1: 2025/01/15(水) 22:29:53 ID:???00
映画館前


ザワザワ……

侑「せつ菜ちゃん、まだかな~。ちょっと早く来すぎたかな?」

タタタッ…

せつ菜「侑さん!! お待たせしましたっ!」ダッ

侑「全然、まだ約束の30分前だし……えっ?」

ジロジロ

せつ菜「な、なんでしょうか//」テレッ

侑「せつ菜ちゃん……めっちゃおしゃれじゃん!」

3: 2025/01/15(水) 22:31:40 ID:???00
※下記SSの後日談ですが、読んでなくても平気だと思います

「ゆうせつデート裁判」【SS】🆓
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/11210/1733563983/

4: 2025/01/15(水) 22:32:37 ID:???00
せつ菜「そ、そうですか!?//」

侑「淡いピンクのフレアスカートに白いニットのセーター、それに可愛らしいリボンがついたバッグ……!」

せつ菜「そんなに見られると照れます//」

侑「なんか新鮮だね! いつもと全然違う感じでガーリーな雰囲気で、すっごく可愛いよ!」キラキラ

せつ菜「か、可愛いですか!?//  ありがとうございます……!//」カァァ

6: 2025/01/15(水) 22:36:45 ID:???00
侑「もちろん普段も可愛いけどね!」ニコッ

せつ菜「……実は、今日のためにちょっとだけ頑張ってみたんです」

侑「 あ、もしかして果林さんにアドバイスとかもらった?」

せつ菜「えっ、なぜわかったんですか!?」ギクッ

侑「いやぁ、おしゃれといったら果林さんだからさ! でもいいね、すごく似合ってるよ!」

せつ菜「はい//」

せつ菜(侑さんに褒めてもらえるなんて……果林さん、本当にありがとうございました!)

7: 2025/01/15(水) 22:39:01 ID:???00
侑「それで、映画の予約はしてくれてるんだっけ?」

せつ菜「あ、はい! 電子チケットなので一緒に入場しましょう」

侑「ありがとう! 楽しみだな~、せつ菜ちゃんがずっとオススメしてたラノベの映画化だもんね!」

せつ菜「そうなんです! 作ファンとして全力で応援したいです!」

侑「せつ菜ちゃんがそこまで言うなら、きっと面白いに違いないね!」

せつ菜「ふふっ、絶対に楽しんでいただけると思います!」

8: 2025/01/15(水) 23:11:53 ID:???00
ロビー

侑「そういえばチケットいくらだっけ? 高校生はえっと……」ガサゴソ

せつ菜「い、いえそんな! 大丈夫ですよ! 私がお誘いしたので私が払います!」

侑「いやいや、そういうわけにはいかないって!」

せつ菜「いえいえいえ! 本当に大丈夫ですから!」

侑「いやいやいや」グイッ

せつ菜「いえいえいえ……」グイッ

侑「ぷっ、あはは!」

せつ菜「は、はは……何やってるんでしょう私たち」

9: 2025/01/15(水) 23:15:22 ID:???00
侑「くすっ……そうだ、上映までまだ時間結構あるよね。ポップコーンとか飲み物買っとこうか?」

せつ菜「はいっ! 映画といえばポップコーンですよね!」

侑「じゃあその分は私が奢るからさ! それで良いよね?」

せつ菜「あ、ありがとうございます! ではお言葉に甘えて……」

侑「何にしようかな~。どれも美味しそうだなぁ……」

せつ菜「ん? あれは……!」

せつ菜「侑さん、見てください! コラボ限定版ポップコーンが売ってますよ!」

侑「おお、キャラクターがパッケージにデザインされてるんだ!」

10: 2025/01/15(水) 23:24:15 ID:???
せつ菜「原作者の描き下ろしパケージで……しかもフレーバーも主人公の好きな味が元になっているんですよ!」

せつ菜「ネット情報では大人気で売り切れ続出と聞いていて諦めていたのですが……まさかこの映画館で出会えるとは!」パァ

侑「じゃあせっかくだからこれにしようか。私たちなら大きいサイズ1個で足りるかな?」

せつ菜「はい!」グッ

侑「よし、それと飲み物も買おう。せつ菜ちゃんは何にする?」

せつ菜「では私はオレンジジュースで!」

侑「オレンジジュースね。じゃあ私は……コーラかな」

11: 2025/01/15(水) 23:27:43 ID:???
チャリーン アリガトウゴザイマシタ

侑「はい、ポップコーンとドリンクゲット!」

せつ菜「ありがとうございます!!」キラキラ

侑「そんなに喜んでくれるとこっちも笑顔になっちゃうね」

せつ菜「上映まであと10分くらいですね……」

侑「そうだね。それにしてもこのポップコーン、いい匂いだなぁ~」

せつ菜「そ、そうですね! このポップコーンは唐揚げフレーバーなんですよ! 匂いだけでも十分に楽しめます!」ソワソワ

侑(なんか落ち着きがないな……)

12: 2025/01/15(水) 23:34:37 ID:???
せつ菜「えいっ!」パクッ

侑「あ!」

せつ菜「美味しいです!」モグモグ

せつ菜「って、すみません! 美味しそうな匂いに大好きが溢れ出してしまってつい……!」

せつ菜「せっかく侑さんと一緒に映画を観ながら食べようとしてたのに……!」

侑「いいよいいよ、そんなに我慢しなくても。むしろせつ菜ちゃんが幸せそうに食べてるの、可愛いし」ニコッ

せつ菜「か、可愛い!?//」ボンッ

侑「ふふ、でもちょっとだけ私の分も残しておいてね!」

せつ菜「は、はいっ!  気をつけます……!//」カァァ

せつ菜(侑さんが微笑んでくれるたびに、胸がいっぱいになります……!)

13: 2025/01/15(水) 23:40:35 ID:???
少し離れた場所


しずく「あのふたりは……せつ菜さんと侑先輩!?」コソッ……

しずく「『主演の演技力がすごい』って部長に勧められた映画を観終わって帰るところだったけど……」

しずく「これは……事件の予感!」キラッ

58: 2025/01/24(金) 20:18:53 ID:???00
せつ菜「さあ! いよいよ入場開始ですよ!」

侑「おー! 待ってました!」

侑「ってあれ!? せつ菜ちゃんこの映画4DX上映なの!?」

せつ菜「そうなんです! 原作はアクションシーンが多いですし、楽しみですね!」

侑「揺れたりするんだよね? 4DXって知らずにポップコーン買っちゃったけど大丈夫かなあ……」

せつ菜「安心してください! 鍛えてますから!」キリッ

侑(鍛えてるって何を……?)

59: 2025/01/24(金) 20:19:45 ID:???00
せつ菜「おっと、急ぎましょう。気が付いたら上映開始まで間がありません!」

せつ菜「思いっきり楽しみましょう!」

侑「確認だけどこれ、応援上映じゃないよね?」

せつ菜「はい!」

侑「せつ菜ちゃん、上映中の大声は……」

せつ菜「もちろんです! マナーは守って心の中で声援を送りますよ! 入場したら静かにします!」

侑「良かった」ホッ

60: 2025/01/24(金) 20:23:53 ID:???00
せつ菜「チケット2名分です!」

ピピッ

係員「シアター5になりまーす。こちら特典です」

せつ菜「ありがとうございます!!」

侑「特典なんだろう?」

せつ菜「ランダムコマフィルムですよ! 上映終わったら開封しましょう!」


テクテク

侑(おお、シアターに入ったらもう暗くなってる。すぐ始まりそうだね)コソ

せつ菜(私たちの席はこちらですね。静かに移動しましょう)コソ

61: 2025/01/24(金) 20:24:25 ID:???00
~上映中~


グワーン! ドカッ!

侑(うわ! 激しいアクション始まった!)

侑(かなり席揺れてるけど……)チラッ

せつ菜「……!」キラキラ

ガシッ グワングワン

侑(おお……目を輝かせながらもしっかりポップコーンはホールドしてる! さすがせつ菜ちゃん!)

62: 2025/01/24(金) 20:25:04 ID:???00
侑(そういえばポップコーンまだ食べてなかったな。ちょっとつまもう)

スッ

グラッ ピタッ

せつ菜「!?//」ビクッ

侑(あっ、このタイミングで席が揺れてせつ菜ちゃんの手に重なっちゃった)

せつ菜(ゆ、侑さんが私の手を握って……!?///)ボッ

63: 2025/01/24(金) 20:45:41 ID:???00
せつ菜(い、いけません、映画に集中しなくては……ですが侑さんの手、あったかいです//)カァァ

グラッ!! ポロ

せつ菜(あっ!!!?)

せつ菜(しまりました! 侑さんの手に気を取られた瞬間に揺れが来てポップコーンが手を離れて飛び出しっ!)

ドシャアアアア!!!

「うわっ!?」

せつ菜(前の席の人に思いっきりぶちまけてしまいましたっ!!!)ガーン

64: 2025/01/24(金) 20:46:24 ID:???00
侑「あっ」

せつ菜「ご、ごめんなさいっ!」アセアセ

侑(や、やばい! )

侑「せつ菜ちゃん大丈夫!? 本当にすみません!」コソコソ


愛「ん? この声、もしかして……」クルッ

璃奈「……侑さんとせつ菜さん」クルッ


せつ菜「愛さん!?」

侑「璃奈ちゃんも!」

65: 2025/01/24(金) 20:47:45 ID:???00
愛「まさかふたりが後ろに座ってたなんてヤバいね!」ヒソヒソ

せつ菜「そ、それよりも愛さんごめんなさい、ポップコーンをかけてしまって……」

愛「大丈夫、気にしないで。他のお客さんも居るし、今は映画に集中しよ?」ヒソッ

璃奈「愛さんの言う通り……楽しんで」ヒソッ

せつ菜「す、すみません! 上映後に改めて謝ります!」コソッ

愛「このポップコーンおいしっ」パクッ

124: 2025/01/27(月) 13:36:57 ID:???00
シアター外

ザワザワ……

しずく「はぁ……あわよくば後ろの座席からふたりの様子を観察したかったけど満席で入れなかった」グスッ

しずく「でも、ここで待っていればいずれ出てくるはず……」


スタスタ

エマ「……あれ? しずくちゃん?」

しずく「エマさん!?」

125: 2025/01/27(月) 13:37:22 ID:???00
エマ「こんなところで会えるなんて嬉しいな~。映画を観に来たの?」

しずく「そうなんですけど、実は……興味深いことが起きてまして」ボソッ

エマ「興味深いこと?」

しずく「実は先ほど侑先輩とせつ菜さんを見かけたんです」

エマ「そうなんだ~」ニコッ

しずく「そ、それが、なんだかデートっぽい雰囲気だったんですよ!」

エマ「デートっぽい……?」

126: 2025/01/27(月) 13:38:02 ID:???00
しずく「せつ菜さんのあのおしゃれな服装……絶対に果林さんのアドバイスを受けてます!」

エマ「うん、果林ちゃんがせつ菜ちゃんにアドバイスしてたのは知ってるよ」

しずく「えっ!? じゃあ今日のデートのことも?」

エマ「おしゃれを頑張るってことは何かあるのかなって思ってたけど、そこまでは知らなかったよ~」

しずく「そうでしたか……それでですね、私はこれは一体どういう関係なのか……その真相を突き止めたくて……!」

127: 2025/01/27(月) 13:38:21 ID:???00
しずく「もしかしたらこれは今度こそ同好会を揺るがす”ゆうせつデート事件”なのではないかと……!」ワッ

エマ「しずくちゃん」

しずく「は、はい?」

エマ「決めつけたり、憶測で騒いだりするのはよくないよ?」

しずく「うっ……す、すみません」

エマ「ふふ、でも気持ちはわかるよ。しずくちゃんって、いつも好奇心旺盛だもんね~」

しずく「エマさん……」ジーン

128: 2025/01/27(月) 13:39:37 ID:???00
エマ「あ! そういえば、果林ちゃんを見なかった?」

しずく「果林さんですか? いえ、見てませんが……」

エマ「今朝、寮をフラフラと出て行ったんだけど、どこに行ったのか全然わからなくて心配で……」

しずく「なるほど……それで映画館に?」

エマ「そう。果林ちゃん、たまに突然映画を観たくなることがあるから」

エマ「璃奈ちゃんにお願いして発信器を起動してもらおうとしたんだけど既読つかなくて……」

しずく「わかりました! では私も果林さんの捜索をお手伝いします!」

130: 2025/01/27(月) 13:55:30 ID:???00

エマ「本当? 助かるよ~」

しずく「任せてください! 果林さんになりきったつもりで行きそうな場所を考えます!」

エマ「ありがとう、しずくちゃん!」



上映終了


せつ菜「はぁ……最高でしたっ! 映像も演出もすべてが素晴らしかったです!」パチパチパチ!

侑「確かに面白かったね。せつ菜ちゃんがオススメするだけあるよ」

せつ菜「ふふっ、ありがとうございます!」

せつ菜「ところで、愛さん、璃奈さん……改めてポップコーンの件、本当にすみませんでした!」ペコッ

131: 2025/01/27(月) 13:57:13 ID:???00
愛「いいっていいって~!」

璃奈「私にはほとんどかかってないから大丈夫」

愛「いきなり頭から良い匂いのポップコーン降ってきて、愛さん4DXの演出かと思っちゃったよ」アハハ

せつ菜「すみません……」シュン

愛「ほんと平気だって。むしろポップコーンだけにおいしい展開みたいな?」

侑「ぷっ……あはは! 愛ちゃんそれは強引だって! くすっ」

せつ菜「あ……侑さんも、せっかく買ってくださったポップコーンを台無しにしてしまって……」

侑「いいよいいよ! 中身も少ししか残ってなかったでしょ?」

せつ菜「は、はい// 私が上映前からぱくぱく食べてしまったので……」

愛「へ~」ニヤニヤ

133: 2025/01/28(火) 12:07:02 ID:???00
璃奈「せつ菜さん、今日の服すごく可愛い」ボソッ

せつ菜「っ!//」ボッ

愛「ねー! 愛さんも思った! ちょー可愛いよね!」

侑「でしょでしょ! こういうせつ菜ちゃんも良いよね!」キラキラ

せつ菜「あ、あう//」カァァ

134: 2025/01/28(火) 12:07:37 ID:???00
愛「おしゃれしてふたりで映画デートかー?」ニヤニヤ

せつ菜「でっ!?// そ、それはその、私が映画に誘っただけでして、ででデートなんて//」

せつ菜(や、やばい。こうなったら反撃です!)

せつ菜「あ、愛さんこそ璃奈さんとデートですか!?」

愛「うん! そうだよ!」

せつ菜「えっ!?」

135: 2025/01/28(火) 12:08:23 ID:???00
璃奈「4DXの技術に興味があって愛さんと一緒に観に来た」

璃奈ちゃんボード『テレテレ//』

愛「次はどこにいこっか!」

せつ菜(こ、こんなに堂々と……)

せつ菜(私もデートと即答すべきだったのでしょうか……せっかく来てくれた侑さんに失礼だったのでは)モヤモヤ

侑「ふたりはいつも仲良しだね!」

せつ菜「わ、私も!」

侑「えっ」ビクッ

136: 2025/01/28(火) 12:10:39 ID:???00
せつ菜「侑さんともっと仲良くなりたい、です!//」

愛「おおー!」

せつ菜「デートの続きに行きましょう! 私の好きな映画は観れたので、今度は侑さんどこか行きたいところありませんか!?」 

せつ菜(どさくさに紛れてデートと言ってしまいました// 気を悪くしないでしょうか……)

侑「ありがとう! そうだな、私の行きたいところかぁ」ウンウン

137: 2025/01/28(火) 12:11:55 ID:???00
せつ菜(普通に受け答えてくれました! よかったです!)

せつ菜(デートという言葉に特別な意味を感じていないだけかもしれませんが……)

愛「せっつー、ナイスファイト」グッ

せつ菜「あ、愛さん//」カァァ

侑「?」ポカン


璃奈「あ……携帯にエマさんからメッセージが来てた」

139: 2025/01/29(水) 09:21:29 ID:???Sd
璃奈「果林さんが迷子になったから寮のメンバーで探しに出てるらしい」

侑「えー!」

愛「ありゃりゃ」

璃奈「それで果林さんのキーホルダーに仕掛けたGPS発信器を調べてほしいって」

璃奈「とりあえず起動する」

ピピッ

せつ菜「この位置は……寮では?」

璃奈「果林さんの部屋。ということはキーホルダーは置いて出かけちゃったみたい」

140: 2025/01/29(水) 09:23:12 ID:???Sd
愛「よーし、愛さんもカリン捜索しよーっと!」

せつ菜「心配ですね……」

侑「うん、せつ菜ちゃん。私たちも探そう」

せつ菜「あっ……」

せつ菜「そ、そうですね! 私たちも捜索隊に加えてください!」

璃奈「エマさんに今メッセージを返した。ちょうど映画館の近くにいるみたいだから合流した方がいいかも」

愛「おっけー!」

せつ菜「……」

141: 2025/01/29(水) 09:24:39 ID:???Sd
映画館近くの公園


璃奈「ここが合流場所」

エマ「みんな! 来てくれてありがと~!」フリフリ

愛「あれ、しずくも一緒だったんだ」

しずく「はい。エマさんとたまたま会ったので一緒に探すことになりました」

エマ「ランジュちゃんとミアちゃんも他の場所を探してくれてるよ~」

142: 2025/01/29(水) 09:27:13 ID:???Sd
侑「早く見つかると良いけど……」

しずく「あれ? 侑先輩。せつ菜さんは一緒じゃないんですか?」

侑「あ、せつ菜ちゃんなら『生徒会に行って校内で目撃情報が無いか調べてみます!』って言って別行動することになったよ」

しずく「そうでしたか!」

侑「ってあれ、なんで私がせつ菜ちゃんと一緒にいたこと知ってるの?」

しずく「い、いえ! なんとなくです! なんとなく!」アセアセ

144: 2025/01/30(木) 20:50:55 ID:???00
生徒会室


栞子「果林さんの目撃情報、ですか?」

せつ菜「はい。校内でも念のために調べていただきたくて……」

栞子「わかりました。少しお待ちください」カタカタ……

栞子「……特に目撃情報は入っていませんね」

せつ菜「そうですか……ありがとうございます」

145: 2025/01/30(木) 20:52:06 ID:???00

スタスタ

せつ菜(果林さん、大丈夫でしょうか……)

せつ菜(あ、気がついたら部室に足を運んでしまいました……)


ガラッ

果林「あら、せつ菜?」

せつ菜「!?」ビクッ

146: 2025/01/30(木) 20:52:54 ID:???00
せつ菜「か、果林さんっ!? ここにいたんですか!?」

果林「ええ。侑とのデートはどうしたの?」クスッ

せつ菜「果林さんが迷子になったと聞いてエマさんやみんなが探していたんですよ! まさか部室にいたなんて!」

果林「そうだったのね。スマホを家に忘れてきちゃったの。悪いんだけど連絡しておいてもらえる?」

せつ菜「はい! これで一安心ですね。迷子の果林さんは部室で見つかりました……と」スッスッ

147: 2025/01/30(木) 20:54:09 ID:???00
果林「もう、迷子じゃないわよ。せつ菜の今日のコーディネートがちょっと気になってこっそり映画館まで行こうとしたんだけど……途中で素敵なコスメショップを見つけて寄り道してしまって」

果林「それから方向感覚が狂って気が付いたらここにいたの」

せつ菜「それを迷子と言うのでは……でも果林さんらしいですね。見つかってよかったです!」ホッ

果林「ふふ、ありがとう。でもせつ菜、少し浮かない顔をしてるわね? 侑と何かあったのかしら」

せつ菜「いえ、そんなことは……」アセッ

果林「嘘はだめよ。ほら、座って。話を聞くわ」

148: 2025/01/30(木) 20:54:55 ID:???00
せつ菜「……果林さん」

果林「お姉さんになんでも話してごらんなさい?」

せつ菜「う……その」

せつ菜「実は……色々あって侑さんと映画を観終わって、次にどこ行こうかという話をしている時に果林さんが迷子になったと知りまして」

せつ菜「私、侑さんが果林さんを探すって言った時、一瞬だけ……本当に一瞬ですが、『せっかくのデートが中断してしまうのが嫌だな』と思ってしまって……」

149: 2025/01/30(木) 20:55:43 ID:???00
果林「それで?」

せつ菜「大切な仲間が迷子になっているのに、そんな自分勝手なことを思ってしまった自分が許せなくて……! いたたまれなくなってっ……! それで侑さんたちから離れて、一人で行動する言い訳として学校に来たんです……!」グスッ

果林「なるほどね……」

せつ菜「ごめんなさい……私、最低ですよね」ポロポロ

果林「そんなことないわ」

せつ菜「えっ……」

果林「恋ってそういうものでしょ?」

150: 2025/01/30(木) 20:56:27 ID:???00
せつ菜「恋……//」

果林「侑ことが好きだから、少しでも一緒にいたいと思ったのでしょう? それが自然な感情じゃないかしら」

せつ菜「でも、仲間のことを後回しにするような……」

果林「誰も仲間のことを後回しにしているなんて思わないわよ。実際、ちゃんとこうして私を探して、見つけてくれたじゃない」ニコッ

せつ菜「果林さん……」グスッ

果林「自分の気持ちに素直になれば良いのよ。恋をしているせつ菜、とても素敵よ」

152: 2025/01/30(木) 20:58:26 ID:???00
せつ菜「あぅ……//」

果林「応援してるわ。それにデートコーデ、バッチリ似合ってるわよ。すごく可愛いわ」

せつ菜「果林さん……コーディネートのアドバイスも、今日のことも本当にありがとうございます」グスッ

果林「いいのよ。さ、泣くとせっかくの可愛いお顔が台無しになるわよ」フフッ

せつ菜「ふふっ……はい!」ゴシゴシ

153: 2025/01/30(木) 21:44:57 ID:???00
ザワザワ
ドタバタ!
ガラガラッ

エマ「果林ちゃん!」

果林「エマ。ごめんなさい。心配かけたわね」

エマ「もう、ひとりで出かけるときは声かけてね?」

しずく「部室にいたとは。灯台下暗しですね!」

エマ「せつ菜ちゃん、果林ちゃんを見つけてくれてありがとう」

せつ菜「いえいえ、偶然でしたので」

侑「せつ菜ちゃん、ナイス!」グッ

せつ菜「あ、侑さん//」

154: 2025/01/30(木) 21:45:49 ID:???00
果林「せつ菜」ウインク

せつ菜「あの! ゆ、侑さん!」

侑「ん?」 

せつ菜「……今度、侑さんに伝えたいことがありまして」

しずく「!?」

侑「え? いいけど、今じゃダメなの?」

せつ菜「今は歩夢さんがイギリスに留学中ですから。ちゃんと帰ってきてから、筋を通してからにしようと思います」

侑「うーん? よくわからないけど、楽しみにしてるね!」

155: 2025/01/30(木) 21:46:19 ID:???00
しずく「え、えええ// これは大事件の予感では!?」ヒソヒソ

果林「ふふ、どうでしょうね?」


せつ菜「ふう! とりあえずデートの続きに行きましょう! 侑さん!」

侑「うん!」

せつ菜(うおおおおおおおおおお!!!///)






おわり

156: 2025/01/30(木) 21:46:34 ID:???00
読んでくれてありがとうございました!

引用: ゆうせつデート事件【SS】