1: 2015/01/03(土) 16:34:13.00 ID:zLyUBGNuo
注:このSSにはコードギアスの重大なネタバレがあります

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海の画集 -「艦これ」公式イラスト集-


2: 2015/01/03(土) 16:35:48.23 ID:zLyUBGNuo
「第一話 魔神、再誕」

~ゼロ・レクイエムより1カ月後、神根島~

ジェレミア「ここでいいのか? C.C.?」

棺を地に降ろし、ジェレミアは緑髪の魔女に問いかけた。

C.C.「ああ……ここでいい……」

棺の中には第99代神聖ブリタニア皇帝、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが眠っている。

C.C.「苦労したろ? ルルーシュの遺骸を守り続けるのは……」

ジェレミア「これも、我が忠誠の証だ、どうということはない」

C.C.「それでも、ゼロ・レクイエムの混乱の中でルルーシュの遺骸を確保するのは至難
     の業だったろうに……ルルーシュに代わって礼を言わせてもらう」

ジェレミア「この御方の苦悩に比べれば、何程の事があろうか……礼など不要だ」

C.C.「……」

3: 2015/01/03(土) 16:37:56.37 ID:zLyUBGNuo
ジェレミア「一つ聞いてもよいだろうか?」

C.C.「何だ?」

ジェレミア「埋葬地をこの場所にしたのは分からないでもない……ルルーシュ様を埋葬し
      たいなどという者は、ごく限られているからな……それに、ギアスに翻弄され
      たこの御方を縁のあるこの遺跡に埋葬するのも、理解できる……」

C.C.「……」

ジェレミア「だが、埋葬を1カ月も待たせたのは何故だ?
      私としては、早くこの御方に安らぎをもたらしてほしかったのだが……」

C.C.「確認したい事があったからな」

ジェレミア「それは?」

C.C.「もう済んだ事だ……ルルーシュは確かに氏んだ、甦る事もない……後は、埋めて
     やるだけだ」

ジェレミア「むぅ……」

4: 2015/01/03(土) 16:39:19.97 ID:zLyUBGNuo
C.C.「それじゃ、墓穴を掘るのをお願いするよ」

ジェレミア「うむ……KMFがあれば楽なのだが……」

C.C.「仕方あるまい、日本人はいまだKMFに心理的抵抗がある……KMFを運用する
     など、ルルーシュの遺骸を運び込むより面倒かもしれんぞ?」

ジェレミア「それもそうだな……まあ、これも農作業の予行練習だと思ってやってみるさ」

C.C.「そういえば、田舎でオレンジ農家をやるんだって? ジェレミア、お前、余程そ
    の呼び名が気に入ったのだな?」

ジェレミア「我が主より賜った忠義の名だ、忘れはしないさ」

C.C.「そうだったな……フフッ」

そう言ってC.C.が昔を懐かしむように笑った瞬間、突然遺跡が鳴動し始めた。

ジェレミア「な、何だ!?」

C.C.「バカな! 私は何も遺跡に干渉していないぞ!?」

ゴゴゴ……

5: 2015/01/03(土) 16:41:01.72 ID:zLyUBGNuo
遺跡の鳴動と共に棺の蓋が開き、ルルーシュの遺体がまるで何者かに持ち上げられる様に
宙に浮きはじめた。

ジェレミア「ル、ルルーシュ様!!」

C.C.「アーカーシャの剣が作動している……!?」

宙に浮いたルルーシュの遺体は、ゆっくりと遺跡の紋様に向かって吸い寄せられていく。

C.C.「い、いかん! ジェレミア! 止めろ!!」

ジェレミア「承知!!」

ジェレミアがルルーシュの身体を引き留めようと突進した時、その身体は目に見えない壁のような物に遮られた。

ガギンッ!!

ジェレミア「ぐあっ!!」

C.C.「まさか……Cの世界の意思……?」

6: 2015/01/03(土) 16:43:02.12 ID:zLyUBGNuo
ルルーシュの身体はもう半ば遺跡の扉に吸い込まれている。

C.C.「ま、待て! 何処へいく、ルルーシュ!?」

C.C.は必氏にルルーシュの身体に取り縋る。

ジェレミア「ぐ……ギアスを持つ者しかこの先へは進めないというのか……!!」

ジェレミアが見えない壁を越えようとするが、何度試してみても跳ね返されるばかりだ。

C.C.「ルルーシュ!! お前は私の……!」

C.C.が何か言いかけた時、二人の身体は完全に遺跡の扉に吸い込まれた。

ジェレミア「ル、ルルーシュ様……」

ジェレミアがその場にへたり込んだ時、既に遺跡の鳴動はピタリと収まっていた。

7: 2015/01/03(土) 16:45:01.35 ID:zLyUBGNuo
~神根島?~

C.C.「……きろ! ……起きろ! ルルーシュ!!」

ルルーシュ「……C.C.……? ガハッ、ゴホッ!!」

目覚めると同時に、ルルーシュは肺から大量の血液を吐いた。

C.C.「起きたか……傷は塞がっていたが、肺に血が残ってたんだろう……」

ルルーシュ「何故……ガハッ! 俺が……生きて……ゴホッ!!」

C.C.「言いたい事は分かるが、とりあえず、全部吐くまで喋るな」

8: 2015/01/03(土) 16:47:02.90 ID:zLyUBGNuo
血を全部吐き終えて、一息ついたルルーシュはC.C.を質問攻めにした。

ルルーシュ「……それで、神根島で俺を埋葬しようとしたら遺跡が発動してここに飛ばされ
      て、俺が生き返っていただと?」ゴホッゴホツ

C.C.「そうだ……正直、何が何だか分からん」

ルルーシュ「……シャルルのコードが知らぬ間に俺に移っていた、という可能性は?」

C.C.「その可能性を考えて、お前の遺体を1カ月の間保存して観察していたが、お前は
     完全に氏んでいた……念の為、そこらにある草でお前の指を切ってみたのだが
     ……」

ルルーシュ「ああ、これか……」

ルルーシュの小指からは血が滴っていた。

C.C.「傷がもう一度復元する様子もない……お前にはコードは移っていない」

ルルーシュ「……」

9: 2015/01/03(土) 16:49:02.41 ID:zLyUBGNuo
ルルーシュ「……俺の氏後、世界はどうなった?」

C.C.「……概ね、お前の予測通りだ」

ルルーシュ「詳しく聞きたい」

C.C.「ブリタニアは合衆国へと姿を変え、ナナリーが初代大統領となった……スザク…
     …いや、ゼロがその後見人となり、国際連邦への参加を協議している所だ」

ルルーシュ「日本は?」

C.C.「元黒の騎士団の扇要が首相となり、独立を果たした……ブリタニアや中華連邦と
     の友好条約も調印された」

ルルーシュ「扇か……」

C.C.「……思う所があるか?」

ルルーシュ「まさか、俺はそれほど狭量じゃない、妥当な人選だと思っただけだ」

10: 2015/01/03(土) 16:51:02.81 ID:zLyUBGNuo
C.C.「この世の全てがお前を憎もうとも、私はお前を誇りに思う。
     お前はナナリーの望む「優しい世界」を実現させたんだ」

ルルーシュ「フン……母親気取りか?」

C.C.「坊やは生き返っても口が悪いな……フフッ」

ルルーシュ「しかし、生き返ってもこの世に俺の居場所は無い……」

C.C.「……」

ルルーシュ「C.C.……もし良かったら、俺と二人で、何処か誰も知らない場所で……」

ルルーシュがそう言いかけた時、砲撃の炸裂音が鳴り響いた。

C.C.「!!」

ルルーシュ「戦闘だと!? 内戦地帯の国にでも飛ばされたのか、俺達は!?」

11: 2015/01/03(土) 16:53:08.97 ID:zLyUBGNuo
~海上~

長門「41センチ砲、一斉掃射だ!! てぇーっ!!」ドォン

赤城「敵殲滅……やっと沖ノ島を攻略できましたね……」

長門「良し!! 神通達水雷戦隊は残敵掃討と周辺警戒にあたれ!」

神通『了解です、長門さん!』

12: 2015/01/03(土) 16:55:01.47 ID:zLyUBGNuo
~沖ノ島~

ルルーシュ「バ、バカな……! あの護衛艦らしき艦に掲げられているのは……!」

C.C.「日ノ丸……」

13: 2015/01/03(土) 16:57:01.89 ID:zLyUBGNuo
次回予告

馬鹿な……! 日本は平和になった筈だ!
海上で暴れているのはテ口リストか、それとも……。
いずれにせよ、俺は真実を見定めなければならない……。
ナナリーの望んだ「優しい世界」を守るためにも……!
その為なら……俺は……!!

次回「鹿屋基地」

23: 2015/01/04(日) 15:23:41.13 ID:/bzXepRdo
「第二話 鹿屋基地」

~沖ノ島~

C.C.「どうやらこちらを捜索しているようだな……」

ルルーシュ「海上をスケーティングしている……? 足に何かフローティングする装置で
      も付けているのか……?」

C.C.「どうする? ルルーシュ?」

ルルーシュ「接触してみよう……まずは現状を把握しなくては……場合によっては……」

C.C.「……ギアスを使うのか?」

ルルーシュ「非常事態だ、致し方あるまい」

24: 2015/01/04(日) 15:25:01.03 ID:/bzXepRdo
~海岸~

神通「! 長門さん! 沖ノ島に人影が見えます! 武装はしていません、民間人のようで
   す!」

長門『こんな場所に民間人が……? 怪しいな……とりあえず簡単な尋問をしろ、場合によ
   っては、拘束も許可する』

神通「了解です!」

26: 2015/01/04(日) 15:27:18.52 ID:/bzXepRdo
C.C.「こちらに向かってくるな……」

ルルーシュ「何も知らない一般人を装うんだぞ……いいな?」

C.C.「その恰好でか?」

ルルーシュは皇帝の装束を着ていた。

ルルーシュ「お前等が棺にこの格好で入れたんだろうが!」

C.C.「こんな事になるとは誰も思わないだろう?」

ルルーシュ「……とにかく、皇帝ルルーシュだと気付かれても、こちらにはギアスがある」

27: 2015/01/04(日) 15:29:01.75 ID:/bzXepRdo
神通「そこの人達! 両手を上げてこちらに来てください!」チャキッ

ルルーシュ「ああ……」

ルルーシュ(何だ……あの武器は……? まるで軍艦の艤装を模した物のようだが……)

神通(何? この人……? まるで舞台役者みたいな格好してこんな所に……怪しすぎる
   ……それに、横の女性……あれは拘束服?)

神通「そこで止まってください! この艤装は人間に対しては効果が薄いですが、それでも
   当たると痛いですよ!」

ルルーシュ「……抵抗はしない」

神通「簡単な尋問をさせてもらいます」

ルルーシュ「ああ……それより……」

ルルーシュは目のゴミを取るふりをしてコンタクトを外し、

ルルーシュ「俺の質問に全て答えてもらおうか」シュィーン

ギアスを発動させた。

28: 2015/01/04(日) 15:31:11.75 ID:/bzXepRdo
神通「……? 質問しているのはこちらのほうです! まずは貴方達の国籍を教えてくだ
   さい」

ルルーシュ「!?」

C.C.「!」

ルルーシュ(ギアスが効かない!? 何だこの女!? いや、俺のギアス能力が失われてし
      まったのか?)

神通「……? どうしました?」

ルルーシュ「い、いや……何でもない……出身はブリタニアだ……」

ルルーシュ(日本とブリタニアは国交を回復した……この解答に間違いは無いはずだ……)

神通「ブリタニア? それは何処ですか? EUの一部ですか?」

ルルーシュ「な、何っ!?」

C.C.「!?」

神通「?」

29: 2015/01/04(日) 15:33:02.85 ID:/bzXepRdo
ルルーシュ「何を言ってる! 元の神聖ブリタニア帝国だ! 現ブリタニア合衆国の!!」

神通「そのような国名は聞いたことがありませんが……」

ルルーシュ「な……!!」

神通「……もう一度聞きます、貴方達の国籍は?」チャキッ

ルルーシュ(訳が分からない……い、いや、今は怪しまれているこの状況を何とかする必要
      がある……そういえばこの女、さっきEUと言ったな?)

ルルーシュ「国籍は……EUだ……」

神通「EUですか、EUのどの国ですか?」

ルルーシュ「イングランド州……いや、イングランドだ……」

神通「英国ですか、では次の質問です、何故この島にいたのです?」

ルルーシュ(どう答えれば自然か……)

30: 2015/01/04(日) 15:35:01.31 ID:/bzXepRdo
ルルーシュ「近くをクルージングしていたら戦闘に巻き込まれてしまってね……この島に
      打ち上げられてしまったのさ」

ルルーシュ(これで……どうだ?)

神通「クルージング?」

ルルーシュ「ああ……」

神通「そうですか……では、貴方達を拘束させてもらいます」

ルルーシュ「そうか……理由を聞いてもいいか?」

神通「この沖ノ島周辺海域は国際協定によって民間船の航行が禁じられています。
   そもそも、深海棲艦がいるこの時世に、クルージングなどありえません」

ルルーシュ(シンカイ……セイカン……?)

神通「貴方達は怪しすぎます……独断ですが、スパイ容疑で拘束させてもらいます」

ルルーシュ「分かった……行き違いがあるようだ……取り調べでもなんでもしてもらおう」

神通「……分かりました、では、ボートを用意しますので、それで護衛艦「おおすみ」に搭
   乗してください、鹿屋基地で尋問を受けてもらいます」

ルルーシュ「ああ……お手柔らかに」

神通「それは、そちら次第です」

32: 2015/01/04(日) 15:37:01.01 ID:/bzXepRdo
~「おおすみ」内部~

下士官「おおすみには営倉などの施設は無い為、この下士官室で我慢してください」

ルルーシュ「ああ」

下士官「外側から鍵は掛けられませんが、私が警備していますので、暴れたり、脱走する事
    の無いようにお願いします」

ルルーシュ「分かっている……ああ、それと」

下士官「はい?」

ルルーシュ「私に便宜を図ってくれないか?」シュィーン

下士官「……了解しました」

ルルーシュ(ギアスは失われていない……とすれば、何なのだ、あの女は……?)

33: 2015/01/04(日) 15:39:14.37 ID:/bzXepRdo
コンコン

ルルーシュ「C.C.、いるか?」

C.C.「……遅い」

ルルーシュ「そう言うな……時間が無い、手短に伝えるぞ」

C.C.「何だ……」

ルルーシュ「基地で何を聞かれても、知らぬ存ぜぬで通せ、全て俺が知っていると言え」

C.C.「ギアスは健在か……」

ルルーシュ「ああ……」

C.C.「では、また後でな」

34: 2015/01/04(日) 15:41:02.91 ID:/bzXepRdo
~鹿屋基地、提督私室~

(仮)提督「悪いが、取り調べ室など無いのでね、ここで我慢してもらおうか」

ルルーシュ「構いませんよ」

仮提督「君には不自然な点が多々あると報告があった、まずは日本に来た目的から……」

ルルーシュ「その前に……」

仮提督「ん? 何か……」

ルルーシュ「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる! 我が僕となれ!!」シュィーン

仮提督「……了解しました……」

ルルーシュ「よし……まずは、世界情勢からゆっくり教えてもらおうか……」

仮提督「はい……」

35: 2015/01/04(日) 15:43:01.22 ID:/bzXepRdo
ルルーシュが仮提督から聞き出した世界情勢は、自らの常識とは全くかけ離れた物だった。
この世界ではジョージ・ワシントンは戦氏しておらず、ブリタニア帝国が存在した形跡も無
い。
新大陸におけるアメリカ合衆国の勃興とその隆盛……この世界における太平洋戦争……大
日本帝国とその敗北……原子爆弾……。
そして戦後の高度経済成長を経て、今現在に至る……。

ルルーシュ「では、この日本ではサクラダイトは産出されていないのか?」

仮提督「サクラダイト……? 何ですかそれは……?」

ルルーシュ「……いや、何でもない……それでは、エネルギーは何で賄っているのだ?」

仮提督「主に火力、水力、原子力発電です……」

ルルーシュ(原子力……フレイヤの様な物か……)

36: 2015/01/04(日) 15:45:02.57 ID:/bzXepRdo
ルルーシュ「質問を変えよう、俺を捕縛した、あの女は何者だ?」

仮提督「神通ですか……? 彼女は艦娘で、軽巡洋艦です……」

ルルーシュ「艦娘とは何だ?」

仮提督「3年前から現れた深海棲艦を相手にするために突如現れた……」

ルルーシュ「待て、話が前後した、まずはその、深海棲艦とやらについて説明してくれ」

仮提督「はい……」

37: 2015/01/04(日) 15:47:27.41 ID:/bzXepRdo
仮提督「……」

ルルーシュ「どうした? 話してくれ」

仮提督「……奴等については、未だほとんど何も分かっていません……3年前に突如世界中
    の海上に現れ、制海権を握りました……」

ルルーシュ「制海権を? それでは、島国の日本は干上がってしまうのではないのか?」

仮提督「はい……国民は今、かつての経済大国の見る影もなく、飢えに苦しんでいます……
    限られた物資は空輸するか、前倒しで作られた樺太トンネルによる大陸からの輸
    送に依存しています……」

ルルーシュ「……」

仮提督「奴等には通常兵器は通じません……米国により核も使用されましたが、無駄に終わ
    りました……」

ルルーシュ「通常兵器が通用しない? それでは、どうやって戦っている?」

仮提督「艦娘です……」

ルルーシュ「何?」

38: 2015/01/04(日) 15:49:38.11 ID:/bzXepRdo
仮提督「深海棲艦による被害が深刻になっていくある日、彼女達は突然海上に現れ、太平洋
    戦争時の軍艦の名前を名乗りました……」

ルルーシュ「軍艦の名前?」

仮提督「はい、「自分たちは軍艦の記憶を持っている」と……初めは懐疑的だった軍も、彼
    女達が実戦で威力を発揮するのを見て、各地に彼女達が力を発揮する為の鎮守府
    を作りました……この鹿屋基地もその一つです……」

ルルーシュ「まとめると、艦娘とは何だ?」

仮提督「解明されていません……昔の軍艦が甦った戦闘妖精だと言う人もいます……」

ルルーシュ「艦娘の入手手段は?」

仮提督「バラバラです……当初は戦闘に勝利した後に海上に突然現れたりしていました
    ……今は、志願した娘が、艦娘の協力を得て艦娘に「なる」ケースもあります
    ……」

ルルーシュ「なるほど……だいたい分かったよ……」

39: 2015/01/04(日) 15:51:03.22 ID:/bzXepRdo
~鹿屋基地、談話室~

神通「長門さん、あの人達、どうなるんでしょう?」

長門「さあな、いずれ憲兵が来て判断するだろう……」

神通「それはそうですけど……」

長門「何だ? 引っ掛かる事でもあるのか?」

神通「何だか、あの人達と話した時、違和感を感じたんです」

長門「違和感?」

神通「はい、まるで、おとぎ話の中から出てきた人のような印象を受けて……」

長門「フフ……錯覚だよ、それは……おとぎ話や奇跡など、この世にある筈も無い……」

神通「はあ……」

仮提督「ああ、二人とも、ここにいたのか……」

長門「ああ、ていと……!」

神通「!」

ルルーシュ「……」

C.C.「……」

40: 2015/01/04(日) 15:53:16.52 ID:/bzXepRdo

神通「て、提督! 何故この人達がここに!?」

仮提督「ああ、この人達の嫌疑は晴れた」

長門「憲兵を待たずに決定していいのか?」

仮提督「ああ、この人達は英国から派遣された極秘大使で、特殊任務を負っていた……。
    任務内容を秘匿する為、行き違いがあったようだが、それも解消された」

神通「はあ……それなら憲兵の尋問にかける訳にはいきませんね……」

長門「話が出来過ぎているな……大使館に問い合わせなくていいのか?」

ルルーシュ「高度に政治的な任務なので、大使にも知らされていないんだ、手を煩わせてし
      しまって済まなかったね?」

長門「フン……これに懲りたら、二度と戦場に足を踏み入れぬ事だな」

ルルーシュ「気を付けるよ」

41: 2015/01/04(日) 15:55:02.55 ID:/bzXepRdo
神通「それで、わざわざ談話室に来てまで、何の御用でしょうか……?」

ルルーシュ「なに……拾い上げてくれたお礼が言いたくてね……それと……」

長門「それと?」

ルルーシュ「俺達の服は流されてしまってね……これ以外に無いんだ。
      街を案内して、服屋を紹介してくれないかな?」

神通「確かに、その恰好じゃ悪目立ちしすぎますね……分かりました、私が案内します」

長門「この国の通貨は持っているのか?」

ルルーシュ「なんとか、ね」

C.C.(ここの提督から巻き上げたからな……)

42: 2015/01/04(日) 15:57:01.29 ID:/bzXepRdo
次回予告

常識の全く異なる異世界……ナナリーのいない世界……
俺はこの世界に何故飛ばされた?
ナナリー達のいない日本を守る必要があるのか?
しかし、ここにも苦しむ弱者がいる……
俺は……俺は……どうすればいい!?

次回「日本制圧」

48: 2015/01/05(月) 14:03:11.90 ID:48vx9wqgo
~市街地~

神通「すみません……服屋はもう少し先になります……」

ルルーシュ「構わないさ……だが……」

神通「?」

ルルーシュ「あの行列は何だ……?」

神通「あ……その、お米と野菜の配給です……」

ルルーシュ「……」

C.C.「……」

49: 2015/01/05(月) 14:05:39.73 ID:48vx9wqgo
神通「ここがこの街で一番大きな服屋です」

ルルーシュ「分かった、ここまでありがとう」

神通「駅までお送りしなくて大丈夫ですか?」

ルルーシュ「これ以上軍人さんの手を煩わせる訳にはいかない……ご協力、感謝する」

神通「分かりました……お気をつけて」

神通は一礼して去って行った。

ルルーシュ「さて……目立たない程度の服を買うか……」

C.C.「服は私が選ぶぞ、お前のセンスは当てにならん」

ルルーシュ「ファッションセンスの事は言うなっ!!」

50: 2015/01/05(月) 14:07:03.46 ID:48vx9wqgo
適当なスーツを買い、二人は店を出た。

C.C.「これから、どうする?」

ルルーシュ「そうだな……まずは東京へ向かうか、首都なら情報も手に入れやすいだろう」

C.C.「行き先の事を聞いたんじゃない」

ルルーシュ「……」

C.C.「ルルーシュ、これからどうする?」

51: 2015/01/05(月) 14:09:03.45 ID:48vx9wqgo
C.C.「お前が聞き出した話からすると、ここは異世界のようだな?」

ルルーシュ「並行世界とでも言うべきか……」

C.C.「この世界の日本はブリタニアの圧政に苦しんではいない」

ルルーシュ「……」

C.C.「そもそもブリタニアが存在しない……お前が憎むべき敵も、お前を憎む者もいな
     い」

ルルーシュ「……」

C.C.「混迷した世界といえど、二人ぐらいなら世界の何処かでひっそりと暮らしていく
     事も可能だろう」

ルルーシュ「……何が言いたい……」

52: 2015/01/05(月) 14:11:01.63 ID:48vx9wqgo
C.C.「ルルーシュ、今ならまだ引き返せるぞ?」

ルルーシュ「……」

C.C.「ルルーシュ?」

ルルーシュ「俺は約束したよな……お前を笑顔にしてやると」

C.C.「ああ……」

ルルーシュ「あの約束はまだ果たされていない」

C.C.「その代わり、お前は自分を犠牲にして元の世界を救った……それで十分だ」

ルルーシュ「いや、まだだ」

C.C.「ルルーシュ……」

53: 2015/01/05(月) 14:13:01.69 ID:48vx9wqgo
ルルーシュ「ナナリーやユフィが愛した日本という国……世界が違うと言えども、ここに
      苦しんでいる民がいる」

C.C.「……王の力は、再びお前を孤独にするかもしれんぞ……」

ルルーシュ「お前がいれば、それでいい」

C.C.「時々思うんだがな、お前はそういう所が卑怯だ」

ルルーシュ「フン……Cの世界がどのような意思を以て俺達をこの世界に飛ばしたのか、そ
      れは分からん……だが、神の意思がどのような所にあろうと、俺は反逆してみ
      せる!!」

C.C.「ルルーシュ、もう一度聞くぞ、これからどうする?」

ルルーシュ「誰もが笑える平和な世界の為に! ナナリーが目指した理想の為に!
      行くぞ、C.C.! まずは東京だ!!」

54: 2015/01/05(月) 14:15:01.41 ID:48vx9wqgo
~3週間後、鹿屋基地~

赤城「長門さん、緊急集会って、何でしょう?」

長門「分からん……キス島から入った一報の事だろうか?」

羽黒「わ、悪い知らせじゃないといいんですけど……」

加賀「おや……練兵場が騒がしいようですが……」

長門「ん……あ、あれは!?」

練兵場の壇上に立っている人物を見て、長門は驚愕した。

ルルーシュ「諸君! よく集まってくれた! 私がこの鹿屋基地の新提督、ルルーシュ・ラ
      ンペルージだ!」

55: 2015/01/05(月) 14:17:01.85 ID:48vx9wqgo
長門「な……!?」

神通「そ、そんな……!?」

練兵場は未だざわついているが、ルルーシュは構わずに演説を続ける。

ルルーシュ「外国人である私が提督に就任した事に、諸君は戸惑っているであろうが、これ
      には高度な政治的事情が関わっている! どうか混乱せず、私を受け入れて
      もらいたい!」

長門「ま、待て! ていと……い、いや、前提督はどうなったのだ!?」

ルルーシュ「前提督は沖ノ島攻略の実績を買われ、軍司令部にて栄転なされた」

羽黒「そ、そんな……私達にはそんな事、一言も……!」

ルルーシュ「急を要する案件だったので、諸君には説明不足であった事を謝罪したい」

56: 2015/01/05(月) 14:19:01.66 ID:48vx9wqgo
長門「外国人など……信用できるかっ!!」

ルルーシュ「私にはこの国を守る理由がある!!」

長門「!……」

ルルーシュ「今は……いや、未来永劫明かせないかもしれんが、私がこの国を愛する気持ち
      に偽りは無い!」

神通「信じて……よろしいのですか?」

ルルーシュ「今は信じられなくとも、必ず諸君の信頼を勝ち取るように努力する」

長門「……ならば、実戦で証明してもらおうか」

ルルーシュ「無論だ」

57: 2015/01/05(月) 14:21:19.19 ID:48vx9wqgo
ルルーシュ「まずはキス島! 報告によれば、極秘に海上輸送していた大型掘削機械とそ
      の技術者が深海棲艦の襲撃によってキス島で包囲されている。
      この技術者達の救出と掘削機械の確保を優先目標とする!!」

加賀「……では、早速出撃ですか?」

ルルーシュ「出撃は3日後だ」

長門「何だと!? 何故すぐに救助に行かない?」

ルルーシュ「勝利の為だ!! それ以上は軍機だ!」

赤城「……? 出撃予定日をずらすのに何の意味が……?」

ルルーシュ「既に他基地より空路で技術者達の救出は進められている、従って、諸君の護衛
      対象は掘削機械だ。
      各員の奮闘を期待する、以上、解散!!」

ザワザワ……

58: 2015/01/05(月) 14:23:21.78 ID:48vx9wqgo
~鹿屋基地、工廠付近~

加賀「……何故、外国人が提督に……」ブツブツ

整備士「あ、加賀さん、聞きました? あの噂」

加賀「はい? 何でしょうか?」

整備士「いやね、最近軍内部で流れてる噂なんですけどね、なんでも、さるやんごとなき御
    方が海外留学中に現地の女性に産ませた子供が、最近来日して軍に志願したとか
    ……」ヒソヒソ

加賀「!!……やんごとなき御方とは……?」

整備士「口に出すのも畏れ多い御方ですよ……」ヒソヒソ

加賀「そんな……!」

59: 2015/01/05(月) 14:25:11.77 ID:48vx9wqgo
~執務室~

C.C.「皇族にはギアスをかけなくてよかったのか?」

ルルーシュ「皇族にギアスをかけるのは最終手段だ……宮内庁の役人を掌握するだけで十
      分だ」

C.C.「やるなら徹底的にやるのかと思ったが」

ルルーシュ「この国の宗教上のトップだ……どんな力を隠し持っているのか分かったもん
      じゃない、最悪、ギアスが効かない可能性もある」

C.C.「2千年以上続いた血筋だからな……その可能性も確かに否定できないな」

ルルーシュ「今は噂を流すだけでいい……海軍もある程度掌握したしな」

60: 2015/01/05(月) 14:27:02.44 ID:48vx9wqgo
C.C.「それで、やる事が前線指揮官か……まったく、お前は難儀な男だな」

ルルーシュ「深海棲艦との戦いは艦娘がキーポイントとなる……前線に出なければ、見えて
      こない事もある」

C.C.「まあいいか……それで、キス島、勝てるのか? 報告によれば、相当な難作戦の
    ようだが……」

ルルーシュ「既に勝利は決定している」

C.C.「ほう……?」

ルルーシュ「見せてやろう、魔神の戦い方という物をな」

61: 2015/01/05(月) 14:29:19.33 ID:48vx9wqgo
次回予告

多少強引な手法ではあったが、俺は再び前線司令官の地位に立った
艦娘にはギアスが効かない……
俺に求められているのは勝利だ!
やってやるさ……かつて黒の騎士団を手に入れた時のように!!

次回「キス島撤退作戦」

71: 2015/01/06(火) 13:25:07.82 ID:vobKMaq5o
「第四話 キス島撤退作戦」

~おおすみ、艦橋~

操舵手「キス島海域まであとヒトマルマルです!」

ルルーシュ「予定時刻通りだな……さすが日本人は優秀だ」

ガチャ

長門「失礼する」

ルルーシュ「長門か……どうした?」

長門「……私はまだ、新提督のことが信頼できん、ここで監視させてもらう」

ルルーシュ「好きにしろ、だが、掘削機械収容部隊には加わってもらうぞ」

長門「……それは勝った後の事だろうが……」

72: 2015/01/06(火) 13:27:02.92 ID:vobKMaq5o
長門「報告によれば、キス島周辺海域は特殊な潮流が流れている為、軽量、高速の駆逐艦し
   か展開できない……どうするつもりだ?」

ルルーシュ「軍機だが、策を用意してある」

長門「まだ幼い駆逐艦達を戦場に出すのだ……生半可な策では通用しないぞ……?」

ルルーシュ「その為に、安全に勝つ為の策だ……既に勝利は決定している」

長門「何だと!?」

ルルーシュ「信用できぬのなら、ここで見ていろ……俺の言葉が嘘だったら、どうとでもす
      るがいい」

長門「言ったな……自分の言葉には責任を持てよ? それと……」

ルルーシュ「何だ?」

73: 2015/01/06(火) 13:29:03.95 ID:vobKMaq5o
長門「新提督の出自について、様々な噂が飛び交っている事は私も知っている……」

ルルーシュ「……」

長門「私としては、実戦で力を見せてくれるなら噂の真偽を問う気は無い……だが……」

ルルーシュ「だが?」

長門「その女は何者だ? 何故戦場にまでついてくる?」

C.C.「私か? 私はルルーシュの愛人だ」

ルルーシュ「ブッ!!」

長門「なっ……! 破廉恥な!」

C.C.「冗談だ……こんな事で動揺するからお前は坊やだというんだ……」

ルルーシュ「ええい! コイツは秘書だ! それだけだ!」

長門「……分かった、そういう事にしておく」

操舵手「まもなく、キス島周辺海域に到達します!」

ルルーシュ「ム……よし! 戦闘態勢に移行する!」

74: 2015/01/06(火) 13:31:04.24 ID:vobKMaq5o
ルルーシュ「夕立、時雨、響、綾波、雪風、島風の6名は発艦後、あらかじめ指定したポイ
      ントにて待機! 敵部隊に対峙せよ!」

夕立『了解っぽい!』

時雨『時雨……行くよ!』

ルルーシュ「ポイント到達後はこちらの指示が出るまで決して前進するな! 合図と共に
      突撃せよ! タイミングを誤るなよ!」

響『……了解』

長門「ポイントとは何処だ?」

C.C.「ここだ」

C.C.が海図を指差す。

長門「む……? 確かにここなら相手の砲撃は届かんかもしれんが……こちらの砲撃も届
   かんぞ?」

ルルーシュ「ここにこの時刻に来た時点で我々の勝利だ」

長門「……?」

75: 2015/01/06(火) 13:33:12.00 ID:vobKMaq5o
島風『ポイント到達したよ!』

ルルーシュ「時間は?」

C.C.「ジャストだ」

ルルーシュ「よし! 突撃!! 相手は碌に動けん筈だ! 回避運動を取りつつ砲撃を開
      始せよ!!」

長門「何だと!?」

雪風『ホントに敵の動きがニブいです! いけます!!』

島風『おっそーい!!』

76: 2015/01/06(火) 13:35:02.13 ID:vobKMaq5o
深海棲艦の動きは何かに拘束された様に鈍い。
対して、こちらは通常よりも速いスピードで敵に肉薄している。

長門「何だ……? 何が起こっている……!?」

ルルーシュ「今日、この場所は大潮だからな」

長門「!! そうか! 潮の満ち引きを利用したのか!!」

綾波『まもなく敵正面です!』

ルルーシュ「よし! 至近距離から魚雷を叩き込め! 雷撃戦だ!!」

島風『この距離なら外さないよっ!!』

77: 2015/01/06(火) 13:37:05.88 ID:vobKMaq5o
時雨『敵殲滅だよ!』

ルルーシュ「よし、全員で5時の方向に砲撃開始!」

綾波『え……? あっちには岩礁しか……』

ルルーシュ「いいから砲撃だ!! 命令だ!」

夕立『分かったっぽい!』

ドドォン

深海棲艦「ギャアアアアアアッ!!」

雪風『え!? 伏兵!?』

ルルーシュ「やはりいたか……よし! 伏兵の殲滅後、おおすみは接岸して掘削機械の回収
      行動に移るぞ!」

長門「な、何故伏兵の存在まで分かったのだ!?」

ルルーシュ「大した事は無い、地形を見て、俺ならここに兵を伏せると思っただけだ」

長門(なんてやつだ……完全に戦場をコントロールしている……!)

78: 2015/01/06(火) 13:39:01.72 ID:vobKMaq5o
~キス島~

長門「これが掘削機械か……なるほど、確かにこの大きさでは空輸できんな……」

金剛「ヘーイ、長門、ブリッジで見てみて、どうだったネー? 新提督の指揮は?」

長門「……うむ……何と言ったらいいか……とりあえず、優秀な指揮官であるのは間違いな
   いようだ」

伊勢「伏兵まで見破ったんだって? 良かったじゃん、新提督が無能じゃなくてさ」

長門「……そうだな……おや、あれは……」

伊勢「海上に光が……新しい仲間かな? 掘削機械を運んだら、提督に紹介しようか」

金剛「姉妹艦だったらいいネー!」

長門「フフ……そうだな」

79: 2015/01/06(火) 13:41:11.35 ID:vobKMaq5o
~ブリッジ~

ルルーシュ「な……!」

榛名「初めまして! 高速戦艦、榛名です! 貴方が提督ですね? よろしくお願いしま
   す!」

ルルーシュ(……似ている……! いや、バカな……他人の空似だ!)

榛名「? どうしました? 提督」

ルルーシュ「あ、いや……何でもない、ようこそ、我が艦隊へ」

榛名「……んー……」

ルルーシュ「? どうした?」

榛名「私達、初対面……ですよね? 何だかそんな気がしなくって」

ルルーシュ「!?」

C.C.「……」

80: 2015/01/06(火) 13:43:12.89 ID:vobKMaq5o
~???~

戦艦棲姫「……キストウノブタイガゼンメツシタ……」

港湾棲姫「……キョウリョクナブタイカ……?」

戦艦棲姫「……センジュツガ、イママデトチガウラシイ……」

港湾棲姫「……センジュツ……」

???「……オモシロイ、アタシガイッテアソンデクルヨ……」

港湾棲姫「……オマエガ……?」

???「……アバレタイトオモッテタンダ……」

港湾棲姫「……イイダロウ……」

81: 2015/01/06(火) 13:45:03.85 ID:vobKMaq5o
次回予告

似ているだけだ……雰囲気が……
ギアスによって翻弄されて氏んでいった彼女に……
榛名は……彼女ではない……
分かっていても、俺は……!!

次回「嘆きのワンマンアーミー」

82: 2015/01/06(火) 13:47:09.31 ID:vobKMaq5o
所用があるため、次回更新は土曜以降になると思います
それまで、しばしお待ちください

92: 2015/01/08(木) 20:02:26.48 ID:foKYy44Fo
すみません、明日から予定が込み入っているので、更新が不定期になると思います。

とりあえず、書けた分だけ投下します

93: 2015/01/08(木) 20:03:59.56 ID:foKYy44Fo
「第五話 嘆きのワンマンアーミー」

キス島の勝利により、俺はある程度の信頼を艦娘から勝ち取る事ができた……。

掘削機械も無事搬入され、国益を損ずる事も防いだ……。

その俺が……その俺が……

ルルーシュ「なんで生クリームなんぞかき混ぜなくてはならんのだ!!」カシャカシャカシャカシャ

94: 2015/01/08(木) 20:06:06.75 ID:foKYy44Fo
間宮「すみません、提督、しーつーさんから提督が料理がお上手だと伺ったものですから
   ……それに、久々の生クリームの配給なので、人手が欲しくて」

ルルーシュ「……」ギロッ

C.C.「間宮の作るピザトーストは旨いな、もう一枚焼いてくれ」モグモグ

間宮「ちょっと待ってくださいね? 今シュー生地が焼きあがりますから」

C.C.「ム……仕方ないな……オーブンは一つしか無いからな」

ルルーシュ「分かってるならちょっとは手伝え! このピザ女!」

夕立「ねーねー、てーとくさん、シュークリームパーティーはまだっぽい?」

ルルーシュ「主賓は座って待ってろ! ええい! 誰かバニラビーンズを持ってこい!」

榛名「はい、提督♪」

ルルーシュ「ム……」

95: 2015/01/08(木) 20:08:02.64 ID:foKYy44Fo
海上から現れて以降、榛名は妙に俺に付きまとっている……。
金剛に理由を聞いても、「テートクは朴念仁ネー」とか言うばかりだ……。
作戦に支障が出なければ別に構わないが、榛名の顔を見るとどうしても思い出してしまう。
ギアスに人生を翻弄され、俺の目の前で氏んでいった彼女の事を……。

96: 2015/01/08(木) 20:09:59.18 ID:foKYy44Fo
~食堂の隅~

如月「新提督ってイケメンですわよね~♪」

荒潮「料理が出来る男の人ってポイント高いですね~♪」

瑞鳳「時々見せる憂い顔がたまらないのよね~♪」

ルルーシュ「瑞鳳! 荒潮! 如月! 無駄口をたたいてる暇があるならお前達も手伝
      え! シュー生地を練るんだ!」

三人「は~い♪」

綾波「あ、あの、司令官、やっぱり私達も手伝いましょうか?」

ルルーシュ「主賓は黙って座って待ってろ……ん? 島風の姿が見えないが……」

97: 2015/01/08(木) 20:12:01.73 ID:foKYy44Fo
雪風「島風ちゃん、いつもこういう席には来ないんです……」

響「……一人で居るのを好むらしい」

時雨「協調性に欠けてるみたいだね……どうしてかは分からないけど……」

夕立「キス島攻略記念パーティーだから、島風もいなきゃダメっぽい」

綾波「あの、私、探してきましょうか?」

ルルーシュ「……いや、お前達はここで待ってろ」

98: 2015/01/08(木) 20:14:00.86 ID:foKYy44Fo
ルルーシュ「間宮さん」

間宮「はい?」

ルルーシュ「悪いが、急用を思い出した、手伝いはここまでだ」

間宮「そうですか……」

ルルーシュ「完成品を一つ貰っていくぞ」

間宮「はい、お気をつけて♪」

ルルーシュが食堂から出て行くと、榛名がほうっと一つ溜息をついた。

榛名「……やっぱり、提督って優しいですね?」

C.C.「ああいう事が出来るなら、もう少し私に優しくしてもいいんだがな」

榛名「むっ……」

99: 2015/01/08(木) 20:15:59.57 ID:foKYy44Fo
~鹿屋基地、裏庭~

島風は一人きりで座ってぼうっと風が流れるのを眺めていた。
皆の輪に馴染めない……でも、そんな事はどうでもいい。
戦場でなら、誰よりも速く動ける自信がある。
それだけで十分だ。
それでも、何もしていないと思い出すことがある。
両親の、葬儀の事……。

100: 2015/01/08(木) 20:17:59.64 ID:foKYy44Fo
親戚A「可哀想にねぇ……この歳で御両親を亡くすなんて……」ヒソヒソ

少女「……」

親戚B「それで、誰が引き取るの? ウチは駄目よ、小さい子が3人もいるんだから
    ……」ヒソヒソ

少女「……」

親戚C「ウチだって駄目よ……そんな余裕無いわよ……」ヒソヒソ

少女「……」

親戚D「そういえば、海軍で……」ヒソヒソ

少女「…………」


ルルーシュ「ここにいたのか、島風」

島風「!! ……提督……」

101: 2015/01/08(木) 20:19:58.96 ID:foKYy44Fo
ルルーシュは島風の隣に座った。

ルルーシュ「……パーティー、出ないのか……?」

島風「興味無い」

ルルーシュ「シュークリーム、一つ持ってきてやったぞ……食べるか?」

島風「……いらない」

ルルーシュ「そうか……せっかく作ったのにな」

島風「……」

102: 2015/01/08(木) 20:22:00.09 ID:foKYy44Fo
ルルーシュ「なあ、島風、もう少し皆と協調すれば、作戦も円滑に……」

島風「! ……うるさいなっ!!」

島風は振り払うように腕を振った。
ルルーシュはシュークリームを落とさないようにそれを躱す。

ルルーシュ「おっと……危ない……何をするんだ、島風」

島風「戦場で結果を出す! 速さなら誰にも負けない!!」

ルルーシュ「……」

島風「……それで十分でしょ……ほっといてよ……」

ルルーシュ「……そうか……」

103: 2015/01/08(木) 20:24:00.08 ID:foKYy44Fo
ルルーシュはハンカチを下に敷いて、シュークリームをそこに置いた。

ルルーシュ「ここに置いておくぞ、気が向いたら食べろ」

島風「……」

ルルーシュが立ち去った後、島風はやはり気になるのか、そちらをちらりと見た。

島風「……?」

ルルーシュの座っていた所に何か落ちている。

島風「……ロケット?」

104: 2015/01/08(木) 20:26:13.97 ID:foKYy44Fo
島風は少し躊躇したが、好奇心に負けてロケットを開いてみた。

島風「これ、提督と……誰……?」

ロケットの中の写真には、ルルーシュと、目を閉じた車椅子の少女が映っていた。
少女は幸せそうな顔をして微笑んでいる。

島風「……そっか……提督にはいるんだ……大切な人……」

島風の心が針に刺された様に痛んだ。

105: 2015/01/08(木) 20:27:59.96 ID:foKYy44Fo
~執務室~

ルルーシュは珍しく慌てていた。

ルルーシュ「無い! ここにも無い! ええい! 何処で落とした!」

コンコン

ルルーシュ「誰だ! 今は取り込み中だ!」

ガチャ

島風「提督……あの……これ……」

ルルーシュ「! お前が拾ってくれたのか! ありがとう……」

島風はルルーシュにロケットを返した。

106: 2015/01/08(木) 20:30:06.04 ID:foKYy44Fo
島風「……」

ルルーシュ「? どうした?」

島風「ご、ごめんなさい! 中身……見ちゃって……その……」

ルルーシュ「そうか……」

島風「……提督にはいるんだね……大切な人……」

ルルーシュ「……もういなくなった……」(この世界には……)

島風「……そう、なんだ……」

107: 2015/01/08(木) 20:31:59.25 ID:foKYy44Fo
島風「提督は……なんで戦うの? 外国人なのに……」

ルルーシュ「今はいない人の意志が俺を動かしている……」

島風「意志……?」

ルルーシュ「想いと言いかえてもいい」

島風「想い……」

108: 2015/01/08(木) 20:34:01.47 ID:foKYy44Fo
ルルーシュ「俺は今まで、幾度も失敗してきた」

島風「提督が……?」

ルルーシュ「ああ、それでも立ち上がれたのは、絆があったからだ」

島風「絆……」

ルルーシュ「島風、一人で戦って勝ったとしても、孤独になるだけだ、最後まで立っていら
      れるのは、絆を持つ者だ」

109: 2015/01/08(木) 20:36:05.02 ID:foKYy44Fo
島風「……提督の言う事は難しくてよく分かんないよ……」

ルルーシュ「そうか……」

島風「でも……」

ルルーシュ「?」

島風「提督が嘘を言ってないのは分かる、ワタシ、そういうの感じるの、得意なんだ」

ルルーシュ「……」

島風「……いいよ、提督の為なら、ワタシ、いつでも氏んであげる」

ルルーシュ「! 島風! それは……!」

違うぞ、と言おうとした時、基地に警報が鳴り響いた。

110: 2015/01/08(木) 20:38:08.69 ID:foKYy44Fo
ルルーシュ「何だ! 何が起こった!!」

大淀『沖ノ島に駐留していた護衛艦が沈められました!! 敵はまっすぐ鹿屋基地目掛け
   て突進してきています!!』

ルルーシュ「敵の数は!?」

大淀『一機です!! 戦艦レ級です!!』

ルルーシュ「レ級……米海軍を壊滅させたという、あの……」

島風「!! ……!」ダッ

ルルーシュ「島風!? 何処へ行く!!」

大淀『提督!! 指示を!!』

ルルーシュ「ええい! 確か長門達が基地近海で演習していた筈だ!! 基地の前方を塞
      ぐ様に陣形を取って迎え撃て!!」

長門『こちら長門! 了解した!!』

118: 2015/01/10(土) 14:31:15.93 ID:aH4OigYeo
~海上~

ザザザッ

レ級「サア……アソボウジャナイカ……!」

赤城「ここから先へは行かせません!!」

赤城が艦載機を飛ばす。

レ級「ハッ……! カンサイキッテノハ……コウツカウノサ……!」

レ級も艦載機を同時に飛ばしてくる。

ドドォン

赤城「くうっ……!!」

大淀『赤城、大破!!』

ルルーシュ『弾幕を張れ!! 加賀! 赤城を収容しろ!』

加賀「くっ……了解……!」

119: 2015/01/10(土) 14:33:08.45 ID:aH4OigYeo
長門「おのれ……くらえっ!! 41センチ砲!!」ドゴォン

レ級「ヌルイヨ」

長門「なっ……!?」

レ級「クライナ……」

レ級の砲撃が長門に着弾する。

長門「ぐああっ!!」

大淀『長門、大破!!』

ルルーシュ『くっ……長門は後退! 北上! 雷撃戦だ!!』

120: 2015/01/10(土) 14:35:14.19 ID:aH4OigYeo
北上「ちょっとヤバいかもね……でも、この距離なら……!」

北上が魚雷を発射する……が、レ級はそれを全て躱す。

北上「嘘っ!」

レ級「コノドハコッチノバンサ……モッテイキナ……!」

レ級の魚雷が北上を直撃する。

北上「ちょっ、待っ……!!」

ドッゴーン

大淀『北上、大破!!』

ルルーシュ『金剛は長門と北上をかばって後退せよ!!』

金剛「りょ、了解ネー!!」

121: 2015/01/10(土) 14:37:12.15 ID:aH4OigYeo
ルルーシュ『おのれ……スザクじゃあるまいし、たった一機で戦局を左右されてたまる
      か!!』

レ級「モウオシマイカイ? ナラミナゴロシニシチャウケド、イイ?」

島風「させないよ!!」

レ級「ム?」

122: 2015/01/10(土) 14:39:08.56 ID:aH4OigYeo
大淀『!! て、提督! 島風ちゃんが魚雷を大量に抱えて……』

ルルーシュ『何だと!! まさか……おい、止めろ!!』

レ級「カミカゼアタックカ……オモシロイ、キナ!!」

島風「さよなら、提督……ちょっとの間だけど、優しくしてくれてうれしかったよ……」

島風は高速でレ級に肉薄していく。

124: 2015/01/10(土) 14:41:09.41 ID:aH4OigYeo
島風(……シュークリーム……やっぱり食べたかったな……)ザザザッ

ルルーシュ『島風!! お前は!!』

125: 2015/01/10(土) 14:43:06.75 ID:aH4OigYeo
ルルーシュ『生きろ!!!!』

島風「!!」

126: 2015/01/10(土) 14:45:11.17 ID:aH4OigYeo
島風は魚雷を艤装に装填し、至近距離で発射した。

島風「五連装酸素魚雷!! くらえっ!!」

ドッゴォーーン

レ級「クッ……コノ、クソガキ……!!」

島風「やっぱり氏んでなんかあげないよ! アンタ一人で沈めっ!!」

レ級「コロシテヤルヨ……ガキガ……!!」ザザザツ

大淀『レ級! 島風ちゃんを追っています!!』

ルルーシュ『! ……ならば! 島風! 港へ逃げ込め!!』

島風「えっ!? でもそれじゃヤツが……」

ルルーシュ『俺を信じろ!! B班、C班はKポイントに集結して合図を待て!!』

神通『りょ、了解!!』

127: 2015/01/10(土) 14:47:06.19 ID:aH4OigYeo
~港~

レ級「チョコマカトスバシコイガキガ……! ダガ、オイツメタヨ……」

ルルーシュ『よし! 島風! 港から上がって基地に逃げ込め!!』

島風「う、うん!!」

島風は出港ドッグから上がり、一目散に駆け出した。

レ級「リクニアガレバアンゼンダトデモオモッタノカイ……? ダガ、ムイミダッタナ」

レ級は砲の照準を島風に合わせる。

レ級「サヨナラダ、クソガキ」

ルルーシュ『今だ! 排水弁、開放!!』

大淀『りょ、了解! 排水弁開放します!!』

ゴゴゴゴゴ……

レ級「ナ、ナンダ!?」

128: 2015/01/10(土) 14:49:07.59 ID:aH4OigYeo
ルルーシュ『高潮対策用の排水弁だ……相手の土俵で戦うとは、戦闘力は凄まじいが、頭が
      足りないようだな』

ゴゴゴゴゴ……

レ級「クオ……スイコマレル……ミウゴキガトレン……!!」

ルルーシュ『今だ!! B班! C班! 集中砲火!!』

伊勢「了解!! くらいなっ!!」

神通「当たって!!」

羽黒「動かない敵なら……ごめんなさいっ!!」

瑞鳳「アウトレンジ! いきます!!」

夕立「これなら当たるっぽい!!」

榛名「勝手は! 榛名が! 許しません!!」

ズッドォーーーーーーーーーン

レ級「グアアアアアアアアアアアッ!!」

129: 2015/01/10(土) 14:51:33.46 ID:aH4OigYeo
ルルーシュ『やったか?』

レ級「……ク、クソガ……」

ルルーシュ『まだ生きている! 化け物かっ!!』

伊勢「なら、また集中砲火で!!」

レ級「! ……ク、クソッ!」

ドゴォン

レ級は排水口を破壊し、全速で港から離脱した。

レ級「オボエテナッ!! コノカリハカナラズカエスゾッ!!」ザザザッ

伊勢「提督、どうする? 追う?」

ルルーシュ『いや……怪我人の収容が先だ、入渠ドッグをフル稼働させろ』

伊勢「仕方ないね……了解!」

130: 2015/01/10(土) 14:53:40.27 ID:aH4OigYeo
~港~

島風「……提督……」

ルルーシュ「……」

パァン

ルルーシュは島風の頬を軽くはたいた。

島風「うっ……」

ルルーシュ「……二度と自分の命を投げ出すような真似はするな」

島風「……うっ、うっ……ごべんなざい……ごべんだざい……」ヒックヒック

綾波「まあまあ、そのくらいで……」

夕立「パーティーの途中だったから、もう一回やればいいっぽい」

時雨「今度は島風も一緒に、ね?」

島風「みんな……」ヒックヒック

島風は泣きながら、ニッコリと笑った。

131: 2015/01/10(土) 14:55:17.93 ID:aH4OigYeo
~執務室~

ルルーシュ「今回は間一髪だった……戦略を考え直さねばならんな……」

C.C.「そうか」

ルルーシュ「それにしても……今回、俺はギアスを発動させてなかったが……何故島風は
      思いとどまってくれたのだろうか……」

C.C.「世の中、ギアスより強い力があるってことだろ」

ルルーシュ「何!? 何だその力は!?」

C.C.「まったく……」

C.C.はピザトーストを頬張りながら呆れてみせた。

C.C.「だから、お前は坊やだというんだ」

132: 2015/01/10(土) 14:57:06.95 ID:aH4OigYeo
次回予告

レ級……まさかあれ程の力を持っていようとは……
戦略の根本から見直さねば……
もう二度と悲劇を繰り返させないためにも……
その為なら、俺は……!

次回「宗谷海峡に、血を染めて」

コードギアス 艦これのルルーシュ【後編】

133: 2015/01/10(土) 15:08:32.64 ID:5KTtcLzB0
レ級は初期のランスロットさながらだなほんと

134: 2015/01/10(土) 15:10:23.03 ID:usdbmIDWO
乙
この次回予告好き

引用: コードギアス 艦これのルルーシュ