

イケメン「事実を言ったまで。オレは嘘付かない、ただボケたいだけだし」ムッスー

140: 2014/04/29(火) 00:45:29 ID:WYW0sIuk
男「お前がそうで良いとしてもだなぁ!? 俺はどれだけの問題を背負わなきゃいけないか!」

イケメン「じゃあどうしたら良いか言ってみてくれ。君はオレにどうして欲しいのか言ってみてくれよ」

男「ええっ? じゃ、じゃあその…友達なら…一緒に飯食べに行ったり…その、ゲーセン巡ったり……?」

イケメン「ああ、一緒に池袋でクレープ食べて服を買ったり?」

男「そうそう。そして最後は観覧車に乗って互いの、これデートじゃねーか!!」

イケメン「なんだよオレにとやかく言う割にはノリノリだな」

男「意味のわからないこと言うなよ…」

イケメン「じゃあ一回辞書でノリノリって言葉調べてこい!」

男「ノリノリの意味で困ってるんじゃないッ!」ダン!

先生「ブフッ」

イケメン「おっ?」

先生「あっははは! なにキミ達、漫才でも目指す気っ?」

141: 2014/04/29(火) 00:46:41 ID:WYW0sIuk
男「えっあっちょ…聞かれてた…っ」ボッ

先生「そりゃ大声でやられたら聞きたくなくても、くすくす、なーんだ案外楽しそうじゃんキミ」

男「楽しそうなんてっ」

先生「いやいや。やっぱり前と変わってキミは一段と面白くなったね。先生安心したわー」

男「ううっ…からかわらないでくださいよ…」

イケメン「褒めてくれてるんだと思う。素直に受け止めよう」ぽん

男「黙っとけ変O…!」

イケメン「なんと失礼な」ゾクゾク

男「お前っ…この状況を楽しんでるだろっ? 自分がホ〇だって疑われても、それを楽しんでやがるだろ…っ!」

イケメン「またとないネタじゃないかっ!」

男(………くそぅ…もうこいつの友達やめたい…)サメザメ

イケメン「ふっふっふっ」ニコヤカ

142: 2014/04/29(火) 00:48:00 ID:WYW0sIuk
先生「……。あーれれぇー? そういえばーぁ? プランターに水あげるの忘れてたかもーぉ?」

男「? 何急にアホの子みたいになってるんですか先生…?」

先生「アホの子いうな。って違う、さっさと入れて来なよキミ。それがキミと私の約束でしょ」

男「えっ? あ、良いんですか……?」

先生「いいよ別に。水あげるぐらいキミにならきっと出来ると先生信じてるし」

男「出来ますから……じゃ、じゃあやってきます」チラリ

イケメン「ん? いってらっしゃ~い」ヒラヒラ

男「う、うむ」ガララ

ピシャ

イケメン「………さて」

先生「おっと。キミから話ふる? いいよ別に、手間が省けるし」

143: 2014/04/29(火) 00:48:56 ID:WYW0sIuk
イケメン「結構これでも交友関係広いんで。先生、オレのこと怒ってるでしょう?」

先生「誰から聞いたの?」

イケメン「先生の顔を見て判断しました」

先生「ああそういった意味で広いと…うんうん、面白い子だ。実にあの子向きだよ本当に」

先生「コーヒーいる? 特別に作ってあげるけど」ガタ

イケメン「オレ飲めないんで大丈夫です」

先生「そ。まー私が淹れても美味しくないし、後であの子に入れてもらおっと」

イケメン「…先生はいたく気に入ってるんですね、アイツのこと」

先生「そう見える?」

イケメン「見えるから聞いてます。ま、それでも譲りませんけどね。オレのですから」

先生「キミも大層入れ込んでるみたいで。クスクス」ギィ

144: 2014/04/29(火) 00:49:41 ID:WYW0sIuk
イケメン「ええ、まぁ…それなりにですけど」

先生「一応先生だからね。教師としてキミに言っておかなくちゃいけないことがあるよ。平気?」

イケメン「……。はい」

先生「ホ〇なの?」

イケメン「…ツッコミはオレの持ち場じゃないんですけど?」

先生「その反応は違うみたいね。残念残念」

イケメン(何がだ…)

先生「冗談だってば。とにかく色々と噂になってるのは知ってるよ。些かいい噂だとは先生は思わないな。キミがどんなつもりかは知らないけれど」

イケメン「アイツに迷惑は掛けないつもりです」

先生「……」

イケメン「もう掛かってる。なんて言わないでくださってありがとうございます、けど…オレはそうしてみせます」

イケメン「オレは約束をしました。アイツにはとびっきりの楽しい青春を送らせてやるって、そう、誓ったんです」

145: 2014/04/29(火) 00:53:45 ID:WYW0sIuk
先生「じゃあ今の状況はキミにとって……?」

イケメン「はい! またとないチャンスなんですよ! これでアイツの周りに異変が起こり続けて…」

イケメン「──今までにない青春が訪れるはずなんです!!」

先生「すごい自信だ」

イケメン「自信がなきゃやってられません。だってホ〇だって疑われてるんですよ? ははっ、本当にまいってしまう…くふふっ」

先生(その割には嬉しそうだけど)

イケメン「…けど、今回のことは本当にオレの失態です。最悪すぎて、彼のことをちゃんと見れてなかった」

先生「……」

イケメン「ここまで彼を苦しめていたなんて。本当にっ…本当に……っ」ぎゅっ

先生「そうだね。君は後先だけを考えてて、今の彼を見てやれてないと思う」

イケメン「…はい」

先生「あの子にとって人の視線は毒だよ。慣れてないものを摂取しすぎていたら、そりゃ倒れてしまう」

イケメン「っ……はい、すみません…」

146: 2014/04/29(火) 01:00:48 ID:WYW0sIuk
先生「…あの子はさ、あんな顔で人付き合いが不器用だけどね」

先生「結構頑張り屋なんだ。誰よりも人を見ているし、そして誰よりも寂しがり屋」

先生「自分なんてこの世に必要なんてない。なんてこと、考えちゃったりするんだよ。中二病だね」

イケメン「…ははっ、そうですね」

先生「この学校に入学してから一年間ちょっと。ずっとあの子と、この保健室で会話し続けていたけれど」

先生「…見てて分かる。あの子は少しずつ明るくなってきてるんだ」

イケメン「そう、ですか?」

先生「うんうん。なってるよ、だから君はもっと自信を持って、言い切ってほしい」

先生「──今、本気で君をあの子から引き離そうと思ってる、この私の気分を遮るほどの、言葉をね」

147: 2014/04/29(火) 01:08:04 ID:WYW0sIuk
イケメン「言葉を……」

先生「どうかな、私は一度決めたら本気でやるタイプだし。必ず君とあの子を引き離すよ」

イケメン「………」


それはオレの希望だった。
薄い膜の中で一生閉じこもってるはずだったオレの唯一の希望。


イケメン「──オレはアイツと人生が関わったことだけに感謝したい」


彼の言葉だけがオレにとって必要であって。
空気や食事や己の価値でさえ、きっと彼には敵わない。


イケメン「…オレを怒るなら、もう少しだけ待ってください。オレとアイツを引き離すなら、もう少しだけ猶予をください」

イケメン「アイツは……アイツは凄いやつなんだ…」


だから、もう少しだけ希望に寄り縋らせて欲しい。

148: 2014/04/29(火) 01:12:26 ID:WYW0sIuk
彼がオレで困ったら、命懸けで助けよう。

彼がオレを嫌っても、命を賭けて謝罪しよう。

彼がオレを好きになったら、命で駈けて寄り添おう。

イケメン「──オレは必ず満足の行く高校生活を送らせてみせますから」


それがオレの【誓い】であって【契約】で──

──心からの償いだ。



先生「…その心意気よし。特別に怒らないで置いてあげる」

イケメン「! そ、そうですか…?」

先生「うんうん。キミは正しい。だから自信を持ってあの子に青春を送らせてあげて良いよ」

イケメン「あり、がとうございます…なんだかやっと落ち着けたような、気がします」

149: 2014/04/29(火) 01:13:55 ID:WYW0sIuk
先生「……。頑張りな、応援してあげるから」

イケメン「はいっ!」

先生「さて、外で気まずそうに佇んでるあの子を呼んであげないとね」

イケメン「んっ?」


男「っ~~~!?」ビクッ


イケメン「なんだよ、早く入って来なよ」クイクイ

男「……っ…」プイ

先生「あの子には保健室で昼食を食べる条件として、花に水をやること…と私が言ったんだよ」

イケメン「そうなんですか。じゃあ今度からオレもやっていいですかっ?」ガタ

先生「良いけど二人もいらないよ?」

イケメン「オレも今日からここで飯を食べるんで。んじゃ決まりってことで!」ガララ

150: 2014/04/29(火) 01:17:08 ID:WYW0sIuk
男「……な、なんだよ…っ」

イケメン「オレも今日からここで昼食食べるよ」


オレは知っている。君は優しい人間だ。


男「なっ…こ、ここは…っ……俺の特別な場所でそうそう他人は…」ゴニョゴニョ

先生「あらま。特別な場所だなんて嬉しい事言ってくれるね」

男「ぐっ!」カァァァ


教室で倒れ目覚めてから、君はずっとオレのことを心配してて。
わざと大声を出して突っ込んでくれていたことを、オレは気づいてる。


イケメン「オレは特別じゃないの…?」

男「特別なんかじゃねぇよ! お前なんてただの……た、ただの…っ」

イケメン「ただの?」

男「……ト、トモダチ…だけど…」


知っているんだ。君のやさしさを。
だからもっと周りにも知ってもらおうよ、君の凄さを。

151: 2014/04/29(火) 01:19:52 ID:WYW0sIuk
イケメン「じゃー良いじゃん決まりだ!」ガシッ

男「ちょっ!」

イケメン「オレは今日からお前と食べる! お前とたーべるたべたべたーべるっ!」クシャクシャ

男「か、髪をくしゃくしゃにするな…っ」


まだまだオレと君の──青春は続くのだから。


イケメン「そういえばそろそろ…みんなが来る時間か」

男「え…?」チラッ


女「い、いま……男を食べるとか言ってなかった……?」カタカタカタ


イケメン「それがどうした?」

男「ちょっちがっ…!」

女「ッ……このホ〇野郎ども!! 全く懲りてないじゃない氏ね!!」

152: 2014/04/29(火) 01:23:21 ID:WYW0sIuk
イケメン「誤解するな女。オレはホ〇じゃない。オレは、な」

女「……まさかアンタがガチなの……?」

男「違う!! それはさっき前説明した…!?」

女「少しでも一回でも信用した自分が馬鹿だった……氏ね変O!! 腐れもげろ!!」ダダッ

男「ちっちが…なんだよもー!? お前のせいだぞ!? お前のせいで!」ばしばしばし

イケメン「はっはっはっ」

男「ったく……それに、その…急にお前、とか呼ぶなよ…っ」

イケメン「嫌だったかい?」

男「なんか、お前らしく、ない…と、思う」

イケメン「そっか。でもそれがオレだよ男君」

男「そ、そおなの? まぁー悪くないけどな…うん…」

153: 2014/04/29(火) 01:27:44 ID:WYW0sIuk
イケメン「……」

男「で、でもちょっと心の余裕とか欲しい…」

イケメン「ん、そっか。じゃあしばらくは元通り、君でいいかな」

男「…お、おう」テレテレ

先生(ホ〇っぽいなー)ズズズ

イケメン「よし。じゃあ昼食を食べようか、弁当を持ってくるよ」

男「う、うん」

イケメン「待っててくれ。おっ? イケ友じゃないか」

イケ友「おっすー! 男ちゃん元気なった?」

イケメン「ああ、これから弁当を取りに行く所だよ」

イケ友「えっ……取りに行かされてる……そういった命令を…?」

イケメン「えっ?」

男「なんか聞こえたけど、予測で答えるけど、違う!」

イケ友「あわわわっ」ガクガク

154: 2014/04/29(火) 01:36:50 ID:WYW0sIuk
先生「クスクス、ほらほら青春ボーイ共。あとそこの壁に隠れてるガールも」パンパン

女「…!?」ビクゥ

先生「昼食べるなら、さっさと食べよう。先生もお腹すいたからね」

男「い、良いんですか?」

先生「今日だけ特別ね。あとで美味しい珈琲入れてもらうから」

男「っ…ありがとうございます」ペコ

イケメン「どっか行ってたじゃないのか」

女「う、うるさいわねっ! あんたには関係ないでしょ!」

イケ友「きょ、今日の新刊っす男ちゃん! 読んで読んで!」

男「だからなんで新品なのこれ…?」


ガララ ───……パタン


【この後みんなでワイワイ昼食を取りました】

第五話『俺の突っ込み仲間』

155: 2014/04/29(火) 01:38:06 ID:WYW0sIuk
ここまで
時間通り出来ないくせに3話連続とか言ってすみませんっした


まだまだ続きます
読んでいただけたら幸いです。


また来週に会えたら ではではノシ


男「見られてない?」イケメン「…」じぃー【中編】

引用: 男「見られてない?」イケメン「…」じぃー