1: 2020/02/03(月) 22:36:07 ID:dOwLN0/30.net
子供「鬼は外~!」豆ポイポイ

鬼幼女「あぅ…やめてよぉ……」ぐすっ

俺「>>3」

3: 2020/02/03(月) 22:36:42 ID:1jjNPJKIa.net
節分かぁ

4: 2020/02/03(月) 22:37:53 ID:dOwLN0/30.net
俺「そういえば節分かぁ」

子供「あ、おっさんこいつ追い払うの手伝ってくれよ」

鬼幼女「うぅ…」

俺「>>6」

6: 2020/02/03(月) 22:38:16 ID:+BsY0sxs0.net
鬼だろ

9: 2020/02/03(月) 22:40:53.002 ID:dOwLN0/30.net
俺「おいお前」

鬼幼女「っ……」びく

俺「鬼だろ。鬼は豆投げられたら潔く家に帰るのが様式美だろうが」

鬼幼女「ふぇぇぇん」だっだっだっ

子供「うぇーい」ハイタッチ

俺「うぇーい」ハイタッチ

子供「おっさん使えるな。俺らと一緒にもっと鬼追い払おうぜ」

俺「おう」

10: 2020/02/03(月) 22:43:30.138 ID:dOwLN0/30.net
子供「追い払うぜ」ツカツカ

俺「さて鬼は」ツカツカ

鬼幼女の父「おいそこのお前ら」

俺「!?」

子供「ヒッ!?」

鬼幼女の父「娘が世話になったみたいだな」

俺(で、でけぇ)

子供「お、おいおっさんなんとかしてくれよ!」

俺「>>12

12: 2020/02/03(月) 22:44:56.295 ID:oq5jnFfm0.net
うん

14: 2020/02/03(月) 22:48:01 ID:dOwLN0/30.net
俺「うん」

子供「頼もしいぜ!」

俺「おいおい鬼が何言ったんだ? あんたらの種族は生まれたときからこの日は豆投げられるって決まってんだよ。文句があるなら大人しく家に引きこもって蕎麦でもすすってろや」

子供「言ったれ言ったれ!」

鬼幼女の父「>>16」

16: 2020/02/03(月) 22:49:23 ID:idT6Tarj0.net
だが泣くまでやる必要はないだろう

18: 2020/02/03(月) 22:53:49 ID:dOwLN0/30.net
鬼幼女の父「だが泣くまでやる必要はないだろう」

俺「それは投げられてすぐ帰らなかったお宅の娘さんが悪いのでは???」

子供「そーだそーだ!」

鬼幼女の父「なんてことだ。人間がこんなに心無い種族だとは思わなかった……娘は、娘はただ公園で仲良く砂場遊びがしたかっただけなのに……」グス

19: 2020/02/03(月) 22:53:58 ID:dOwLN0/30.net
俺「あ、鬼が泣いてら」

子供「ヒイラギが刺さったんじゃないの?」

俺「ハハッ、ちげえねえ」

鬼幼女の父「……」ツカツカ

俺「よっしゃ追い払ったぜ!」

子供「うぇーい」ハイタッチ

俺「うぇーい」ハイタッチ

22: 2020/02/03(月) 23:00:11 ID:dOwLN0/30.net
~ 数日後 ~

ニュースキャスター「ニュースです。最近SNSのある投稿が鬼種の皆さんの間で話題になっています」

『何も悪くない娘が泣くまで豆を投げつけられたという。いくらなんでもやり過ぎじゃないか。人種の心を疑う』

ニュースキャスター「Twitterに投稿されたこの呟きは何万リツイートもされ一部の場所では差別ではないかとデモ活動がなされ……」

23: 2020/02/03(月) 23:00:26 ID:dOwLN0/30.net
俺「鬼が何言ってんだか」

ピンポーン

俺「んぁ?」ガチャ

マスコミ「貴方が差別的発言をした俺さんですね?」

「今回の件についてどのような」
「人種のイメージ低下に繋がりますよね?」
「この件についてどう責任を」

俺「う、うわっ! なんなんだあんたら!」

俺(く、くそどうすりゃいいんだ!>>25)

25: 2020/02/03(月) 23:02:43.998 ID:jb1oTKBy0.net
あっあっ

26: 2020/02/03(月) 23:05:15.979 ID:dOwLN0/30.net
俺「あっあっ……えと、その……」

「おっさん!!! こっち!!!」

俺「!」

「うわ! なんだこのガキ!」「なんだなんだ」

子供「はやく! こっち!」腕ひっぱり

俺「お前!」ダッダッダッ

子供「話は後だ! 秘密基地行くぞ!」ダッダッダッ

「待ってください!」
「話はまだ終わってませんよ!」

27: 2020/02/03(月) 23:06:51.860 ID:dOwLN0/30.net
~ 秘密基地 ~

俺「ハァ、ハァ……やっと逃げ切れた。助かった」

子供「いいよこの前は俺の方が助けられたし。ここなら暫くはバレないだろうけど……おっさんこれからどうするつもりなんだ?」

俺「>>29

29: 2020/02/03(月) 23:07:31.768 ID:idT6Tarj0.net
取り敢えず炎上を何とかする

30: 2020/02/03(月) 23:11:03.386 ID:dOwLN0/30.net
俺「取り敢えず炎上を何とかする」

子供「どうやって」

俺「大体おかしいと思わねえか? 別に節分って文化を生み出したのは俺たちじゃねえだろ。それこそ別の場所では鬼のおっさんが幼稚園やら小学校やらで雇われてたりするんだ」

子供「たしかに。俺のとこも来たよ」

俺「そういう文化を逆にビジネスにしてる鬼を味方につける。知り合いにそういう鬼のおっさんがいるんだ。頼んでみる」

31: 2020/02/03(月) 23:12:31 ID:dOwLN0/30.net
コンコン

鬼のおっさん「へいへい……ってなんだお前さんか」

俺「おっさん! とりあえず中に入れてくれ!」

子供「頼むよ!」

鬼のおっさん「はあ? まあ、いいけどよ」

俺「あざっす」

32: 2020/02/03(月) 23:15:11 ID:dOwLN0/30.net
鬼のおっさん「で、話ってなんだ」

俺「実は今差別問題で話題になってるツイートの原因……多分俺なんだ」

鬼のおっさん「は!?」

俺「で、節分がなくなったら毎年それ関連で何件か回ってるおっさんの収入源がいくらかなくなっちまうだろ? だから力を貸してくれねーか。その、同業者を集めるとかさ!」

鬼のおっさん「>>34」

34: 2020/02/03(月) 23:16:20 ID:T859yjs+0.net
おう任せろ

36: 2020/02/03(月) 23:19:37 ID:dOwLN0/30.net
鬼のおっさん「おうそういうことなら任せろや」

俺「おっさん!」

友達「ありがとう!」

~ 数時間後 ~

鬼のおっさん「で、作戦会議だが」

鬼じじい「なんかマスコミが鬼向けにインタビューしてるらしいな」

ハゲ鬼「そこで今回の件がマシになる発言をするとかか?」

鬼のおっさん「いや、俺らだけそうしたところでそこはテレビじゃカットされるだけだな」

鬼じじい「それもそうだな。じゃあどうしろってんで」

鬼のおっさん「>>38」

38: 2020/02/03(月) 23:20:37 ID:ncQ/nHeV0.net
ハラキリ

40: 2020/02/03(月) 23:26:09.621 ID:dOwLN0/30.net
鬼のおっさん「そりゃもうハラキリよ」

鬼ハゲ「え゛、、」

鬼のおっさん「毎年結構な額貰ってんだ。これがなくなりゃどの道ハラキリ……なら今ハラキリ覚悟でどうにか節分って文化を残してくれと頼むしかねえだろ」

鬼じじい「アンタ……本物の漢だ」

41: 2020/02/03(月) 23:36:54 ID:dOwLN0/30.net
~ 数日後 ~

「ん? 何だこの人だかり」 「何かあんの?」
「おい、あの鬼のおっさん街中で切腹するってよ」
「マジかよ!?」

\パシャ/ \カシャ/

鬼のおっさん「えー我々のように節分がなくなってしまうと腹を切るしかなくなる立場の鬼もいるのです。だから愛すべき全ての同族の皆さん……今回この文化によってできた種族間の亀裂を修復できるのもまたこの文化だということに気づいて欲しいのです」

鬼のおっさん「本来人間と我々には圧倒的力量差があります。その気になれば人種なんて成人男性でも簡単に殺めてしまえるほどの力量差です。本来我々は避けられて然るべき存在なのです。
そんな恐怖の対象である我々がこの社会で生きていけるのはやはりこの文化が生んだ温かな触れ合いがあったからこそです」

鬼のおっさん「だからこれからも豆をぶつけてもらうことで我々は怖くない存在だと分かってもらおうではありませんか。本来ならば石をぶつけられても仕方がないのですから」

鬼のおっさん「そして人間の皆さん、豆をぶつけて我々が怖くない存在だと分かってもらえたなら……どうかその後は我々と共に仲良く蕎麦と恵方巻きを食べてもらえないでしょうか。それが、我々の鬼種の願いです」

\パチパチパチ/

43: 2020/02/03(月) 23:39:14 ID:dOwLN0/30.net
俺「……おっさん」

子供「あの、おっさん……本当にいい鬼なんだな」

俺「俺たちも鬼に対する考えを改める必要があるな」

こうしておっさんの演説はSNSで広く拡散され今回の件を終幕へと導いてくれた

44: 2020/02/03(月) 23:43:55 ID:dOwLN0/30.net
~ 数日後 ~

ピーンポーン

鬼幼女の父「はい……なッ!? 君は……」

子供「あの、その、、鬼幼女ちゃんと遊びたくて」

鬼幼女「……?」そっー

子供「いや、えっと……今日じゃなくてもいいんだ! また公園に来てくれよ! そしたら今度は砂場で遊ぼうぜ! 絶対来いよ! 約束だかんな! 」ダッダッダッ

鬼幼女「……うん!」手ふりふり

鬼幼女の父「!」

鬼幼女の父(本当に、本当によかった)

45: 2020/02/03(月) 23:44:06 ID:dOwLN0/30.net
おわり

46: 2020/02/04(火) 00:12:36 ID:FJc4F0Ly0.net

引用: 子供「鬼だ!豆投げろ!」 鬼幼女「うぅ…いたいよ~」 俺「!」