400: 2013/08/09(金) 22:22:21.37 ID:L035b+kso
【響×和音】

和音「響、今日の先発任せたよ!」

響「オッケー任せて……って、あれ?」

和音「どうしたの?」

響「まずった……グローブ忘れたかも」

和音「ええっ!?」

響「おっかしーなぁ……ちゃんとバッグに入れたはずなんだけどなぁ。あーん失敗した!!」

和音「大丈夫、響! あたし予備のグローブ持ってるからそれ貸してあげる」

響「ほんと!? ありがと~和音」

和音「響が困ってるならあたしは何だってしてあげるよ。ちょっと待ってて、今持ってくるから」

響「いやぁ~、悪いね和音」



奏「響~!!」
第11話 力を一つに!ミラクルヒーリング!
401: 2013/08/09(金) 22:22:53.07 ID:L035b+kso
響「あっ、奏。どうしたの?」

奏「どうしたのじゃないでしょ。響がグローブ忘れたから届けに来てあげたんじゃない」

響「えっ、マジ? 助かった~! ……でもなんで奏が?」

奏「ハミィから連絡があったの。今日はどうせ応援に来るつもりだったしね。これないと困るでしょ?」

響「そっか、ありがとう奏」

奏「まったく響ってば、こんな大切なもの忘れるなんて」

響「よーしっ、マイグローブも手に入れたしやる気出てきた!」

奏「頑張ってね」

響「うん!」

和音「響、お待た……あれ?」

響「ああ、和音。グローブは奏が持ってきたからもう大丈夫だよ」

和音「そっか、よかった」

響「試合がんばろうね!」

和音「……うんっ!」

402: 2013/08/09(金) 22:23:22.07 ID:L035b+kso
・・・・・・

響「やったー! 大勝大勝!」

和音「お疲れ響、さすがだね」

響「野球の助っ人なんて久しぶりだからどうなるかと思ったけど、なんとかなってよかった」

和音「それにしても、やっぱり響とスポーツするのは楽しいな」

響「うん?」

和音「だって最近、なかなか助っ人に来なかったから」

響「あー、ピアノの練習始めてるからね。時間がなくって。けど気晴らしに身体動かすのって最高だね」

奏「響ー!」

響「あ、奏。どうしたの?」

奏「手、怪我してない?」

響「え? ああ……さっきボールが当たっちゃって。でもこれぐらい大したことないよ」

奏「ダメでしょ、ピアニストは手が命なんだから。何かあったらどうするの」

響「分かってる分かってるって」

403: 2013/08/09(金) 22:23:47.82 ID:L035b+kso
和音「響……大丈夫?」

響「平気だよこれぐらい、和音が心配することじゃないって」

奏「あとでちゃんと手入れしておくのよ?」

響「もー、奏はうるさいなー」

和音「……」

響「あっ、そうだ。ねえ和音、これからラッキースプーンに行くんだけど一緒に行かない?」

和音「え?」

奏「新作のカップケーキがあるの。西島さんもよかったらどう?」

和音「あたしは……この後トレーニングするか遠慮しとく。ごめんね」

響「えへぇ~、これからまだトレーニングするんだ。すごいね、和音」

和音「そんなことないよ。じゃあ…また明日ね、響」

響「うんっ、また明日」

404: 2013/08/09(金) 22:24:26.66 ID:L035b+kso
・・・・・

和音「はぁ……はぁ……」

和音(どれぐらい走ったんだろう……もう外が真っ暗。ここどこだっけ)

和音「……はぁ」

和音「このままずっと走り続けることができたらいいのに。走ってる時は変なこと考えなくてもすむし……」

和音「……」

和音(なんか最近、響が遠い存在に感じちゃうな……どうしてだろう)

和音(前まではそんなことなかったのに……)

和音「はぁ……もう疲れて走れないや」

405: 2013/08/09(金) 22:25:00.95 ID:L035b+kso
和音「……」

和音(響の隣には、もうずっと南野さんがいる。当然だよね、幼馴染なんだし)

和音(あたしは……もうあまりチャンスはないのかな。響と一緒にいられる時間……)

和音(もっと響と一緒にいたいな……)

和音「……なんちゃって」

和音「帰ろ……歩いてどれだけかかるか分からないけど」

和音「……」

和音「……はぁ、やっぱ走ろ。無理してでも……」

406: 2013/08/09(金) 22:25:35.07 ID:L035b+kso
・・・・・数日後

和音「おはよう!」

「おはよう、西島さん!」
「おはよう」

和音「……」

和音(ダメだなぁ……まだ響のこと考えてる。頭から全然離れない)

和音(どうしちゃったのかな……あたし)

和音(……最近、響の指笛鳴らないなぁ)

「西島さん、今度のバスケの助っ人頼める?」

和音「え? ああ……うん」

「よかった、西島さんが来てくれたら百人力だよ」

和音「……あっ、そうだ。ねえ、響は来るの?」

「北条さん? その日はピアノの練習とかで来れないんだって」

和音「そうなんだ……そっか、分かった」

407: 2013/08/09(金) 22:26:01.73 ID:L035b+kso
和音(まぁそうだよね……ピアノの練習で忙しいとか言ってたし。昨日みたいに一緒にスポーツできるのって当分ないのかな)

和音(そのせいか、最近響と話す時間もめっきり減っちゃった気がするし……)

和音(しょうがないことだけど……つまんないなぁ)

和音「……」

和音(でも、響は今の方が幸せなのかな。そりゃお父さんもお母さんも有名な音楽家だし、響もそうなりたいよね)

和音(響が幸せなら……あたしはそれでいいかな。他になにも……)

和音「……!」




響「それでさー」

奏「まったく、響ってば」




和音「……」

和音(幸せなんだよね……今の方が)

和音(きっと……)

408: 2013/08/09(金) 22:26:32.00 ID:L035b+kso
・・・・・

ダムッダムッ

和音「はぁ、はぁ」

「西島さん! パスパス!!」

ピピーッ!

和音「はぁ……はぁ……」

「あー……負けちゃった」

和音「ご、ごめん……」

「ううん、気にしないで。しょうがないよ。でも西島さん今日は調子悪かったけど、大丈夫?」

和音「あはは……大丈夫だよ、大丈夫」

和音(おかしいな……今日は全然身体が思うように動かない。体調は悪くないはずなのに)

和音(どうしちゃったんだろう……)

409: 2013/08/09(金) 22:27:00.13 ID:L035b+kso
・・・・・

和音「はぁ……」

「西島さん、さようならー」

和音「う、うん。さよなら!」

和音(結局今日は一本もシュートが入らなかった……今までこんなことは一度もなかったのに)

和音(下手になっちゃったのかなぁ……あたし)

~♪

和音「……?」

和音(ピアノの音……調辺の館からだ。誰が弾いてるんだろう)





響「……」

410: 2013/08/09(金) 22:27:30.03 ID:L035b+kso
和音「!!」

和音(あ…響!)

和音(こんなところで一人で練習して……)

和音「……」

和音(そっか……響がんばってるんだよね。なのにあたしってば、最近響が一緒に助っ人やってくれないからって……)

和音(響は響でがんばってるんだもん、あたしも応援しなきゃ。そうだ、何か差し入れできるものがあったら……)






奏「響、お疲れ」

響「あっ、奏!」

奏「差し入れ、カップケーキ持ってきたわよ」

響「ほんと!? さっすが奏!」

411: 2013/08/09(金) 22:27:55.38 ID:L035b+kso
和音「っ……」

和音(また……)

和音「……」

和音(いたんだ……南野さん……)

和音(そっか……じゃあ、あたしはいいよね)

和音「……」

和音(……帰ろ)

412: 2013/08/09(金) 22:28:28.75 ID:L035b+kso
・・・・・数日後

キーンコーンカーンコーン

「北条さん、部活の助っ人頼みたいんだけど……」

響「え? あーごめん、今日もピアノの練習なの」

「そっか、それじゃあしょうがないね」

響「和音に頼んだら?」

「それが西島さんね……最近調子悪いみたいで、他の部活の試合とかでも全然活躍できてないみたいなの」

響「えっ、和音が!?」

「どうしちゃったんだろうね。スランプってやつかな」

響「あの和音が……ねえ。信じられない」

「まぁいいや、今度暇なときに助っ人お願いね」

響「う、うん」

響(和音……何かあったのかな)

響「……あ、ねえ。和音今どこにいるか知ってる?」

413: 2013/08/09(金) 22:28:56.81 ID:L035b+kso
……体育館

ダムダムッ

和音「はぁ、はぁ」

シュッ

和音「……はぁ、やっぱり入らない。スランプってやつかな、これ」

和音「もう一本……」

響「和音ー!」

和音「!!」

響「バスケの練習してるって聞いたからここに来たんだ。最近調子悪いんだって?」

和音「響……う、うん。あはは、なんでかなー、別に怪我してるわけじゃないんだけど」

響「そうなの? なんか心配しちゃった、あの和音が試合で全然活躍できないって聞いちゃってさ。本当に怪我とかないの?」

和音「平気平気! ほら、バッチリでしょ?」

414: 2013/08/09(金) 22:29:23.38 ID:L035b+kso
響「ならいいんだけど」

和音「でも嬉しいよ、響があたしのこと心配してくれるなんて。ありがと」

響「だけど、じゃあなんで調子悪くなったんだろう」

和音「んー、なんでだろ。わかんない」

響「あはは、和音ってば」

和音「けど響が来てくれてなんだかやる気が湧いてきちゃった。今ならシュートもちゃんと入るかも」

シュッ

和音「……あっ」

響「あれ、ちゃんと入ったじゃん。いつもの和音のシュートだね!」

和音「本当だ……入った」

響「和音?」

和音「やっぱり響のおかげだよ! 響が来てくれたから入ったんだよ!」

415: 2013/08/09(金) 22:29:52.51 ID:L035b+kso
響「えー、あたし何もしてないけど。……まぁ、入ったならいっか。あはは!」

和音「えへへ!」

響「元気そうでよかった。この前の野球の時以来、全然顔合わせてなかったから。何かあったのかと思って」

和音「っ……何もないよ、別に。あたしはいつも通り!」

響「うんっ、いつもの和音だね! じゃああたし、そろそろ行かなきゃ」

和音「あ……ピアノの練習?」

響「今日もあるの。じゃあね和音、練習頑張って」

和音「うん……じゃあね」

和音「……」

シュッ

和音「あ……あれ」

和音「また入らなくなっちゃった……」

和音「……」

416: 2013/08/09(金) 22:30:19.94 ID:L035b+kso
・・・・・

和音(あの後、結局また一本も入らないで終わってしまった……)

和音(ほんとどうしちゃったんだろう、あたし。ずっとこのままだったら嫌だな……)

和音「……響」

和音(会いたいよ……響といれば絶対元気出るのに……)

和音(どうしてあたしは響と一緒じゃないんだろう)

和音(中学入って最初の頃は、いつもあたしと一緒にいたのに)

和音(……けど響は、あたしといるより南野さんと一緒にいる方が楽しいのかな)

和音(あたしとスポーツするより、ピアノ弾いてる方が幸せなのかな……)

和音「……ああもう! らしくないってば、こんな落ち込むなんて」

和音「響がいないからって……」

和音(こんなに響のことを考えるなんて……あたし、おかしくなっちゃったかな)

和音(響のことを考えると、胸が苦しくなって……あたし、響がいないとダメダメだよ……)



響「和音!」

417: 2013/08/09(金) 22:31:16.04 ID:L035b+kso
和音「!!」

響「練習終わったの?」

和音「ひ、響、どうして」

響「あたしもピアノの練習終わったからさ、少し走ろうと思って。運動すれば頭もスッキリするしね」

和音「そうなんだ……」

響「それに最近ちょっと運動不足かなーって思って。和音が練習してるの見たら、あたしも身体動かしたくなちゃった」

和音(あんなに会いたかった響が、今ここに……)

響「和音も一緒に走る?」

和音「!!」

響「久しぶりにさ」

和音「う…うん! 走る走る!!」

418: 2013/08/09(金) 22:32:09.43 ID:L035b+kso
響「よしっ、じゃあ行こう」

和音(やっぱりあたし……響と一緒にいるのがいい)

和音(響と一緒にいると、走るだけでもこんなに楽しい!)

和音(響……あたし、響のこと……)

響「ん? どうしたの和音、なんか嬉しそうにしちゃって」

和音(もう我慢できない……!)

和音「響、あたし……響のこと好き!」

響「あはは、急になに。あたしも和音のこと好きだよ」

和音「はぁ……はぁ……そ、そういのじゃないみたい」

和音(今ならいいよね……南野さんもいない、ピアノもない)

和音(あたしと、響だけの世界。今ならあたし……)

響「?」

和音「あたし、なんか違うの……今までみたいな好きじゃなくて」

和音「よく分からないんだけど、上手く言えないんだけど……と、とにかく好き!!」

響「え、あ……え?」

和音「響!」ガシッ

響「うわっ!?」

ドサッ

419: 2013/08/09(金) 22:32:36.15 ID:L035b+kso
響「いてて……」

和音「響……」

響「わ、和音? どうしちゃったの一体……!?」

和音「……っ――――!」

響「んぐっ……!?」

響(こ、これって……キス!?)

和音「はぁ……はぁ……」

響「わ、和音……さん……?」

和音「あ……うわわ」

響「へ?」

和音「うわああ~~~っ!!」

響「!?」

和音「ご、ごめん……ごめえええん!!」ダダダッ

420: 2013/08/09(金) 22:33:01.62 ID:L035b+kso
響「わ、和音!!」

響「……行っちゃった」

響「……」

響(うそ……キスされたのあたし?)

響(口と口で、今……)

響「……」

響(そんでもって放置されてって……)

響(ど、どどどどどうすれば)

421: 2013/08/09(金) 22:33:44.82 ID:L035b+kso
・・・・・翌日

和音「……」

和音(昨日……なんであんなことしちゃったんだろう)

和音(あの時は走ってて、つい興奮しちゃって、自分を止められなくて)

和音「うう……」

和音(だからってチューしちゃうのはないよね……やっぱり)

和音(あーどうしよう、絶対引かれる! 響に嫌われちゃうよ……)

「あっ、西島さんおはよー」

和音「!!」

「ねえねえ知ってる? 北条さん今日休みなんだって」

和音「……え」

「風邪なんだって。めずらしいよね」

和音「……」

和音(響……)

422: 2013/08/09(金) 22:34:10.58 ID:L035b+kso
……響の部屋

奏「どうしたの? 響が風邪ひくなんて」

響「……」

奏「響?」

響「……」

奏「……ねえ、なにかあったの? ひょっとして風邪じゃない?」

響「……なんでもない」

奏「やっぱり何かあったんでしょ。どうしたの?」

響「なんでもないってば……」

奏「ちょっと、私には話してくれたって……」

ピンポーン

奏「あら……誰かしら。私が代わりに出るわね」

響「……」

423: 2013/08/09(金) 22:34:37.71 ID:L035b+kso
ガチャッ

和音「……」

奏「あ、西島さん」

和音「っ……あの、響は」

奏「西島さんもお見舞いに来たの? 響なら部屋で寝てるわよ」

和音「……」

奏「西島さん?」

和音「あ、あたしやっぱり帰……」

響「……和音」

和音「!!」

424: 2013/08/09(金) 22:35:23.38 ID:L035b+kso
奏「響、起きたらダメじゃない」

響「……」

和音「……」

奏「響?」

響「ごめん、奏……ちょっと和音とふたりっきりにさせて」

奏「えっ、なんで……」

響「お願い」

奏「……」

響「……」

奏「……分かったわよ」

425: 2013/08/09(金) 22:35:52.26 ID:L035b+kso
響「……」

和音「……」

響「昨日は……」

和音「!!」

響「びっくりしちゃった……いきなりだったから」

和音「う……ううう」

響「和音!?」

和音「ひっぐ……ごめん響……ごめんなさい……グズッ」

響「な、泣かないでってば」

和音「だってあたし……響にひどいことして……」

響「……」ギュッ

和音「!?」

響「大丈夫だよ和音、あたしは大丈夫だから」

響「ただ今日はちょっと心の整理がつかなくて……学校行けなかっただけなの」

響「和音にどういう顔して会えばいいんだろうと思ったら……こわくて」

426: 2013/08/09(金) 22:36:18.28 ID:L035b+kso
響「それでも、和音がお見舞いに来てくれたのは本当に嬉しい」

和音「響……」

響「……だけど、昨日のことはもうなしにしようね」

和音「……!!」

響「昨日のこと、あたしは忘れるからさ……和音も忘れて」

響「あたし達、あんなことしちゃダメなんだよ……」

和音「……」

響「だから今日からまら普通に友達同士で……」

和音「っ……」

ドンッ

響「!?」ドサッ

427: 2013/08/09(金) 22:36:45.20 ID:L035b+kso
響「和音……!」

和音「あたしだって、ここに来るのこわかったよ……だけど、響が心配だったから!」

響「……」

和音「……でも先に南野さんが来てたのを知って、悔しかった」

和音「響の隣にはいつも南野さんがいる! あたしじゃなくて、南野さんが……」

和音「あたしそれがずっと嫌だったの!! あたしだって響のこと好きなのに、なんで南野さんばっかり!!」

響「わ、和音……」

和音「もうこの気持ち……抑えようと思っても抑えられないよ。あたしってバカだからさ、頭で考える前に身体が動いちゃう……」

響「ダ、ダメ和音……!!」

和音「響……大好き」

428: 2013/08/09(金) 22:37:15.40 ID:L035b+kso
・・・・・

奏(遅いなぁ……)

ガチャッ

奏「!!」

和音「……」

奏「西島さん……」

和音「……あはは、お邪魔してごめんね。じゃああたしもう帰るから、バイバイ南野さん」

奏「う、うん。バイバイ」

奏「……」

429: 2013/08/09(金) 22:37:50.53 ID:L035b+kso
奏「響ー、西島さんと二人で何話してたの?」

奏「ねえ響ってば」

響「……」

奏「響?」

響「は、はいっ」

奏「どうしたのよ一体、ボーッとしちゃって。本当に熱でも出たの?」

響「ち、違うってば。なにもないって」

奏「?」

響「……」

430: 2013/08/09(金) 22:38:23.50 ID:L035b+kso
・・・・・数分前

和音「響……大好き」

響(キ、キスされる!? また……!!)

響「……?」

和音「っ……~~~!!」

和音「こんなんじゃダメだ!!」

響「!?」ビクッ

和音「響! あたしとチューしたこと……後悔してる?」

響「え? それは、その……」

和音「あたし、響と付き合いたい!」

和音「あたし響が好き! 世界で一番好き!! 響がいないと生きていけない!!」

和音「響、あたしと付き合ってください!!」

響「え……あ……」

和音「もしかして南野さんともう付き合ってるとか!?」

響「ち、違う。奏とはそんな関係じゃ……」

和音「じゃああたしと付き合ってください!」

響「っ……」

和音「だけど、もし嫌なら……はっきり言って。そうしたらあたしも諦めがつくからさ」

和音「……だからお願い、『いいえ』って言ってくれるだけでいいの。そうすればあたしもう響に何もしないから……」

431: 2013/08/09(金) 22:39:10.39 ID:L035b+kso
響「……」

和音「……響?」

響「えっ、あ……ど、どうしよう。いざそうはっきり言われちゃうと……」

和音「?」

響「『いいえ』って……簡単に言えないっていうか」

和音「えっ」

響「だって、付き合ってくださいなんて面と向かって……」

和音「つ、つまりそれって……!!」

響「いや、で、でも!! もうちょっと待って……今日答えるのは無理っぽい」

和音「……」

響「いやー……あはは。あたしって、意外と押しに弱いのかな……」

響「和音がそんな風に思ってたなんて……で、でもさ、あたし達女の子同士だよね」

和音「やった! 響と付き合えるんだね!!」

響「えっ」

和音「あっ、じゃあもうチューしてもいい? しちゃってもいい?」ズイッ

432: 2013/08/09(金) 22:40:06.99 ID:L035b+kso
響「ちょ、ちょっと和音!?」

和音「あたし、響のこと独占したいの! 南野さんにも、ピアノにも響を渡したくない!」

響「ピアノって……」

和音「本当はもう親友じゃいられないんじゃないかって思ったけど……よかった、グスッ……嬉しい」

響「和音……」

和音「じゃあ、誓いのチューを」

響「チュ、チューはまだ! 明日ちゃんと返事してから!」

和音「分かった響! 明日返事待ってるよ、それまでは絶対手を出さない、我慢する!」

響「あっ、ちょっ、和音!?」

和音「じゃあ、ばいばーい!」

響「あ、あのー……あたしまだ言いたいことあるんだけど。……行っちゃった。」

433: 2013/08/09(金) 22:40:34.19 ID:L035b+kso
……翌日

響「あー……うー……」

響(昨日のモヤモヤがまだ取れない……)

響(和音ってば、あんな積極的になるなんて……)

和音「響!」

響「!!」

和音「えへへ、来ちゃった」

響「和音……」

和音「南野さん、いないんだね」キョロキョロ

響「奏は、スイーツ部に行ってる。それに今日は和音が来るって分かってるんだから一緒にはいられないよ…」

和音「えへへ……。響、返事聞かせて」

響「……その前にさ、聞きたいことあるんだけど」

和音「?」

響「和音は、悩んだりしないの? だってあたし達付き合うかもしれないんだよ? 女同士で……」

和音「んー……本当のところは、ずっと悩んでたんだ」

和音「響に告白する前から、悩んで悩んで……苦しかった。でも、自分の気持ちに素直になって言いたいことを全部言ったら」

和音「なんか吹っ切れちゃって、悩み事も全部なくなっちゃった」

響「……」

434: 2013/08/09(金) 22:41:09.01 ID:L035b+kso
和音「あたしはもうなにがあっても心の準備はもうできてるから、次は響の番だよ!」

響「……」

和音「響?」

響「ずるいよ和音。あたしのこと押し倒したのは和音なのに……自分だけ勝手にすっきりして、あたしをこんなに悩ませるなんて」

和音「……やっぱり付き合うのはイヤ?」

響「そ、そうじゃなくて! ちょっと、まだ心の準備が……」

和音「んー……じゃあ」ギュッ

響「!?」

和音「チューしたら、心も落ち着くかな?」

響「っ~~~……もう和音ってば、昨日からそればっかり!」

和音「だって、響ともっとイチャイチャしたいんだもん。今までできなかったこととかしてみたい!」

響「はぁ……あたしが和音に弄ばれる日が来るなんて」

和音「イヤ?」

響「……イヤじゃないよ」

和音「えへへ」

響「ぷっ……あはは」

和音「じゃ、とりあえず気晴らしに走る? 返事はその後でもいいから」」

響「うんっ」


おわり

引用: 安価で指定されたカプで短編プリキュア百合SSを書く