1: 2012/05/29(火) 20:01:24.92 ID:9yL/PiQU0
京介の部屋

沙織「突然何を仰られるんですか?京介さん」 キョトン

京介「いやさ、俺の周りの子って犬っぽい奴ってほとんどいないなと思って」

京介「黒猫は言うに及ばず、桐乃もまんま猫属性だし」

沙織「……田村さんがいるじゃあありませんか」 ムスッ

京介「そんな露骨に不機嫌そうに言わんでも。あいつは確かに犬っぽいけど、どっちかっていうと狸に近い気がする」

沙織「まあまあ。本人にお知らせしておきましょうか?」

京介「断固辞退する。後が怖い」

5: 2012/05/29(火) 20:06:39.59 ID:9yL/PiQU0
沙織「新垣さんなんかも犬っぽそうな気がしますけども」

京介「んー……あいつは犬っちゃ犬かもしれんが……狐って感じの方が近いかもしれん」

京介「あと加奈子もまんま猫だな。ブリジットちゃんは犬っぽいか」

沙織「赤城さんなんかは?」

京介「瀬菜は……んーと、ああ、腐乱犬ってところだな」 ドヤァ

沙織「微妙に上手いこと言ってるのが悔しいですね」

6: 2012/05/29(火) 20:12:27.75 ID:9yL/PiQU0
京介「まあ他のはこの辺にしておくとして、とりあえず沙織は犬寄りだと思うんだよ」

沙織「根拠をお聞かせ願えますか」

京介「んー、ブリジットちゃんもそうだけど、単純に育ちがいいよな。立ち振る舞いに品があるというか」

京介「あと献身的で健気なところとか」

沙織「随分なお言葉ですね……恥ずかしいです」 カァッ

京介「沙織は大きさ的にゴールデンレトリバーとかグレートピレニーズとかかな」

沙織「喩えはともかくさらっと気にしてること言わないでください」

9: 2012/05/29(火) 20:16:42.09 ID:9yL/PiQU0
京介「沙織はコンプレックスみたいだけど、俺は別にでかいのは悪いことだと思わないけどなあ」

沙織「どうしてですか?」

京介「おいおい話すよ。あと好奇心旺盛で意外と臆病なところなんかも犬っぽいんじゃないかな」

沙織「言われてみると確かにそうかもしれませんね」

京介「ご納得いただけたか」

沙織「ところで、京介さんは自分をどう捉えていらっしゃるんですか?」

京介「俺?」

12: 2012/05/29(火) 20:24:25.98 ID:9yL/PiQU0
京介「俺は犬だよ、間違いなく」

沙織「随分とはっきり仰られますね……確かにそうだとは思いますけれども」

京介「桐乃に対する行動なんかまさにそうじゃん。少なくとも猫な性格だとは自身で思わん」 ヤレヤレ

沙織「……なんというか。なんとコメントしてよいものかわかりませんわ」

京介「尽くすって言い方は癪に障るが、人を立てるっていうのは嫌いじゃないしな」

沙織「とっても素敵なことだと思います。わたしはそんな京介さんだから――」

京介「まあ待ってくれ。まだ俺の話は終わってない」

沙織「え?」

14: 2012/05/29(火) 20:32:01.96 ID:9yL/PiQU0
沙織「どういうことですか?」

京介「そもそもなんでこんな話をしたかっていうと、だ」

京介「確かに沙織は犬っぽいかもしれないが、正直なところ育ちがどうとかその辺ははっきりいってこじつけに過ぎない」

沙織「……?」

京介「正確には俺はまず沙織に犬っぽくあって欲しいと思ったんだよ。前提が逆なんだ」

沙織「なんでですか?」

京介「俺が犬だから」

沙織「はい?」

京介「いやほらさ、その」

京介「つがいになるなら犬は犬同士のほうが都合がいいと思うじゃん」

沙織「!」

20: 2012/05/29(火) 20:38:21.99 ID:9yL/PiQU0
京介「自分でも滅茶苦茶な論理だと思うが、何かしら切り口というか話のきっかけが欲しくて、さ」 カァァ

沙織「本当、無茶苦茶ですわ。プラトンも裸足で風呂から飛び出すでしょう」

京介「ははは……まったくだな。じゃあ、もっと簡単なロジックで行かせてもらうわ」

スタスタ

京介「好きだ、沙織」

沙織「……はい。わたしもです、京介さん」

26: 2012/05/29(火) 20:44:52.29 ID:9yL/PiQU0
京介「さっき、俺はでかいのは嫌いじゃないって言ったのはさ」

ギュッ

沙織「あ……」

京介「……こうしやすいと思ってたからなんだよな」

沙織「……そんなこと言われたら、もう嫌いになんかなれなくなっちゃいます」

京介「そういうところもひっくるめて俺は沙織が好きなんだよ。……いいか?」 スッ

沙織「きくまでもなかろうですわ」 スッ

チュッ

31: 2012/05/29(火) 20:47:54.11 ID:9yL/PiQU0
京介「ん……」

沙織「んむ……ちゅ……はぁ」 トロン

京介「……沙織?」

沙織「京介……さん」

ペロペロ

京介「さおっ……!?」

35: 2012/05/29(火) 20:55:23.13 ID:9yL/PiQU0
沙織「んふっ……京介さんの顔、おいしいです」

京介「ど……どうした沙織っ」

沙織「犬は服従、敬意を示すのに飼い主の顔を舐めるんですよ。ご存知ないのですか」

京介「……まだ続いてたのか、その話」

沙織「そういうルールで入り込んでしまった以上、そうせずにはいられないんですよ」

京介「"演じる"ことに慣れきってる沙織らしいな……そういうことならこっちも同じ犬だぞ」 ペロペロ

沙織「ふあぁっ!」

38: 2012/05/29(火) 21:04:24.60 ID:9yL/PiQU0
京介「はぁ……はぁ……」

沙織「……犬は、飼い主にお腹を見せることで服従を示します」 コロン

京介「ベッドの上に寝転がる沙織、すごい扇情的だわ」

京介「桐乃がいたら怒髪天だなこりゃ」

沙織「この家にはわたし達しかいませんよ。京介さんが仰ったことじゃないですか」

京介「まあな」

沙織「わかってて言ったにしても、別の女(ひと)の名前を出されるのは感心しませんな」 グイッ

京介「うおっ!?」

沙織「さ、続けましょう京介さん。シルクのベッドで愛し合いましょう朝まで」

京介「……今がまさに朝なんだがな」


40: 2012/05/29(火) 21:10:02.77 ID:9yL/PiQU0
――――――
――――
――

京介「ん……16時!?どんだけ寝てたんだよ」

沙織「始まったのが11時ぐらいですから……えっと///」

京介「まあ……いいや。深く考えるのはよそう。まだ誰も帰ってきてないみたいで本当に良かった」

沙織「京介さん、素敵でしたわ。激しくて」

京介「そういう趣向だったからな。次はもっと優しくしたいところだな」

沙織「京介さんとならどうだって構いませんわ」

京介「……あんまそういうこと言うとまたムラムラしてくるからやめてくれ」

43: 2012/05/29(火) 21:16:06.53 ID:9yL/PiQU0
京介「とりあえず服を着て……と。とりあえずシャワー浴びてこようと思うが……沙織はどうする?」

沙織「まだ京介さんの匂いを感じていたいのでくるまってます」

京介「そ、そっか。じゃあお先に……」 ガチャ

大介「……」

京介「……」

沙織「……」

46: 2012/05/29(火) 21:18:22.57 ID:9yL/PiQU0
沙織「き……きゃあっ!!?」 ミノムシ

京介「お、親父っ!?!?どうした!?」

大介「……いや、仕事から戻ってきたから留守のお前に一言言おうと思っただけなんだが……」

京介「あ……ああ……おかえり」

大介「……邪魔したな。その……なんだ、程々にしておけよ」

京沙「「っ!!!///」」

50: 2012/05/29(火) 21:29:21.32 ID:9yL/PiQU0
バタン

京介「はぁー……はぁー……心臓が止まるかと思ったぜ……」

京介「でも親父だったからまだマシだったか……母ちゃんもアレだし、いわんや桐乃だったら……」 ガタガタ

沙織「び、びっくりしましたわ……けど、お義父さんも犬っぽい方ですよね」

京介「そ、そうか?たしかに走狗っぽいが、仕事柄」

沙織「そんな失礼な意味ではございませんわ」

沙織「言うじゃないですか、夫婦喧嘩は犬も食わないって」 ドヤァ

京介「上手いこと言ったつもりなのかそれ。つか喧嘩……ねぇ」

沙織「余裕があればもう一戦したかったんですけどね」 テカテカ

京介「きょ、今日はもう簡便してくれ。ま、次は邪魔が入らないところがいいな。お前の部屋とか」

沙織「は、はいっ///」



終わり

51: 2012/05/29(火) 21:32:05.45 ID:9yL/PiQU0
簡便=勘弁だった、最後の最後で凡ミス(´・ω・`)

響と首輪のスレを見て、沙織に結び付けてこんな話を思いついたので書いてみた
沙織かわいいからもっと創作増えて欲しいんだけどね……XXXぐらいしか良い薄い本もないし
それでは

52: 2012/05/29(火) 21:35:51.59 ID:XRszXkP60
乙っした

引用: 京介「沙織って犬っぽいよな」沙織「?」