やよい「わたしは毎日毎夜このフィギュアを愛で続けるう！」

しゅぱあああああ

みゆき「やよいちゃーん！！」

やよい「うわああああああ！！」ｶﾞﾀｶﾞﾀﾊﾞﾀﾝ

やよい「みみみみゆきちゃん！？　どうしたの！？」

みゆき「キャンディがわたしのオヤツのドーナツ食べちゃったの！」

キャンディ「キャンディ悪くないクル！　名前を書いとけばよかったクル！」

みゆき「だから袋に書いてあったじゃない！」

キャンディ「キャンディは字が読めないクル」

みゆき「そんなあ！！」

やよい「ふ……2人とも落ち着いて……」

みゆき「ねえ、キャンディが悪いでしょう！？」

キャンディ「キャンディ悪くないクル！」

2人「どっち！？」

やよい「え……えとね……」

やよい「な、なおちゃんに聞いてみれば！？　なおちゃん家はこんなことしょっちゅうだし！！」

みゆき「おお！　やよいちゃん頭いい！」

キャンディ「早速本棚で移動するクル！」

カチャン　カチャン　カッチャン　　しゅぱあああああ

やよい「……ふぅ」

やよい「びっくりしたあ……バレてないよね……？」

やよい「中学生がフィギュアなんて……おかしいかな？」

やよい「周りの人たちも興味ない、って顔してるし……」

やよい「日曜日の早朝から起きるなんてクラスでもわたしだけみたいだし」

やよい「…………」

やよい「ううん！　そんなことない！　わたしはこれが大好きなんだもん！」

やよい「……そう、大好きなんだから……」

　～バッドエンド王国～

アカオーニ「は、腹減ったオニ」ｸﾞｷﾞｭﾙﾙﾙ

ウルフルン「よう、どうしたんだ？　シケたツラして」ﾑｼｬﾑｼｬ

アカオーニ「ウルフルン！　な、何食ってるオニ！？　食わせろオニ！！」

ウルフルン「うるせえうるせえ！大声出さなくてもくれてやるっての！」ﾎﾟｲｯ

アカオーニ「やけに気前がいいオニ。どうしたオニ？」

ウルフルン「そいつぁ甘すぎるんだよ。俺はオコノミヤキってのを食ってくるぜ」

アカオーニ「なになに……アルティメイトマンチョコスナック食玩つき……」

アカオーニ「くれるってんなら食ってやるオニ！」ｻﾞﾗｻﾞﾗｶﾞﾂｶﾞﾂ

ウルフルン「あ！バカお前……っ」

グサッ

アカオーニ「うがああああ！　いってえオニ！　喉になんか刺さったオニ！？」

ウルフルン「食玩つきって書いてあるし、自分でも読んでるじゃねえか」

アカオーニ「ショクガンって何オニ？」

ウルフルン「まあ、お菓子のおまけだな」

ウルフルン「大抵5、6歳のガキをターゲットに作ってるやっすいおもちゃだ」

アカオーニ「ふうん……色々種類があるオニ。ベムラン、ピグルモン、ゼットロン……」

ウルフルン「お前を刺したのはこのバルタニア星人って奴だぜ」

アカオーニ「いい迷惑オニ。小さな子供には危険オニ」

ウルフルン「でも、これを集めてるのは何もガキだけじゃないぜ」

アカオーニ「？」

アカオーニ「だってこれ、子供向けってさっきお前が言ってたオニ」

ウルフルン「確かに子供向けだ。だが、人間の中には“マニア”という人種があるらしい」

アカオーニ「マニア？」

ウルフルン「いい年こいてコイツを買ってる連中だ」

アカオーニ「大人気ないオニ。きっと歪んだ精神の持ち主に違いないオニ」

ウルフルン「これはヒーローモノだから男向けだが、女のガキ用のもある」

アカオーニ「それにもマニアがいるオニ？」

ウルフルン「そのようだぜ。大半が女もいないおっさんだ」

アカオーニ「頭がイカれてるに間違いないオニ」

アカオーニ「きっと、その食玩だのマニアだのは悪い奴に違いないオニ！」

アカオーニ「俺様が懲らしめてやるオニ！」

ウルフルン「お前は自分の立場を分かっているのか？」


～七色が丘中学校　放課後～

あかね「今日も1日長かったな～」

みゆき「もうクタクタだよお～」

なお「さ、みんな帰ろうよ」

れいか「そうですね、帰りましょうか」

やよい「あ、えっとわたしは……」

みゆき「えー、やよいちゃん、何か用事あるの？」

やよい「ううん……用事というか……コンビニに寄ってこうかなー、って」

れいか「コンビニ……ですか」

なお「あ、じゃあ私もついてこっかな、弟たちにお土産でもかってこっと」

やよい（え！？　マズい！　今日こそアルティメイトマンチョコのバルタニア星人を当てようと思ってたのに！）

みゆき「じゃあじゃあわたしも～」

あかね「よっしゃ！　みんなでいこか！　買い食いっていうの1度やってみたかったんや！」

れいか「な、なおが行くなら私もご一緒しましょう」

やよい（マズいマズい！　買いづらいよお～！）


～コンビニエンスストア　セヴン・エレヴン～

れいか「ここがコンビニですか……色んなものが置いてあるんですね」

なお「れいか、コンビニ行ったことないの……？」

れいか「は、恥ずかしながら……」

やよい（みんながバラバラになってる今がチャンス！）ｺｿｺｿ

みゆき「あ！」

やよい（ギックゥ！！）ﾋﾞｸｯ

みゆき「おいしそうなシュークリームだよ！！」

キャンディ「おいしそうクル～！」

やよい（ほっ……）ﾊｧ

れいか「どうしたんですか？　やよいさん」

やよい「うん、アルティメイトマンチョコが買いたくて来たんだけどみんないるからなかなか買えなくて」

やよい「……えっ」

れいか　ﾆｺｯ

やよい「あぎゃびゃろふびゅるげ￥＠△＞＜☆」

やよい「れれれれいかちゃんん！？」

れいか「お、落ち着いてください！」

＊　　＊　　＊

れいか「なるほど……そういうわけでしたか」

やよい「うん……でも、やっぱりヘンだよね……中学生にもなってお菓子だなんて」

れいか「いいえ、そんなことありませんよ」

やよい「えっ？」

れいか「ヘンじゃないですよ」

やよい「おもちゃが目当てでも……？」

れいか「もちろんです」

れいか「なんであれ、自分の“道”を進むのはとても素晴らしいことなんです」

やよい「で、でも……」

れいか「やよいさん」

やよい「？」

れいか「あなたは、好きなんでしょう？」

やよい「うん……大好き。とても」

れいか「なら、それでいいじゃないですか」

やよい「！」

れいか「他人にどういわれても、好きなものを愛する」

れいか「これほど素敵なことが、あるでしょうか？」

やよい「れ……れいかちゃん」ｸﾞｽｯ

れいか「ま、まあやよいさん……」

やよい「えへへ……なんか嬉しくって……」ｸﾞｼｸﾞｼ

れいか「さあ、涙をお拭きなさい。これからは、隠す必要なんかありませんよ」

やよい「うん！　“自分を信じる自分を信じろ”って奴だね！」

～コンビニエンスストア　セヴン・エレヴン前～

アカオーニ「ウルフルンに聞けば、ここが悪い奴らの“すくつ”オニ！」

バッ

アカオーニ「世界よ！　最悪の結末、バッドエンドに染まるオニ！」

アカオーニ「白紙の未来を黒く塗りつぶすオニ！」

グワアアアッ

　　…ｼｺﾞﾄｶﾞﾅｲｶﾗﾊﾀﾗｹﾅｲ　　…ﾊﾀﾗｹﾅｲｶﾗｼｺﾞﾄｶﾞﾅｲ

　　　　…ｺﾚｿﾞﾌﾉｽﾊﾟｲﾗﾙ　…ﾖﾒﾊｿｰｾﾞｲ28ﾆﾝ

アカオーニ「がっはっは！　人間どもの発したバッドエナジーが」

アカオーニ「悪の皇帝ピエーロ様を蘇らせていくオニ！」

みゆき「ああっ！　みんなが！」

なお「許せない！　行くよ、みんな！！」

　　　プリキュア　スマイルチャージ！！！

アカオーニ「出たなプリキュア！　今日こそコテンパンにやっつけてやるオニ！」

アカオーニ「今日は赤鼻で……んん？」

アカオーニ「これはさっきの……バルトノア星人オニ」

ピース「ちっがーう！！　バ・ル・タ・ニ・ア・星・人！！」

5人「えっ」ﾋﾞｸｯ

ピース「あっ」

アカオーニ「ちょ、ちょうどいいオニ！　出でよアカンベェ！！」

　　　キカッ

バルタニア星人フィギュア「アカンベェ！」

ピース「のわああああああっ！！」

ピース「ななななんちゅうことを！　なんちゅうことを！！」

サニー「ピ、ピースどうしたんや！？」

ハッピー「くるよ！！」

アカンベェ「アッカン……ベェ！！」ｻﾞｼｭｯ!

5人「くっ……！！」ｻｯ

アカンベェ「アカン……」ﾊﾟｶｯ

マーチ「な、何だ！？」

サニー「ハサミが開きよった！」

ピース「あぶない！　バルタニアファイヤーが……ッ！！」

ハッピー「……えっ？」

アカンベェ「ベベベベベ！！！」ｺﾞｵｵｵｫｫｫｫｫ

ハッピー「ぎゃおおおっ！」ﾒﾗﾒﾗ

サニー「ハッピー！！」ﾊﾞｯ

サニー「ぐううっ！！」ｼﾞｭｳｳｳ

ハッピー「サニー！！」

サニー「へ、平気や……ウチは熱血パワーのキュアサニーやで……？」

ビューティ「サニー！　今助けます！！」ｻﾞｯ

ビューティ「はああああぁぁぁっ！！」ｼｭﾜｱｱｱｱ　　ｶﾁｺﾁ

アカオーニ「なんだとオニ！？」

マーチ「すごい！　炎を凍らせちゃった！」

ビューティ「大丈夫ですか！？　ハッピー、サニー」

ハッピー「う、うん」

サニー「ありがとな、ビューティ」

アカオーニ「ぐぬぬ……じゃあこれはどうオニ！？　アカンベェ！！」

アカンベェ「アッカッカッカッカ……」ｼｭｱｱｱｱｱ

ピース「しまった！　分身の術！」

ハッピー「うわああ何これ！？」

サニー「めっちゃ増えた！」

マーチ「くっ！」ｼｭﾊﾞﾊﾞｯ

アカンベェ×4「ベベベベベ！！」ﾄﾞｶｶｶｶ

ビューティ「なっ……どれも実体がある！？」ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ

ハッピー「うわあああっ！！」ﾄﾞｻｯ

サニー「うくっ！！」ﾄﾞｼｬｯ

マーチ「きゃあああっ！！」ﾊﾞｼｬｯ

ビューティ「ああああっ！！」ﾊﾞﾁｬｯ

ピース「ああ、み、みんな……」

アカオーニ「がっはっは！！　どうしたピース！？　お前は戦わないでいいオニか？」

ピース（落ち着け……アカンベェの弱点は？）

ピース（今は完全にバルタニア星人の能力を得ている……ならば弱点もっ！）

ピース「あっ！　あんなところに“スペシウム鉱石”が！！」

アカンベェ「ベエッ！？」ｸﾙｯ

ピース「フェイクだっ！！」ﾊﾞｷｯ

アカンベェ「アカッ……！！」ｼｭﾜﾜﾜ

ハッピー「分身が消えた！」

アカオーニ「何だとオニ！？　そんなキャラじゃないオニ！！」

アカオーニ「ふん！　でも、自分の好きなものに攻撃できるオニ！？」

アカンベェ「ベベベッ！」ﾊﾞｼﾊﾞｼｯ

ピース「くっ……！」

ピース（好きなもの……）ﾊｯ

『ううん！　そんなことない！　わたしはこれが大好きなんだもん！』


『あなたは、好きなんでしょう？』

『なら、それでいいじゃないですか』

『他人にどういわれても、好きなものを愛する』


『これほど素敵なことが、あるでしょうか？』


ピース「そうだ……わたしは……ヒーローが好きだ」

ピース「好きだからこそ……！」

ピース「倒してみせるッ！！」ﾄﾞｵｵｯ!!

アカオーニ「なっ、何だオニ！？」

ピース「他人にどういわれても、愛する！愛してみせる！！」ﾄﾞﾄﾞｶｯ

ピース「愛してるからこそ、倒してみせるッ！！」ﾊﾞｷﾊﾞｷｯ

アカオーニ「バ、バカなオニ！？　押されてるオニ！！」

アカオーニ「な、なんでそこまで執着するオニ！？　愛って何のことだオニ！　愛って何だオニ！？」

ピース「……『愛って何だ』……？」

ニヤッ！

ピース「“躊躇わないこと”さ！！」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘｯ

ピース「プリキュア！！」

ピース「ピース……サンダーッ！！！」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘｨｯ!!!

アカンベェ「アカ～ンベェ～……」ｼｭｳｳｳ


アカオーニ「くそおっ！！　覚えてろオニ！」

シュンッ

あかね「いや～……エラい怖かったな、やよい……」

なお「まるで人が変わったようだったね……」

みゆき「でもでも、わたしもヒーロー大好きだよ？　桃太郎とか、金太郎とか……」

あかね「はいはい……で、やよい、早く開けてみいや！！」

やよい「う、うん……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

やよい「来いっ！！」ﾊﾟｶｯ

5人「あっ！！」

やよい「でっ……出たあああっ！　バルタニア星人だあっ！」

みゆき「おおおおっ！」

あかね「よっしゃあ！　やったなやよい！」

なお「よかったね、やよいちゃん！」

やよい「うん！……」ﾁﾗｯ

れいか「…………」ﾆｺｯ　Vｻｲﾝ

やよい「…………ッ！」　

やよい「えへへっ……」Vｻｲﾝ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お　わ　り

みんな遅くまで付き合ってくれてありがとう
今日は朝は遅刻覚悟で書いてた

やよいちゃんのピースとバルタン星人と組み合わせたかっただけ
初めて書いた割には上手くできたかな？

じゃあみんなおやすみー（V）（０￥０）（V)