1: 2014/01/30(木) 21:28:14 ID:.aUuQOuk
ミカサ「あのアニをライナーが?それは意外」

アルミン「もしそうだとして、それがどうかしたの?」

エレン「まあ聞いてくれよ。それなりに根拠はあるんだ」

アルミン「そうなんだ?ならちょっと聞いてみたいかな」
進撃の巨人(34) (週刊少年マガジンコミックス)
3: 2014/01/30(木) 21:40:51 ID:.aUuQOuk
エレン「この前の対人格闘の訓練のこと覚えてるか?」

アルミン「ライナーが空宙で二回転したあれのこと?」

エレン「ああ」

ミカサ「その時はエレンも一緒にいたけど、その時に何かあったの?」

エレン「実はな、あの時アニとやろうと言いだしたのはライナーなんだ」

アルミン「どうして?」

エレン「ライナーと兵士論?について語っててな、その後にサボってるアニを見つけたんだ。」

エレン「それで『あいつにも兵士とはなんたるかを教えてやろう』とか言って」

アルミン「それで返り討ちに?」

エレン「言うなよ。で、その会話の流れがちょっと不自然に感じてな…本当はアニと組みたかっただけなんじゃないかと」

アルミン「う~ん…根拠としては弱いんじゃないかな?」

4: 2014/01/30(木) 21:49:32 ID:.aUuQOuk
エレン「勿論それだけじゃない。そのときライナーの奴なんて言ったと思う?」

ミカサ「なんて言ったの?」

エレン「教官の頭突きでこれ以上身長を縮めたくなかったら真面目にやれってさ」

アルミン「酷い言い草だね。ライナーが本当にそんなことを?」

エレン「ああ、アニの奴すげー怒ってたぞ?いつも以上に怖い顔してた」

アルミン「アニも身長気にしてるんだね…少し意外かな」

ミカサ「ひょっとして、男の子が好きな女の子に悪口を言ってしまうあれだと?」

エレン「ああ、そう思う」

7: 2014/01/30(木) 21:56:26 ID:.aUuQOuk
アルミン「でもそれだけじゃ…エレンの勘違いって可能性の方が高いんじゃない?」

エレン「いや、それだけじゃない」

ミカサ「格闘訓練の時にまだ何かあったの?」

エレン「その日以来ライナーを観察してたんだがな、ある事に気がついて「ちょっと待って」…なんだよミカサ」

ミカサ「どうしてライナーを観察しているの…?」(まさかエレンはライナーを!?それでライナーの好きな人を気にしているの?)

エレン「さっき兵士論について語ったって言っただろ?それでライナーみたいになりたいと思ってな、ライナーが普段してることを真似ることから始めてみようと思ったんだよ」

アルミン(エレン、ズレてるよ)

8: 2014/01/30(木) 22:08:13 ID:.aUuQOuk
ミカサ「そう、それなら構わない」

アルミン「それで、ある事って?」

エレン「ライナーって交友関係広いだろ?手が空いてる時は誰かに構ってること多いんだけどさ」

エレン「アニに話しかけてる回数がコニーの次に多いんだ。女子の中だと一番だな」

アルミン「よく見てるんだね」(回数把握してるの?)

ミカサ「やっぱり心配」

エレン「何がだよ?…アニの性格は知ってるだろ?あいつ、ライナーが話しかけてきても鬱陶しそうな顔してシカトすんだよ」

エレン「その時のライナーの表情は少し悲しそうだったな」

アルミン「そりゃあ人に話しかけて無視されたら悲しいよ」

9: 2014/01/30(木) 22:14:56 ID:.aUuQOuk
エレン「それがな、ユミルにシカトされた時の表情と比べてみると結構違うんだよ。ユミルの時はあまり気にしてる様子はなかった」

エレン「ライナーがあんな表情するのはアニにシカトされた時かベルトルトと何かあった時だけなんだ」

アルミン「本当によく見てるね」(ストーカーなの?エレン)

ミカサ「エレンが心配」

エレン「心配されるようなことなんかねえよ。…で、アルミン。どう思う?」

アルミン「エレンの目と捉え方が確かなら確かにそうかもしれないね」

エレン「やっぱりそうか!」

ミカサ「それで、エレンはそれを確かめてどうしたかったの?」

10: 2014/01/30(木) 22:33:09 ID:.aUuQOuk
エレン「なあミカサ、アルミン。俺達いつもライナーに世話になってるだろ?色々と」

アルミン「うん、この間も訓練で助けてもらっちゃったな…」

ミカサ「私もこの間無くし物をした時、誰にも言っていないのに私が困っていることに気づいたライナーが探して見つけ出してくれた」

エレン「だろ?だからさ、これは恩返しをするいい機会だと思わねえか?」

ミカサ「つまり、ライナーとアニの仲を取り持とうと?」

エレン「ああ、そういうことだ」

アルミン「意外だなぁ…エレンならそんなことにうつつを抜かしてるなんてとか言いそうなものだけど」

エレン「まあな、でもライナーならその辺はしっかり割り切れると思う」

11: 2014/01/30(木) 22:34:08 ID:.aUuQOuk
エレン「それに、ライナーって時々誰もいないところですげぇ辛そうな顔すんだよ」

ミカサ(え?覗き見しているということ?)

エレン「きっといつも色んな奴に頼りにされてて疲れてるんじゃないかと思うんだ」

エレン「いや、そんな単純なことじゃねえと思うけど、近いとは思う」

エレン「アニとの仲がうまくいけばそれが安らぎになるんじゃないかと思ってな」

アルミン(エレン…いくらなんでも見過ぎじゃないか?)

13: 2014/01/30(木) 22:51:45 ID:.aUuQOuk
アルミン「どうしてエレンはライナーにそこまでしようとするの?」

エレン「そりゃあライナーのことが大好きだからな!」

ミカサ「!?」

ジャン「おいおい、アルミンの次はライナーか?氏に急ぎホ〇野郎。こりゃまた正反対のお相手だな」

エレン「何言ってんだ?アルミンは俺の親友だ!ライナーもそんなんじゃねえよ!」

ジャン「今の話を聞く限りじゃどう考えてもそうだろうが!大好きとか恥ずかしげもなく言いやがって!この氏に急ぎストーカーホ〇!」

エレン「人として尊敬してるって話だよ!この馬面!そうかよお前はライナーのこと嫌いなんだな!?」

ジャン「んなこと言ってねえだろ!お前がおかしいっつってんだよ!」

アルミン「エレン!ライナーはそんなすぐに頭に血が昇ったりしないよ!」

エレン「ぐっ!確かにそうだな…悪かったよジャン…少し興奮しすぎた」

ジャン「お、おう…まあ俺も言いすぎたな。悪い」(なんだ、張り合いねえな)

アルミン(これは使える)

14: 2014/01/30(木) 23:02:55 ID:.aUuQOuk
ミカサ(よかった、エレンは同性愛者ではないみたい)

ジャン(これじゃ俺がガキみたいじゃねえか)

ジャン「まあ、俺もライナーのことは嫌いじゃねえよ…人として尊敬するってのもわかる。今回は全面的に俺が悪かった」(恥ずかしいなこれ)

エレン「おう!そうか、お前もライナーが好きなんだな!」

ジャン「バッ!そんなんじゃねえよ!!いや、まあ…」

ミーナ「へぇ…」

ジャン「何ニヤついてんだミーナ!」

ミーナ「別に何でもないよ?」(ふふふ…なるほどねぇ)

ミカサ「今回は平和的に解決して良かった」

アルミン「これからはライナーを引き合いに出せばエレンをなだめるのが楽になりそうだね」

15: 2014/01/30(木) 23:17:00 ID:.aUuQOuk
ライナー「…」

ベルトルト「ライナー?食堂の入口の前で突っ立って何してるの?他の人の邪魔になっちゃうよ」

ライナー「ん?ああ、そうだな、すまん」

ライナー(朝っぱらから騒がしいから何かと思えば…何なんだ?俺のこと好きとかなんとか…尊敬か…小っ恥ずかしいな畜生!入りにくいじゃねぇか!)

ベルトルト「どうしたんだい?ブツブツ言って…顔赤いけど…医務室に行ったほうがいいんじゃ…」

ライナー「いや何でもない、大丈夫だ。入ろうか」

ベルトルト「そう、ならいいけど」

16: 2014/01/30(木) 23:31:15 ID:.aUuQOuk
アルミン「ところでエレン、さっきの話だけど」

エレン「ああ、なんだ?」

アルミン「もし本当にエレンの言うことが正しかったなら、僕は協力するよ。僕もライナーには何も返せていないから」

エレン「本当か!アルミンがついてくれるなら心強いな!」

アルミン「買いかぶり過ぎだよ」

ミカサ(エレンはライナーのことでアニを気にしている…残念ながら私はエレンに異性として意識されていない可能性が高い)

ミカサ(エレンは私以外の女性とあまり縁がない、つまりエレンが最も異性として意識する人はアニということになる)

ミカサ(このままではエレンがアニを好きになってしまうかもしれない…止めるべき?)

ミカサ(待って、エレンはアニをライナーの恋人にしようとしている…なら何も問題はない)

ミカサ(それに私もライナーには恩がある)

ミカサ「エレン、私も協力しよう」

17: 2014/01/30(木) 23:42:15 ID:.aUuQOuk
エレン「本当かミカサ!ありがとな!」

ミカサ「私もライナーには恩がある。ので、恩返しをしたい」

エレン「よし、じゃあ早速作戦を考えようぜ!」

アルミン「ちょっと待って、まだライナーがアニを好きだと決まったわけじゃないよ」

エレン「お前さっきそうだって言っただろ?」

アルミン「そうかもしれないって言ったんだよ。それにエレン、前に男子で恋バナをやったことがあったよね。覚えてる?」

エレン「すまん、覚えてない」

アルミン「いいよ、僕も今思い出したし」

エレン「それで、その恋バナがなんなんだ?」

18: 2014/01/30(木) 23:55:39 ID:.aUuQOuk
アルミン「そのとき、みんなで好みの女の子のタイプを言い合ったんだ」

ミカサ(エレンの好みの女の子のタイプとは一体どんななの?教えてアルミン)ボソボソ

アルミン(後でね)ボソッ

エレン「ああっ!思い出した!」

アルミン「うわっびっくりした!どうしたんだい?」

エレン「それもライナーがアニのことが好きなんじゃないかって思った理由の一つなんだ」

アルミン「え?でもライナーは確かそのとき、クリスタが好きだって言ったよね?」

エレン「いや、クリスタみたいな子がタイプだって言ったんだ。クリスタが好きとは言ってない」

アルミン「でも、それがどうアニとつながるの?」

エレン「いいか、アルミン。クリスタは綺麗な金髪で、碧い大きな目をしていて、色白で、背が低い」

エレン「つまり、アニと似ている!」

19: 2014/01/31(金) 00:03:53 ID:MHdQdjao
アルミン「そう言われてみればそうだね」

ミカサ「そういえば髪をほどいたアニをクリスタと間違えたことがある」

エレン「やっぱ似てるよな!」

アルミン「容姿に共通点は多いね。でも、性格が全然違うじゃないか」

ミカサ「もしアニが好きならアニのような子が好きだというのでは?」

エレン「ライナーは想いは内に秘めるタイプだと思うんだ。そういう場面で好きな女の子の名前を挙げるのは恥ずかしいんだと思う」

アルミン「エレンがそう言うならそうなのかもね…」

ミカサ「そうだね…」

エレン「? どうしたんだ?お前ら」

アルミン「いや、なんでもないよ!」

20: 2014/01/31(金) 00:47:05 ID:MHdQdjao
アルミン「事実はあとで確かめるとして、とりあえずライナーがアニを好きだと仮定して話を進めようか」

エレン「ああ、こればっかりは話し合いじゃわからねえしな」

アルミン「そうなると重要なのはアニの気持ちだ。アニはライナーに話しかけると鬱陶しそうな顔をして無視するらしいけど」

アルミン「もしアニがライナーを嫌っていたとしたらアニには迷惑この上ないんじゃないかな」

エレン「ライナーを嫌う奴なんているのかよ?」

アルミン「人気者を妬む人っていうのもいるんだよ。アニがそうだとは言わないけど」

エレン「そうなのか…でもライナーはモテるぞ?この一週間で二度も告白されてるからな。だからアニだって悪くは思わないだろ」

ミカサ(エレン!?どうしてそんなことまで知っているの!?)

アルミン(君は本当になんなの?ちょっと引くよ)

アルミン「まだ訓練生活が始まって半年も経ってないからね。皆から好印象を抱かれてる人はよく告白されるんじゃないかな」

アルミン「だからライナーが特別モテるというわけではないと思うよ。モテる方だとは思うけど」

21: 2014/01/31(金) 03:17:00 ID:MHdQdjao
エレン「やっぱりアニにライナーを嫌う理由なんかないだろ」

アルミン「確かに、アニはライナーが嫌いなんじゃなくて人に構われる事自体があまり好きじゃないのかもしれない」

アルミン「でもある程度親しくなればそうでもないかもしれないね」

エレン「そういや言い忘れてたが、アニもライナーを必ずシカトするわけじゃないぞ。5回に1回くらいは返事して会話になることもある」

アルミン「そうなのか、思ったより仲はいいのかな…?」

エレン「なあアルミン、どうすりゃいいと思う?」

アルミン(ライナーがアニを好きという仮説はこじつけが過ぎると思うんだけどなぁ…僕はライナーはクリスタが好きだと思うんだけど…)

アルミン(けどエレンがライナーを語ると説得力が…あれ?待てよ?)

アルミン(もしライナーがクリスタを好きだったら?それをエレンが知ったら?)

アルミン(当然エレンは標的をアニからクリスタに変えるだろう…僕も一度承諾した手前断れない…)

アルミン(そうなれば僕は皆の女神をライナーとくっつける協力をすることになる…)

アルミン(だめだ!みんなの女神が誰かとくっつくなんて!いや、でもライナーならいいかもしれない…)

アルミン(いや、だめだ!僕が良くても他の男子とユミルが黙ってない!このことが知られれば彼らからのバッシングは免れない!)

アルミン(…考えても仕方ない。あれ?そういえば…)

22: 2014/01/31(金) 03:28:58 ID:MHdQdjao
アルミン「ねえエレン、このことライナーにはまだ言ってないの?」

エレン「ライナーにこんなこと言ったって断られるだけだろうな」

アルミン「どうして?」

エレン「誰かが自分のために行動するのを阻止してるところを何度か見たよ。それじゃあ恩返しできないだろ?」

アルミン「どうしてそんなことを」

エレン「それは俺にもわからん。自分には厳しいのかもな」

ミカサ「なら、ライナーに気づかれないようにさりげなくサポートするの?」

アルミン「一気に難易度が上がったね」

23: 2014/01/31(金) 03:38:15 ID:MHdQdjao
ミーナ「それがそうでもないかもしれないよ?」

アルミン「ミーナ?どういうこと?」

エレン「いつから聞いてたんだ?」

ミカサ「最初から居た。聞き耳を立てているだけで混ざってこないから無視していたけど」

ミーナ「気づいてたんだ?流石だね、ミカサ」

ミカサ「それほどでも」

アルミン「それで、そうでもないかもしれないというのはどういうこと?」

ミーナ「私ってアニとはちょくちょく話してるんだけどね」

エレン「あいつにも友達っていたのか」

アルミン「エレン、ライナーはそんなこと言わないと思うよ」

エレン「いや、ライナーはたまに結構失礼なこと言うぞ?」

アルミン「あ、そうなんだ」(何なんだよほんとにもう)

24: 2014/01/31(金) 03:49:17 ID:MHdQdjao
ミーナ「友達と思われてるかはわからないけど他の人よりは仲いいと思うよ」

アルミン「うん、それで?ごめんね遮っちゃって」

ミーナ「いいよいいよ。それで、アニと一緒にいるときにライナーが話しかけてくることも結構あるんだよ」

エレン「そういやたまにいたな」

ミーナ「それでね、あ、ちょっと見て!アニにライナーが話しかけてるよ!」

エレン「何!?ライナーのやつもう食堂に来てたのか!?」

アルミン「……」

ミーナ「エレン、ライナーじゃなくてアニの表情を見て!きっとちゃんと見たことないでしょ?」

エレン「いつも通り鬱陶しそうな顔してるな。お、今回はシカトしてない。ライナーも嬉しそうだな!」

ミカサ「……」

エレン「会話してるな。何言ってるかはわからないが…」

ミーナ「ここで私がアニに話しかけに行くよ!よく見ててね!」

25: 2014/01/31(金) 04:12:33 ID:MHdQdjao
ミーナ「アニ!ライナー!おはよう!」

ライナー「おう、おはようミーナ」

アニ「…なに」

ライナー「おい、挨拶くらいしっかりしたらどうだ?」

アニ「煩いな、あんたは私の親かなにかなの」

ミーナ「ああ、ライナー気にしないで!この子いつもこうだから!」

ライナー「いつもそうなら尚更だろう」

ミーナ「あ、はい。そうですね」

アニ「…おはよう。あんた向こうで食べてたんじゃないの?戻りなよ」

ミーナ「あ、うん。ごゆっくり~」

ライナー「アニ、机を叩くな。指痛めるぞ」

アニ「心配しなくてもそんなにヤワじゃないよ」

26: 2014/01/31(金) 04:24:56 ID:MHdQdjao
ミーナ「どうだった?」

エレン「ミーナが話しかけた瞬間ものすごく不機嫌そうな顔をしたな」

アルミン「ちょっと」

ミーナ「いいよいいよ、事実だから。ミカサとアルミンは?」

ミカサ「机を指で叩いていた。イライラしてたみたい」

アルミン「えーっと…ごめん、その二つしかわからないや」

エレン「ライナーと会話してたときは心なしか表情が柔らかかったな」

エレン「机を指で叩いてたのはどっか行けっていう意思表示だと思うぞ」

ミーナ「あ、わかる?ていうかずっと見てたのに今気づいたの?」

エレン「いつもは殆どライナー見ててアニの方はあまり見てなかったからな。」

アルミン「その熱意をもっと別のものに向けたらどうなんだい」

エレン「ちゃんと成果はあるんだぞ?」

アルミン「例えば?」

エレン「ミカサやアルミンでもわからなかった僅かな表情の違いを見分けられる観察眼とか」

アルミン「対象がライナーである必要性がないね」

27: 2014/01/31(金) 04:39:32 ID:MHdQdjao
ミーナ「まあとにかく、アニはライナーとの会話を邪魔されて不機嫌だったわけよ」

ミカサ「アニはライナーとの会話を楽しんでいたということ?」

ミーナ「そうだろうね。そしてそれを邪魔されて激しくイラついてた。それが意味するところはなんだと思う?」

アルミン「アニはライナーに多かれ少なかれ好意を抱いている…ってことでいいのかな」

ミーナ「その通り!それなのにいつも悪態ついちゃう天邪鬼なアニに私やきもきしてたんだよね!」

ミーナ「そしたらなんとライナーはアニのことが好きで!貴方達は二人をくっつけようとしてるって言うじゃない!」

ミーナ「こりゃあこの機会を逃す手はないわね!って思ってね」

ミカサ「要するに協力してくれる、ということでいいの?」

ミーナ「うん。よろしくね!」

アルミン(あれ?何か忘れてるような…なんだろう?)

29: 2014/01/31(金) 05:04:10 ID:MHdQdjao
こんな感じでライナーとアニをくっつけようと周りばっかり盛り上がってく予定
ライアニ以外のカップリングにはならない。エレアニとか期待してたならごめん

プロローグ的な部分がやたらと長くなってしまった
次からは削れるところは削るように気をつける
エレンのキャラ崩壊が酷い
ただライナーが大好き(敬愛とか友愛的な意味で)なエレンがやりたかっただけなのに気が付いたらストーカーになってた
今更修正できないのでエレンはこのままで
アニ側にも誰か欲しいと思ったけど思いつく人がいなかったので仕方なくミーナに

ライナーとアニが主役のはずなのに出番少なすぎ

33: 2014/01/31(金) 07:24:10 ID:MHdQdjao
ミーナ「とりあえず現状を把握しないとね。アニ達の様子を見てみよっか」コソコソ

ミカサ「さり気なく、相手に気取られないように気配を消して近づき聞き耳を立てるの。いい?いえ、あなたには聞くまでもなかった」

エレン「ああ、その程度の技術、とっくに習得済みだ」コソコソ

アルミン「うん、だろうね。ところでミカサはいつの間にそんな術を?」ゴソゴソ

ミカサ「私にはごく自然に出来ること。アルミン、物音を立てすぎ、もっと体の力を抜いて」

ミーナ「二人共すごいね!私は習得に3年間はかかったのに!」コソコソ

アルミン(なんなのこの人たち)ゴソゴソ

ミカサ「ライナー達は黙々と食事をしている」

エレン「アニの奴ライナーにバレないように定期的にチラ見してるな。あんな間近でライナーを観察できるチャンスなんて滅多にない…羨ましい!」コソコソ

アルミン(人間の適応能力ってすごいな~)ゴソゴソ

34: 2014/01/31(金) 07:25:30 ID:MHdQdjao
ミカサ「どうやらアニがライナーを異性として意識しているというのは本当のよう」

ミーナ「信じてなかったの?まあいいけど。アニったらいつもそうなの。よくライナーのことチラチラ見てるんだよ」コソコソ

エレン「ほう、そいつは知らなかったな。好敵手の出現といったところか」コソコソ

アルミン(今のはライナーの口調を真似たんだろうか)ゴソゴソ

ミーナ「それなのに私に気づかれてないと思ってるの。かわいいよねっ!ほら見て、今もライナーの存在を必要以上に意識してるのが手に取るように分かる」コソコソ

アルミン(こっちにも適応するにはまだ少し時間が足りないかな~)ゴソゴソ

ミカサ「! ライナーが動く!」

35: 2014/01/31(金) 07:32:37 ID:MHdQdjao
ライナー「お前、さっきの子が来たときすごい顔したよな」

アニ「……」

ライナー「……」

アニ「…もしかして私に言ってる?」

ライナー「ああ。目は口ほどに物を言うというが、あれは本当のようだな。アニ」

アニ「…そんなに?」

ライナー「ああ、邪魔だ!って言ってたよな?あの子と仲良かったんじゃないのか?アニ」

アニ「本当にわかってるんだ。…あの子は勝手に構ってくるだけだよ。鬱陶しい…あんたと同じでね」

ライナー「だからって挨拶しに来ただけであの顔はないんじゃないか?可哀想だろう。アニ」

アニ「そんなに酷い顔してた?私。あの子は心なしか嬉しそうな顔して見えたけどね…被虐趣味でもあるんじゃない?」

ライナー「被虐趣味ねぇ。なにか悩みでも抱えてるのか?あの子。なぁ、アニ」

アニ「知らないし、あんたも無関係な面倒事に首突っ込むのやめたら?あとなんでいちいち名前呼ぶの?」

36: 2014/01/31(金) 07:57:41 ID:MHdQdjao
ミーナ「あのアニが…世間話…ですって?」コソコソ

ミカサ「そんなに珍しいことなの?」

エレン「俺と会話した時も結構喋ってたぞ?あいつ」コソコソ

アルミン「エレンが話してくれた対人格闘の時にした話?あれは世間話とは違うと思うよ」ゴソゴソ

ミーナ「アニは自分の身の上や考えや思想なんかを語るときや感情が昂ぶってる時は結構喋るけど」コソコソ

ミーナ「普段私が話しかけても基本的に『そう』か『ふ~ん』か『へえ』か『別に』しか言わない!」コソコソ

ミーナ「しかも心なしかいつもより声のトーンが高くて明るい!」コソコソ

ミーナ「アニがあんな風にお話をするのは、きっとライナーだけだわ!」コソコソ

アルミン(この子絶対に友達じゃない)ゴソゴソ

ミーナ「しかしライナーもなかなかやるわね。般若の横顔だけでアニの思考を読み取るとは」コソコソ

エレン「当たり前だろ?ライナーなんだからよ。つうかなんで上から目線なんだ?」コソコソ

アルミン「ライナーって無視されると悲しそうな顔するらしいけどキツイ事言われるのは平気なんだね」ゴソゴソ

ミーナ「あのトーンでの罵倒は愛情の裏返しなの。ライナーはわかっているから大丈夫なのよ」コソコソ

ミカサ「しっ!ライナー達の声が聞こえない」

37: 2014/01/31(金) 08:21:30 ID:MHdQdjao
ライナー「アニ、最近調子はどうだ?」

アニ「可もなく不可もなしって感じかな。…いきなり話題変えてきたね。まあいいけど」

ライナー「そうか、悪いことがないのは良いことだな。アニ」

アニ「ポジティブだね、羨ましいよ」

ライナー「アニ、今日の訓練はなんだったっけ?」

アニ「座学と技工…あと対人格闘だったかな」

ライナー「昨日の訓練は厳しかったからな、アニ。体を動かす訓練が少ないのは助かる」

アニ「対人格闘はサボれるしね」

ライナー「たまには真面目にやったらどうだ、アニ。折角素晴らしい技術を持っているのに」

ライナー「この間は気が付いたら自分の股の間から雲一つない青空を眺めていたしな。絶景だったぞありゃあ」

アニ「くっ…ふふ…真顔で冗談言わないでよ。大して面白くなくても笑っちゃう」

ライナー「冗談を言ったつもりはなかったんだけどな…」

アニ「嘘だね。あんたがそういうの好きだって知ってるよ」

38: 2014/01/31(金) 08:40:20 ID:MHdQdjao
アルミン「あのアニが…笑った…だって?」ゴソゴソ

エレン「アルミン、誰だって笑うことはあるだろうよ。驚きすぎだ」コソコソ

ミカサ「エレン、ミーナの様子を見ても、まだそんなことが言えるの…?」

ミーナ「」

エレン「…嘘だろ?」コンコン

ミカサ「完全に硬直している。あんな柔らかい笑みを見たはずなのに蛇に睨まれた蛙のよう」

アルミン「おそらくアニの笑顔なんて見たことがなかったんだろう。僕でさえ愕然としたんだ、ミーナがこうなるのも無理はない」ゴソゴソ

ミーナ「アニだって笑えるってことは知ってたの…でも、彼女は笑いそうになるとそれを必氏に耐えていつも鬼のような形相になっていた」コソコソ

エレン「復活したな」コソコソ

ミカサ「たまに一際恐い顔をしていた訳はそんな事だったの」

ミーナ「それなのに、ライナーの前では躊躇いもせずにあんなに柔らかい笑みを披露した…私の完敗だわ」コソコソホロリ

アルミン「なんの勝負?」ゴソゴソ

エレン「お前なんかがライナーと勝負になると思ってたことに愕然としたよ」コソコソ

アルミン(ワァーオ、辛辣ぅ~)ゴソゴソ

ミカサ「しっ」

39: 2014/01/31(金) 09:03:08 ID:MHdQdjao
ライナー「くくっ、否定はできんな、アニ」

アニ「私に嘘は通用しないよ」

ライナー「それにしても、やはりお前の笑顔は可愛いな。アニ」

アニ「えっ、あっ…何言って」

ライナー「嘘だ。…通用したようだな」

アニ「…最低だよ、あんた」

ライナー(おお怖い怖い)「というのが嘘だと言ったら…お前はどれを信じるかな?」

アニ「……実際のところはどうなの?」

ライナー「二回目に嘘だといったのは嘘だ」

アニ(…どうしよう泣きそう)

ライナー「おいそんな顔をするな、違うって!…笑顔だけじゃない。お前はいつだって可愛いさ」

アニ「えっ」

40: 2014/01/31(金) 09:30:29 ID:MHdQdjao
エレン「~~ッ!!」コソコソ

ミカサ「~~っ!!」

アルミン「~~ッ!!」ゴソゴソ

ミーナ「~~~~~~~~ッッッ!!!!」コソコソジタバタ

エレン「な、なんだあれ、どうしたらあんなくっさいセリフ吐けんだよ!!恥ずかしげもなく!!」ハァッハァッ

ミカサ「体が火照る…」フゥ

アルミン「聞いてるこっちが恥ずかしいよ…いや、盗み聞きしてるのが悪いんだけど」ヒィッヒィッ

アルミン「あれ…絶対付き合ってるよ…じゃなきゃあんなやり取りしないよ!」ビクッビクッ

エレン「やっぱすげえよライナー!俺も…あんなセリフをさらっと吐けるようにならなきゃいけないのか…自信なくなってきたぜ」フゥッフゥッ

アルミン(ライナーみたいになれる自身あったの?ていうかそれ関係あるの?)

ミカサ「ま、まだそうとは限らない!アニの反応を見なくては!」

エレン「そ、そうだな!ライナーが天然って可能性も…天然であれ!?無理だ!絶対真似出来ねぇ!」

ミーナ「ここっ…ひっ…食どっ…うのっ…真んなっかっ…なのっんにぃっ」ゼェッゼェッ

「あっ」

41: 2014/01/31(金) 10:01:10 ID:MHdQdjao
ライナー(俺はただ、アニとたわい無い会話をしていた。それだけだ)

ライナー(ただ、ちょっとした悪戯心で少しアニをからかっていたら悪戯を完遂する前に泣かしそうになってしまった。まったく、女を泣かしかけるなんて俺は…)

ライナー(そして泣きそうになっているアニに最後の言葉を畳み掛けたら)

ライナー(こうなった…)

エレン「~~ッ!!」
ミカサ「~~っ!!」
アルミン「~~ッ!!」
ミーナ「~~~~~~~~ッッッ!!!!」

ジャン「~~~~ッッ!!!」
コニー「~~っ!!」
マルコ「~~ッ!!」

サシャ「~~っ!!」
クリスタ「~~ッ!!」
ユミル「~~~~~~~~ッッッ!!!!」

ベルトルト「!?!!?」

ライナー(10人の人間が俺の周囲で悶えている。エレンたちが何か話しているが内容は聞き取れない。ベルトルトが何か言いたいのか口を開いたり閉じたりしている)

ライナー(アニは俺の言葉を聞いた途端顔を真っ赤にして俺に平手打ちを食らわせ走り去っていった)

ライナー(俺は頬に真っ赤な手形を作り力なく座り込んでいる)

ライナー(なんなんだこれは……)

51: 2014/02/01(土) 03:36:31 ID:8avukip2
キース「今しがた悲鳴のようなものが聞こえたが…なんだこれは?どういう状況だ。一体何があった?ブラウン」

ライナー「わかりません…」

キース「わからない?周囲で人が倒れているのに中心にいる貴様に何もわからないだと?」

ライナー「自分にも一体何が起きたのか…」

キース「その頬はどうした」

ライナー「レオンハート訓練兵にやられました。理由は分かりませんが、彼女を怒らせてしまったようで…」

キース「フーバー、貴様はどうだ?見ていた限りでいい、説明しろ」

ベルトルト「ハッ!」

52: 2014/02/01(土) 03:37:05 ID:8avukip2
ベルトルト「ブラウン訓練兵とレオンハート訓練兵が談笑していたところ、そこで悶えている十名がその会話に聞き耳をたてており」

ベルトルト「ほどなくして、そこの十名が悶絶し、レオンハート訓練兵が狼狽した様子でブラウン訓練兵に平手打ちをして走り去っていきました」

ベルトルト「彼らが何故悶えているかは私にもわかりかねます」

キース「ブラウン、貴様かレオンハートがなにかしたのか?」

ライナー「いえ、私もレオンハート訓練兵も別段おかしな行動はしておりません」

キース「そうか…フーバー訓練兵!貴様はレオンハートを探して来い!」

ベルトルト「ハッ!」

キース「ブラウン訓練兵!貴様はそこで倒れている者達を介抱してやれ!それと、訓練が終わり次第教官室へ来るように!」

ライナー「ハッ!」

53: 2014/02/01(土) 05:14:17 ID:8avukip2
キース「では私はもどる!他の物は速やかに訓練の準備に移るように!」

キィッ…パタン

5分後

ライナー「落ち着いたか?皆はどうして悶えてたんだ?どこか苦しいのか?」サスサス

ミーナ「大丈夫…別に苦しいわけじゃない。多分他の人も」フヒッフヒッ

ライナー「ミカサみたいになってるぞ、無理して喋らなくていい…体調が悪いわけじゃないならよかった」サスサス

ミカサ「ええ、他の人も特に身体に異常はないみたい」

アルミン(エレンがミーナの背中をさすっているライナーの手を凝視している…怖い)

エレン(優しい手付きだな。声もいつもより穏やかで心が落ち着く…さすがライナーだ)

ライナー「そうか、すぐに声かけてやれなくてすまん、俺も混乱してた」サスサス

クリスタ「ユミル、大丈夫?」サスサス

ユミル「ああ、だいぶ落ち着いたよ。悶え氏ぬかと思ったけどな」フゥッ

54: 2014/02/01(土) 05:24:14 ID:8avukip2
ライナー「みんな落ち着いたか。それで、どうしてお前らは悶えていたんだ?」

ミーナ「いや、それは…別に何でもないっていうか…ねぇ?ジャン」

ジャン「は?なんで俺に振るんだよ!」

コニー「なんだ?ミーナも盗み聞きしてたのか?」

マルコ「おいっ、コニー!」

サシャ「私たちだけじゃなかったんですか?」

クリスタ「サシャ!ちょっと…」

ライナー「盗み聞き?どういうことだ」

エレン「な、なんでもねえって!な!ミカサ」

ミカサ「もう正直に言ったほうがいいと思う…」

アルミン「うん、そうだね…」

55: 2014/02/01(土) 05:39:19 ID:8avukip2
クリスタ「ごめんなさい、アニが楽しそうにしてるのが珍しかったからどんなお話してるのかと思って…つい」

ユミル「私が無理やり付き合わせたんだ、お前は悪くないだろ」

クリスタ「でも…」

マルコ「僕たちもそうなんだ…本当にごめん」

エレン(俺たちも正直に言ったほうがいいのか?)ボソボソ

アルミン(ここはみんなに合わせておいたほうがいいと思う…)ボソボソ

ミーナ(バレるわけにはいかないもんね)ボソボソ

ミカサ(了解)ボソッ

56: 2014/02/01(土) 07:18:23 ID:8avukip2
エレン「俺達もそうなんだ。すまん!」

ライナー「あまり感心できんな。後でアニにも謝っておけよ」

コニー「おう」

ライナー「それで、お前らが悶えていた理由なんだが…」

アルミン「えっと…」

ジャン「なんというか…」

サシャ「その…」

ライナー「?」

ユミル「お前が余りにもくさいセリフを恥ずかしげもなく吐くからこっちが恥ずかしくなっちまったんだよ」

クリスタ「ユミル!そんな言い方しなくても…」

57: 2014/02/01(土) 08:01:55 ID:8avukip2
ライナー「くさいセリフ?」

マルコ「え?」

ジャン「自覚なしかよ…すげぇなお前」

ライナー「ん~、すまんが…わからん」

ユミル「…笑顔だけじゃない。お前はいつだって可愛いさ…きゃ~」

ライナー「!?」

クリスタ「ちょっと、ユミル…」

ライナー(あの騒ぎは俺のあの言葉のせいで?よく考えたらすっげぇ恥ずかしいこと言ってんじゃねえか!!)

ライナー「あ、ぁ…うぁ…」

コニー(耳まで真っ赤だ、酔っ払った父ちゃんみてーだな。じゃねえや…わりーことしたかな)

サシャ(居た堪れない…)

エレン「本当に天然だったのか!?すげえよライナー!」

ライナー「~~~~~~~~~~~~ッッッッッ!!!!」

アルミン「エレェン!!」

ミカサ(エレンがごめんなさい、ライナー)

58: 2014/02/01(土) 08:37:52 ID:8avukip2
ライナー「ああぁぁぁ…うぁぁああ…」プルプル

マルコ(蹲って体を震わせてる…)

クリスタ「ご、ごめんねライナー、ユミルがほんと無神経で」

ライナー「ふぅぅうぅっぐっううっんんん!」ググッ

サシャ(更に小さく丸まって…少し可愛いかも?じゃない…罪悪感が)

ユミル「いや、その、ほんとすまん。悪かったよ」

エレン「大丈夫か?ライナー」

ライナー(もうほっといてくれ)

アルミン「エレン、今のライナーに話しかけちゃダメだ」

59: 2014/02/01(土) 10:43:28 ID:8avukip2
ライナー「っはぁ…ふぅ…」

ミーナ「大丈夫?ライナー」サスサス

ライナー「ああ、すまないミーナ」

ミーナ「謝ることなんてないのに」

ライナー「みんなも済まない、俺のせいで座学を受けられなくなっちまった」

ジャン「俺たちが勝手に自滅しただけだ、気にすんな。座学の配点は低い方だしな」

マルコ「おい、ジャン」

コニー「どうせ受けてもわかんねーしな」

ユミル「おい」

60: 2014/02/01(土) 11:11:17 ID:8avukip2
マルコ「それにしても、アニがあんなに狼狽えるなんてな。何事にも動じない人だと思ってたよ」

コニー「ライナーと話してたとき笑ってたよな。アニのあんな顔初めてみた」

ジャン「あの顔は…確かに可愛かったよな…」

エレン「いつもあんな顔してればライナーともお似合いだよな」ボソッ

アルミン(今までと比べてエレンの言動のライナー率が増えすぎじゃないか?頭の中はもっとすごいんじゃ)

ミカサ(今までずっと隠してきた反動でオープンになっているのかも…心配)

ミーナ(今のライナーに聞こえてないかな?)チラッ

ライナー(アニもあの発言のせいで怒ったのか?頬がまだ痛い…あいつめ、全力で殴りやがって…)

ライナー(悪戯が過ぎたかもしれんが、ああいうやりとりは今回だけじゃなかったぞ?)

ライナー(どうして今回に限ってあそこまで怒らせてしまったのか)

ミーナ(顰めっ面してる…もしかして聞こえてた?考え事してるみたい)

ライナー(…考えてもわからん、アニに直接聞いてみるしかないか)

61: 2014/02/01(土) 11:31:57 ID:8avukip2
ミーナ(あ、眉間が弛んだ)

ライナー「そういや、アニはベルトルトが探しているんだったっけ?」

アルミン「そうなの?どうしてベルトルトが?」

ライナー「キース教官から探すように言われていたと思うが」

サシャ「そういえば声が聞こえたような」

ユミル「女子寮にいたらどうすんだよ。ボケてんのかあのハゲ」

クリスタ「ユミル、教官にそんなこと言っちゃダメだよ」

マルコ「全く気付かなかったな」

ライナー「そうか、お前ら悶絶してたもんな」

ジャン「アニが女子寮にいなけりゃもう見つけてるんじゃねえか?」

ミカサ「私が女子寮を見てこよう」

ライナー「ああ、頼んでいいか?」

62: 2014/02/01(土) 11:40:58 ID:8avukip2
…少し前…

ベルトルト(なんで僕にアニを…教官もあんな状況に混乱してたのかな?女子寮に戻ってたら探せないじゃないか)テクテク

ベルトルト(そうじゃないといいんだけど…。それにしてもアニはどうしてあんなことを?どうして彼らは悶絶していたんだ?)テクテク

ベルトルト(彼らはライナーとアニの会話に聞き耳を立てていた、ライナーとアニは全く気づいてないし異様な光景だったな…)テクテク

ベルトルト(彼らが悶絶し始めたのとアニが顔を赤くしたのはほぼ同時だった。…ライナーがなにかしたのかな)テクテク

ベルトルト(口を動かす以外に何かをしている様子はなかった…ライナーがなにかを言ってああなったんだろう)テクテク

ベルトルト(ライナーはアニを怒らせてしまったと言っていたけど、僕には恥ずかしがっているように見えたな。かなり狼狽していたし)テクテク

ベルトルト(あのアニがあそこまで狼狽するなんて…ライナーは一体何を言ったんだろう)テクテク

ベルトルト(いや、そんなこと考えていてもわかるわけない。アニの行きそうな場所を考えよう)テクテク

ベルトルト(アニは火照っていたはず…。だったら頭を冷やしたいかな、物理的に)テクテク

ベルトルト(とりあえず水汲み場にでも行ってみよう)テクテク

ベルトルト(そういえば女の子って何かあるとトイレに籠ることが多いな。そうだったらどうしよう…)テクテク

63: 2014/02/01(土) 12:16:24 ID:8avukip2
アニ「……」バシャバシャ

アニ「……」バシャバシャ

アニ「ふぅ…」

アニ(少し落ち着いたかな…まだ心臓の鼓動が早い気がするけど)フキフキ

アニ(掌が痛い、ジンジンする…。ライナー呆然としてたな…落ち込んでなきゃいいけど…いや、それはそれで嫌だ)

アニ(どうしてあんなことしちゃったんだろう…。どうしてあんなに狼狽えてたのかな、私)

アニ(思わず全力で殴っちゃった…私の掌がこんなに痛いんだ、ライナーはもっと痛かっただろうね…)

アニ(ごめんなさい…って後でちゃんと謝ろう…優しい、優しすぎるライナーならきっと笑って許してくれて…頭でも撫でてくるんだろうな)

アニ(でも…その笑顔はきっと私の好きなあの眩しい笑顔じゃない。私の嫌いなあの虚無な作り笑いだ)

64: 2014/02/01(土) 12:43:32 ID:8avukip2
アニ(『あれ』以来ライナーはいつもしていたあの笑顔を見せなくなった。今じゃもうどんな表情だったか思い出せない…)

アニ(ライナーはあの笑顔の代わりにいつも私の嫌いな笑みを浮かべてる。だから私はライナーに会うと嫌な顔してしまう…)

アニ(そうするとライナーは少し悲しそうな顔をする。そんな顔をして欲しいわけじゃないのに…)

アニ(それでもライナーの顔から偽物の表情が消えると安心する。だからライナーに話しかけられると嫌な顔をするのが癖になってしまった…)

アニ(嫌な女だ。それなのにライナーは毎日私に話しかけてくれる…あの顔を見るのが嫌だけど嬉しい…変なの)

アニ(胸が痛い…どうしてこんな気持ちに?いつもは悲しくはなってもこんな風にはならないのに)

アニ(…きっとあの氏に急ぎ野郎のせいだ。あいつが悪い…)

68: 2014/02/01(土) 16:36:58 ID:8avukip2
…早朝…

アニ(眠い…昨日の訓練は厳しかったし、そのせいかな)

アニ(結構早く来たつもりだったけどちらほら人がいる)

アニ(あ、ミカサだ…今日も早いな。幼馴染の二人と楽しそうに話してる)

アニ(羨ましいな、私もライナーとベルトルトと一緒にいたい…)

アニ(ミカサって私と同じで口数が少ないよね。エレンは幼い頃のライナーに似てるし)

アニ(アルミンもいつもおどおどしているところがベルトルトにそっくり。髪色がそれぞれ対照的だけど)

アニ(つい私達と重ねちゃうんだよね…私たちも普通の人間だったらあんななのかな…って)

アニ(加害者が被害者たちに対してなんて失礼なこと考えてんだろうね、まったく)

アニ(ん、いまライナーって聞こえたような…ライナーの話してるのかな)

69: 2014/02/01(土) 16:38:54 ID:8avukip2
エレン「なあ、ライナーってアニのことが好きなんじゃねえか?」

アニ(えっ!?)

アニ(いや、まさかね…あの直情バカのことだ、ただの勘違いに決まってる。席確保っと)

エレン「まあ聞いてくれよ。それなりに根拠はあるんだ」

アニ(そうなの?…あいつ声大きいな。少し離れてても何言ってるか結構わかる)

「ライナーと兵士論について……兵士とは……」

アニ(この前の対人格闘の話か…兵士論?なにやってんのあいつ…ライナーがそんな理由で私に?)

アニ(いや、私と組みたかっただけ…?そうだよね。ライナーが兵士とか…)

アニ(結構声かけてくるよね、あいつ。私たちが親しいことは秘密なのに)

アニ(朝食取りに行かなきゃ)

70: 2014/02/01(土) 16:40:23 ID:8avukip2
エレン「教官の頭突きで身長縮めたくなかったら真面目にやれってさ」

アニ(あれは笑いそうになったな…まああの顔してるのに気づいてすぐに笑えなくなったけど)

アルミン「アニも身長気にしてるんだね…少し意外かな」

ミカサ「ひょっとして、男の子が好きな女の子に悪口を言ってしまうあれだと?」

アニ(身長なんか気にして…ないわけじゃないけど。ああいうからかいは昔からよく受けてるし)

アニ(あれ…?まさかあいつ昔から…いや、ないないない…とも言えない…かも?)

71: 2014/02/01(土) 16:43:40 ID:8avukip2
アニ(朝食も取ってきたし席に戻ろう)

アニ(…でもライナーとならいいかもしれないな、そういうのも。って何考えてんだ私!)

アニ(あいつのことなんか別に…好きなんかじゃないし…)

エレン「そりゃあライナーのことが大好きだからな!」

アニ(違う!好きじゃなくて大好きとかそういうの違う!違うってば!)

エレン「ライナーもそんなんじゃねえよ!」

アニ(そうだよ!そんなんじゃない!)

エレン「そうかよお前はライナーのこと嫌いなんだな!?」

アニ(そんなわけ無いでしょ!?大好きだよ!!いや違う!!!いや大好きだけどそういう意味じゃないって!!!)

エレン「そうか、お前もライナーが好きなんだな!」

アニ(ああ好きだよ悪い!?大ッ好きだよ!!当たり前でしょ!?同郷で数少ない仲間の一人なんだよ!?好きじゃない方がおかしいっての!!)

アニ(ああ、もうやだ恥ずかしい!食べよ!サシャじゃないけど食べて忘れよ!)

72: 2014/02/01(土) 17:46:22 ID:8avukip2
アニ(うん、味が全くわからない)

アニ(いやいつも薄味だけどさ、多分そういうのじゃない)

アニ(ライナーのことで頭がいっぱいだ…他のことが一切分からない)

ライナー「おはようアニ。ここいいか?」

アニ(あ、ライナーの声が聞こえた気がする。いや幻聴はまずいでしょ)

ライナー「おーいアニ?寝ぼけてるのか?ぼーっとして」

アニ「!! 何?」

アニ(あ、また嫌な顔しちゃった)

ライナー「ここに座ってもいいかと聞いているんだが」

アニ(一度返事したのに無視するのはダメだよね…)

アニ「別にここは私専用なわけじゃないよ。勝手に座りなよ」

73: 2014/02/01(土) 17:49:14 ID:8avukip2
ライナー「ありがとな。邪魔するぞ」

アニ(さっきのことで変に意識しちゃってる、顔が見れない…なんか恥ずかしい)

アニ「あんたさぁ…ちょっと私に構い過ぎじゃない?変な噂されてるよ?」

ライナー「噂?どんなだ?」

アニ「いや、別に…取るに足らないものだけどさ」

アニ(自分で言い出して恥ずかしくなっちゃった)

ライナー「なら別にいいだろう」

アニ(たわい無い会話のはずなのに一言一言が嬉しい…いつものことだけどいつも以上だ)

アニ「でも私と親しいと思われたら…もしもの時まずいでしょ?」

ライナー「いつも一人ぼっちなアニちゃんに構う優しいライナーくんで済むさ」

アニ(あ、真顔。顔も結構いいよね、精悍な顔立ちっていうのかな。眉のラインが特徴的だけど)

アニ「なにそれ?自分で言う?」

ミーナ「アニ!ライナー!おはよう!」

74: 2014/02/01(土) 17:50:40 ID:8avukip2
ライナー「おう、おはようミーナ」

アニ「…なに」

アニ(折角ライナーと話してるのに邪魔しないでくれない?)ギヌロ

ライナー「おい、挨拶くらいしっかりしたらどうだ?」

アニ「煩いな、あんたは私の親かなにかなの」

アニ(また悪態ついちゃった…ごめんなさいライナー)

ミーナ「ああ、ライナー気にしないで!この子いつもこうだから!」

アニ(ライナーとベルトルト以外の前ではね)

ライナー「いつもそうなら尚更だろう」

ミーナ「あ、はい。そうですね」

アニ「…おはよう。あんた向こうで食べてたんじゃないの?戻りなよ」トントン

アニ(早く行ってよ。ライナーとの一時を邪魔しないで)トントン

75: 2014/02/01(土) 17:52:34 ID:8avukip2
ミーナ「あ、うん。ごゆっくり~」

アニ(言われるまでもないからさっさと行って)

ライナー「アニ、机を叩くな。指痛めるぞ」

アニ(あ、無意識だった…人差し指がちょっと痛い)

アニ「心配しなくてもそんなにヤワじゃないよ」

ライナー「アニだって女の子なんだから身体は大切にな」

アニ(ちょっと大げさだけど心配してくれてるのが嬉しい)

アニ「煩い…」

アニ(それなのにごめん…)

ライナー「そりゃすまん…」

アニ(あ、悲しそうな顔。これ見て安心するなんて嫌な女だな…別に悲しい顔だからじゃないけど)

76: 2014/02/01(土) 17:53:58 ID:8avukip2
アニ「……」

ライナー「……」

アニ(え?喋ってくれないの?煩いって言ったから?あんなこと言わなけりゃよかった)

アニ(煩いって言っておきながら話しかけるのも変だよね…どうしよう)

アニ(なんだか居た堪れない…さっきまであんなに幸せだったのに…)ソワソワ

ライナー「……お前、さっきの子が来たときすごい顔したよな」

アニ(すごい顔って何!?酷い顔!?どうしよう、ライナーに変な顔見せちゃったかな)

ライナー「……」

アニ(あ、返事しなきゃ)

アニ「もしかして私に言ってる?」

77: 2014/02/01(土) 17:55:44 ID:8avukip2
ライナー「ああ、目は口ほどに物を言うというがあれは本当のようだな。アニ」

アニ(そんなに酷い顔してたのかな、思い切り睨みつけちゃったけど)

アニ「そんなに?」

ライナー「ああ、邪魔だ!って言ってたよな?あの子と仲良かったんじゃないのか?アニ」

アニ「本当にわかってるんだ」

アニ(あの子は言動が愉快だから近寄ってきてもあまり追い払わないだけだけどね)

アニ「あの子は勝手に構ってくるだけだよ、鬱陶しい…あんたと同じでね」

アニ(なんで余計なこと言っちゃうかな!)

78: 2014/02/01(土) 17:57:02 ID:8avukip2
ライナー「だからって挨拶しに来ただけであの顔はないんじゃないか?可哀想だろう、アニ」

アニ(だからどんな顔なの!?)

アニ「そんなに酷い顔してた?私。あの子は心なしか嬉しそうな顔して見えたけどね…被虐趣味でもあるんじゃない?」

ライナー「被虐趣味ねぇ。なにか悩みでも抱えてるのか?あの子。なぁ、アニ」

アニ(ライナーもありそうだけどね…辛い目にあうことで断罪されたような気になれるとか…それは私もなんだけど)

アニ「知らないし、あんたも無関係な面倒事に首突っ込むのやめたら?」

アニ(ライナーはそれが特に強そう…他人に優しいのもせめてもの罪滅ぼしのつもりなの…?心配だよ)

アニ「あとなんでいちいち名前呼ぶの?」

アニ(ひょっとして私に言ってるのかとか言ったの気にしてる?やだ、なんかかわいい)

80: 2014/02/01(土) 19:26:15 ID:8avukip2
ライナー「アニ、最近調子はどうだ?」

アニ(あれ?無視して話題変えた?)

アニ「可もなく不可もなしって感じかな」

アニ(あまり触れられたくなかったのかな…)

アニ「いきなり話題変えてきたね。まあいいけど」

ライナー「そうか、悪いことがないのは良いことだな。アニ」

アニ「ポジティブだね、羨ましいよ」

アニ(まだ名前読んでる、ライナーの低い声で名前を呼ばれるとなんだか心地いい…)

81: 2014/02/01(土) 19:27:04 ID:8avukip2
ライナー「アニ、今日の訓練はなんだったっけ?」

アニ(なんか…話題を決めかねてる?)

アニ「座学と技工…あと対人格闘だったかな」

ライナー「昨日の訓練は厳しかったからな、アニ。体を動かす訓練が少ないのは助かる」

アニ「対人格闘はサボれるしね」

アニ(本当は相手が見つからないだけなんだけど…)

ライナー「たまには真面目にやったらどうだ、アニ。折角素晴らしい技術を持っているのに」

ライナー「この間は気が付いたら自分の股の間から雲一つない青空を眺めていたしな。絶景だったぞありゃあ」

アニ「くっ…ふふ…真顔で冗談言わないでよ。大して面白くなくても笑っちゃう」

アニ(私って結構ゲラなのかな。ちょっと見てみたいかも…なんて)

82: 2014/02/01(土) 19:29:15 ID:8avukip2

ライナー「冗談を言ったつもりはなかったんだけどな…」

アニ「嘘だね。あんたがそういうの好きだって知ってるよ」

ライナー「くくっ、否定はできんな、アニ」

アニ(あ…いや、いつもの笑みじゃないけどあの笑顔でもない…)

アニ「私に嘘は通用しないよ」

ライナー「それにしても、やはりお前の笑顔は可愛いな。アニ」

アニ(え?え?え?えぇあっそ、そんな別に!かっ可愛いなんて別にそんな別に)

アニ「えっ、あっ…何言って」

アニ(落ち着け、意識し過ぎだって。可愛いなんて昔は良く言ってくれてた)

83: 2014/02/01(土) 19:31:35 ID:8avukip2
ライナー「嘘だ。…通用したようだな」

アニ(酷いよ…私の気も知らずに…なんだか馬鹿みたい。さっきから気持ちを振り回されてばっかり)

アニ「…最低だよ、あんた」

アニ(それはライナーのせいじゃないんだけどね…)

ライナー「というのが嘘だと言ったら…お前はどれを信じるかな?」

アニ(ふざけないでよ…いや、これもよくあるやり取りだ。気にするな)

アニ「……実際のところはどうなの?」

ライナー「二回目に嘘だといったのは嘘だ」

アニ(…どうしよう泣きそう)

84: 2014/02/01(土) 19:46:18 ID:8avukip2
ライナー「おいそんな顔をするな、違うって!…笑顔だけじゃない。お前はいつだって可愛いさ」

ガタガタガタッ

ベルトルト「えっ!?」

アニ「えっ…あ、やだっ何言って……嫌だ…」

ライナー「アニ?どうした?」

アニ「頭がクラクラする…もう…わけわかんない…もう…」

ライナー「アニ?大丈夫か?一緒に医務室まで行こうか?」

アニ「もうやめてよ!!離して!!!」

ライナー「おい、アニ!?落ち着」

パァンッ

ライナー「ッ!?」

ベルトルト「アニ!?」

アニ「え、あ…あの、ごめっ…うぁ…」

アニ「ッ!!」ダッ

ベルトルト「え?ええ!?」

89: 2014/02/04(火) 03:20:44 ID:ZJECEfcM
…現在…

アニ(思い出してたら泣けてきた…)グスッ

アニ(もう痛いほどわかってる…これはただ意識してるとかじゃない)ポロポロ

アニ(どうしていきなりこんな…昨日まではあいつのことなんてなんとも…)ヒック

アニ(いや、きっと前からそうだった…今朝のあれがきっかけで自覚したんだ…)ウァッ

アニ(それにしたって余裕なさすぎだ。本当に馬鹿みたい…)ズッ

アニ(ミーナが来た時の私なんてどう見ても嫌な女だし…ライナーもすごい顔してたって)ウッ

アニ(それでも可愛いって言ってくれたのに平手打ちなんてとんでもないよ)ハァッ

アニ(からかったあいつも悪いかもしれないけど…流石にやりすぎだ)ウェッ

90: 2014/02/04(火) 03:23:56 ID:ZJECEfcM
アニ(そういえば…ライナーが私を好きって本当だったのかな…いや、もし本当だったとしても…)ヒンッ

アニ(流石に愛想つかされちゃったかな…いくらライナーが優しくてもあんなの…)ズズッ

アニ(…もう講義始まってるかな…もういいや、さぼっちゃえ。いいよね、どうせ配点低いし一回くらい)ピー

アニ(ああ、今酷い顔してるんだろうな…これじゃあ技巧も格闘も出れないかも…)ピーピー

アニ(体育座りって落ち着くな…ベルトルトの気持ちがわかる気がする…鼻水が…)ゴソゴソ

アニ(気持ち悪い…)ジュジュルルッ

アニ(うわっ、凄い音出た、ちーんなんて可愛い音じゃない。…鼻をピーピー言わせて鼻水で汚い音を出す自称乙女か…お笑いだね)フッ

アニ(でも鼻かんですっきりした…誰にも見られてなくてよかった)

ベルトルト「アニ?」

アニ「」

91: 2014/02/04(火) 03:24:36 ID:ZJECEfcM
ベルトルト「アニ?大丈夫?泣いてるの?」

アニ「もう泣き止んでる…なんでいるの?どこから見てた?」

ベルトルト「えっと、心配だったから…どこからって?」

アニ「ピーピー言ってたり…」

ベルトルト(…?泣き喚くことをピーピー泣くっていったりするけど…)

ベルトルト「そんなに激しく泣いてたの?」

アニ「いや、そこまでではないけど…」

ベルトルト「そう…もう落ち着いてる?」

アニ「うん、まあ…」

ベルトルト「落ち着くよね、体育座りって…よいしょっと」

アニ「そうだね」クスクス

92: 2014/02/04(火) 03:26:42 ID:ZJECEfcM
ベルトルト「えっと…よかったら、何があったのか聞かせてくれないかな」

アニ「あんまり私といるとまずいんじゃない?」

ベルトルト「キース教官に言われて来たから大丈夫だよ」

アニ「……ならいいけど」

ベルトルト「それで、何があったの?」

アニ「……私が悪いんだ。私が勝手にテンパって自滅しただけ」

ベルトルト「ごめん、もうちょっと詳しく」

アニ「先に水飲んでいい?さっきまで泣いてたから、ちょっと苦しくてさ」

ベルトルト「ああ、どうぞ」

93: 2014/02/04(火) 03:28:51 ID:ZJECEfcM
アニ「……」ゴクッゴクッ

アニ「ふぅ……」

ベルトルト「落ち着いた?」

アニ「うん、気持ちいい」

ベルトルト「そっか、よかった」

アニ「……エレンが」

ベルトルト「うん?」

アニ「…ライナーが、私のこと好きなんじゃないかって」

ベルトルト「え?エレンが、ライナーが…?どういうこと?」

アニ「エレンが言ってたの…ミカサとアルミンと話してた」

ベルトルト「うん…?」

アニ「エレン達は、私とライナーの関係を知らないでしょ?」

ベルトルト「うん」

95: 2014/02/04(火) 03:38:50 ID:ZJECEfcM
アニ「ライナーが、よく私に構うから、そう思ったみたい」

アニ(そうだ…それだけの理由なんだ…やっぱりライナーは私のことなんて)

ベルトルト「確かに、アニとは他人と装ってるのによく声をかけてるね…大丈夫かな?」

アニ「『いつも一人ぼっちなアニちゃんに構う優しいライナーくんで済むさ』だって」

ベルトルト「ぷっ…ライナーがそう言ったの?ちょっと酷くない?」クスクス

アニ「ちょっと無神経だよね、あいつにしては」クスクス

アニ「……エレン達の会話、盗み聞きしてたわけじゃないよ?ただ聞こえてきて」

ベルトルト「うん、わかってるよ」

アニ「それでライナーの事、なんか意識しちゃって…」

ベルトルト「…そっか」

96: 2014/02/04(火) 03:40:59 ID:ZJECEfcM
アニ「ちょっと会話が弾んでたんだよ…ライナーと」

ベルトルト「うん」

アニ「それで嬉しくなったり落ち込んだりして…そればっかしてたらなんかわけわからなくなってきちゃって」

ベルトルト「うん…」

アニ「それでね…ライナーが私のことからかったの」

ベルトルト「うん…どんな風に?」

アニ「私が笑ってるのが可愛いって言ったり嘘だって言ったり…」

ベルトルト「…うん」

アニ「それで…笑ってるのが可愛いのは嘘だって言われて泣きそうになっちゃって…」

ベルトルト「それで殴っちゃったの?」

97: 2014/02/04(火) 03:42:52 ID:ZJECEfcM
アニ「ううん…そしたら、ライナーが…その…」

ベルトルト「うん?」

アニ「笑ってる時だけじゃなくて、いつだって可愛いって…言って…」

ベルトルト「それは…恥ずかしいね…」

アニ「それで本当にもうわけわかんなくなっちゃって…それであんな事…」

ベルトルト「そうなんだ…」

アニ「あいつがあんなこと言うのはからかってる時だけだって知ってたはずなんだけどな…」

ベルトルト「そんなこと…ないと思うよ」

アニ「自分でもなんであんなことしちゃったんだろうって後悔してて…」

ベルトルト「うん…」

アニ「他にもその時にあったこと色々思い出してたら…泣けてきちゃって」

ベルトルト「ねえアニ…ひょっとして君は、ライナーのこと…」

98: 2014/02/04(火) 03:47:16 ID:ZJECEfcM
アニ「うん、好き…なんだと思う…多分、ずっと前から…さっきそれを自覚した」

ベルトルト「そっか…そうなんだ」

ベルトルト(やっぱりか…敵わないなぁ)

アニ「ねえ、ベルトルト…知ってた?」

ベルトルト「うん?何が?」

アニ「私ね…あんたのこと嫌いだったんだ」

ベルトルト「え…な、なんで?」

アニ「ライナーはさ…あんたのことが大切でしょ?すごく。それであんたもライナーのことがすごく大切で」

ベルトルト「うん。そりゃあね」

ベルトルト(今はちょっと嫉妬してるけど)

アニ「それこそ二人が付き合ってるとか噂が流れるくらいにはさ」

ベルトルト「え!?ちょっと」

99: 2014/02/04(火) 03:51:22 ID:ZJECEfcM
アニ「わかってるよ。噂だって言ってるでしょ?ちょっとからかっただけ…ただの八つ当たりだよ」

ベルトルト「八つ当たり?」

アニ「うん、あんたのこと嫌いだからね」

ベルトルト(さっきは過去形だったのに…)

ベルトルト「それで、どうして僕のこと…?」

アニ「多分、嫉妬してたんだ…ライナーはいつもあんたやあの人のことを気にかけてて、あんた達もライナーにベッタリで…」

ベルトルト「……でも、ライナーはアニのことだってすごく大切に思ってるよ」

アニ「わかってる。…さっきの噂を聞いた時も、すごく嫌だった…今思えばそれも嫉妬だったのかな」

ベルトルト「付き合ってないよ!?」

アニ「知ってるよ…そう思われるくらい仲が良いことに嫉妬してたの」

ベルトルト「……そうなんだ」

100: 2014/02/04(火) 04:02:06 ID:ZJECEfcM
アニ「おかしいでしょ?ただの友達に嫉妬なんてさ、私はあいつの…ライナーの中で自分が一番じゃなきゃ気が済まないんだ」

ベルトルト(好きな女の子に嫉妬されてるって…複雑だな)

アニ「あの人が氏んだ時だって、内心喜んでる自分もいた…本当に嫌な奴だよ…気持ち悪い…」

ベルトルト「……人なんて、多分そんなものだよ」

アニ「それでも私は一番になれないってわかってて、悔しいから自分の気持ちに嘘をついてた」

ベルトルト「……?」

アニ「私はライナーのことなんか好きじゃないって…そう思い込んでたんだ」

アニ「でも、自分でも知らない内に気持ちはどんどん大きくなっていってて…」

アニ「なんだか…もうどうしたらいいのかわからない…」

ベルトルト「…アニは、ライナーとどうなりたいの?」

アニ「今はこのままでいい…」

ベルトルト「今は?」

101: 2014/02/04(火) 04:05:04 ID:ZJECEfcM
アニ「うん、ライナーが私のことを大切にしてくれてる…今はそれだけで十分」

ベルトルト「……本当に?」

アニ「変にライナーを困らせるようなことはしたくないしね…あいつだって今はいっぱいいっぱいだから」

ベルトルト「ライナーに気持ちを伝えなくてもいいの?」

アニ「伝えるよ。でもそれは全部終わってから…三人で故郷に帰ったら」

ベルトルト「三人で?」

アニ「当たり前でしょ?あんたもいないと…本当は四人で帰りたかったけどね」

ベルトルト「……彼のように、生きて帰れないかもしれないよ…」

102: 2014/02/04(火) 04:06:46 ID:ZJECEfcM
アニ「それでも絶対に生きて帰る。お父さんと約束したし、ライナーにも気持ちを伝えたい」

ベルトルト「そう…」

アニ「だからさ、このこと…ライナーには秘密にして」

ベルトルト「わかってるよ」

アニ「ありがと、じゃあ戻ろうか…そのために来たんでしょ」

ベルトルト「アニ」

アニ「何…?」

ベルトルト「アニはさ…人の気持ちを思いやれる、優しくていい子だと…思うよ…僕は」

アニ「…ありがとう。…さっきは嫌いって言ったけど今はあんたのこと好きだよ」

ベルトルト「あ、ありがとう…」

アニ「それじゃ、戻ろう。ライナーに謝らないと」

ベルトルト「うん」

103: 2014/02/04(火) 04:18:22 ID:ZJECEfcM
おわり
別にお兄ちゃんでもなかったベルトルトと色んな意味で汚いアニでした

引用: エレン「なあ、ライナーってアニのことが好きなんじゃねえか?」