144: 2014/11/12(水) 15:23:39.52 ID:OEklxRgSO
幕間

【艦これ】提督「変身!」漣「ご主人様、調子に乗ると…え?」【前編】

暁「さあっ!暁が今までの話を解説してあげるわ!」

響「いきなりどうしたの?」

暁「何か第六駆逐隊の出番はなさそうだから…」

雷「それで、せめて解説だけでもってこと?ま、めちゃくちゃな設定だし、おさらいしといたほうがいいかしらね。」

でん「雷ちゃん!設定とか言っちゃダメなのです。」

暁「とにかく行くわよ!前回までの3つのできごと!
ひとつ、『鎮守府近海に深海棲艦とは別の敵、海賊が現れる!』」

響「ふたつ、『この海賊は何と深海棲艦を従えていて、艦娘は接近戦では歯が立たない』…」

雷「みっつ、『司令官が謎の組織からベルトをもらい変身、軍隊仕込みの格闘術で敵を撃破』したわ。」

でん「そしてよっつ!『海賊の討伐のため、司令官さんと鎮守府の戦力で戦いに赴いた』のです!」

暁「ちょっと、なんで3つって言ったのに4つまであるのよ!」

でん「這い寄るラノベみたいなのです。」

響「そもそも何で電は“でん”なんだい?」

でん「はわわ…でも読みづらいから“でんちゃん”でもいいかな…」

雷「どうしたのよ?今までそんなこと言わなかったじゃない!?」

暁「まさか!?これも海賊のしわざ!?」

響「なんだって?それは本当かい?」

でん「お遊びはこの位にして、次回からは本編再開なのです。」

145: 2014/11/19(水) 17:11:46.85 ID:1D3MP6BSO
輸送船の護衛から1週間ほどがたったある日…

提督は再び湾岸部のパトロールをおこなっていた。漣と日向を連れ、水上バイクで沿岸を巡回する。

漣「あれから海賊の出没の話は聞きませんねぇ。漣達も遠征中にそういったのには出会いませんでした…」

日向「私も一度顔を合わせてみたいかな…
いや、これは不謹慎か…出てこないに越したことはないからね。」

前回、前々回の戦いで共に留守番だった日向がつぶやく。
おしゃべり好きな伊勢から提督の武勇伝を含めて聞いていたらしく謎の敵にも興味があるらしい。

劇場版 艦これ

146: 2014/11/19(水) 17:14:50.90 ID:1D3MP6BSO
提督「ま、被害に遭うのは民間人や非戦闘員だからな。早いとこ奴らの本拠地を見つけて叩かないと。」

漣「イタチごっこみたいになってますよね。今となっては海域攻略してた頃が懐かしいですよ。」

やれやれといった表情で漣が軽口を叩いたその時、日向の飛ばしていた索敵機に反応があった。

日向「提督!」

提督「見つけたか!?よし行くぞ!」

漣「がってん!」

提督は水上バイクを加速させながら叫んだ。

提督「変身!」

戦闘形態に姿を変えると、日向と漣と共に海賊のいるほうへと向かっていった。

147: 2014/11/19(水) 17:16:53.18 ID:1D3MP6BSO
海賊達はまさに一仕事始めようと沿岸の町へ向かうところだったが、提督達は「仕事前」に叩こうと先制攻撃を仕掛けた。

日向「あれが深海棲艦を従えるという海賊か…」

日向が長距離から主砲を発射する。続いて提督が敵集団に肉薄し、漣が中距離から援護に入った。

提督『ようやく見つけたぞ、この海賊ども!町へは行かせんっ!今日こそ取っ捕まえてやる!』


漣「…ご主人様、それ逃げられるフラグですヨ。」

148: 2014/11/19(水) 22:51:44.50 ID:1D3MP6BSO
海賊「チッ!運が悪いな!邪魔が入ったか!」

海賊が怪人形態に変化し、提督を迎え撃つ。その外見は人型ながらまるで毒キノコのように毒々しい色で覆われていた。

日向「何だ、アイツは?キノコ?」

漣「マジックマッシュルームの密売でもやってるんですかねぇ…」

艦娘達の感想をよそに提督とキノコ怪人の戦闘が始まっていた。

提督『せぃやっ!』

キノコ海賊「ふん!なんのぉ!」

が、敵の規模が小さかったのと、提督達が先制攻撃した影響もあり、海賊側はすぐに後退を始めた。

149: 2014/11/19(水) 22:53:25.39 ID:1D3MP6BSO
キノコ海賊「まともにやり合う必要もない…出直すぞ。」

手下の深海棲艦らに指示を出し逃走を開始する。
提督は敵の手掛かりを捕まえようと焦ったのか、あまりに潔く撤退する海賊を逃すまいと追撃に移ろうとする。

提督『野郎!逃がすか!』

日向「むっ…提督、無茶だ」

漣「ご、ご主人様っ」

提督は日向達の制止を振り切り、敵陣に突っ込もうとする。が、キノコ海賊が振り向き様に煙幕のようなものを吐き出した。

150: 2014/11/19(水) 22:55:04.18 ID:1D3MP6BSO
提督『!?』

日向「提督っ、危ない!下がって!」

とっさに日向が提督を掴んで後ろに放り投げる。

提督『うわっ』

漣「さっすが日向先輩、戦艦のパワーは伊達じゃない!」

しかし、提督の代わりに日向が、敵の放った煙幕を被ってしまった。

日向「うっ…ゴホッゴホッ…煙じゃない?キノコの胞子か何か?」

日向が胞子の煙幕を振り払ったときには既に海賊達は、姿を消していた。

151: 2014/11/19(水) 22:57:13.32 ID:1D3MP6BSO
日向「はあっ…はあっ…」

提督『日向っ、すまん、大丈夫か?』

日向「……」

漣「ひ、日向先輩?」



日向「大丈夫よ!!心配ないわ!!」

提督『ん、そうか~、無事でよかった。』

日向「さあっ、海賊も追っ払ったし、一旦鎮守府へ帰りましょう!」

提督『お、おう?そうだな。』

漣(ん~?)


152: 2014/11/19(水) 22:59:42.68 ID:1D3MP6BSO
鎮守府

伊勢「あっ!日向!おかえり!提督と漣もお疲れ様。」




日向「ただいまぁ~、いせりん!」




伊勢「へ?」

153: 2014/11/19(水) 23:00:59.63 ID:1D3MP6BSO
提督「!?」

漣「!?」

伊勢「い…いせりん!?」

ニッコリと帰還の挨拶をする日向に、目を見開いて硬直する提督たち。
一方、日向はキョトンとした顔で目をぱちくりさせている。

日向「伊勢だから“いせりん”だよ。私のことは“ひゅうとん”って呼んで!」

伊勢「…」

伊勢「……」

伊勢「ええええぇっっ!!?」

154: 2014/11/21(金) 22:32:13.49 ID:UEITDoDSO
伊勢「ど、どうしたの日向!?出かける前とは別人じゃないの!?」

日向「えっ?そうかなぁ~」

提督「ど、どうしたんだよ日向!?さっきの戦闘だって普段どおりの……」

漣「あっ、でも日向先輩は戦闘終了から妙に元気というか活発になっていたような…」

日向「もぉ!!私のことは“ひゅうとん”って呼んでよぅ!」

155: 2014/11/21(金) 22:34:11.97 ID:UEITDoDSO
提督「お、おぉ…悪かったな“ひゅうとん”……」

日向「えへへ。」

伊勢「日向がすごい笑顔で……いいかも!“ひゅうとん”いいかも!」

日向「でしょっ、いせりん!」

何故かこの状況をたのしむ伊勢型姉妹。
一方、提督と漣は置いてけぼりをくらっている。

提督&漣「「うーん……何が原因だろ?」」

漣「…あ!」

提督「あの海賊が吹き出した胞子!」

156: 2014/11/21(金) 22:35:53.80 ID:UEITDoDSO
提督「ちょい、ちょい…伊勢…」

伊勢「えっ!?ひゅうとんが提督をかばって…」

提督「くぅ…っ、すまない。日向、俺のせいで…」

日向「やだ、提督さーん!そんな顔しないでよ!元気出して。休めるときに休むんだよ、えいっ!」

元気付けようとしたのか、日向が提督に抱き着いてきた。
すでに艤装を外しているため、柔らかい体が押し当てられた。

157: 2014/11/21(金) 22:37:30.43 ID:UEITDoDSO
途端に提督の顔がゆるむ。

提督「うへへ…まぁ害はなさそうだし~このままでもいいんじゃ………
いや、ダメだな。やはり元のクールな日向でないと…」

漣「……」

背中に無言で主砲を押し付けてるくる漣に気圧され、途中からキリッと表情を変えるのだった…

158: 2014/11/21(金) 22:39:05.31 ID:UEITDoDSO
漣「まったく…ご主人さまったら調子に乗って!
世の中には口調が違うだけで発狂する人たちもいるんですヨ。」

提督「何を言ってるんだ!?
と、ともかく、伊勢は日向に付いていてやってくれ。少し様子をみよう。」

伊勢「わかった。よーし、ひゅうとん、折角だから可愛い服で着飾ってみようよ。」

日向「えぇ~、そんなの着たからって意味はないよ。どうせベッドでは脱いじゃうんだしぃ。」

伊勢「ぃやーん、ひゅうとんたら、オ・ト・ナ!」

キャイキャイ


提督(だ、大丈夫かなぁ…)

160: 2014/11/26(水) 05:22:19.45 ID:9kN0D2aSO
翌朝

提督「うーん…朝か…」

ムニュ。

提督「ん?」

宿舎で目覚めた提督は、自分の寝床に柔らかいものが入り込んでいるのに気付き、寝ぼけまなこをこすった。

そして隣で眠っている日向に気付くのだった。


161: 2014/11/26(水) 05:24:07.16 ID:9kN0D2aSO
日向「すやすや…」

提督「おおぅ…かわいい寝顔しやがって……」

提督「……」

提督「ちがーう!!」

提督が取り乱すのも無理はない。日向が黒インナーどころか、かわいらしい下着で眠りについているのだから。


162: 2014/11/26(水) 05:25:29.29 ID:9kN0D2aSO
提督の大声を聞き付け、艦娘たちの宿舎からも様子を見に娘たちが集まって来た…

提督「……」

朧「提督…そういうの、良くないと思う、多分。」

曙「はぁ…この糞提督ならいつかやっちゃうと思ってたけどね…」

164: 2014/11/26(水) 13:43:26.34 ID:9kN0D2aSO
潮「て…提督…何かの間違いですよね?ねっ?」

提督「そ、そうだよ。誤解、間違いだ!」

漣「……間違い(意味深)」

提督「おい、落ち着け漣。日向もちゃんと説明してくれよ、何でそんなカッコで俺のところにいたんだ?」

ハイライトの消えた目で迫りくる漣をなんとか抑えながら、提督は日向に説明を求めた。


165: 2014/11/26(水) 13:45:45.61 ID:9kN0D2aSO
日向「えへへ、ごめんなさい。いせりんが可愛い服選んで着せてくれたんだけど…どうにもエスカレートしちゃって…」

その時、当の伊勢が提督の部屋へ駆け込んで来た。

伊勢「あっ、ひゅうとん!こんなところにいたのね。さぁ、早く戻って今度はこっちの服を着るのよ。」

日向「えぇ?そんなフリフリの服~?私には似合わないってば!」

伊勢「いいじゃん!いいじゃん!たまにはオシャレしようよぅ!」

伊勢は下着姿だった日向に服をきせると、無理矢理連れていってしまった。
日向の性格が変化したことで、元から高かった伊勢のテンションがさらにヒートアップしたようだが、今は相手をしていてもらおうと思う提督だった。


166: 2014/11/26(水) 13:47:21.79 ID:9kN0D2aSO
漣「なるほど、日向先輩を構いたくてしかたない伊勢先輩から逃れようとして、ご主人様の蒲団に入り込んだわけですね。
ふふっ、役得でしたね、ご主人様。大丈夫、漣は信じていましたヨ。」

提督「嘘を…つくなっ!!」

漣「てへっ★」



曙「何なのよ…このコントは…」

朧「お約束…かな?……あれっ!?通信?」

曙が呆れ返っていたところに、緊急の通信が入った。

朧「提督、大変!民間船が海賊の襲撃を受けてるって…
提督が昨日遭遇した奴みたい!」

提督「!」

169: 2014/11/28(金) 22:41:22.28 ID:tCjHLoTSO
提督はすぐに軍服に着替えて、鎮守府に緊急出撃を発令した。

対海賊にシフトしているとはいえ、資源輸送任務や装備の点検、入渠中のものもいて、現在の戦力は必ずしも万全ではない。が、神出鬼没の相手に文句を言っても仕方ない。

遊撃、予備兵力として艦娘を待機させているのがせめてもの幸い。
たまたま提督のもとに集まっていた第七駆逐隊の面々を引き連れて、海へ続く道へ飛び出していった。

提督「まったく…朝っぱらから仕事熱心な奴らだぜ。」


170: 2014/11/28(金) 22:43:40.80 ID:tCjHLoTSO
漣「ご主人様っ、これ…食べてってください!
また戦闘後に空腹で力尽きたら大変ですから!」

提督「お、サンキュー、気が利くな。」

漣「えへへ」

差し出されたお握りを頬張り、漣の頭を撫でてやる。次いで、対海賊戦は初めてとなる朧と曙にも声をかけた。

提督「ふたりは、海賊相手には無茶をするな。後方から支援、または取り巻きの深海棲艦の相手をしてくれ。」

朧「わかりました…全力で任務にあたります。」

曙「ふん、糞提督がどれほど戦えるか見させてもらうわよ!
まぁ、私だって訓練続けてきたのよ。全部やってやるわ。」

提督「だから無茶をするなって……潮、曙が前に出過ぎないように見張っててくれな。」


171: 2014/11/28(金) 22:45:06.48 ID:tCjHLoTSO
潮「は、はいっ!曙ちゃんは私がお守りします。」

曙「なんで私に子守が必要みたいに言うのよっ!?」

結局、いつものようにガヤガヤと騒がしくなっていると、横から提督に声がかけられた。

日向「提督さん!私も連れてってくれるよね!」

提督「日向…いや、ひゅうとん!」


172: 2014/11/28(金) 22:46:24.96 ID:tCjHLoTSO
日向「私もアイツにやられっぱなしじゃイヤだからねっ!こんどこそぶっ飛ばしてやる!」

いつもよりテンションが高いため、妙に好戦的な口調の日向とそれを追って来た伊勢が合流した。

伊勢「いいね、いいね、盛り上がってんじゃん、ひゅうとん!」

提督「あ、熱くなりすぎるなよ!」

日向と伊勢を嗜め、提督は水上バイクに飛び乗って海へ出ていった。


173: 2014/11/28(金) 22:48:11.40 ID:tCjHLoTSO
海上では、件のキノコ怪人達が民間船に威嚇射撃をおこなっていた。
もとより海賊の狙いは、物資や誘拐なので沈めたりはしない。
その分、「仕事」には時間を要し、それが提督達の救援を間に合わせた。

提督「そこまでだぁっ!!」

キノコ海賊「なっ…、またお前か!?」

提督「うおおぉっ! 変 身 !!」

強化スーツを身に纏うと、バイクで海賊に体当たりを敢行。海賊たちの民間船への攻撃を妨害した。


174: 2014/11/28(金) 22:50:05.62 ID:tCjHLoTSO
提督『よし!第七の皆は船を護衛。曙は前に出すぎんなよ。』

朧「了解」
曙「何で私だけ言うのよ!!うざいなぁ!!」

なんだかんだ文句を言いながらも、そこは軍人(?)、きっちりと防衛にまわっていた。

提督『伊勢と日向は……』


伊勢&日向「「待ってぇ~」」

低速なので遅れていた。

175: 2014/11/28(金) 22:52:32.03 ID:tCjHLoTSO
キノコ海賊「全く邪魔な奴らだ。だが今日はこちらも頭数を揃えてきたからな。貴様らもろとも飲み込んでくれる!」

提督『うるせぇ!こっちもお前のせいで日向がおかしなことになってんだ!
撃退して終わりなんて甘い真似はしないぞ!!提督直々に取っ捕まえてやるぜ、このキノコ野郎!!』

キノコ海賊「ふんっ!」

提督「いくぞ!」

海上にて、再度提督と海賊の戦いが開始された。

177: 2014/12/04(木) 04:12:56.72 ID:jyHHNvkSO
戦闘開始直後、先手必勝とばかりに提督が猛攻をかける。

提督『おおおぉっ!!』

キノコ海賊「うおわっ!?」

提督『またあの変な胞子を飛ばされる前にケリをつける!』

提督のラッシュの前に防戦一方の海賊。
さらにそこへ遅れていた戦艦組があらわれ、援護を開始した。

伊勢「遅れた、遅れたぁ!」


178: 2014/12/04(木) 04:14:16.07 ID:jyHHNvkSO
日向「私も提督さんの力になるんだからっ!」

伊勢、日向の砲撃が加わり、さらに勢いを増す提督。一気に相手を沈黙させ、捕まえようと打撃を加える。

提督『とどめだ!大人しく捕まれ!!』

キノコ海賊「……ふん」

そして、



日向の砲撃が提督に直撃した。




179: 2014/12/04(木) 04:15:58.24 ID:jyHHNvkSO
提督『ぐああっ!?』

伊勢「えっ!?」

漣「なっ、何?日向先輩が…ご主人さまに…」

朧「フレンドリーファイア?でも、明らかに提督を狙う弾道…」

日向の近くにいた伊勢も、民間船の護衛に回っていた第七駆逐隊も突然の事態に戸惑う。


後方からの思わぬ衝撃に膝をつく提督。そして、ここぞとばかりに反撃してきた海賊の攻撃を食らってしまう。

提督『ううっ…ひ、日向!?』

後方に吹っ飛ばされた提督は、まさかの行為をとった日向の方を見る。


180: 2014/12/04(木) 04:18:19.25 ID:jyHHNvkSO
しかし、当の日向が一番驚いていた。青ざめた顔で震えている。

日向「な…何…これ…?」

伊勢「ちょっと!?どうしたのさ、日向!?」

日向「伊勢?か、体が…勝手に動いちゃう…っ!ひゃあっ!?」

伊勢「ちょっ!?」

近寄った伊勢を砲身で薙ぎ払う日向。その表情は混乱しきっており、確かに体が勝手に反応しているようだ。



提督『お、おい?どうした!?日向、日向!?』



キノコ海賊「ふっふっ…まさか俺の胞子を吸い込んだ奴を連れてくるとはなぁ…
おまえらが勝手に、うまい具合に事態を好転させてくれたな。」

提督『!?』


181: 2014/12/04(木) 04:21:36.13 ID:jyHHNvkSO
漣「胞子って…まさか…あなたが日向先輩を操って…」

キノコ海賊「その通り!俺の胞子を吸い込んだものは、一種の酩酊状態になり、大元である俺の指図に従うのだ!これこそが我が変身態の能力!」

曙「何、長々と解説してんのよ!よーするにアンタを倒せばいいってことでしょ!」

曙が状況を打開するために船の護衛から攻撃に転じ、海賊に接近しようとする。が…。


182: 2014/12/04(木) 04:23:26.66 ID:jyHHNvkSO
キノコ海賊「ふんっ!」

曙「あっ…」

またしても煙幕のように胞子をばらまく海賊。とっさに後ずさり、吸い込むことを避ける曙だが、肝心の敵へは近づけない。

それどころか、海賊は深海棲艦を統率し、提督達に対し攻勢に出てきた。
さらに海賊は日向に対しても命令をとばす。

キノコ海賊「さぁ、そこの航空戦艦。お前の上官に向かって発砲するんだ。」

日向「や、やだ…やめて…」

日向の意思に関係なく、砲門が提督に向けられる。

提督『くっ…』

184: 2014/12/05(金) 21:42:17.92 ID:ueVLMejSO
日向の意思とは関係なく発砲される砲弾を、提督は素早く動いてかわす。
ダメージは負わないが、これでは海賊と戦うどころではない。

日向「うわぁぁぁ…提督さんっ!ごめんなさいぃぃ!」

提督『日向!気をしっかり持て!』

日向「むりぃ…」

操られている中でも性格は変化したままのようで、日向は半泣きになってしまっている。


185: 2014/12/05(金) 21:43:49.04 ID:ueVLMejSO
提督(まずい。あのキノコ野郎を捕まえるどころじゃなくなってきたぞ。)

一転して追い詰められる提督。

伊勢「ちょぉっと待ったぁ!」

その時、日向のとなりにいた伊勢が日向の体に抱き着き、砲撃退勢の邪魔をする。

伊勢「日向ぁ、ちょっとガマンしてね!」

日向「い、伊勢…」

伊勢「提督!よーするに…日向が砲激出来ない恰好になればいいんでしょ…」

提督『ん?』

伊勢「ええぇぇい!」

日向「へっ?」


186: 2014/12/05(金) 21:45:54.64 ID:ueVLMejSO
伊勢は日向の艤装をひっぺがえすと、何と服も黒インナーごと破ってしまった。
海上で普段の中破以上の露出になる日向。


日向「………」


日向「いやぁぁぁぁっ!!?」


下着もあらわに、艶しい肌を晒した日向は、悲鳴をあげて両手で体を覆い隠す。

伊勢「よし!乙女の羞恥心作戦成功!」

提督達に向かって親指をたてる伊勢。
船の護衛にまわった第七の面々は「それでいいの?」という表情をしているが、ともかくも敵の、日向を操っての妨害はストップしたようだ。


187: 2014/12/05(金) 21:48:13.65 ID:ueVLMejSO
キノコ海賊「この…っ、妙な真似をしおって!」

提督『それはっ……』

海賊も思わぬ方法で攻撃を封じられたことで苛立ち、隙を作ってしまった。そこを逃さず、提督が距離を詰める。

提督『こっちの台詞だぁぁ!!』

キノコ海賊「ぐわぁぁっ」

提督の回し蹴りがきまり、海賊が吹っ飛んだ。

キノコ海賊「くっそう……だがっ!もう一度胞子を食らえっ!ふははは!」

提督たちとの間に壁を作るように胞子を撒き散らす。先ほど、同様の手段で攻撃を封じられた曙が声をあげる。

曙「ああっ!また!?あれじゃ近づけないじゃない!」

188: 2014/12/05(金) 21:49:43.84 ID:ueVLMejSO
提督『心配するな。同じ手が通用するか!』


「DESTROYER」


提督は魚雷発射管と連装砲が装備された駆逐艦フォームに姿を変えると、魚雷を引っこ抜いて放り投げた。

提督『ほいっと…』

朧「あ…まさか…」

さらに砲撃を当てて爆発させた。
そして胞子の煙幕は爆風で吹き飛んでしまった。

キノコ海賊『あ……』

潮「す、すごい。あんな使い方があったなんて…」

漣「おおっ!ドヤ顔の敵の切り札をあっさり破るなんて……そこにシビれる、あこがれるぅ!」

190: 2014/12/06(土) 21:44:20.72 ID:vThgjmJSO
胞子の煙幕が消えた瞬間、迷わず提督は海賊に突進し、無力化するために猛攻を加えた。

提督『だだだだだぁ!』

キノコ海賊「ぐっ…がぁっ…ごふっ…」

最後に足払いをかけて転倒させると、駆逐艦フォームの装備である連装砲を突き付けた。

提督『終わりだ、大人しく連行されろ。』



朧「すごい…提督ってこんなに強かったの?」

潮「う、うん…格闘戦は得意みたい。訓練の成績もよかったって…」

曙「や、やるじゃない!糞提督!」

漣「いわゆるホールドアップってやつ!?」

海賊の取り巻きの深海棲艦も第七駆逐隊の面々に退けられ、散り散りに逃げていった。


191: 2014/12/06(土) 21:45:52.43 ID:vThgjmJSO
漣「やりましたね!ご主人様!」

提督『あぁ、これでこいつら海賊の情報も…』

キノコ海賊「ふ…ざけるな…誰が貴様らなんかに話すか」

バシャアン!

キノコ海賊「ごぼっ!?ごぼぉっ…!?」

反抗的な態度をとった海賊に対し、提督は海面に海賊の頭を叩き込んだ。

提督『海の上だと静かにさせるのが楽でいいな…』

漣「ヒエッ…」

朧「提督…普段は結構アレなのに、任務のことだと容赦ないよね…」

潮「前に助けてもらったときも、雌犬だなんだ言ってたけど、海軍で戦うことを誇りに思ってたみたいだし…」

192: 2014/12/06(土) 21:47:50.72 ID:vThgjmJSO
提督『よし。民間船の安全は確保できたし、あとはこいつを連行するだけ……』

提督がキノコ海賊を引っ立てようとしたそのとき、正体不明の光弾が提督に向かって飛んできた。

提督『何っ!?』

とっさにかわす提督。しかし光弾は提督ではなく、キノコ海賊に降り注ぎ…

キノコ海賊「ぎゃああああっ!!」

そのまま爆散して沈んていった…。


提督『な…?』

漣「ご主人様っ!あれっ!」

唖然とする提督だったが、漣が指差した方角に人影を見つけた。
正確には船の上にたっている人影である。

提督『あれは…海賊船?』

193: 2014/12/06(土) 21:49:34.83 ID:vThgjmJSO
海賊船の上に立つ人物がサッと手をあげると、船は全力で海域を去っていってしまった。

提督『口封じか…』

潮「て、提督…大丈夫ですか?」

提督『俺は…な。』

潮「あ、あの人、味方に撃たれて沈んだんですか?」

提督『まあ…機密漏洩の防止ってとこかな。』

潮「……」

提督『お前がそんな顔しなくてもいい。元気出せ。』

ポヨン、と潮の胸を叩く提督。あまりにも自然だったため、潮も元気付けるためにされたことだと思い込んだが…

潮「提督……あ、あれ?私今さりげなく胸叩かれましたよっ!?」


194: 2014/12/06(土) 21:51:28.77 ID:vThgjmJSO
提督『伊勢、日向の様子は?』

赤面する潮を尻目に、敵に操られていた日向の様子を伺う。

伊勢「大丈夫。落ち着いたみたい。」

装備どころか服までいつも以上に破れ、うずくまっていた日向だったが、戦いが終わってさすがに落ち着いたようだ。

日向「す、すまない、提督。戦いのさなかだというのに取り乱してしまって…」

伊勢「まぁ、今回は日向をびっくりさせて動きを止めるのが目的だったからね。」

日向「伊勢の作戦は理解できるが…やられたほうはたまったものではないな。」

伊勢「そう言わないの……って?日向、喋り方?」

日向「あんな性格になるのもたまったものじゃないな…」


195: 2014/12/06(土) 21:53:10.19 ID:vThgjmJSO
提督『も…もどったか…』

伊勢「えーっ、“ひゅうとん”も可愛かったのにぃ…」

日向「もうそんな呼び方も、あんなフリフリした服を着るのもごめんだ。」

提督『下着姿でベッドにはいってくるのは?』

提督がからかうと、日向は腰に残った軍刀を引き抜いて提督の首筋に押し当てた。


日向「忘れなさい!!」
提督『わ、わかったわかたっ!』


こうして、海賊の情報を手に入れることはできなかったが、日向も元にもどり、提督達は民間船を護衛しつつ鎮守府に戻っていった。

なお、その後しばらく鎮守府では伊勢が日向を「ひゅうとん、ひゅうとん!」といって追い回していたそうな。

199: 2014/12/14(日) 01:16:56.44 ID:K96SPiGSO
漣「ご主人様!ショッピングモールですよ!ショッピングモール!」

提督「こら!その台詞は危険だからやめなさい!」

提督と漣は非番の日を利用して街に買い物に来ていた。
近海での海賊の出現頻度は高くない。

が……。

漣「なんだか、お客さん少ないですね。」

提督「やっぱり沿岸部が襲われたりするから、街に活気が無くなってるんだな…」

漣「ただでさえ深海棲艦のせいで流通が滞ったりしますからねぇ。」


200: 2014/12/14(日) 01:18:42.90 ID:K96SPiGSO
提督「…こんなところでのんびりしてるわけにもいかないな。」

漣「駄目ですよ!ご主人様は休めるときにしっかり休まなきゃ!
今は他の皆が沿岸警備に出てるから大丈夫ですよ!」

提督「いや…でもなぁ…鎮守府近海で海賊の被害が大きくなったら、うちの鎮守府が叩かれるじゃん。『海軍はなにやってるんだ』って。」

漣「ええっ!?ご主人様、ちゃんと世間体とか考えてたんですか?
いつも艦娘にセクハラまがいのことしてたから、そういうの振り切ってるかと…」

提督「そういうのはバレないようにやってるからいいんだよ。」

漣「…最低なヒーローですね。」

提督と漣がしょうもない話をしておどけて歩いていたものだから、前から来た買い物客とぶつかってしまった。

「おっと、失礼。」


201: 2014/12/14(日) 01:21:01.68 ID:K96SPiGSO
提督&漣「「ご、ごめんなさい」」

「いや、僕も荷物を抱えすぎて前方不注意になっていたから…」

提督「大丈夫ですか?」

「ええ、それにしても海賊のせいか、このあたりは物資が高騰してますね。」

提督「え、えぇ…」

「独自の流通ルートを持っていれば、貿易で稼げると思いませんか?」

提督「は?」

買物客の男が突然商売の話をしだしたため、面食らう提督。
そこに漣が割って入った。

漣「あの…儲かるかもしれませんけど、危険と隣り合わせじゃないですか?
制海権はもちろん、場所によっては制空権も深海棲艦にとられているんですよ。このあたりは海賊だって…」

「危険があるから競争相手も少ないとも言えますがね。
それに…この辺りは海軍が何度も街を守ってるそうじゃないですか。海賊もやりにくいでしょ。はっはっは!」

そういうと男は笑いながら立ち去っていってしまった。

202: 2014/12/14(日) 01:25:30.51 ID:K96SPiGSO
提督「何だったんだ?」

漣「さぁ?でも、あの人も言ってましたよ。海軍が守ってるって…」

提督「まぁ…な。役目は果たせてるかな…」



漣「まぁ、私達も買物終わりましたし、帰りましょうか。」

提督「ああ。ん、そういえば漣。パンツ買わないのか?」

漣「……は?」

提督「たまには苺パンツ以外の大人っぽいのでもいいんじゃないか?」

漣「…ご主人様、ホント最低なヒーローですね。」

そして鎮守府へ帰っていった。

203: 2014/12/14(日) 01:27:10.46 ID:K96SPiGSO



鎮守府が海賊の襲撃を受けたのはその夜である。




204: 2014/12/14(日) 01:30:47.23 ID:K96SPiGSO
深夜、突然鎮守府の警報が鳴り響いた。

宿直にあたっていた艦娘たちから提督に連絡が入る。

村雨「ち、鎮守府近海に所属不明の船影。まっすぐ鎮守府へ向かってきますっ!」

夕立「サーチライト点灯します。っ!?これ…例の海賊船っぽい!?」

提督が防衛の指示をしつつ、映像を見ると確かに今まで何度か見かけた海賊船が映っていた。


205: 2014/12/14(日) 01:33:08.42 ID:K96SPiGSO
提督「おいおい、ここを襲撃かよ…めぼしいものは何もないぞ。」

村雨「ま…まさか…私達捕まって売り飛ばされちゃう?」

夕立「ひゃああっ…想像したくないっぽい!」


提督「馬鹿にするな。向こうから来てくれたんだ。地の利はこっちにある。上陸してくるところを叩くぞ。」

提督「戦艦、空母勢は鎮守府の防備。夜間戦闘だ、前にでなくていい。
駆逐艦、巡洋艦は俺とともに迎撃準備。大淀、全体の司令塔を頼む!」

大淀「お任せください。これでも連合艦隊旗艦を務めた身です。」



鎮守府の外へ飛び出した提督は、漣をはじめとした駆逐艦達とともに、サーチライトで警戒される夜の海を睨んだ。


206: 2014/12/14(日) 01:35:19.70 ID:K96SPiGSO
提督「ん…?」

ところが、海の上には深海棲艦を率いる海賊の姿はなく、代わりに闇の中からあらわれるように小舟、おそらく海賊船から射出された小型艇が近寄って来た。

その小型艇に乗る人物がライトの光で映し出されたとき、提督と漣があっ、と声をあげた。

漣「ご主人様…あの人…」

提督「昼間の…」

なんと小型艇に乗っていた人物は昼間出会った買物客であった。


207: 2014/12/14(日) 01:42:35.72 ID:K96SPiGSO
提督「あんた…なんで…」

男は昼間とは違い、威圧するような雰囲気をまとって話だした。

??「言っただろう。洋上に“独自の”ルートをもてば稼げるって。」

??「そして“海軍がいるから、海賊がやりにくい”って。」

??「だから…ここらの海軍の拠点である鎮守府を叩きにきたんだよ。」

まるで『道にある石が邪魔だからどかします。』というように宣言すると、男は自分の素性を明かした。




海賊頭領「一一一頭領である俺自らなぁ!!」


208: 2014/12/14(日) 01:43:58.94 ID:K96SPiGSO
提督「まさか、ボスみずからお越しとはな…」

提督は平静を装いながらも、相手が発する危険な雰囲気を感じ取っていた。それは、今まで海賊達と交戦経験のある艦娘たちも同様だった。

阿武隈「て、提督さん、あの人と知り合いなの?すっごく怖いんだけど…」

提督「今日出会って一言二言話しただけどな…その時はあんまり海の男って感じはしなかったが…」

鈴谷「み、見た目普通の人間だけど…ヤバそうなオーラが…」

熊野「でも…相手は一人だけですの?」


209: 2014/12/14(日) 01:45:50.92 ID:K96SPiGSO
ジリジリと相対し、様子を伺う提督達。対して、海賊頭領はゆっくりと近づいてくる。

頭領「心配しなくても相手は俺一人だぜ!なぜなら…」

頭領「俺一人でお前らを倒すのは十分だからだ。」

提督「あれは?」

提督が頭領の腹部にあるベルトに気付く。
次の瞬間、頭領が異形の姿に変身した。


210: 2014/12/14(日) 01:47:19.76 ID:K96SPiGSO
頭領『いくぞ…』

まるでお伽話に出てくるような海賊船の船長のような姿をした怪物になり、提督達に向かってくる。

提督「くっ」

提督も負けじと戦闘形態に姿を変える。

提督「変 身 !」

提督と海賊頭領が激突する。提督は艦娘達の援護を受けながら接近戦に持ち込んだ。
漣をはじめ、阿武隈、鈴谷、熊野ら海賊との戦闘経験あるものが周りに位置し、数でも有利である。


が…蹴散らされた。


211: 2014/12/14(日) 01:49:15.80 ID:K96SPiGSO
頭領『ふんっ!』

提督『うわっ…!』

提督よりもパワーも装甲もスピードも上回っているのか、頭領の攻撃で提督が押し負ける。

さらに頭領は銃を取り出し、周りの艦娘に向けて乱射する。

漣「きゃっ…」

阿武隈「て、提督さんが押されるなんて…」

提督『この…っ』

再度挑みかかる提督だったが、拳も蹴りもすべて止められてしまう。それどころか態勢を崩されたところに至近距離から銃撃を食らった。

提督『うぐっ』

頭領『吹き飛べ!』

さらに海賊頭領のパワーで回し蹴りを食らい、鎮守府の建物に激突し、ダウンしてしまう。

提督『ぐふっ…う…』

漣「…っ!ご主人様っ!」

215: 2014/12/18(木) 21:25:35.90 ID:Y2nbWLZSO
提督を助けるために漣が海賊の頭領に攻撃をしかける。

漣「このっ…当たれぇぇ!」

それに続けて潮や阿武隈たちも続く。

阿武隈「潮ちゃん!私達も!」

潮「はい!」

目標に向かって砲撃を仕掛ける艦娘たち。しかし、相手は足を止めずに砲撃を避け続け、銃で反撃してきた。

頭領「欝陶しいわ!小娘ども!」

曙「きゃあっ」

朧「くうっ」

頭領の銃撃は、本体は小形ながらも一発一発は艦娘の主砲と同等の威力の光弾を放ってくる。

銃撃で怯んで接近を許してしまった艦娘たちは、今度は相手の体術で倒されていってしまう。

熊野「ううっ…悔しいですわ。」

鈴谷「こいつ…強すぎ…」


216: 2014/12/18(木) 21:26:21.52 ID:Y2nbWLZSO
漣「くっ、それならぁ…」

みるみるうちに仲間を戦闘不能にされながらも、なんとか動くことのできた漣は今度は至近距離からの砲撃を試みる。

頭領「甘いな」

頭領は突撃してきた漣の射線軸上からズレると、交差気味に漣の持つ主砲を破壊し、さらにボディに拳を叩き込んだ。

うっ、と呻き声をあげて崩れ落ちる漣。そのまま頭領は、漣の小柄な体を、提督が倒れているほうに蹴り飛ばした。

ドサッと音をたてて提督の横に漣の体が転がる。

漣「あぅっ…」

提督「ぐっ…さ、漣…おい、大丈夫か!?」

漣「な、なんとか…ご主人様こそ、ボロボロじゃないですか。」

提督「何言ってる。そう簡単に負けるか。」

頭領「無理だな、お前には。」

海賊の頭領が提督達にゆっくりと近づいてきた。

218: 2015/01/13(火) 03:56:10.52 ID:wDtSxnwSO
提督『何だと…?』

頭領『せっかく力を手に入れながら、自分の野望のために使おうとしない…』

言いながら海賊の頭領は一気に間合いを詰め、提督を殴りつける。

頭領『貴様のような臆病者に俺と戦うことなどできんっ』

提督『うわっ!?』

一方的に攻撃を受ける提督。その間も頭領の口上は続く。

頭領『俺は!この力をもって深海棲艦を従え、洋上を俺の支配下に置く!
制海権も海底資源も何もかも手に入れる!
そうすれば地上にしがみついている奴らも俺に頭が上がらなくなる!』


219: 2015/01/13(火) 03:57:41.23 ID:wDtSxnwSO
提督は頭領にボロボロにいたぶられながらその口上を聞いていた。
ついには頭領に首を締め付けられながら掴み上げられた。

提督『ぐ…うぅ…』

勝ち誇ったように頭領は提督に話し続ける。

頭領『欲ももたず、軍の犬になって尻尾をふっている貴様にはできんことだろう!
これが俺と貴様の力の差だ!俺はこの海の王になるのだ!』

圧倒的な力を見せつけ、ついに提督に止めをさそうとする頭領。


だが…

提督も諦めてはいなかった。

220: 2015/01/13(火) 03:59:38.46 ID:wDtSxnwSO
提督『ふざけるなぁ!』

足を振り上げて頭領の顎に蹴りを入れ、掴まれていた腕を振りほどく提督。

頭領『なっ!?貴様?』

提督は納得いかん、とばかりに渾身の一撃を頭領に叩き込み、初めて頭領を後退させた。
見事なカウンターに漣をはじめ見守るしかなかった艦娘たちも声をあげる。

提督『だまって聞いてりゃ、好き勝手いいやがって!』

漣「そうですよ!海上支配なんてさせな……」

提督『勝手に人を夢も希望も無いみたいに言うんじゃねぇ!』

鈴谷「んん~?」

熊野「そっち!?ですの?」


221: 2015/01/13(火) 04:02:37.86 ID:wDtSxnwSO
提督『俺はなぁ!艦娘に襲われる派よりも襲う派なんだよ!』

曙「……は?」

提督『要するに…だ。可愛い娘たちを戦わせて自分は後ろでふんぞりかえってるなんて性に合わないんだよ!』

違うベクトルで力説する提督に唖然とする敵味方だったが、さらに不思議なことが起こった。


提督のベルトが光りはじめ…

提督『力を手に入れたってんなら俺は…』

頭領『貴様…何だ!?その姿は?』

提督『この娘達と同じ場所で戦うことを望むね!!
そんで俺のかっこいいところを見せつける!これが俺の欲望だ!!』


「Combined Fleet」


提督の強化スーツが、「連合艦隊」を冠する新たな形態に変化していた!

222: 2015/01/13(火) 04:04:16.66 ID:wDtSxnwSO
曙「まったく…海軍で戦うことに誇りを持ってたんじゃないの?あの糞提督…」

潮「…カッコつけたかっただけみたいですね。」

朧「提督らしいかも…子供みたいな理由だけど…嫌いじゃないよ」

鈴谷「提督…いくらなんでも欲望に忠実すぎない?」

熊野「貴女がいうならよほどですわね…でも…」

阿武隈「そういう提督さんも、あたし的にはOKです。」

前線で戦う駆逐艦や巡洋艦たちは生温かい目で提督を見守っていた。


223: 2015/01/13(火) 04:05:38.62 ID:wDtSxnwSO
大淀「まぁ…指揮官が前線で兵を鼓舞することは例がないわけでも…」

蒼龍「どっちかっていうと呆れさせてる気も…」

飛龍「あはは、やりたいようにやってるだけだもんねぇ。」

日向「だが…大層な理想を掲げている連中よりは余程身近だな…」

伊勢「それでこそ“私達の提督”って感じだもんね!」

鎮守府内部で防衛に当たっていた大淀たちも苦笑しながら提督を見守る。


224: 2015/01/13(火) 04:09:34.32 ID:wDtSxnwSO

そしてその提督の側では…



漣「ホント…ご主人様はいまいち決まらないヒーローですねぇ」



228: 2015/01/25(日) 02:02:26.26 ID:6hu8NLHSO
新しい力を得た提督が攻める。

攻める。

攻める。

今度はパワーもスピードも劣っていない。

提督『くらえぇっ!』

先程までのお返しとばかりに、提督の格闘術が炸裂する。

頭領『貴様っ…』

提督の攻撃の前に、分がわるいとみた頭領が距離をとる。


229: 2015/01/25(日) 02:04:11.79 ID:6hu8NLHSO
漣「うわ…ご主人様ホントに格闘術は強いんですねぇ。あっ…!相手を海にまで押し返しました!」

まるでシーンが変わったら採掘場に移っている特撮のように、戦闘の場を陸上から海上に移す両者。

頭領『この…調子に乗るな!』

頭領が遠距離から銃で撃とうとする。

が、なんと提督の強化スーツから戦闘機が発進し、攻撃を牽制しはじめた。

頭領『!?』

さらに…

提督の腕部と脚部に砲と魚雷があらわれ、一斉発射される!


230: 2015/01/25(日) 02:06:07.57 ID:6hu8NLHSO
提督『「連合艦隊」とはよくいったもんだ。いろんな艦種の力が一度に使えるのか…』

提督『これなら力負けはしないっ!』

頭領『ぐわぁっ』

隙を与えず、頭領に猛攻を続ける提督。ここでけりをつけんとばかりの勢いだ。

そして決定打を与えるべく攻撃を加えようとする。

だが最後の一撃は海賊の頭領には届かなかった。



突然、両者の間に降ってきた砲弾により、提督と頭領の戦闘は中断されたのである。

提督『おわっ!?』

頭領『ふっ…』



漣『ご主人様!沖です!海賊船が攻撃を始めました!』


231: 2015/01/25(日) 02:08:07.00 ID:6hu8NLHSO
頭領『少し甘く見ていたな…』

提督『…!逃がすか!?』

いつの間にか海賊たちがダメージを負った頭領を守って撤退をはかっている。

頭領『お前の力については認識を改めよう。だが俺は俺の野望をあきらめんぞ!
俺が気に入らないなら、せいぜい止めてみるんだな!』

提督『偉そうにするんじゃねえっ!』

逃がすまいと追おうとする提督だったが、今度は海賊たちに率いられた深海棲艦が立ち塞がる。

提督『うおっ…邪魔しやがって…』


232: 2015/01/25(日) 02:10:46.04 ID:6hu8NLHSO
多勢を前に突撃しようとした提督に、鎮守府から艦娘たちが止めにはいる。

曙「ちょっと糞提督!いくらなんでもひとりじゃ無理よ!」

朧「ここは深追いするべきじゃない…と思う。」

潮「さっきの戦闘で皆さんダメージを受けてます。漣ちゃんも武装が破損して戦闘には耐えられません。」

提督『…っ。そうだな…。こちらも被害が大きい。戦闘続行はここらが限度か…。』

深海棲艦の相手をしていた鈴谷たちも相手を追い払うことには成功した。

鈴谷「提督、あいつら撤退していくよ。」

熊野「やはりボスが負傷したのをみて退ったんですわね。提督、お見事ですわ。」


233: 2015/01/25(日) 02:22:40.36 ID:6hu8NLHSO
海賊たちが撤退していくのを見てひとまず安堵する。艦娘とともに鎮守府へ帰投していった。

提督『とりあえず、土壇場で押し返せたからよかったものの…』

海からあがったところで提督の変身が解除された。陸ではこれもボロボロになった漣が出迎える。

漣「ご主人様ぁ、やりましたねぇ!」

提督「おぅ!お互いボロボロだな。」

漣「でも、まぁ漣もちょっとは頑張ったでしょ?」

提督「まぁな。次も期待してるぜ!早くドックにいって直してこいよ、な。」

234: 2015/01/25(日) 02:25:06.39 ID:6hu8NLHSO
漣「ねぇ、ご主人様?」

提督「ん?」

漣「さっきのご主人様、お世辞にもヒーローっぽくはなかったですけど…」

提督「…悪かったなぁ!」

漣「でも、その欲望に忠実なところ、漣は好きですよ。えへへっ。」

提督「はは…ありがとな!よぉし、次こそ海賊退治するぞ!」

漣「おぉ~!」


こうして提督と漣は海賊討伐の決意を新たにするのだった。

果たして彼らは海賊を退治し、再び通常任務に戻ることはできるのか?

提督達の戦いはこれからだ!!


ご愛読ありがとうございました。


235: 2015/01/25(日) 02:26:20.80 ID:6hu8NLHSO
伊58「まさかの打ち切りエンドでち!?」

伊19「イクたちの出番も潜水艦フォームもなかったの!!」

伊8「作者の力量の無さが伺えます。」

伊168「最初は潜水艦フォームもあって、中間強化が連合艦隊、最強フォームも別にあったらしいよ」

伊401「最後まで書けなかったんだね…」

おしまい

237: 2015/01/25(日) 08:37:59.00 ID:GSIgj2X3o
乙です

238: 2015/01/25(日) 09:20:11.52 ID:G/dW0pEOo
おつおつ

引用: 提督「変身!」漣「ご主人様、調子に乗ると…え?」