501: 2010/12/16(木) 22:04:49.20 ID:WakVrUSO
「あー。今日の授業も終わり、かぁ。」

そうつぶやきながら、特徴的なツンツン頭の少年、上条当麻は大きく伸びをした。

「にゃー。カミやん、今日はタイムセールはいいのか?いつもならダッシュして行くのに。」 「せやなー。なんか珍しいでー。」

そう言ったのは、上条の住む学生寮の隣人である、土御門元春と青い髪にピアスをしている学級委員の少年だ。

502: 2010/12/16(木) 22:06:06.31 ID:WakVrUSO
「ふふふ……。よくぞ聞いてくれた!!聞いて驚け!!なんと、毎日不幸の連続である上条さんが昨日、商店街の抽選で、十万円分の商品券なんてものを手にいれたのです!!いやっほー!!幸せだー!!」

あろうことか、涙まで浮かべながら上条は全力で小躍りする。 そんな上条に、親友二人は心の底から哀れみの視線を送るのだが、上条の方はあまりの嬉しさに全く気付かない。
「まぁ、そんなことはどうでもいいんだがにゃー。それなら今日は、久しぶりにゲーセンでも行こうぜい。」

503: 2010/12/16(木) 22:07:07.82 ID:WakVrUSO
「あぁ、そうするか。じゃあ四人で……ってあれ?あいつは?」

気が付けば、教室からいなくなっていたもう一人の親友のことを、上条は尋ねた。

「あぁ、あいつやったら小萌先生に呼ばれとったでー。羨ましいわぁ。放課後に小萌先生と二人っきりやなんて……。」 「相変わらずの口リコンだな、お前。」 「ちっちっち。ちゃうでー、カミやん。口リ『が』好きなんやないでー。口リ『も』好きなんやでー!!ぼかぁ、」

己の持つ大量の趣味嗜好を一気に言おうとした青髪ピアスを、上条は拳で強制的に黙らせる。

504: 2010/12/16(木) 22:07:52.58 ID:WakVrUSO
そんな風にもう一人を待っていると、教室の扉が音を立てて開かれ、誰かが入って来る。 その人物は、とても真っ白な肌と髪、それに真っ赤な瞳をしていて、青髪ピアスと同じくらい、目立っていた。 そして、その人物は上条達を見ると、呆れたように尋ねた。
「なンだよオマエら、わざわざ待ってたのかァ?」

505: 2010/12/16(木) 22:08:33.60 ID:WakVrUSO
その少年--学園都市最強の超能力者(レベル5)一方通行(アクセラレータ)に上条は答えた。

「まぁな。どうせ、すぐに戻ってくるだろうし、お前だけ置いてくのも悪いしな。」 「ったく……。別にそンな気ィ使わなくてもイイっつゥのォ。オレが戻って来なかったら、どォすンだよ。」 「にゃー。そんなこと言ってるけど、ずいぶんと嬉しそうな顔してるぜい、一方通行?」 「土御門くゥゥゥゥゥゥン?挽き肉になりてェならそォ言えよォ。」

506: 2010/12/16(木) 22:09:25.15 ID:WakVrUSO
「わー。アルビノ美少女に殺されるー。」
「誰が、女だァァァァ!!!」
「アルビノ美少女か……それもええなぁ……。」 「オマエもイイ加減にしやがれ、この変Oがァ!!」
「なんていうか……お前も大変だなぁ。」
「そンなこと言ってる暇があるなら、こいつらどォにかするのを手伝いやがれ、上条!!」

こんなやり取りの後、上条達は、地下街に最近できたというゲーセンへと向かう。

507: 2010/12/16(木) 22:10:14.66 ID:WakVrUSO
「なぁなぁ、今すれ違った子ら、めっちゃ可愛かったことあらへん?」
「オマエ、さっきもそンなこと言ってたじゃねェか。なンですかァ?女ならなンでもいいンですかァ?」
「いややな~。この前言った通り、ぼかぁ、」
「もォ黙れ。ホントに黙れ。」
「一方は、まだまだ青ピ慣れしてないからにゃー。しょうがないぜい。」
「オマエは、その呼び方をまずやめながれ。」
「そればっかりは、しょうがないんじゃないか?お前の名前長いしさ。」
「だとしてもよォ、もォちょっとまともなのがイイっつゥのォ。」

508: 2010/12/16(木) 22:11:11.48 ID:WakVrUSO
「うーん……。せやけどそんなこと言われてもなー。」
「そんなこと言われてもにゃー。アクセ口リータもダメ、セ口リに、白もやし、ウサギもダメと来たし、もうこれ以上はないんだぜい?」
「どれもこれも、ただのイヤガラセじゃねェかァ!!あと、オレは口リコンじゃねェ!!」
「あれ、違うのか?てっきり、上条さんはお前は口リコンなんだと……ち、ちょっと一方通行さん?なんかドス黒いオーラが背中から出ているのは、上条さんの気のせいでせうか?」
「いいぜェ、上条くゥン。オレが口リコンだなンて、その口が抜かすってンなら」

509: 2010/12/16(木) 22:11:50.35 ID:WakVrUSO
「まずは、そのふざけた口をぶち[ピーーー]!!」

「いや、意味わかんないからな!?ついでに言うなら、そんなことされるために上条さんはいるわけじゃありませんのことよ!!」
「さてと、俺達は先に行っててますかにゃー、青ピさん?」
「そうでんな~、土御門くん。」
「いやいや、お前ら!俺を見捨てるなよ!だいたい元はと言えば、お前らが……。」
そう、言いかけて上条の言葉が止まる。

背後から、すさまじい程の殺気を感じたからだ。 ゆっくりと、体を震わせながら、振り向くとそこには。

510: 2010/12/16(木) 22:13:05.47 ID:WakVrUSO
「さァーて、と。楽しいお料理の時間だ。今日のメニューは、三下の活け作りってなァ。」

その日の第七学区の路上では、「不幸だぁぁぁぁ!!」という、とても大きく、悲痛な叫びが轟くことになった。

511: 2010/12/16(木) 22:16:29.05 ID:WakVrUSO
以上です。
ss書くのは、初めてなので、とても緊張しました
文章って難しいですね。
スレ汚し、失礼しました。

引用: ▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-19冊目-【超電磁砲】