890: 2013/09/09(月) 00:27:06.47 ID:eqBkDIFc0
こんばんは。
乙、感想ありがとうございます。

前回:桐乃「その願いは」

891: 2013/09/09(月) 00:28:24.71 ID:eqBkDIFc0
京介「ったく、赤城の奴急に呼び出しやがって……」

そんな愚痴を吐きながらの帰り道。

俺は例の如く、家で桐乃のブログを見ていたのだが、そんな時に赤城から「高坂ぁ! ちょっと話聞いてくれよぉ!」とか電話が来た。

電話で済ませようとしたところ、実はもう家の前に居るだとか言いやがって。

渋々、俺は出て行ったのだが、案の定ついでで暇潰しに付き合わされ、すっかり昼過ぎとなってしまった。 折角の休みだってのに。

……話の内容は正直かなりどうでも良いことだったけどな。 瀬菜のことで相談、だったらしい。 俺からしてみれば、それは相談では無くただの自慢話だと言いたいところだが。
俺の妹がこんなに可愛いわけがないTRUEROUTE

892: 2013/09/09(月) 00:29:34.23 ID:eqBkDIFc0
京介「あ、やべ。 パソコン」

思い出した。 あれ、桐乃のブログ開いたままじゃねえか。

ばれると思うだろ? このまま桐乃が帰ったらすっげー怒った顔してたりすると思うだろ?

へへへ、心配御無用。 今日はあいつ、黒猫と沙織と遊ぶと言っていたからな。

俺も行って良いか聞いたところ、今日は女子だけで集まるとのことらしい。 少し悲しかったけど、そう言われてしまっては仕方あるまい。

京介「あいつ、最近ずっと機嫌良いからなぁ」

毎日にっこにっこしてるし、俺にベタベタしてくるし、可愛いったらありゃしない。

俺にぴったりくっついたりした時に頭撫でてやると、猫みたいに気持ち良さそうな顔するしな。

893: 2013/09/09(月) 00:30:01.88 ID:eqBkDIFc0
京介「……うへへ」

あいつが帰ってきたら、どうやって遊ぼうか等と考えながら俺は帰る。

その途中、ポケットに入れていた携帯が鳴った。

京介「……もしもし?」

「あなた、今ブログを見ているかしら」

京介「ブログ……っつうと、桐乃のだよな? さっきまでは見てたけど」

「そう。 ばれたりはしていないわよね?」

京介「大丈夫だって。 急にどうしたんだよ?」

894: 2013/09/09(月) 00:31:13.33 ID:eqBkDIFc0
「いえ、少しばかりおかしな記事が更新されていたからもしやと思ったのだけれど、大丈夫なら良いわ」

京介「……へえ? 後で見てみるかな。 それよりお前、良いのか? 電話なんかしてて」

「と、言うと?」

京介「いや、だって今日は女子だけで集まって遊ぶだとかって話だったろ?」

「ああ、言って無かったかしら。 実は妹が急に熱を出してしまって、今日は中止になったのよ」

京介「桐乃、朝出掛けて行ったけど……」

「世話をしていて連絡するのが遅れてしまったの。 お昼頃には帰って行ったわ」

895: 2013/09/09(月) 00:31:49.58 ID:eqBkDIFc0
……へー。

京介「いくつか質問していいか。 桐乃が家に着いた時間って、どのくらいになると思う?」

「そうね。 わたしの家からの距離を考えると……十三時頃には着いていたと思うわよ」

京介「なるほどなぁ。 で、ちなみにその記事が更新されたのって何時くらい?」

「ええっと、確か十四時くらいね。 手が空いた頃に見たから、そのくらいだったはず」

京介「……今って何時?」

「ボケたのかしら。 今は十五時よ。 先輩」

896: 2013/09/09(月) 00:32:19.53 ID:eqBkDIFc0
京介「……俺が生きてたらまた会おうな、黒猫」

俺は言い、電話を切った。

部屋のパソコンは付けっぱなし。 桐乃はその部屋へと既に帰宅している。 そしてブログは更新されていた。

……帰りたくねぇええええええええええ!!

くっそ赤城の野郎!!! 全部あいつが悪い!! 今度会ったらマジで許さん!!

といくら赤城に怒りをぶつけても、事態は解決しない。

そして、そんな電話をしながら歩いていた俺の前には、既にアパート。

897: 2013/09/09(月) 00:32:54.58 ID:eqBkDIFc0
京介「……どうか、どうかばれていません様に。 神様」

ぶつぶつと呟きながら、俺はゆっくりと玄関扉を開ける。

京介「ただいまー」

出来る限りいつも通りで。 もしばれていなかった場合、変な態度を取っていたらそれでばれる可能性がある。

桐乃「おかえり」

桐乃は……いつも通り。

……マジか。 これ、俺の願いが通じたのか?

898: 2013/09/09(月) 00:33:22.92 ID:eqBkDIFc0
桐乃にばれない様、パソコンを確認。

うおおおお! スクリーンセイバーナイス! 良くやった!!

桐乃の様子からして、これはばれてない可能性が高い。 やった、やったぜ!

京介「ああ、パソコン付けっぱなしだったか」

わざとらしく俺は言い、パソコンの前へ。

よし、ここまで来れば勝ったも同然。 最悪、ばれそうになったらそのまま消せば良いしな。

899: 2013/09/09(月) 00:33:50.28 ID:eqBkDIFc0
桐乃「も~。 出掛けるときはちゃんと切っといてよね」

京介「はは、悪い悪い」

……危なかった。 本当に助かったぜ。 ここまで安心したのって、いつ振りだろうか。

俺は桐乃から画面が見えないように体でブロックし、マウスを動かす。

画面にはすぐに桐乃のブログが表示される。

見た所、出掛ける前と変わった様子は……。

900: 2013/09/09(月) 00:34:17.99 ID:eqBkDIFc0
京介「……あれ」

良く見てみると、ブログには新着記事。

いやでもおかしいぞ。 自動更新なんてのは無いはずだから、出掛けた時そのままの状態なら新着記事が表示されているのは変だ。

……まさか、まさかな。

恐る恐る、振り向く。

桐乃「どしたの? きょーすけ」

そこには笑顔の桐乃が居た。

901: 2013/09/09(月) 00:34:56.64 ID:eqBkDIFc0
……なんだこの変な汗。

京介「い、いや。 何でも無い。 はは」

桐乃「ふうん。 ヘンなの。 あははは」

京介「ははは」

乾いた笑いが響く。

902: 2013/09/09(月) 00:35:26.15 ID:eqBkDIFc0
この空気、知っているぞ。

何回か感じている空気。 そうだ、これはあれだ。

桐乃がすっげえ怒ってるときに出す空気だ。 間違いねえ。

ってことは。

……ブログの記事、見てみるか。

ばれない様に、あくまでも最後まで望みは消さない様に。

903: 2013/09/09(月) 00:35:57.60 ID:eqBkDIFc0
4/20 無題

なんか、最近不思議だったんだよねぇ~。 あたしがこのブログに書いたことが、全部叶っちゃうんだもん。 すっごい不思議じゃない? そう思うでしょ?

んでぇ、折角だから、このブログにもうちょっと『お願い事』書いてみようかと思うんだよね。 もしかしてそれも叶っちゃったりするのかな? どう思う?

よし、じゃあ早速ひとつめ~。

土下座してほしいなぁ。 なんとなくだケドぉ。 兄貴にいきなり土下座してほしい、みたいな。 そんな気分。

あ、まだ続き沢山あるから、携帯でチェックしながら土下座して欲しいカモ。 チェックってなに言ってるんだろうね、あたしwwwwwwww

904: 2013/09/09(月) 00:36:35.17 ID:eqBkDIFc0
一旦、読むのを止めた。

もう一度、俺は桐乃の方を向く。

桐乃「なぁに? どうしたの? きょーすけ」

やべえ、これ確実にばれてる。 てか、ブログの記事が恐ろしいことになっている。

桐乃「どしたのぉ? あ、携帯見た方が良いんじゃない? なんとなくだケドぉ」

京介「そ、そうだな。 はは」

桐乃「うん。 ほら早く。 あはは」

顔が笑って無いぞ、桐乃さん。

905: 2013/09/09(月) 00:37:12.30 ID:eqBkDIFc0
京介「お、おう」

俺は返事をし、携帯から桐乃のブログにアクセス。

もう、従うしか選択肢は無かった。

ええっと、なんだっけ……。

とりあえずは土下座、だよな。

906: 2013/09/09(月) 00:38:08.26 ID:eqBkDIFc0
……これはまあ、慣れてるっちゃ慣れてるから良いか。 慣れてるってのが既に泣きたいくらい悲しい現実だけど。

京介「……」

俺、黙って土下座。 延々と土下座。

桐乃「なぁにぃ~? いきなりどうしちゃったワケ? きりりん意味分からないんですケドぉ~?」

桐乃「ねぇ、どうしたの? ねぇねぇ」

907: 2013/09/09(月) 00:39:01.51 ID:eqBkDIFc0
桐乃はそのまま俺の頭を踏みつけてきた。 容赦ねえな、この野郎。

桐乃「え~? いきなりそれとかマジキモイんですケドぉ。 ふひひ」

桐乃「携帯、チェックした方が良いんじゃない?」

京介「そ、そっすね。 はは」

俺は再度、ブログを確認。

908: 2013/09/09(月) 00:39:28.48 ID:eqBkDIFc0
んでぇ、兄貴が土下座してきたらどうしよっかな? とりあえずなんとなく頭踏みつけるっしょ? なんとなく。

で、それで。 兄貴がいきなり「踏んで頂きありがとうございます」とか言っちゃうじゃん? どうせあいつ変Oだし絶対ゆうよね~www

あ、その時は動画撮ろっかな。 兄貴もその方が幸せっしょ? ん?

まあ他にも命令は沢山あるケドぉ。 あんま書きたく無いし、後は全部口で言ってあげようかな。 あ~。 早く帰ってこないかな、あのクソ兄貴。

909: 2013/09/09(月) 00:39:57.68 ID:eqBkDIFc0
やべえ、これは本格的やべえ。

ブログの文面から桐乃の怒りが滲み出てるじゃねえか。

桐乃「なに? なんかチョー言いたそうな顔じゃん? あ、待ってね。 折角だし動画撮ってあげるから」

言うと、桐乃は携帯を俺に向けて構える。

……こいつマジで撮る気かよ!? 悪魔みたいな奴だ!

桐乃「はい、どーぞ。 言ってみ」

く、くそ。 でも悪いのは明らかに俺の方だ……。 くそう!!!

910: 2013/09/09(月) 00:40:41.67 ID:eqBkDIFc0
京介「ふ、ふ……踏んで頂きありがとうございます」

桐乃「はぁ? なに? よく聞こえないんですケドぉ」

京介「……踏んで頂きありがとうございます」

桐乃「えぇ~? 頭踏まれてるのにお礼言っちゃうの? キモっ!」

こんのクソアマ……! 好き放題やりやがって!

桐乃「でもまぁ仕方ないか! あんたマゾだもんね?」

京介「……ち、違うが」

911: 2013/09/09(月) 00:41:07.83 ID:eqBkDIFc0
桐乃「は?」

京介「……違いますけど」

桐乃「最後のチャンス。 今なんて言ったの?」

京介「……そうです」

桐乃「うはー! キッモ! マジ、さすがにキモイって!」

言いながらゲシゲシと俺の頭を踏む桐乃。 こいつ、いつか絶対仕返ししてやるからな、覚えとけくそ!

912: 2013/09/09(月) 00:42:04.94 ID:eqBkDIFc0
桐乃「兄貴~。 あたしチョー優しいからさ、そんな兄貴の為に頑張ってあげようかなぁ。 嬉しい?」

京介「……はあ」

桐乃「嬉しいかって聞いてるんですケド?」

京介「う、嬉しいっス」

桐乃「あ~あ。 マジ、こんな変Oシスコン兄貴が居るあたしってチョー可哀想。 でも健気に兄貴の為に頑張るあたし、優しいよねぇ」

京介「……はい」

うっぜえー! 桐乃の奴め……この前は「お願いします」とか言ってやがったのに! どっちが変Oだこの野郎!

913: 2013/09/09(月) 00:42:34.97 ID:eqBkDIFc0
桐乃「じゃあほら、足マッサージしてよ」

京介「……はいよ」

と言ったところで、顔をぺちんと叩かれる。 足で。 足で。 足で!!!

桐乃「なに適当な返事してるワケ? そこは「分かりました、ありがとうございます」でしょ? ほら」

京介「わかりましたありがとうございます」

精々棒読みで言ってやると、桐乃はなんとか納得したのか、無言で顎を使い命令してくる。

俺は泣く泣く桐乃の足を持ち、マッサージ。

914: 2013/09/09(月) 00:43:06.44 ID:eqBkDIFc0
いやでも、これくらいなら普通にたまにはあるし、良いか。 マッサージくらいなら。

桐乃からの罵倒が無ければ、だけども。

で、それからしばらく無言で足を揉む。 桐乃もそれ以上は何もするつもりが無いのか、しばらく俺を眺めていた。

桐乃「ねえ、他にもなんかしたいっしょ?」

……俺の妹の罰がそれだけで済むわけがない。

京介「え、ええっと……って、言いますと?」

915: 2013/09/09(月) 00:43:36.58 ID:eqBkDIFc0
桐乃「足舐めろ」

……こわ! お兄ちゃんはお前が怖いよ!?

すっげー鋭い視線で俺のことを睨んでやがる。 内心、相当怒っているご様子。

て、てかそんなことしていいのかよ。

京介「……マジで?」

桐乃「あんたに「ありがとうございます」以外喋る権利今無いから。 早くしろ」

なんだこれ、どんなプレイだよ。

つうか、こいつは今この時も動画で撮っているというのが恐ろしい。 後で何に使うんだよそれ。

916: 2013/09/09(月) 00:44:56.51 ID:eqBkDIFc0
……やるしか、ねえか。

京介「……ありがとうございます」

俺はゆっくり、ゆっくりと桐乃の足へ口を近づける。

まさか妹様の足を舐める日がやってこようとは。 俺、最高に変Oじゃねえか。

桐乃の顔色を窺うと、未だに超不機嫌顔。

俺としては「ぷ。 あんたなにマジで舐めようとしてるワケ? チョーありえないって、キモすぎッ!」とか言うのを期待しているんだが……。

桐乃「は、や、く」

これはもう、確実にやるまで終わりはしない。

917: 2013/09/09(月) 00:45:28.13 ID:eqBkDIFc0
俺は舌を出し、桐乃の足を一度。

……すごく惨めな気持ちになった、今。

桐乃「うわ! マジで足舐めてる~♪ キモすぎ! ふひひ~」

桐乃「ねえねえ、足舐めさせて貰って、言いたいことある? ねえ」

この聞き方をするってことは、そう返せという意味だ。

……桐乃の考えが分かってしまう俺が嫌になるぜ!

918: 2013/09/09(月) 00:45:58.42 ID:eqBkDIFc0
京介「……ありがとうございます」

桐乃「あんた恥ずかしくないのぉ? あたしの足舐めて、お礼言っちゃうとか! あーあ、マジ引くってー。 ひひ」

桐乃「じゃあ次は何してもらおっかな~。 う~ん」

京介「……ま、まだやるんすか?」

桐乃「は? 当たり前っしょ。 あんた何したか分かってんの? マジで」

京介「……どうぞ何でも命令してください」

桐乃「良い返事じゃん。 ふひひ」

919: 2013/09/09(月) 00:46:26.89 ID:eqBkDIFc0
今の時刻は16時。 恐らくこれは、飯の時間まで続くだろう。

桐乃「じゃあ次、わんわんって言ってみて」

……てっきり「その後はまあ色々やらされた」みたいな感じで終わらせられるのかと思ったが、俺の妹様はどうやらそれすら許してくれない。

なんてことだ。 このままだと俺のイメージがただの変Oになっちまうじゃねえか。

京介「わんわん」

素直に言う俺。

ふむ。

あれ、若干楽しくなってきた。

920: 2013/09/09(月) 00:46:53.85 ID:eqBkDIFc0
桐乃「……ヤバ。 ちょっと可愛いかも」

桐乃「も、もっかい言ってみ?」

京介「……わんわん」

桐乃「ふひひ。 よしよし。 いい子いい子」

そう言うと、桐乃は俺の頭を撫でて来る。

……やべえ、超嬉しいぞ、なんだこれ。

921: 2013/09/09(月) 00:47:20.34 ID:eqBkDIFc0
京介「わんわん」

桐乃「あんま調子に乗らないでね。 次、犬ならあたし乗せて歩いてよ」

ほんのちょっと調子に乗ったらこれだぜ。 やってられるかっての!!

桐乃「よいしょっと。 はい、しゅっぱーつ」

まあ、やるんだけど。

桐乃は俺の背中に乗り、俺は部屋の中を歩く。 惨めな四足歩行で。

922: 2013/09/09(月) 00:47:49.54 ID:eqBkDIFc0
……すげえ状況だな。

大学生と高校生。

彼氏と彼女。

そして兄と妹。

そんな奴が休日の夕方に部屋の中でこんなことをやっていると、誰が思うのだろうか。

多分、そいつらは相当の馬鹿だろう。

923: 2013/09/09(月) 00:48:35.65 ID:eqBkDIFc0
桐乃「早く歩けっつーの。 やる気あんの?」

京介「いや……だってお前、意外と重い」

桐乃「……は? ちょっと待って、ストップ」

これ、今完全に口が滑って余計なことを言ったぜ。 桐乃の顔が怖くて見れない。

桐乃「今何て言ったの? あたしが重いって言った? まさか」

京介「ち、違う! そういう意味じゃなくて……お前だけがって訳じゃないんだって」

924: 2013/09/09(月) 00:49:09.17 ID:eqBkDIFc0
桐乃「でも重いって言ったよね? ん?」

京介「まあ……はい」

桐乃「あんた犬でしょ。 なに飼い主の悪口言ってるワケ?」

俺は人間だこの野郎! そんでお前は俺の妹だ!

京介「……すいません」

思ってることと言っていることが完全に違う俺。 悲しいを通り越して笑えてきたな。

925: 2013/09/09(月) 00:49:38.09 ID:eqBkDIFc0
桐乃「違うっしょ。 謝り方がなって無さすぎ。 あんたは犬で、あたしはご主人様なワケ。 本当に分かってんの?」

京介「……って言うと?」

桐乃「自分で考えてみ? あたしが納得する謝り方」

……今すぐ押し倒してキスしまくってやろうかこの野郎!?

うう、そうしてやりたい……そうしてやりたいが、あくまでも根本的な部分では俺が悪いからな……。

くっそ!

926: 2013/09/09(月) 00:50:13.77 ID:eqBkDIFc0
京介「申し訳ありません、ご主人様」

桐乃「……ま、良いや。 今回だけトクベツに許してあげる」

京介「ま、マジか!」

桐乃「なにタメ口使ってんの? あたしが許すって言ったのは、あんたがさっきあたしの悪口言ったことについてだから。 犬が調子乗るなっての」

……ぬか喜びさせやがって。

京介「……申し訳ありません」

桐乃「はあ。 使えない犬飼うと苦労するよねぇ~。 あんたもそう思うっしょ?」

927: 2013/09/09(月) 00:50:39.37 ID:eqBkDIFc0
京介「ええ、まあ……」

桐乃「まあじゃないっしょ。 ほら」

桐乃「罰……じゃないか、あんたマゾだもんね? 普通の人だったら罰なんだケドぉ。 あんただとご褒美か。 じゃあ仕方ないなぁ、ご褒美あげる、ご褒美」

桐乃はにたにた笑いながら、そう言った。 これに対する返答、正解は。

京介「あ、ありがとうございます」

桐乃「ひひ。 よしよし」

桐乃は言うと、俺の頭を撫でてきた。 うむ、これは素直に嬉しい。 こいつこの時すっげえ可愛く笑うし。

928: 2013/09/09(月) 00:51:07.09 ID:eqBkDIFc0
桐乃「はい、じゃあほら、舐めろ」

……今のよしよしってのがご褒美じゃなかったの!?

桐乃は俺に手を差し出す。 今度は指を舐めろとのことらしい。

まあ、一度前に似たようなことはやっているし、抵抗は無いけど……。

それでもじっと見つめられたままするってのは、恥ずかしいぞ。

桐乃「はーやーくー」

京介「……はい」

929: 2013/09/09(月) 00:51:34.06 ID:eqBkDIFc0
今日は俺に拒否権という物は存在しないので、結局従うことになるのだが。

俺は桐乃の手を取り、細い指を口に入れ、舐める。

桐乃「……どう? 美味しい? ふひひ」

ここでマズイとか言ったら、それこそマズイことになるので、首を縦に振る。 実際そうだし。

桐乃「きも~い! 妹の指舐めて、幸せそうにするとかマジやばくない!? あんたほんとヤバイって~!」

いやお前のめっちゃ嬉しそうな顔も相当やばいっての! どっちがだよ本当に。

930: 2013/09/09(月) 00:52:00.86 ID:eqBkDIFc0
桐乃「ねーねー。 あんたさ、そんな変Oならもしかしてまた足舐めたかったりすんの? ねえねえ」

反射的に首を横に振ろうとする。

したのだが。

桐乃「は?」

という声と共に、足で脇腹を叩かれた。 ちなみに桐乃、未だに俺の背中に乗ったまま。

京介「……はい」

桐乃「はいって何が? 何をどうしたいの? きりりん分からないんですケドぉ」

931: 2013/09/09(月) 00:52:27.85 ID:eqBkDIFc0
京介「き、桐乃の足を舐めたいです」

桐乃「呼び捨て? 今あたしのこと呼び捨てにした? 聞き間違いかなぁ~?」

京介「……桐乃さん?」

桐乃「は?」

京介「……桐乃様?」

桐乃「なぁに? ふひひ」

どうやら、様付けで呼ばなければならないらしい。 本当に妹かよこいつ。

932: 2013/09/09(月) 00:53:01.58 ID:eqBkDIFc0
京介「えーっと……桐乃様の足を舐めたいです?」

疑問系になってしまったが、なんとか言ったぞこの野郎。 もう、流れに身を任せよう。 そうしよう。

桐乃「も~。 仕っ方ないなぁ! 変Oの兄貴を持つと、チョー苦労するよねぇ!」

すっごい嬉しそうな顔しやがって。

桐乃は俺の背中から降りると、目の前に足を突き出す。

桐乃「ふひひ~。 まだダメだよ? 待て」

……。

933: 2013/09/09(月) 00:53:48.19 ID:eqBkDIFc0
桐乃「よし! 良いよ、舐めて」

へっへっへ。

桐乃、お前は俺を甘く見すぎだ。

どーせ、こいつの中では俺が控えめに舐めるだとか、そう思っているんだろうよ。

確かにな、俺はそうかもしれない。 普段なら。

だけどこちとら、お前に色々やられて吹っ切れてるんだよ! やられたらやり返す、お前がよく俺にやってることだ。

934: 2013/09/09(月) 00:55:08.67 ID:eqBkDIFc0
京介「ありがとうございます!」

俺は元気良く言ってやる。 満足そうな顔をしている桐乃に向けて。

桐乃「お。 分かってきたじゃん。 そんな嬉しいのか~。 好きなだけ舐めていいよ? ふひ」

おうおう。 その言葉忘れるんじゃねえぞ、お前。

俺は桐乃の足を両手で持ち、口に近づける。

で、足の裏を舐めてやる。 思いっきり。

935: 2013/09/09(月) 00:56:04.02 ID:eqBkDIFc0
桐乃「ちょ! ひひひ! ストップ! すとおおおっぷ!!」

あーあー。 聞こえません。 すいません桐乃様ぁ。 全然聞こえないです。

桐乃がくすぐりに弱いのは知っている。 俺はもう一心不乱に舐めた。 桐乃の足を。 妹の足を。

……いやちょっと待て、なんだこれ。 何で俺はこんな必氏に足を舐めているんだ?

まあどうでもいいか! それより今は桐乃の足を舐めなければ。 へへへ。

こうして、俺は桐乃がその場に倒れて笑い疲れるまで、延々とそれを続けるのだった。

936: 2013/09/09(月) 00:56:33.95 ID:eqBkDIFc0
桐乃「ひひ……ちょ、ちょっと……ふひひ」

京介「大丈夫ですか~? 桐乃様~?」

桐乃「あ、あんたねえ……マジ、どんだけ舐めるの……」

京介「いやあ、折角桐乃様がくれたご褒美ですし~? 超嬉しかったんでぇ~?」

桐乃「ふ、ふひひ……。 あーヤバイ。 氏ぬかと思った」

京介「……で、満足したかよ?」

桐乃「全っ然! てか、あたしはまだ許すなんてひと言も言ってませんケドぉ」

937: 2013/09/09(月) 00:57:03.44 ID:eqBkDIFc0
……マジかよこいつ。 もうかなり酷い目に遭わされてるぞ、俺。

京介「つ、次はなんでしょう?」

桐乃「んー。 今考え中。 とりあえず、もう一回「わんわん」って言っておいて」

そんな投げやりに命令されてもな。

京介「……わんわん」

まあ言うけど。

938: 2013/09/09(月) 00:57:57.75 ID:eqBkDIFc0
桐乃「ふひ。 ちょっとそれマジ可愛い。 よしよし」

俺、桐乃に撫でられて大分幸せ。

桐乃「あんた撫でられるの嬉しいの? そんな顔してるケド」

京介「……兄妹だしな」

桐乃「あはは、それもそっか。 よっし、じゃあ京介、お風呂に行こう!」

京介「……えーっと、風呂?」

939: 2013/09/09(月) 00:58:38.80 ID:eqBkDIFc0
桐乃「一緒に入ろう!」

京介「……」

桐乃「入れ」

京介「……俺と桐乃、一緒に?」

桐乃「当たり前でしょ。 あたしの体洗って貰うから」

京介「……マジ?」

940: 2013/09/09(月) 00:59:37.17 ID:eqBkDIFc0
桐乃「マジマジ。 でも、それでヘンなこと考えたら罰ゲームね」

京介「おいおい、俺は桐乃の体を見て変なことを考えたことなんて、過去に一回も無いぞ」

桐乃「……どの口でゆうか! あたしを膝の上に乗せてるときとか、チョー考えてるっしょ、あんた」

ちらちらと俺の下腹部を見て言う桐乃。

……男って不利じゃね?

いや待て、それで行くと判断基準ってのはつまり。

941: 2013/09/09(月) 01:00:04.46 ID:eqBkDIFc0
京介「……俺が考えてるか考えてないかの判断基準って?」

桐乃「そんなの決まってるっしょ。 ね?」

京介「いや絶対無理だから! お前と一緒に入ってそうならなかったら病気だっての!!」

桐乃「うわ。 きもーい。 いっつもそんなこと考えてるとかぁ~?」

京介「くそ……で、罰ゲームってのは?」

桐乃「うーん。 あたしの犬状態継続プラス一日」

最悪の罰ゲームだ、それ。

942: 2013/09/09(月) 01:00:33.23 ID:eqBkDIFc0
京介「お、お前は女だから良いよなぁ? 頭の中では手錠されて押し倒してもらって無理矢理キスとか望んでるのによ!」

見たか! 言ってやったぜ。 ずっと言いたかった台詞。

桐乃「ふうん」

対する桐乃は小さく言い、横に座る俺の上へと乗る。

今度は背中では無く、膝の上へ。

桐乃「ねえ、京介。 あたしの本音はそうなの……だから、その……」

きゅ、急にそれは反則だぞ。 可愛いじゃねえか畜生。

943: 2013/09/09(月) 01:00:58.92 ID:eqBkDIFc0
桐乃「ひっ! きもっ! あんたもうヘンなこと考えてるじゃん!!」

京介「お前が変なことするからだろうが!! もう俺は泣きたくて仕方ねえよ……」

桐乃「男って惨め~。 ちょっとあたしが可愛くしただけでそれとか。 まぁ、ベツにいいケドね。 ってワケで明日もあたしのワンちゃんね」

いや、お前はいつでも可愛いぞ。

心の中でツッコミ。 言ったら余計に面倒なことになりそうな気がしたので。

944: 2013/09/09(月) 01:01:25.87 ID:eqBkDIFc0
つか……今更だが、これってもしかして無限ループに入ってるのではないだろうか。

桐乃「ほら、早く出発。 お風呂場にゴーゴー」

桐乃に頭をぺちぺちと叩かれ、俺は指示通りに歩くのだった。

そしてそれから散々コキ使われ、桐乃の飼い犬状態が解けたのはそれから一週間後のことだ。

945: 2013/09/09(月) 01:01:55.96 ID:eqBkDIFc0
京介「……人の秘密は探るべきじゃねえってのが良く分かったぜ」

桐乃「んー? なんか言った?」

京介「いえ、何でも無いです」

つい先日、桐乃から「今回はもう許してあげる。 良かったねワンちゃん」と言われ、飼い犬兼奴隷状態は終わったのだが、未だに桐乃が近づいてくると体がびくっと反応する。

……本当に色々やらされたからな。 一生分の恥ずかしさは味わった気がするぜ。 工口ゲーやり込んでいるだけはある。

その桐乃はというと、現在俺のパソコンを使用中。 俺が変なサイトなどを見ていないかチェックする為に。

946: 2013/09/09(月) 01:02:24.63 ID:eqBkDIFc0
あったら即、同じ目に遭わせると言われてるから俺もそんな馬鹿な真似はしないけどな。

桐乃「あ、京介。 あたしのブログさ、これからは普通に見ても良いよ」

京介「え? 良いのか?」

桐乃「うん。 もう一回見られちゃってるしね。 今丁度記事更新したとこだし、どーぞ」

そう言い、桐乃は少し横にずれる。

俺は桐乃に促されるままに横に座ると、その更新したと言う記事を見た。

947: 2013/09/09(月) 01:02:58.82 ID:eqBkDIFc0
4/27 今日も良い天気♪

昨日でワンちゃん最後。 ちょっと寂しい~www

折角良い奴隷だったのに、残念。 ワンちゃんの方も今日はちょっと残念そうな顔してた。 あたしのワンちゃんじゃなくなるのが寂しいのかもwwwキモいwww

でも、あれは兄貴が悪いよね。 ほんとに、人のブログ隠れてみるとかサイアク!

948: 2013/09/09(月) 01:03:27.98 ID:eqBkDIFc0
……まぁ、あたしの為にやってくれたのは嬉しかったよ。 ありがとね。

ひとつだけ言っておくと、そんなことはしなくても、兄貴がしてくれることならなんだって嬉しいってこと。 これが本当。

だから、あんま無理しないでね。 今は多分、一緒に見てると思うケド。

いつもありがと、兄貴。

面と向かっては言えないから、こういう形でごめんね。

949: 2013/09/09(月) 01:04:38.37 ID:eqBkDIFc0
京介「……桐乃」

横を見ると、恥ずかしそうに顔を逸らす桐乃。

ああくそ、やはりこいつは可愛いぜ。

桐乃「まだ、続きあるから」

そう言いながら、そっぽを向いたまま画面を指差す。

俺は小さく笑うと、記事をスクロール。

950: 2013/09/09(月) 01:05:04.23 ID:eqBkDIFc0
だから、またここに願い事とか書いちゃおうかな。

兄貴なら多分、叶えてくれると思うから。

あたしのお願い、聞いてくれると嬉しい。

あのね、あたし。

951: 2013/09/09(月) 01:05:30.65 ID:eqBkDIFc0
やっぱりまだワンちゃん欲しいから、明日からも宜しく♪

ねえねえ、もしかして可愛らしいお願いとか書いてあると思った?www

無いからwwwwwあたしがして欲しいのはwwwww兄貴に「わんわん」って言ってもらうことだからwwww

よろしくwww兄貴wwwww

952: 2013/09/09(月) 01:06:03.48 ID:eqBkDIFc0
京介「て、てめえ……」

桐乃「ぷ。 なにその顔。 チョーウケるんですケド」

京介「誰が聞くか! 俺はもう絶対あんな真似はしないからなぁ!」

桐乃「ベツに良いよ。 それじゃあ仕方ないかぁ……」

なんだ、やけにあっさり引くんだな……。

桐乃「んー。 最初は黒いのでいっか」

京介「……何が?」

953: 2013/09/09(月) 01:06:48.87 ID:eqBkDIFc0
桐乃「え? あんたがあたしの足舐めてる動画送るの」

京介「やめろ! やめて! やめてください!!」

桐乃「えぇ~? でもぉ、兄貴あたしのお願い聞いてくれないし~?」

こんのクソ妹め……。 その携帯ぶち壊してやろうか!?

と、そんな風に俺がどうした物かと悩んでいるとき、パソコンから聞きなれた音が。

京介「……黒猫から、チャット招待?」

桐乃「参加すれば? あたしも見るから」

そう言われ、承諾。

954: 2013/09/09(月) 01:07:59.78 ID:eqBkDIFc0
†千葉の堕天聖黒猫† さんの発言:あら、ワンちゃん。

京介@妹大好き さんの発言:やめてくれ。 頼むからやめてくれ。

†千葉の堕天聖黒猫† さんの発言:……ええっと、それならば何と呼べば良いかしら。

京介@妹大好き さんの発言:ん? 何が? いきなりどうしたよ。 普通に呼んでくれれば俺は何も文句は無いが。

†千葉の堕天聖黒猫† さんの発言:いえ。 あなたのことをこれから何と呼べば良いのか悩んでいたの。

955: 2013/09/09(月) 01:08:28.85 ID:eqBkDIFc0
京介@妹大好き さんの発言:んなもん、別に何だって良いぞ。 って言ってもさっきのはごめんだけどな。 つうか、それを聞く為にチャットしたのか?

†千葉の堕天聖黒猫† さんの発言:分かったわ。 仕方ないわね……ではこれから、あなたのことは妹の足が大好きな変O男と呼ばせてもらうわ。

京介「おい桐乃てめえ!!!」

桐乃「あははははは! ざまあ! 妹の足大好きとかキッモ!!」

こ、こいつマジひでえ……本当に送りやがった。

956: 2013/09/09(月) 01:09:06.42 ID:eqBkDIFc0
京介@妹大好き さんの発言:頼む。 頼むからそれは記憶から消してくれ。 それは黒猫の言う別世界であった出来事なんだ、だから俺は関係ない。

†千葉の堕天聖黒猫† さんの発言:そう……。 分かったわ。 わたしの記憶からは消しておいてあげる。 でも、あまり変なことはしないようにね。

優しいなあ! 黒猫さんマジ優しい! どっかの兄を奴隷扱いする妹様とは天と地の差だぜ!

京介「だってよ、桐乃。 へへへ、悪いな。 俺はどうやらお前のワンちゃんにはなれねーわ。 はははは! あーあ、お前の飼い犬超楽しかったのになぁ! 残念残念!」

桐乃「……なってくれないの?」

京介「ならねーよ! もう弱味なんて無い様な物だしな。 お前が俺のワンちゃんになってくれるって言うなら、考えてやってもいいけどな~。 ふひ」

957: 2013/09/09(月) 01:09:35.46 ID:eqBkDIFc0
桐乃「あ、チャット来てるよ。 黒いのから」

なんだ、話の腰を折るんじゃねえっての。

ええっと、何々。

†千葉の堕天聖黒猫† さんの発言:もし、万が一にでも……いえ、ありえない話ね。 ごめんなさい。

京介@妹大好き さんの発言:なんだよ? 途中で止められると気になっちまうんだけど。

†千葉の堕天聖黒猫† さんの発言:いえ、ただのマッサージに飽き足らず、足でも舐めたら付き合い方を改めないといけないから。 ありえないわよね、忘れて頂戴。

958: 2013/09/09(月) 01:10:03.61 ID:eqBkDIFc0
京介「……えっと、桐乃」

桐乃「んー?」

京介「お前が送ったのって、あれか」

桐乃「あれって、京介があたしの足マッサージしてる奴だケド?」

京介「……舐めてる奴は?」

桐乃「あ、忘れない内に送っとかないと。 ふひひ、ありがとね~」

959: 2013/09/09(月) 01:10:33.62 ID:eqBkDIFc0
京介「待った! 待って! ストップ!」

桐乃「なに? もしかしてぇ、あたしのワンちゃんになりたいとか? ふひひ」

京介「……お願いします」

こんな感じで、俺の飼い犬兼奴隷生活はもう少しだけ続くこととなった。

いやむしろ、終わりが見えない時点で恐ろしいことこの上無い。

960: 2013/09/09(月) 01:11:28.28 ID:eqBkDIFc0
……いつか絶対復讐してやると心の奥底で強く誓い、俺は今日も桐乃に媚を売る。

桐乃「はい、じゃあ言ってみ?」

京介「わんわん」

桐乃「ふひひ~。 可愛い! よしよし」

こんなことをされながら、なんだか工口ゲーのバッドエンドみたいだなと思う俺なのであった。


妹の仕返し 終

961: 2013/09/09(月) 01:13:39.39 ID:eqBkDIFc0
以上で本日の投下終わりです。
乙、感想ありがとうございます。

ちなみにきりりんさんの仕返し1.7倍返しとなっております(テキスト量)




引用: 桐乃「行ってきます」