243: 俺の、世界の中心は、お前だ 2006/08/19(土) 11:54:46.37 ID:iurzO9Ri0
俺は、ハルヒのために十二月十七日のオーストラリア行きの航空券を手に入れ、ハルヒと二人で列車に乗り、空港に向かっている。
そこで、俺は病院から出てくるハルヒを待っている間に買ったデコレーションケーキを差し出し、蝋燭に火をつけた。
「誕生日おめでとう」
「ありがとう」
「じゃあ、火を消して」
ハルヒはゆっくりと唇を火元に近づけ、ついこないだまでのハルヒとは思えないような弱弱しい息で蝋燭の火を消した。
俺は、ハルヒにプラスチックのスプーンを渡し、俺もその隣で食べることにした。
「でもへんだよな」
「何が?」
「十二月十七日を春っていうのは、ちょっと無理があるんじゃなか?1月ならまだ新春とかいうから分かるけどさ。」
「キョン、あたしの名前のハルって季節の春だと思ってたの?」
えっ?違うのか?
「それじゃあ、ずっと間違ってたんだ」
間違い?
「あたしのハルは『ある晴れた日』の晴れという字を書くの。あたしが生まれたときがちょうど晴れで、これからも顔が曇らないような、

そんな子になって。ほしいって、そういう願いを込めてつけた名前なのよ。学校の名簿とか見たでしょう」
見たことはあるが、あの時はハルヒはいなかったからな。それに、お前、いつも名前書くときカタカナで書いてただろ。
「でもいいわ、キョンとあたしのあいだだけの名前ね。なんだか別人みたいな気がするけど。」

244: 2006/08/19(土) 11:55:43.81 ID:iurzO9Ri0
列車は途中の駅で止まりながら、空港のある街を目指して走り続けた。
ふと、ハルヒの方向を見てみる。
ハルヒのケーキは少し口をつけただけで残っていた・・・本当に、ハルヒは変わってしまったらしい。
いつのまにか空港に着いていた。
まだ一緒に列車に揺られていたかったきがする。でも、早くオーストラリアに行かなければいけない気がする。
俺は、そんなことを考えながら、ハルヒの手を握り、航空会社のカウンターに向かって歩きはじめた。
ハルヒの手は腫れて、紫色の斑点が浮かんでいる。
そのとき、後ろで物音がした。振り返ると、ハルヒがソファの下に倒れていた。
「ハルヒ!」
呼びかけても返事がない。
「助けてください。お願いです、助けてください」
俺は無我夢中で回りにいる人に叫んだ。
もう助かることはない。心のどこかでそう悟っていたというのに・・・
俺はいつかのモノクロ世界のようにハルヒのその冷たくなりかけている唇に唇を重ねた。
目を開けても、世界は変わっていなかった。

---fin---

246: 2006/08/19(土) 11:57:36.80 ID:iurzO9Ri0
思いつきで書いた。
パクリと言われて叩かれそうだ・・・
しかも、何か見直したら変なところに句点が・・・

引用: ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」