314: 2016/09/27(火) 00:28:47.66 ID:fzTkyyfR0
PCの調子が悪いので別デバイスで投稿します。半角カタカナ使えないから全角にするけど気にしないでね!


Model Graphix ARCHIVES 艦隊これくしょん 「艦これ」2
315: 2016/09/27(火) 00:41:02.53 ID:fzTkyyfR0
ピンポーン

島風「お届けものだよー」



提督「郵便?誰から誰に?」

榛名「あ、たぶん榛名です。明石さんにちょっと頼み事をしてまして」

提督「……その組み合わせに嫌な予感しかしねえ」

榛名「大丈夫ですよ。提督に害はありませんから」

提督「ならいいんだが……」

榛名「それでは受け取ってきますね」タタッ

提督「……とりあえず心の準備だけはしておこう」

316: 2016/09/27(火) 00:53:20.91 ID:fzTkyyfR0
榛名「さて、受け取って箱を開けてみたはいいものの、どうしましょう」

榛名「見たところ説明書の類は入っていないようですし……入れ忘れでしょうか」

榛名「というかどこからどう見てもメガネにしか見えないのですが……これが本当にーーーー」

PiPiPi

榛名「はい、もしもし」

明石『あ、榛名ー?』

榛名「明石さん?」

明石『はいはーい明石さんですよー。そろそろ荷物が届いた頃かなって思ってね』

榛名「届きましたけど……これ、どうやって使えばいいんですか?説明書を入れたかどうかはきちんと確認しなきゃダメじゃないですか」

明石『いやいや、別に入れ忘れたわけじゃないよ。紙に書くより口頭で説明した方が楽そうだったから作らなかっただけ』

317: 2016/09/27(火) 01:18:29.94 ID:fzTkyyfR0
~翌日~

ヲ級「ヲ……呼バレタカラ来テミタケド、ドウシタノ?」

榛名「いらっしゃいヲ級ちゃん。まあ、説明することは山ほどありますが面倒なのでとりあえずこのメガネを掛けてください」つメガネ

ヲ級「……」スチャ

榛名「で、後はここをこうしてああすればーーーー」

榛名「ーーーー出来ました」

榛名「はいヲ級ちゃん。鏡を見てみてください」

ヲ級「……?」クルッ

ヲ級「……!?」

318: 2016/09/27(火) 01:42:20.48 ID:fzTkyyfR0
ヲ級「……誰?」

榛名「ヲ級ちゃんですよ。鏡を見てるんだから当たり前じゃないですか」

ヲ級「デモ、帽子無イシ」

榛名「無いですね」

ヲ級「肌モ肌色ダシ……」

榛名「肌色ですね」

ヲ級「ドコカラドウ見テモ、人間ノ女ノ子」

榛名「そうですね。まあ実際には人ではなく艦娘と同じ容姿になっているそうですが艤装を展開してなければ区別はつきませんしね」

榛名「何はともあれ、これでヲ級ちゃんが街に出ても騒ぎにはならないでしょう。思う存分、提督と出掛けられますね」

ヲ級「……!」

榛名「ちょうど明日の午後は提督も時間が空いています。デートでドキドキさせて一気に距離を縮めましょう!」

329: 2016/12/24(土) 01:27:06.79 ID:Hhs3fcxU0
ヲ級「榛名に言われた通り、駅前に来てみたけど……」キョロキョロ

オイアノコミテミロヨマジカワイクネ? アイドルミターイ アイドル!? ヤセンー! フタリトモウルサイデスヨ

ヲ級(な、何だか凄く見られてる気がする……!)

ヲ級「ど、どこか変ナノカナ――――ット、とと」

ヲ級(危ない危ない。発音にはちゃんと気をつけないと私が深海棲艦だってバレちゃう)



榛名『いいですか。ヲ級ちゃんに敵対の意志が無くてもあなたは人間にとって敵なのです。もし変装して街にいることがバレたら――――』

ヲ級『バレタラ?』

榛名『ホカーク、ジッケーン、バラバーラ、グッバイ!……みたいな感じになります』

ヲ級『ヲッ!?』

330: 2016/12/24(土) 01:27:59.06 ID:Hhs3fcxU0
ヲ級「…………」ブルッ

ヲ級「と、とにかく気をつけないと」

提督「もし、そこのお嬢さん」

ヲ級「ヲッ!?……じゃなくて、はい。なんでしょう」クルッ

ヲ級「ヲ」

提督「榛名が言っていた客というのはキミで会って――――」ピタッ

提督「……」ジー

ヲ級(な、なんだか凄い見つめられてる……)

提督「……赤いフレームのメガネ、探偵感溢れるチェックのハンチング帽。そして目印代わりの首元から掛けている懐中時計。うん、間違いなく榛名が言ってた奴だな」

ヲ級(よ、良かった。ただ確認してただけみた――――)

提督「――――で、どういうことか説明してもらえるか?ヲ級」

ヲ級「モウバレタ!?」

提督「いや、当たり前だろ。全体的に人間になってるけど、顔の造りとか体格とか基本的な要素は変わってないし」

ヲ級「ヲゥッ!」グサグサ

提督「……気づいてなかったのか。まあいいや、とりあえずさっさと移動しよう。人が多すぎておちおち話も出来ない」グイッ

ヲ級「あ……」

ヲ級(提督の手……あったかい……)///

331: 2016/12/24(土) 01:28:42.43 ID:Hhs3fcxU0
提督「……ん。一応、だいたいの事情はわかった」

提督「つまり、ゲームやらアニメやらマンガやらで陸に興味が湧いたお前が榛名に相談した結果、その明石製の偽装メガネで変装して出掛けることになったと。で、俺はお前のフォロー役をしつつ、何か問題を起こさないように監視する役目と」

ヲ級「そ、そうなの」

ヲ級(いくら何でも提督とデートしたかったって言う訳にはいかないし、事前に設定を考えておいてよかった……)

提督「……はあ。お前ら、せめて俺に一言くらい相談しろよ」

ヲ級「ご、ごめんなさい」シュン

提督「まあ過ぎたことだしもう気にしないが。そういうことならとりあえず街を適当に歩き回ってみるか。それとも、どこか行きたい所とかあるか?」

ヲ級「提督に任せる」

提督「よし、じゃあ――――」

332: 2016/12/24(土) 01:29:12.71 ID:Hhs3fcxU0
~いつものショッピングモール~

提督「さて、まずはどこに行こうか。服とか……は別にいいか。それ、似合ってるしな」

ヲ級「そ、そう?可愛い、かな?」テレテレ

提督「ああ、可愛い可愛い。いやマジで」

ヲ級「~~~~!」///

ヲ級(ありがとう榛名……本当にありがとう)

提督「本屋とかなら多少は親しみもあるし……うむ。まずは本屋に行ってみるか」

提督「ほら、行くぞヲ級」

ヲ級「う、うん!」タタッ

333: 2016/12/24(土) 01:29:51.07 ID:Hhs3fcxU0
ヲ級「マンガがいっぱいで幸せだった……」ポワポワ

提督「お前そんなにマンガ好きだったっけ?」

ヲ級「マンガだけじゃなくて、アニメもゲームも好き。海は娯楽が少ないから」

提督「あー、そうだろうな。なら数冊買えば良かったのに」

ヲ級「お金持ってない」

提督「……そりゃそうか。まあマンガの数冊くらいなら買ってやっても――――」

ヲ級「本当!?」ズイッ

提督「あ、ああ。荷物になるし、出る時にもう一回本屋に寄るか」

ヲ級「ヲ!」

334: 2016/12/24(土) 01:31:27.73 ID:Hhs3fcxU0
提督「何か見たいやつあるか?」

ヲ級「これ、とか」ユビサシ

提督「……ガチな恋愛物か」

ヲ級「ダメ?」

ヲ級(榛名曰く、恋愛映画は男女の関係を縮める必殺兵器。貸してもらったマンガでもそういう描写があった)

ヲ級(つまりこれで提督といい雰囲気に……私、かしこい!)

提督「あんま趣味じゃないんだが……仕方ないか」

335: 2016/12/24(土) 01:31:58.07 ID:Hhs3fcxU0
ヲ級「面白かった!」

提督「そうだな。結構楽しく観れた」

ヲ級「外国から帰ってきたヒロインが主人公からの告白を涙ながらに断るところで思わず泣きそうになっちゃった……」

提督「その後のヒロインのお姉ちゃんの胸の中で号泣するシーンは胸にくるものがあったな」

ヲ級 コクコク

提督「何にせよ映画を楽しんでもらえたようで何よりだ。もうそろそろ昼時だし、どっかで飯食って本屋で買い物したらここ出るか。その後は商店街の方に繰り出してみる感じでいいか?」

ヲ級「お昼ご飯……」グー

提督「……とりあえず早急にどこで飯食うか考えるか」

ヲ級「ヲ……」///

336: 2016/12/24(土) 01:32:56.57 ID:Hhs3fcxU0
~商店街にて~

ヲ級「ヲ……人がいっぱい……!」

提督「近くにデカいショッピングモールがある割りにここの商店街は人気だからな。うちの鎮守府もよくお世話になってる」

ヲ級「提督、あれ何?」ユビサシ

提督「ん?ああ、あれはジャック・オー・ランターンだな。ハロウィンの飾り付けの一つで、カボチャの中身を刳り貫いて作る。まあ流石に本物のカボチャを使うと色々マズイからそこら辺で飾ってるのはプラスチック製だけど」

ヲ級「ハロウィン?」

提督「知らないか?秋頃にあるイベントで、子供が仮装して『トリックオアトリート』と言ってお菓子をもらうんだよ」

ヲ級「楽しそう……」

提督「うちでも毎年、駆逐艦たちをメインにやってるんだが……」

ヲ級「……」ジー

提督「いくらなんでもお前を参加させるのは無理だからな」

ヲ級「ヲゥ……」シュン

提督「……その代わり、今日ここで思う存分ハロウィンを満喫しようぜ。丁度、それっぽいイベントもいくつかやってるみたいだし」

ヲ級「……!」ガバッ

ヲ級「うん!」

提督「じゃ、まずはそこの駄菓子屋でお菓子を貰ってくるか」

337: 2016/12/24(土) 01:34:04.25 ID:Hhs3fcxU0
~そして夜になり~

ヲ級「ハロウィン、楽しかった……」

提督「まさかあのジャイアントパンプキンロボが本当に動くとはな。開発者のメロン=ドラ・ムカン博士はいったい何者なんだ……」

ヲ級「お菓子もいっぱい貰えた。美味しかった!」

提督「満足してもらえたなら良かった。んじゃ、もう辺りも真っ暗だし、そろそろ解散にするか」

ヲ級「あ……」

提督「ん?」

ヲ級「あ、えっと、な、何でもない」

ヲ級(今日は本当に楽しかった。提督と色んな所に行って、いっぱい仲良くなれた)

ヲ級(だから――――)

ヲ級「また、一緒に遊んでくれる?」

提督「もちろん。また、一緒に遊びに行こう」

ヲ級「……」

ヲ級「うん。それじゃあ提督、また今度!」ニコッ

ヲ級(――――今日は無理でもいつか、あなたに想いを伝えられますように)

338: 2016/12/24(土) 01:49:19.39 ID:Hhs3fcxU0
ヲ級ちゃんデート回終了。ヲ級ちゃんの口調に気をつけながら書くのは難しかったよ……




榛名「榛名恋愛相談所」89人目

引用: 榛名「榛名恋愛相談所」 漣「3件目ですよご主人様!」