京子「ちなつちゃんは綾乃のこと知ってるんだ」

ちなつ「あ、はい。この間出かけたときに会ってちょっと話したんです」

京子「どんな話したの？」

ちなつ「結衣先輩にどんな服が似合うかについてです」

結衣「え？　綾乃そんな話してたの？」

京子「で、どうだった？」

ちなつ「結衣先輩ならどんな服なら似合うと思います！」

京子「お、おう」

ちなつ「でも私も杉浦先輩と話したのはそのときくらいですかね？」

京子「まあ学年が違うから接点も少ないか」

結衣「でも私たちは大室さんたちとよく会う気がする」

京子「幼馴染は惹かれあうってことだよ」

あかり「あかりも結衣ちゃんたちと幼馴染だよ？」

結衣「ああいやほら、あかりは教室で毎日大室さんたちと会ってるだろ？」

京子「毎日会ってる分あかりの方が幼馴染パワーが凄いってことさ」

あかり「そっかぁ。えへへ」

ちなつ「それで納得していいのかな？」

ちなつ「そう考えると私だけなんか浮いてる気がします」

京子「なんで？」

ちなつ「だって先輩方とあかりちゃんは3人とも幼馴染じゃないですか」

京子「幼い頃からミラクるんを見続けてきた私にとってちなつちゃんも幼馴染だよ」

ちなつ「京子先輩は見てるのは私じゃないんですよね。私とそっくりの誰か…。京子先輩は私を通して誰かを見てるだけなんです」

京子「ち、ちなつちゃん、そんなつもりじゃ…」

ちなつ「まあ京子先輩からどう見られようとどうでもいいですけど」

京子「シュン…」

あかり「あ、でも幼馴染3人でやってる部活に勘違いで入部してくる子ってなんか主人公っぽくない？」

結衣「ああ、それなんかわかる。で、2話はその子視点からのメンバー紹介から始まるんだよね」

京子「このダイナマイトボディを持つ素敵な先輩は歳納京子先輩！私の憧れの人です！」

ちなつ「京子先輩のボディは全然ダイナマイトじゃないです」

京子「ちなつちゃんがそれを言うかぁ」

ちなつ「ふ、ふんっ！　私はまだひとつ年下ですから！」

京子「へぇ～？　じゃああかりとちなつちゃんはどっちがダイナマイトかなぁ？」

あかり「ねえ結衣ちゃん、体がダイナマイトだと嬉しいものなの？」

結衣「いや、どっちかって言えば鬱陶しいかな」

京子「しかしそうなると結衣が一番低いってことになるな」

結衣「何の話だ」

京子「主人公っぽさの話」

結衣「お前だって初登場の仕方で言えば私と変わらないだろ。茶道部乗っ取ってた先輩2人組のうちの1人だよ」

京子「いやいやそれは……あれ？　そういえばそうかも」

ちなつ「絵がうまいとかいかにもサブキャラっぽい個性ですよね」

あかり「あれ？　もしかしてあかりの主人公力って結構高い？」

ちなつ「まあ初登場の仕方に限って言えばね」

あかり「それ以外では低いってこと！？」

ちなつ「…」ﾆｯｺﾘ

あかり「」ｶﾞｰﾝ

京子「それを言うならちなつちゃんだってそうじゃん」

結衣「だから何の話だ」

京子「絵がうまいのがサブキャラっぽいって話」

結衣「ん？」

あかり「え？」

京子「ああいや、絵の上手い下手という個性がサブキャラっぽいなら、ってことね」

結衣「なるほど」

あかり「なぁんだ」

ちなつ「？　今の流れがよく理解できない」

京子「>>10」

結衣「まあそうだな、接点がないというには語弊がある」

京子「ほら、私たちは『綾乃』って呼んでるからさ、あかりは苗字がわからなかったんだよ」

結衣「そういうもんか？」

ちなつ「私もたまに向日葵ちゃんと櫻子ちゃんの苗字を間違えますよ」

京子「同じ学年のクラスメイトでそれはちょっと酷いなぁ」

ちなつ「たまにですよ、たまに。ほら、だって苗字が『大』室なのに櫻子ちゃんは…」

結衣「ああ…」

京子「谷間の古谷と覚えたら覚えやすい。もしくは『大きくないのに大室』」

ちなつ「いくら先輩とはいえ櫻子ちゃんの前でそれいったら怒られますよ多分」

京子「私が言ったら完全にブーメランだからここは是非結衣に代弁してもらいたい」

結衣「何の話だよ」

京子「大室なのに大きくない話」

結衣「それが？」

京子「ちなつちゃんだっておっOい小さいじゃん」（裏声）

結衣「なんで裏声」

京子「結衣の声真似」

結衣「お前の方が普段の声高いだろ」

ちなつ「結衣先輩、胸の小さい女の子はお嫌いですか！？」

結衣「いや、そんなことないけど」

京子「へー、小さい方が好きなんだ」

結衣「ちげぇよ」

京子「さっきからあかりが全然会話に入れてないよぉ」（裏声）

結衣「あかりの声真似なら似てるな」

京子「いやだから結衣の声真似だって」

結衣「そうか」

京子「奥義・突っ込み放棄だと！？」

ちなつ「あかりちゃん、なんでさっきから黙ってるの？」

あかり「あのね、櫻子ちゃんのことなんだけど」

ちなつ「うん」

あかり「櫻子ちゃんのお姉ちゃんが」

京子「え？　あかりちっぱいちゃんのお姉さんに会ったことあるの？」

あかり「ないよ？」

京子「あかりと綾乃の接点がないって話から始まったのにそれはいいのか」

あかり「櫻子ちゃんのお姉ちゃんも高校生なんだけど、やっぱり胸がないんだ」

京子「まさかあかりも新奥義スルーを体得していたとは」

結衣「お姉ちゃん『も』？」

あかり「あっそれはね、あかりのお姉ちゃんも去年まで高校生だったから」

結衣「なるほど」

あかり「それでね、あかりのお姉ちゃんが高校生くらいのときはけっこう胸があったなぁと思って」

ちなつ「それで？」

あかり「あ、あとちなつちゃんのお姉ちゃんもあんまりなかった気がする」

京子「つまり……どういうことだってばよ？」

あかり「胸の大きさが遺伝だとしたら、ちなつちゃんには将来勝てるかな、って…さっき考えてた、んだけど…」

ちなつ「…あかりちゃん？」

あかり「ち、ちなつちゃん、さっき怒らないから話してって…」

ちなつ「そんなことはいってないしあかりちゃんにはいまのわたしが怒っているように見えるのかしらウフフ」

あかり「ちょ、ちょっとまっｔ」

京子「ちょっちまっちｗｗｗｗｗｗ」

結衣「あかりも頭の中では意外と胸の勝ち負けとか考えてるんだな」

結衣「しかしそうなると私たちは姉妹とかいないから比べようがないな」

京子「結衣には妹的存在のまりちゃんがいるじゃん」

結衣「妹的存在ってなんだ。ただの親戚だよ」

京子「いとこは漢字で従妹と書く」

結衣「知ってるけど」

京子「従う妹と書いていとこ！熱いパトスを感じるね！」

結衣「まあ、まりちゃんは私より年下だから私の将来像の予測にはなれないな」

京子「ということはまりちゃんは将来結衣のように隠れ巨Oということか」

結衣「なあ、さっきから胸の話ばっかりで疲れないか？」

京子「全然！」

結衣「そうか」

ちなつ「突然ですが貧O同盟を結成します！」

結衣「ちなつちゃんまでそんな」

ちなつ「さぁて行きますよ、京子先輩！　世に散り散りになった貧O戦士たちを集め、軍を作るのです！」

京子「あ、私は貧O派なんだ」

結衣「ちなつちゃん、頭でも打ったの？」

ちなつ「致命傷ではありません……！まだまだ戦えます！」

結衣「え、なんで私に向き直るの？」

ちなつ「結衣先輩……くっ」ｶﾞｸｯ

結衣「ち、ちなつちゃん？」

ちなつ「か、体が……。もう限界、ですね」

結衣「展開についていけない」

ちなつ「く、殺せ！」

結衣「え？　だ、大丈夫？ちなつちゃん」

ちなつ「敵の身を案じるのですか？　私はあなたの敵となる存在…」

結衣「いや、私は別にちなつちゃんと敵になりたいわけじゃないし…」

ちなつ「結衣先輩…。そうですか。闘争と根絶ではなく和解という未来…先輩はその道を選ばれるというのですね」

結衣「はい？」

ちなつ「結衣先輩、チーナをお許しください…！　　ですが私は結衣先輩と同じ道は歩めません！

ちなつ「ですが、私も同じ目的地を目指します！　…巨Oと貧O、両者が理解しあえるようになり、道が重なったそのときには…私！」

ちなつ「……また会いましょう、結衣先輩！」ﾀｯ

結衣「……ちなつちゃん」

結衣「道か。いつか、私たちで同じ場所に――」

　ゆるゆり　戦争編　～序章～　完！