252: 2015/05/09(土) 18:41:29 ID:.MFgQ4fw
ジグは投げてるだけでストレス発散になりますよね
まぁ帰りに寄り道した淡路島で着底して1しゃくり目で根掛かりしてロッドへし折りかけたんすけどね

友「男様、どうか私に釣りを教えてください」
友「根魚の穴釣り」
友「ハネのエビ撒き釣り」
友「カレイの投げ釣り」
友「初めてのサビキ釣りと憧れの青物」
友「ヒラメの呑ませ(泳がせ)釣り」
友「真鯛の夜釣り」



253: 2015/05/09(土) 18:42:27 ID:.MFgQ4fw
病院

男「ここに運ばれた店員女の病室教えてください!」ハァハァ

ナース「店員女さんですね。少し待ってください…ここから右手にあるエレベーターに乗って3階の301号室ですね」

男 ダッ

友「おい、男待てよ! すみません。ありがとうございます」ペコリ

ナース「いえいえ。お友達に院内では走らないようにお伝えくださいね」

友「すみません。では」
放課後ていぼう日誌 11 (11) (ヤングチャンピオン烈コミックス)

254: 2015/05/09(土) 18:43:02 ID:.MFgQ4fw
病院 3F

バン‼︎

男「女っ!」ハァハァ

女「男君!?」

店「早かったね男君」

男「え? あれ? え?」ハァハァ

女「きてくれたんだありがとうね」

男「なんで? いやよかった…けどなんで意識が?」

女「ん? どういうこと?」クビカシゲ

男「いや、店長から電話もらって…女が頭を強く打って血まみれで救急車で運ばれて危ない状況って」

女「もう、店長ったら大袈裟なんだから。ぼーっとしてテトラで足取られて額を切ったのと左手骨折しちゃってさ」

255: 2015/05/09(土) 18:44:42 ID:.MFgQ4fw
店「いや、僕も焦っちゃってさ。けど大怪我なことには違いないしね」

コンコン

女「ナースさんかな。どうぞー」

友「こんにちは。女さんその包帯…大丈夫?」

女「友君も来てくれたんだ。わざわざありがとうね」

友「それは全然問題ないんだけど…って男?」

男 ポロポロ

女「男君!?」アタフタ

男「よかった…本当によかった…」ポロポロ

店「僕たちは外に出とこうか」ヒソヒソ

友「ですね」ヒソヒソ

……………………

256: 2015/05/09(土) 18:48:08 ID:.MFgQ4fw
女「落ち着いた?」ニッコリ

男「あぁ…」グズッ

女「心配掛けてごめんね。そこにティッシュあるよ」

男「ありがとう。怪我は大丈夫か?」

女「腕の方は綺麗に折れたみたいでなんの問題もないって」

男「額の傷は?」

女「これはちょっと深く切っちゃったみたいで跡残るかもって…ただでさえガサツなのに顔に傷なんて本当にお嫁にいけないや」アハハ…

男「………ってやる」

女「え? なんて?」

男「俺が貰ってやるって」マッカッカ

女「それって」マッカッカ

男「すーっ、はぁーーー」

男「女、少し話を聞いてくれるか?」

女「うん」

259: 2015/05/09(土) 19:27:57 ID:.MFgQ4fw
男「俺はおまえとの関係に居心地の良さを感じててずっと変わらずこのままいたいって思ってたんだ。欲張ってこの関係を壊したくないってずっと思ってた」

女「………」

男「今日、店長からの電話でおまえがいなくなってしまうって思った時凄く怖かったんだ」

女「心配かけちゃったねほんと」

男「いや、それはもういいんだけどな。それでわかったんだ。もしかしたら明日、俺が事故にあうかもしれない。絶対保証される明日なんてないんだって。もしかしたらこの後の言葉でおまえとの関係が崩れてなくなってしまうかもしれない。けど最後にあの時にああしとけばなんていう後悔だけはしたくないから聞いてほしい」

260: 2015/05/09(土) 19:28:29 ID:.MFgQ4fw
女「大丈夫だよ。新しい形になることはあっても壊れてなくなる事なんてないよ。だから聞かせて」ニッコリ

男「俺は女のことが好きです。俺と付き合ってくれませんか?」

女「私も男君が好きです! お願いします」ナミダメ

男「ありがとう女…」ガシッ

女「男君…」ヒトミトジー

男、女「…………」

バンッ‼︎‼︎

友「よく言った男!!!!」
店「やっと言ったか男君!!!!」

男、女「「ギャーーー!!!」」

ナース「静かに!!」

……………………

261: 2015/05/09(土) 19:29:08 ID:.MFgQ4fw
女「二人のせいで怒られたじゃない」プンスカ

友「いやーあの男が告白なんてするからつい興奮しちゃって」

店「本当に。僕達まわりの人間が君たち二人にどれだけ焦れてたか」

男「しらねーよ!」プンスカ

店「まぁ男君も来てくれたし僕は一旦帰ろうかな。友君も送って行ってあげるよ。女ちゃん、お大事にね」

友「ありがとうございます。ではお邪魔虫は退散しましょうか。女さん、お大事に」

男「え、おいちょっとまて」

女「え、二人ともちょっと」

パタン

男、女「「……………………」」

男、女((気まずいっ…!!))

262: 2015/05/09(土) 19:29:49 ID:.MFgQ4fw
友サイド

店「友君の家は男君の家の近くかな?」

友「はい! 近くまで来たら道言いますね。送ってくれてありがとうございます」

店「いやいや、気にしないでよ。ところで友君、夜ってなにか用事はあるかい?」

友「特には。どうしました?」

店「今日は災難な日だったけどとてもめでたい日になった。今から少し寝てから夜釣りで真鯛なんてどうだろう?」

友「行きたいっす! てか本当に店長さんも釣りが好きなんですね」

店「好きじゃなきゃ釣具屋なんてできないからね。じゃあ夕方くらいに迎えに行くから数時間だけだけどぐっすり寝るんだよ」

友「了解です!」

第7話 真鯛の夜釣り

267: 2015/05/10(日) 01:11:29 ID:pT2d32II
ガチャ バン

友「こんばんは。わざわざ迎えに来てくれてありがとうございます」

店「いえいえ、誘ったのは僕だしね。早速いこうか」

友「はい! てか夜釣りって初めてなんでドキドキします」

店「夜釣りは独特の雰囲気があっていいよ。視界が悪いから足元とか毒魚とかは注意しなきゃならないけどね」

友「あー確かに。夜の海なんて落ちたら助からなさそう」

店「気付いてくれる人が圧倒的に少ないからね。だからもし今後、夜釣りにいくとしても一人では絶対にいっちゃだめだよ」

268: 2015/05/10(日) 01:13:11 ID:pT2d32II
友「もちろん。まだ毒魚とかもわかりませんしね。そういえば釣りを始めるときに男から真鯛は釣るのが難しいって聞いたんですが俺でもやれますかね?」

店「そうだね。基本的に船釣りのターゲットとして人気が高い魚種だから初心者の友君に狙いやすい魚を勧めるためにそういう言い方をしたんじゃないかな?」

友「なるほど。じゃあ今から船釣りをするんですか?」

店「今日は投げ釣りだよ」

友「投げ釣りってあのカレイみたいな感じのやつですか?」

店「真鯛はもっと沖の方に遠投しなきゃならないけどね。とりあえず遠投竿を4本用意してきたから2本ずつ使おう」

友「わざわざありがとうございます。複数竿を出すってことは置き竿するんですか?」

店「よくわかったね。その通りだよ」

友「でも大丈夫なんですか? 前のカレイの時に偶然チヌが掛かって竿を持っていかれかけましたけど真鯛ならもっと引くんじゃないんですか?」

店「そうならないためにリールのドラグを緩めとくんだ。魚が引いたら糸が出る音でわかるし竿を持っていかれることもないしね」

269: 2015/05/10(日) 01:14:33 ID:pT2d32II
友「リールにもいろいろな使い方があるんですね。店長さんに今の話聞くまで思いつきもしませんでしたよ」

店「ドラグの調整とかでバラしの確率がグッと下がったりすることもあるし暇な時にでも釣り雑誌なりで勉強してみてもいいと思うよ。おしゃべりしてたらもう見えてきたね」

友「男の部屋に転がってる雑誌でも借りて勉強します。よーし、釣るぞ!」

……………………

270: 2015/05/10(日) 01:15:13 ID:pT2d32II
店「じゃあ早速はじめようか。天秤にこの仕掛けを引っ掛けて餌をつけたらすぐはじめれるよ」

友「ちなみに今日使う餌ってなんですか?」

店「ユムシって言うんだけどこいつだよ」

友「うおっ! フルフルベビィ!?」

店「フルフルベビィがなにかわかんないけど気持ち悪いだろ。けどこいつがなかなかの大物キラーなんだ」

友「こいつどうやって針刺すんすか?」

店「まずはそっと優しくつまんでみて」

友「そーっとっすね」オソルオソル

友「うおっ! 水吐いてる!!」

271: 2015/05/10(日) 01:15:45 ID:pT2d32II
店「その水を吐いてるところに針を刺して体の真ん中あたりから針を出して完了だよ」

友「よし………できた! こんな感じですか?」

店「それで大丈夫なんだけど針より下のところがパンパンに膨らんでるのがわかるかい?」

友「瓢箪みたいな形になってますもんね」

店「そのまま投げちゃうと頭上で破裂したりしちゃうから指でつまんだりして水を出しちゃおう」

友「こいつが破裂して降ってくるのは勘弁…」

店「できたみたいだね。じゃあ早速投げてアタリをまとう」

友「わかりました!」

……………………

272: 2015/05/10(日) 01:16:27 ID:pT2d32II
店「友君、ラーメンでも食べるかい?」

友「おー! さすが店長さん! 用意がいい」

店「夜釣りはなんだかんだ体が冷えるからね。風邪ひかないようにしないと。はい。3分待つんだよ」

友「ありがとうございます。釣りって魚が掛かってる時は当然だけどこの待ってる時間もなぜか楽しいですよね」

店「僕達は特に毎日を自然が少ない場所で暮らしてるからってのもあるんだろうけどね」

友「あー、それはありそうですね。夜の海の雰囲気ってなんかソワソワする」

店「なんなら怪談話でも始めるかい?」ニヤ

友「や、やめましょう!」ガクブル

シャア-----------

友 ビクッ

273: 2015/05/10(日) 01:17:02 ID:pT2d32II
店「友君の手前の竿だね! まず竿を持ってドラグを締めてアワせて!」

友「え、あ、はい! まずはドラグをっと………ビビらせやがって!!」ビシッ

店「乗ったみたいだね!」

友「はい! 待ってろ真鯛! ビビらされた怨み晴らしてやる」フン

店(ラインの出方からして真鯛ではないね。これは友君はまた驚かされそうだな)ニヤ

友「よし! やっと見えてきた。えっと…タモはっと…」

店「タモ入れは僕がやるから任せて」

友「ありがとうございます。よし入った」

店「上げるよ! はい」

友「うわぁっ! ちょっ、これ! サメっ!!」

店「ハハハハハ! 友君、すごい顔してるよ」ハハハ

274: 2015/05/10(日) 01:17:39 ID:pT2d32II
友「店長さん! こいつ本物のサメですか?」

店「こいつはホシザメの小さいやつだね。でかくなると1.5mくらいになるよ。まぁそのサイズだとアタッた時には仕掛けごと持ってかれるだろうけどね」

友「とりあえず早く逃がしましょう怖いし」

店「いや、〆るよ」

友「え? 食うんすかこいつ」

店「サメはリリースする人も多いけどなかなか美味しいからもし今後も釣れたら持って帰った方がいいよ」

友「いや、これを捌ける気がしないんすけど」

店「そういう時こそ我が弟を使うんだよ」ニヤ

友「帰るころにはさすがに寝てるんじゃ…」

店「叩き起こすから大丈夫だよ。まぁやろうと思えば僕も捌けるしね」

275: 2015/05/10(日) 01:18:13 ID:pT2d32II
シャーッ‼︎

店「次は僕の方に来たね」

友「すぐ音が止まっちゃったけど逃げたんですかね」

店「いや大丈夫なはずだよ。とりあえずドラグを締めてっと…」

竿 グググググ

店「少し我慢して…よし!今だ!」ビシッ

友「おお! ついに真鯛を拝めるか」

店「真鯛だといいんだけどね! よし。見えてきたね。友君、タモ入れお願い」

友「シルエットがタイっぽい! よっと! おっけーす」

276: 2015/05/10(日) 01:18:49 ID:pT2d32II
店「ありがとう。あー、こいつか」

友「黒い真鯛…真鯛亜種?」

店「どうみてもチヌだね。まぁ文句無しの歳なしサイズだし嬉しい外道だ」

友「なかなか釣れませんね真鯛」

店「そんなにパンパン釣れるわけじゃないからね。まぁまだまだ時間はあるし頑張ろう」

友「はい!」

…………………

277: 2015/05/10(日) 01:19:30 ID:pT2d32II
友「そろそろ日が昇りそうですね」

店「一晩通してチヌ二枚とホシザメか。悪くはないんだけどね。明け方にヒットが連発することもあるしあと30分ほど粘って納竿しよっか」

友「わかりました。たのむぞユムシ君!」

竿 シャーッ‼︎シャ---

店「とか言ってたら早速糸が出てるね。どれどれ…」ビシッ

友「どうですか?」

店「こればっかりは上げてみなきゃわからないからね」

友「お!赤い!」

店「きたね! よかった」

友「入れますね。よーしおっけーです!」

278: 2015/05/10(日) 01:20:06 ID:pT2d32II
店「ありがとう友君。釣れてよかった」

友「念願の真鯛も見れたしそろそろ帰りますか。次は俺も釣りたいな」

竿 ジジジジ

友「ん? 引かれてる」ビシッ

店「どうだい?」

友「根がかりかという思うくらい重たいっすね。なんとか巻けるから海藻でも引っ掛けたかな。けどなんか引いてる気がする」

店(まさかなぁ)

友「重たいなぁ。てか魚ついてる! しかもでかい」

店「やるなぁ! さすが友君だね! そこまで大きくないしそのまま引き抜いてごらん」ハハハ

279: 2015/05/10(日) 01:20:43 ID:pT2d32II
友「よいしょっと! ってうわぁ! サメ!!」

店「ハハハハハ! さすがのサメハンターだね」

友「そんなの名乗ったことないっすよ! こいつも持って帰りますか?」

店「まだ小さいし今日はそれなりの釣果が出たからリリースしてあげよう」

友「了解です。おまえもう釣られんなよ!」ポイ

店「なかなか楽しめたし帰ろっか」

友「ですね。片付けましょう」

店「帰りに弟のとこにクーラー預けて夜の予約でもとって帰ろう」

友「この時間に本当に起こすんすね」

店「あいつ、この時間帯はまだ起きてるはずだから大丈夫だよ」

友「なら良かったです。男にも夜に料理人さんのところに集合って連絡いれときますね」

店「ありがとう。よし、帰ろうか」

…………………

280: 2015/05/10(日) 01:21:28 ID:pT2d32II
海鮮居酒屋

友「では、男と女さんのこれからにカンパーイ!」

店「カンパーイ!」

男「かんぱーい…」

友「なんだよ男! 元気ないな」

男「昨日、寝れなかったんだよ…」

店「いつもは図太い男君が寝れなくなるとはね」ニヤ

友「男は女さんのことになるとヘタレだからなー」ゲラゲラ

店「確かに」ゲラゲラ

男「うるせーよ」ハァ

281: 2015/05/10(日) 01:22:02 ID:pT2d32II
店「しかし、ここで初めて会った時はまだ子どもだったのに一緒にお酒を飲めるようになるとはね」

男「ですね。あれからお世話になりっぱなしで本当にありがとうございます。今日もわざわざタイ釣ってくれたらしいし」

友「俺も釣ったぞ! サメだけどな」

男「ありがとな。このサメのフライもほんとうまい」

店「世話なんてしてないよ。僕は子どもがいないからね。男君や女ちゃんの成長見てるのが楽しくってやってるだけだよ」ニコニコ

男「ありがとうございます。そういえばあの話、受けようと思ってるんですがまだ大丈夫ですかね?」

店「おお! 本当かい? 早速連絡しとくよ」

男「お願いします。俺の方からも次の休みくらいに顔出して挨拶しに行ってきます」

友「ん? なんかあったのか?」

282: 2015/05/10(日) 01:22:41 ID:pT2d32II
店「僕や男君が昔からよく利用させてもらう釣り船の船頭さんが後継いなくて少し前から男君のことを口説いてたんだよ」

友「釣り船の船頭!? 男にピッタリな仕事だなそりゃ。けど生活とかやっていけんのか?」

男「はじめは弟子入りって形でほとんど給料もなしで仕事覚えてだから貯金を崩しつつとかになりそうだけどなんとかなるだろ。独り立ちすりゃ店長さんが客紹介してくれたりイベントで使ってくれるし魚釣れば料理人さんが買い取ってくれるっていうしさ」

店「船頭さんは趣味であの仕事をやってたようなものだから弟子入りは仕事を教える口実で本当は男君に今あるものを譲るつもりみたいだけどね」

男「船頭さんにもお世話になりぱなしで頭あがりませんよ」

店「船頭さんは男君のことを孫みたいにかわいがってるからね。せっかくだし次の休みはみんなで船頭さんに船を出してもらおうか」

283: 2015/05/10(日) 01:23:18 ID:pT2d32II
友「おお! はじめての船釣りだ。紺ちゃんも呼んでいいっすか?」

店「もちろんだよ。怪我で来れない女ちゃんには悪いけどみんなで楽しもうか」

男「女は俺が独り立ちすればいつでも乗せてやれますしね」

友「ちょっと聞きました奥さん」ニヤニヤ

店「早速惚気てますわよ」ニヤニヤ

男「あー! うるせぇ!」

友「照れてる照れてる」ニヤニヤ

店「若いっていいねぇ」ニヤニヤ

男「わかったから! とりあえず飲むぞ付き合え!」

友、店「「カンパーイ!」」

第7話 真鯛の夜釣り 終わり

284: 2015/05/10(日) 01:27:07 ID:pT2d32II
投下完了
たまーに釣れるドチザメやホシザメは普通に美味しいからリリースしてた人は一回食べてみてくださいな

釣れたらその場でさばいて内臓出して持って帰らなきゃキッチンがやばい匂いになるから気をつけて

285: 2015/05/10(日) 06:59:58 ID:BwCVvso2

引用: 友「男様、どうか私に釣りを教えてください」