684: 2012/06/05(火) 12:59:00.34 ID:b1Nyfals0



前回:P「あずささんにあすなろ抱きをしてどうなるか見てみよう」



P「ありがとうございましたー」

真美「ふい~~っ、つっかれたー……」

P「疲れたのはこっちだよ。インタビューでいらんことを言うなとあれほど……」

真美「んっふっふ~、まあい→じゃんい→じゃん、これで今日のお仕事はおわりなんだからさー」

P「お前はな。俺はまだ事務仕事がたんまり残ってんの。今日は音無さんが休みだしさっさと片付けないと……」

真美「ふむふむ、兄ちゃんも大変ですなぁ」

P「そう思うんなら手伝ってくれー」

真美「それは無理な相談ですなぁ」
ぷちます!(15) (電撃コミックスEX)

686: 2012/06/05(火) 13:03:51.09 ID:b1Nyfals0
真美「ところで兄ちゃーん?」

P「なんだ?」

真美「エアコン効き過ぎじゃない? ちょっと寒いよ→」

P「あー、これな。このエアコン、リモコンが壊れてて温度が調整出来ないんだよ。寒いんなら消すけど」

真美「ん~、消すと暑いしこのままでいいよ」

P「今日はもう仕事もないし帰ればいいんじゃないか?」

687: 2012/06/05(火) 13:14:10.95 ID:b1Nyfals0
真美「この後、亜美と遊びに行くからもうちょっとここにいる→」

P「そうか」

真美「兄ちゃんと二人っきりなんてめったにないしね! 兄ちゃんも嬉しいっしょー? こんな若い子と二人っきりなんて」

P「ははは、ソウダナー」

真美「むぅ~」

 真美の冗談を軽くかわしながら自分の席へと着く。
 ちらりと真美の様子を窺うと俺が冗談に乗ってこなかったのが不服だったのか、頬を膨らませながらつまらなそうに雑誌をめくっていた。

P「さてと、キリのいいところまでやっちゃいますかね」

──────

────

── 

693: 2012/06/05(火) 13:22:33.01 ID:b1Nyfals0
P「ふぅ~……うぅ、寒っ」

 ぶるりと身震いをしながらキーをタイプする手を止める。
 事務仕事を始めてからまだ三十分と経っていないが、こう寒くては集中出来ない。

P「真美ー、寒くないか?」

真美「んー、大丈夫だYO→」

 応接間の方に視線を向けると真美はソファの上で膝を抱えながら転がっていた。
 言葉を聞く限りでは平気そうだが、やはり少し寒そうだ。

P「真美、コーヒー飲むか? 温かいの」

真美「うん、飲む飲む→! お砂糖とミルク、たっぷりお願いね!」

P「了解」 

698: 2012/06/05(火) 13:30:51.58 ID:b1Nyfals0
P「はい」

真美「おっ、ありがと兄ちゃん……あちち」

 カフェオレの入ったカップを手渡すと真美は幸せそうな顔をしながらちびちびと飲み始めた。

真美「っか~ぁ、やっぱりコーヒーはブルマにかぎりますなぁ」

P「それをいうならブルマンな。一瓶498円の安物だからそんな上等なもんじゃないけど」

真美「兄ちゃん、ふいんきだよ、ふいんき」

P「雰囲気な。砂糖とミルクたっぷりのお子様コーヒーで雰囲気もくそもあったもんじゃないけど」

真美「むぅ……真美、お子様じゃないもん。ブラックコーヒーだって飲めるもんねー!」

699: 2012/06/05(火) 13:37:11.24 ID:b1Nyfals0
P「じゃあ飲んでみるか?」

真美「え……あー、えっと」

 俺の飲んでいたカップを渡すと真美はどぎまぎしながら、俺とカップに交互に視線を走らせた。

P「別に無理しなくてもいいぞ」

真美「む、無理なんかじゃないもん!」

 真美はしばらく躊躇った後、恐る恐るカップに口をつけた。

真美「うぅ……苦いよぅ~」

P「あー、言わんこっちゃない……」

 俺のカップを取り上げて真美のカップを手渡してやると、こくこくと美味しそうにその甘い液体を流し込んだ。 

700: 2012/06/05(火) 13:44:42.29 ID:b1Nyfals0
真美「ふぅ~……うぅっ」

 ホットコーヒーで一息ついたのも束の間、今の部屋の状況を思い出したのか真美が大きく身震いをした。

P「……ほら、これ羽織ってろ」

 美希がよく使っているタオルケットを出してきて、真美の肩に掛けてやる。

真美「ん、真美はいいよ。兄ちゃんが使いなよ」

P「アイドルに風邪をひかすわけにはいかんだろ。真美が使いなさい」

真美「兄ちゃんが倒れたら誰が真美達のプロデュースをするのさー。兄ちゃんが使って」

 ぐいぐいと互いにタオルケットを譲り合う。
 これでは埒が明かないなと考えていたら、ふと名案を閃いた。

703: 2012/06/05(火) 13:54:19.10 ID:b1Nyfals0
P「ふむ、じゃあこうしよう。真美、こっち」

真美「え……えぇ!?」

 タオルケットを羽織り、脚を広げて、空いたスペースに座るように真美を促す。

真美「む、無理無理無理無理! 無理だよぅ!」

P「そんなこと言ってもこのままだと二人して風邪ひいちゃうぞ」

真美「で、でもでも……」

P「いいから」

真美「う、うぅ……」

 真美が渋々といった体で俺に身体を預けるようにそっと腰を掛ける。
 嫌々だからなのか少し身体が強張っているようだ。

704: 2012/06/05(火) 13:59:18.83 ID:b1Nyfals0
P「えい」

真美「ぎゃーっ!」

 真美の身体を後ろから包み込むように抱きしめると素っ頓狂な声を上げながら暴れ出した。

P「ちょっ、真美。暴れるなって」

真美「うあうあーっ!!」

P「真美」

真美「あ……ふあぁ……」 

 真美を落ち着かせようと耳元で名前を囁いてやるとそれが功を奏したのか、すっかり大人しくなった。
 また暴れられても困るので後ろからがっしりと抱きしめる。

706: 2012/06/05(火) 14:02:34.03 ID:b1Nyfals0
真美「ん……兄ちゃん、ちょっと痛い……」

P「あぁ、すまんすまん」

真美「………………」

 一暴れして興奮したのか、真美の耳は真っ赤に染まっていた。
 よく見ると耳どころかうなじの辺りまで紅くなっている。

P「っとと、いかんいかん」

真美「兄ちゃん……?」

P「なんでもないよ」

 一瞬よからぬ感情が首をもたげたが、頭を振ってすぐに外に追い出す。

714: 2012/06/05(火) 14:10:42.88 ID:b1Nyfals0
P「あー、それにしても温いなー」

真美「うん、温かい……」

P「なんで子供ってこんな温いんだろうな」

真美「……真美、子供じゃないよ」

P「はっはっはっ、何をおっしゃる、真美さんや」

真美「ちょっ、やめてよぅ」

 真美の小さな頭を顎でぐりぐりとしてやると、それから逃れようともぞもぞと身体をくねらせた。

P「逃がさんぞー、三点包み込み~」

 身体をもぞもぞさせる真美を逃がさないように腕、脚、顎でがっちりとホールドする。

真美「兄ちゃん、やめて、ってば……ぅ……」

P「あ」

717: 2012/06/05(火) 14:17:12.42 ID:b1Nyfals0
真美「う……っく、ぅえぇ……」

P「ま、真美!? す、すすす、すまん!」

 すぐに離れようとするが目の前には真美がいるため飛び退くことも出来ず、ただおろおろと取り乱すことしか出来なかった。

P「ごめん、嫌だったよな。それに気付かずに俺、調子に乗っちまって……」

真美「い、いやじゃ、ないよ? いやじゃない、んだけど……ひっく……いやなんだよぅ~」

P「え、え~と……」

 真美の言わんとしていることが分からず、取り敢えず落ち着かせようと恐々と頭を撫でる。

720: 2012/06/05(火) 14:26:44.34 ID:b1Nyfals0
P「まずは落ち着こう」

真美「う、うん……」

P「それで真美は何が嫌じゃなくて何が嫌だったんだ」

真美「あのね、真美ね? 兄ちゃんにこうやって触られるのは、嬉しいんだよ?」

P「そ、そうか」

 改めてそう言われるとなんとなく気恥ずかしい。

真美「けどね? 兄ちゃんがそうやって真美に接してくれるのって、真美を子供だと思っているからなんだよね?」

P「まあ……そうだな」

真美「だ、だから嬉しいけど、悲しいんだよぉ……真美、もう子供はいやだよぉ~……」

 すんすんと声を押し頃して泣き続ける真美。
 
 その涙はだめだ。そんな泣き方をされたらどんな風に慰めたらいいのか分からなくなる。 

723: 2012/06/05(火) 14:33:50.41 ID:b1Nyfals0
P「……ごめんな、真美」

 そっと優しく抱きしめる。
 子供をあやすようにではなく、一人の女の子に対する親愛の情を腕に込めて。

P「正直、真美のことは可愛い妹のように思っていたからさ、ずっとそんな風に接していけたらなって思ってた」

真美「………………」

P「だけどもう真美ももう立派な女の子なんだよな。そりゃ子ども扱いされたら嫌だよなぁ」

真美「そうだよ……」

P「ごめんな。これからはちゃんと真美のこと、一人の女性として接するから。だから泣き止んでくれないか?」

真美「……うん、分かった」

 そう言うと真美はぐしぐしと涙を拭った。
 なんとか機嫌を直してくれたかと胸を撫で下ろす。

726: 2012/06/05(火) 14:40:19.25 ID:b1Nyfals0
真美「だけど兄ちゃん」

P「うん?」

真美「兄ちゃんはやっぱり分かってない」

P「分かってないって……何が?」

真美「真美が……私が子ども扱いされて悲しかった理由」

P「えーと……それってどんな?」

真美「好きな人に子ども扱いされたら誰だって悲しいよ」

P「え……」

727: 2012/06/05(火) 14:45:06.76 ID:b1Nyfals0
 そのあまりの不意打ちに思わず腕の力が緩んでしまう。
 するとその隙を衝いて真美が俺の腕の中でくるりと身体を翻し────

真美「ん……っちゅ」

P「…………。……ッ!?」

 気付けば首の後ろに腕を回されて、そのままキスされていた。

 突然の事態に目を閉じることも出来なかった。
 すぐ目の前には頬を紅く染めて、何やら一生懸命な顔をした真美がいる。
 鼻息が少しこそばゆい。
 唇がぷるぷると震えている。少し強張っているが、その女の子特有の柔らかさに頭が痺れてしまいそうだった。

729: 2012/06/05(火) 14:50:23.51 ID:b1Nyfals0
真美「……ぷはっ……えへへ♪」

P「えっと、あー……」

 何を言うべきかも定まらずに呆けていると、真美がするりと俺の腕から逃げていった。

真美「真美、もう子供じゃないんだからね!」

 悪戯っぽい笑みを浮かべながら真美が事務所から出て行ってしまった。

P「……えぇ~……?」

 この後、仕事に全く身が入らなかったことは言うまでもないだろう。

 fin.

732: 2012/06/05(火) 14:55:06.91 ID:h2cGj4w60

引用: P「アイドルたちにあすなろ抱きをしてどうなるか見てみよう」