145: 2007/01/19(金) 12:53:41.46 ID:Zq6MrKAA0
皆さん保守ありがとうございます。
( ^ω^)ブーンが軍師になったようです【前編】

準備が終わり次第3話投下します。

146: 2007/01/19(金) 13:02:35.37 ID:Zq6MrKAA0
('A`)「うおおおおぉぉぉ」

ドクオが斧槍を振るい、敵兵を薙ぎ払う。
左足は鈍器で殴打され、引き摺る用に歩く姿が痛々しい。

川 ゚ -゚)「甘いっ!」

クーが敵兵の一閃を躱し、敵兵の喉下に剣を突き立てる。
返り血を浴びた顔を、柄で拭きつつ身を翻し、振り下ろされる鉄鎖を盾で弾く。

( ^ω^)(これが…戦場かお…)

( ^ω^)ブーンが軍師になったようです 三章【現実】

148: 2007/01/19(金) 13:04:35.96 ID:Zq6MrKAA0
仲間が戦っているのに、安全な所で結果を待つだけなんて出来ない。
皆と戦うために、今日まで弓の訓練をして来たのだ。

僕が、参戦するとなると間違いなく皆は僕を止める。
だから僕は、顔が見えないクロスヘルムを被り、ググレ城進攻に参加した。

│ 十│「敵は、敵はどこだお…」

兜に開いた僅かな隙間から、弦越しに敵を探す。
練習で自信が付いたとはいえ、敵兵の近くに仲間がいれば、誤射を恐れて射ることが出来ない。
そうすると、歩兵狙いでは駄目だ。
僕と同じ、敵からある程度離れた弓兵を狙わなければ。

( ,,゚Д゚)「氏ねえぇぇぇぇぇ」

僕が狙いを定めるより僅かに速く、敵弓兵が僕に向け矢を放つ。

右耳の辺りから轟音が響き、途端に右からの音が遮断される。
耳をやられたか?


いや、痛くない。
それに、段々と聞こえるようになってきた。

兜に救われたか。

149: 2007/01/19(金) 13:06:38.06 ID:Zq6MrKAA0
飛ばされた矢の軌道を探り、僕を狙った兵を探し出す。

│ 十│「負けない、負けないお…」

(;,゚Д゚)「くそぉ!」

標的は弩兵、弦を引くまでの時間は完全に無防備。

│ 十│「もらったおぉぉ」

弦と矢先と敵兵が重なる。
此処まで狙いを定めれば外す事はない、後は弦を離すだけだ。


( ´ω`)(駄目だお、できないお…)

此処に来て、

此処まで来て人を頃す事に躊躇してしまう。

150: 2007/01/19(金) 13:08:52.13 ID:Zq6MrKAA0
『戦前は相手を憎め、相手を絶対的な悪だと思い込め』

クーの言葉が脳裏を過ぎる。

( ´ω`)(そうだお…あいつは僕を殺そうとした。氏んで当然、いや氏ぬべき存在なんだ)

『戦は楽しめ、絶対的な悪を成敗する英雄を演じきれ』

( `ω´)(僕は、皆を護る為に戦ってるお。私利私欲の為に戦うドメスト兵なんかより
       神は僕に味方してくれるお!)

もう迷わない。

│ 十│「氏ねおぉぉぉぉ」

迷いの時間は僅か、敵兵が弦を引くに至らず。
さぁ、今度こそ撃ち頃してやる…!




从 ゚∀从「雑魚がぁ、氏に晒せぇぇぇ」

しまった…!
遠方を見てばかりで、接近してくる敵兵に気づかなかった。

152: 2007/01/19(金) 13:11:54.99 ID:Zq6MrKAA0
│ 十│「うわあぁぁ」

両手から真横に飛び込み、敵兵の斧を躱す。
過剰なまでに飛び、体勢を崩した為大きな隙が出来てしまう。

从 ゚∀从「ヒャッハー、派手に転んだな。次は避けれねぇなー」

敵兵が斧を天に掲げる。

('A`)「させるかよぉぉぉぉ」

戛然!

振り下ろす斧を、ドクオの槍が弾く。

( ,,゚Д゚)「うおぉぉらあぁ」

('A`)「ぐお…」
弦を引き終えた敵弩兵が矢を放ち、ドクオのわき腹に突き刺さる。

从 ゚∀从「うぜぇ野郎だ。貴様から地獄へ送ってやるぜ」

狙いをドクオに変え、斧を振るう。

ドクオを…助けないと!

154: 2007/01/19(金) 13:13:12.20 ID:Zq6MrKAA0
从 ゚∀从「く…くそぉ、雑兵どもがぁ…」

胸に突き刺さる矢によって、敵兵の動きは断たれた。

右手が、耳まで動いている。
そうか…あの矢は僕が放った物か。

初めて、人を頃してしまった…!




なんだ、この感覚は。

おかしい、何故こんな気分になる。

人を頃したのに、何で…。


湧き上がる感情は、罪悪感でも恐怖でも無い…。



                     快楽だ。

クーの言った楽しむという意味とも違う、プギャーと戦った時の感覚とも違う。
目の前の敵兵を、人間を頃した事が…。

                   気持ち良いのだ…!

155: 2007/01/19(金) 13:17:22.48 ID:Zq6MrKAA0
│ 十│「あわわわ…」

駄目だ、この感情は危険だ。
何も見えなくなる、もう一度この感覚を味わいたくなる。
この感覚に全てを、委ねたくなる。

どろっとした生臭い血の匂い、肉を焦がす匂いも
聞いた事も無い、人が殺される瞬間に発せられる叫び声も、
目を逸らしたくなるほど醜い、氏の現実も。

この感情を昂ぶらせる糧となる…。


氏を前にして初めて感じる、自分が生きているという実感。


完全な肯定。

今迄生きてきて、ここまではっきりと自分の行動が肯定されたことが果たしてあっただろうか。
何かを成し遂げ褒められても、何か別のことで誰かに否定されてきた。

だが、今この瞬間は違う…。


はっきりと生という報酬を持って自分の全てを肯定されている。

156: 2007/01/19(金) 13:20:32.08 ID:Zq6MrKAA0
氏は敗北、幾ら実力がある者も、過去に多大な功績をあげた者も完全に否定される。

│ 十│「ふっ、ふひひひひ」

駄目だ、耐えることが出来ない…。
この快楽に身をっ…委ねたい。

もう一度…あの感覚を味わいたい…!

( ゚ω゚)「もう一度、もう一度だお…」

邪魔なクロスヘルムを外し、投げ捨てる。
弓なんて煩わしい、この手で肯定の瞬間を、感触を味わいたい…。

弓を放り、仲間の胸に刺さる剣を抜き、視界に入った敵兵に飛び掛る。

        腕を断て…
                      足を抉れ…
              首を掻き切れ…
                            胸を貫け…



( ゚ω゚)「さぁ、僕の為に氏ぬお!」



切りかかる瞬間だった。
後頭部に衝撃を受け、視界が暗転した―――――

157: 2007/01/19(金) 13:22:01.10 ID:Zq6MrKAA0
あれ…。
どうなってるの…何で、どうして。

僕は…氏んだ?

いやだ!
否定されたくない…。
もう一度…もう一度味わいたい!
生の実感を…!


('A`)「少し寝ていろ、馬鹿野郎が。クー、後は任せたぞ」

川 ゚ -゚)「あぁ、元はといえば私の責任だ。ナイトウは私に任せろ」


('A`)「行くぜ野郎ども! このまま押し切るぞぉ!」

159: 2007/01/19(金) 13:23:39.84 ID:Zq6MrKAA0
いやだ、こんな終わり方嫌だ。
僕にはまだ、やらなければならない事があるんだ。

やりたい事も、まだ全然やってないのに・・・。

嫌だ、嫌だ嫌だ。

( ゚ω゚)「嫌だおおおおおおぉぉぉぉぉ」


あ、あれ?
生きて、る?

('A`)「おーお前は生きてるとも、おめでとさん」

( ;ω;)「おっ…おっ…よかった、よかったお」

溢れ出した涙が止まらない、本当に怖かった。

( ;ω;)「ここは・・・どこだお? 僕は本当に助かったのかお?」

('A`)「ググレ城の診療室だ」

( ;ω;)「ググレ! 嫌だ、怖い。ルラーダ城に帰りたいお」

('A`)「落ち着けナイトウ、俺達は勝ったんだよ。ドメストの奴等にな。」



勝った…?

160: 2007/01/19(金) 13:25:05.13 ID:Zq6MrKAA0
どうやら僕は、意識を失い此処診療室に運ばれたようだ。
ドクオは戦で負った、足とわき腹の傷の治療中らしい。
ググレ城の設備が良かった為、そのまま此処で治療しているそうだ。


('A`)「そりゃあこのドクオ様がいるんだ。負けるわけは無い」

( ^ω^)「勝ったのかお。ならもっと早く言うお」

気持ちが落ち着き冷静になると、動揺し過ぎていた自分が恥ずかしくなり、
平生を保った振りをする。

('A`)「立ち直るのはえー、心配して損したぜ」

( ^ω^)「おっお、ドクオは心配してくれたのかお? ドクオは優しいお」

('A`)「ち、ちげーよ。会話の流れって奴だ」

( ^ω^)「…」

('A`)「…」


暫く沈黙が続いたが、2人同時に声をあげた。

('A`)「ナイトウ、この前はまぁなんだ。すまなかった」
( ^ω^)「あの時はごめんおドクオ、今日は助けてくれてありがとうお」

161: 2007/01/19(金) 13:26:01.75 ID:Zq6MrKAA0
('A`)「はは、あん時俺が殴ったって事、気づいてたか」

( ^ω^)「痛かったお…絶対氏んだと思ったお」

('A`)「まぁ、頃す勢いでやったからな」

(;^ω^)「そんな気がしたお…」

頭を摩る、少しだけ頭が隆起しており、その部分がじんじんとする。

('A`)「なぁ、ナイトウ。お前、トルバドゥールの物語が好きらしいな」

トルバドゥールとは貴族がなる、貴族相手の吟遊詩人の事だ。

( ^ω^)「なんで、知ってるのかお?」

('A`)「クーに聞いた、クーは騎士団では結構孤立してるみたいでな。
    暇な時に結構話したもんだ」

クーが孤立してるとは意外だった。
あれ程いい人なのに。
何故?

162: 2007/01/19(金) 13:26:49.42 ID:Zq6MrKAA0
( ^ω^)「で、それがどうかしたのかお?」

('A`)「聞かせてくれねぇか、トルバドゥールの物語とやらを」

( ^ω^)「ドクオが詩人の話に興味があるとは意外だお」

('A`)「柄じゃないってか? 人を見た目で理解しようとするとろくな事が無いぞ。
   俺等平民にはさ、トルバドゥールがどんな物語を話すのか興味あるわけよ」

そういえば、クーも詩人の話には特に興味を示していた気がする。
改めてクーの故郷の話を思い出してみると、クーは平民上りの騎士だった事に気が付いた。

('A`)「俺等が聞く話は、ジョングルールって呼ばれる平民の詩人の話だからな。
   同じ話でも結構違うわけよ」

( ^ω^)「ほー、それは初めて聞いたお」

('A`)「そうだな、あれなんかどうだ。アボーン王と食卓の騎士」

(;^ω^)「円卓の騎士だお…。あれは貴族の間でも人気のある、有名な話だお」

('A`)「円卓だったか…。そうだな、その話で好きなシーンとかあるか?」

163: 2007/01/19(金) 13:28:32.62 ID:Zq6MrKAA0
( ^ω^)「アボーン王が聖剣ワロスカリバーの力を浴びた神々しい姿に、
      ラウンジーを占領した蛮族が自分の罪を悔い改め、
      無血制圧をやってのけたシーンは鳥肌ものだったおー」

('∀`)「ねーよ! よりによってそこを美化するか。美化しすぎだろ常識的に考えて」

ドクオが腹を抱えて笑い出す。
そんなに話の内容が違うのか?

('∀`)「あーおもすれー。俺の聞いた話だとラウンジー奪還の戦術はひどいもんだった」

( ^ω^)「何々? どんなんだったお?」

そこまで面白いとなると、僕も気になってしょうがない。

('∀`)「ラウンジー奪還の戦術は糞をぶち込んだんだんだよ。
    投石器を使って、家畜の糞をラウンジーにぶち撒きまくったんだ。
    降り注ぐ糞の余りの恐怖に、流石の蛮族も逃げるわ逃げるわ」

( ^ω^)「それはねーお。過剰な笑い話にしようとしてるだけだお」

('∀`)「まぁどっちが正しいかなんてわかんねぇけどな。
    奪還した後、伝説の英雄たちが町の糞撤去に励むんだぜ。」

( ^ω^)「それはひどい」

164: 2007/01/19(金) 13:29:40.25 ID:Zq6MrKAA0
('∀`)「まぁ、そんな奴等だったが最後の戦いは熱かったな。
    剣士ジップデクレの氏に様はすげー格好よかったもんだ」

(;^ω^)「ジップデクレは氏んでないお?」

('∀`)「まじかよ、美化するにしてもそこは端折ったら駄目だろ。
     かなりの名シーンなんだが」

(;^ω^)「もしかして、他にも何人か氏んでるお?」

('∀`)「そりゃあラストとなると氏にまくりだぜ、結局最後に残ったのはアボーンだけだからな」

(;^ω^)「それはやりすぎじゃないかお?」

('∀`)「そうかもしれんが、ジップデクレが『明日は娘の誕生日なんだ』って言った後、
    600の敵兵に対してたった1騎で突撃したシーンは必須だろ」

(;^ω^)「確かに、剣で突風を起こして600の兵を一網打尽にするのは無理があったと思うお」

結構好きなシーンだったけど、ドクオの聞いた話のほうが良さそうに思えた。

166: 2007/01/19(金) 13:31:46.55 ID:Zq6MrKAA0
('∀`)「あぁゆう氏に方ってのも憧れるが、俺はまだ氏にたくねぇな」

( ^ω^)「リアジュウ村の時に降伏したのは、氏にたくなかったからかお?」

('∀`)「おうよ、勝てる気がしなかったしな。
    あいつの所為でこんな所で氏ぬ訳にはいかなくなったんだよ」

( ^ω^)「あいつ? ジョルジュの事かよ?」

('∀`)「違う違う、あいつはどうでもいい」

ジョルジュ…。

('∀`)「略奪とかやり出す前、俺が真面目に傭兵やってた時の事なんだがな」

ドクオも昔は真面目にやっていたのか。

('∀`)「その頃は俺らも大した実力もねぇもんで完全な捨て駒扱いが普通だった。
    それが、ある篭城戦でいきなり伝説の軍師様が俺等の指揮を取ってくれると聞いてよ」

( ^ω^)「ルーク・ホライゾン…」

('∀`)「おぅ、知ってるのか。って同じ軍師なら知ってて当たり前か」

知ってて当たり前だ。僕の父親なのだから。
父さんとドクオが共に戦っていたなんて…。

167: 2007/01/19(金) 13:32:44.60 ID:Zq6MrKAA0
('∀`)「篭城戦の帝王、鉄壁の守護神とも呼ばれた軍師様が味方してくれるんだ。
    負ければ城を放棄すればいい、って扱いで雇われてると思っていただけに
    あんときゃ嬉しかったな」

父さんは戦地を転々としていたので、直接父さんと話したことは少なく、
人伝で父さんの活躍を聞いて、僕は育ってきた。

父さんが生きた姿をドクオから聞けるとは奇遇だ。

( ^ω^)「で、どうだったんだお?」

早く続きが聞きたい。

('∀`)「防衛兵器の使い方なんて分からないぐらいの、篭城戦素人の俺達を的確に指揮してな、
    敵の本隊を撤退させることに成功したんだぜ
    ほんとすげぇ指揮だったよ。ナイトウにも見せてやりたいぐらい」

本当に見てみたかった。
父さんの指揮を、勇士を…。

( ^ω^)「で、で? 勝ったのかお? どうなのかお!?」

('∀`;)「お、おい、興奮し過ぎだろ。きめぇ…」

(;^ω^)「すまんお…」

168: 2007/01/19(金) 13:34:13.54 ID:Zq6MrKAA0
('A`)「結論から言うとな。負けた」

(;^ω^)「えっ…」

('A`)「負ければ城を放棄すればいいってほど甘いもんじゃなかった。
   始めから放棄するつもりだったんだよ。
   まぁ、傭兵なんて毎度こんな扱いだったんだがな」

(;^ω^)「おかしいお。それじゃあなんでルークさんを指揮に使うんだお。
       城を護りきる為だからじゃなかったのかお?」

ドクオには僕が息子であることを伝えないでおこう。
ドクオにとって父さんは、『あいつの所為で氏ねない』というぐらい大きな存在だ。
僕を息子だと知ってしまったら、どうなってしまうのか。
僕は伝説の軍師の息子としてでは無く、ただのサンポールの軍師として公平に付き合って行きたい。

('A`)「俺等を見捨てるって事を知って、あいつは助けに来てくれたんだよ。
   命令でも何でもなくな」

(;^ω^)「もしかして、ルークさん最期の戦って…」

170: 2007/01/19(金) 13:35:24.71 ID:Zq6MrKAA0
('A`)「あぁ、その通りだ。本隊が退散したと思ったら、敵の援軍が直ぐに来た。
   そしたらあいつ、一人で敵軍に突っ込むとか言い出してな」

(;^ω^)「何故…」

('A`)「俺が時間を稼ぐから、今のうちの逃げろだとよ。
   戦い慣れしてない奴がなに格好付けてんだよ…」

ドクオの声が震えだしだ。
泣いて、る…?

('A`)「何時氏んだって構わないと思ってたのによ…。簡単に氏ねなくなっちまったじゃねぇか…。
   鉄壁の守護神ルーク。あいつは確かに俺達を護り切ったよ…」




( ;ω;)「おと…うっ、ルークさん…」

('∀`;)「おいおい、何泣いてるんだよナイトウ。鬱話はやめて、話を戻すか。
     ナイトウはどんな物語が好きなんだ?」

171: 2007/01/19(金) 13:36:22.05 ID:Zq6MrKAA0
自分も辛かったのに気を使ってくれたんだ。
泣き続けている訳にもいかない。

( ^ω^)「え、ははは。僕は鳥になった少年って話が一番好きだお」

('∀`)「聞いた事ねぇ話だな。一体どんな話だ?」

( ^ω^)「生まれつきの病で、家から出れずに外の世界を知らない少年が主人公なんだお」

('A`)「なんか、鬱物っぽいのだが…」

( ^ω^)「少年が見る世界は窓から見る景色だけだったんだお。
      でも、少年は寂しくなかったお。
      少年の所によく小鳥が遊びに来て、外の世界のお話をしてくれたんだお」

('A`)「流石貴族向けの物語。動物がしゃべり出しても誰も突っ込みを入れないぜ」

( ^ω^)「小鳥さんと話している間に、自分も鳥になって世界中を旅したいと
      少年は思うようになったんだお」

('A`)「そりゃ、外はいいとこだぜー。とか言われたら誰でも行きたくなるがな」

172: 2007/01/19(金) 13:37:34.53 ID:Zq6MrKAA0
( ^ω^)「ある日、小鳥さんが怪我をして飛べなくなってしまったんだお。」

('A`)「ここで鬱展開!」

( ^ω^)「少年は小鳥さんの看病をしてあげたんだお。
       少年の優しさに感動した魔法使いが、少年の願いを一つだけ叶えてあげると言ったお」

('A`)「何処から出てきた魔法使い。ご都合主義は止まらない!」

( ^ω^)「少年は言ったお、『小鳥さんの怪我を治してあげて』ってお」

('A`)「魔法使いが怖かったら、私利私欲な願いは言えなかったんじゃねぇの!?」

( ^ω^)「少年の願いを聞き入れ魔法使いは小鳥さんを治してあげたんだお。
      でも、少年の病気は少しづつ、確実に少年の肝臓を蝕み。
      10数年の潜伏期間を経て本格的に発症し、少年を苦しめながら氏に至らせたんだお」

('A`;)「何故此処に来てリアルな描写に」

( ^ω^)「氏んだ後、少年は魔法使いの力で鳥に生まれ変わり、
      小鳥さんと仲良く暮らしたんだお。感動だお」

('A`;)(氏ぬ前に助けてやれよ、魔法使い…)

173: 2007/01/19(金) 13:38:32.92 ID:Zq6MrKAA0
( ^ω^)「どうだお? いい話だったお?」

('A`;)「あ、あぁ…そうだな。気になる点は数え切れないほどあるが、
    大筋の流れとしてはいい話、かな…」

( ^ω^)「だおー、僕も優しい心を持って生きれば、鳥になれるって母さんが言ってたお」

('A`;)「あ、あぁ…なれるといいな」

( ^ω^)「やっぱり、この話は初めて聞いたお?」

('A`)「あぁ、似たような題名の話は聞いた事あるが、これは初めてだな」

( ^ω^)「何ていう題名の話だお? どんな話だお?」

('∀`)「鳥になりたかった中年、って題名でな。
    哀愁漂う中年親父が皆に注目されたくて空を飛ぼうとする話だ」

( ^ω^)「おっお、それは面白そうだお」

('∀`)「結局、失敗して大怪我したんだが、その滑稽さが受けておっさんは人気者になった。
    って話なんだが、空を飛ぶ所は面白かったぞ、なんてったっておっさんは―」

(´・ω・`)「話は聞かせてもらった、全員ワロス送りだ」

174: 2007/01/19(金) 13:39:35.57 ID:Zq6MrKAA0
突如、扉が開け放たれたと思えば…閣下の登場は何時も唐突だ。
ルラーダ城にいたはずじゃなかったのか。

(;^ω^)「げぇ、閣下!?」

(´・ω・`)「まずは、ご苦労様。よくぞググレ城を勝ち取ってくれたね」

閣下は、ググレ城制圧の祝砲を聞いて跳んで来たようだ。

(´・ω・`)「ドクオ君は休んでいなさい。傷が開くといけないよ」

ドクオの方が年上なのだが、立場は閣下のほうが上である。
それに、君と呼ぶ方がなんとなく閣下らしい。

(´・ω・`)「ナイトウ君。何故君がググレ城進攻に参加していたんだい?」

(;^ω^)「え、それは…。指揮される者の気持ちを理解しようと思ってお…」

ググレ城進攻には参加するな、と言われていただけに気まずい。
鋭敏な洞察力を持つ閣下に言い訳は通用しない為、正直に話した。

(´・ω・`)「ぶち頃すぞ…」

175: 2007/01/19(金) 13:40:55.97 ID:Zq6MrKAA0
(;^ω^)「申し訳ございませんでしたお・・・」

怖い…。
感情が読めない閣下だけど、これは間違いなく本心で言っている。

(´・ω・`)「君の役目は軍師だ。それ以上の行動は私は望まない、するべきではない。
      自分の立場を考えたまえ」

その通りだ。僕の所為でクーやドクオに迷惑をかけてしまった。

(´・ω・`)「怪我をしていないならベッドを開けてくれないか
      他にも必要としてる兵がいる」

( ^ω^)「は、はいですお!」

閣下の声色に変化はないものの、口調が変化したことに強烈な威圧感を受け、
返答する声が裏返ってしまった。

ヽ('∀`)ノ「ナイトウ、今度魔法を見せてやる! 楽しみにしておけ」

診療室から出ようとするとドクオが飛び上がって叫び、即座に閣下の目を避ける為、ベッドに潜った。

魔法とはなんだろう。
兎に角、此処から出よう。閣下が怖い…。

179: 2007/01/19(金) 13:42:17.51 ID:Zq6MrKAA0
川 ゚ -゚)「お、ナイトウ。目が覚めたか」

診療室を出た僕は、城壁の前で佇んでいたクーを見掛け、駆け寄った。

( ^ω^)「護ってくれてありがとうお」

川;゚ -゚)「まったく、無茶な事をする。このような事は2度とやってはならないぞ。
     こんな事の為に弓を教えた訳ではないからな」

クーに否定されたのは少し辛かったけど、閣下に怒られた後なので、
クーの落ち着いた声では動揺しない。

( ^ω^)「綺麗だお…」

鮮やかなオレンジ色の夕日が、真っ直ぐに伸びた地平線に沈みかけている。
沈みかけた日が、平らな草原を赤く染めていく。
城を囲む堀の水には、はっきりと夕日が反転して映っていた。


先程まで、氏に直面していた現実が、夢であったのではないかとすら思えてくる。

川 ゚ -゚)「あぁ、綺麗だな…」


一日中飛び回っていた鳥達が、堀の水で水浴びし、一日の疲れを癒していた。



               僕は、生きているんだ…。

180: 2007/01/19(金) 13:43:01.36 ID:Zq6MrKAA0
川 ゚ -゚)「ナイトウ、お前は何故軍師になった?」

唐突なクーの質問。

( ^ω^)「父さんの様な軍師になりたかったんだお」

日が落ちるまでの僅かな絶景を味わう為、互いに顔を合わせずに話を続ける。

川 ゚ -゚)「それは、どういった軍師だ?」

( ^ω^)「僕の指揮で敵も味方も関係無く、戦争で被害を受ける人を減らせたらいいお…。
       甘い考えだけど、やっぱりそうしたいお」

川 ゚ -゚)「同じだな…。私も、父の様な騎士を目指してここまできた」

( ^ω^)「クーのお父さんだったら、きっと素晴らしい騎士だろうお」

川 ゚ -゚)「あぁ、素晴らしい人だ。
     そして私も、私の力で戦争を終わらせたい」

( ^ω^)「戦争が終われば、誰も傷つかなくて済むお。
       一緒に、こんな無意味な事を終わらせようお」

川 ゚ -゚)「あぁ、約束だ」

約束の意を込め、差し出された右手の甲に、僕の左手の甲をそっと重ねる。


それ以上、僕達は言葉を交わさなかった。

181: 2007/01/19(金) 13:44:14.15 ID:Zq6MrKAA0
診療所以外にも寝る為の場所が用意されていたので、昨晩は兵士全員ググレ城に泊まる事になった。

――早朝。
そういえば何時もの癖で5時前に起きた。

弓の練習は行うのだろうか。
とりあえず、外に出てみよう。


川 ゚ -゚)「おはよう、ナイトウ」

クーは昨日と同じ場所、城壁の前にいた。
寝癖でちょこんと立った髪が、凛とした雰囲気に反し可愛らしい。

( ^ω^)「おはようクー、弓の練習はどうするお?」

川 ゚ -゚)「ググレ城には練習場は無いみたいだ。偶には休みとしよう。それに…」
クーが続ける
川 ゚ ー゚)「変に上手くなられて無茶されたら、堪ったものじゃないからな」

(;^ω^)「ははは…」

昨日の絶景を思い出し、外に目を向けると何か違和感を感じた。

( ^ω^)「あれ…?昨日と何か違うお?」

182: 2007/01/19(金) 13:45:16.36 ID:Zq6MrKAA0
川 ゚ -゚)「あぁ、閣下の命令で堀の水を抜いたんだ。
     貯水槽があって、水を出し入れ出来る様になっていたようでな」

( ^ω^)「何の為に抜いたんだお? 水が張っているほうが防衛上都合がいいはずだお」

川 ゚ -゚)「先程、堀に油を撒いていた。
     水であれば即席の橋でも使われれば、軽々と越えられてしまうからな。
     堀をうまく使えば敵兵を城まで辿り着かせずにしとめることが出来る」


( ^ω^)「確かに火が消えたら水を再び入れればいいし合理的だお。
      でも水のほうがよかったお…」

川 ゚ -゚)「ほぅ、それは何故だ? 何か良い案でもあるのか?」

( ^ω^)「この辺りには川が無いお。水があれば鳥さんは此処で休めるお」

川 ゚ ー゚)「ふふふ、お前らしいな。全てが終わったら水に戻そう」


その時であった。

目が裏返りそうなほど瞼を開ききったイヨウ軍師が、右手を上げつつ走り込んで来た。

(;゚ω゚)ノ「ててて、敵襲だぃょう! 敵軍隊がこちらに向かっているぃょう!」

189: 2007/01/19(金) 13:52:38.83 ID:Zq6MrKAA0
川;゚ -゚)「何!? 奴等もう城を取り返しに来たのか!」

(;^ω^)「まずいお…昨日の負傷で戦える兵が殆どいないお!」

川;゚ -゚)「おい、閣下は。閣下は無事なのか!?」


(;゚ω゚)ノ「先程隧道から帰られたから、きっと大丈夫だぃょぅ…」

川;゚ -゚)「くそっ、直ちに戦える者を集めねば」

戦える者…。
ググレ城を攻め、2500人程いた兵の634人が戦氏した。
残り1900ほどの兵の約半数は何かしら戦傷を負い、治療中だ。
戦いに支障が出るほどでない者もいれば、二度と戦に出れないほどの氏傷を受けた者もいる。

戦える兵は精々1500人程度か…。

(;゚ω゚)ノ「てっ、敵兵の勢力。2000!」

僕等よりも500も多い!? いや、それ以前に2000人の勢力…。
まさか…敵軍の指揮官は…!


m9(^Д^)「さぁ皆の者行きますよ!」

プギャー…!!

第三章 【現実】完

214: 2007/01/19(金) 23:01:18.19 ID:Zq6MrKAA0
(^Д^)「待ちに待った攻城戦です。じっくりと楽しませて頂きますよ」


(;゚∀゚)「くそっ、今日は一日寝てようと思ってたのによ」

ジョルジュの弩の腕はかなりの物だ。
城内に侵入されるまでは射程武器同士の争いになる、故に彼が戦えるのは大きい。
敵との間合いを空けて戦える弓兵の負傷は、歩兵と比べ圧倒的に少なかった。

1500名の内、戦える者の6割は弓兵。
この割合が吉と出るか凶と出るか…。

( ^ω^)「長弓が使える者は長弓を持て! 使えぬ者は弩を持て!」

幸い負傷兵の武器と戦利品で、歩兵全員が弓を持つ事が出来た。

('A`)「くそぉ、弓が、引けねぇ…」

( ^ω^)「ドクオは休んでいるお! 僕達に任せるお」

('A`)「すまねぇな…」

ドクオが診療室に戻る。
脇腹の痛みで弓を引く事が出来ないのだ。

(=゚ω゚)ノ「敵軍の兵は、工兵2割、弓兵4割、重歩兵4割だぃょう!」


城から300メートル程の地点で敵軍の動きが止まる。
この間合い、投石器を使う気か…!

215: 2007/01/19(金) 23:02:33.96 ID:Zq6MrKAA0
( ^ω^)ブーンが軍師になったようです 四章【最高の最期】

通常攻城戦は篭城側が圧倒的に有利である。
隧道という大胆な攻め方で僕らは城を落とすことが出来たが、ググレ城は難攻不落の要塞。
通常の攻め方では落とせない事は周知の事実だ。

しかし、相手はプギャーだ。何の策もなく攻めてくる筈は無い。



川 ゚ -゚)「冷静に戦えば勝てぬ数ではない。ナイトウ、兵に指示を!」

堀まで攻められれば堀に火を放ち、それを越えられれば大投石器で石の雨を降らせ、
城壁に張り付かれれば煮えたぎる油を、敵兵目掛け撒き散らせばよい。

だが、この距離で『指示を』と促されても弓で敵兵を殲滅するしか術は無い。
最も、300メートルの距離は弓では届かない。



( ^ω^)「全兵士、敵兵が城に近づくまで待機するお!」

216: 2007/01/19(金) 23:05:17.96 ID:Zq6MrKAA0
(=゚ω゚)ノ「敵工兵、投石機の組み立てを終えたょう」

トレビュシェット型投石器。
錘の位置エネルギーを利用して石を飛ばす攻城兵器である。
以前、プギャーが攻城演習で使用していた物と同型で、その射程距離は300メートルまで及ぶ代物だ。


(;^ω^)「あの距離ではどうにもならないお。
       投石攻撃に耐えつつ、接近する兵を倒すしかないお」

月並みの防衛法ではプギャーには勝てない。しかし、他に手段は無いのだ。

防衛用の大投石器は、大量の石を無差別に飛ばす物であるために精度が悪い。
それ以前に射程も短く、最大でも堀の辺りまでしか飛ばせない。
投石器を破壊するには接近が必須なのだ。

(^Д^)「投石器、発射!」
岩石が敷詰められた錘が落下し、投擲アームが落下の勢いに呼応し、発射物を投げ飛ばす。



川;゚ -゚)「石が、来る…! 石が来るぞ!」

218: 2007/01/19(金) 23:07:22.12 ID:Zq6MrKAA0
くそっ、放たれたか…。
城壁に当たってもいい、頼むから城内には来るな!
皆を傷つけないでくれっ…!

(;´ω`)「だめだお…! 此処まで来るお…!」

高度が高い。
この高さでは確実に、城内まで来る。



無常にも発射物が城内に降り注ぐ。

轟音…いや、おかしい。
石が落ちた割には異常に静かな音だ。

これは、重量がある物が落ちた音ではない…!
ローストチキンの塊を、机から落とした時の音に近い?
それを強調、10倍ぐらいのチキンを落としたような音…。


まさか、人間!?
兵を投石機で飛ばし侵入させた? 幾らなんでもそれは無茶だ。

219: 2007/01/19(金) 23:08:57.45 ID:Zq6MrKAA0
川;゚ -゚)「これは…牛。牛の氏骸だ…」

牛の氏骸…?

(;^ω^)「まさか、プギャーの狙いは…」


川;゚ -゚)「ナイトウ、一体どういう意味だ。牛の氏骸なんて何の為に?」

(;^ω^)「兵糧攻めだお…。プギャー達は攻撃で攻め落す気ではないお」

川;゚ -゚)「兵糧攻めにしては敵兵の数が少ない。
     それに、隧道がある我々に兵糧攻めは通用しない筈だ」

唯一の入り口である正門の前に、大軍を置くだけで十分な包囲にはなる。
しかし、隧道を使えば幾らでも出入りできる。
食料調達どころか、援軍の要請まで可能なのだ。

(;^ω^)「それを見越しての戦略だお。このままでは僕等は隧道を使わざる終えなくなるお」


川;゚ -゚)「牛は、一体何なのだ?」

(;^ω^)「牛は…生物兵器だお…」

220: 2007/01/19(金) 23:11:25.25 ID:Zq6MrKAA0
城内に次々と牛が降り注ぐ。
直撃すれば被害は免れないが、石と比べれば大したことはない。

(;゚∀゚)「なんて匂いだ…」

腐敗した牛の氏体から鼻を刺す悪臭が漂う。

(;^ω^)「長弓兵! 牛を燃やすお!」

悪臭の効果は嗅覚を刺激する苦痛だけではない。
牛が投げ込まれる度、徐々に城内の空気が淀む。

(;^ω^)「まずいお…。このままでは疫病が蔓延して自滅するお…」

川;゚ -゚)「くそっ…どうすれば」

クーを始め、殆どの兵が弓を下ろし、俯き咳き込んでいる。
敵重歩兵に動きは無く、攻めてくる様子が無い。
投石機の防衛に徹するつもりか。

221: 2007/01/19(金) 23:12:57.70 ID:Zq6MrKAA0
(^Д^)「ググレ城のバリスタを撤去しておいたのは正解でしたね」

本来、ググレ城には弓を越える大型長距離射程弩、バリスタが備えられていたはずだった。

(^Д^)「さぁ、ナイトウ君。君ならどう兵を動かしますか…」



(;゚ω゚)ノ「援軍を要請するんだいょう!
     ルラーダ城の防衛兵を使えばプギャー軍を追い返せるいょう!」

敵を討ち、城を護るにはそれが得策だろう。
しかし、それがプギャーの狙いだったらどうする?
ルラーダ城から援軍を呼べば、確実に城の防衛力が低下する。
そこに付入る作戦かもしれない、ここでルラーダ城の兵を使うのは危険だ。


全軍で突撃し、投石機を破壊するべきか?
しかし、野戦は圧倒的に不利なのだ。
何より兵力で劣っている。
それに、敵弓兵はパビスに隠れて地形的にも不利であり、事実上強行突撃は不可能だ。

(;^ω^)「これは、撤退するしかないお!」
城を失うのは辛い。しかし、隧道を使えば全ての兵を無傷で帰すことが出来る。
苦渋の策だが父さんなら、城を放棄し兵を護ることを選択するだろう。

( ^ω^)「皆、撤退だお! 隧道から逃げるお!」


父さん…これで、これでよかったんだよね?

222: 2007/01/19(金) 23:15:26.56 ID:Zq6MrKAA0
('A`;)「ごほっ、ごほっ…なんだよこの匂いは…」


何の匂いだ…?
くそっ、足が思うように動かねぇ。

( ^ω^)「ドクオ! 城を放棄するお! 早く逃げるお!」

('A`)「おい、ちょっとまてよ! いいのかよ!? 折角手に入れた城だぞ!」

何だ、この言葉…。
覚えがある。

( ^ω^)「もう一度取り戻せばいいんだお。生きていれば何だってできるお!」

おいおい、この台詞。俺がお前に追い詰められた時のあの台詞じゃねぇか…。
確か、この続きは。

『俺らは地位や名誉に縛られた騎士様とは違う。命以外に失うもんはねぇ』

だったか…。
地位や名誉に縛られた騎士様か…。

地位や名誉に縛られた覚えは無いが…今俺は。



                騎士じゃないか…?

224: 2007/01/19(金) 23:16:54.14 ID:Zq6MrKAA0
また、あの時の様に逃げるのか?
確かに状況は絶望的だ。ここは逃げた方が懸命だろう。

('A`)「おい、ナイトウ。あの投石器を破壊できれば城を護れるのか?」

(;^ω^)「そうだお。でも、不可能だお…。逃げるしかないんだお」

不可能…。
いや、もしかすると可能かもしれねぇ。

あの場所は確か…。

さぁ、どうする俺?
ナイトウに従い逃げるか、それとも無謀な策だがこれに掛けてみるか…?

('A`)「ナイトウ、この城に馬はいるか?」

(;^ω^)「馬小屋があったから、居るはずだお」

そうか…。
条件は揃ってるって訳か。

なら、迷うことは無い。やるしかねぇだろ俺!?

('A`)「諦めるなナイトウ! まだ策はある!」

225: 2007/01/19(金) 23:18:25.29 ID:Zq6MrKAA0
(;^ω^)「無理だお…早く逃げるお!」

('A`)「以前俺はお前の命令に背き、多くの兵を失った」
正直言うと自信はねぇ。
('A`)「信用できないのは痛いほど分かっている。だが、もう一度だけ俺にやらせてくれ!」

(;^ω^)「駄目だお! 逃げるお!」

('A`)「集え、俺の同胞達よ!」

何を言ってもお前はわかってくれないだろう。
再びすまないが、勝手にやらせてもらうぞ…。

(;゚∀゚)「おい、ドクオ何勝手な事言ってやがる!」

('A`)「来るべき時が来た。俺に付いて来てくれる最高の馬鹿野郎はいねぇかぁ!?」

無茶な話だ。
だが、俺だけでは出来ないだろう…
一人でもいい…頼む。

(・∀ ・)「一生付いて行きますぜ、大将」
( ´ー`)「やってやるーよ」
(-_-) 「私の力…お貸し致しましょう」
(;゚∀゚)「くそっ、なんだかわかんねぇがやるしかねぇんだろ」

ありがてぇ…。
お前らは最高の愛すべき馬鹿野郎どもだ。

227: 2007/01/19(金) 23:19:40.37 ID:Zq6MrKAA0
('A`)「騎兵達は武器を捨て、大盾を持て!」

(-_-)「上等な馬が8頭もいました…大将はこの馬を…」

こりゃ豪く凛々しい葦毛馬だ。期待通りの動きはしてくれるだろう。

('A`)「弓兵は城門の前で俺達を援護してくれ!」

(#^ω^)「いい加減にするお! 逃げるんだお!」

城門が開かれ、それと同時に、堀に掛けられた跳ね橋が降りる。

('A`)「さぁ、行くぞお前ら! 先に氏んでいった同胞達の仇を討つ時が来た!」

(#^ω^)「やめるお! 無謀だお!」

('A`)「安心しろ、必ず成功させる。俺たちには魔法がある…」

(#^ω^)「魔法? ふざけるなお! そんな物があるはずないお!」

('A`)「聞けぇ! ナイトウ!」




('∀`)「明日は…娘の誕生日なんだ」


                  突撃、開始だ…!

230: 2007/01/19(金) 23:21:40.12 ID:Zq6MrKAA0
(;゚ω゚)「なっ…」


(;゚∀゚)「行くなナイトウ! あいつの覚悟を無駄にしないでくれ!」

飛び出そうとしたナイトウを、ジョルジュが引き止めてくれたようだ。
助かる、お前になら傭兵団を任せられるな。

('∀`)(つってももう僅かしか残っていないがな…)


(;゚∀゚)「お前の役目はあいつを止めることではない。
     あいつの最期を無駄にしない事。それがお前の成すべき事だ!」

( ´ω`)「くっ…ゆ、弓兵よ! 全身全霊を尽くし援護するお!!」


ははは、すっげぇな。
平民上りの元盗賊傭兵なんかの為に、皆戦ってくれるてるんだぜ。
信じられねぇな。俺中心に世界が回ってるんじゃねぇかと思えてきちまう。


こりゃ、意地でも失敗できねぇな。


あぁ、必ず。

必ず成功させてやるよ。

231: 2007/01/19(金) 23:23:21.54 ID:Zq6MrKAA0
(^Д^)「なんと無謀な! また、あの間抜けな平民騎兵か。まだ仲間を頃したり無いのか!
    これは予想外に愉快な展開です。」

今は好きなだけ煽るがいい。

直ぐにその空いたまんまの気持ち悪い口、閉めてやるよ。

(^Д^)「武器も持たず何をする気ですか?
    さぁ弓兵達よ。あの愚か者達を残さず頃してしまいなさい!」


(・∀ ・)「きかねぇよぉぉ」

俺の前を行く奴等が盾で俺を護ってくれる。すまねぇな、そんな地味な役でよ。

残り、200メートル!

( ´ー`)「ぐおおぉぉぉ」

シラネーヨ…もう一度お前とチェスで遊びたかったぜ。

(-_-) 「私は此処までのようです…先に逝かせて頂きます」

ヒッキー…2000クオリ、借りたままだったな。

232: 2007/01/19(金) 23:24:04.78 ID:Zq6MrKAA0
(・∀ ・)「後は、任せたぜ…」

マタンキ…お前と飲む酒は旨かったぜ。



(^Д^)「ふひひひひひ、後一人です。皆の者、よく狙って痛みを感じぬように頃してあげなさい」

もう…俺だけか。


残り100メートル!


痛ってぇなぁ…まったくよ。何時もならもう倒れちまってるぜ、全く。

なんだろうな、神か悪魔が味方してくれてるのかわかんねぇが、
上手いこと致命傷だけは受けねぇや。

すげぇ、やっぱり俺中心に世界が回ってるんじゃねぇか?


(;^Д^)「あれだけ矢を受けて何故倒れない!? 奴は化け物か!?」

投石器の目前、300程の重歩兵が立ちふさがる。
さぁ、此処からが正念場だ。

234: 2007/01/19(金) 23:25:48.01 ID:Zq6MrKAA0
('A`)「飛びやがれえぇぇぇぇぇ」

手綱を一気に引き上げる。
すまんなお馬さんよ、痛かっただろう。

(;^Д^)「とっ、飛んだ!?」

初めて空を飛んだが、えらく気持ちいいもんだな。
ナイトウは鳥になりたいって言ってたっけな。
なれるといいな、これは最高に気持ちいいぜ。


さて、楽しい時間はお仕舞いだ。
鞘に入れといたあれは…よし、無事だ。

('A`)「喰らいやがれ、豚野郎おおおぉぉ!」

投石器の手前、30メートルぐらいの地点に落ちる。
地面に口付けし、手に持った小瓶が割れた。


ファーストキスの相手は妙な臭いの娘だな。


全く…油臭くせぇ! いい臭いじゃねか!


ナイトウ、見せてやるぜ。
魔法をよぉ!

235: 2007/01/19(金) 23:27:19.83 ID:Zq6MrKAA0
(;^Д^)「ひぃ、ほっ炎、なっ何故! 何故ここまで燃え上がる!」

右手に熱を帯びた刹那、熱が膨張し身を喰らう。
次なる獲物を求め、業炎の獣は縦横無尽に暴れ狂う。

手に持っていた小瓶は火炎瓶だ。そしてこの場所は…

(;^Д^)「ひぃ…まっ、まさか此処は…」

今頃気づいたか豚野郎。

忘れる訳がねぇ、そこはよ…丁度その地点は、俺がお前に負けた場所。
油が撒かれていた地帯なんだよ…!

油に見せ掛けて水が撒かれていたとも思ったが、用心深いお前のことだ。
あの時俺が見破っていたら火を灯すつもりだったのだろう?

まだ染みきってなくて助かったぜ。

(;^Д^)「まて、水を掛けるな! これは、『VIPの炎』だ…!
    くっ、何処からこんな貴重な物を…」

流石だな、豚野郎。
よくこいつに気づいた。だが、気づいた所でどうする? 炎は決して消せないぞ。
投石器はもう使い物になるまい。

236: 2007/01/19(金) 23:29:03.47 ID:Zq6MrKAA0
全く、高い買い物だった。何しろ二度と作られることの無い火薬だからな。
何時か使える時が来るんじゃねぇかと無理して買っておいてよかったぜ。

『VIPの炎』水で消える所か、その水を喰らいて火力を増す製法不明の火薬。
こいつが一度点火したらもう、自然に燃え尽きるのを待つしかない。

(;^Д^)「くそっ、クズがっ! やりやがって。 お前ら、撤退だ!」

('A`)「へへっ、どうだ? 流石のお前も此処まで読めなかっただろう?」

(;^Д^)「構いませんよ。一度撤退してまた再び同じ事を繰り返せば良いだけの事」

('A`)「ナイトウは同じ策に二度やられる程馬鹿じゃねぇよ
    あいつはお前よりずっと優れた指揮官さ」

(;^Д^)「減らず口をっ! 氏ね、さぁ氏になさい! 氏にやがれ! 氏ね! 氏ね! 氏ね!」



うるせぇ豚だ。
人が眠りに着こうとしてる時ぐらい、静かにできねぇのか…。

体が燃えていく、このまま氏んだら灰になっちまうか…。
それじゃあ、2度と神様は俺を復活させてはくれねぇな。

まぁいい、捨て駒の傭兵にしては上出来な氏に様だ。



じゃあな…ナイトウ…。

238: 2007/01/19(金) 23:33:07.31 ID:Zq6MrKAA0
つあっちぃ…。なんだよ…まだ眠らせてくれねぇのか。

神様だか悪魔だか知らねぇが、これ以上何をお望みだって言うんだ。

('A`)「まじかよ…まだ動けるじゃねぇか」

おいおい、もうこんな体動かしたってどうにもなんねぇだろ。

(;^Д^)「ひぃぃい、ばっ化け物だ…」

怯えていやがる。
まぁ無理もねぇな、火達磨で全身に矢をぶっ刺したまま立っているんだ。俺も訳がわかんねぇ。

あれは…プギャーの胸にあるあれ…? ロザリオか?

成る程、俺を此処まで動かしてくれる奴は悪魔か。
悪魔が神の使者の生贄を欲してる訳か。
OK、お前には世話になった。
それにあいつを殺せるのは俺としても好都合だ。交渉成立としよう。

(;^Д^)「誰か、誰かこの化け物を止めろ! 止めろぉぉ!」

腰抜かしたか、ざまぁねぇな。
味方の兵も怯えて近寄らねぇ。

武器は…足にぶっ刺さってるこの矢でも使うか…。

('∀`)「小汚ねぇ司教さんよ、今神の元へ送ってやるぜ!」

チェクメイトだ…!

239: 2007/01/19(金) 23:34:29.96 ID:Zq6MrKAA0
(;-Д-)「ガハッ…」

(-∀-)「…」

心臓を突かれ、プギャーはドクオと共に息絶えた。


ドクオ…。

辛いけど、苦しくて悲しくて泣きたいけど。

だけど。

今度は成功したから、ドクオの思い通りに行ったのだから。


笑って、見送るよ。


( ^ω^)「ドクオ…ありがとうお。本当にありがとうお…」

( ゚∀゚)「まったく、無茶しやがるぜ! ったくよ…ちくしょぉ…」

川 ゚ -゚)「ドクオ。貴公の働き、見事であった…」

241: 2007/01/19(金) 23:36:46.80 ID:Zq6MrKAA0
( ゚∀゚)「ナイトウ、ドクオからの預かりもんだ。受け取ってくれ」

( ^ω^)「手紙…かお?」

( ゚∀゚)「あぁ、俺がくたばったら渡してくれ、って頼まれた物だが。
     まさか、受け取った翌日に渡す事になるとはな…」

ジョルジュは、逃げるように足早に去っていった。
強がってはいるが、ジョルジュは誰よりもドクオとの付き合いが長い。
相当辛かった筈だ。

川 ゚ -゚)「手紙か…」

クーは平然としている。
数え切れないほどの仲間の氏を経験したクーだ。
涙を枯らせねば、騎士は務まらないのであろう。

( ^ω^)「ドクオ…」


丁寧に折り込まれた羊皮紙を広げ、ドクオの最期の言葉を受け取る。

242: 2007/01/19(金) 23:37:35.02 ID:Zq6MrKAA0
('∀`)
『拝啓…ってこれで使い方あってるか? 手紙とか書くの初めてでな、よくわかんねぇや。
 
 これはな、俺が氏んじまった時ジョルジュから渡すように言ってあったものだ。

 だから、今お前がこれを読んでるっつう事は、俺はもう氏んじまってるって訳だ。

 此処まで悪運でしぶとく生きてきた俺の事だ。

 流れ矢であっさり氏んだとかは無いだろ?

 もしそうだったら笑ってくれ。そしてこの紙を裂いて処分してくれ。

 犬氏だったらこの後の文は意味ねぇからな。

 俺の最期、どうだったか? 格好良かっただろ?

 俺はまだ氏にたくねぇとか、氏ねねぇとか、言ってた割りに現に氏んじまっただろ?

 何故だと思う? 答えは単純だ。

 お前の為になら、氏んでもいいかなって思えたからだ。

 お前との初任務の時、ショボンの奴が俺らを試してるってのは全部嘘だった。

 あれは俺がお前を試すために、ショボンに頼み込んでサンポール正規騎士とし雇ってもらって、
 同行する事になったんだよ。』

243: 2007/01/19(金) 23:38:48.16 ID:Zq6MrKAA0
('∀`)
 『リアジュウ村で俺を追い詰めた指揮。

 あの無駄な被害を恐れる様な戦術が、ルークの奴に似ててな。

 捨て駒として使われ続けてきた俺等を、
 人として指揮してくれる2人目の軍師に出会えたんじゃねぇかって、期待したさ。

 そしたらお前がプギャーに負けた時、仲間の氏を嘆くより戦に敗北した結果を悔やんでいたもんで、
 仲間を失ったショックと期待を裏切られた事でむしゃくしゃしちまってな。

 あの時は言い過ぎた。 本当にすまなかった…。

 でもお前はやっぱ他の貴族軍師の連中とは違ったな。

 指揮下の兵の気持ちを知る為に、戦場に自らの身を投げる馬鹿なんて始めて見たぜ。

 だからよ、そんなお前の為にならアイツに貰った命、捨ててもいんじゃねぇかって思えたって訳だ。

 だがな、俺から言わせればアイツと比べればお前はまだまだ甘い。

 指揮技術だけじゃねぇ、お前は甘すぎる考えの所為で誰も犠牲にできねぇんだよ。

 無闇に兵を捨てるのとは違う、大切なもの護るためには些細な犠牲を気にしちゃいけねぇ。

 小さな犠牲を恐れていては、何時かは大切なものを失う事になるぞ。

 だからこそ、俺の命を使って教えてやったんだ。 感謝しろよ!』

244: 2007/01/19(金) 23:39:43.87 ID:Zq6MrKAA0
('∀`)
『えらく長くなってすまん。 目が疲れただろう。

 俺も手が疲れた。

 そうだな、最後に一言だけ言わせてくれ。






             最高の最期をありがとう



                                  ポーン
                        最高に格好いい捨て駒、ドクオより』

247: 2007/01/19(金) 23:42:05.64 ID:Zq6MrKAA0
( ;ω;)「ドクオ…うぅ…」

ごめん、ドクオ。
やっぱり、抑えきれなかったよ…。






川 ゚ -゚)「ナイトウ、聞いてくれ。話しておきたい事がある」

( ;ω;)「お?…えぐっ…えぐっ」

川 ゚ -゚)「私とドクオは似た者同士だと思っていた。失礼で、恥ずべき事であった…
だからこそ今、本当の事を話しておきたい」

( ;ω;)「どういう…意味だお…?」

川 ゚ -゚)「以前私は、『父の様な騎士になって私の力で戦争を終わらせたい』と言ったが。
     あれはナイトウの手前、見栄を張っていただけだった」
クーが続ける。
川 ゚ -゚)「私が騎士を志したのは誰の為でもない。私自身の為でしかなかった…」

( ;ω;)「じゃあ…どうして…」

川 ゚ -゚)「父に認められたかった…。実力で騎士の地位を勝ち取った父は、
     息子が産まれたら騎士として育てる事を理想としていた」

( ;ω;)「それじゃあ…クーは」

251: 2007/01/19(金) 23:44:01.71 ID:Zq6MrKAA0
川 ゚ -゚)「あぁ、本来女は騎士にはなれぬ。男が産まれて来る事を切望していた父にとって、
     女の私が産まれた事は失望以外の何物でもなかった…。
     幸い2人目の子供は男であったので、なんとか父の理想は叶えられた」

( ;ω;)「クーが産まれた事を喜んでくれなかったのかお? そんなのひどいお」

川 ゚ -゚)「それが父の生き方であり、全てだった。私もその考えを憎むことは無かった。
     弟が生まれ、父の愛情の偏りが露骨に感じれれるようになった時、
     私は、女として産まれた自分自身だけが憎らしかった」

( ;ω;)「それで…騎士になる事を決めたのかお」

川 ゚ -゚)「その通りだ。私の父が嘗て実力で地位を勝ち取った様に、
     実力さえあれば平民の女でも騎士になれると信じ、独学で剣を覚えた。
     だが、私がサンポールの騎士となった時、もう父はいなかった」

( ;ω;)「クー…」

かけてあげるべき言葉が見つからない…。

川 ゚ -゚)「それからが辛かった。周りの騎士達は殆ど貴族出身の者で当然男ばかりだった。
     平民出身で尚且つ女だった私は、同じ部隊の騎士達から陰湿ないじめを受けることが多かった。
     平民出身である事は寧ろ誇りであったが、女である事を責められるのが何よりも辛かった」

252: 2007/01/19(金) 23:45:34.44 ID:Zq6MrKAA0
川 ゚ -゚)「耐えることが出来なかった…。
     女である事を捨てる為に髪を切り、私は男として生きることを決めた」

( ;ω;)「男か女なんて関係ないお! どうして皆はそんな事に執着するお…」

川 ゚ -゚)「それでも、ルラーダ城に配属されてからは随分と気が楽になった。
     閣下は分け隔てなく部下に接してくれるし、サスガーノ隊長もいい人だった」

川 ゚ ー゚)「アニージャ隊長は『女だったのかぁ!?実は…前から好きだったぞ』とか言って、
     私の劣等感を逆手にとって慰めてくれたりしたしな」

アニージャ隊長は本気で言ってる気がしないでもない…。

しかし、ドクオが言っていた事では、今もクーは騎士団では孤立してるのだ。
気が楽といっても、幸せとは言いがたいだろう。



川 ゚ ー゚)「そこに、ナイトウが来てくれた」

( ;ω;)「…えっ?」

川 ゚ ー゚)「初めてだった…。あれ程人と他人と話したことも…あれ程笑ったことも」


不意にクーの両腕が、僕の背中を包み込んだ。

253: 2007/01/19(金) 23:46:54.16 ID:Zq6MrKAA0
川 ゚ ー゚)「私はドクオの様に人の為には戦えない。人の為に自分の命を犠牲に出来ない。
     私は自分の為に行き続けた情けない女だ。
     だから、ナイトウ。お前は、私が護る。
     私の為に、生きてお前を護り続ける」

鎧に覆われたクーの腕や胸は外気に長時間触れた為か、とても冷たかった。


冷たいのに、冷たいはずなのに何故だか…あったかい。

254: 2007/01/19(金) 23:48:41.00 ID:Zq6MrKAA0
(;´_ゝ`)「いやだなぁ…冗談ですよ、私は常日頃我が国の勝利と繁栄を願っております」

(´・ω・`)「君ほど解かり易い男もそういないよ」

(;´_ゝ`)「それで、何でしょうか閣下? 何か用事があってお越しになられたのですよね」

(´・ω・`)「まず、このテキーラを飲んで落ち着いて欲しい」

(´<_ `;)「は、はぁ…」

(´・ω・`)「変に気取って論点を捻じ曲げたくない。謝って許してもらおうとも思っていない」

(;´_ゝ`)「それは…どういう意味で…」

(´・ω・`)「単刀直入に言う」



(´・ω・`)「君達には、氏んでもらう」


(;´_ゝ`)「「え…?」」(´<_ `;)


第四章 【最高の最期】完

263: 2007/01/20(土) 00:11:45.86 ID:HjUs5H0D0
        ~ルーク・ホライゾン 軍師のあり方~


    1つ、軍師は常に無駄な犠牲を避けねばならない。


    2つ、軍師は常に兵を人間として扱わねばならない。


    3つ、軍師は常に兵の立場に立って命令を下さねばならない。


    4つ、軍師は常に犠牲を恐れず指揮せねばならない。


    5つ、人間は常に自我を持って生きねばならない。


( ^ω^)ブーンが軍師になったようです 最終章【ほんとうのこと】

266: 2007/01/20(土) 00:13:47.92 ID:HjUs5H0D0
防衛成功の伝令が閣下に届いた途端、閣下はググレ城に舞い戻って来た。

(´・ω・`)「皆の者、ご苦労であった。
       連戦で疲労した体を休ませてあげたいが、今一度、私に力を貸してくれまいか」

大勢に語りかける時、閣下は普段のやわからい口調から変化する様だ。

ググレ城を手にし、防衛も成功した。
これ以上の戦いとなれば恐らく。

(´・ω・`)「時は満ちた。今こそレヴェル城を攻め落とす時ぞ!」

(=゚ω゚)ノ「か、閣下。どういう事ですょう。流石にレヴェル城を攻めるのには無理が…」

イヨウ軍師だけではない。皆、戸惑いを隠せないでいる。

(´・ω・`)「先日の戦でモノウルはプギャーを失ったよね。
      そして、モノウルの軍事指導はプギャーが担っていた。
      指導者を失ったレヴェル城は脆いから。一気に攻め込んで終わらせようと思うんだ」

(=゚ω゚)ノ「し、しかし閣下、今兵は疲労しております。日を置いてからでも良いと思いますょう」

(´・ω・`)「その点は誠にすまないと思っているよ。だけど、ベルジャネーゾ卿は感情的な奴でね。
       信用していた部下、プギャーがやられたともなれば必ず仕返しに来るさ」

(=゚ω゚)ノ「失礼ですが、何か根拠はあるのですかょう?」

(´・ω・`)「具体的に示せるものは無いけど、私の経験上奴は必ず来るよ。
       策も無いのに、大群を引き連れてね」

267: 2007/01/20(土) 00:14:44.91 ID:HjUs5H0D0
(=゚ω゚)ノ「しかし、それではレヴェル城を攻める暇も無く、防衛に徹するしかありませんょう」

(´・ω・`)「そこでだけど。ここググレを放棄して、一気にレヴェル城を攻め落とすのだよ
       ルラーダ城防衛兵は既にレヴェル城付近で待機するよう命令してきたよ」

(;゚ω゚)ノ「でしたら、ルラーダ城の防衛は!?」

(´・ω・`)「無いに等しいね。大丈夫、民の皆は避難させておいたし、
       相手より速く城を落とせばいい。
       私はルラーダ城で吉報を待っているよ」

モノウル兵に攻められれば閣下の命は無い。
それほどの危険を負って行うまで、この作戦に自信があるようだ。

(´・ω・`)「一度に全ての兵を動かせば城を放棄した事がばれるかもしれない。
       だから、1部隊ごとに分かれて移動してもらうよ。隧道を出て東に移動した森林地帯に、
       先に集まってもらった防衛兵達がいるから合流してね」

まさか、ここまで早くレヴェル城を攻めることになるとは。
ここまで来るまであっという間で、辛いことも多々あったけれど。

これで終わる。

完全にでは無いとはいえ、無意味な戦が1つ終わるのだ。

269: 2007/01/20(土) 00:16:21.82 ID:HjUs5H0D0
だぁぁぁぁorz

また国名訂正できてないの投下してしまった…。
見づらくて申し訳ないが2レス目からやり直します。

270: 2007/01/20(土) 00:17:50.77 ID:HjUs5H0D0
防衛成功の伝令が閣下に届いた途端、閣下はググレ城に舞い戻って来た。

(´・ω・`)「皆の者、ご苦労であった。
       連戦で疲労した体を休ませてあげたいが、今一度、私に力を貸してくれまいか」

大勢に語りかける時、閣下は普段のやわからい口調から変化する様だ。

ググレ城を手にし、防衛も成功した。
これ以上の戦いとなれば恐らく。

(´・ω・`)「時は満ちた。今こそレヴェル城を攻め落とす時ぞ!」

(=゚ω゚)ノ「か、閣下。どういう事ですょう。流石にレヴェル城を攻めるのには無理が…」

イヨウ軍師だけではない。皆、戸惑いを隠せないでいる。

(´・ω・`)「先日の戦でドメストはプギャーを失ったよね。
       そして、ドメストの軍事指導はプギャーが担っていた。
       指導者を失ったレヴェル城は脆いから。一気に攻め込んで終わらせようと思うんだ」

(=゚ω゚)ノ「し、しかし閣下、今兵は疲労しております。日を置いてからでも良いと思いますょう」

(´・ω・`)「その点は誠にすまないと思っているよ。だけど、ベルジャネーゾ卿は感情的な奴でね。
       信用していた部下、プギャーがやられたともなれば必ず仕返しに来るさ」

(=゚ω゚)ノ「失礼ですが、何か根拠はあるのですかょう?」

(´・ω・`)「具体的に示せるものは無いけど、私の経験上奴は必ず来るよ。
       策も無いのに、大群を引き連れてね」

271: 2007/01/20(土) 00:18:35.00 ID:HjUs5H0D0
(=゚ω゚)ノ「しかし、それではレヴェル城を攻める暇も無く、防衛に徹するしかありませんょう」

(´・ω・`)「そこでだけど。ここググレを放棄して、一気にレヴェル城を攻め落とすのだよ
       ルラーダ城防衛兵は既にレヴェル城付近で待機するよう命令してきたよ」

(;゚ω゚)ノ「でしたら、ルラーダ城の防衛は!?」

(´・ω・`)「無いに等しいね。大丈夫、民の皆は避難させておいたし、
       相手より速く城を落とせばいい。
       私はルラーダ城で吉報を待っているよ」

ドメスト兵に攻められれば閣下の命は無い。
それほどの危険を負って行うまで、この作戦に自信があるようだ。

(´・ω・`)「一度に全ての兵を動かせば城を放棄した事がばれるかもしれない。
       だから、1部隊ごとに分かれて移動してもらうよ。隧道を出て東に移動した森林地帯に、
       先に集まってもらった防衛兵達がいるから合流してね」

まさか、ここまで早くレヴェル城を攻めることになるとは。
ここまで来るまであっという間で、辛いことも多々あったけれど。

これで終わる。

完全にでは無いとはいえ、無意味な戦が1つ終わるのだ。

273: 2007/01/20(土) 00:19:32.90 ID:HjUs5H0D0
僕は、元傭兵部隊と防衛兵1部隊を混合した部隊を指揮する事となったので、
新たにジョルジュが隊長となった元傭兵部隊を連れ、防衛兵達の陣に合流した。
薄暗いながらも、地は踏み均され歩き易く、大軍を容易に隠せる程の木々が生い茂っていた。

[ ゚皿゚]「貴公がナイトウ殿か。私が貴公に世話になる防衛兵隊の隊長、ジルトだ。よろしく」

防衛兵の全員が、全身重厚な板金製の装甲で覆われたフルプレートで武装している。
歩く度に鉄板が擦れ合う音が鳴り、とても動き辛そうに見える。
積極的に攻める兵とは違い、受けに徹する兵であるが故の重装備なのだ。

(;゚∀゚)「おいジルトさんよ、よくそんな重そうなもん着て動けるな…」

[ ゚皿゚]「このぐらい当然だ。毎日鍛えているからな」

特別何も意識せずに発せられた発言であろうが、
軽装で固めた元傭兵達には嫌味と解釈する者も少なくないだろう。

(;^ω^)「本日は、よろしくお願いしますお…」

どうも、気まずい…。
厳格な防衛兵と軽率な元傭兵軍。
この正反対な2部隊を混同させ指揮するのは今までに無い、扱いづらさがありそうだ。

274: 2007/01/20(土) 00:20:27.68 ID:HjUs5H0D0
(=゚ω゚)ノ「閣下の予想通り、レヴェル城から敵兵の動きが確認されたようだぃよう!」

混同部隊の指揮を如何にして行うか考慮している間に、ググレ城にいた殆どの兵が集まった。
ルラーダ城護衛兵約6000人とググレ城の兵約1500人。
合わせて7500人…圧倒的兵力。
勝てる戦、そして長期間小競り合いを続けていたレヴェルとの最終戦。
集いし兵の士気は最高潮まで上がっていた。

(=゚ω゚)ノ「偵察兵からの情報が入ったいょう! ググレ城に向かう敵兵の数9000!」

[ ゚皿゚]「掛かったな、奴ら。9000もの兵を使えばレヴェル城はもはや空城同然!」

閣下が言っていた通りだ。
プギャー一人が居ないだけで此処まで変わってしまうものなのか。

[ ゚皿゚]「いいか、軍を指揮する者の力で戦況は之ほどまでも変わるのだ」

圧力をかけてくるとは…ジルトは僕を信用していないのだろうか。

大丈夫、これは勝ち戦。
初陣の時と同じ、案ずる必要は無い。

(=゚ω゚)ノ「兵は揃ったぃようね? 皆の者出撃準備だぃょう!」


兵は揃った…?

275: 2007/01/20(土) 00:21:26.18 ID:HjUs5H0D0
( ^ω^)「イヨウ軍師待ってくれお。まだ兵は揃ってないお!」

まだ、クーのいるサスガーノ隊が来ていない。

[ ゚皿゚]「いや、我ら守護兵部隊とググレ城制圧軍小隊の部隊数は同じ。
     全部隊が混合部隊になる筈だ…兵の数に間違いはない」

( ^ω^)「おかしいお、きっと分配する兵数が違ったんだお。
      サスガーノ隊が来ていないお」

[ ゚皿゚]「何を言っている。サスガーノ兄弟の軍はググレ城の防衛に就いているではないか」

ググレ城の防衛…?
ジルドは何を言っているんだ…ググレ城は破棄した筈だ。
破棄する城で防衛なんて馬鹿げている。やはり、情報に錯誤が生じているのだろうか。

( ^ω^)「何を言っているお? 廃棄する城を防衛してどうするんだお」

[ ゚皿゚]「ご冗談を…。本気で言っているのであれば、貴公に指揮を任せるのは御免蒙りたい」

(#`ω´)「ふざけてなんかないお! じゃあ何の為に防衛なんてするんだお!」

[ ゚皿゚]「本気で言っているのか、この小僧は…」

ジルドはわざとらしく頭を抱える素振りをして、僕に聞こえる様に呟く。

276: 2007/01/20(土) 00:22:27.73 ID:HjUs5H0D0
[ ゚皿゚]「破棄するとは言え、完全に空城にする訳にはいかない。
     防衛している振りをしなければ、ドメスト兵は我々の狙いに気づき
     兵を即座に戻すだろう」

( ^ω^)「じゃあ…サスガーノ軍は」

[ ゚皿゚]「比較的数が多い軍だ。全ての兵を敵兵が見易い位置に配置すれば、
     ググレ城を防衛している振りができる。
     圧倒的に数が少ないとはいえ、ググレの設備であれば城内の侵入は容易ではない。
     良い時間稼ぎになってくれるだろう」

嘘…。
だって、それじゃあクー達は。

[ ゚皿゚]「この戦、ベルジャネーゾと決着をつける戦の要。
     騎士として、名誉ある氏だ…」

何だって…今。

(#`ω´)「今なんと言ったおぉ!」

[ ゚皿゚]「何か気に触りましたでしょうか?」

(#`ω´)「何が名誉ある氏だお! ふざけるのもいい加減にするお!
     閣下がそんなひどい作戦実行するはずがないお!」

[ ゚皿゚]「この様な小僧に私の命を預けるのか…?」

再びジルトが嘆き、僕に目を合わせる。
哀れみを帯びた、無機質な目で。

277: 2007/01/20(土) 00:23:23.24 ID:HjUs5H0D0
[ ゚皿゚]「大儀を得る為には、些細な犠牲を恐れてはならん
     そんな事も学ばずに軍師となったのかお前は?」

軽蔑の念を隠そうともせず、ジルトは語り続ける。

[ ゚皿゚]「もしサスガーノ軍に何かしら私情をもって、その様な愚言を呈すのであれば、
     お前には兵の命を預かる者としての資格が無い」

軍師の道を志した時に覚悟は決めている。
それに、小さな犠牲を恐れていてはならないって、ドクオが命を賭けて教えてくれたではないか。
そう、僕は兵の命を預かる者だ。

( ´ω`)「わかってる…そんな事わかってるお」

[ ゚皿゚]「不本意ではあるが、閣下の命令だ。ならばお前の指示に従おう」

これで、戦が1つ、終わるのだ。
この戦を終わらせれば…敵も味方も関係無く、戦争で被害を受ける人を減らせるんだ。

ごめん、クー。
一緒に狩り、行けなかったね…行きたかったよ、クー…。

絶対に勝つ。
勝って約束通り戦を終わらせよう。
最後は一緒に戦えなくて残念だけど、共に自分の役目を果たし、戦おう。


だから…未練が残らない様に戦って、氏んでください。

278: 2007/01/20(土) 00:26:20.43 ID:HjUs5H0D0
(;゚∀゚)「いいのか…? ナイトウ」

( ´ω`)「ドクオが命を賭けて教えてくれたんだお…。
      大切なもの護るためには、些細な犠牲を気にしちゃいけないのだお」

大切なもの…。
この国、いや、この世界に生きる全ての人々を護る。

(;゚∀゚)「お前にとって、クーは些細な犠牲なのか?」

些細な犠牲…。
クー…。

些細な訳が無い、クーが些細な犠牲な訳ないじゃないか。

(=゚ω゚)ノ「皆の者! 出陣だいょう!」

[ ゚皿゚]「さぁ、頼んだぞ。ナイトウよ」

大切なものって何だ?
この世界に生きる全ての人々を護る…?
僕は、何を驕っていたのだ…。

戦争で被害を受ける人を減らすなんて本当に望んでいたか?
軍師になって、自分を納得させる為についた嘘が、何時しか偽りの目標となっていただけじゃないのか?


だって僕は、軍師になりたいなんて、微塵とも思って居なかったじゃないか…。

279: 2007/01/20(土) 00:27:17.43 ID:HjUs5H0D0
クーが些細な犠牲の訳が無い。
相対的に見れば1人の兵と数え切れないほどの命。

でも、戦なんて終わらなくても構わないじゃないか。
クーが、生きていてくれるのなら…。

『小さな犠牲を恐れていては、何時かは大切なものを失う事になるぞ』

か、確かにドクオは教えてくれた。自らの身を持って…

大切なものを失う辛さを。

そう…あの時、僕は止められた。
ジョルジュの手を払いドクオの足にしがみいて離さなければドクオは止められたんだ。
ドクオの覚悟と自分の立場に阻まれ、止める事が出来なかった。

でも…止めたかったんだ。

何が最高の最期だ。そんなもの踏み躙ってしまえばよかった。
城を捨てて一緒に逃げようって、どうして最後まで言えなかったんだ…。

[ ゚皿゚]「どうしたナイトウ。此処で待機するのがお前の命令か?」

( ´ω`)「ジョルジュ…お願いがあるお」

280: 2007/01/20(土) 00:28:29.98 ID:HjUs5H0D0
( `ω´)「ジュルジュ・ナガオカ。只今を持って我が部隊の指揮は、貴公に委ねるお」

軍師として最低な命令だ。何と思われようとも構わない。

[ ゚皿゚]「何をふざけた事を!」

( `ω´)「僕は…クーを助けに行くお!」

[#゚皿゚]「貴様ぁ!己の立場を理解しておらんのか!
     えぇい、貴様の様な軟弱者はサンポールには要らぬ。この手で葬り去ってくれる!」

ジルトが剣を抜く。仲間の僕を殺ろうというのか。
だが、お前に構っている暇なんてない。

[#゚皿゚]「ぐぅお! 貴様、何を」

ジョルジュの拳が、鎧に覆われた鳩尾を殴り、鈍い金属音が響く。

(#゚∀゚)「軍師の命令は黙って聞く。お前はそんな事も学ばずに騎士となったのか?
    軍師の命令は絶対だ。そして今ナイトウの命令で、この軍の指揮は俺に託された。
    お前は俺の命令に従ってもらう」

[#゚皿゚]「貴様ぁ!」

(#゚∀゚)「やりたきゃやるがいい。お前ら防衛隊の方が、数が多いから、戦の腕慣らしに殺ればいい。
     だが、無意味な内紛を閣下が許すと思うか?それに、お前らは所詮指示待ち兵。
     俺みたいな指揮から戦までなんでもこなす、優秀な兵が指揮した方が懸命だと思うがな!」

281: 2007/01/20(土) 00:29:38.93 ID:HjUs5H0D0
[#゚皿゚]「平民風情がっ! 戦が終われば頃してやる…」

( ゚∀゚)「あぁ受けてやるよ。だから今は俺の指示に従えよ」

( ^ω^)「ジョルジュ…恩に着るお」

( ゚∀゚)「お前はやっぱり、あいつに負けねぇ馬鹿野郎だ。
    行って来い。何故だかわかんねぇがお前はやってのけるだろうよ」

ジョルジュに任せて正解だった。彼ならきっと、皆を勝利に導いてくれるだろう。

( ゚∀゚)「ジルト。お前の馬、ナイトウに貸してやれ」

[#゚皿゚]「くっ…勝手にしろ」

( ゚∀゚)「馬は…乗れるよな?」

小さい頃父さんに連れられ、僕は馬に乗った。
偶々僕が乗った馬が暴走し、振り落とされそうな恐怖を味わってから、怖くて乗らなかっただけだ。
振り落とされそうになったけど、僕は落ちなかった。

乗れたんだ。

( ^ω^)「ありがとうお、ジョルジュ」

ジョルジュから護身用の短剣を受け取り、背を跨ぎ鐙に足を掛け、思い切り腹を蹴る。
あの時の様に、暴走とも言える程、馬は荒く暴れ走る。

クー
今、助けに行くから。

282: 2007/01/20(土) 00:30:45.04 ID:HjUs5H0D0
胸が高まる。
自然と恐怖は感じない。
そう、始めから僕はこの瞬間を待ち望んでいたのだから。

僕は父さんの様な軍師にはなれなかった。
でも構わない。

本当は…
                    ルーク
僕が成し遂げたかった事は、鉄壁の守護神になる事じゃなかった。


森を抜け出しリアジュウに着き、ググレ城が視界に入った。
敵兵が城門まで来ている。
まだ…侵入されていない! まだ間に合う。

( `ω´)「クー、今行くお!」

落ちる様に馬から降り、隧道に転がり込む。

打ち付けた足の痛みも、枷にはならない。
閣下の命令も、軍師の立場ももう関係ない。

そう、僕が本当になりたかったのは――――……

284: 2007/01/20(土) 00:31:50.19 ID:HjUs5H0D0
「こうして、ツンデレラと騎士は、一緒に仲良く暮らしましたとさ。めでたし、めでたし」

川*^-^)「ねぇねぇ母さん。私もかっこいい騎士様と一緒に暮らせるかな?」

「えぇ、クーちゃんは美人だから。きっと素敵な人と出会えるわ」

川*^-^)「ふふ、お母さんは綺麗だから、お父さんみたいな騎士と一緒になれたんだよね」


…………

懐かしいな、私も普通の女の子として生きていた頃があったんだな。

憧れだった父の様に、私はもう直ぐ騎士として氏ぬ。
これで…これで良かったのだ。

川 ´ -`)「くっ…」

涙なんて何年ぶりに流したのであろうか。
仲間を失っても一滴すら流さなかったと言うのに、己の為に流すと言うのか…私は。


情けない…。

285: 2007/01/20(土) 00:33:07.92 ID:HjUs5H0D0
( ´_ゝ`)「クー、お前はもう十分頑張った。後は俺等に任せて逃げろ」

川;゚ -゚)「え!?」

思ってもいなかった言葉だ。
しかし、部隊の仲間を捨て、私だけ逃げられるものか…

これ以上、自分を蔑みたくない。

川 ゚ -゚)「お前達に任せるのは不安だ。気遣いは感謝するが、逃げはしない」

(*´_ゝ`)「全く強情な子だ…まぁそこが可愛いいんだがな」

もう直ぐ自らも氏ぬと言うのに、私を慰めてくれるとは…
最後にお前達と共に戦えて良かったよ。

敵兵が城門まで辿り着いたようだ。
見ていてくれドクオ。私の捨て駒としての最期の生き様を。

286: 2007/01/20(土) 00:34:21.87 ID:HjUs5H0D0
(´<_ `;)「だっ、大丈夫か!? クー」

川;゚ -゚)「えっ…?」

決意を込め、握り締めていた筈の剣が無い…


落とした? 

何故?

(´<_ `;)「おい、クー!」

冷えきった手で心臓を直接握り込まれた様に、体に異常な寒気を感じ震える。

力が…入らない。


私はどうなってしまうのか、このまま氏ぬのか?

氏ぬとどうなるのだ?

い、嫌だ。
まだ…まだ氏にたくない。

287: 2007/01/20(土) 00:35:15.20 ID:HjUs5H0D0
生と氏の狭間なら何度も潜り抜けた。
如何なる窮地も、勝抜けば生き長らえる事が出来た。
氏の恐怖は、殺戮による生の実感で覆してきた。

しかし、
もう生き残る術は無いのだ…。


氏ねば、誰も私を認めてはくれない。

氏後に私がどう言われようとも、私にはもう何も聞こえない。
命を掛けて国に尽くした私を、皆がどう言おうとも聞こえない。


ナイトウは、私の氏を嘆いてくれるだろうか…

いくら泣き叫んでくれたとしても



                その声は、私の耳には届かない…。


ナイトウ、もう一度。
お前の声が聞きたいよ…。


( `ω´)「クー!!」

289: 2007/01/20(土) 00:37:01.77 ID:HjUs5H0D0
川 ゚ -゚)「なっ…ナイトウ!」

そう、
僕が本当に成りたかったのは…

( ^ω^)「ナイト・ホライゾン。遅ればせながら、貴女を助けに参りました」

男として生まれたなら誰もが一度は憧れた正義のヒーロー。
僕も例外じゃない。本当は、大切な人を護る騎士になりたかった。

しかし、声に出してみると、恥ずかしい…。
耳まで真っ赤になってるのが自分でも分かる。

川 ´ -`)「この、馬鹿者が…」

「皆の者! 突撃ぃぃぃ!!」

城門が突破されたようだ。
もう、隧道に戻ることは出来ない。

川 ´ -`)「私が護ると言ったであろう…。何故、大人しくしていなかったのだ」
クーは鼻を啜り、声を漏らす。
川 ´ -`)「もう、護れぬではないか…」

( ^ω^)「安心するお。僕等にはまだ助かる道があるお」

川 ´ -`)「城門も隧道も封じられた…私達にはもう逃げ道は無いのだ」

( ^ω^)「何言っているお。こんなにも広い道があるじゃないかお」
そう言って、僕は空を見上げた。

290: 2007/01/20(土) 00:38:17.30 ID:HjUs5H0D0
川 ´ -`)「翼の無い私達には、空は大きすぎる牢でしかない。
      足が着かぬ道を、どうやって進むというのだ…」

( ^ω^)「飛ぶ為には翼がいるなんて誰が決めたんだお。
       あれで、あれを使って飛ぶんだお!」

僕が指し示した物は、大投石器。
『鳥になりたかった中年』だったかな。あのドクオが話してくれた笑い話。
きっと、鳥になりたかったおじさんは、あれで空を飛んだのだろう。

川 ´ -`)「無理だ。あんな物で飛べるはずが無い」

( ^ω^)「信じれば…空も飛べるはずだお」

川 ´ -`)「それに、私は逃げない! 私は、最後まで戦うと決めたのだ!」



( ´_ゝ`)「違うだろ…
     君はそんな事望んでいない。本当は――」

川 ´ -`)「何をっ…! 私だって戦う。 最後まで、国の為に――」

( ´_ゝ`)「クー!!」

遮られた言葉を、遮ってアニージャは再び言葉を放つ。



( ´_ゝ`)「行って来い…それがお前の望みであり。俺の望みだ」

291: 2007/01/20(土) 00:39:28.48 ID:HjUs5H0D0
( `ω´)「さぁ、いくお。クー」

クーの左手を引っ張り、大投石器に向かう。
これ以上猶予は無い。敵兵が辿り着く前に逃げ切らなければ。

川 ´ -`)「ありがとう…ありがとうございました。サスガーノ隊長」

( ´_ゝ`)「発射は俺がやる…せめて最後の別れは、俺の手でやらせてくれ」

クーと共に、大投石機の発射台に乗った。本来大量の石を乗せる場所だ。
大人2人が乗る空間は十分にある。

( `ω´)「しっかり掴まっているお!」

クーの腕が絡まり、サスガーノ兄弟が錘を最大限まで引き上げる。

(*´_ゝ`)「もし、生きて再開したら。結婚しような、クー」

錘が放たれ、僕等は上空へ投げ飛ばされた。


咄嗟に翼を広げる様に腕を命一杯広げた。両腕が風を切り、姿勢が安定する。

⊂二二二( ^ω^)二⊃「すごいお、本当に飛んでるお!」

川;゚ -゚)「信じられない、本当に飛べるとは…」

⊂二二二( ^ω^)二⊃「ブ―――――――ン」

信じれば、空も飛べるんだお。

293: 2007/01/20(土) 00:41:39.97 ID:HjUs5H0D0
(´<_ ` )「時に兄者、再び問おう」

( ´_ゝ`)「どうした弟者。急に改まって」

(´<_ ` )「何でも一つだけ願いが叶うとすれば、今兄者は何を願う?」

(*´_ゝ`)「今のあいつ等が後世に語り継がれる物語になった時、歌を聞いたおにゃのこ達が俺に惚れる様な最期をくれ。
     世界のおにゃのこ達の、永遠の憧れになれる様な最期を飾りたい」

(´<_ `*)「欲望丸出しだが…悪くはないな!」

「我等ドメスト兵を罠に嵌めるとはふざけよって。皆頃しにしてくれるわ!」

( ´_ゝ`)「来たか…俺たちの最期を飾る、噛ませ犬さんが。弟者、あれをやるぞ!」

(´<_ `;)「えっ…いや。何? あれって…そんなの知らないし」

( ´_ゝ`)「いいか、まず背中を合わせるんだ。左手は適当に垂らせておいて、
     右手は首に巻きつけるようにこう腕を曲げるんだ」

(´<_ `;)「えっと…こ、こうか?」

( ´_ゝ`)「そうだ。そして槍を握った右手を、スナップを利かせて敵兵に向け、叫べ!」

「氏ねえええぇぇぇぇ」

( ´_ゝ`)「いくぞ、せーのっ!」


( ´_ゝ`)「「流石だよな、俺ら!!」」(´<_ ` )

294: 2007/01/20(土) 00:42:47.01 ID:HjUs5H0D0
どんな物語にも終わりはある。
楽しいこと、幸せなこと、辛いこと、悲しいことも…いつかは終わる。
どんなに楽しい夢だって、一度目が覚めてしまえば、再び見ることは叶わない。

心地良くて心から幸せを感じた夢の様な瞬間も終わりが来て、僕の全てが終わった。

終わってしまったけど、これで良かったんだと思う。

ほんの僅かな時間だったけど、子供の頃から憧れていた騎士になれたし、
クーを助けることも出来たと思う。

ドクオも…こんな気持ちだったのかな?

あんなに氏ぬのが怖かったのに、どうしてこんなに嬉しいんだろう。

1度しかない終わりを、望み通りに向かい入れる事ができたからかな。


暖かいな…最期ってこんなに暖かいものだったんだ。


って・・・あれ?

何か…急に暖かさが偏った様な・・・。

えーっと…口? 口が暖かい。
口だけが暖かい…


えっ…どうして?

295: 2007/01/20(土) 00:44:10.54 ID:HjUs5H0D0
( ´ω`)「どうな…てるお…」

あれ、瞼が…開く。

川;゚ -゚)「……」

(;゚ω゚)「……」

目が開いたと思えばクーと目が合う。その距離僅か1cm35mm。
えーっと…この状態は、いわゆるあれですか。

 
まうす・てぅー・まうす?

それは即ち
接吻、口づけ、キス、ともいい、愛情表現のひとつ。
人が互いに親愛の情を示すために唇で、相手の額や頬、唇などに触れる行為のこと。


何故…ナシテコンナコトニナットルネン!?
OK、夢ですねそうですね。お休みジェニファー。色々ありましたが私は元気です。


川////)「ば…馬鹿者。勘違いす、するな! お前が中々起きないので人工呼吸をだな!」

いいですかクーさん。人工呼吸と言うのは、相手と垂直の位置で行うのですよ。
どうして貴女は私に馬乗りになっているのですか?
重いです…いや、体重とかじゃなくて鎧がですね…ごふっおぅ!

296: 2007/01/20(土) 00:45:13.43 ID:HjUs5H0D0
( ´ω`)「くほぉ、ごほぉ」

水? 口から出たこれは水?

川////)「ほらみろ。かなり水を飲んでしまったみたいだったからな…だったからだ!」

( ´ω`)「ふぅ・・・どうして水が」

大量の水を吐いて平生を取り戻す。
冷静になって考えてみると、どうも納得いかない事が一つある。

( ^ω^)「そういえば、如何して僕は無傷なんだお?」

クーに問いつつ辺りを見回すと、その答えを見つけた。



( ^ω^)「堀…堀に水が張ってあるお」

川 ゚ -゚)「それは、私が隊長に頼んだのだ。全てが終わったら水に戻そう…お前と、約束したからな」

全てが、終わったら…。
クーはクーの全てを、終わらせるつもりだったのか。

297: 2007/01/20(土) 00:46:18.91 ID:HjUs5H0D0
( ^ω^)「ははは、そう言えば指揮を放棄して此処まで来ちゃったんだったお。
       でも、きっと大丈夫だお」

川 ゚ -゚)「ありがとう…ナイトウ」

そう言った後、クーの表情が硬くなり、口が小刻みに揺れだした。

そういえば僕と一緒に水に落ちたクーもずぶ濡れだ。寒いのだろうか。

川////)「あのだな…お前が、お前が良かったらでいい」

( ^ω^)「ん、何の事だお? クーのお願いなら何でも聞くお」

川////)「私と…私とだな、い、一緒に――グオォォン――てくれないか」

(;^ω^)「え? 何か重要な所で変な音が混じったお」

今の音…何?

川 ゚ -゚)「勝った…勝ったのか!……喜べ、私達の勝ちだ! ナイトウ!」

そうか、今の爆音は。
祝砲か!

レヴェル城を、攻め落したんだ…。


僕達の戦いは…終わったんだ。

最終章【ほんとうのこと】 完

298: 2007/01/20(土) 00:47:32.70 ID:HjUs5H0D0
レヴェル城陥落の吉報は直ぐにサンポール中に行き届いた。
そして、それに続く様に、サンポールは次々と領地を広めていった。


近頃、ドメストが降伏してくるとか、停戦協定を申請してきたとか、
根拠の無い噂が国中を飛び交うようになった。

もうすぐ、長かった戦争が終結する。
いい加減な噂の様に根拠は無いが、私にはそんな気がする。

( ゚∀゚)「チャンスは一度だ。よく狙って撃てよ」

( ^ω^)「わかってるお……てやぁ!」

( ゚∀゚)「だあぁもう、下手糞だなぁ。折角の獲物逃しちまったじゃねぇか」

(;^ω^)「あんなに遠いと当たんないお」

( ゚∀゚)「これ位離れてないと、気づかれて逃げられるぞ。
    お前の腕じゃまだまだ狩りはできねぇなぁ。どうだ、いっそ弩に変えないか?」

( ^ω^)「長弓でやると決めたんだお。それに弩は発射準備がかかり過ぎるお」

( ゚∀゚)「弩は誰が扱っても同じだと思ってねぇか? 
    今からあの木に3発撃って、洗練された弩の真髄見せてやろう」

299: 2007/01/20(土) 00:48:36.65 ID:HjUs5H0D0
( ^ω^)「おー…見事にど真ん中に当たったお。でも当たって当然だお」

( ゚∀゚)「うおおぉぉぉ、おっOいおっOい…おりゃぁ!
    うおおぉぉぉ、おっOいおっOい…おりゃぁ!」

(;^ω^)「30秒以内に3連射…信じられんお。あと掛け声がきもいお…」

( ゚∀゚)「うっせぇ、これが一番気合が入るんだよ。
    弩の欠点だって鍛えりゃここまで改善されるって事だ」

ナイトウと私は、あの後閣下にこっ酷くお叱りを受けた。
と言えど、敵前逃亡と指揮放棄という、本来なら極刑を受けても仕方が無い罪であったにも関わらず、
私達二人が受けた罰はただ、ルラーダ兵解雇というなんとも生易しい刑であった。

ジョルジュも何か揉め事を起こしたとかで解雇され、元傭兵団の皆もルラーダを抜け出した。

元通り、とはいかないが、再び傭兵団としてやっていくそうだ。


ナイトウと私は、ジョルジュ達と共に各地を旅している。

旅先ではナイトウが覚えたての歌を歌ったり、ジョルジュが器用な手で手品を披露したりと、
傭兵団と呼ぶより旅芸団みたいになっている。

金銭面で困ることが多いが、この様な生活も悪く無い。

300: 2007/01/20(土) 00:49:50.59 ID:HjUs5H0D0
(;゚∀゚)「おい、クー! 猪がそっちに行ったぞ!」

川;゚ -゚)「え…!?」

( `ω´)「クー!」

少しずつ、少しずつだがナイトウは逞しく見える様になってきた。

(;^ω^)「今、助け…ぬおぉぉぉおぶふぉおお」

川;゚ -゚)「あ、ありがとう…」

( ゚∀゚)「小石に躓いて吹っ飛ぶとはだっせえな!」

(;^ω^)「こ、これも作戦の内だお。ほ、ほら! 猪もびっくりして逃げたお」

あ、あぁ…逞しくはなったが、それもほんの僅かだ、な…。


私を護ってくれる騎士になるまで、何時まで待てば良いのだ?
まぁ良い、幾らでも待つぞ私は。その時までは私がお前を護ってやる。

そんな感じで私達は、少しずつ変わりながら変わらぬ毎日を過している。

お前は何も変わってないのかって? 私は、何も変わってないな。
そうだな…敢て言うとすれば。

最近髪を少し、伸ばし始めたぐらいか。

( ^ω^)ブーンが軍師になったようです 【完】

301: 2007/01/20(土) 00:51:05.88 ID:lomXlwv2O
乙!!

327: 2007/01/20(土) 12:56:52.48 ID:HjUs5H0D0
1スレで終わらせましたが、短編にしては長く、中編ぐらいの長さであったと思います。
短編、中編の定義は解かりませんが…。

そんなこんなで一気に読むには疲れる長さではないかと心配していましたが、
予想以上に全部読んで下さった人がいて泣いた。
涙は…出てないんだからねっ

さて、今後新作を書くかどうかは解かりませんが今後の参考として二つだけ質問させてください。

1、投下量
今回は全て書き溜めで完結させて投下する形となりましたが。
もっと日を置いて少しずつ投下したほうが宜しかったでしょうか?
それとも、これぐらいなら一気に読めたほうが良いでしょうか?

2、ブーン小説らしさが出ているか
表現力の未熟さは自覚しておりますので、質問するまでもありませんが (書いてて如何に自分が言葉を知らないか痛感した…)
ブーン小説らしさが出ていたかが気になります。

何か小説でも書きたいなと思っていた時に丁度、兵士を読んでそのまま勢いで書いてしまったので、
AAキャラは把握してるものの、ほぼ小説限定キャラは雰囲気がおかしかったかもしれません。

( ^ω^)ブーン達を中世西洋で戦争させよう→ブーンが閣下になった→閣下だと前線に出れない気がするので変更
→実際、中世西洋にいなかった気がするけど軍師→最後の見せ場はブーンで飛ぶシーンにしよう→残りを組み立てプロット完成

ってな感じに執筆しましたので、ブーンは良かったのですが。
ドクオはただ格好いいおっさんとして見せようとしたし、クーにはツンデレっぽいセリフ言わせたりと、
ブーン達をと言うより、ブーンだけを舞台に出した感が否めません。
お手数ですが、答えて頂けるとありがたいです。


引用: ( ^ω^)ブーンが軍師になったようです