1: 2018/09/20(木) 02:50:15.88 ID:MP90wBJ11
男「俺の名前は男だ。」

男「どこにでもいる普通の男だ。」

男「確かに“俺”は普通だ。」

男「普通じゃないのは“この世界”だ。」
江戸前エルフ(11) (少年マガジンエッジコミックス)

2: 2018/09/20(木) 02:57:00.85 ID:MP90wBJ11
男「この世界は人口の95%が女だ。」

男「なぜかって?話すと長くなるが教えてやる。」

男「一昔前、ある女性がいた。」

男「その女性は、“男性”をひどく嫌っていた。」

男「戦争をするのは男、性犯罪をするのは男、暴力を振るうのは男。」

男「男こそ、世界から安寧と平和を奪う元凶だ。」

3: 2018/09/20(木) 03:07:26.05 ID:MP90wBJ11
男「そう考えた彼女は、ある恐ろしいことをした。」

男「彼女は、“人間の男性だけを頃すウイルス”を作った。」

男「そのウイルスを、世界中にばら撒いた。」

男「後にわかったことだが、彼女は世界中に協力者がいたらしい。」

男「だから、世界中にばら撒くことが可能だったそうだ。」

男「加えて、そのウイルスは感染力が強く、致氏率も高かった。」

4: 2018/09/20(木) 03:13:31.40 ID:MP90wBJ11
男「瞬く間に世界中で感染者が増え、男が次々と氏んでいった。」

男「事態を重く見た国連は、緊急に臨時政府を作り対応に追われた。」

男「わずかに残った医学者や研究者を保護し、特効薬の開発を急いだ。」

5: 2018/09/20(木) 03:29:16.19 ID:MP90wBJ11
男「それから数年後、転機が訪れた。」

男「ついに、ウイルスの特効薬の開発に成功したのである。」

男「さらに、事件の主犯である“女”が捕らえられた。」

男「この二つのニュースに、世界は大歓喜だった。」

男「こうして、ひとまず事件に終止符が打たれることとなった。」

男「しかし、すでに世界から男は激減し絶滅寸前だった。」

6: 2018/09/20(木) 03:40:02.25 ID:MP90wBJ11
男「そこで政府は、世界中に積極的な子作りを提唱した。」

男「もちろん、充実した福利厚生も提供することを約束したものだった。」

男「だが、男が激減した世界で子作りをするのは困難であった。」

男「しかし、政府も無策ではなかった。」

男「実は、政府はウイルスの特効薬を開発する一方、ある別の薬の開発も行っていた。」

男「それは“卵子だけで子供を作る薬”、つまり女同士で子供を作れる薬だった。」

7: 2018/09/20(木) 03:50:58.50 ID:MP90wBJ11
男「もちろんこの薬の開発にも成功していた。」

男「この薬により女性だけで子供を作れるようになったため、世界中で子作りが行われた。」

男「当然、最初は抵抗感のある女性もいたが、緊急事態ということもあり、しだいにそういう女性は減っていった。」

男「こうして人口は再び増え始め、世界は危機を脱出した。」

男「ちなみに、後にこれらの出来事は“世界同時男性抹殺細菌テロ”“世界ベビーブーム”と名づけられたという。」

8: 2018/09/20(木) 04:05:03.02 ID:MP90wBJ11
男「それから数十年たち、世界は落ち着きを取り戻し、俺も生まれた。」

男「え?女同士で子供を作ったら女しか生まれないだろだって?」

男「すまん。説明が足りなかったな。」

男「わずかに残った男たちと子供を作った女もいたんだ。」

男「それで生まれた男たちがいたんだ。」

男「俺はその子孫なんだ。」

9: 2018/09/20(木) 04:19:20.26 ID:MP90wBJ11
男「こうして、男も生まれるようになった。」

男「しかし、事件から数十年たった今でも男は世界の人口の5%程度だ。」

男「俺たち男は政府から保護の対象になっている。」

男「衣食住や福利厚生は充実しているし、毎月すごい額のお金をもらっている。」

男「しかも、働く必要もないのだ。」

男「おかげで、何不自由のない悠々自適な生活をしている。」

男「しかし、俺がこんな生活できるのは、あんな悲惨な事件が起きたせいだからと思うと胸が痛くなる。」

男「俺だけでなく、世界中の人がこの事件を忘れてはいけないのだ。」

10: 2018/09/20(木) 04:37:12.48 ID:MP90wBJ11
男「実際、この事件の反省から女性の地位が大幅に向上した。」

男「総理大臣も大統領も国会議員もみんな女だ。」

男「今では女が世界を動かしてるといっても過言ではないのだ。」

男「しかも、今では女同士で子供を作るのが主流らしい。」

男「当然、生まれてくるのも女だ。」

男「なお、俺たち男には生涯最低5人の女と結婚して、最低10人子供を作るのが義務付けられている。」

男「俺はまだ2人しか結婚しておらず、子供はいない。」

男「まだまだ頑張らないといけない。」

11: 2018/09/20(木) 04:50:44.28 ID:MP90wBJ11
男「長くなったが、そろそろこの話を終わらせてもらう。」

男「最後に、一つだけ言いたいことがある。」

男「“今”を大切にしろ。」

男「悲惨な過去や不透明な未来に嘆くよりも、今自分がすべきことは何かを考えろ。」

男「俺だったら、あと3人と結婚して、早く子供を作ることだな。(笑)」

男「またいつか、会えることを願っているよ。」

男「じゃあな。」

12: 2018/09/20(木) 04:53:47.23 ID:MP90wBJ11
その後、男は女性だらけの世界で5人の女と結婚し、12人の子供(2男10女)に恵まれ、
天寿を全うするまで幸せに暮らしたという。

END

13: 2018/09/20(木) 04:55:49.34 ID:MP90wBJ11
以上です。
初SSでしたが、いかがだったでしょうか。
拙い文章だったかもしれませんが、感想をお聞かせください。

15: 2018/09/20(木) 19:06:42.13 ID:9GQoicGBh
終末のハーレムじゃ

引用: 人口の95%が女性の世界で生きる男の話