371: 2009/10/21(水) 00:22:52 ID:q6YEMzuw



プロローグみたいなものしか出来てないけど、取りあえず投下します。

ハロウィンでドッキリ作戦!プロローグ
ストライクウィッチーズ劇場版 501部隊発進しますっ!(1) (角川コミックス・エース)
372: 2009/10/21(水) 00:24:07 ID:q6YEMzuw
名乗り忘れた
3K5frGcUです。


夕方のブリーフィングルームにて。

芳佳、美緒、サーニャ、ペリーヌ、そしてエーリカの5人の魔女が何やら話している。
と言っても、作戦会議ではないので皆表情は穏やかに談笑していた。


ふとエーリカが思い出したように声をあげた

「あ、そういえばもうすぐハロウィン…だったっけ」
「はろ…うぃん?なんですの?それ」
「いや、あたしもウーシュに聞いた事だから詳しくは分らないんだけどさ…この時期になると氏者の魂がこの
世に戻ってくるんだって」
「へぇ~!扶桑で言うお盆みたいなものでしょうか?坂本さん」
「むぅ…話を聞く限りでは近いようだが…」

思案顔で答える美緒。そんな時、おずおずと小さな声でサーニャが話し始めた。

「元々は収穫祭って聞きましたけど…」
「え?サーニャ知ってるの?ハロウィンの事」
「少しだけ……エイラが持ってる本に書いてました。元々はある民族の収穫祭で、それが宗教的なものに変わ
ってハルトマンさんが仰ったハロウィンになったそうです」

自分以外にも知ってる人が居て少し興奮ぎみのエーリカ。話は盛り上がっていく。

「へぇ~そうなんだ。確か…とりっくおあとりーと!だっけ?」
「そうです。10月31日に子供たちがオバケに仮装して、1件1件家を回るんです」
「回ってどうするの?」
「お菓子をくれないといたずらするぞぉ!って言って、お菓子を貰うんだって」
「ほぅ…扶桑のお盆にはない習慣だな。興味深い」
「…今は殆どお祭りのようなものみたいです。宗教的な物なので、受け入れられない地域も多少あるみたいで
すけど……」

その時、ルッキーニが入ってきた。ソファに座る芳佳の膝の上に元気良く座りながら、皆の話に興味津々の
様子。

「なになに~?面白い話?あたしもまぜて~」
「もちろん!今ね、はろうぃんについて、ハルトマンさんとサーニャちゃんから話を聞いてたんだ」
「はろうぃん?」

初めて聞く言葉に首をかしげながら続きを促すルッキーニ。

「ハロウィンになると、氏者の魂がこの世に戻ってきて、子供たちは「お菓子をくれないといたずらするぞ!」
って言いながら家を回るんだって」
「うにゃー!お菓子!?やるやる!!あたしそれやるーっ!!シャーリーに言って、お菓子いーっぱい貰う
んだー!!」

お菓子と聞いて喜ぶルッキーニだが、次の芳佳の一言で落胆した

「あ、でも31日じゃないと駄目なんだっけ?」
「……ぇえー!!そんなのつまんなーい!!!」

落ち込むルッキーニ。しかしそれを見ていたエーリカがおもむろに言い放った一言で事態は急変する

「あたしもやってみよっかなー。別に、宗教とか考えずに軽い気持ちでいいんじゃない?ウチの隊、そこまで
宗教熱心な人見た事ないしさ。ここに居るみんなでやろうよ。残りの5人にドッキリを仕掛けるつもりでさ」

そう言ったエーリカの顔は、新しい遊びやいたずらを考えた子供のように無邪気だった。

373: 2009/10/21(水) 00:26:09 ID:q6YEMzuw

「やるやるー!あたしシャーリー取ったぁー」

一番に乗ったのはやはりガッティーノだったが、あまりの勢いに美緒が待ったをかけた。

「おいおい、それは私もするのか?」
「勿論!ミーナにも息抜きが必要だよ!少佐だったら怒られないし♪」

当然のように言い放つエーリカだったが、この中で一番厄介な美緒を落としてしまえば話は早いと確信してい
た。それに美緒を味方につけてしまえば、怒られた時の罰も軽くなるかも知れない。

「な、なんだそれは!……うーん……確かに最近のミーナは仕事に追われているからなぁ…」

戦闘中は魔法を使い皆に指示を出し、帰還してからは書類に目を通したり、上への戦果報告をしたりと忙し
そうにするミーナ。
夜中には、執務室で机に突っ伏して寝息を立てている事が何度もあった。

「でしょでしょ?隊長の疲れを癒すのも副官の務めだって」
「そう…だな…よし。私も乗るぞ!たまには息抜きも必要だな。はっはっは」

美緒が乗った事で、もう1人も名乗りを上げる。

「さッ坂本少佐がするのでしたら、わたくしも是非ッ!」
「おっ!良いなペリーヌ。一緒にミーナを驚かしてやろう。はっはっは」
「はッハイ!!光栄ですわ!少佐にお供できるなんて…」

普段はツンツンしているペリーヌも、美緒が絡むとあっけない。こうして残るは二人になった。
内心ほくそ笑みながら質問する

「決まりだね。サーニャと宮藤はどうする?」
「私もやってみます。エイラはハロウィンの事知ってるかもしれないけど、それはそれで…」
「ははっ、そうだね。ま、エイラの扱いはサーニャが一番慣れてるだろうし…昨日夜間哨戒に行って今は寝て
るだろうから、寝起きってのも面白そうだね。て事で、サーニャはエイラ担当ね。後は宮藤だけだよ~?」

その場に居る9割が話に乗ってしまい、1人NOとは言えなくなった芳佳。
上官である美緒も参加するのだから、大丈夫だろうと覚悟を決めた。

「やります!私も参加します!!」


こうして6人のウィッチの「ハロウィンでドッキリ作戦」が開始されたのである。


続く



殆ど自己満SSですが続きます。月末までになんとか全キャラ出せれば…

375: 2009/10/21(水) 02:50:57 ID:q6YEMzuw
言いだしっぺが最初にするのはセオリーだよね。
って事で、私が一番手に名乗りをあげた。最初に終らせてしまえば皆の驚く顔がゆっくり拝めるしね♪


そんなこんなで私は今、間に合わせの黒いマントを羽織ってトゥルーデの部屋の前に居る。
一応ドラキュラのつもりだけど、急だったからこんなものしかなかったんだ。

きっとトゥルーデはこの間目覚めたクリスに手紙でも書いてる所だろう。



よしっ!覚悟を決めて軽い深呼吸。

コンコン
「トゥルーデ、いる?」
「ハルトマンか?開いてるぞ、勝手に入ってくれ」

やっぱり居た。でも、これは相手に開けて貰わないと意味がない。

「トゥルーデが開けてよー!来訪者を招くのも部屋主の務めでしょー!」
「…はぁ、一体何を企んでいるんだー?どうせまたろくでもない事だろう?」
「そんな事ないよー!いいから早く開けてってばー」

中々鋭いけど、このプリティ天才美少女エーリカちゃんを侮ってはいけないよ、トルゥーデ。

「ねー!早くー!!お・ね・え・ちゃん♪」
「お姉ちゃんはやめろ!!今開けてやるから。全く、いつもは勝手に入って来るくせに…」

なんかブツブツ言いながら扉に近付いてくる。やば…これは説教モードに入っちゃったみたいだね…
でも取りあえず開けてくれるみたいだし、そうなれば電撃戦。早い者勝ちだよ!

…ガチャ
「なんだハルトマン。私は今手紙を書いている所なんだ。大体お前はいつも…」
「とりっくおあとりーと!!お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞっ!!」
「……………はぁ?」

ぷぷっ。はぁ?だって。トゥルーデ今凄い変な顔してる。クリスにも見せてあげたいな。
笑いを堪えながらもう一度言ってみる

「だーかーらー!ハロウィンだって!!お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうよ?」
「だからなんだ?そのハロウィンってのは。下らん遊びには付き合わんぞ」

呆れ返った様子のトゥルーデ。ドアを閉めそうになったから、思わず手を伸ばした。

「あっ!トゥルーデ、待ってよ!」

ドッ!
「ぐふぅっ!!」
「…あ、あれ?」

私の伸ばした手は見事にトゥルーデわき腹に入っていた。…あれ?なんで?
どうなったら私がトゥルーデにボディブロー決めれるの??

トゥルーデはお腹を抱えながらドアノブに手をついて呻いている。や、やばい。この状況は非常にマズい。
どうしよう。ひたすら謝っても、今のトゥルーデには逆効果かもしれない。こうなったら…

376: 2009/10/21(水) 02:51:33 ID:q6YEMzuw

2回目の覚悟を決めてトゥルーデに向き直る私。
なんとか回復したトゥルーデは怒りと痛みのせいか、プルプル震えてる。ごめんね、トゥルーデ。

「エーリカァ……貴様、そこへなおれ!!…今日と言う今日は許さっッがふぅっ!!」

2度目のボディブロー。結構本気出しちゃったけど、大丈夫…だよね。わが隊のエースだし。お姉ちゃんだし。

気絶してくれれば、ベッドまで運んで「夢でした」って事にしてコッソリ抜け出そうと考えていた。



でも私の期待も空しく、トルゥーデは気絶してくれなかった。
あ、あれ?もしかしなくても、プリティ天才美少女エーリカちゃん、大ピンチ!?
トゥルーデの私を睨む目が座ってる…これは流石にやばい…逃げないと!!

「あ、私食堂に用があったんだ!じゃあそう言う事で…」

くるりと踵を返して逃げようとしたけど間に合わなかった。

「まぁ待てエーリカ。…少し話をしようじゃないか」
マントの襟首をガッシリ掴まれて走り出せない。呆気なく部屋に引きずり込まれるプリティ美少女エーリカちゃん。

扉が閉まる瞬間、廊下の角に心配そうに成り行きを見守る寮機達が見えた。
ごめん、私先に堕ちるよ…でも、任務だけは遂行させてよね…
あとは…頼んだ…よ…

そう言う意味を込めて親指を立ててみる。ちゃんと伝わってれば良いけど…


悠長に考えてたらベッドの上に放り投げられた。
何をされるのか少しおびえながらトゥルーデを見あげるけど、やっぱり目が座ってる。

ちょっとやりすぎた…よね。1回目は事故でも、2回目は本気だったし。

「ご、ごめんねトルゥーデ。殴るつもりはなかったんだよ。ちょっとテンパっちゃって…」
「ハロウィンと言うのは、お菓子がなければいたずらされるのか…?」

言い訳をする前にトゥルーデから質問されたので素直に答える。

「え?うん。そうだよ。トリックオアトリートって言って、お菓子をもらえなかったらいたずらしてもいいんだ」

大分端折ったけど、大体あってると思う。

「…なるほどな。だから私はいたずらされたのか…」
「いや、アレはいたずらって言うか事故って言うか…とにかく殴ったのは事実だから謝るよ。ごめん」

ボディーブローをいたずらだと思うのは、流石トゥルーデと言った所かな。どこか抜けてるんだよね、この
お姉ちゃんは。

一応正直に謝ったし、これで許してくれればいいんだけど…
トゥルーデは何か考え込んでいる様子でなるほど、と小さく呟き、こちらを向いた。許してくれるのかな。

「ハロウィンか…面白い行事もあったもんだ。しかしいきなり殴るのはどうかと思うが」
「だから、あれは事故なんだって!」
「2回目もか?パンチにかなり体重が乗っていたぞ。本気で落としにかかっていたようにしか思えん」

うぅっ!痛い所を…

「だっ、だから謝ってんじゃん!ごめんってば!そろそろ許してよ~」

お説教ぐらいなら聞いてあげるからさぁ。なんて火に油を注ぐような事言わないけど。

「ふむ。そうだな………いや、まだ許さん!」
「えぇ!!どうしたら許してくれるの?」

もしかして私の部屋の掃除とか?それだけは勘弁して欲しい。

377: 2009/10/21(水) 02:51:53 ID:q6YEMzuw


「…私もハロウィンに参加しよう」
「え?どう言う…」

言い終わる前にトゥルーデが私を押し倒してきた。
か、顔!近いよっ!!恥ずかしいから駄目だってば!!!

そう言ったつもりだったけど、声が出てなかったみたい。顔を真っ赤にしながら口だけパクパクしてて、
トゥルーデがそれを見てくすりと笑った。自分だって私に負けないぐらい真っ赤なくせに。

「トリックオアトリート、だ。エーリカ」

そう言って私のおでこに軽くキスを落とした。



…今日のトゥルーデはなんか変だ。私が殴ったのはお腹だし、どこかで頭でも打ってたのかもしれない。
そうじゃないと、こんなにキザったらしい事しないはずだし。



………何よりも、こんなにかっこよく見えるはずがない。
もしかしたら、私の方が頭打ってんのかな。

とにかく、やられっぱなしは癪だから顔を真っ赤にしながらも反撃する

「わ、私だってトリックオアトリート!!なんだからっ」

そう言ってトゥルーデのほっぺにキス。

「おいおい、それ言えるのは1回だけじゃないのか」

怒った顔を作ってるみたいだけど、真っ赤になりながら言ってたら全然怖くないよ。

「私は何回使ってもいいの!!トゥルーデは駄目だからねっ!」
「なんだそれ、ずるくないか?」
「ずるくない!トゥルーデのばか!」
「なっ!馬鹿とは酷い言われ様だな…よし、仕返しにトリックオアトリートだ!」

そう言って今度は私のほっぺにキス。

顔を真っ赤にしてらしくない事をするトゥルーデがおかしくて、つい吹き出してしまった。
それにつられてトゥルーデも笑う。
お互い顔を真っ赤にしながら、おでこをくっつけたままくすくす笑った。


いつもとちょっと違う事をするトゥルーデは変だけど



……………………やっぱりかっこよく見えた。


fin

404: 2009/11/01(日) 03:18:45 ID:Cqd5s7Pg
エーリカがトゥルーデの部屋に引きずり込まれた後、芳佳たちはお互いの顔を見合わせていた。


「ど、どうしよう…バルクホルンさん、めちゃくちゃ怒ってるよね…」

芳佳ちゃんが最初の一言を発したのに続いて、各々が口を開く。

「あ…あんな大尉初めて見ましたわ…あれは流石にマズいんじゃないかしら…」
「しかし、ハルトマンにも余裕があったようだぞ。このままはろうぃんとやらを続けるのか?」
「でっでも、あとからハルトマンさんに怒られそうですよー!」
「…それを言ったらもう後戻りは出来ないかも知れないです…」

途方に暮れる4人。しかしルッキーニだけは相変わらず無邪気だった。

「でもでも!!中尉のパンチ凄かったねー!ぐふぅって言ってたよ大尉!」

呆気に取られる芳佳とペリーヌ。ルッキーニは1人楽しそうに話している。

「貴女ねぇ!!今はそんな話してる場合じゃ…」
「あぁ、うむ!それに関しては同感だな!普段はだらしないが、やはり我が隊のエースと言う所か。
見事なまでに急所である鳩尾を突いていたからな!お前も見習えよ、宮藤!!」
「はいっ!坂本さん!!」
「そっそそそそうですわ宮藤さん!さっさと精進してわたくし達の足を引っ張らないで下さいまし!!」
「ウジュジュジュー!ペリーヌおもしろーい♪……あれ?サーニャは?」

皆がワイワイやっているうちにサーニャの姿が消えていた。

「さぁ?どうせ居ても居なくても変わらないのだし、放っておいても宜しいんでなくて?」
「ペリーヌさん、それは酷いですよー」
「ペリーヌがそんな事言うから逃げちゃったんじゃないのー?」
「……っ!!そっ、そんな事……」
「おい、エイラの部屋の前に居るの、サーニャじゃないか?」

わざわざ魔眼で見ながら美緒が言った目線の先を追うと、そこには黒い三角帽を被ったサーニャがいた。

「ウジャー!次はサーニャの番かー!!どうなるんだろ。たっのしみー♪」
「結局、続くんですね…」
「はっはっは。こうなった以上は我々も最後まで付き合うしかないな、ペリーヌ!!」
「もっ勿論ですわ!少佐となら何処まででもお供いたしますわ!!」


☆

405: 2009/11/01(日) 03:19:24 ID:Cqd5s7Pg
皆が騒いでいるうちに部屋の前まで来ちゃった。
ハルトマンさんとは良くお話するし、1人だけ怒られるのは何だか可愛そう。それに、エイラの驚く顔も見て
みたいし…

私の変わりに行ってくれた夜間哨戒のせいでずっと寝ているエイラだけど、そろそろ夕方だし起きているはず。

ハルトマンさんがしたみたいに、小さく息を吸ってから扉を叩いた。

こんこん。
「エイラ、起きてる?」
「サーニャカ?ちょっと待ってナ、今あけるから」

予想通り、やっぱり起きていた。
扉を開けてくれたエイラの部屋を見ると、テーブルの上にタロットカードが散乱している。占いでもしていたのかな

「占い…してたの?」
「ん?ウン。今日の自分の運勢を見ていたんダ」
「そう。結果はどうだった?」
「ンー…何か予想外の事が起きるッテ。夕飯が扶桑の納豆と肝油だったりしてナ!」

冗談っぽく笑うエイラの顔が可愛くてかっこよくて、ちょっとドキドキしてしまった。

「もう、エイラったら。納豆は体に良いからちゃんと食べないと駄目だって、坂本少佐が言ってたわ…肝油は…
私も苦手だけど…」

微笑みながら言うと、「分ってるっテ。ニヒヒ」と笑いながら部屋に入れてくれた。

いつもと同じ部屋なのに、何だかドキドキするのは、気のせいじゃないだろう。
散らかったままのタロットを片付けながら、エイラが質問を投げかけてきた。

「なぁサーニャ、その帽子はナンダ?」
「あ、これ?これは…魔女…なの」
「何言ってンダ、サーニャ?魔女は私達だロー?」
「そ、そうだけど、違うの!これは…」
「あ、もしかしてハロウィンの衣装カ?」
「そう!今日はハロウィンでしょう?だから…」

言い当てられてしまって恥ずかしくなってきた私は、どんどん声が小さくなって赤面していく。

チラとエイラを見遣ると、何故かエイラの方も赤くなっていて、いたずらとかサーニャが私に…とか呟いている。
もしかしてバレてた?
エイラなら本を持っているし、知っていてもおかしくない。

仕方ないから覚悟をきめて、まだ赤い顔をエイラに向ける。
一瞬ビクッとしたけど、私の真摯な眼差しを受け止めてくれた。

これから話す言葉を相手も知っていると言うのは、結構恥ずかしい。

もう一度息を吸い込んで目を瞑って捲し立てるように言った。

406: 2009/11/01(日) 03:19:53 ID:Cqd5s7Pg


「おっおかしてくれなきゃイタズラしちゃうっ…から!」


…言った。エイラの反応を伺う為に薄目を開けて見る。


エイラは何故か真っ白になって、虚空を見つめたままさっきよりもブツブツ言っていた。
全部は聞き取れないけど、「私ガサーニャを…」とか「イタズラされるのも良いかモ」とか、よく分らない事を言っていた。

あれ?私ちゃんと言ってたと思うんだけど…
エイラの様子が明らかにおかしい。不安になってエイラの胸元まで近寄って見上げてみる。

大好きなエイラが私の一言でおかしくなってしまったのではないかと内心思っていたら、視界がぼやけてきた。


「……エイラ?」

ハッと気付いたエイラが私に向き直り
「ササササササーニャっ!ここういうのは順序って物があっテ…」
「順序?」
「そっソウ!サーニャにはマダ早いと思うンダ!!」

知らなかった。ハロウィンに順序や年齢規制があったなんて。俯いて思考を巡らせる。

だからエイラはあんなに驚いていたのか。私はまだ子供だから、ハロウィンには早すぎたんだ。
それじゃあ、お菓子も貰えないし、仮装行列にも参加できないの…?

そう思っていたら思わず口を動かしていたみたい。

「それじゃぁ……駄目………なのね…?」
「エ…?」

もう一度エイラの胸元から見上げて呟く。

「私じゃ…駄目…なんだ…」

言いながら悲しくなって涙があふれ出た。恥ずかしい。
ぐずぐずと泣いていたら、ふんわりとした感触。まるで暖かい毛布のような…
私の大好きな両手。

「そっソンナ事ないぞっ!!」
「え…?」
「サーニャは、その、たっ大切にしたいンダ。私自身がもっと強くなってサーニャを守れるようになってから、トカ
お父様とお母様に会うまではやっぱり奇麗な体のままデ…ッテ何言ってんダ、私!」

本当に何を言ってるのか分らないけど、とても大事な事だけは分った気がする。
にっこりと微笑んで、彼女の言葉の続きを促した。

「だ、ダカラ、今はコレで勘弁ナ。私がもっと強くなって、世界が平和になって、サーニャがご両親と会えたら…
つっつつつ続きはソレからだダ!」


そう言い終えた後、真っ赤になったエイラの顔が近付いてきた。


fin

426: 2009/11/05(木) 04:24:42 ID:wYHSx3LE
にひひ…

次はあたしの番!!皆を見てるだけなんて、いい加減つまんないしね。


そう言ったらヨシカが順番代わってくれたんだ。


ハルトマン中尉とサーニャが戻って来ないけど皆何も言わないし、質問しても曖昧に笑うだけ。ペリーヌにいたっては
顔を真っ赤にして「不潔ですわ!」って怒るくらいだし。意味分んないよー!

……まぁいっか。
あたしも早くとりっくおあとりーとって言いたいなー!


あ、仮装するの忘れてたけど…まぁいっか!軽い足取りで扉の前に立つ。
誰の部屋かって?言わなくても分るでしょ?

大好きなマーマにそっくりだけど、その事を話したら何故か怒られて追いかけられたっけ。
本当は恥ずかしくてちゃんと言えなかっただけなんだけど…
マーマとは別の意味で大好きな……そう、あたしの大好きなシャーリーの部屋!!


シャーリーならきっとハロウィンの事知ってるだろうし、早くあの言葉を言ってお菓子を貰ってシャーリーと遊びたい。
以前中佐の部屋にノック無しで入ったらこっ酷く叱られたけど、あたしのシャーリーはそんな細かい事で
怒ったりしない。
だから、シャーリーの部屋に入る時はいつもノックなんてしないんだ。

驚くシャーリーの顔が見れる時もあるし、機械いじりに集中して気付いてくれないときもあるけど…
そんなときは気付いてくれるまで待ってるしかないんだけどね…

とにかく!あたしとシャーリーはそれだけ信頼し合ってるって事!!


ばんっ!
「シャーリィー!!とりっくおあとりー………と…?」



…居ない。どこにも居ない。ベッドにも机の下にも。
私が来ることをエイラみたいに察知して、逆に驚かせようと隠れてるのかと思ってたのに。

「……つーまぁんなぁーい!…もーっ!!!シャーリーのばかっ!ばかシャーリー!!」

そうやって騒いでいてもなだめてくれる人はここに居ない。
きっとハンガーでストライカーいじりでもしてるんだ…。
ストライカーをいじっている時のシャーリーは本当に楽しそうだから、遊んで欲しい なんて言えなくなる。

今日はまだ会ってもないのに………
きっとあたしと遊んでいるときよりも、ストライカーいじってる方が楽しいんだ。


シャーリーが自分よりもストライカーを優先しているように思えてきて、凄く嫌な気分になった。
音速を超えてからのシャーリーは、何かにつけてストライカーをいじっている。あたしはと言えばシャーリーの監視が
ある時以外はストライカーに近付く事すら禁止になってしまった。

今日だってそうだ。あたしを誘わないで1人でストライカーいじりなんかして。
もうストライカーと結婚しちゃえばいいんだ。バカウサギ!食べちゃうぞ!!

そんな事を思う自分が腹立たしくて、子供っぽいと自覚するけど認めたくなくて…
散々喚いた挙句、とうとうわけが分らなくなった。

427: 2009/11/05(木) 04:25:15 ID:wYHSx3LE


「うぅ~…」

ぼすっ

勢い良く俯せに寝転がったシャーリーのベッド。

「…しゃーりーのばかやろぉ…」

そう言って勢い良く吸い込むと、大好きな人の匂いと共に心地良い眠気が差してきた。
そう言えば今日のシエスタがまだだったっけ…

いつも使っている毛布の代わりに、ベッドの上に投げ捨てられた赤いジャージに手を伸ばす。
本当ならあの毛布が一番良く眠れるんだけど、このジャージはシャーリーがオフの時に良く着ているジャージ
だから。シャーリーの匂いが染み付いている。

そんな訳で、あの毛布同様、もしかしたらそれ以上に心地良く眠れるんだ。

「うにゅ…」

赤いジャージを抱きしめ直して本能のままに眠りにつく。

少し高い窓から注ぐ光の帯は、それこそ音速に近い勢いであたしを夢の中へと誘った。


☆

遠くからでも分かる。
あれはきっとシャーリーだ。

ハンガーでストライカーをいじっている。

「シャーリー!トリックオアトリートだよー!お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうよ~!!」

シャーリーを見つけた嬉しさで手を振り走りながら叫ぶ。それに気付いたシャーリーが振り返って微笑んだ。

「あぁ、ルッキーニか。悪い、私結婚することにしたんだ。コイツと。」

そう言ってシャーリーが愛しそうに紹介したのは、彼女のストライカーユニットだった。

「えっ!どういう事シャーリー?ストライカーと結婚って…ちゃんと説明してよ!」
「悪いな、もう行かないと駄目なんだ。お前も元気でやれよ。じゃあな」

そう言ってどんどん遠くへ行ってしまうシャーリー。片手を挙げて微笑んだままで小さくなっていくシャーリー。
訳が分からないまま必氏で追いかけた。

「ちょ、待って、まってよシャーリー!置いてかないで!待ってってば!!」

走って走って、必氏になっても追いつかない所かどんどん引き離されていく。
置いていかれるのが嫌で、必氏に手を伸ばすけど全然届かない。

真っ黒な何かが、あたしの体を取り込もうと追ってきた。

「シャーリィ!!シャーリー!や、やだ、助けて、しゃぁぁりぃぃ!!」







…懇親の力で叫ぶと、あたしを取り込もうとしていた黒い物は無くなって、代わりに暖かいものに頭を撫でられて
いるような感覚がした。

「…ニ、私はここにいるよ…」

…あ、そうか。これは夢なんだ。………よかったぁ…シャーリーがあたしの事放っといてどっか行っちゃう
なんてありえないもんね。

音速はシャーリーの夢なのに、それを軽視してストライカーと結婚しちゃえなんて酷いこと考えちゃった。
そんな悪い子は、怖い夢みても仕方ないよね。
とにかく目を開けよう。

そしたら、きっと私の大好きな人が目の前にいるはずだから。

428: 2009/11/05(木) 04:25:51 ID:wYHSx3LE







☆



ストライカーの整備を終えて戻る途中、頭に三角の白い布を巻いた坂本少佐と、何故か魔力を解放したペリーヌ
に遭遇した。

「何て格好してるんですか少佐…」
「ム、シャーリーか。これはエドウィンと言ってな、菓子を貰う為にいたずらをすると言う遊びだ!はっはっは」
「しょ少佐!それではこの世に存在しないズボンメーカーになってしまいますわ!」
「…あー…もしかしてハロウィンのことですか?」

良く分かってなさそうな少佐に的確な突っ込みを淹れるペリーヌ。
この二人、案外良いコンビだったりしてな。中佐の前では絶対言えないけど…

「そう!それだ!!はっはっは!今からミーナを驚かしに行く所だ!そう言えば、ルッキーニがお前の所に
行っただろう?」
「いや、まだ来てませんよ。アイツこんなイベント好きそうだからお菓子用意して待ってたんですけどね」

苦笑いで答えると、驚いた様子の二人。最近ストライカーに集中していてルッキーニにかまってやれず、寂しい思いをさせていたのだ。
ハロウィンをきっかけに遊ぶ口実を作ろうと思い、実はこっそりお菓子用意していたけど、中々取りに来ないのでハロウィン自体を知らない
んだと思っていた。それならそうで教えてやれば良いとも思っていた。

そんな中、思いがけない言葉を聞いて唖然とした。


「そんな事ありませんわ!ルッキーニさんとは大分前に別れた所でしてよ」
「うむ。お前の部屋に向かったようだが…」

そんな…すれ違いだったのか…!

「えっ!!そいつはマズい!私、朝から今までハンガーに居たんですよ!」
「なら早く行ってやれ。お前なら大体どこにいるか見当がつくのだろう?」
「はいっ!失礼しまぁす!!」

言うが早いか、文字通り脱兎の如く駆け出して目的地へ向かう。
きっと、待ちくたびれて寝てしまっているか、下手したらハロウィンよろしくイタズラされているかもしれない。
1人にしたことを酷く怒っているだろう。


やっと着いた自室に静かに入る。
やはりベッドの上に居た。いつもの毛布変わりに私のジャージを抱いて寝ている。

安心したのと、寝顔が可愛らしくて、つい見入ってしまった。
不意に、彼女の顔が曇る。

「…まっ、て…」

悪い夢でも見ているのかと心配になって、顔を覗き込む。私のジャージをひしと掴み、小さな睫毛がふるふると震えていた。

「シャ、リ…ぃかな…で……やだ……い…」
「ルッキーニ、ルッキーニ!私はここにいるよ…早く目覚めておいで」

できるだけ優しく、髪をすいてやる。
あーあ…こんなに寝汗をかいて…
起きたらハロウィンよりも先に風呂だな。風邪でもひいたら大変だ。


そんな事を思いながら手を動かしていたら、彼女の瞼が呻き声とともにゆっくり開いていく。


…さぁ、我が眠り姫様のお目覚めだ。

見上げた彼女の顔が満面の笑みを作り上げ、私の名前を何度も叫びながら腕の中に飛び込んできた。
あんまりかまってやれなくてごめんな。大好きだよ、ルッキーニ。


fin

439: 2009/11/10(火) 02:25:37 ID:lky63SS6
今日は一日お休みの日。

朝食の後片付けも終わったし、実家から送って貰った物を片付けよう。
片付けると言っても両手で抱えられる木箱が1つだから、すぐに終るだろうな。


それが終ったら一緒に送られてきたブルーベリーで新しいお菓子でも作ってみよう。
そう言えば、以前頼んでいた本が見つかったと言っていたっけ…


換気の為に窓を開けて…っと。

木箱を絨毯の上に置いてその前に座り込み、蓋を開ると同時にその本と対面した。
今すぐにでも読みたい衝動に駆られたけど、それをしてしまうといつまで経っても片付けが終らない事は経験上
重々承知していた。

我慢、我慢…後でゆっくり読んだ方がきっと楽しいよ。
そう自分に言い聞かせ、片付けを始めていたら不意にノックの音が響いた。


「はーい。どなたですか?」
「あ、あたし。芳佳だけど、ちょっと入っても良いかな?」
「芳佳ちゃん?勿論良いよ!どうぞ入って」
「うん、おじゃましまーす」

お休みの日に芳佳ちゃんが尋ねて来てくれることは珍しくない。
この前も扶桑のオハギと言うお菓子の作り方を教授して貰った所だし。
あの独特な材料と作り方はブリタニアには無いだろう。でも甘くてモチモチで、すっごく美味しかったなぁ。


そんな事を思いながら扉を開けて彼女を招き入れる。

いつもと違ってなんだか落ち着かない様子の彼女を変に思いながらもソファに案内して、
ちょっと待っててと告げて片付けていた箱から1冊の本を取り出した。
先程見つけた、新しいお菓子作りのレシピ集。

片付けが終ってからゆっくり1人で見るのも楽しいかも知れないけど、片付けが終って無くても芳佳ちゃんと
一緒に見る方が絶対何倍も楽しい。


私は呆気無く片付けることを放棄した。


「あ、ごめんね。もしかして片付けの途中だった?」

言いながら早くも立ち上がって部屋を出ようとする芳佳ちゃんに片手を振りながら答える。

「ん、大丈夫だよ。片付けなんていつでも出来るから。それよりこれ、一緒に見たいなぁと思って」

A4サイズ程の本を両手で掴みながら彼女に見せた。
出来上がりの写真やオーブンの細かい温度は勿論、ブリタニアのありとあらゆるお菓子のレシピが載っている
それは、結構重くて分厚い物だった。

だからこそ手に入れたかったのだけど。

「わぁ!それリーネちゃんがずっと探していた本だよね!?やっと見つけたんだぁ!見たい見たい!!」

無邪気にはしゃぐ芳佳ちゃん。やっぱり可愛いなぁ、なんて思いながら二人分の紅茶を注ぐ。

「芳佳ちゃん、アールグレイで良いかな?」
「うんっ!リーネちゃんの淹れてくれる物ならなんだって良いよ!だって美味しいんだもん!!」

それは芳佳ちゃんの為に淹れるから、特別美味しくなるようにしてるんだよ。
聞こえないぐらいの小声で呟いてみる。…やっぱり聞こえてないみたい。
本当は聞いて欲しいと思っているのか、彼女の驚く顔が見てみたいと思う私はどこか変なのだろうか。


二人分の紅茶とクッキーをソファ前のテーブルに持って行き、お礼の言葉を受けてから隣に座る。

「これもしかして昨日焼いてたクッキー?」
「うん。そうだよ。きっと芳佳ちゃんが来ると思っていたから、少し取っておいたの」
「そうなんだぁ。私の為に、有難う」

満面の笑み。あーもう、可愛いなぁ…

440: 2009/11/10(火) 02:26:16 ID:lky63SS6

大きなレシピ集を二人で見ながら、次はあれに挑戦しよう、とか、これは材料を集めるのが大変だ、とか
色々とお喋りをしていたけど、ふと気付いた事があった。

「あれ?そう言えば芳佳ちゃん、私に何か用事があるんじゃない?」
「えっ、ど…どうして?」
「だって入ってきた時の芳佳ちゃん、様子が少し変だったよ。私に用事があるんじゃないの?」

そう、何か言いにくいような事が。

「あ、やっぱりおかしかった?あ、あのね…」
「うん。何?」

相槌を打って先を促す。
なんでも聞いてあげるよ。大好きな芳佳ちゃんの為だもん。

「あ、あのね…その…と、トリックオアトリート!!…って知ってる?…よね?」

トリックオアトリート?どこかで聞いたことあるような……確か、ハロウィン…だったかな?
それがそのまま口をついて出たみたいで、芳佳ちゃんの驚いたような、がっかりしたような顔が間近にあった。

「や…やっぱり知ってたんだ…」

そう言って今まで見ていたレシピ集をぱたりと閉じて、何故かしょんぼりしてしまう。

「あ、でっでも話を聞いただけだから、詳しいことはわからないんだ!芳佳ちゃん、詳しいの?」

慌ててフォローを入れる。
知らなかったのは本当の事だし、芳佳ちゃんが何か考えているなら聞きたい。

「わ、私もそんなに詳しくは知らないんだけど…」

さっきまでのしょんぼり顔はどこへやら。
そう言って顔を赤くしながら嬉しそうにハロウィンについて語ってくれた。

「…と言う事なんだ!」
「へぇ…そうだったんだ。芳佳ちゃん詳しいんだね」
「う、うん。それでね、その、ハロウィンが…今日…だったりするんだ…」
「えぇっ!そうなの?……じゃあ、もしかして、その、お菓子を貰いに来たって、事?」

1つずつ確認しながら言葉を発した。変な汗が頬を伝う。

そう…なんだ。じゃあ、クッキーをあげた私は芳佳ちゃんに好きなイタズラをしてもかまわないって事…?
そう…そうだよね…だって私は芳佳ちゃんからお菓子を貰ってないし。
今朝なんて私以外の人たちと楽しそうにお喋りしていたし……
それならイタズラされても構わないって事…だよね……はっ!!…もしかして芳佳ちゃん、ワザと…?
私にイタズラされたいが為にワザとハロウィンなんて名目で尋ねて来たのかしら…
そっ…それならちゃんと答えてあげないと…


「そうなんだ!でも、リーネちゃんが知ってたらドッキリにならないし、知らなかったらどんなイタズラしようか
考えてなくて……聞く時はすっごく恥ずかしかったよぉ……って、リーネちゃん、大丈夫?さっきからブツブツ言ってるけど
私何か変な事言ったかな…?」

あれ?心の中で呟いていたつもりが、言葉になっていたみたい。
芳佳ちゃんが心配そうに顔を覗き込んでくる。
ああ…そんな顔もとろけるほどに可愛いんだから。きっと、もう私は………

心配する芳佳ちゃんに、大丈夫。と満面の笑みを向けてゆっくり立ち上がる。と
扉の鍵をかけ、芳佳ちゃんに向き直る。

「ど、どうしたの?リーネちゃん…鍵なんてかけ…て…………っ!!」

ハッと気付いたような素振りを見せ、青ざめた顔で震える芳佳ちゃん。
私のお気に入りベスト5に入る彼女の表情だ。
……でも、どうしたのかしら?

「どうしたの芳佳ちゃん?今日はハロウィンで、お菓子を貰わなきゃイタズラしても良い日。なんでしょう?」

そういって努めて明るく微笑みかけながら確認を取る。
返ってくる言葉は無く、ただただソファの隅で肘置きを掴みながら震える芳佳ちゃん。
自分から誘っておいて、その態度は無いんじゃないかと半ば呆れたけど、彼女が汗を流している事に気付いた。

それじゃあ、早く脱がないと風邪引いちゃうね。

魔力を開放し、一歩ずつ近付く。
ぎし、と床がなる度にびくりと肩が震えるのも可愛い。

抱き上げた拍子にひゃぁと、小さな悲鳴をあげる芳佳ちゃん。やっぱり可愛い。

ぎしりとベッドの上に優しく寝かせ、彼女の上に跨った。
開けた窓からそよそよと心地良い秋風が吹く。芳佳ちゃんがもぞもぞと動くから、シーツに皺が寄ってしまった。
でもそんなのは、今からする行為によってどうでも良くなる事だから。

怯えた瞳で見上げる芳佳ちゃんが、何か言おうと口をもごもごさせているけど聞いてあげない。
事の始まりを意味するキスを彼女のそれに重ね合わせたらようやく認めたのか、はたまた諦めたのか。
私のシャツをぎゅっと掴み、震える舌で答えてくれた。


かわいいかわいい、わたしの わたしだけの 芳佳ちゃん…


fin

引用: ストライクウィッチーズでレズ百合萌え 避難所3