17: 2012/11/26(月) 22:46:08.03 ID:RHtECMBUo
【なぎほの】

ピピピッ ピピピッ

なぎさ「んん……」

なぎさ(もう朝か……早く起きて学校行かないと……)

なぎさ(でも眠いなぁ……あと30分だけ……)

???「なぎさ、起きて。もう時間よ」

なぎさ「分かってるわよお母さん……あとちょっと」

???「なぎさってば何言ってるの。私はお母さんじゃないでしょ」

なぎさ「はぁ……?」

ほのか「ほら、起きて。遅刻しちゃうわよ?」

18: 2012/11/26(月) 22:47:59.06 ID:RHtECMBUo
なぎさ「あれ……ほのか……」

ほのか「おはよう、なぎさ」

なぎさ「お、おはよう……ってなんでここに!?」

ほのか「何でって、まだ寝ぼけてるの?」

なぎさ「だってここあたしの部屋でしょ!? なのにどうしてこんな朝からほのかが!」

ほのか「あたしの部屋じゃなくて、私たちの部屋でしょ?」

なぎさ「なっ…え…?」

ほのか「もう、しっかりしてよ。コーヒーでも飲んで目を覚ましなさい」

なぎさ「あの、ほのか……」

ほのか「さ、早くベッドから出て。なぎさ」

なぎさ(なにこれ…どうなってるの? なんであたしの部屋にほのかが……)

19: 2012/11/26(月) 22:48:48.60 ID:RHtECMBUo
ほのか「はい、ご飯はもうできてるわよ」

なぎさ「……」

ほのか「どうしたのなぎさ、食べないの? せっかくなぎさのために朝からたくさん作ったのに」

なぎさ「あ、あの~…ほのか」

ほのか「なに?」

なぎさ「どうしてほのかが朝からあたしの部屋にいて、あたしを起こして、朝ごはんまで作ってるの…かな?」

ほのか「どうして何も、いつものことじゃない」

なぎさ「へ?」

ほのか「だって私たちは結婚してるんだから、奥さんの私が家事をしたりするのは当然のことでしょ?」

なぎさ「けっ…けけけ結婚!?」

20: 2012/11/26(月) 22:49:53.90 ID:RHtECMBUo
ほのか「そうよ、結婚したでしょ?」

なぎさ「あっ……えと……ええ!!?」

なぎさ「いつ?! ていうかあたし達まだ中学生でしょ!! なのに結婚って…」

なぎさ「そもそもあたし達女の子同士だし!!」

ほのか「???」

なぎさ「いや、そんなわけが分からないって顔されても! あたしの方が分わかんないし!!」

ほのか「ご飯食べないの? 冷めちゃうわよ」

なぎさ「あ…た、食べるけど」モグモグ

ほのか「どう? 美味しい?」

なぎさ「う、うん…美味しい」

ほのか「よかった。作ったかいがあったわ」

なぎさ(美味しいけど……この状況はやっぱりおかしいって)

なぎさ(あたしとほのかが結婚なんてありえな~い!!)

21: 2012/11/26(月) 22:50:38.52 ID:RHtECMBUo
・・・・・学校

莉奈「おはよう、なぎさ」

志穂「おっはよー!」

なぎさ「お、おはよう…」

莉奈「ほのかもおはよう」

ほのか「おはよう」

なぎさ「あ、あれ…今なんて?」

莉奈「え? おはようって挨拶しただけじゃない」

なぎさ「今ほのかのこと下の名前で…いつもは雪城さんって呼んでるのに」

莉奈「はぁ? なに言ってるのなぎさ」

志穂「そうそうそう、ほのかはもうなぎさと結婚したんだから苗字が美墨になったでしょ。それなのに雪城さんって呼ぶのはおかしいじゃん」



22: 2012/11/26(月) 22:51:22.40 ID:RHtECMBUo
なぎさ「え、えぇ~……」

莉奈「それにしても二人は相変わらずラブラブね。今日も朝は一緒に登校?」

志穂「お熱いですね~」

ほのか「うふふ」

莉奈「邪魔しちゃ悪いから、わたし達はこれで退散しますか」

志穂「だね。じゃ、お二人ともごゆっくり~」

なぎさ「あっ、ちょっと莉奈! 志穂!」

なぎさ(どうなってるのよ…なんかあたしとほのかの関係が公認みたいになってるし)

ほのか「な・ぎ・さ」

なぎさ「!!」

ほのか「今日は部活だっけ? 私、終わるまで待ってるわね」

ほのか「帰りも一緒よ」

なぎさ「う、うん……」

23: 2012/11/26(月) 22:52:16.05 ID:RHtECMBUo
放課後、ラクロス部

志穂「ねーねーねー、なぎさなぎさなぎさ!」

なぎさ「な、なに?」

志穂「結婚生活って楽しい?」

なぎさ「ブッ!?」

莉奈「あっ、わたしも知りたい。結婚生活ってどんな感じなの?」

なぎさ「ど、どんな感じって…あの…」

莉奈「朝はやっぱりほのかに起こしてもらってる?」

志穂「それでそれでそれで、ほのかが作った朝ごはんを一緒に食べて」

なぎさ「まぁ…確かにそうだったけど」

莉奈「キャー! やっぱりー!」

志穂「あーんとかしてもらってるの? 朝からあーんとかしてもらってるの!?」

24: 2012/11/26(月) 22:52:45.85 ID:RHtECMBUo

なぎさ「し、してないって!」

莉奈「えーしてないのー?」

志穂「がっかりー」

なぎさ「なんで二人ががっかりしてるのよ……」

莉奈「それで、二人でいる時はいつも何してるの?」

志穂「チューとかしてる?」

なぎさ「チュ、チュウって……キス!? ほのかと!?」

志穂「そうに決まってるでしょ。結婚してるんだから」

莉奈「いや待って、結婚してるんだからキス以上のこともしてるわよね……」

志穂「えっ、それはまさかまさかまさか!」

莉奈「当然夜は同じベッドの中で……」

志穂「キャーキャーキャー!!」

なぎさ「ちょ、ちょっと! なに勝手に話し進めてるのよ!!」

25: 2012/11/26(月) 22:53:29.46 ID:RHtECMBUo
莉奈「えっ、してないの? 夫婦でしょ?」

なぎさ「え…そ、その…」

志穂「もぉ~、今さら恥ずかしがらなくてもいいんだって。二人がラブラブなのは周知の事実なんだから」

なぎさ「う…うるさーい! 今は部活中なんだから部活に集中しなさい!!」

志穂「わ、なぎさが怒った」

莉奈「しょうがない、部活に戻ろっか志穂」

志穂「だね」

なぎさ「ったくもう……」

なぎさ(なんでこんな事になってるのよ……あたしとほのかが夫婦なんて)

なぎさ(あたしがほのかとキスやあんなことやそんなことするわけ……)

なぎさ「……うぅ」

なぎさ(と、とにかく何かが間違ってる……分かったわ、これはきっとドツクゾーンの仕業ね!)

なぎさ(きっとそうよ、そうに違いない! あいつらが何かして、それでほのかやみんながおかしくなったのよ……たぶん)


26: 2012/11/26(月) 22:54:11.28 ID:RHtECMBUo
部活終了

ほのか「なーぎさっ」

なぎさ「ほのか…」

ほのか「部活終わった? 一緒に帰りましょ」

なぎさ「あ、あのねほのか……」

ほのか「なに?」

なぎさ「これはドツクゾーンの罠なのよ!」

ほのか「え?」

なぎさ「あいつらがきっと何かしたんだわ! だって今日はほのかやみんながおかしいもん!」

なぎさ「あたし達が結婚なんてしてるわけないし、あいつらが何か企んで……」

ほのか「なぎさ……今日のなぎさは変よ」

ほのか「もしかして私のこと……嫌いになっちゃった?」

なぎさ「へ…?」

27: 2012/11/26(月) 22:55:05.73 ID:RHtECMBUo
ほのか「だって今日のなぎさはよそよそしいし、私達が結婚してないだなんて言い出すし……」

ほのか「私にもう愛想がついた? 別れたいの?」

なぎさ「ち、違うって、ほのかのことを嫌いになるわけないじゃん! そうじゃなくて…」

ほのか「じゃあどうしてそんなことを言うのよ!! 私はなぎさのことを愛してるのに……」

なぎさ「あ、愛!?」

ほのか「なぎさは、私のことを愛してないの…?」

なぎさ「えっ、えっと……」

ほのか「……やっぱり嫌いなのね」

なぎさ「そ、そんなことないって!」

ほのか「じゃあ一言でいいから言って、『愛してる』って」

なぎさ「それは……」

ほのか「お願いなぎさ……」ギュッ

なぎさ(し、仕方ない……ほのかを落ち着かせるためにも……)

なぎさ「ゴクリ……あ、愛してる」



28: 2012/11/26(月) 22:55:50.37 ID:RHtECMBUo
ほのか「聞こえない」

なぎさ「あ…愛してる」

ほのか「もっと大きな声で、言って」

なぎさ「愛してる…」

ほのか「誰を?」

なぎさ「ほのかのことを、愛してる!!」

ほのか「私も愛してるわなぎさ!!」

ギュッ

なぎさ「きゃっ!?」

ほのか「ねえ、なぎさ……キスしましょ?」

なぎさ「ええ!?」

ほのか「いいでしょ? 愛し合ってるんだから」

なぎさ「だ、だからってこんな道端で……」

ほのか「お願い、なぎさ」

29: 2012/11/26(月) 22:56:25.00 ID:RHtECMBUo
なぎさ「うぅ…わ、分かったわよ!」

ほのか「じゃあ……目を閉じて」

なぎさ「うう……」

ほのか「……ん」

チュッ

なぎさ「んん……ちゅっ……」

ほのか「ぷはぁ……ふふっ」

なぎさ(ああ…キスしちゃった)

なぎさ(ほのかとキスしちゃった……お、女同士で……)

ほのか「なぎさ」

なぎさ「は、はい!!」

ほのか「家に帰ったら……しよっか?」

30: 2012/11/26(月) 22:57:01.01 ID:RHtECMBUo
なぎさ「しよかって……な、なにを?」

ほのか「もう、決まってるでしょ」

ほのか「それとも……ここでしちゃう?」

なぎさ「えっ、ほ、ほのか…あの…」

ほのか「ううふ、大丈夫よなぎさ。力を抜いて」

なぎさ「ほ、ほのか待って! こころの準備が!!」

ほのか「楽しみましょうね、なぎさ」

なぎさ「あ……あぁーん!!」

――――――――――――――――――

――――――――――――

――――――






なぎさ「はっ!?」バサッ

ほのか「あ…起きちゃった」

なぎさ「ほのか!? こ、ここは……?」

ほのか「おはようなぎさ。なぎさってば、試験勉強の途中で寝るなんてダメじゃない」

31: 2012/11/26(月) 22:58:09.66 ID:RHtECMBUo
なぎさ「へ……?」

ほのか「なぎさが勉強を教えて欲しいって言うから、今日はなぎさの家で勉強しようってことになったのに…」

ほのか「こんな調子じゃ試験に間に合わないわよ?」

なぎさ「寝てたってことは……今までのは全部夢だったの?」

ほのか「夢? なにか夢でも見てたの?」

なぎさ「あ…ううん! な、なんでもない!!」

なぎさ(言えないよ……あたしが夢の中でほのかとキスしたなんて……)

ほのか「変ななぎさ。さ、勉強の続きしましょ」

なぎさ「う、うん」

なぎさ(夢でよかったけど……まだドキドキしてる。夢っていっても、あの時のキスの感覚……本物みたいだった)

なぎさ(もしあの夢が本当だったら……って、なに考えてるのよあたしってば!!)

なぎさ(うぅ……これじゃあほのかの顔を直視できないわよ)チラッ

ほのか「なに?」

なぎさ「な、何でもない!! あはは」

なぎさ「さ、勉強勉強! 試験に向けてがんばらなきゃ!」

ほのか「うふふ」


おわり

引用: 安価で指定されたカプで短編プリキュア百合SSを書く