275: 2006/07/27(木) 09:46:01.51 ID:idgZ9/Fi0
情報の渦。
【わたし】は【わたしたち】と共にここにいる。
――全ては終ったこと。涼宮ハルヒはただの人間になった。
そう、涼宮ハルヒが持っていた能力は全て消えた。
――彼女はもう、観測対象ではない。
そう、価値は無い。観測する意味を見出せない。
でも、わたしのわたしが感じられないわたしの奥の部分に、残るわずかな感じ。
――【わたしたち】は情報であり、『奥』などといった概念は無い。
情報と名のつくあらゆるものを知るのがわたしたち。
でも。
――帰りたい?
その疑問を持つことが無意味。【わたし】は【わたしたち】でもあるのだから。
もう全ては終っている。
――でも、帰りたい?
帰るというのは不適切。【わたし】の存在すべき場所はここ。
【わたし】は【わたしたち】と共にここにいる。
――全ては終ったこと。涼宮ハルヒはただの人間になった。
そう、涼宮ハルヒが持っていた能力は全て消えた。
――彼女はもう、観測対象ではない。
そう、価値は無い。観測する意味を見出せない。
でも、わたしのわたしが感じられないわたしの奥の部分に、残るわずかな感じ。
――【わたしたち】は情報であり、『奥』などといった概念は無い。
情報と名のつくあらゆるものを知るのがわたしたち。
でも。
――帰りたい?
その疑問を持つことが無意味。【わたし】は【わたしたち】でもあるのだから。
もう全ては終っている。
――でも、帰りたい?
帰るというのは不適切。【わたし】の存在すべき場所はここ。
276: 2006/07/27(木) 09:46:34.79 ID:idgZ9/Fi0
>>275
――全ては終った。情報は書き換えられた。彼らの記憶から、【わたし】は最初から存在しない。
…。
――帰る意味は無い。
でも…。
――帰りたい?
全ての可能性を試した結果。全ては収束した。
全てを行動し、全てをやりなおし、そして最後の結果。
全ては終った。
――でも。
ひとつだけ、奥に残る…言語化できない。
――『こころのこり』。
【わたしたち】に『こころ』はあるのか。
――こころの定義は曖昧。主観による。
――全ては終った。情報は書き換えられた。彼らの記憶から、【わたし】は最初から存在しない。
…。
――帰る意味は無い。
でも…。
――帰りたい?
全ての可能性を試した結果。全ては収束した。
全てを行動し、全てをやりなおし、そして最後の結果。
全ては終った。
――でも。
ひとつだけ、奥に残る…言語化できない。
――『こころのこり』。
【わたしたち】に『こころ』はあるのか。
――こころの定義は曖昧。主観による。
277: 2006/07/27(木) 09:46:57.72 ID:idgZ9/Fi0
>>276
『こころのこり』というのなら…。
――彼のこと。
彼女がそう呼んでいた様に、わたしもそう呼んでみたい。
――もう、【わたし】は【わたしたち】の元へ帰っては来られなくなる。
【わたし】はなにに?
――【わたし】は【あなた】になる。
さようなら、【わたしたち】。
――さようなら【あなた】。
『こころのこり』というのなら…。
――彼のこと。
彼女がそう呼んでいた様に、わたしもそう呼んでみたい。
――もう、【わたし】は【わたしたち】の元へ帰っては来られなくなる。
【わたし】はなにに?
――【わたし】は【あなた】になる。
さようなら、【わたしたち】。
――さようなら【あなた】。
278: 2006/07/27(木) 09:47:18.82 ID:idgZ9/Fi0
>>277
白昼夢?
ぼんやりとした感覚。でも、何か心地よいものにひたされていたような感覚。
わたしが一番安心するもののなかに、わたしの全体が包まれていたような感覚。
そこから目が覚めた。
いつものSOS団の部室。本当は文芸部室。
笑いながら語りかけてくるのは…涼宮ハルヒ。
「ほら見てよ有希、キョンったらさっきからおかしいの。入ってくるなり『長門が消えちまった!長門が!長門が!』って。しかも泣いてるのよ?」
「なっ!?べ、べつに無いてなんかいないぞ。ただちょっと力みすぎただけだ」
「いやいや、あれはずいぶん感極まってたわ。悪い夢でも見たの?有希ならさっきからそこにいるじゃない」
「…だよな、なんで俺、そんなふうに思っちまってたんだ?」
「あたしに聞かないでよ」
―ああ、そうか。わたしがいない間、彼だけはわたしを覚えていてくれたのだ。
唐突に、そんな想いが浮かぶ。
なぜそんなことを想ったのだろう。
わたしはさっきからここにいた。
ここで、いつものように本を読んでいた。
だけど…。
白昼夢?
ぼんやりとした感覚。でも、何か心地よいものにひたされていたような感覚。
わたしが一番安心するもののなかに、わたしの全体が包まれていたような感覚。
そこから目が覚めた。
いつものSOS団の部室。本当は文芸部室。
笑いながら語りかけてくるのは…涼宮ハルヒ。
「ほら見てよ有希、キョンったらさっきからおかしいの。入ってくるなり『長門が消えちまった!長門が!長門が!』って。しかも泣いてるのよ?」
「なっ!?べ、べつに無いてなんかいないぞ。ただちょっと力みすぎただけだ」
「いやいや、あれはずいぶん感極まってたわ。悪い夢でも見たの?有希ならさっきからそこにいるじゃない」
「…だよな、なんで俺、そんなふうに思っちまってたんだ?」
「あたしに聞かないでよ」
―ああ、そうか。わたしがいない間、彼だけはわたしを覚えていてくれたのだ。
唐突に、そんな想いが浮かぶ。
なぜそんなことを想ったのだろう。
わたしはさっきからここにいた。
ここで、いつものように本を読んでいた。
だけど…。
279: 2006/07/27(木) 09:47:34.70 ID:idgZ9/Fi0
>>278
―彼が、わたしを覚えていてくれた。それが嬉しい。
…そう思えた。
そして、嬉しく思ったことが嬉しかった。
それはまるで、初めて『嬉しい』をいう感情を表せたことを、喜ぶように。
―彼は、わたしを忘れないでいてくれた。
その想いは、多分すぐに記憶の中から薄れていってしまうだろう。
それくらい希薄で、根拠の無い想い。
だけど、わたしは彼にこう言った。
「ありがとう、キョン…くん」
笑顔から、一気にぽかんとした表情になる彼女。
まだ潤んだ目で、驚いたようにわたしを見る彼。
そんな二人に、わたしは微笑んだ。
fin
―彼が、わたしを覚えていてくれた。それが嬉しい。
…そう思えた。
そして、嬉しく思ったことが嬉しかった。
それはまるで、初めて『嬉しい』をいう感情を表せたことを、喜ぶように。
―彼は、わたしを忘れないでいてくれた。
その想いは、多分すぐに記憶の中から薄れていってしまうだろう。
それくらい希薄で、根拠の無い想い。
だけど、わたしは彼にこう言った。
「ありがとう、キョン…くん」
笑顔から、一気にぽかんとした表情になる彼女。
まだ潤んだ目で、驚いたようにわたしを見る彼。
そんな二人に、わたしは微笑んだ。
fin
280: 2006/07/27(木) 09:48:22.86 ID:idgZ9/Fi0
シリアス初めて書いたけどテラムズカシス(´・ω・`)
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