210:不治の病 2006/08/16(水) 00:54:13.53 ID:88d7ZHxd0
1
暑い。気温が30度を超えている真夏日。俺は1人部室でへばっていた。
それにしてもハルヒ以外急用とはな。朝比奈さんを見て少しでも安らぎを得たかったのだが。
「遅れてゴッメーン!…って、あら?キョンだけ?」
「見りゃ分かるだろうよ。他の3人は用事があるらしい」
3人も欠席じゃやることもないだろう。さっさと帰って涼みたいぜ。
「ふーん。じゃあしょうがないわね」
そういって机に座りパソコンをいじりだすハルヒ。
「ちょっと待て、今日はなにも出来んだろう?なら解散でもいいんじゃないか?」
「なによ?あんたは全員揃ってないと何も出来ないわけ?」
「そういうわけじゃないが…」
「だったら掃除でもなんでもしてなさい!」
ったく、何だって言うんだよ。
俺はあまりの暑さとハルヒの理不尽さに頭にきて、わけの分からない嘘をついてしまった。
暑い。気温が30度を超えている真夏日。俺は1人部室でへばっていた。
それにしてもハルヒ以外急用とはな。朝比奈さんを見て少しでも安らぎを得たかったのだが。
「遅れてゴッメーン!…って、あら?キョンだけ?」
「見りゃ分かるだろうよ。他の3人は用事があるらしい」
3人も欠席じゃやることもないだろう。さっさと帰って涼みたいぜ。
「ふーん。じゃあしょうがないわね」
そういって机に座りパソコンをいじりだすハルヒ。
「ちょっと待て、今日はなにも出来んだろう?なら解散でもいいんじゃないか?」
「なによ?あんたは全員揃ってないと何も出来ないわけ?」
「そういうわけじゃないが…」
「だったら掃除でもなんでもしてなさい!」
ったく、何だって言うんだよ。
俺はあまりの暑さとハルヒの理不尽さに頭にきて、わけの分からない嘘をついてしまった。
212: 2006/08/16(水) 01:04:07.42 ID:88d7ZHxd0
2
「………ハルヒ」
「なによ?」
「実は俺………病気なんだ」
「…え?」
「………」
「な、なに言ってるのよ!嘘をつくならもっとマシな嘘をつきなさいよ!」
「……………」
俺は悲しそうな顔を作り、ずっと黙っていた。
ハルヒは驚きと悲しみを足して2倍にしたような顔で俺を見ている。
どうやら信じているようだ。あともう一息でドッキリ成功だ。
「び、病気って……ひどいの?」
「………あぁ。今の医学じゃ治らないらしい」
うむ。我ながら迫真の演技だな。さて、そろそろ病名を言ってだな──
「………うぅ…グスッ……ふえぇぇ…キョン、嫌よ…そんなのぉ、キョン…」
ハルヒはポロポロと涙を流し俺に抱きついてきた。
「………ハルヒ」
「なによ?」
「実は俺………病気なんだ」
「…え?」
「………」
「な、なに言ってるのよ!嘘をつくならもっとマシな嘘をつきなさいよ!」
「……………」
俺は悲しそうな顔を作り、ずっと黙っていた。
ハルヒは驚きと悲しみを足して2倍にしたような顔で俺を見ている。
どうやら信じているようだ。あともう一息でドッキリ成功だ。
「び、病気って……ひどいの?」
「………あぁ。今の医学じゃ治らないらしい」
うむ。我ながら迫真の演技だな。さて、そろそろ病名を言ってだな──
「………うぅ…グスッ……ふえぇぇ…キョン、嫌よ…そんなのぉ、キョン…」
ハルヒはポロポロと涙を流し俺に抱きついてきた。
213: 2006/08/16(水) 01:09:54.06 ID:88d7ZHxd0
3
あ~、これは想定の範囲外だ。なんかネタばらし出来ない空気だな。
「…なんて病気なの?」
へ?
「…病気なんか…あたしが何とかしてあげる。…あたしがキョンを助けるんだから!」
どうする?いや、後が恐ろしいがこれ以上騙すのも危険だ。
俺は用意していた病名を告白した。
「………可愛い女の子にキスされないと氏んじゃう病だ」
そんな病気があるわけは無い。しかし俺は氏んでしまうかもしれんな。
「………そんな…病気があるの?」
は?
ハルヒの目は真剣そのものだ。
「………あたしなら平気よね?」
ハルヒは小さい声でつぶやいた。何が平気なんだ?
「………キョン、あたしが助けてあげるからね」
ハルヒはそう言って俺にキスをした。
あ~、これは想定の範囲外だ。なんかネタばらし出来ない空気だな。
「…なんて病気なの?」
へ?
「…病気なんか…あたしが何とかしてあげる。…あたしがキョンを助けるんだから!」
どうする?いや、後が恐ろしいがこれ以上騙すのも危険だ。
俺は用意していた病名を告白した。
「………可愛い女の子にキスされないと氏んじゃう病だ」
そんな病気があるわけは無い。しかし俺は氏んでしまうかもしれんな。
「………そんな…病気があるの?」
は?
ハルヒの目は真剣そのものだ。
「………あたしなら平気よね?」
ハルヒは小さい声でつぶやいた。何が平気なんだ?
「………キョン、あたしが助けてあげるからね」
ハルヒはそう言って俺にキスをした。
217: 2006/08/16(水) 01:13:35.33 ID:88d7ZHxd0
4
「ハルヒ………」
「………治った?」
俺はとんでもないことをしたんじゃないか?
今ネタばらしをすれば確実に殺されるだろう。
しかしいつまでも嘘を突き通せるもんじゃない。
グッバイ、俺の人生。
「…嘘なんだ」
「…え?」
「…その、病気とか全部嘘だったんだ。スマン」
「………な、ななな」
「こらぁ~!!キョンっ!!!!」
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
「うっ!」
突然ハルヒが胸を押さえて倒れてしまった。
「ハルヒ………」
「………治った?」
俺はとんでもないことをしたんじゃないか?
今ネタばらしをすれば確実に殺されるだろう。
しかしいつまでも嘘を突き通せるもんじゃない。
グッバイ、俺の人生。
「…嘘なんだ」
「…え?」
「…その、病気とか全部嘘だったんだ。スマン」
「………な、ななな」
「こらぁ~!!キョンっ!!!!」
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
「うっ!」
突然ハルヒが胸を押さえて倒れてしまった。
223: 2006/08/16(水) 01:20:00.99 ID:88d7ZHxd0
5
「ハルヒ!どうした!?」
俺は急いでハルヒの元へ駆け寄った。
ぐったりしているハルヒを抱き起こす。
呼吸は乱れとても苦しそうだ。
「待ってろ!今救急車を──」
ハルヒは俺のネクタイを掴み、救急車を呼びにいこうとした俺を止めた。
「ハルヒ?」
「はぁ、はぁっ、キョ、キョン。救急車は呼ばなくて…いいわ」
「バカ!そんなわけにいくかよ!」
「………いいから聞いて」
「………あぁ」
「あたしが氏んだら…はぁ、はぁ…団長は…あんたがやりなさい」
「な、なに氏ぬとか言ってるんだよ!?」
「あ、あたしね……みんなには黙ってたけど……持病が…あるの」
「ハルヒ!どうした!?」
俺は急いでハルヒの元へ駆け寄った。
ぐったりしているハルヒを抱き起こす。
呼吸は乱れとても苦しそうだ。
「待ってろ!今救急車を──」
ハルヒは俺のネクタイを掴み、救急車を呼びにいこうとした俺を止めた。
「ハルヒ?」
「はぁ、はぁっ、キョ、キョン。救急車は呼ばなくて…いいわ」
「バカ!そんなわけにいくかよ!」
「………いいから聞いて」
「………あぁ」
「あたしが氏んだら…はぁ、はぁ…団長は…あんたがやりなさい」
「な、なに氏ぬとか言ってるんだよ!?」
「あ、あたしね……みんなには黙ってたけど……持病が…あるの」
229: 2006/08/16(水) 01:26:22.32 ID:88d7ZHxd0
「………嘘…だろ?」
「だからね、あんたがさっき病気だって言ったとき、他人事だとは思えなくて」
「ハルヒ……」
「で、でも…氏ぬ前に…いい思い出が出来たわ。
あたしの…ファーストキス…なんだからね」
「俺…最低だな。あんなくだらない嘘ついちまって…」
「…あたしは…キョンとキスできて…幸せ」
ハ…ルヒ
「…今まで…迷惑かけてゴメンネ。あたし…キョンに会えて幸せよ」
「……ハルヒっ!俺も…お前に会えて幸せだった」
「…最期に…聞いて」
「…なんだ?」
「あたしの病名は……好きな人にキスされないと氏んじゃう病なの」
おしまい。
236: 2006/08/16(水) 01:29:06.53 ID:88d7ZHxd0
長編書いてるとくだらない短編を書きたくなってくるっさ~
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