176: 2009/06/03(水) 00:55:15 ID:eZgZyZtg
もっペリ投下します。10話の部屋にいっしょにいるところの話。
はじめて会ったときは寂しそうに映って見えた。
それがいつから、そんなふうに見えなくなったのだろう。
私たちはまだ、互いのことをよく知らない。
「お話ししなければならないことがあります」
ざあざあざあざあと窓の外で雨の音が次第に強まるなか、
ともすればかき消されてしまいそうな、それでも懸命にうちにあるものを絞り出そうとする声で、
ペリーヌはそう切り出した。
なんだ、と返すと、ペリーヌはしゅんと視線をうつ向けた。
足が小刻みに震えている。
今から叱られようとしている子どもでも見ているかのようだった。
なにか打ち明けようとしているのがわかった。それをひどく恐れていることも。
けれどその内容まで、私にはわからなかった。
長い沈黙。
雨の音がいっそう際立つ。
どうしたんだと耐えきれず言おうとしたところで、「実は――」
重く閉ざしたペリーヌの口がようやく開く。
「このことはわたくしの責任でもあるのです」
そうしてペリーヌは語り出した。
自分が宮藤に決闘を申し込んだこと。
その最中に警報が鳴って、単機先行しようとする宮藤を止められなかったこと。
「だから、宮藤さんを責めるなとは申しませんが――」
ペリーヌは深々と頭を下げる。
宮藤をかばっているつもりなのか。皮肉や憎まれ口をまじえながら。
なんだかそれが、私にはおかしかった。
「ああ、わかっている」
宮藤のせいなどではない。もちろんペリーヌのせいでも。
「これはただ、私がふがいなかっただけだ」
「いえ、わたくしはそう言いたいわけではなく……」
「否定するな。そう言われると、私がつらい」
このことは全部、私のわがままなんだから。
ふがいない。そのとおりだと思う。
遅かれ早かれ、こうなることはわかっていた。ミーナにだって言われたことだ。
覚悟はしていた。ただ、思ったよりも早かったが。
今回は生きながらえたが、おそらく次はないだろう。
次は、命はない。
『それでも飛ぶのね』
ミーナの声が蘇ってきた。
ああそうだ。それでも私は飛ぶことをやめない。やめたくない。
我ながら愚かだと思う。
しかしそれがいけないことだとは私には思えないのだから、なおさらたちが悪い。
まあ、別にかまわないだろう。きっともう、いくらもないのだから。
はじめて会ったときは寂しそうに映って見えた。
それがいつから、そんなふうに見えなくなったのだろう。
私たちはまだ、互いのことをよく知らない。
「お話ししなければならないことがあります」
ざあざあざあざあと窓の外で雨の音が次第に強まるなか、
ともすればかき消されてしまいそうな、それでも懸命にうちにあるものを絞り出そうとする声で、
ペリーヌはそう切り出した。
なんだ、と返すと、ペリーヌはしゅんと視線をうつ向けた。
足が小刻みに震えている。
今から叱られようとしている子どもでも見ているかのようだった。
なにか打ち明けようとしているのがわかった。それをひどく恐れていることも。
けれどその内容まで、私にはわからなかった。
長い沈黙。
雨の音がいっそう際立つ。
どうしたんだと耐えきれず言おうとしたところで、「実は――」
重く閉ざしたペリーヌの口がようやく開く。
「このことはわたくしの責任でもあるのです」
そうしてペリーヌは語り出した。
自分が宮藤に決闘を申し込んだこと。
その最中に警報が鳴って、単機先行しようとする宮藤を止められなかったこと。
「だから、宮藤さんを責めるなとは申しませんが――」
ペリーヌは深々と頭を下げる。
宮藤をかばっているつもりなのか。皮肉や憎まれ口をまじえながら。
なんだかそれが、私にはおかしかった。
「ああ、わかっている」
宮藤のせいなどではない。もちろんペリーヌのせいでも。
「これはただ、私がふがいなかっただけだ」
「いえ、わたくしはそう言いたいわけではなく……」
「否定するな。そう言われると、私がつらい」
このことは全部、私のわがままなんだから。
ふがいない。そのとおりだと思う。
遅かれ早かれ、こうなることはわかっていた。ミーナにだって言われたことだ。
覚悟はしていた。ただ、思ったよりも早かったが。
今回は生きながらえたが、おそらく次はないだろう。
次は、命はない。
『それでも飛ぶのね』
ミーナの声が蘇ってきた。
ああそうだ。それでも私は飛ぶことをやめない。やめたくない。
我ながら愚かだと思う。
しかしそれがいけないことだとは私には思えないのだから、なおさらたちが悪い。
まあ、別にかまわないだろう。きっともう、いくらもないのだから。
177: 2009/06/03(水) 00:57:04 ID:eZgZyZtg
「だから、頭を上げてくれないか」
「そういうわけには」
「ほら、早く」
「はい……」
しぶしぶ、不服そうに、ようやくペリーヌは頭を持ち上げた。
その顔は強ばっている。
「しかし――」
と、ペリーヌは人差し指を立て、せきを切ったように、
「だいたい少佐はあの子に甘すぎるんです。
今まで世界を守ろうと戦ってきたのはわたくしたちです。
なのにあの子ったら、突然やって来て、少佐に怪我までさせて。
少佐が無事だったからよかったものの……。
たしかに、あの子は少佐のために頑張りました。全力で魔法を使って。でもっ――」
なんなんだそれは――
「ペリーヌ!」
とても聞いていられなかった。身が引き裂かれそうだった。
だから、思わず叫んでいた。
しまった、と思った。
叫び声に硬直したペリーヌを、手で招き寄せる。
ペリーヌはベッドのすぐ傍らで、両膝を床についた。
そしてまた、頭をかしげる。
こいつ、そんなに叱られたいのか――まあちょうどいい。
ペリーヌの頭に手をやり、撫でた。
ふわり。
手のひらがくすぐられる。気持ちいい手触りだった。
「ペリーヌもつきっきりで看病してくれたそうだな。本当に感謝している」
ありのままを伝えると、ペリーヌはへっ、と声を出して顔をあげ、そして笑った。
なんだ。ずっと泣いたり怒ったりだったのに。そんな顔もできるんじゃないか。
ありがとう、と私は言った。
「だから、宮藤のことを許してやってくれないか」
そう言うと、ペリーヌの表情は変わった。眉がつり上がる。
でもそれは嫌悪などではない。
「また少佐はあの子の肩を――」
そうしてペリーヌはまた宮藤のことを言う。皮肉や憎まれ口をまじえながら。
そこで気づいてしまった。
おそらく本人は気づいていないのだろう。
ペリーヌの話しぶりを見ていて、頭のなかで引っかかっていた。ずっと不思議だった。
なぁ、ペリーヌ。お前はこんなにおしゃべりだったか?
私の前ではどういうわけか口下手になってしまうお前が。
なのにどうして宮藤のことだと、そんなに喋りたがるんだ。
無言でじっと、私はペリーヌを見つめていた。
そんなことに構わず、ペリーヌは話すのをやめない。
それはとても楽しそうで。
なんだかおかしくなってきて、私は笑ってしまった。くすくすという笑い。
「どうかしましたか?」
「宮藤の話をしているお前が、あまりに普段と違うものだから」
私にはそんな顔見せたりしないくせに。
なにを考えているのだろう、そんなことが頭によぎった。
「そ、そうでしょうか」
「ああ。いきいきしている」
「そっ、それはその……あの子がわたくしのペースを乱してしまうからです」
ぶんぶんと手のひらを振りまわし手のひらをペリーヌは否定する。
「そうか?」
「そうです。そうに決まってますわ」
本当にそうなのか?
気になって、でもそれ以上訊くことはしなかった。
その代わりにか、よかった、と一言、口からこぼれて出た。
「そういうわけには」
「ほら、早く」
「はい……」
しぶしぶ、不服そうに、ようやくペリーヌは頭を持ち上げた。
その顔は強ばっている。
「しかし――」
と、ペリーヌは人差し指を立て、せきを切ったように、
「だいたい少佐はあの子に甘すぎるんです。
今まで世界を守ろうと戦ってきたのはわたくしたちです。
なのにあの子ったら、突然やって来て、少佐に怪我までさせて。
少佐が無事だったからよかったものの……。
たしかに、あの子は少佐のために頑張りました。全力で魔法を使って。でもっ――」
なんなんだそれは――
「ペリーヌ!」
とても聞いていられなかった。身が引き裂かれそうだった。
だから、思わず叫んでいた。
しまった、と思った。
叫び声に硬直したペリーヌを、手で招き寄せる。
ペリーヌはベッドのすぐ傍らで、両膝を床についた。
そしてまた、頭をかしげる。
こいつ、そんなに叱られたいのか――まあちょうどいい。
ペリーヌの頭に手をやり、撫でた。
ふわり。
手のひらがくすぐられる。気持ちいい手触りだった。
「ペリーヌもつきっきりで看病してくれたそうだな。本当に感謝している」
ありのままを伝えると、ペリーヌはへっ、と声を出して顔をあげ、そして笑った。
なんだ。ずっと泣いたり怒ったりだったのに。そんな顔もできるんじゃないか。
ありがとう、と私は言った。
「だから、宮藤のことを許してやってくれないか」
そう言うと、ペリーヌの表情は変わった。眉がつり上がる。
でもそれは嫌悪などではない。
「また少佐はあの子の肩を――」
そうしてペリーヌはまた宮藤のことを言う。皮肉や憎まれ口をまじえながら。
そこで気づいてしまった。
おそらく本人は気づいていないのだろう。
ペリーヌの話しぶりを見ていて、頭のなかで引っかかっていた。ずっと不思議だった。
なぁ、ペリーヌ。お前はこんなにおしゃべりだったか?
私の前ではどういうわけか口下手になってしまうお前が。
なのにどうして宮藤のことだと、そんなに喋りたがるんだ。
無言でじっと、私はペリーヌを見つめていた。
そんなことに構わず、ペリーヌは話すのをやめない。
それはとても楽しそうで。
なんだかおかしくなってきて、私は笑ってしまった。くすくすという笑い。
「どうかしましたか?」
「宮藤の話をしているお前が、あまりに普段と違うものだから」
私にはそんな顔見せたりしないくせに。
なにを考えているのだろう、そんなことが頭によぎった。
「そ、そうでしょうか」
「ああ。いきいきしている」
「そっ、それはその……あの子がわたくしのペースを乱してしまうからです」
ぶんぶんと手のひらを振りまわし手のひらをペリーヌは否定する。
「そうか?」
「そうです。そうに決まってますわ」
本当にそうなのか?
気になって、でもそれ以上訊くことはしなかった。
その代わりにか、よかった、と一言、口からこぼれて出た。
178: 2009/06/03(水) 00:59:12 ID:eZgZyZtg
「よくありませんわ」
「いや、私がよかったんだ」
そうなのだと思う。
胸にずっとつかえていたものが、ようやく取れた。だから、よかった。
「ペリーヌ。お前は私といるといつもよそよそしいから。
いつもというわけでなく、私の前でだけ。
だから、お前がそうやって宮藤のことを話したり、宮藤といっしょにいるのを見ていると、
その……なんと言ったらいいんだろうな」
言いよどむ。
うれしい――違う。なごましい――違う。ほほえましい――違う。
どれも本当のことで、けれどこの気持ちの芯の部分には達していない。
念入りに言葉を吟味していって、ようやくぽつりとつぶやくように言った。
「うらやましかったのかもしれないな」
言い終えて、たまらず苦笑した。
なにを言っているのだろう、私は。
でもそれが、最も似つかわしいような気がする。
うらやましい――お前にそうやって言われる宮藤のことが。
こんな気持ち、ペリーヌにはわかるだろうか。わかりっこないだろうな。
案の定、ペリーヌにぽかんとした顔をされてしまった。
「うらやましい、ですか?」
頼むから復唱しないでくれ。
ああ、とぶっきらぼうに私は答えた。
「すまない。忘れてくれないか」
「はあ。少佐がそうおっしゃるのでしたら」
「…………」
「少佐?」
ペリーヌは小首をかしげて私を見てくる。私は顔をそらした。
「やっぱり今のはなしだ。忘れてくれの方だ」
はあ、と鈍くペリーヌはうなずいた。それを確認して私は、
「そのかわり――」
と、ペリーヌの手を取り、ぐいと引っ張った。
ペリーヌの体は軽く持ち上がった。
柔らかくて華奢な体躯。それがベッドに上半身だけ起こした私の上に来る。
「な、なにをっ!?」
「なにをされたい?」
へっ? とペリーヌはとぼけた声を出すと、その顔がみるみる真っ赤に染まっていく。
ペリーヌは口のなかでもごもごとなにかをつぶやくが、なにを言ってるかわからない。
さらに私が手を引くと、ペリーヌはバランスを崩し、仰向けに寝っ転がる。
こうなっては俎板の鯉だ。
そうして無用心になったペリーヌの腹を、すう、と上から下に指先で撫でた。
「ちょっ、しょうさっ、なにをなさいますのっ……?」
その問いかけに、私は行動で答えた。
私は左手を制服の下の隙間からつっこんだ。ペリーヌの直の肌に触れた。
そして爪を立てた指先をせせこましく動かして、腹をくすぐってやった。
きゃん、とペリーヌは鳴いた。
こそばす。
そうしたら、私の前でも笑ってくれるか。いきいきと。私に向けて。
もっとそういう顔を、私にも見せてくれないか。
じたばたともがき出すペリーヌを私は力づくで押さえつけ、次いで無防備な脇腹へと指を移動させていく。
ひゃっ、とまたペリーヌは鳴いた。
私は空いた右手でペリーヌの制服のボタンを下からはずしていく。
そしてとうとう脇の下だ。
「そっ、そこだけは……」
笑い声まじりになんとか、ペリーヌは懇願してくる。
「ほう。そうかそうか」
が、やめてなんかやらない。
ペリーヌはさらにだらしない笑い声をあげる。
それはどうして、こんなに私の心をかき乱してくるだ。
くそう。
心のなかで声が出る。
くそっ、くそっ、くそっ……。
「いや、私がよかったんだ」
そうなのだと思う。
胸にずっとつかえていたものが、ようやく取れた。だから、よかった。
「ペリーヌ。お前は私といるといつもよそよそしいから。
いつもというわけでなく、私の前でだけ。
だから、お前がそうやって宮藤のことを話したり、宮藤といっしょにいるのを見ていると、
その……なんと言ったらいいんだろうな」
言いよどむ。
うれしい――違う。なごましい――違う。ほほえましい――違う。
どれも本当のことで、けれどこの気持ちの芯の部分には達していない。
念入りに言葉を吟味していって、ようやくぽつりとつぶやくように言った。
「うらやましかったのかもしれないな」
言い終えて、たまらず苦笑した。
なにを言っているのだろう、私は。
でもそれが、最も似つかわしいような気がする。
うらやましい――お前にそうやって言われる宮藤のことが。
こんな気持ち、ペリーヌにはわかるだろうか。わかりっこないだろうな。
案の定、ペリーヌにぽかんとした顔をされてしまった。
「うらやましい、ですか?」
頼むから復唱しないでくれ。
ああ、とぶっきらぼうに私は答えた。
「すまない。忘れてくれないか」
「はあ。少佐がそうおっしゃるのでしたら」
「…………」
「少佐?」
ペリーヌは小首をかしげて私を見てくる。私は顔をそらした。
「やっぱり今のはなしだ。忘れてくれの方だ」
はあ、と鈍くペリーヌはうなずいた。それを確認して私は、
「そのかわり――」
と、ペリーヌの手を取り、ぐいと引っ張った。
ペリーヌの体は軽く持ち上がった。
柔らかくて華奢な体躯。それがベッドに上半身だけ起こした私の上に来る。
「な、なにをっ!?」
「なにをされたい?」
へっ? とペリーヌはとぼけた声を出すと、その顔がみるみる真っ赤に染まっていく。
ペリーヌは口のなかでもごもごとなにかをつぶやくが、なにを言ってるかわからない。
さらに私が手を引くと、ペリーヌはバランスを崩し、仰向けに寝っ転がる。
こうなっては俎板の鯉だ。
そうして無用心になったペリーヌの腹を、すう、と上から下に指先で撫でた。
「ちょっ、しょうさっ、なにをなさいますのっ……?」
その問いかけに、私は行動で答えた。
私は左手を制服の下の隙間からつっこんだ。ペリーヌの直の肌に触れた。
そして爪を立てた指先をせせこましく動かして、腹をくすぐってやった。
きゃん、とペリーヌは鳴いた。
こそばす。
そうしたら、私の前でも笑ってくれるか。いきいきと。私に向けて。
もっとそういう顔を、私にも見せてくれないか。
じたばたともがき出すペリーヌを私は力づくで押さえつけ、次いで無防備な脇腹へと指を移動させていく。
ひゃっ、とまたペリーヌは鳴いた。
私は空いた右手でペリーヌの制服のボタンを下からはずしていく。
そしてとうとう脇の下だ。
「そっ、そこだけは……」
笑い声まじりになんとか、ペリーヌは懇願してくる。
「ほう。そうかそうか」
が、やめてなんかやらない。
ペリーヌはさらにだらしない笑い声をあげる。
それはどうして、こんなに私の心をかき乱してくるだ。
くそう。
心のなかで声が出る。
くそっ、くそっ、くそっ……。
179: 2009/06/03(水) 01:00:33 ID:eZgZyZtg
「なにやってるの?」
声がした。私でも、ペリーヌでもない。
その主はハルトマンだった。ドアがおそらくノックもなしに開けられて、その前に突っ立っている。
嫌なところを見られてしまったな……。
すっかり夢中になっていて、存在すら気づかなかった。
私はくすぐる手を止めた。ああ。せっかくいいところだったんだがな……。
「こ、これは、えっと、つまり……」
しどろもどろにペリーヌはなにか取り繕おうとするが、なにを言いたいかわかるわけない。
だから代わりに、私が訊いた。
「そっちこそ、なにかあったのか?」
「ブリーフィングルームに集合。なんかあったみたい」
「そうか」
一体なんだと言うんだろう。なにやら嫌な予感がする。
「まあ、ゆっくりしてて」
それだけ言ってハルトマンは行ってしまった。
ゆっくり……いや、そういうわけにもいかないだろう。
「行ってこい」
と私は言って、手をほどいた。
ペリーヌはベッドから起き上がって乱れた服を直し、
「それでは行ってまいります」
そう言い残すと私に背を向け、ドアの方へと駆けていった。
その背中に向かって、私は一言、声をかけた。
こんな言葉、使ったのはまだずっと幼かったとき以来だ。
どうしてこんなことを言ってしまったのだろう?
――いってきますって言われたからだな。だから、つい。
「いってらっしゃい」
以上です。
もっさん→ペリーヌってあんまりないよな(そもそももっペリ自体、近頃……)と思って書きました。
なんかいろいろおかしくなってしまいました。すいません。
タイトルは「みえない」です。OsqVefuYでした。
あと関係ないけど、ペリーヌの中の人お誕生日おめでとうございました。
声がした。私でも、ペリーヌでもない。
その主はハルトマンだった。ドアがおそらくノックもなしに開けられて、その前に突っ立っている。
嫌なところを見られてしまったな……。
すっかり夢中になっていて、存在すら気づかなかった。
私はくすぐる手を止めた。ああ。せっかくいいところだったんだがな……。
「こ、これは、えっと、つまり……」
しどろもどろにペリーヌはなにか取り繕おうとするが、なにを言いたいかわかるわけない。
だから代わりに、私が訊いた。
「そっちこそ、なにかあったのか?」
「ブリーフィングルームに集合。なんかあったみたい」
「そうか」
一体なんだと言うんだろう。なにやら嫌な予感がする。
「まあ、ゆっくりしてて」
それだけ言ってハルトマンは行ってしまった。
ゆっくり……いや、そういうわけにもいかないだろう。
「行ってこい」
と私は言って、手をほどいた。
ペリーヌはベッドから起き上がって乱れた服を直し、
「それでは行ってまいります」
そう言い残すと私に背を向け、ドアの方へと駆けていった。
その背中に向かって、私は一言、声をかけた。
こんな言葉、使ったのはまだずっと幼かったとき以来だ。
どうしてこんなことを言ってしまったのだろう?
――いってきますって言われたからだな。だから、つい。
「いってらっしゃい」
以上です。
もっさん→ペリーヌってあんまりないよな(そもそももっペリ自体、近頃……)と思って書きました。
なんかいろいろおかしくなってしまいました。すいません。
タイトルは「みえない」です。OsqVefuYでした。
あと関係ないけど、ペリーヌの中の人お誕生日おめでとうございました。
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります