300: 2009/08/19(水) 21:20:34 ID:AEMHVrTO
Terremoto
あたしとルッキーニは、休暇を利用して扶桑に遊びに来た。
着いたのが夕方だったため、扶桑観光は明日にして、今日は少佐が手配してくれた旅館に泊まることとなった。
早速、先に来ていたリーネやペリーヌと共に夕食を食べた。
生魚の切り身(刺身と言うらしい)は、とてもおいしかった。
ルッキーニは、ペリーヌの刺身をひょいと奪って食べ、「この泥棒猫!」と追いかけられていた。
扶桑のお風呂は、とても気持ちよかった。
室内の檜風呂、屋外の岩風呂など種類が豊富だし、さらに成分によって色や匂いが違うのが面白く、つい1時間以上も入浴してしまった。
暑くて我慢できなかったのか、ルッキーニは早々に飛び出した。
そして、風呂上がりは腰に手を当ててびん牛乳を飲むのが扶桑式らしい。
ゴクッ、ゴクッと飲むと、なるほど気持ちが良い。ほてった体をほどよく冷ましてくれた。
部屋に戻るとルッキーニの姿は無く、ついでに愛用の毛布も消えていた。
最近はあたしと一緒に寝ることが多いのだが、新しい所に行くと、いつもこうして外で寝る。
すでにかなり眠くなっていたあたしは、そのまま布団に入って眠りに落ちた。
夜中。
体の揺れを感じて、あたしは目を覚ました。
いや、これはあたしが揺れているのではない。
部屋全体が揺れている!!
「うおおっ!!」
突然のことに混乱したあたしは、布団を被って丸まった。
あたしとルッキーニは、休暇を利用して扶桑に遊びに来た。
着いたのが夕方だったため、扶桑観光は明日にして、今日は少佐が手配してくれた旅館に泊まることとなった。
早速、先に来ていたリーネやペリーヌと共に夕食を食べた。
生魚の切り身(刺身と言うらしい)は、とてもおいしかった。
ルッキーニは、ペリーヌの刺身をひょいと奪って食べ、「この泥棒猫!」と追いかけられていた。
扶桑のお風呂は、とても気持ちよかった。
室内の檜風呂、屋外の岩風呂など種類が豊富だし、さらに成分によって色や匂いが違うのが面白く、つい1時間以上も入浴してしまった。
暑くて我慢できなかったのか、ルッキーニは早々に飛び出した。
そして、風呂上がりは腰に手を当ててびん牛乳を飲むのが扶桑式らしい。
ゴクッ、ゴクッと飲むと、なるほど気持ちが良い。ほてった体をほどよく冷ましてくれた。
部屋に戻るとルッキーニの姿は無く、ついでに愛用の毛布も消えていた。
最近はあたしと一緒に寝ることが多いのだが、新しい所に行くと、いつもこうして外で寝る。
すでにかなり眠くなっていたあたしは、そのまま布団に入って眠りに落ちた。
夜中。
体の揺れを感じて、あたしは目を覚ました。
いや、これはあたしが揺れているのではない。
部屋全体が揺れている!!
「うおおっ!!」
突然のことに混乱したあたしは、布団を被って丸まった。
301: 2009/08/19(水) 21:21:52 ID:AEMHVrTO
部屋がギシギシと軋み、思わず悲鳴をあげた。
ああ、あたしもまだやり残したことが沢山あったなぁ……。
今までの人生が、走馬灯のように頭に浮かんでくる。
ボンネビル・フラッツで時速178.24マイルを突破した時。
初めてストライカーユニットで空を飛んだ時。
第501統合戦闘航空団に配属された時。
そして、ルッキーニに出会った時。
子猫のような愛くるしい笑顔で、あたしにギュッと抱きついてくる。小さな手で、あたしの胸を揉む。谷間に顔をうずめる。
最初は可愛い妹のような存在だったのだが、いつ頃からだろうか。あたしにとって、無くてはならない存在へと変化していた。
ファーストキス、××、×××。色々な思い出が蘇ってくる。
「ルッキーニ……!!」
最後くらい、一緒に居たかったなぁ……。
そう思っていると、ふいに揺れが収まった。
「………………」
毛布をそっと剥がし、体を起こし、足を見てみる。ちゃんとついている。ほっぺを触ってみる。感触はちゃんとある。
「助……かっ……た?」
あたしはどうやら生きているようだ。
あんな規模の地震、生まれてこの方お目にかかったことがない。
扶桑は地震が多いとは聞いていたが、まさかこんなタイミングで来るとはな。
でも、もう大丈夫……。いや、本当に大丈夫なのか?
「そういえば……ルッキーニは?」
あたしはゾッとした。
ルッキーニはよく木の上で眠る。そしてこの地震。地面に落ちるのは間違いない。
もし打ち所が悪ければ……
「ルッキーニ!!!」
あたしは、思わず裸足のまま飛び出していた。
ああ、あたしもまだやり残したことが沢山あったなぁ……。
今までの人生が、走馬灯のように頭に浮かんでくる。
ボンネビル・フラッツで時速178.24マイルを突破した時。
初めてストライカーユニットで空を飛んだ時。
第501統合戦闘航空団に配属された時。
そして、ルッキーニに出会った時。
子猫のような愛くるしい笑顔で、あたしにギュッと抱きついてくる。小さな手で、あたしの胸を揉む。谷間に顔をうずめる。
最初は可愛い妹のような存在だったのだが、いつ頃からだろうか。あたしにとって、無くてはならない存在へと変化していた。
ファーストキス、××、×××。色々な思い出が蘇ってくる。
「ルッキーニ……!!」
最後くらい、一緒に居たかったなぁ……。
そう思っていると、ふいに揺れが収まった。
「………………」
毛布をそっと剥がし、体を起こし、足を見てみる。ちゃんとついている。ほっぺを触ってみる。感触はちゃんとある。
「助……かっ……た?」
あたしはどうやら生きているようだ。
あんな規模の地震、生まれてこの方お目にかかったことがない。
扶桑は地震が多いとは聞いていたが、まさかこんなタイミングで来るとはな。
でも、もう大丈夫……。いや、本当に大丈夫なのか?
「そういえば……ルッキーニは?」
あたしはゾッとした。
ルッキーニはよく木の上で眠る。そしてこの地震。地面に落ちるのは間違いない。
もし打ち所が悪ければ……
「ルッキーニ!!!」
あたしは、思わず裸足のまま飛び出していた。
302: 2009/08/19(水) 21:24:05 ID:AEMHVrTO
「ルッキーニ!! どこだ!?」
叫びながら、辺りを走り回った。
しばらく行くと、木の下で腰をさすっているルッキーニが居た。
「いたた……」
「ル、ルッキーニ! 大丈夫だったか!?」
息を切らせながら声をかけると、ルッキーニは少し涙を浮かべた顔でこちらを見上げてくる。
「大丈夫じゃない! 木の上で気持ちよく寝てたら地震が起きて落ちて……わっ!?」
あたしは、思わずその体を抱きしめていた。
「ルッキーニ……生きてて良かった!!」
「どどどどうしたのシャーリー!?」
慌てるルッキーニ。でも、あたしはより一層強く抱きしめた。
「あたしは地震に慣れてないからさ、とっても怖かったんだ。それに、ルッキーニが怪我とかしてないかって心配でさ。こうしてまた話せてとても嬉しいんだよ」
ちょっと戸惑っていたが、すぐに素に戻るルッキーニ。
「なんだ、シャーリーの恐がり~」
そう言いながらも、ルッキーニはあたしの背中に手を回してくれた。
「あたしは大丈夫だよ。シャーリーがこんなに心配してくれたしね」
「そりゃそうさ、だってあたしは……」
恋人、だからな。
叫びながら、辺りを走り回った。
しばらく行くと、木の下で腰をさすっているルッキーニが居た。
「いたた……」
「ル、ルッキーニ! 大丈夫だったか!?」
息を切らせながら声をかけると、ルッキーニは少し涙を浮かべた顔でこちらを見上げてくる。
「大丈夫じゃない! 木の上で気持ちよく寝てたら地震が起きて落ちて……わっ!?」
あたしは、思わずその体を抱きしめていた。
「ルッキーニ……生きてて良かった!!」
「どどどどうしたのシャーリー!?」
慌てるルッキーニ。でも、あたしはより一層強く抱きしめた。
「あたしは地震に慣れてないからさ、とっても怖かったんだ。それに、ルッキーニが怪我とかしてないかって心配でさ。こうしてまた話せてとても嬉しいんだよ」
ちょっと戸惑っていたが、すぐに素に戻るルッキーニ。
「なんだ、シャーリーの恐がり~」
そう言いながらも、ルッキーニはあたしの背中に手を回してくれた。
「あたしは大丈夫だよ。シャーリーがこんなに心配してくれたしね」
「そりゃそうさ、だってあたしは……」
恋人、だからな。
303: 2009/08/19(水) 21:25:24 ID:AEMHVrTO
朝。
「みなさん、昨夜の地震は大丈夫でした?」
芳佳がわざわざ様子を見に来てくれた。
このくらいの地震は、中震と言って扶桑ではよくある規模らしい。なんとも恐ろしい国だ。
「聞いてよ芳佳ちゃん、ペリーヌさんたらね、慌てて外に飛び出して縁側の段差でこけて……」
クスクスしながら芳佳に話すリーネ。そして、
「リ、リーネさんだって『芳佳ちゃん、助けて』と毛布に包まりながら呟いていたではありませんの!?」
顔を赤くしながら反論するペリーヌ。
まあ、地震の無い国の人だとこんなものか。あたしだって人のことは言えないし。
「リーネは芳佳と一緒に住むなら地震には慣れないとね!」
茶化すルッキーニ。そういえば、ルッキーニは地震が平気だったのだろうか?
シャーリー、助けて! などと思っていたりしたら……
まあ、ここは聞かないでおこう。
「そうだルッキーニ、朝風呂に行こう!」
「お、いいねいいね~」
赤くなってもじもじしている2人と、「わ、わたしも少佐と……」と呟いている1人を置いて、あたしたちは風呂へ入りに行った。
今日は快晴。いい1日になりそうだ。
――――――――――――――
ここまでとなります。
ところで、アメリカ人、イギリス人、フランス人は地震にほとんど慣れておらず、
イタリアは日本と似たような感じらしいですね。
みなさんも地震には気をつけましょう。
ありがとうございました。
「みなさん、昨夜の地震は大丈夫でした?」
芳佳がわざわざ様子を見に来てくれた。
このくらいの地震は、中震と言って扶桑ではよくある規模らしい。なんとも恐ろしい国だ。
「聞いてよ芳佳ちゃん、ペリーヌさんたらね、慌てて外に飛び出して縁側の段差でこけて……」
クスクスしながら芳佳に話すリーネ。そして、
「リ、リーネさんだって『芳佳ちゃん、助けて』と毛布に包まりながら呟いていたではありませんの!?」
顔を赤くしながら反論するペリーヌ。
まあ、地震の無い国の人だとこんなものか。あたしだって人のことは言えないし。
「リーネは芳佳と一緒に住むなら地震には慣れないとね!」
茶化すルッキーニ。そういえば、ルッキーニは地震が平気だったのだろうか?
シャーリー、助けて! などと思っていたりしたら……
まあ、ここは聞かないでおこう。
「そうだルッキーニ、朝風呂に行こう!」
「お、いいねいいね~」
赤くなってもじもじしている2人と、「わ、わたしも少佐と……」と呟いている1人を置いて、あたしたちは風呂へ入りに行った。
今日は快晴。いい1日になりそうだ。
――――――――――――――
ここまでとなります。
ところで、アメリカ人、イギリス人、フランス人は地震にほとんど慣れておらず、
イタリアは日本と似たような感じらしいですね。
みなさんも地震には気をつけましょう。
ありがとうございました。
304: 2009/08/19(水) 22:57:27 ID:z9InebtP
地震ネタで日本人が地震に動じないコピペ思い出したけどイタリアでも地震あるのか
ということはロマーニャに遊びに行ったシャーリーがたまたま地震に遭遇してもの凄く怖がったところをフランカが優しくどうのこうの以下略
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