40: 2014/11/02(日) 02:41:27 ID:QDhoM.sc
でけた!投下していきます
前回:モバP「スタドリの価値が暴落した?」

41: 2014/11/02(日) 02:42:15 ID:QDhoM.sc
P「ふぅ…なんとか今日も定時で終われそうだな」

P「金なんてなくてもなんとかなるもんだ!ちひろさんがくれる弁当も美味しくて前より健康的になった気もするし」

ガチャッ

ほたる「お、お疲れ様です…」

P「お、ほたる、お疲れ様。レッスンはどうだった?」

ほたる「それが…私が踊ったり歌ったりするとスタジオの調子が悪くなっちゃうみたいで…」

P「そ、そうか。災難だったな」

ほたる「トレーナーさんが、新しい機材が届くまでボーカルレッスンはできないから、ダンス中心のレッスンにスケジュールを組み直して欲しいって伝えるように言われて…」

P「わかった。みんなのレッスンを組み直してトレーナーさんに伝えればいいんだな」

ほたる「本当にごめんなさい…私のせいで迷惑ばかりかけて…」

P「迷惑なんかじゃない。ほたるが一生懸命やってるのは知ってるよ。気にしなくていいから、今日はもう帰りなさい」

ほたる「はい…ありがとうございます…失礼します」
アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 3rd SEASON(dアニメストア)
42: 2014/11/02(日) 02:42:54 ID:QDhoM.sc
バタン

P「う~ん…ライブ控えてるヤツらのフォローからいくか…残業だな」カチャカチャ


ほたる(やっぱり私がいると皆不幸になっちゃうんだ…機材の弁償とか、やっぱりお金が要るのかな…)

ちひろ「あら?ほたるちゃん?」

ほたる「あ…ちひろさん」

ちひろ「今から帰るところですか?気をつけてくださいね」

ほたる「あ、あの…今日のレッスンで、その…」

ちひろ「どうかしたんですか?」

ほたる「機材とか、壊れちゃったみたいで…その…ごめんなさい…」

ちひろ「ほたるちゃんが壊しちゃったんですか!?怪我とか、どこか調子が悪かったりしませんか!?」

ほたる「私は大丈夫です…私がいると機械とか壊れちゃうみたいで、べ…弁償、とか…」

ちひろ「ほたるちゃんが無事ならそれでいいです!お金なんて気にしなくたっていいんですから!そんなの元から調子が悪かったに決まってますよ。ほたるちゃんが気にすることじゃありません」

ほたる「うう…ありがとうございます…」グスッ

ちひろ「あらら、少しそこの喫茶店でお話しましょ?落ち着くまでほたるちゃんのお仕事の話聞かせてください」

ほたる「ちひろさん…」

43: 2014/11/02(日) 02:44:36 ID:QDhoM.sc
喫茶店

ちひろ「ふふっそんなことがあったんですか」

ほたる「はい、それでプロデューサーさんが驚いちゃって…」

ちひろ「まあ…Pさんもしっかりしてくれなきゃ、困っちゃいますね」

ほたる「あ、でもっプロデューサーさんはすごく頑張ってくれてて!私なんかのために、いっぱいお仕事とか」

ちひろ「確かに。Pさんはよくやってくれてます」

ほたる「ほんとにすごいです。大変なはずなのに…」

ちひろ「Pさんはドリンク飲んでますから。体力は人一倍ですよ」

ほたる「ドリンク?あ、あの…」

ちひろ「でもこないだそのドリンク売ってる会社が潰れちゃって…」

ほたる「え?」

ちひろ「ほら、ニュースでもやってたでしょ?それで、Pさんもたくさん買ってたから今はほんとに大変みたい」

ほたる「そ、そんな………ちひろさんは大丈夫なんですか?」

ちひろ「Pさんほどではないですけれど、それなりに大変です…結構売れ余っちゃてて。困っちゃいますね」

ほたる「…」

44: 2014/11/02(日) 02:45:15 ID:QDhoM.sc
ほたる「ちひろさん、私、買います」

ちひろ「え?」

ほたる「ちひろさんの売れ残っちゃったドリンク、迷惑じゃなければ売ってください!」

ちひろ「私は助かるけど…無理して買わなくても」

ほたる「その…買いたいんです、ドリンク。飲めば私もPさんみたいに頑張れるかなって…」

ちひろ「…わかりました。でも、ダースでしか売れなくて」

ほたる「大丈夫です。えっと…これでどれくらい買えますか?」

ちひろ「え、そんな…」

ほたる「ご、ごめんなさい!少なかったですか?」

ちひろ「そんなことないです!でもこんなにたくさん買うと…」

ほたる「お願いします!売ってください!」

ちひろ「わかりました。じゃあ、これがドリンクです」

ほたる「ありがとうございます…」

ちひろ「あ、そうだ。今ドリンクを買うと…」

ほたる「?」

45: 2014/11/02(日) 02:46:29 ID:QDhoM.sc
事務所

P「おはようございます」

ちひろ「おはようございます」

ほたる「ぷ、プロデューサーさん、おはようございます」

P「ほたるもおはよう。ライブまでラストスパートだな。がんばるぞ!」

ほたる「はい!」

P「じゃあ早速、レッスン行くか!」

ほたる「よろしくお願いします」

P「今日はいつものトレーナーさんじゃなくて、結構大きな舞台を抑えてるんだ。」

ほたる「ぶ、舞台ですか!?」

P「そうだ。ほたるも本番までに舞台度胸をつけなきゃいけないからな。今日はその一環だ」

ほたる「が、ガンバリマス…」

P「今から緊張したって仕方ないぞ!リラックスリラックス」

ほたる「は、はい」

46: 2014/11/02(日) 02:47:05 ID:QDhoM.sc
P「それじゃ、行ってきますねちひろさん」

ちひろ「はい、いってらっしゃい♪ほたるちゃんもがんばってね!」

ほたる「はい!行ってきます」

47: 2014/11/02(日) 02:48:05 ID:QDhoM.sc
舞台ホール

P「え?音声テープが届いてない!?」

スタッフ「ええ。ちょっと待ってくださいね…はい、CGプロダクション様からの郵送物はありませんね」

P「そ、そんな!じゃあ一体どうやってレッスンすれば…」

ほたる「………」

スタッフ「CGプロさーん!お時間です!入ってください!」

P「は、はい!ほたる、とりあえずステップの確認とアカペラでも取れる音だけ確認しよう!」

ほたる「は、はい!」

P「えーと次は…」

P(当初の予定から外れたレッスン、慣れない舞台に緊張するほたる、戸惑う俺…)
P(当然、まったくの不完全燃焼なレッスンだった)

48: 2014/11/02(日) 02:48:56 ID:QDhoM.sc
控え室

P「ほたる、お疲れ様」

ほたる「はい…プロデューサーさん、ごめんなさい…私」

P「今日のトラブルは俺の確認不足だったんだ。ほたるが謝る必要はない。俺こそごめんな」

ほたる「違うんです!私が…」

P「………」

ほたる「私、この前プロデューサーさんのドリンク飲んだんです…」

P「え?」

ほたる「差し入れの中にプロデューサーさんのいつも飲んでるドリンクが入ってて…」

P「あ、それもたぶん俺が間違えて入れたんだ」

ほたる「そしたら、そのあとすぐにモバ製薬さんが潰れちゃって…」

P「あ、ああ…」

49: 2014/11/02(日) 02:49:42 ID:QDhoM.sc
ほたる「私のせいなんです!私が飲んだから、私の不幸で会社が…!」

P「ほたるのせいなんて、そんなことない」

ほたる「今日のだって、私が!」

P「ほたる!」

ほたる「………っ」

P「ほたるはどうしたいんだ」

ほたる「どう…したい…」

P「ほたるがしたいことを教えてくれ。アイドルとして、白菊ほたるとして」

ほたる「私は…私はみんなを笑顔にしたい…こんな私でも、みんなの幸せのためにできることがあるって証明したいんです…」

P「じゃあ、そうすればいい」

ほたる「でも、こんな調子じゃあライブだって…」

50: 2014/11/02(日) 02:51:21 ID:QDhoM.sc
P「…ちひろさんから聞いたよ。ドリンク買ったんだってな」

ほたる「それは、私のせいでちひろさんとかプロデューサーさんが困ってるなら…少しでも責任を取らないと…」

P「ほたる、俺はな、最近体の調子がいいんだ。どうしてだと思う?」

ほたる「…わかりません…」

P「モバ製薬が経営破綻してな。俺は生活すら苦しくなった。情けなくちひろさんに泣きつくぐらい」

ほたる「………」

P「そしたら、ちひろさんがお弁当作ってきてくれるようになった。いままで昼はまともに食べずドリンクばっかり飲んでた俺が昼飯にありつけるようになったんだ」

P「睡眠だってそうだ。これまでは自宅に帰っても仕事して、まともに寝たりなんてしなかった」

P「でも、あんなことがあって、家賃も払えなくなってパソコンもなにも売っ払った。だから事務所の外でできることなんて寝るくらいだ」

P「俺は今の生活は窮屈だった前より好きなんだ」

51: 2014/11/02(日) 02:52:05 ID:QDhoM.sc
ほたる「それは、プロデューサーさんが強いから…」

P「それだけじゃない。この前、ほたるがレッスンでうまくいかなかったとき」

P「定時で帰るつもりだった。でも、スケジュールを組み直すために事務所に残ったんだ」

P「それで、やっと終わったと思ってたら期限直前の書類を見つけた。」

P「ほたるがいなかったら大問題になってた。それこそスタジオの機材代なんて比べられないくらいの損失だ」

P「帰宅中にはふらっと寄った居酒屋でディレクターさんとばったり会った。話が弾んで新しい仕事を紹介してくれるみたいだ」

P「これはみんな、ほたるがくれた『幸運』だ」

ほたる「………」

P「ほたる買ったドリンクには何がついてた?」

ほたる「プロ…デューサーさん…」

P「そうだ。なら、命令してみろ」

ほたる「…?」

P「ほたるがなりたいアイドルにさせろって俺に命令してみろ」

52: 2014/11/02(日) 02:52:50 ID:QDhoM.sc
ほたる「プロデューサーさん…」

P「なんだ」

ほたる「私、みんなの幸せになるような…アイドルになりたい!してください!」

P「任せろ!絶対ライブ成功させて、一番なりたいアイドルにしてやる!」

ほたる(それからのレッスンは大変だった)
ほたる(今までより難しいし、体力も足りないくらい)
ほたる(相変わらず、いろんなトラブルも起きた。でも、だんだん不幸に悩まなくなって、トラブルがあっても落ち込まずにいられるようになった)
ほたる(何より、プロデューサーさんと一緒にライブを目指すことが楽しかったから)

P「ほたる、今日までお疲れ様。…明日だな」

ほたる「はい。今日まで本当にお世話になりました」

P「さみしいこと言うなよ。明日も明後日も、ずっとだってお世話してやるぞ」

ほたる「ふふふ…うれしいです」

P「ほたるはその笑顔が一番可愛いよ。それさえ忘れなければ、明日のライブだって大成功間違いなしだ」

ほたる「は、はい///」

53: 2014/11/02(日) 02:54:32 ID:QDhoM.sc
ライブ会場

ほたる『今日はありがとうございまーす!精一杯歌います!だからっ幸せになっていってください!』

  ワアァァ!!!

P「がんばれ、ほたる…」

ほたる『次は…きゃっ』パッ

P「照明が落ちた!?どうしたんですか!」

スタッフ「サスが点かないんです!どうしたら…」

P「照明さん!ピンスポだけでいいです!ほたるを照らしてください!」

照明スタッフ「はい!」

スタッフ「どうしましょう!サスが点かないと次の曲の演出が…」

P「そこは暗転に変更してください!曲中盤からホリにフェードで色入れて!」
P(ほたる…こんなことで負けるな!)



ほたる(スポットライト…きっとプロデューサーさんだ…)

ほたる『次の曲、いきます!』

ほたる(だって、すっごくあったかい…)

54: 2014/11/02(日) 02:55:48 ID:QDhoM.sc
P「ほたる、お疲れ様。最高のライブだったぞ」

ほたる「プロデューサーさん!どうでしたか?みんなに幸せになってもらえたでしょうか?」

P「人に言ってもらわないとわからないか?あんなに盛り上がったじゃないか」

ほたる「プロデューサーさんに言って欲しいんです…ダメですか?」

P「まったく…最高のライブだったよ。間違いなく大成功だ!」

ほたる「はいっ…!ありがとうございます…!」

P「ゆっくり休んでいいから。落ち着いたら着替えて…」

ほたる「プロデューサーさん、ドリンクの約束、まだ残ってるんです」

P「どうした?どうみてもみんな幸せにできた立派なアイドルだぞ?」

ほたる「あのっそうじゃなくて…なんでも言うこと聞いてくれるって…ドリンクの」

P「え?あ、おう。なんでもいいぞ…」

55: 2014/11/02(日) 02:56:56 ID:QDhoM.sc
ほたる「ぎゅって…してくれませんか?」

P「い、いやそういうなんでもじゃなくて…」

ほたる「お願いします!」

P「はぁ…凛といいほたるといいなんでみんな…」

ほたる「渋谷さん?渋谷さんがどうかしたんですか?」

P「何でもない!ん"ん"!じゃあ、行くぞ…」

ほたる「はい…」

ほたる(Pさんの心臓…どくどくしてる…)
ほたる(それに…やっぱりあったかい)

56: 2014/11/02(日) 02:57:35 ID:QDhoM.sc
P「よし、じゃあ俺は挨拶してくるから、その間に着替えておいてくれよ」

ほたる「プロデューサーさん!最後にひとつだけ、いいですか…?」

P「ま、まだあるのか…?」

ほたる「明日も明後日も、これからずーっと、一緒にいてくれますか?」

P「ふぅ…当たり前だろ!」ギュウ~

ほたる「あっ…ふふっ♪」


ほたる(やっぱりプロデューサーさんが、私の幸運です)


おわり

57: 2014/11/02(日) 03:00:04 ID:QDhoM.sc
またまた申し訳程度のドリンク暴落設定&クソシリアスになってまってすまんな

59: 2014/11/03(月) 03:13:44 ID:7kOzUF9s

引用: モバP「スタドリの価値が暴落した?」