75: 2015/04/22(水) 19:20:00 ID:.jrSiE0U
学生は確かに生活圏内に海がないときついかも
コスト的な問題なら複数人で道具シェアするだけでだいぶハードルは下がると思うけど毎回の餌代とかなんやかんやかかるからなぁ

男の見栄張りなんて大概女に見抜かれてるものですwww
友「男様、どうか私に釣りを教えてください」
友「根魚の穴釣り」
友「ハネのエビ撒き釣り」

76: 2015/04/22(水) 19:20:51 ID:.jrSiE0U
携帯 ピコン

男(トーク通知…誰だ?)

トーク

友 男様、実は相談がありまして

男 どうした?

友 あの日から紺ちゃんが釣りにハマったみたいで今度二人で釣りに行くことになった

男 よかったじゃねーか。行ってこいよ

友 行く前にまた色々とレクチャーをお願いしたいんですが…

男 なにも新しいことしなくても経験あるチヌ釣りか穴釣り行けばいいんじゃないか。
放課後ていぼう日誌 11 (11) (ヤングチャンピオン烈コミックス)

77: 2015/04/22(水) 19:21:46 ID:.jrSiE0U
友 それが紺ちゃんも自分で色々調べたみたいでハネって魚を釣りに行きたいらしいんだよ。頼む男! 紺ちゃんと行く前に一度連れて行ってくれ!

男(初心者ってわかってるのに新しいことさせるってことは紺ちゃんは友の自白促したいのかな?)

男 いいぞ別に。なら明日の朝でもいくか

友 ありがとう男! 恩にきるぜ。道具は揃えに行かなくていいのか?

男 チヌ釣りで揃えた一式で戦えるから大丈夫だ。本当にのめり込んだ釣りを見つけるまでは手持ちの道具流用で乗り切らなきゃいくら金あっても足んねーぞ?

友 わかった! 集合時間とかどうする?

男 今晩うちに泊まって朝からとかどうだ?

友 了解 じゃあ今から向かう

男 ほいほい

男(さりげなく自白促してみるかー。とりあえず準備しよう)

78: 2015/04/22(水) 19:22:51 ID:.jrSiE0U
第3話 ハネのエビ撒き釣り編

ピンポーン

男「はーい。今開けるからちとお待ち」ガチャ

友「お邪魔しまーす。急に無理言ってわりぃな」

男「明日はオフだし結局釣りに行ってたと思うから気にすんな。しっかし紺ちゃんもハネ釣りに目をつけるとはなかなかワイルドだな」

友「どうワイルドか全くわからんけど危なかったり難しかったりすんの?」

男「んじゃいつも通り解説から始めるか。おまえスズキって知ってる?」

友「中学の時の国語の先生か? 卒業以来何してるかはわかんねーなぁ」

79: 2015/04/22(水) 19:23:47 ID:.jrSiE0U
男「お決まりなやりとりしてんじゃねーよ。スズキってのは魚の名前だ。シーバスって名前くらい聞いたことあるんじゃねーの?」

友「シーバスは聞いたことあるぞ! 海に住むブラックバスだろ?」ドヤァ

男「残念ながら別物だな。淡水でのルアーゲームではブラックバス、海水でのルアーゲームではシーバスを狙う釣りがメジャーすぎてそういった認識を持ってる人もおおいけどな」

男「シーバスってのはさっき言ってたスズキって魚の愛称みたいなもんだ。厳密に言えばシーバスってのはヨーロッパスズキって魚を指すらしいが日本ではシーバス=スズキの認識で問題ない」

友「んでスズキって魚と明日狙うハネって魚の関係は?」

男「出世魚ってわかるか?」

友「あれだろ?ブリとかみたいに成長とともに名前変わるとかなんとか」

80: 2015/04/22(水) 19:24:54 ID:.jrSiE0U
男「そんな感じ。ハネってのもセイゴ→ハネ→スズキって変わる出世魚で関東ではセイゴ→フッコ→スズキ→オオタロウって言うらしい」

友「スズキオオタロウとか探せばいそうだな」

男「どうしても人名に結びつけたいのかお前は」

友「だってさ、オオタロウ捌いて食うとか字面から漂うカニバ感がやばい。スズキオオタロウさんって美味しいの?」

男「うまい。けど食わずにリリースする人も多い魚ではある。スポーツとして楽しんでる人はキャッチ&リリースらしい。俺は基本的にキャッチ&イート派だから持って帰るけど」

友「なるほど。明日頑張って釣って食おうぜ! ところでオオタロウ釣るってことはルアー使うのか? 俺が持ってる竿でいけるの?」

男「あんな竿でルアーなんか扱えねーしオオタロウサイズきたらバキバキに粉砕されんぞ。あとこっちでは馴染みがねーからオオタロウって言うのやめろ」

81: 2015/04/22(水) 19:25:39 ID:.jrSiE0U
友「オオタロウが一番親近感湧く名前だったんだけどな。ルアー使わないならなにで釣るんだ?」

男「明日はエビ撒きでやる」

友「お、新しい釣り方か。難しい?」

男「基本はチヌでやったのと大差ない。刺し餌と撒き餌をシラサエビに変えるだけっておもっとけ。細かいこと言い出すとキリないから」

友「シラサエビってのも名前はエビだけど実はプランクトンとかいう感じ?」

男「いや、今回はガチのエビだ。まぁ明日エサ屋寄ったらわかるよ」

友「オオタロウはエビ好きなのか」

男「オオタロウやめい。エビも食うしルアー釣りで釣れることからわかるようにフィッシュイーターだな」

友「今まで狙ってた魚とかと違ってグルメなんだな」

男「グルメというより基本生き餌で釣る魚だな。とりあえず準備して寝て明日に備えんぞ」

友「ほーい」

84: 2015/04/23(木) 05:19:11 ID:UBhpxMSM
仕事終わったんで少し投下

85: 2015/04/23(木) 05:20:23 ID:UBhpxMSM


男「今日はここでやるか」

友「ここは海って言うか見た目は川だな」

男「間違ってはない。ここは川と海が繋がってる場所で海よりってだけだ。上っていけば川だしな」

友「どこからが海でどこからが川なんだ?」

男「厳密な線引きはないとされている。この辺りは汽水域だから春先のハネ釣りにはもってこいなんだよ」

友「汽水域って?」

男「海水と淡水が入り混じってるところだな。ハネやチヌは汽水域が好きだからな。好きな理由は汽水域特有のプランクトンが好きでそこに来るのかなと勝手に思ってるけども詳しくは知らん。淡水エビが好きで集まるのかもな」

友「海水と淡水が混じってるなら塩分濃度低いんだよな? 生きてけるの? 某芸人のお父さんが海水の水槽にアロワナいれたら即氏したとかいう話聞いたんだけど」

男「そりゃ魚によっては合う合わないはあるけどハネとかチヌは川でも釣れるぞ。鮭だって川から海出て川に戻るだろ?」

友「言われてみれば確かに」

86: 2015/04/23(木) 05:29:56 ID:UBhpxMSM
男「とりあえず準備すんぞ。まずは撒き餌だ。エビ撒きハネは回ってきたハネをどんだけ自分の前で足止めできるかにかかってる。釣り場に着いたらまず撒き餌、仕掛け作る最中も撒き餌、一投毎に撒き餌だ」

友「このエビ撒けばいいのか?」

男「そのエビをこのシャクに5匹ちょっと入れて手でフタをして上下にシェイク」シャカシャカ

友「なんで振るの?」

男「生き餌だから勝手に動き回られると狙いの場所で撒き餌が効いてくれないからな。振って気絶させて潮の流れをみて上の方にポイッと」ポイッパチャパチャ

友「気絶させてんのか。よし俺もやるか」シャカシャカポイッパチャパチャ

87: 2015/04/23(木) 05:31:18 ID:UBhpxMSM
男「仕掛けの作り方は大丈夫だな?タナはニヒロくらいからはかっていこう」

友「ニヒロってどれくらいだっけ?」

男「一ヒロで両手を左右に伸ばした時の指先から指先くらい」

友「了解」

男「できたら付餌の付け方だな。とりあえず一匹をホホ掛けしてみるか」

友「ホホ掛け?」

男「名前の通りホホに針をかけるんだが頭に針を通すから神経や脳を潰すとせっかくの生き餌が氏んでしまうから注意」

友「生き餌を頃しちまうなら尻尾のところに針刺しちゃだめなのか?」

男「尻尾に通すのを尾掛けって言うんだがホホ掛けのほうがエビがナチュラルな動きをしてくれるんだよ。まぁ状況によって変えていくもんだからとりあえずホホ掛けでやるぞ」

友「了解!」

男「じゃあ始めるか」ヒュッ ポチャン

友「よし俺も」ヒュッ ポチャン

88: 2015/04/23(木) 05:32:05 ID:UBhpxMSM
男「とりあえずもうすぐ朝マズメの時間だからそれまでに撒き餌効かせていこう」

友「やっぱりこいつもマズメがいいの?」

男「ハネは特に朝バネ夕バネって言葉があるくらいマズメがいいとされている」

友「なら時間限定の釣りなのか?」

男「言われてるけどもやっぱそれも自分の経験と釣り場の癖とかで自己流のジンクスみたいなもの持ってる人がいるから一般的にその時間がいいとされるって認識でおけ」

友「なにもわからない間は一般的にいいとされることをして経験積めばいいか」

89: 2015/04/23(木) 05:54:01 ID:UBhpxMSM
男「それが無難。てかなにもわからないで思い出したけど紺ちゃんにいつまで嘘つくんだ?」

友「え? そりゃ一人でいろんなこと対処できるくらいまでかな」

男「いつになるんだそれ? それよりおまえも釣りの楽しさ覚えたんだし紺ちゃんも興味持ってくれたんだから一緒に初心者としてチャレンジしていくほうが変に気負う必要なくてよくないか?」

友「そりゃまぁそうなんだけども。今更嘘でしたーとは言いにくいからなぁ」

男「おまえがいいならいいけどさ。おまえのいいところって裏表ないから安心して付き合えるとこだろう」

友「………」

男「わりぃ。余計なこと口だしたな」

友「いやありがとう男! そうだよな。無理して見栄はった自分を好きになってもらってもいつかメッキが剥がれるもんな」

友「次、紺ちゃんに会う時に謝って本当のこと言ってくるよ」

男「そうか。それで振られたらやけ酒には付き合ってやるよ」

男(もうばれてんだけどな)

友「その時は魚でツマミつくってくれよ」

男「任せろ。話してたらそろそろマズメ時だな。ウキしっかり見とけよ」

90: 2015/04/23(木) 05:54:47 ID:UBhpxMSM
友「おう! てかこの釣りはハネしか釣れねーのか?」

男「いやチヌも釣れるし海でやればタナゴも食うしメバルも食うしカンダイが食ってきたりもするぞ」

友「シラサエビさん大人気。じゃあチヌとハネどっちでもいいから釣りたいなーって時にはいいな」

男「やるならターゲットを決めた方がいい。まずハネは朝なら浅いところを探ったり水温が低いなら底だったりと上下の動きが大きい」

友「ふむ、チヌは?」

男「チヌは底を取れって言われるくらいタナが重要でな。基本は底に合わせる」

男「もちろん絶対釣れないわけじゃないんだけどターゲットは狙っていくべきかな」

友「なるほどなー。やはり釣りは深い」

91: 2015/04/23(木) 05:56:37 ID:UBhpxMSM
男「おー。きたっぽいな」

友「まじか? ウキほんの少ししか沈んでないぞ?」

男「この時期は食いが渋いから少し揺さぶって…」チョン

ウキ ズボッ

男「よし! ここだ!」ビシッ

友「すげぇ竿しなってるな」

男「よく引くからな。少し竿の力に頼って引いてみるから水面見ててみ」

バシャン バチャバチャ

友「おお! 水面で跳ねたりめっちゃ暴れてやがる! 針外そうとしてんのか?」

男「エラ洗いって言って体力奪う前にあげようとしたらこうやって暴れて針外れたりエラの下のカマって部分でライン切られたりするから注意な」

友「狙ってやってるのか?」

男「多分、引っ張られる異物を吐き出そうとして暴れてるだけじゃないかな? 心境はスズキオオタロウさんに聞いてくれ。よしタモ入れ完了」

92: 2015/04/23(木) 05:57:29 ID:UBhpxMSM
友「こいつがハネか。悪そうな見た目してやがる」

男「セイゴかフッコか微妙なサイズだけど45cmはあるから〆るか」

友「俺も早く釣りたいぜ」

男「一匹連れ出すと連発するって言われてるし集中してみろ」

友「って言ってたらアタリきたけどちょんちょんしてるだけだから小魚かな?」

男「いやくるぞ!」

ウキ ズボン

男「合わせろ!」

友「お、おう!」ビシッ

友「やべぇめっちゃ引くこいつ…」

男「ちゃんと乗ったな。糸を弛まさないように気をつけてゆっくり体力奪っていけ。体力奪えばエラ洗いもしねーからまったりな」

93: 2015/04/23(木) 05:58:20 ID:UBhpxMSM
友「まかせろ!」

男「タモ入れはやってやるから頑張れよ」

友「おお見えてきた! てかでかくね?」

男「いい型だな。タモ入れの時も油断するとエラ洗いしやがるから気を抜くなよ」

友「よし! 頼む男」

男「任せろ…入った入った」

友「おっしゃ! やっぱデカイな」

男「スケールあるし測ってやるよ」シャー

男「56cmだな。一般的に60cmオーバーをスズキって呼ぶことを考えたらハネの中ではかなりいい型だぞ」

友「まじか! めっちゃ楽しいなこの釣り」

94: 2015/04/23(木) 05:59:03 ID:UBhpxMSM
男「ハネ釣りは魚との戦いが白熱するからな。フィッシュグリップで掴んでっと…ほれこれ持ってるとこ写真とってやるよ」

友「こいつはエラのとこ持たない方がいいのか?」

男「よく見てみ。さっきチラッと言ったカマってのがここなんだけど鋭いだろ」

友「めちゃくちゃ尖ってる…」

男「なにも分からない時に刺さってめっちゃ痛かった思い出」

友「男にもそんな時期があったんだな」

男「まぁな。よし撮れたから〆て持って帰るか」

友「おい! 男のウキ沈んでる」

95: 2015/04/23(木) 05:59:54 ID:UBhpxMSM
男「目を離した隙に」ビシッ

友「どうだ?」ハラハラ

男「大丈夫乗った」

友「ハネめっちゃ釣れるな」

男「いやこの穂先にコンコンくる引きは…」

友「見えてきた。なんか形が違うな」

男「やっぱりチヌか。これは嬉しい外道」

友「おー。こいつ美味いんだよな」

男「底も取ってないのに完全にラッキーだなこれは」

友「豪華な食事になりそうだ」

96: 2015/04/23(木) 06:00:30 ID:UBhpxMSM
男「よしキャッチ。今日は下見みたいなもんだしそろそろ帰るか」

友「そうだな。エビももうなくなりそうだし」

男「少し待っててくれ」

友「おう?」

男 タッタッタッ

男「こんにちは。釣れてますか?」

釣人「いや今日はダメだなー。にいちゃん達に全部もってかれてるな」ニヤ

男「運が良かっただけですよ。それで僕らもう行くんですがよければ余ったシラサ使います? あと場所も」

男「多分さっき釣れたところだし撒き餌も効かせてるからまだ寄せれてると思うんで良かったら」

97: 2015/04/23(木) 06:01:21 ID:UBhpxMSM
釣人「ほんとかにいちゃん! ありがとな。さっそく引越しの準備だ」ニコニコ

男「頑張ってくださいね。あと良かったら多めに〆ちゃったんでハネ一匹持って帰ってください」

釣人「いいのか?」

男「二匹だけ持って帰ろうと思って〆たんですが〆てる最中に釣れちゃったんで余ってしまいますし」

釣人「なにからなにまでほんとありがとうな。これでボウズでもカミさんに嫌味言われずすむわ」

男「持って帰ってもらえたらこっちも助かりますし。では頑張ってください」

釣人「ありがとな!」

男「おまたせ。いこうか」

友「あげちまっていいのか?」

男「〆ちゃった魚余らせるくらいなら釣り仲間に喜んでもらったほうがいいだろ」

友「まぁそうだな」

男「おまえも釣りを続けたら余った餌とか釣れた魚とかお裾分けされることも経験するさ。フランクな人多いからな」

友「共通の趣味を持つ者同士、仲良くなるポイントはあるしな」

男「だな。さて帰るか」

103: 2015/04/23(木) 16:51:21 ID:fJy0KQ0Y
男宅

男「よし友、捌いてみろ」

友「うぇ? いきなりかよ」

男「横で教えてやるから」

友「まぁ捌き方覚えたいと思ってたしちょうどいい。頼みます先生」

男「まずは鱗をとる」

友「包丁の背中でゴリゴリやるんだっけ?」

男「いやそれでもいいんだが素人には難しいのとキッチンが鱗まみれになるから今回はこれを使う」

104: 2015/04/23(木) 16:52:16 ID:fJy0KQ0Y
友「ペットボトルのキャップかこれ」

男「それで尾の方から引いてみ」

友「おお! 綺麗に取れる」

男「楽だろなかなか。ペットボトルのキャップがない時はビニール袋に魚を入れてスプーンを使って袋の中で作業すればキッチンを汚さずに済む」

友「なるほどな。よしこんなもんでいいか?」

男「おっけー。次はエラの付け根を包丁でぶった切る」

友「こうか?」

男「そうそう。そして横から包丁を入れて腹を開いてみよう」

友「ちょうど魚を下から見て中心の辺りでいいのか?」

男「それでいい。開けたらエラを持って今開いた腹に沿って引っ張ってみ」

105: 2015/04/23(木) 16:53:34 ID:fJy0KQ0Y
友「うげぇ。内蔵出てきたぞ」

男「すぐ慣れる。出したら古い歯ブラシとかで磨いて血合いをそぎ落として軽く水で流す」

友「こんなもんでいいか?」

男「始めての割にいい感じだな」

友「ほんとか?」

男「まぁここからが本番だ。魚の腹を上に向けてカマのところから包丁を入れて骨まで両断」

友「カマってのはこのトゲトゲだったな。よし!」

男「次に魚を横に寝かして上側からさっき骨を両断したとこまで切って頭を落とす」

友「オオタロウゥゥゥゥ」

男「頭を落としながらオオタロウ絶叫はやばい」

友「いいやつだった」

男「食いにくくなるからやめようぜ。ここまでやればあとはキッチンペーパーで水気を取る」

106: 2015/04/23(木) 16:54:17 ID:fJy0KQ0Y
友「完了!次は?」

男「卸す。まず背びれのとこから骨に沿って包丁を入れる」

友「難しいなこれ」

男「慣れるまでは仕方ない。はじめっから綺麗に卸せるやつなんていねーよ。次は腹から同じように包丁をいれる。そして頭側から尾のところまで包丁を入れて包丁を逆さ向きにし尾から頭側に入れて完成」

友「ちょ、ボロボロになった気がするけどいいか?」

男「大丈夫。俺が初めて捌いた時よりまし。反対側も同じようにやっといてくれ。その間に俺はチヌ捌いとくからさ」

友「了解」

……………………

107: 2015/04/23(木) 16:56:43 ID:fJy0KQ0Y
友「できたぞー」

男「おお、思ったよりうめぇな」

友「だろ?」

男「なら身に塩コショウまぶしといて」

友「男はなにしてんのそれ?」

男「ホイル焼き作ろうと思ってな。アルミホイルにバター塗ってる」

友「うおおお! 想像しただけでうめぇ」

男「だろ?よしそれをこのホイルで包んでくれ。このキノコとかも一緒にな」

友「包んだこれどうすればいい?」

男「フライパン熱してるからそこ乗っけて蓋しといて」

友「了解です先生」

男「これで終わりだ。テーブル拭いて飲み物用意しといてくれ」

友「わかった」

…………………

108: 2015/04/23(木) 16:57:50 ID:fJy0KQ0Y
男「おまたせ。包みは自分で開けてみ」

友「いい匂いがする!」

男「がっつく前に手を合わせて」

男、友「「いただきます」」

男「ホイル焼きは好みの量レモンかけてくってみ」

友「うめぇ! あんな楽しい思いしてさらに美味い飯も食えるとか釣り最高だな」

男「料理スキルも少しはつくしな」

友「真剣に釣りにハマっちまったわ」

男「じゃあその楽しさを紺ちゃんと共有してこい」

友「がんばってくるぜ!」

男「報告待ってる」

……………………

114: 2015/04/23(木) 23:02:30 ID:fJy0KQ0Y
友&紺 釣り中

友「あーっと紺ちゃん」

紺「ん?どうしたの?」

友「実は言わなきゃならないことがあるんだ」

紺「うん?」キョトン

友「ふぅー。よし! ごめんなさい。俺は紺ちゃんに嘘ついてました」

紺(あー。あのことかぁ)

友「紺ちゃんの気を引きたくてしたこともない釣りを趣味って言ってました。ごめんなさい」

紺「………」(どうしよう。こんなに真剣に謝られると知ってたって言いにくいなぁ)ムゥー

友「嘘付いてて本当にごめん」

115: 2015/04/23(木) 23:03:11 ID:fJy0KQ0Y
紺「なんでいきなりカミングアウトしたの?」

友「男と話しててさ、お前のいいところは裏表を作らないとこじゃないのか? って言われちゃってな」

友「あときっかけは不純だったかもしれないけど、最近釣りが本当に楽しくて。どうせだったら紺ちゃんとその楽しさを共有したいなって思って」

友「けど、嘘ついたまんまじゃ本当に楽しさなんて共有できないんじゃないかなって…」

紺(本当に子どもみたいに純粋な人なんだな)クス

紺「じゃあ改めて聞くね? 友君の趣味はなんですか?」

友「今なら胸張って言える。始めたところで下手くそだし知識もないけど釣りが趣味です」

紺「じゃあ嘘じゃなくなったね。なにも気にすることないじゃん。はい! この話おしまい」ニコッ

友「え、でも…」

116: 2015/04/23(木) 23:05:54 ID:fJy0KQ0Y
紺「おしまいって言ったらおしまい! あ、ほら友君のウキ沈んでるよ!」

友「え、あ、やばっ…」ビシッ

友「うっ… めっちゃ引く…」

紺「がんばって友君!」

友「糸を貼るように…竿を寝かさないように…」ブツブツ

紺「見えてきたよ!」

友「よ、よし! ギリギリまで引きつけてっと… よし! キャッチ」

紺「すごい! この魚がハネって魚?」

友「そうそう。こないだ男の家でホイル焼き作ったけど美味しかったよ」

117: 2015/04/23(木) 23:06:31 ID:fJy0KQ0Y
紺「あの写真送ってくれたやつだよね? 確か友君が捌いたんだよね?」

友「男に指示してもらいながら下手くそなりにがんばったよ!」

紺「一人で魚釣り上げたり、一生懸命捌いて調理したりすっかり釣り人だね! 嘘を本当に変えたんだからもう気にしないでいいよ」

友「ありがとう紺ちゃん…」

紺「いえいえ。私もちゃんと釣りはじめてみよっと。女さんの店に道具買いに行くの付いて来てくれる?」ニコッ

友「もちろん!」

紺「よし! とりあえず今日は二人でがんばっていっぱい釣って男さんと女さん驚かそ!」

友「おう!」

第3話 ハネのエビ撒き釣り編 終わり

118: 2015/04/23(木) 23:08:48 ID:f99cY.MI
乙!

119: 2015/04/23(木) 23:14:58 ID:fJy0KQ0Y
4話は投げ&ちょい投げでも書こうかなと思ってます

花見カレイの時期は終わっちゃったけどもうすぐキスもくるしなー

友「カレイの投げ釣り」

引用: 友「男様、どうか私に釣りを教えてください」