411: 2005/11/16(水) 00:56:44 ID:lAWfXJyW0


( ^ω^)ブーンが侍になったようです【其の壱】
( ^ω^)ブーンが侍になったようです【其の二】
( ^ω^)ブーンが侍になったようです【其の三】

子供1 「ツン先生・・・・?」

生徒の一人の声で、ツンはビクリと現実に引き戻された
跳ね起きるように立ち上がり、悟られぬようさりげなく涙をぬぐう

ツン 「ど、どうしたの・・・? 何かあったの?」

道場の師範代を勤めるものとして、生徒たちの模範たらねばならない
その意識がツンの頭を切り替えさせる

子供1 「ショボン先生も大先生もいなくなっちゃって・・・・・」
ツン 「だったら・・・」

ブーンが行ったはず、と言いかけて、その言葉を飲み込む
ブーンが行っているわけがないのだ
つい、心地いい思い出に浸りすぎて、なかなかそこから抜け出せない
頭を振り、もう一度、意識を切り替える

ツン 「なら、私が今から行きます。すぐに準備できますから、キチンと待っていなさい」
子供1 「はーい・・・・・と、そういえば」
413: 2005/11/16(水) 01:07:06 ID:lAWfXJyW0
道場への廊下へと出ようとしていた少年は、何かを思い出したかのようにくるりとこちらを向く

ツン 「どうしました?」
子供1 「ツン先生、ブーンはどこ行っちゃったの?」
ツン 「・・・・・っ!」

不意に出されたその名前に、ツンの心臓は一瞬停止した
そのぐらい、ツンには衝撃的なタイミングであった

ツン 「か・・・帰ったのを・・・知っていたの・・・・?」
子供1 「うん! ・・・ていうか、そこの壁見れば誰でもわかるよ?」

少年が指差すところには『方』の形に穴の空いた漆喰の壁だった
なるほど、そんな穴をあけるのはブーン以外にいるはずもない
ぐらぐらと、師範代としての仮面が揺らぎはじめる

ツン 「そうよ・・・・ね・・・」
子供1 「・・・・ツン先生、またブーンと喧嘩したの?」
ツン 「・・・・・・・・・・・・」

418: 2005/11/16(水) 01:21:36 ID:lAWfXJyW0
何も言えなかった。呆れたような少年の口調は、決して責めているわけではない
にも関わらず、静かなその声は、容赦なく心をさいなみ、引き裂いていく

子供1 「・・・・は~あ、今度は何? この前は・・・なんだっけ・・・」
    「ショボン先生と出稽古に行くことを内緒にされたんだっけ?」
    「まったく、男相手に嫉妬してどうするのさ? ・・・って、今回は違うのか・・・」
ツン 「そうね・・・・今回は、そんなんじゃないわ・・・・・!」

ショボン。その音は、今度は別の意味でツンの心に突き刺さる
我知らず噛んだ唇から、たらりと血が流れる

子供1 「・・・? ・・・そう言えば、旅に出てたんだよね・・・?」
    「・・!! ああ、ツン先生! 絶対! 絶対ソレはないよ!?」
ツン 「え? え? ちょ・・・・どうしたの・・・? 落ち着きなさい?」

ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、必氏の形相で訴える少年に、ツンはうろたえる

421: 2005/11/16(水) 01:34:18 ID:lAWfXJyW0
子供1 「ぜったいだよっ!? どう考えても、ありえないもん!!」

飛び跳ねながら、止めようとしているのか、しがみつこうとしているのか
それとも胸を揉もうとしているのか、よくわからない動きをする少年
三つ目だったときのためと、そう誤解を招きかねないことをするとどうなるか
教えるためにも一度殴っておいた方が良いかと腰を落とそうとした時

子供1 「ブーンが浮気なんかするはずないもん!!」

道場まで聞こえるのでは、というほどの大声で叫んだ

ツン 「・ ・ ・ ・ ・ はぁ?」

あまりにも的外れなそのシャウトに、思わず毒気をぬかれる

子供1 「・・・・・・・・・・・・・・・・違うの?」
ツン 「ぜんっぜん、違うわよっ!!」
子供1「だって、唇から血が出るような顔してるんだよ?」
    「他の可能性なんて考えられないって!!」
ツン 「いや・・・・そこまで断言されても困るんだけどね・・・・」
子供1 「あ! そうだよね、そんなことだったらそこらにブーンが転がってるもんね」
     「早とちりだw」

ツンが子供たちに抱かれている印象は、思いのほかバイオレンスなご様子

429: 2005/11/16(水) 01:54:44 ID:lAWfXJyW0
ツン 「そんなんじゃないわ・・・・ちょっと、私が酷いことを言っちゃっただけ・・・」

自分自身への嫌悪感が顔をゆがめる
酷いことと分かっていながら、何故そんなことを平気で口に出来たのか・・・?
どれだけ、無責任な照れ隠しでブーンを傷つけてきたのか・・・?
思い出の中ですら、何度そう思ったか数え切れない
それでも反省を活かせない自分が・・・・・・・・・・・・・にくい

子供1 「なーんだ・・・・それじゃ大したことじゃないじゃん?」
     「つまんねーw」
ツン 「えっ・・?」

今、この子は何て言った? 大したことじゃない? アタシがこんなに苦しんでいるのに?
いや、そもそもその後のつまんねーってなに? やっぱりここらで殴るべき?

子供1 「ブーンがツン先生を嫌うわけないじゃんw」
     「修羅場でも何でも無いしwつまんねーw」

431: 2005/11/16(水) 02:09:55 ID:lAWfXJyW0
からからと笑う少年の顔には、慰めやごまかしの色はない
本心からそう思い、否、思う必要すらないほど常識なのだろう

ツン 「で、でもね?・・・アタシには婚約者のショボンがいるのよ・・・・?」

お父様が勝手に決めた、の一言は、口に出さない
こんな子供に当り散らしたくはない。それに、今は関係ない

子供1 「?それがどうしたの?」
ツン 「# だから、武家の妻がね? 夫以外の人を好きになったらまずいでしょ?」

夫となるであろう人の顔を思い浮かべる
真面目で、責任感が強くて・・・・・・・・それだけの人物の顔を
自分は、彼を愛せるのだろうか? ソレはいつも考える。だが、今は関係ない

今、知りたい答えは・・・・・



子供1 「? ・・・・それって、ブーンの気持ちになんか関係あるの?」

433: 2005/11/16(水) 02:21:16 ID:lAWfXJyW0
カシャン、と、胸の奥で何かが壊れる、あるいは崩れる音が聞こえた
それは門だったのかも知れない、それは鎖だったのかもしれない
それは常識というものだったのかもしれない、それは疑いというものだったのかもしれない

そのどれでもあり、どれもが不正解なのかもしれない
だが、どうでもいい物だということだけは、確かだ・・・・!

ツン 「あは・・・・ははは・・・・あははははははははwwwwwwww」

ツンは笑った。思いっきり、笑った。おかしすぎて涙がでるほどに
何を自分の殻に閉じこもっていたんだろう?
何を意味のないルールを作っていたのだろう?
くだらない、くだらない、ほんっとうに、くだらない!

子供1 「ツン先生・・・・?」
ツン 「うん・・・・うんうん・・・! ・・・・ありがとう。おかげですっきりしたわ」

少年の言葉に適当に返事をし、柔軟体操をその場で始めた

434: 2005/11/16(水) 02:35:11 ID:lAWfXJyW0
ツン 「よっし! さ~て、あんの大馬鹿をとっちめてやるんだからねっ!」

最後にアキレス腱と肘を同時に伸ばして準備は完了

子供1 「・・・・って、ツン先生はどこに行くのさ?」
ツン 「ん~? 適当に走ってれば、向こうから出てくるんじゃない?」
子供1 「適当って・・・・」
ツン 「いいのいいのw ・・・少し、自分に素直になろうと思ってね」
   「最後に飛ぶための助走だと思えば軽い軽いw」
子供1 「すなおって・・・! うっはーwwまじで!? 」
     「そうだよ、ツン先生は素直になった方がいいよww」
     (これはショボン先生と大先生がだまってないぞ~wwww)
ツン 「###・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

くすくすと押し頃して笑う少年の声に、『方』から出ようとしていたツンが足をとめた
くるりと振り向く姿はさっきの少年のように。すたすたと少年に近づくと、

ツン 「そうね? いきなりだときつそうだから、ここらで少しだけ素直になっておくね♪」
子供1 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」

しばらくお待ちください ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

ツン 「待ってなさいよー! ブーン!!」

道場の方はあえて描写しません

445: 2005/11/16(水) 03:55:02 ID:lAWfXJyW0
先生は、ブーンの後を追っていた
普通に見れば足跡などとうに消えたように思える
しかし先生は常人離れした集中力と注意力で、地面の足跡のその跡を見ていた

先生 「足跡が・・・濃いな・・・・」

つまり、ブーンはこの辺りにいる。それは間違いない
先生はそこで一度大きく、凶暴な笑みを浮かべ・・・・・・・
数秒後には、すっかり枯れ果てた老人のような、諦めと悲しみに満ちた表情をとっていた

先生 「ブーン・・・・ショボン・・・・すまぬ・・・・すまぬ・・・・」

懐に差し込まれた手は、何かを強く握り締めていた
何かの手ごたえを、そのまま揺らがぬ決意の礎とし、今・・・・・・・

老いた虎が、その生き様を示そうとしていた

449: 2005/11/16(水) 04:04:27 ID:lAWfXJyW0
('A`) 「さて、実のところは、だ。・・・コイツを聞くためにお前さんに会いに来たんだよ」
( ^ω^) 「早くするお!」
('A`) 「気がみじけぇと長生きできんぜ?ま、いいとしようやな・・・・」
    「本題はコイツだ。お前さんの道場は? いや、流派を聞いたほうがいいのかな?」
( ^ω^) 「・・・・ニュー速流だお」
('A`) 「道場は・・・・こことは反対側の、あー・・・・竹林のあれか?」
( ^ω^) 「・・・・そうだお?」

毒男は心底愉快そうに笑った

(;^ω^) 「な・・・・! 何がおかしいお!?」
('A`) 「wwwwwwwwwww・・く、くくくくっwwwww」
(;^ω^) 「いい加減にするお!!」

451: 2005/11/16(水) 04:16:52 ID:lAWfXJyW0
('A`) 「w、わ、わりぃわりぃ・・・wwwww」
( ^ω^) 「・・・・・・それより、さっきの質問には答えないのかお?」
('A`) 「・ ・ ・ ・ ? さっきの質問て?」
(#^ω^) 「お前の本当の理由だおっ!? 忘れたとは言わせないお!!」
('A`) 「やっかましいやつだな・・・・・俺はタバコが切れると記憶も切れんだよ・・・ったく」
(#^ω^) (タバコの煙で燻してやるかお・・・?)

ブーンが実行する前に、毒男は自ら肺を燻し始めた

('A`) 「俺の目的は単純だ。好奇心ってやつだぁな?」
( ^ω^) 「こうきしん・・・?」
('A`) 「お前さんがボケる前に言っとくぞ? 興味とかの好奇心な?」
(;^ω^) 「べ、べつに何もねらってなんかないお!?」
('A`) 「刀狩の復活、ってーのには、今回のは違和感があったんだわな」

452: 2005/11/16(水) 04:28:20 ID:lAWfXJyW0
キセルの煙で輪っかをつくりながら、毒男は話を続ける

('A`) 「十年前の刀狩は、頭っからケツまでに七人も殺ってる」
     「しかも、一週間以内にな?」
(;^ω^) (こいつ・・・・なんでこんなに刀狩に詳しいお・・・・?)
('A`) 「ところがだ、な? 今回の刀狩は、なんと一ヶ月で十人も倒してやがる!」

ぷわっと浮かべた煙の丸。その横にふーっと煙を吐き出し、数字の10を形づくる

('A`) 「いやいや、太平楽のこの時代! 一月で十人とはおそれいるね!?」
(#^ω^) 「・・・・それは何かの嫌味かお?」

あからさまに十年前との比較するような言い方は、心地よいものではなかった
だが、毒男はそれをすぐに否定する

('A`) 「くく・・・本心だよ、これでもな?」
     「お前さん、なんか勘違いしてるよな? 一週間で七人頃すのと」
     「一月かけて十人殺さないのは、どっちが大変だと思うよ?」

454: 2005/11/16(水) 04:45:10 ID:lAWfXJyW0
常人の感覚で言えば、前者の方が数倍、数十倍難しいであろう
だが、ブーンや毒男にとっては違う。生かすのと頃すのでは、頃す方が楽なのだ
ブーンが望むと望まないとに限らず・・・・・・・

('A`) 「・・・・・・説明するまでもねぇみてぇだな?」
(;^ω^) 「まだ・・・・・答えてないお・・・・」
('A`) 「ふん・・・・認めたくないんかね・・・・ま、それもよしとしようかね」

面白くも無さそうに、煙を吐き出す毒男

('A`) 「さて、こっちのターンだったかな?」
    「んーっと、この辺かな? ・・・お前さんとこの、跡取ってな、誰なんだい?」
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・そんなもの聞いてどうするお?」
('A`) 「んー・・・ま、いつか手合わせでも願うかね?」

くるりくるりとキセルを弄ぶ毒男。もう興味があるところは全て聞いたのであろう
まるでブーンに質問をさせるかのように、どうでもいい質問を選んだとしか思えない

だが、偶然というものはなんと気まぐれなのだろうか?

その質問もまた、ブーンの心をえぐる物であった

458: 2005/11/16(水) 05:04:28 ID:lAWfXJyW0
( ^ω^) 「多分、ショボンじゃないのかお・・・・」

本当なら、自分だと、叫びたい気持ちを抑え、ただ事実を告げる
言っても現実は変わらない
ツンはショボンと結婚する。そして自分は後継者候補でも何でもなくなる
そのとき、自分は、どこにいるのだろうか・・・・・

('A`) 「ふーん・・・・俺はてっきりお前さんかと思ったんだが・・・・」
    「勘が鈍ったかな? じゃなけりゃ世界は広いってことかな?」
( ^ω^) 「もう聞きたいことはないのかお?」
('A`) 「そりゃこっちの台詞だwww お前さんは、もういいのかい?」
( ^ω^) 「・・・・特に、思いつかないお・・・」

正直な感想だった。だが、やはり毒男はここでわらった

('A`) 「wwwwかっはっはっはっはhっはwwwwwww」
( ^ω^) 「一体どうしたお? そんなにおかしいかお?」
('A`) 「お人よしにも程があるってんだよwwww」

459: 2005/11/16(水) 05:15:37 ID:lAWfXJyW0
('A`) 「てめえの背中に槍を持って近づくようなやからだぞ?」
    「噂にものぼらねぇ、刀狩を調べる男だぞ?」
    「てめえの道場のことを脅迫まがいに聞き出す男だぞ?」

毒男は大きく鉄槍を振り回し、穂先をブーンの鼻先寸前で止めた
あと一歩、毒男が踏み込めば、ブーンはたやすく氏ぬであろう状況で
ブーンはまったく微動だにしなかった

('A`) 「wwwwwwww動じやしねぇぜwwwwwwwww」
( ^ω^) 「殺気も闘気もない武器なんか、こわくないお」
('A`) 「くくく・・・ちげぇだろ? 生きるも氏ぬもどうでもいいんだろ?」
    「くっはははははははははははwwwwwwwwww」
    「おもしれぇぜっ!!!!」

毒男の言ったことは事実だ。だが、他人に言われるようなことなのだろうか
しかし、ブーンはそのことですらどうでもいいと感じていた
毒男は大きく膝を叩きひとしきり笑った後、

('A`) 「気に入ったぜwwwwwほらよ、コイツをやるよww」

460: 2005/11/16(水) 05:29:39 ID:lAWfXJyW0
ぽす、と草の上に落ちたのは、一冊の本だった
いや、本と言うよりも調査書、なのだろうか?
和紙を糸で留めただけの簡単な作りは、売り物としての本であるはずがない
ブーンがその本を拾うと、またもや毒男は笑った

('A`) 「わっけわかんねぇwwwwwwwつか、ひでぇwwwwww」
    「こっちは槍も引っ込めてねっつのにwwwwww人の話は聞けよwww」
( ^ω^) 「ここでぼくを頃す意味なんか・・・・ないお?」
('A`) 「いや?案外痛快かもしれんぜ?」
( ^ω^) 「その程度の男なら、今の今までに六回は頃してるお?」
('A`) 「頃す? 俺がお前を? お前が俺を?」
( ^ω^) 「どっちでもいっしょだお、多分、相打ちが一番多いはずだお」
('A`) 「ほんっとうにwwwwwおもしれぇやつだなwwwwwwwww」

そこで初めて毒男は槍を外した

( ^ω^) 「槍が消えたから聞くを」
('A`) 「ん? まだなんかあったのかい?」
( ^ω^) 「こいつの中身はなんだお?」

466: 2005/11/16(水) 06:58:58 ID:lAWfXJyW0
('A`) 「そうだな・・・先に言っておく。そいつぁとあるところからがめてきた代物だ」
    「ずっともってりゃそりゃまずいがな・・・ちらっと見て捨てちまえばどうってこたない」
( ^ω^) 「お前の目的が、これの処分でないという証拠はどこだお?」
('A`) 「ずいぶんと疑り深くなりやがったな?」
    「目的は別にあるってのが証拠にゃならないかい?」
( ^ω^) 「・・・・目的を言ってみればいいお」
('A`) 「そいつの中身をお前に見せる。それだけさね」
( ^ω^) 「・・・・それにいったい何の意味があるお?」
('A`) 「見てみればいい。そうすりゃ、きっと俺にとって笑える展開が待ってんだよw」

毒男が笑い出そうとしたとき、林の入り口から足音が聞こえてきた
同時、毒男は走り出していた

('A`) 「ちっ・・・・・・!」
( ^ω^) 「どこへ行くお?」
('A`) 「怖いおっさんから逃げるんだよ」
    「怖いおっさんが来る前に、そいつは読んでおきなwきっと楽しい話ができるぜ~?」

そう言って、毒男は林の奥へと消えていった

469: 2005/11/16(水) 07:10:09 ID:lAWfXJyW0
先生は林の中へと足を踏み入れてしばらく
薄暗い木々の間に、本の様な物を開いたブーンが立っていた

先生 「ブーン・・・・」
( ^ω^) 「先生・・・・お待ちしておりましたお」

開いていた本を閉じ、ブーンはにっこりと微笑んだ

先生 「その調査書を見たということは・・・・・わかっているな?」
( ^ω^) 「ええ、おそらくは、と言った感じですが」

先生は頷き、腰の刀に手を伸ばした
しかし、一方のブーンは自然のままであった

先生 「・・・・・・どうした? 抜かぬのか?」
( ^ω^) 「ええ、必要ありませんお」
先生 「ほう・・・・・・? 無手(素手のこと)の技を教えた覚えはないぞ・・・・?」

ブーンは薄く笑い、両手を広げてこう言った

( ^ω^) 「斬るなら斬ってくださいだお。 できれば一撃で」

586: 2005/11/16(水) 21:03:13 ID:lAWfXJyW0
ショボンは走る
あてまなく走る
消えかかった足跡を追うなどと言うバケモノじみた技など、ショボンは持っていない
ただただ気ばかりが焦る

('・ω・`) 「先生・・・・・ブーン・・・・!」


ツンは走る
しらみつぶしに走る
ブーンが行きそうな場所、ブーンとの思い出の場所を全て回る
少なくないその場所は、ツンのブーンへの想いを少しづつ強めていく

ツン 「ふふ・・・・ブーン・・・・・! アタシにこんな苦労させたこと、後悔させてやるんだからねっ!」

588: 2005/11/16(水) 21:06:24 ID:lAWfXJyW0
二の太刀いらずのニュー速流
二の太刀いらず、で抜刀術を想像するかも知れないがそれは間違いだ
人間の身体は、外へ向かう押す力よりも、内へ向かう引く力のほうが強く出来ている
引っ張る力を最大に引き出すには、身体の中心から離れた位置に刃を構えるのが効果的だ
自然、一撃必殺の構えは抜刀した状態からはじまるのだ

だが、先生は刀を抜かない
柄に手を置き、じりじりと間合いを詰めていく

( ^ω^) 「先生? ぬかないのかお?」
先生 「お前の足は、よく知っているつもりだ」
   「獲物の長さを見れば、届かぬところぐらいわかるであろう・・・?」
( ^ω^) 「先生の全力の斬撃をかわせると思うほど、自惚れていないお?」

両者の距離は、もう十分に射程距離に入っていた・・・・・

590: 2005/11/16(水) 21:09:04 ID:lAWfXJyW0
だと言うのに、なおもブーンは構えを取ろうとはしない
わずかに後ろに重心を傾けているだけで、斬撃に対応する気構えがあるとは思えない

( ^ω^) 「どうしましたお? 僕を切ってくれるのでは、なかったのかお?」

安い挑発だった。もし、この場面を見ているものがいたならば
それが相手を激昂させ、カウンターを狙う為の布石だと思ったかもしれない
だが、先生はあくまでも静かに、気を練るようにブーンを見据えるだけだ

先生 「これが・・・・最後だ・・・・! 抜く気は、無いのだな?」
( ^ω^) 「・・・・・・・・そう、言ったはずだお?」
先生 「ならば抜かせるまでじゃっ!!」

爆発するかのような踏み込みで、一気に距離を詰める
両者の顔までは、拳二つあるかないかの距離だ
先生の、腰にやった手が神速の動きを見せる

先生 「咆ォォオオオオオォォォォオオオオオっっっっっ!!!!!!!!」
(;^ω^) 「っっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!」

グォンっ!!



柄を握った拳は、ブーンの首の前を、左から右へ、なんの抵抗も無く滑っていった・・・・・・

592: 2005/11/16(水) 21:12:34 ID:lAWfXJyW0
「咆ォォオオオオオォォォォオオオオオっっっっっ!!!!!!!!」

('・ω・`)・ツン 「・・・・・・・っ!!!」

先生の雄たけびは、遠く離れた位置にいた二人の耳にも届いていた
今までに聞いたことも無い、先生の、真の裂帛の気合
目の前にいないというのに、声に含まれる殺気で震えが止まらない

咆哮の後、全くの無音が辺りを支配していた

('・ω・`)・ツン 「ブーンっ!!!」

二人は、ちょうど目指す林を中心に、正反対の場所から、走り出した
もう手遅れかもしれないのに・・・・・・・・・・・・

594: 2005/11/16(水) 21:15:29 ID:lAWfXJyW0
林は、先生の一刀の起こした風で、大きくうねった
うねりがおさまると、林は静寂の二語で表現された
木々と草花以外の立体物は二つ

先生とブーンである

先生 「・・・・・・・・・なぜ・・・・だ・・・・?」

先生の独白は、驚きと、酷い落胆の色が、つぎはぎされたような音色であった
カシャン、と手にもっていた柄を取り落とし、次の瞬間

先生 「なんで・・・・・・お前は・・・!」
    「刀を抜かなかったんだっ・・・・・・!!!!!」

先生は泣いて、いや・・・・・・・・・・・慟哭いていた・・・・・・

598: 2005/11/16(水) 21:23:43 ID:lAWfXJyW0
涙が、先生の両の瞳から、とめどなく、それこそ滝のようにあふれる
膝は自身の重量を支えることを放棄、崩れるように四つんばいになる


「それは・・・・・・・」

響く声は、たんたんと、

「わかってるいるはずです・・・・・・・」

祝福する天使のように優しく、また、断罪する天使のように残酷に、

( ^ω^) 「先生が、こんなことできるはずがないんだお・・・・・」


首のつながったブーンの口からこぼれていた

604: 2005/11/16(水) 21:35:15 ID:lAWfXJyW0
ブーンは視線を先生の取り落とした柄へとむけ、それを拾い上げる
刀身の無い、柄とつばだけの物体を

( ^ω^) 「先生・・・・刀身を忘れるなんて、もうお年ですかお?」
先生 「何故だ・・・・・・何故、気がついた・・・・・?」
    「わしは、自分すらもだまして、本当の殺気を出していたはずだぞ・・・・!?」
( ^ω^) 「気づいていたわけじゃ、ないんだお・・・」

正直氏ぬかと思った、と付け加え、

( ^ω^) 「先生を信じたかっただけだお」
先生 「あの、調査書をみたのだろう・・・・・?」
    「それに・・・・・わしはお前に・・・・ツンをダシにして刀狩を命じたのだぞ・・・?」
    「信用など・・・今のわしを・・・・信用などできるわけが無い・・・・!!」

( ^ω^) 「ちがうお」

ブーンは、泣き崩れる先生に、自分も涙しながら

( ^ω^) 「今、じゃなくって、昔から変わらない、やさしい先生を信じたかったんだお・・・」

614: 2005/11/16(水) 21:54:13 ID:lAWfXJyW0
涙をぬぐい、立ち上がった先生は、それでもまだ信じられない様子だった

先生 「あの調査書は、城の方の正式なものだったはずだが・・・・」
    「お前は、それすらも疑ったのか?」
(#^ω^) 「あんなデタラメ信じる方がおかしいお!?」

子供のように怒るブーンに、先生は一瞬、きょとんとした顔になり、すぐに笑った

先生 「くく・・・・くっはっはっはっはっはっはっはっwwwww」
(;^ω^) 「な・・・なにがおかしいんですかお!?」
先生 「公の文書をデタラメ呼ばわりとはな・・・・お前は本当にデタラメだ」
(;^ω^) 「ひどい言われ様だお・・・・・」

617: 2005/11/16(水) 22:02:30 ID:lAWfXJyW0
先生 「この調査書を持っているということは、毒男には、もう会ったのだな?」
( ^ω^) 「先生は、あいつのことをご存知なのかお?」
先生 「ああ・・・・・・だが、その話は後だ」
    「やつが来たとなれば・・・・もう時間が無い」
( ^ω^) 「・・・時間が無い・・・? どういうことですかお?」
先生 「・・・・・その調査書について・・・少し因縁がな・・・」
(#^ω^) 「先生! だったら力になるお!」
      「あいつはぼくをだまして、先生を殺させようとしたお!」
      「絶対にゆるせないお!」

息巻くブーンを先生は、寂しそうな顔で見る

先生 「お前は・・・・本当に、やさしいな・・・・・やさしすぎる・・・」
    「だから・・・・・」


   「ショボンの方に期待するよ」

( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・え?」

ドブシュッ!!

「ぐぁああああぁぁぁぁぁあああああああっ!!!!」

630: 2005/11/16(水) 22:15:12 ID:lAWfXJyW0
「ぐぁああああぁぁぁぁぁあああああああっ!!!!」
('・ω・`) 「!!!」

ショボンは悲鳴、いや、これはもう断末魔という声を聞いた

('・ω・`) 「なっ・・・・・・!!」

遅かったのか? ・・・・いや、そんなはずはない!
暗い暗い焦燥感を必氏で打ち消し、ショボンは必氏で走る

走り、走り、走り、そして

ショボンが見たものは・・・・・

('・ω・`) 「!!!!!!!! ブーンっ!!!!!!」

赤い・・・・・赤い血にまみれたブーンと・・・・・

('・ω・`) 「・・・・・・・っ!?  ・・・え・・・? ・・せん・・・・・・せい・・・?」


腹から、刀を生やした、先生の姿だった

638: 2005/11/16(水) 22:23:00 ID:lAWfXJyW0
あの日の、記憶が、

( ^ω^) 「ニジマスだお!」
                   ( ^ω^) 「先生と、ツンにみせるお!」
   ('・ω・`) 「君といると、僕はすごくおちつけるんだ」

('・ω・`) 「のりつっこみにも程がある」
            ('・ω・`) 「父上! ただいまもどりました!」
     ('・ω・`) 「ち・・・ちうえ・・・・?」

                                       にちゃり

一気に噴出す

643: 2005/11/16(水) 22:32:11 ID:lAWfXJyW0
赤い・・・赤いあかいあかいアカイアカイアカイアカイアカイアカイアカイアカイ!!!

ショボンの視界は、真っ赤に染まる

('・ω・`) 「うわあああああああああああああああああああああああああああ!!」
(;^ω^) 「ショボンかおっ!?」

(刀狩、父上の仇、親友、仇、血まみれ、先生、生きてる?氏んでる?、赤い、足に感触がにちゃり)

ショボンは止まらない

血まみれの小太刀は既に引き抜かれている

(ブーンは親友でも刀狩で父上の仇で先生は刀が刺さって刺さってブーンは刀を握って・・・)

653: 2005/11/16(水) 22:40:39 ID:lAWfXJyW0
ショボンが見たのは、先生に刺さる刀と、ソレを握るブーン、そして血だった
ブーンは刀を抜こうと手をかけたのだが、ショボンにはそうは見えるはずは無い

('・ω・`) 「うわああああああああああああっ!!!!!!」

キュゥンッ!

左手に握られた小太刀は、ブーンの頭をかすめる
小太刀が外れると同時、ブーンは回転しながら腰の刀も引き抜き、二刀流の態になる

(;^ω^) 「ショボンっ!落ち着くお!」
('・ω・`) 「ブーン・・・・」
( ^ω^) 「ショボンっ!!話を聞いてくれお!!」
('・ω・`) 「・・・・君の氏で・・・・」
( ^ω^) 「え・・・・?」

ショボンの目は、すでに正気を失っていた・・・・・

('・ω・`) 「君を一人でなんか氏なさない・・・僕は一生その罪を背負う・・・!!」

655: 2005/11/16(水) 22:45:18 ID:lAWfXJyW0
先生は、二人を遠のく意識の中、どこか恍惚と見ていた

先生 (ああ・・・このふたりなら・・・ふたりのどちらかなら・・・・)

ブーンの脇差を刺した時、腹膜ショックを起こしたのか、手がもう動かない
だが、そんなことはどうでもいい・・・

先生 (ああ・・・・どちらでもいいか・・・・・・・ツンを・・・・道場を守ってくれるのなら・・・・)

先生は徐々にその思考を濁らせていった・・・・・

661: 2005/11/16(水) 22:53:39 ID:lAWfXJyW0
ブーンは立ち上がり、ショボンと対峙する
ショボンは腰を深く落とし、上体は前のめりに、二本の刃物は翼のように広げ、構えていた

(;^ω^) 「ショボン!ちがうんだお!ぼくじゃないんだお!!」
('・ω・`) 「もはや問答など無用おおおおおおおおおおおおおお!!!」

ブォンっ!!

大振りの右の刀をブーンは地面をすべるような踏み込みでくぐり、回避
しかし、回転するショボンの左手には、まだ小太刀が残っている
横に逃げるには、懐に入りすぎた。ならば、と、さらに身体を落とし転がろうとする。だが、

(;^ω^) 「ちぃっ・・・・!!? ぐぼぉっ!?」
('・ω・`) 「だああぁぁらああああぁぁぁぁぁあっ!!!」

小太刀を使わず、ショボンは浴びせ蹴りのように、脛をブーンの顔面にたたきつけた

669: 2005/11/16(水) 23:02:37 ID:lAWfXJyW0
鼻がひしゃげるような感触と共に、ブーンはそのまま後ろへと倒れこむ

(;^ω^) 「うっ・・・・!!」

鼻の奥が熱い。まずい、鼻血が出ている。たかが鼻血と、思うかもしれない
だが、真剣での勝負において、鼻での呼吸がふさがれる意味合いは大きい
一度、詰まっている血を出してしまえばしばらくは何とかなる。しかし、

('・ω・`) 「はぁあっ!」

シッシシッ!っとショボンの突きが左右合計三回襲ってくる

(;^ω^) 「まずいっ!」

左に転がりやり過ごし、後転して立ち上がる
膝立ちで顔が下がっているその時、

('・ω・`) 「甘いっ!!」
( ^ω^) 「くぅ・・・!! ぶばぁっ!!??」

ベギッ!

突き刺すような勢いの前蹴りが、ブーンの前歯を叩き折った

680: 2005/11/16(水) 23:09:07 ID:lAWfXJyW0
体が仰け反るが、踏ん張り、再び吹っ飛ぶのを耐える
と、同時に、差し出された右足を掴む

('・ω・`) 「何っ!?」
(;^ω^) 「ブーーーーーーーーーン!!!!!!!」

いつもとは違い、両手を広げずに、走る
足の裏から垂直に押されているショボンは
膝を曲げて、勢いを頃すことも引き寄せることも出来ないでいる
そんな態勢から、斬撃は不可能

('・ω・`) 「甘いって・・・・・言ってるだろぉがぁっ!!」
( ^ω^) 「がはっ!?」

ガッ!

左足で無理矢理跳躍し、そのまま左足でブーンの即頭部を襲う!

687: 2005/11/16(水) 23:15:45 ID:lAWfXJyW0
もんどりをうって倒れるブーン
そして、受身も取れずに墜落するショボン
もし、地面が岩だったなら、二人とも氏んだであろう勢いで、腐葉土に顔を突っ込む

ふらふらと、お互い、満身創痍の様相で立ち上がる

(;^ω^) 「・・・べっ! ・・・フンっ!」

ショボンが回復する前に、口の中の歯と血を吐き出し、鼻血を出させる
彼我の距離は二歩と少し。ブーンに遠く、ショボンには十分攻撃可能な距離だ

695: 2005/11/16(水) 23:21:19 ID:lAWfXJyW0
ショボンが腰を落とし、今にも飛び掛らんとしたその時

ツン 「お・・・・・お父様っ!?」

('・ω・`)・( ^ω^) 「お嬢様!?」

突然の闖入者に、ショボンは虚を突かれ、ブーンは・・・

( ^ω^) (ああ・・・また・・・ツンに心配をさせちゃうお・・・・・)

自分の身より、そのことに意識が行く

( ^ω^) (先生の傷・・・はやく・・・・早く治療しなきゃ・・・・!!)
        (先生が・・・・先生が氏んだら・・・・・・・・!!!)

ブーンの目が、大きく見開かれる

( ^ω^) 「ツンを・・・悲しませたりしないおおおおおおおおおおおっ!!!」

719: 2005/11/16(水) 23:30:40 ID:lAWfXJyW0
ショボンが、ほんの一瞬の意識の間隙から戻ったとき
ブーンは腰の刀に手をやっていた

('・ω・`) 「・・・・くっ!!」

ブーンの一番の恐ろしさは、その強靭な足腰にある
腰を落とした姿勢からの一歩で、常の一歩の三倍の距離を縮める
速度は言うまでも無く、速い
反応が少しでも遅れれば・・・・・命は無い・・・・

( ^ω^) 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっ!!!」
('・ω・`) 「ぐぅぅっっっっっっっ!!!!!!!!」

ゴオゥンっ!! と、大気が渦巻く音が聞こえた気がした
迫るブーンは、あまりの速度のせいか、巨大化したように思える
だが、

('・ω・`) 「・・・・・・そんなのは錯覚にきまってるんだよっ!!!」

ショボンはブーンの気迫に、真っ向から立ち向かっていた

731: 2005/11/16(水) 23:38:17 ID:lAWfXJyW0
スピードと気迫、そして声の三つが距離感を狂わせる
対応が早すぎても、遅すぎても、斬られる・・・・!!
一瞬のミスも許されない状況で、ショボンの心は澄み渡っていた

('・ω・`) (感情は・・・・いらない・・・・・)
      (目の前の現象を、ただ正確に理解するんだ・・・・)

視界が、急速にスローモーションのようにゆったりと流れ始める
ブーンのスピードは、全てが遅い中でもなお早く、しかし動きは確実に見える

('・ω・`) (まだだ・・・・まだだ・・・・!!)
      (・・・・・・・・ココだっ!!)

カシュっ、っと刀の鍔鳴りがした
それと同時に、ショボンの身体はぐにゃりとブリッジをするように仰け反っていた

741: 2005/11/16(水) 23:48:58 ID:lAWfXJyW0
刀は徐々に引き抜かれ、その全てが鞘から抜け切ったとき、
ショボンの身体は軌跡を描くであろう平面から消えていた

('・ω・`) (これで・・・・・終わりだ・・・・・!)

これを避ければ、全身のばねの効いた、渾身の突きを見舞ってやる
そう、ショボンの中では結末がついた・・・・・・だが、

( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・」
('・ω・`) 「・・・・えっ・・・・・!?」

ブーンの刀は、そもそもその軌跡を通らなかった
引き抜ききった刀は、手首の返しで孤を描くのではなく、そのまま真直ぐに
ショボンの右に、ショボンを避けるように飛んでいった。そして、

(#^ω^) 「うぅぅぅぅるぁああああああああああああ!!!!!」
('・ω・`) 「なっ・・・!」

左手で、鞘を逆手に持ち、それを抜き打ちするように思いっきり振りぬく

ぐぉぉぉおおおおおおっ!!!!!   ・・・・カツっ・・・

('・ω・`) 「・・・・・かふっ!?」

鞘の先端は、ショボンの顎にあたり、それはそのままショボンの意識を刈り取った

762: 2005/11/17(木) 00:02:16 ID:4zfa7U8G0
がくり、とショボンが倒れる
ブーンは駆け寄り、首筋に手を当てる

(;^ω^) 「・・・・・・・・! よかったお・・・脈があるお・・・」

とほっとしたのもつかの間

ツン 「お父様っ!? お父様っ!? しっかりしてっお父様!」
(;^ω^) 「そうだお!先生っ!!!」
ツン 「・・・ブーン・・・」
(;^ω^) 「ツン、すまな・・・っ!?」

バチィンっ!!と、ツンはブーンの横っ面をはたいていた

ツン 「今はそんなことより、お父様でしょ!?」
(;^ω^) 「そ、そうだったお!」

ブーンは刀を引き抜く。真直ぐに刺したおかげか、それほど傷口自体は酷くない
だが、止血しようにも、血の量が多すぎる。打つ手なしかと諦めかけていると

('A`) 「ふざけんなっ!! ・・・・こんな終わり方っ! みとめねぇぞっ!?」

773: 2005/11/17(木) 00:14:17 ID:4zfa7U8G0
声のしたほうを振り向くと、そこには毒男が立っていた
槍を握る手を、わなわなと怒りに震わせ、何かをツンめがけて投げつけた

ツン 「きゃっ!?」
( ^ω^) 「パシっ! ・・・・なんだお?これは・・・?」

ツンめがけて飛んできたものをブーンがキャッチする
ソレは拳ぐらいの大きさの茶色いつぼだった

('A`) 「言っとくが、傷薬じゃねぇぞ? そんなもん用意しちゃいねぇよ」
    「そいつぁただののりだ。だが、傷口ふさぐぐらいなら何とかなるはずだ・・・」
(#^ω^) 「・・・・お前は、自分がどういうことをしたのか、忘れたのかお!?」
('A`) 「うるっせぇんだよっ! いいから、とっととそのおっさんを医者につれてけ!」
(#^ω^) 「こののりが毒じゃないって・・・!」
ツン 「やめてっ!」

ブーンと毒男の言い合いを止めたのはツンだった

787: 2005/11/17(木) 00:22:41 ID:4zfa7U8G0
ツン 「どくだろうとなんだろうと・・・・このままじゃお父様が氏んじゃうじゃない・・・」
(;^ω^) 「ツン・・・・・」

そう言うと、ツンは先生の傷口に白いのりを塗り始めた
傷を触られたショックで、先生が二三度顔を引きつらせたが、出血は止まった

(#^ω^) 「・・・・気に食わないが、一応れいを・・・」
('A`) 「礼なんかいらねぇ」

毒男は顔を引きつらせ、どこか狂的な空気を出していた

('A`) 「くそくだらねぇ氏に方なんか許せなかっただけだ・・・」
( ^ω^) 「ソレはどういう・・・」
('A`) 「今夜だ!」
(;^ω^) 「・・・!?」

一方的に、毒男は告げる
宣戦布告を・・・・・・

('A`) 「今夜!てめぇらの道場に俺たちは攻め込む!」
    「そのときが・・・・・・てめぇらと、ニュー速流の命日だと思え・・・!」

809: 2005/11/17(木) 00:31:28 ID:4zfa7U8G0
ここからがクライマックス、つまりはこの話の結末部分になります
今夜中に完結させますので、少し休憩させていただきます

( ^ω^)ブーンが侍になったようです【其の四】

引用: ( ^ω^)ブーンが侍になったようです