161: 2006/08/07(月) 22:36:19.20 ID:by9e7f0b0
 ハルヒの声がした。
 ハルヒが俺の名前を呼んでいる。
 どうしたんだハルヒ?
 
 目を開けて起き上がると、そこは色も音も無いただ真っ黒な空間に俺は居た。
 見渡すほどの広さも感じられない。ただ黒一色の空間。
 足元もフワフワとして、まるで星一つ無い宇宙空間に放り出されたようだ。
 俺は確かベッドで眠っていたはずだ。それがどうしてこんな場所に居るんだ?
 まさか例の閉鎖空間とやらに呼ばれてしまったのだろうか。
 なら、ハルヒもこの場所に居るはずだ。どこにいるんだ、ハルヒ。

「ハルヒ!」 

 ハルヒの名前を呼ぶ。だが返事は無い。
 ハルヒの声がして、この妙な空間・・・閉鎖空間だと思ったが違うのか?
 なら、例の急進派か?
 
「ハルヒ!おい、返事をしてくれ!ハルヒ!」

 もう一度ハルヒを呼ぶ。・・・やはり、返事は無い。
涼宮ハルヒの劇場 「涼宮ハルヒ」シリーズ (角川スニーカー文庫)
162: 2006/08/07(月) 22:44:35.52 ID:by9e7f0b0


   キョン!


               キョン!
 キョン!


                どうして返事をしてくれないの?


   ・・・・。

                 ・・・・。

 ・・・。




        キ    ョ    ン    !    !

165: 2006/08/07(月) 22:55:11.32 ID:by9e7f0b0
『・・・ョ・・・ン・・・・・キョ・・・・!・・・・ョ・・・』

 微かに、だが確かにハルヒの声が聞こえた。やっぱりハルヒはここにいるのか?

「ハルヒーーーっ!!ハルヒ!!どこだ、おーい!!」

 大声を出してハルヒの名前を呼ぶ。だが一向に返事は無い。
 ・・・どうなっているんだ?ハルヒじゃないなら長門、古泉の誰でも良い。返事をしてくれ。


   『       キ    ョ     ン    !   !     』

 
 突然、この空間全体が揺れるほど大きい声で俺の名前が叫ばれた。
 実際、

          ず 
              ず
                  ず

         ず
                    ず
                                 ず

      どっ            どっ                どっ  

 と辺りが激しくゆれ出した。

169: 2006/08/07(月) 23:04:50.94 ID:by9e7f0b0
 ゆれ出した空間の一部が、ぐにゃりと歪む。
 それはだんだんと色が付き、ますます歪みを増してゆく。





 ぐにゃ





 その歪みは、だんだんと、ある人間の顔を模してゆく。

174: 2006/08/07(月) 23:13:01.91 ID:by9e7f0b0


「・・・ハルヒ・・・・・・・!?」

 空間に浮かんだ歪みは、ハルヒの顔になった。
 その顔は笑って、俺を見下ろしている。
 呆然とそれを見上げていると、また空間の一部から腕が二本飛び出して俺の体を無理矢理掴んだ。






  つ  か  ま  え  た  ぁ  !  大  好  き  よ 、 キ  ョ  ン !






おわり

176: 2006/08/07(月) 23:14:19.47 ID:by9e7f0b0
長編の息抜きに書いてみたけどやっぱダメポ。スレ汚し失礼しました。

175: 2006/08/07(月) 23:13:04.84 ID:RD5bXOFx0
救いようがないな

178: 2006/08/07(月) 23:14:57.34 ID:mqce8l790
何故か怖さを感じるのだが・・・w

引用: ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」