443: 2018/10/14(日) 23:54:59.73 ID:Gv1G/bQC.net
「くそ!なぜここに魔物が!」
「王女様!危ないっ!」
梨子「っ!」
ザシュッ!!
梨子「…………?」
曜「大丈夫?怪我はない?」
梨子「……は、はい///」
曜「間に合ってよかった」
曜「この辺は魔物が出て危ないから、安全なところまで送るよ」
「おい!その方から離れろ!」チャキ
「王女様!危ないっ!」
梨子「っ!」
ザシュッ!!
梨子「…………?」
曜「大丈夫?怪我はない?」
梨子「……は、はい///」
曜「間に合ってよかった」
曜「この辺は魔物が出て危ないから、安全なところまで送るよ」
「おい!その方から離れろ!」チャキ
444: 2018/10/14(日) 23:55:39.05 ID:Gv1G/bQC.net
曜「その馬車の紋章、敵国の……」
「聞こえないのか!」
梨子「やめてください」
梨子「この方は、私の命の恩人なのですよ?」
「……分かり、ました」スッ
梨子「申し訳ありません、助けていただいたのに」
曜「別にいいよ」
梨子「あの、よければお礼をさせてください」
曜「お礼なんていらないよ。困っている人を助けるのが騎士の役目だから」
曜「それに、貴族……だよね?敵国の騎士といるのは見られないほうがいいでしょ」
梨子「それは……」
曜「それじゃあ、さようなら」
梨子「っ、待ってください!」
梨子「せめて、お名前だけでも」
曜「曜、だよ」
曜「平和になったらまた会おうね」
梨子「……はい」
「聞こえないのか!」
梨子「やめてください」
梨子「この方は、私の命の恩人なのですよ?」
「……分かり、ました」スッ
梨子「申し訳ありません、助けていただいたのに」
曜「別にいいよ」
梨子「あの、よければお礼をさせてください」
曜「お礼なんていらないよ。困っている人を助けるのが騎士の役目だから」
曜「それに、貴族……だよね?敵国の騎士といるのは見られないほうがいいでしょ」
梨子「それは……」
曜「それじゃあ、さようなら」
梨子「っ、待ってください!」
梨子「せめて、お名前だけでも」
曜「曜、だよ」
曜「平和になったらまた会おうね」
梨子「……はい」
445: 2018/10/14(日) 23:56:11.17 ID:Gv1G/bQC.net
~数年後~
「やっと捕らえたか」
「これで形勢は一気に我等に傾くだろうな」
曜「っ……」ジャラ
「こいつのせいで、沢山の仲間が犠牲になったんだ!」
「拷問の許可は出てるんだ、沢山酷い目に合わせてやろうぜ」
「おい、命令は忘れんなよ?」
「ああ、王都に入るための秘密の抜け道か」
「さっさと答えろ!」
曜「……言わない。絶対に」
「自分の立場が分かってねーようだな」
「やっぱり先に心を折ってやろうぜ」
曜「っ……!」
「やっと捕らえたか」
「これで形勢は一気に我等に傾くだろうな」
曜「っ……」ジャラ
「こいつのせいで、沢山の仲間が犠牲になったんだ!」
「拷問の許可は出てるんだ、沢山酷い目に合わせてやろうぜ」
「おい、命令は忘れんなよ?」
「ああ、王都に入るための秘密の抜け道か」
「さっさと答えろ!」
曜「……言わない。絶対に」
「自分の立場が分かってねーようだな」
「やっぱり先に心を折ってやろうぜ」
曜「っ……!」
446: 2018/10/14(日) 23:57:03.10 ID:Gv1G/bQC.net
梨子「っ、だめ!」
「お、王女様!?どうしてここに!?」
梨子「彼女の身柄は、私が預かります」
梨子「だから、酷いことをしてはいけません」
「し、しかし俺たちも命令で」
梨子「わ、私に逆らうんですか!?」
「っ、す、すいません」
「おまえら!いくぞ!」
タタタ
「お、王女様!?どうしてここに!?」
梨子「彼女の身柄は、私が預かります」
梨子「だから、酷いことをしてはいけません」
「し、しかし俺たちも命令で」
梨子「わ、私に逆らうんですか!?」
「っ、す、すいません」
「おまえら!いくぞ!」
タタタ
447: 2018/10/14(日) 23:57:35.11 ID:Gv1G/bQC.net
梨子「大丈夫ですか、曜様?」
曜「ありがとう……ってなんで私の名前を」
梨子「……見覚え、ありませんか?」
曜「……あ!昔、森の中であった」
曜「え、でも王女って」
梨子「はい。私は、この国の王女です」
梨子「あの時は助けていただき、本当にありがとうございました」
曜「ううん、こちらこそありがとう」
曜「でも、私を庇わないほうがいいよ」
曜「そのせいで罰を受ける可能性もあるんだから」
梨子「構いません」
梨子「絶対に、曜様は私がお守りします」
曜「…………」
曜「ありがとう……ってなんで私の名前を」
梨子「……見覚え、ありませんか?」
曜「……あ!昔、森の中であった」
曜「え、でも王女って」
梨子「はい。私は、この国の王女です」
梨子「あの時は助けていただき、本当にありがとうございました」
曜「ううん、こちらこそありがとう」
曜「でも、私を庇わないほうがいいよ」
曜「そのせいで罰を受ける可能性もあるんだから」
梨子「構いません」
梨子「絶対に、曜様は私がお守りします」
曜「…………」
448: 2018/10/14(日) 23:58:00.92 ID:Gv1G/bQC.net
カクン
梨子「っ!」ヘタリ
曜「どうしたの!?」
梨子「ご、ごめんなさい……足が……震えてて……」
曜「無茶、するから」
曜(私を庇うのにも、勇気が必要だったんだよね)
曜(兵士たちの前に立つだけでも怖かったはずなのに)
曜「……ありがとう」
梨子「っ!」ヘタリ
曜「どうしたの!?」
梨子「ご、ごめんなさい……足が……震えてて……」
曜「無茶、するから」
曜(私を庇うのにも、勇気が必要だったんだよね)
曜(兵士たちの前に立つだけでも怖かったはずなのに)
曜「……ありがとう」
449: 2018/10/14(日) 23:58:34.60 ID:Gv1G/bQC.net
曜「でも、こんなことして王女様は本当に大丈夫なの?」
梨子「…………」
曜「あれ?どうしたの?」
梨子「王女様って呼び方は、いやです」
梨子「梨子って呼んでください」
曜「でも、私は捕虜だし」
梨子「呼んでください」
曜「……ふふ、変なところで頑固なんだから」
曜「梨子ちゃん」
梨子「っ///」
曜「それじゃあ、私のことも様付けはやめてほしいな」
梨子「……よ、曜、ちゃん///」
梨子「…………」
曜「あれ?どうしたの?」
梨子「王女様って呼び方は、いやです」
梨子「梨子って呼んでください」
曜「でも、私は捕虜だし」
梨子「呼んでください」
曜「……ふふ、変なところで頑固なんだから」
曜「梨子ちゃん」
梨子「っ///」
曜「それじゃあ、私のことも様付けはやめてほしいな」
梨子「……よ、曜、ちゃん///」
450: 2018/10/14(日) 23:59:36.23 ID:Gv1G/bQC.net
曜「梨子ちゃん、また来たの?」
梨子「はい。毎日来ると、言いましたよね?」
梨子「曜ちゃんが酷いことされないように、ちゃんと守りますから」
曜「……危なくなったら、すぐに私を切り捨てて」
梨子「いやです」
曜「梨子ちゃん、これは真剣に言ってるんだよ」
梨子「私も真剣です」
曜「……お付きの人も困ってるよ」
「い、いえ私は……」
梨子「はい。毎日来ると、言いましたよね?」
梨子「曜ちゃんが酷いことされないように、ちゃんと守りますから」
曜「……危なくなったら、すぐに私を切り捨てて」
梨子「いやです」
曜「梨子ちゃん、これは真剣に言ってるんだよ」
梨子「私も真剣です」
曜「……お付きの人も困ってるよ」
「い、いえ私は……」
451: 2018/10/15(月) 00:00:08.47 ID:E6zgZC2b.net
梨子「これが、曜ちゃんのご飯?」
梨子「これじゃあ栄養が足りなくて氏んでしまいます」
梨子「作り直してください」
「し、しかし、捕虜の食事は決まっておりますから」
梨子「分かりました」
梨子「それでは、私も曜ちゃんと同じ料理をお願いします」
梨子「それ以外は口にしません」
「す、すぐに作り直させます!」
梨子「これじゃあ栄養が足りなくて氏んでしまいます」
梨子「作り直してください」
「し、しかし、捕虜の食事は決まっておりますから」
梨子「分かりました」
梨子「それでは、私も曜ちゃんと同じ料理をお願いします」
梨子「それ以外は口にしません」
「す、すぐに作り直させます!」
452: 2018/10/15(月) 00:00:36.88 ID:E6zgZC2b.net
曜「梨子ちゃんって、思ったより意思が強いんだね」
梨子「……そういう子は、嫌いですか?」
曜「ううん。そんなことないよ」
曜「ただ、意外だなって」
曜「梨子ちゃん、大人しそうだもん」
梨子「……だって、曜ちゃんが可哀想じゃないですか」
曜「うーん、でも私は捕虜だからさ」
梨子「そんなの、関係ありません」
梨子「曜ちゃんにこんな酷いことするなんて……」
梨子「……そういう子は、嫌いですか?」
曜「ううん。そんなことないよ」
曜「ただ、意外だなって」
曜「梨子ちゃん、大人しそうだもん」
梨子「……だって、曜ちゃんが可哀想じゃないですか」
曜「うーん、でも私は捕虜だからさ」
梨子「そんなの、関係ありません」
梨子「曜ちゃんにこんな酷いことするなんて……」
453: 2018/10/15(月) 00:01:10.33 ID:E6zgZC2b.net
梨子「あ!いいことを思いつきました」
曜「いいこと?」
梨子「はい。曜ちゃんが、私の騎士になればいいんです」
梨子「そうすれば、曜ちゃんもちゃんとした暮らしがおくれますよね」
「……姫様、それは曜様に失礼ですよ」
梨子「え?」
曜「ありがたいけど……だめだよ」
曜「私は自分の国を裏切れないから」
梨子「ぁ……わ、私は……そんな意味で言ったわけでは……」
曜「うん。分かってるよ。だから、ありがとう」
曜「そういう気持ちだけでも、嬉しいから」
曜「いいこと?」
梨子「はい。曜ちゃんが、私の騎士になればいいんです」
梨子「そうすれば、曜ちゃんもちゃんとした暮らしがおくれますよね」
「……姫様、それは曜様に失礼ですよ」
梨子「え?」
曜「ありがたいけど……だめだよ」
曜「私は自分の国を裏切れないから」
梨子「ぁ……わ、私は……そんな意味で言ったわけでは……」
曜「うん。分かってるよ。だから、ありがとう」
曜「そういう気持ちだけでも、嬉しいから」
454: 2018/10/15(月) 00:01:38.28 ID:E6zgZC2b.net
タタタタ
梨子「曜ちゃん、大丈夫!?」
梨子「怪我してない!?痛いところは!?」
曜「り、梨子ちゃん!?いきなりどうしたの!?」
「王女様、お待ちください!」
「申し訳ありません、曜様。授業内容のせいでご迷惑を」
梨子「曜ちゃんの国は、王様が悪い人でみんなを虐めてたんでしょ?」
梨子「それじゃあ曜ちゃんも酷いことされてるかもしれないもん!」
「王女様!失礼ですよ!」
梨子「曜ちゃん、大丈夫!?」
梨子「怪我してない!?痛いところは!?」
曜「り、梨子ちゃん!?いきなりどうしたの!?」
「王女様、お待ちください!」
「申し訳ありません、曜様。授業内容のせいでご迷惑を」
梨子「曜ちゃんの国は、王様が悪い人でみんなを虐めてたんでしょ?」
梨子「それじゃあ曜ちゃんも酷いことされてるかもしれないもん!」
「王女様!失礼ですよ!」
455: 2018/10/15(月) 00:02:39.26 ID:E6zgZC2b.net
曜「そんなことないよ。私は酷いことされてないもん」
梨子「本当に?村の人たちも、酷いことされてない?」
曜「うん。もちろ……」
曜(……されて、ない?)
曜(本当に?)
曜(国を回った時、村の人の様子はどうだったっけ?)
曜(貧しそうにしてる人も……いた)
曜(私たちを見ると、酷く怯えた表情をしてる人も)
曜(……それに、王様の悪い噂も聞いたことがある)
梨子「本当に?村の人たちも、酷いことされてない?」
曜「うん。もちろ……」
曜(……されて、ない?)
曜(本当に?)
曜(国を回った時、村の人の様子はどうだったっけ?)
曜(貧しそうにしてる人も……いた)
曜(私たちを見ると、酷く怯えた表情をしてる人も)
曜(……それに、王様の悪い噂も聞いたことがある)
456: 2018/10/15(月) 00:03:10.78 ID:E6zgZC2b.net
梨子「どうしたの、曜ちゃん?」
曜「ううん、なんだか最近、梨子ちゃんの言葉遣いが崩れてきたなって」
梨子「あっ……ご、ごめんなさい///」
曜「いいんだよ。むしろ、そっちの方が私は嬉しいから」
梨子「本当……?」
曜「うん。梨子ちゃんとの距離が近くなった気がするからね」
梨子「……っ///」
梨子「か、帰る///」
曜「あれ、梨子ちゃん!?おーい!」
曜「ううん、なんだか最近、梨子ちゃんの言葉遣いが崩れてきたなって」
梨子「あっ……ご、ごめんなさい///」
曜「いいんだよ。むしろ、そっちの方が私は嬉しいから」
梨子「本当……?」
曜「うん。梨子ちゃんとの距離が近くなった気がするからね」
梨子「……っ///」
梨子「か、帰る///」
曜「あれ、梨子ちゃん!?おーい!」
457: 2018/10/15(月) 00:03:43.72 ID:E6zgZC2b.net
梨子「私、曜ちゃんにいろいろ酷いこと言ってたんだよね」
梨子「私の騎士になってとか、曜ちゃんの国は悪いところだ、とか」
梨子「何も知らなくて……ごめんね」
曜「謝らなくてもいいって」
曜「私のことを心配して言ってくれてるんだもん」
曜「私は嬉しいよ」
梨子「曜ちゃん……」
曜「それより、今日のご飯は何かな?」
梨子「さっき聞いたら、サンドイッチって言ってた」
梨子「曜ちゃんの大好きな、ハンバーー」
「楽しそうだな、梨子」
梨子「私の騎士になってとか、曜ちゃんの国は悪いところだ、とか」
梨子「何も知らなくて……ごめんね」
曜「謝らなくてもいいって」
曜「私のことを心配して言ってくれてるんだもん」
曜「私は嬉しいよ」
梨子「曜ちゃん……」
曜「それより、今日のご飯は何かな?」
梨子「さっき聞いたら、サンドイッチって言ってた」
梨子「曜ちゃんの大好きな、ハンバーー」
「楽しそうだな、梨子」
458: 2018/10/15(月) 00:04:33.67 ID:E6zgZC2b.net
梨子「お父様……!」
「秘密の抜け道をなかなか聞き出せないと思ったら、こんなことをしていたとはな」
「こうなれば、私が直接聞いてやろう」
梨子「曜ちゃんに、酷いことしないで!」
曜「梨子ちゃん!逃げて!」
「どけ!氏にたいのか!」
梨子「曜ちゃんを助けられないなら、私は氏にます!」
曜「だめ!私のことはいいから!」
「その女にたぶらかされたか」
「ならばその女を頃して目を覚ましてやる!」ヒュッ
曜「っ!」
ザシュッッッッッ
ビチャビチャ
曜「……え?」
梨子「……」バタッ
「秘密の抜け道をなかなか聞き出せないと思ったら、こんなことをしていたとはな」
「こうなれば、私が直接聞いてやろう」
梨子「曜ちゃんに、酷いことしないで!」
曜「梨子ちゃん!逃げて!」
「どけ!氏にたいのか!」
梨子「曜ちゃんを助けられないなら、私は氏にます!」
曜「だめ!私のことはいいから!」
「その女にたぶらかされたか」
「ならばその女を頃して目を覚ましてやる!」ヒュッ
曜「っ!」
ザシュッッッッッ
ビチャビチャ
曜「……え?」
梨子「……」バタッ
459: 2018/10/15(月) 00:05:08.21 ID:E6zgZC2b.net
曜「梨子ちゃん!?」
曜「なんで、なんで、私をかばって……!」
「ふん、馬鹿な娘だ」
曜「まだ、生きてる!」
曜「お願い!梨子ちゃんを、早く助けて!」
「そいつは後だ、お前から秘密を聞き出す方が先だ」
「それとも……抜け道の場所を教えてくれるのか?」
曜「っ!」
曜「……ます」
「なんだ?」
曜「言う!言うから!早く、梨子ちゃんを助けて!」
「……ふん。治癒室に運んでやれ」
曜「なんで、なんで、私をかばって……!」
「ふん、馬鹿な娘だ」
曜「まだ、生きてる!」
曜「お願い!梨子ちゃんを、早く助けて!」
「そいつは後だ、お前から秘密を聞き出す方が先だ」
「それとも……抜け道の場所を教えてくれるのか?」
曜「っ!」
曜「……ます」
「なんだ?」
曜「言う!言うから!早く、梨子ちゃんを助けて!」
「……ふん。治癒室に運んでやれ」
460: 2018/10/15(月) 00:05:39.59 ID:E6zgZC2b.net
~数日後~
曜「……」
曜(私は国を裏切った)
曜(もう戻ることはできない)
曜(あの日から梨子ちゃんの顔も見ていない)
曜(当然だよね、私のせいで、氏にかけたんだから)
曜(もう、私には生きてる意味がない)
曜(このまま、処刑されるのを待とう)
キィ
曜「……誰?」
「すいません、夜分に」
曜「貴女は……梨子ちゃんの……」
曜「……」
曜(私は国を裏切った)
曜(もう戻ることはできない)
曜(あの日から梨子ちゃんの顔も見ていない)
曜(当然だよね、私のせいで、氏にかけたんだから)
曜(もう、私には生きてる意味がない)
曜(このまま、処刑されるのを待とう)
キィ
曜「……誰?」
「すいません、夜分に」
曜「貴女は……梨子ちゃんの……」
461: 2018/10/15(月) 00:06:08.53 ID:E6zgZC2b.net
「お願いします!梨子様を助けてください!」
曜「助ける?どういうこと?」
「……自分のせいで、曜様に秘密を話させてしまったことを悔やんでいるんです」
「あのせいで、曜様の国は陥落しました」
「曜様に合わせる顔がないと、このところはご飯も食べずにいます」
曜「そんな……」
「虫のいい話をしているのは承知しています」
「ですが、どうか、どうか……お願いします」
曜「頭をあげてください」
曜「……私も、梨子ちゃんとお話ししたいと思っていました」
曜「助ける?どういうこと?」
「……自分のせいで、曜様に秘密を話させてしまったことを悔やんでいるんです」
「あのせいで、曜様の国は陥落しました」
「曜様に合わせる顔がないと、このところはご飯も食べずにいます」
曜「そんな……」
「虫のいい話をしているのは承知しています」
「ですが、どうか、どうか……お願いします」
曜「頭をあげてください」
曜「……私も、梨子ちゃんとお話ししたいと思っていました」
462: 2018/10/15(月) 00:06:38.33 ID:E6zgZC2b.net
曜「こんばんは、梨子ちゃん」
梨子「っ!?よ、曜ちゃん!?な、なんで……」
曜(目が真っ赤になってる)
曜(多分、ずっと泣いてたんだろうな)
梨子「……ごめん、なさい。ごめんなさい、ごめんなさい」
梨子「私のせいで、曜ちゃんに、めいわく、ぐすっ、かけて、」
曜「いいんだよ」
曜「梨子ちゃんが、無事だったんだから」
梨子「よく、ない、よ、」
梨子「なんで、そんなに優しいの?なんで、いつも許してくれるの?」
梨子「私、なんにも、曜ちゃんに、してあげて、ないのに、」
梨子「っ!?よ、曜ちゃん!?な、なんで……」
曜(目が真っ赤になってる)
曜(多分、ずっと泣いてたんだろうな)
梨子「……ごめん、なさい。ごめんなさい、ごめんなさい」
梨子「私のせいで、曜ちゃんに、めいわく、ぐすっ、かけて、」
曜「いいんだよ」
曜「梨子ちゃんが、無事だったんだから」
梨子「よく、ない、よ、」
梨子「なんで、そんなに優しいの?なんで、いつも許してくれるの?」
梨子「私、なんにも、曜ちゃんに、してあげて、ないのに、」
463: 2018/10/15(月) 00:07:08.23 ID:E6zgZC2b.net
曜「してくれてるよ」
曜「梨子ちゃんが庇ってくれたから、私はこうやって生きてるんだもん」
曜「梨子ちゃんが勇気を出してくれたから、こうして梨子ちゃんとお話しできてるんだもん」
曜「私はね、騎士失格なんだ」
曜「梨子ちゃんが切られた時、頭が真っ白になっちゃったの」
曜「そして、天秤に掛けた。梨子ちゃんと、自分の国を」
曜「……答えは、言うまでもないよね?」
梨子「曜、ちゃん」
曜「だから、私は全然気にしてないよ」
曜「もう、国も捨てて、帰る場所もないんだし」
曜「むしろ、梨子ちゃんが悲しんでる方が、辛いんだ」
梨子「……そっか」
曜「梨子ちゃんが庇ってくれたから、私はこうやって生きてるんだもん」
曜「梨子ちゃんが勇気を出してくれたから、こうして梨子ちゃんとお話しできてるんだもん」
曜「私はね、騎士失格なんだ」
曜「梨子ちゃんが切られた時、頭が真っ白になっちゃったの」
曜「そして、天秤に掛けた。梨子ちゃんと、自分の国を」
曜「……答えは、言うまでもないよね?」
梨子「曜、ちゃん」
曜「だから、私は全然気にしてないよ」
曜「もう、国も捨てて、帰る場所もないんだし」
曜「むしろ、梨子ちゃんが悲しんでる方が、辛いんだ」
梨子「……そっか」
464: 2018/10/15(月) 00:07:38.23 ID:E6zgZC2b.net
梨子「じゃあ、私が、曜ちゃんの帰る場所になる」
曜「え?」
梨子「曜ちゃん、私の騎士になって」
曜「でも……」
梨子「でも、じゃないの。私が、曜ちゃんに側にいて欲しいの」
曜「……全く、頑固なんだから」
曜「何なりとお命じください、王女様」
曜「これからは貴女の剣となります」
曜「え?」
梨子「曜ちゃん、私の騎士になって」
曜「でも……」
梨子「でも、じゃないの。私が、曜ちゃんに側にいて欲しいの」
曜「……全く、頑固なんだから」
曜「何なりとお命じください、王女様」
曜「これからは貴女の剣となります」
465: 2018/10/15(月) 00:08:27.36 ID:E6zgZC2b.net
梨子「……じゃあ、最初の命令、してもいいかな?」
曜「何?」
梨子「……ぎゅって、して」
曜「…………」
梨子「早く!」
曜「はいはい」ギュッ
梨子「……暖かい」ギュッ
梨子「最初に会った時からね、ずっとこうしたかったの」
曜「そうだったの?」
梨子「うん。……あ、今のは忘れてね。命令よ」
曜「我儘だなぁ」クスクス
梨子「……ずっと側にいてよ、曜ちゃん」
曜「もちろんだよ、梨子ちゃん」
曜「何?」
梨子「……ぎゅって、して」
曜「…………」
梨子「早く!」
曜「はいはい」ギュッ
梨子「……暖かい」ギュッ
梨子「最初に会った時からね、ずっとこうしたかったの」
曜「そうだったの?」
梨子「うん。……あ、今のは忘れてね。命令よ」
曜「我儘だなぁ」クスクス
梨子「……ずっと側にいてよ、曜ちゃん」
曜「もちろんだよ、梨子ちゃん」
466: 2018/10/15(月) 00:09:14.63 ID:E6zgZC2b.net
~玉座~
「おお、梨子、どうだった?」
梨子「ありがとう、お父様。おかげで、曜ちゃんは私のものになってくれたわ」
「そうか、よかったよかった。それでなんだか……」
梨子「はい、これからの計画。この通りにやれば内政も上手くいくわ」
「ああ、いつも助かっているよ」
「それよりも、怪我は大丈夫かい?」
梨子「このくらい必要経費よ」
梨子「馬鹿な王女のフリをして、曜ちゃんの信頼を得たんだから」
梨子「国への不信感を募らせて、裏切らせる」
梨子「ふふ、上手くいったわ」
「王女様、曜様がお呼びです」
梨子「すぐ行くわ」
梨子「ふふっ、曜ちゃん、大好きだよ」
梨子「ずっと、ずーっと、側に捕まえてあげる」
花丸「旅に出てたら国が滅んでたずら……」
千歌「新しく住むところ探さないとねー」
「おお、梨子、どうだった?」
梨子「ありがとう、お父様。おかげで、曜ちゃんは私のものになってくれたわ」
「そうか、よかったよかった。それでなんだか……」
梨子「はい、これからの計画。この通りにやれば内政も上手くいくわ」
「ああ、いつも助かっているよ」
「それよりも、怪我は大丈夫かい?」
梨子「このくらい必要経費よ」
梨子「馬鹿な王女のフリをして、曜ちゃんの信頼を得たんだから」
梨子「国への不信感を募らせて、裏切らせる」
梨子「ふふ、上手くいったわ」
「王女様、曜様がお呼びです」
梨子「すぐ行くわ」
梨子「ふふっ、曜ちゃん、大好きだよ」
梨子「ずっと、ずーっと、側に捕まえてあげる」
花丸「旅に出てたら国が滅んでたずら……」
千歌「新しく住むところ探さないとねー」
467: 2018/10/15(月) 00:19:15.98 ID:LxFA5BK9.net
ようそろ…
468: 2018/10/15(月) 00:39:33.36 ID:DMcj25D1.net
騙されたあ
469: 2018/10/15(月) 00:56:07.84 ID:GQchuzFc.net
まんまと騙されたずら…
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