702: 涼宮ハルヒの仮入部~アイドル研究部編~ 2006/09/02(土) 00:35:30.06 ID:2rPXBFc90
入学式から2週間ほどがたつ。
ほとんどの生徒はまだ仮入部しているころあいかもしれないが、僕は真っ先にこの部活に入ったさ。

アイドル研究部

全く持ってすばらしい部活だ。こんな部活があるところに入学できるなんて。

今日も朝倉さんの髪からはいい匂いがした。
席が離れてるのが残念だ。今度は真後ろになるように祈っておこう。

さて、今日も授業が終わり、僕は部室にむかう。
昨日の放課後はクラスに残って、双眼鏡を持って校内のアイドルを観察してたんだけどね。
今日はその報告さ。

で、その報告をしているときだった。
扉が開いて、一人の少女が中に入ってきたのだ。

涼宮ハルヒ

朝倉さんより劣るものの、なかなかの美少女だ。
彼女がいろんな部活に仮入部していることは知っている。
だから、ここにも来たのだろう。
僕なら、こんな美少女がむこうから近づいてくるならたとえ、1日でも大歓迎さ。
涼宮ハルヒの劇場 「涼宮ハルヒ」シリーズ (角川スニーカー文庫)
703: 2006/09/02(土) 00:36:05.01 ID:2rPXBFc90
ただ、今は違う。
だって、今僕が報告していることは、
昨日、涼宮ハルヒが仮入部していたテニス部についてなのだから。
とりあえず、ササッとメモを隠し、僕は冷静をたもったね。

「仮入部したいんですけど」

やっぱり仮入部ね。
まあいい、せいぜい楽しんでいってくれ。僕も一緒に楽しむことにしよう。

「部長さんは?」
部長は今、僕の目の前にいる。
報告している相手が部長だからね。

で、もちろん涼宮ハルヒは部長の近く、つまり僕の近くに来たわけだ。
フフ、まずは匂いのチェックをさせてもらおう。
なかなかいい匂いだ。
朝倉さんほどではないけどね。

「ここって何するとこ?」
それから、部長の熱心な説明が始まる。
喋り終えた後の涼宮ハルヒはポカーンとしていたが、まあいい。
きっと彼女のことだ。そのまま帰るということはあるまい。

案の定、彼女はこのままいつづけた。
まあ、今まで見てきたところ、彼女も人間観察が好きなようだし、もしかしたらそのまま入部してくれるかもしれない。
と思ったのだが、涼宮ハルヒは急に立ち上がり、どこかへ向かった。
ただ、観察用紙を持っていったから帰ったというわけではないのだろう。
さて、僕も今日も実行に移すことにしよう。
美術部の成崎さんあたりがいいかもしれない。

704: 2006/09/02(土) 00:37:23.04 ID:2rPXBFc90
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、今日もいろいろ収穫があった。
あの成崎さんのゆったりした手の動きが美しい。
今度、匂いを嗅いでみることにしよう。

そして、僕は部室に戻ってきたんだが、そのころには涼宮ハルヒも戻ってきていて、何かを読んでいるようだ。
あの紙には見覚えがある。
表紙にはこう書いてあるはずだ。

『観察対象:涼宮ハルヒ』

そりゃもう、背中は冷や汗ダラダラさ。
そりゃもう、涼宮ハルヒが次にこちらを睨んだときは怖かったさ。
そりゃもう、半頃しぐらいは覚悟したさ。

706: 2006/09/02(土) 00:38:00.06 ID:2rPXBFc90
「あんた、何者?」
涼宮ハルヒは言った。
そんなことを言われてもなんていえばいいのだろう?
「白状しなさい。あたしに隠してること全て」
しかたない、ここはおとなしく言っておこう。
先ほど、髪の匂いを嗅いだこと、一番最初の体育の授業はちゃんと着替えを見ていたということ。
さらには、関係ないのに朝倉さんの後ろの席になりたいということまで言った。
「他にもあるでしょ?」
僕は、もしかしてめったに話をしない涼宮ハルヒと話していることはかなり貴重なのではないか?と思いながら
「断じてない」と答えた。
だが、涼宮ハルヒはそれでも納得していない様子だ。
他に何を知りたいというのだ?

「まあいいわ、でも今度あたしを観察しているようであれば、今度こそ白状してもらうからね」
だから、何を白状すればいいのか僕には全く持って分からない。
まあ、どちらにしろ、「分かった」とは言うけどね。
仕方ない、やっぱり僕は、朝倉さん一筋でいこう。
今度は、朝倉さんの後ろの席になりますように。

ん?あそこにも美少女が!
ふむふむ、朝比奈みくるというのか・・・

終わり

引用: ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」