306: 2013/11/02(土) 20:04:19 ID:45VM7Zww


第7話

「救出劇!」
映画「けいおん!」
307: 2013/11/02(土) 20:06:50 ID:45VM7Zww


ある晴れた日曜日、唯ちゃんとりっちゃんは公園で楽しくキャッチボールをしていました。



律「よーし!唯、いくぞ! それっ」シュッ

唯「ほいっ!」パシッ


律「うぅん…、今のは我ながらなかなか良い球が投げられたぜ!」

唯「……こんな球で満足するなんてりっちゃんもまだまだだね。あまちゃんだよ」

律「な、なんだとー!? じゃあ唯、私のを上回るボールを投げてみろよ!」

唯「おまかせください! 私がお手本を見せてあげるね!」フンス

律「くそー、偉そうに……。できるもんならやってみやがれ!」

308: 2013/11/02(土) 20:08:54 ID:45VM7Zww


唯「…じゃあいっくよー! 必殺!スーパージャイロナックルボール!!!」ツルッ

唯「…あっ」

律「っておいっ!!どこに投げてんだよ!」


ヒューン…… ポトッ


唯「あっ……あの家の塀の中に入っちゃった!!」

律「おいいいいいいい」

309: 2013/11/02(土) 20:10:54 ID:45VM7Zww


律「とりあえずボール取ってこいよ!」

唯「えー……。 あ、あのボールはもう諦めない?」

律「やだよ!てかあれ私のボールだし!!」

唯「だってー!あぁいう家にボール入れちゃうと……」




唯『すみませーん。ボール落としちゃいましたー。…てへっ』

家主『……』プルプル

唯『あ、あのぅ……』

家主『バッカモーン!!公園でボール遊びはしちゃダメだといつも言っとるだろうが!! ガミガミガミガミ……』

唯『ひぃいいいいい』



唯「…ってなるよきっと!」

律「いつの時代の話だよ!!」

311: 2013/11/03(日) 17:31:35 ID:CPWqTyK6


唯「でも、今の時代もそういう人がいないとは限らないでしょ? だからやめておこうよ……」

律「いーやーだー!あのボール結構高かったんだぞ! ていうか大体、今時そんな雷親父いるわけないだろ」

唯「そんなこと言ってるならりっちゃんがボール取ってくればいいじゃん!」

律「は、はぁ!?なんで私が!? ボール投げ込んだのは唯だろ!」

唯「だってりっちゃんは雷親父なんていないとと思ってるんでしょ? だったら怖いものもないんだしりっちゃんが取ってきてくれてもいいじゃん」

律「まぁそうだけどさぁ……」


唯「おねがーい。今度アイスおごるからさー…」

律「……2段重ねなら考えてやってもいいぜ」

312: 2013/11/03(日) 17:34:18 ID:CPWqTyK6


唯「う……。わ、分かったよ。背に腹はかえられないよ」

律「よーし、契約成立だな! まったく、今の時代そんな怖い人なんているはずないのに……。ラッキーだぜ」

唯「そんなこと言って油断してるときっとカミナリ落とされるよ……」ブルブル

律「ないない。心配するな、唯!私がスマートに取ってきてやるからな! そこで待ってなさい」

唯「あぁ……りっちゃん!無事に帰ってこれるよう祈ってるよ……」

律「大げさだなぁ……。じゃあ行ってくるな」

唯「りっちゃん!ご武運を!!」

313: 2013/11/03(日) 17:37:25 ID:CPWqTyK6


律「まったく。唯もビビりすぎだよなー、たかが庭に入ったボールを取ってくるだけだろうに」スタスタ


律「……この家だな。 うひゃー、結構な豪邸だなー…。まぁいいや、ちょっと失礼しますよ」キィーッ

律「そーっと、そーっと……」チラッ

番犬「……」ギロッ

律「え」


番犬「バウバウバウ!!!」

律「!? う、うわぁああああ!!?」ダッ



バウバウバウ!!! ウワァアアア

唯「!? これは…りっちゃんの声!?た、大変だ!」ダッ

315: 2013/11/06(水) 19:38:59 ID:Ni0TS/ZU


唯「りっちゃん!!だ、大丈夫!?」タタタッ

律「ハァ……、ハァ……。あ、唯…。と、突然犬にほえられて……」

唯「だから油断するなって言ったでしょ!油断大敵だよ!」

律「だ、ってまさかこんな大きな犬がいるとは思わなくって……」

番犬「……」ギロッ

律「しかもまだこっち見てるし……」

316: 2013/11/06(水) 19:40:06 ID:Ni0TS/ZU


唯「きっとりっちゃんのことが好きなんじゃない?」

律「縁起でもないこと言うなよ……」



律「でもどうしよう…。コイツがいる限りボール取れそうにないな…」

唯「…そうだね。怖いしねー」

律「とりあえずここから一旦出て作戦を練り直すか」

317: 2013/11/06(水) 19:47:01 ID:Ni0TS/ZU


五分後


唯律「うーん……」

紬「……あら?唯ちゃんとりっちゃんじゃない!唯ちゃーん!りっちゃーん!」ブンブン

唯「あ!ムギちゃんだ!」

紬「どうしたの?こんな道端で……? 考え事?」スタスタ

律「あー……ムギ、実はかくかくしかじかってことがあって……」

319: 2013/11/08(金) 18:25:08 ID:XMI0rppE


紬「……つまり大きな犬がいてボールが取りにいけなくて困ってるってことね?」

律「そういうこと。 ムギー、何かいい案ないー?」

紬「うーん、そうねぇ……」


紬「……あっ! いいこと思いついたわ!!唯ちゃん、りっちゃん!!ちょっと待ってて!」ダッ

唯「!? む、ムギちゃん!? ……もの凄いスピードで行っちゃった…」

律「ムギの奴 急にどうしたんだ…?」

320: 2013/11/08(金) 19:13:52 ID:XMI0rppE


数分後


紬「おまたせー」タタタッ

唯「あ!ムギちゃんおかえりー! …急にムギちゃん走りだしたからちょっとびっくりしたよ」

紬「ごめんね、唯ちゃん? でもいいもの買ってきたわよ!」

律「……コンビニの袋だな。何買ってきたんだ?」

紬「えぇ。ちょっとそこのコンビニで最高級品質のビーフジャーキーを買ってきたわ!!」 


律「……え?最高品質……?」

321: 2013/11/08(金) 19:25:18 ID:XMI0rppE


唯「!!なるほど! それをエサにして犬がビーフジャーキーを食べてるスキにボールを取に行くって作戦だね!」

紬「そういうことよ!唯ちゃんはもの分かりがいいわねー♪」ナデナデ

唯「えへへへ///」


律「おいちょっと待て。ムギ、そのビーフジャーキー一体いくらしたんだ……?」

紬「えーと、5000円くらいだったかしら」

唯「!? ご、ごせんえん!?」

律「高っ!! い、いいのかそんな高級なモノ使っちまって!」

紬「だってあそこのコンビニにはこの種類のしか売ってなかったから……」

律「品揃え悪っ!!なんだそのコンビニ! 全然コンビニエンスじゃねぇし!!」

323: 2013/11/09(土) 19:33:07 ID:cp3hTzDU


紬「…まぁそんなことよりも!今はボールを取らなきゃ、でしょ?値段なんか気にしてる場合じゃないわ」

唯「そうだよりっちゃん!今はボールを取るほうが大事だよ!」

律「そ、そうだよな! ……そうなのか?」

紬「とにかく、やってみましょ?」

律「わ、分かった。じゃあまずは私が入るからムギは後方から ビーフジャーキーで上手く犬の気を引いてくれ。頼んだぞ!」

紬「分かりました隊長!!」ビシィッ

324: 2013/11/09(土) 19:36:24 ID:cp3hTzDU


律「よし、行くぞ……」スタスタ

番犬「……!」ギロッ

唯「ひぃっ!き、気づかれちゃったよ!」

律「よし、今だ!! ムギ、ビーフジャーキーをっ!!」

紬「分かったわ!! それっ!」ポイッ

番犬「! ワンワン!!」ダッ

番犬「~♪」ムシャムシャ

律「よしっ! 今だ!!」ダッ


律「えーと、ボール、ボール……。どこだー?」キョロキョロ

番犬2「…………」ギロッ

律「……えっ」

325: 2013/11/09(土) 19:40:56 ID:cp3hTzDU


番犬2「バウバウバウ!!!」

律「うわぁっ!!!も、もう一匹いたのかよ!!」

唯「ちょっ……!りっちゃん大丈夫!?」

律「はぁ、 はぁ……。び、びっくりした……」


番犬2「グルルルル……」

唯「まさか2匹目がいたなんて……。しかももう一匹の犬より大きくて怖いよぉ……」

律「と、とりあえず離脱するぞ唯隊員!」ダッ

唯「アイアイサー!」ダッ

番犬2「バウバウバウ!!!」

327: 2013/11/12(火) 18:56:16 ID:NKM4jgoY


・・・・・・


紬「ど、どうだった!?」ドキドキ

唯「だめだったよ、ムギちゃん……」

律「まさかもう一匹いるとは……」


唯「ムギちゃん、もうビーフジャーキーは残ってないの?」

紬「ごめんなさい。一つしか買っていなくって……」

唯「そっかー……。残念……」

328: 2013/11/12(火) 19:03:15 ID:NKM4jgoY


紬「ま、またコンビニに行って買ってこようか?」

律「いやそれは流石にムギに申し訳ないよ。一個5000円だし……。別の方法を考えよう」

唯「ちょっと待って。お金はりっちゃんが出せばいいんじゃない?」

律「……唯隊員、私にそんな大金が出せると思うか? てか何度も言うけどボール投げ込んだのはお前だろ」

唯「そういえばそうだったね……。じゃあさっさと別の方法を考えようか!」

律「…ほんと、調子のいい奴だな」

唯「そうかな? えへへ……」

律「ほめてはないけどな」

329: 2013/11/12(火) 19:07:29 ID:NKM4jgoY


唯「……でもだからと言ってほかにいい方法あるのかなー? ここはやっぱりムギちゃんにもう一回コンビニに行ってもらった方が……」

センパーイ・・・

紬「あら?どこからか聞き覚えのある声が……?」

梓「唯先輩!律先輩!ムギ先輩!!」タタタッ

唯「あ、あずにゃん!?」

 
梓「はい。唯先輩こんにちは。 どうしたんですか、こんな道端で皆さん?遊んでいるわけでもなさそうですし」

律「あー、梓……。 実はかくかくしかじかってことがあってな……」

梓「……つまり、ボールがそこの家の庭に入ってしまって、番犬がいて ボールを取るのに苦労してるってことですね?」

唯「そういうこと! ……ねぇあずにゃーん。何かいい作戦ないー?」

331: 2013/11/13(水) 20:06:35 ID:iRPERZeU


梓「作戦って……。 そんなこと言ってるからいつまでたってもボール取れないんですよ。
  ここは家の人にきちんと謝ってからボールを取りにいくべきです!」

唯「えー!?そ、そんな危険な……!!」

梓「どこが危険なんですか! 悪いことをしたらきちんと謝ることは人として当然のことでしょう!」

律「そ、そうだけど……」

梓「なんでそんなにイヤそうなんですか! ただ謝るだけじゃないですか」

332: 2013/11/13(水) 20:09:57 ID:iRPERZeU


律「でも、なんかその……怒られたらいやだし」

梓「悪いことしたんだから怒られるのは当然でしょう!もうインターホン押しちゃいますよ」ピンポーン

律「ちょっ!待てはやまるn」


律「……あぁ、終わった……。何もかも…」

梓「んな大げさn」インターホン「Hello?」

律梓「え」


唯「!? え、英語っ!?」

紬「が、外国人さんが住んでいるのかしら……?」

334: 2013/11/14(木) 20:04:02 ID:0FXvaeeY


梓「ちょっ、えっ!? せ、先輩方どうしましょう!?」


律「……頑張れ、梓」

唯「応援してるよ、あずにゃん」

紬「梓ちゃんならきっと話せるわ」

梓「って何にもフォローしてくれないんですか!? てかなんで私が話すことになってるんですか!」

律「まぁ、言いだしっぺだし……」

唯「あと流れ的に?」

335: 2013/11/14(木) 20:07:08 ID:0FXvaeeY
梓「なんですか流れって!!」


梓「……あ!!そうだ確かムギ先輩は海外とかにもよく行かれるんですよね!?それなら結構英語も」紬「No」

梓「あ、はいそうですよねすみません嘘ですごめんなさい」


梓「……はぁー、分かりましたよ。私が頑張ってお話してみます」

紬「頑張ってー!梓ちゃーん!」

唯「フレー、フレー!あーずーにゃん!!」

律「梓ー!いったれー!」

梓(き、緊張してきたー!)ドキドキ

336: 2013/11/14(木) 20:10:53 ID:0FXvaeeY


梓「は、はろー……?」

インターホン「Who is it please?What is your business here?」

梓「び、びじねす……? あ、あの、えと…………。」

梓「ソ、ソーリー!!アイドントスピークイングリッシュウェル!! sumimasendeshitaッ!!」ダッ

紬「あ、梓ちゃーん!!」

339: 2013/11/17(日) 18:29:07 ID:2MDQihjA


・・・・・・


数分後


梓「すみません……。見苦しい姿をお見せしてしまって……」


律「いや、分かるぜ。梓の気持ち」

唯「そうそう。英語からは逃げ出したくなる時もあるよ。だから気にする必要なんてないよあずにゃん」

紬「そうよー。私たちは日本人なんだから日本語だけ話せればいいの。だからそんなに落ち込まないで、梓ちゃん?」

梓「そ、そうですよね!!英語なんて話せなくても生きていけますよね!!」

律「まぁセンター試験とかではほぼ英語必修だけどな」

梓「律先輩は慰めたいのかさらに落ち込ませたいのかどっちなんですか」

340: 2013/11/17(日) 18:30:15 ID:2MDQihjA


律「まあ、今はその問題よりもボールの問題だ。それにしても正攻法も使えないとなっちゃあ本当どうすればいいんだ……」

唯「りっちゃん……、もう諦めようよ。ボールは新しく買いなおそう?私もお金だすから」

律「……ダメだ。諦めるなんてダメだ! あのボールはな……」



一時間前


律『聡ー、ちょっとボール貸してー? 友達とキャッチボールするからさ』

聡『いいけど……絶対返せよな?』

律『分かってるって!!絶対返すから安心しろ!もし返さなかったら1000円やるよ!!』



律「……って言っちゃったんだよー」ウワーン

梓「何ですかそれ! 完全に自業自得じゃないですか!!」

343: 2013/11/18(月) 19:39:30 ID:0tgX07qM


梓「はぁ、何か思い出のボールなのかと思ったら……。まったく、心配して損しました。私もう帰っていいですか?」

律「そんなこと言うなよ梓ー!協力してくれよー」ガシッ

梓「いやですよ!私もいろいろと忙しいんですから」


律「……ケチだな」ボソッ

梓「何か言いましたか!?」クワッ

律「な、なんでもありませーん……」

344: 2013/11/18(月) 19:43:31 ID:0tgX07qM


紬「でもりっちゃんどうする? 1000円くらいなら貸してあげようか?」

律「いや、ビーフジャーキーも買ってもらって1000円まで貸してもらったら流石にムギに申し訳ないよ……」

唯「じゃあ聡くんの口を封じるとか!」

梓「怖いこと言わないでくださいよ……。もっと別の方法があるでしょうに」

唯「例えば?」

梓「それはもちろん……、その……。ほ、ほら!アレですよアレ!」

唯「あー、アレか~」

梓「そう!それですっ!!」

律「どれだよ」

梓「……どれでしょう」

345: 2013/11/18(月) 19:48:56 ID:0tgX07qM


紬「……何にも考えてなかったのね、梓ちゃん」

梓「はいごめんなさい。 ……すみません(なんかさっきから謝ってばかりな気がする……)」

唯「でもそんなアレにゃんもかわいいよー!!」ギュー

梓「ギニャー!!やめてください!こんな道の真ん中で…! あと誰がアレにゃんですか!!」



・・・・・・


澪「……たまにはその辺を散策してみるのもいいもんだなぁ」


ギニャー!!ヤメテクダサイ! コンナミチノマンナカデ!

澪「……? これは……梓の声?こっちの方から聞こえたな」

澪「……ちょっと行ってみるか」スタスタ

347: 2013/11/19(火) 19:28:53 ID:/RyABn8o


澪「あ、いたいた。てかみんないるじゃないか」

澪「おーい!何やってるんだー、みんなしてー!」

律「!? み、みお!?」クルッ

紬「あら、澪ちゃんも来たのね!」

澪「来たというよりは偶然通りかかっただけだけどな」


唯「でも偶然とはいえ、これでみんな揃っちゃったね!」

梓「ほんとすごい偶然ですね……」

律「一生分の運は使い切っちゃったかもな。まあ全部梓の運だけど」

梓「なんで私の分だけなんですか!!」

348: 2013/11/19(火) 19:30:44 ID:/RyABn8o


澪「お前ら少しは静かにしろよ……近所迷惑になるぞ」

律「やーい、怒られてやんのー」

梓「誰のせいですかッ……むぐぐ…アトデオボエテロデス」



澪「はぁ、まあいいや。で、お前たちはこんな道端で一体何してるんだ?ピンポンダッシュとかならやめとけよ」

律「小学生かよ! …そんなことじゃねえよ。実は、かくかく(ry」

梓(この人めんどくさくなって略した!)

352: 2013/11/20(水) 19:27:23 ID:KmoYrbcA


澪「……要するに、あの家にボールが入っちゃって困ってるってわけか」

紬「そういうことね」

唯「ねぇー、澪ちゃーん、何かいい作戦なーい?」

澪「作戦って……。作戦なんて立てるまでもないだろう、私が取ってきてやるよ」

梓「え!?み、澪先輩!話聞いてましたか!? 家の中には番犬がいるんですよ!澪先輩は特にやめておいた方が無難かと思うんですが……」

澪「まあ見てろって、梓」スタスタ

唯「ちょっ!澪ちゃん!? ……本当に大丈夫なのかなぁ?」

353: 2013/11/20(水) 19:29:19 ID:KmoYrbcA


澪「……こいつらだな?」スタスタ

番犬たち「……」ギロッ


唯「ひいっ!さ、早速澪ちゃんが番犬に気づかれちゃったよ!」

紬「ま、またほえられちゃうわよ! 澪ちゃん大丈夫かしr」

澪「おー、よしよし」ナデナデ

番犬たち「……ワンワン♪」

唯律紬梓「……なっ!?」

354: 2013/11/20(水) 19:32:06 ID:KmoYrbcA


律「な……嘘だろ!? あ、あのいかつい眼をした凶暴な番犬が……!」

梓「澪先輩になついている!?」

紬「す、すごいわ澪ちゃん!!」


澪「……?何でそんなにみんな驚いてるんだ? 確かに顔はちょっと怖いけど、かわいい犬じゃないか」ナデナデ

唯「手馴れてる……」

澪「よしよーし。 ……あ、ボールを探さなきゃ、だったな。えーと、ボールは、っと……」キョロキョロ

澪「あ、あった。あれだな」ヒョイッ

澪「ほら、律。これだろ? 取ってきてやったぞ」

356: 2013/11/21(木) 19:47:58 ID:L7qDdClE


律「あ、ありがとう……。よく取ってこられたな…」

唯「さっきまであんなに苦労してたのが嘘みたいだよ……」

紬「改めてすごいわね、澪ちゃん…」

澪「いやいやこんなの朝飯前だよ。……あの頃と比べたらな。な、律?」

律「は?あの頃……?」


律「……あっ!!まさか……!」

澪「思い出したか。まあお前はよーく知ってるだろうな」

梓「……澪先輩?何なんですか、『あの頃』って」

澪「あぁ、みんなにも説明してやらなきゃな。あの頃ってのはな……」

357: 2013/11/21(木) 19:51:25 ID:L7qDdClE


・・・・・・

八年前のある日の下校時


りつ「ねーねー、みおちゃーん。今日はちがう道から帰ってみないー?」

みお「えっ?なんで?」

りつ「実はねー、この前あっちの道ですっごくかわいい犬を見たんだー! だからみおちゃんにも見せてあげたくって……」

みお「本当!?わ、わたしも見てみたい!!」


りつ「じゃあ決まりだねー!さっそく見にいってみよー!」

みお「う、うん……!!」

359: 2013/11/23(土) 17:20:14 ID:SgnOxFfQ


数分後


りつ「……着いた! この家だよー」

みお「へぇー、大きな家だねー。 ……で、犬さんはどこにいるの?」

りつ「この家の中だよー。だからみおちゃん!犬を見るには家の中に入らないと!」

みお「え……。でも人の家に勝手に入るのは……」

りつ「大丈夫だよー!ちょっとだけなら! 犬を見るだけだし」

みお「そうかなぁ……」

360: 2013/11/23(土) 17:21:12 ID:SgnOxFfQ


りつ「じゃあみおちゃんはかわいい犬さんを見なくていいの?」

みお「あ……。それは……」


みお「……わかった。ちょっとだけならいいよね……?じゃあちょっと見てくるねりっちゃん!」

りつ「うんっ!!」

みお「~♪」スタスタ


りつ(……引っかかったね!みおちゃん!!)ニシシ

361: 2013/11/23(土) 17:24:31 ID:SgnOxFfQ


みお「犬さん、どこかなー……?」キョロキョロ

番犬「グルル……」ギロッ

みお「えっ」


番犬「ワンワンワンワン!!!」

みお「えっ!!? う、うわぁああああ!!?」バタッ

みお「」


りつ「いえーい!みおちゃん驚かせ作戦大成こ……ってみおちゃーん!?」ユサユサ


・・・・・・

363: 2013/11/24(日) 15:42:31 ID:KlVQ9n5Y


澪「……あんなことを何度もされたらそりゃ慣れますよ」

律「そ、そういえばそんなこともあったな……」


律「まあ、あれも実は澪がもっと犬好きになるように私が仕組んだ作戦だったんだけどな!!」

梓「……1000%嘘ですね」

律「そこまで全力で否定しなくてもいいじゃん!」

364: 2013/11/24(日) 15:45:37 ID:KlVQ9n5Y


紬「でも、これで無事にボールも取れたわけだし!これで一件落着ね」

澪「そうだな。まったく、もうボール投げ込むなよな?ほら律、ボール」シュッ

律「投げ込んだのは私じゃないのに……」パシッ

唯「ま、まあ細かいことはいいじゃん!!みんなでボールを救出した記念に万歳三唱しよう!!」

律(こいつごまかしやがった!)


梓「てか救出って……そんな大層な」

紬「でもそれなりに苦労したわけだし、大げさな表現ではないと思うわ! まさに救出劇ね!」

梓「そうです かねぇ……」

365: 2013/11/24(日) 15:48:06 ID:KlVQ9n5Y


唯「ムギちゃん、あずにゃん何やってるの?早くみんなで万歳三唱するよ!」

梓「……私もやらなきゃダメですか?」

唯「当たり前でしょ!マストだよマスト!」

梓「なんで英語なんですか……」


梓「…はぁ、まったく。分かりましたよ、手短にお願いしますよ」

唯「そうこなくっちゃ!」


唯「よーし!あずにゃんの許可ももらったことだし!みんなで万歳三唱だよ!!」

律紬「おー!!」


澪「……まあ付き合ってやろう、梓」

梓「……はいっ!」

367: 2013/11/25(月) 19:17:52 ID:MPokg05o


唯「それじゃあいっくよー!! バンザーイ!!」

澪紬梓「バンザーイ!」

律「バンザー……」ツルッ

律「いっ」

梓「うっ」

澪「えっ」


ヒューン…… ゴンッ!!


……キシャアアアア!!

368: 2013/11/25(月) 19:19:10 ID:MPokg05o


律「あ、て、手がすべって……」

梓「ボールが今度はあっちの家に……。てかなんかすごい鳴き声が聞こえてきたんですけど」

紬「……あれはアマゾンの密林に暮らす凶暴な動物の鳴き声ね」

唯「てことはその凶暴な動物がいる家にボールが落ちたってこと!?」

律「……そのようだな」

梓「冷静に分析してる場合ですかっ!!」


律「なーに大丈夫だ梓。心配は無用だ、澪がまた取ってきてくれるから……」

澪「無理だっ!!!」ゴチンッ


おわれ

引用: 澪「けいおんの短編集です」