126: 2014/10/12(日) 00:29:15.68 ID:6uXDymYto


前回:赤城「すうぱあふぁみこん」
最初から:赤城「あの・・・提督?」提督「ん?」

ホテルのレストランにて


提督「よく考えると時間的にランチないじゃない」

赤城「あ、あれー?」

提督「別に良いけどね。ディナーであっても、どのメニューもうまそうだし」

赤城「ランチはお昼しかないメニューだったのですね。すみません・・・」

提督「気にしなくて良いって。ほら、メニューでも見て元気出せ!」

赤城「は、はい。うわぁ、この写真に載ってるの美味しそう――って何ニヤニヤして見てるんですか。気になって仕方がないです」

提督「女の子らしい顔してるなーと思って。本当に良い顔をするようになったもんだ」

赤城「ゆ、緩んだ顔が良い顔、ですか?」

提督「あぁ。生き生きとしてるというか、活気に満ちてるというか」

赤城「戦いの他にも、生き甲斐があることを教えてくださった提督と鎮守府のみんなのお陰ですね」

提督「そろそろ戦場でも、己の命を引き換えに、などという考えはすることはなくなったか?」

赤城「そんな考え方は、以前ほど簡単にはしなくなりましたよ」

提督「・・・そうか。ところで、何を頼むか決めたか?」

赤城「・・・!もう少々お待ちを!・・・あぁこれも良いなぁ・・・」
コスパ COSPA 艦隊これくしょん -艦これ- 赤城のどんぶり
127: 2014/10/12(日) 00:31:08.89 ID:6uXDymYto

提督「そんなに気になるのが沢山あるなら全部頼むか?」

赤城「そうしたいのは山々ですけど、そんなに沢山食べられませんよっ」

提督「艤装は割と大喰らいなのにな」

赤城「むー、なんだかいじわるですね」

提督「ごめん、最近の赤城は反応がいちいち可愛くてつい・・・・・・あ」

赤城「そ、そうですか・・・」

提督「・・・・・・うん」

赤城「・・・・・・あ、あの、私はこれで・・・」

提督「わかった。――ウェイター、ちょっと注文いいかな?―これとこれで、デザートにこれを。あぁ、コーヒーは最後に一緒に。赤城もそれでいいな?―はい、ひとまず以上で」

赤城「あの、提督が選んでたそのメニューは」

提督「君が特に気にしていたように見えたから。全て食べきれないとしても、少々つまむ位なら大丈夫だろ」

赤城「そうですか。ありがとうございます・・・」

提督「顔赤くしてもじもじして黙り込むなよ・・・私も恥ずかしくなってくるだろっ」

赤城「すみません・・・」

提督「いや、謝らなくてもいいよ・・・。・・・赤城、言うのが遅くなったけど・・・その・・・、その服似合ってるな」

赤城「本当ですか?今日のことを飛龍ちゃんと蒼龍ちゃんに話したらすごく気合いれて服を選んでくれたんですよ」

提督「あぁ、あの二人か。加賀さんは今日のことは何か言ってた?」

赤城「親指をたてて、やりましたね、と笑顔で一言だけ」

提督「ぶはっ」

赤城「だ、大丈夫ですか?」

提督「う、うん。(え、これ俺宛のメッセージかなんか?)」

128: 2014/10/12(日) 00:33:39.84 ID:6uXDymYto

「きゃあああああああ」

提督「!なんだ!?」

赤城「提督、あそこに不審な人物が!」

「大人しく両手を上に挙げ椅子から降りて地面に伏せろ!」

提督「うわぁ、覆面に銃を持った強盗かよ。・・・ついてないなぁ」

赤城「提督!そう呑気に構えてる場合ではありません!」

「お前、大人しくしてろ!無駄口を叩くと本当に撃つぞ!」

提督「ち・・・刺激するのは得策ではないな。素直に従って様子を見るしかないか」

赤城「・・・こっそり艦載機を飛ばして鎮守府に伝令を送りますね」

「おい、そこの女」

赤城「(バレたか?・・・いや、そうじゃ無いようですね)・・・私ですか?何でしょう」

提督「・・・」

「お前を人質にする。両手を頭の後ろで組んだままゆっくり歩いて来い」

赤城「わかりました――」

提督「まて。どうせ人質にするなら"ただの一般女性より価値がある”私にしろ」

赤城「!?ていと――」

提督「シッ・・・」

「・・・なんだと?ナニモンだ貴様」

提督「私は○○○鎮守府で提督の任に就いている者だ。ほら、これが身分証だ」

「!?これは本物か・・・。良いだろう、望み通り貴様を人質にしてやる。妙な真似はするなよ」

提督「(赤城、今のうちに鎮守府と連絡を取れ)」

赤城「(・・・はい・・・!)」

提督「ほら、これでいいか?(あの目は結構本気で怒ってるなぁ・・・どうやって機嫌を取るか)」

「・・・よし、おい部下、こいつを縄で縛っておけ」

部下「わかりました」

提督「・・・いっつ・・・(まだ部下が何人潜んでるかわからんな。はぁ・・・)」

ボス「次はさっきの女、お前もだ」

提督「なんだと!?――ぐっ」

赤城「提督!?」

「静かにしろ。なに、人質にはしないさ。ただアジトに連れ帰って丁重におもてなしをするだけだ。それにしても金の他に、こんな上玉が手に入るとはな!」

提督「・・・下種が・・・ガハッ!」

「無駄口を叩くと撃つ、と言った筈だ」

赤城「提督ーーー―――!」

129: 2014/10/12(日) 00:37:00.52 ID:6uXDymYto

―――

目の前で提督が撃たれた時、提督が力無く崩れていく様を見てしまった時、私は世界の崩れる音が聞こえた様な気がした。

その瞬間、怒りと絶望と悲しみと・・・、どこからともなく突如として押し寄せてきた、様々なこの想いによって我を忘れた私の周りに光の粒子が集まり、艤装を形成していく。

その様を見た盗賊共がうろたえ、何かを喋っていた様な気がしたが関係無い。何を口にしたところで、これから起きる事の結果は変わりなどしないのだから。

―――

完全に私の過失だった。”想い人”に手を出そうとした下劣な強盗に対して、つい悪態をついてしまいその結果腹を撃たれた。

突然の衝撃と痛みに、意識が薄れて行く。すまない、赤城。至らない私のせいで君にそのような表情をさせてしまった。

誇り高く、気高く生きていた君の生に汚点を残すような真似をさせてしま――――

―――

「下種が・・・」そう言った男を俺は撃った。あんな美人を連れていたのがいけ好かなかった。しかも、キザったらしく女の代わりに人質になると言う。

男がそう提案したとき、愉快な考えが脳裏に浮かぶ。こいつらの絶望した表情を見てみたい、と。女も依り代となるこの男が居なくなれば大人しくなるだろう、とも。

だが、それは大きな誤算だった。女はヒトではなかった・・・艦娘などという、深海棲艦の相手をさせる為に造られた人型兵器だったのだ。男が提督と名乗った時にこの事を考慮しておくべきだった。

そうとも知らず、俺は男を撃ったときに女は泣き崩れるだろう、と高を括っていた。しかし――。

130: 2014/10/12(日) 00:42:08.40 ID:6uXDymYto

どこからともなく現れた光に身を包まれる赤城。光が収まる頃には、その身には戦闘着と艤装を纏っていた。

「――盗賊共。大人しく投降しなさい。さすれば、腕の一本や二本で許して差し上げましょう」

「ヒトじゃなければ用は無いな。お前も氏ね。いや、壊れてしまえ、か?それに、いくら艦娘でも周りにこんなに一般人が居ればその大層な武器も振り回せないよなあっ!」

弓に矢を番え冷えた眼差しで警告を発した赤城に、男はヘラヘラとして返す。

「周りの方達を人質にでも取ったおつもりですか?」

「こっちには銃って便利な武器があるんでな!貴様が"砲"を持つ艦種の艦娘じゃなくて良かったよ。その"ナリ"からすると空母なんだろ?艦載機がないとただの木偶の棒なのは知ってるんだよ!」

「・・・・・・」

「図星か!ふん、このままジワジワとなぶり頃しにしてやるぜ・・・」

依然、矢を番え構えたままの赤城に、部下が発砲しようとしが弾が発せられることはなかった。

「舐められたものですね・・・。人間から人を護れずして、何故深海棲艦から人を護ることが出来ましょう」

一見すると優雅に弓を構えているその姿こそ人そのものであったが、彼女は艦娘である。矢を射る速度は正に神速。人が銃を撃とうとする速度を優に凌駕していた。

「なっ」

発砲しようとした部下の手から銃が弾かれ、その掌には矢が突き刺さっている。

「それと」

「ぎゃあああ」

赤城が言葉を続けようとすると、離れた客席から銃を持った"強盗が現れるまで客だった"人間が矢に射抜かれ叫び声を上げた。

「仲間が客に化けて潜んでいましたか・・・。私の"目"は最早この建物全体を見渡しています。隠れて何か事を起こそうとは思わぬよう。大丈夫、大人しくして頂けると命までは奪いはしませんので」

「化け物め・・・」

「化け物で結構。さぁ、そろそろ大人しく投降して頂けませんか?」

男は苦々しげに顔を歪める。対し、不自然な程冷静に、涼しい顔をしている赤城。

「これ以上・・・、愚かな振る舞いを重ねて私を苛立たせないで下さい。これでも私・・・我慢してるんですよ?」

131: 2014/10/12(日) 00:44:34.06 ID:6uXDymYto






「よく・・・よく我慢したな赤城」

「提督!?良かった、生きておられたのですね――」

気を失っていた提督の意識が戻り、赤城に優しく声をかける。その声に驚き安心した赤城は一瞬とはいえ敵意を持つ者を目前にしておきながら、気を抜いてしまう。

その刹那、――赤城が提督に振り向いたその背後で――銃声が鳴り響いた。

「へ、詰めが甘いな艦娘さんよ」

「なに・・・赤城ーーー!」



132: 2014/10/12(日) 00:49:32.37 ID:6uXDymYto





「――ふぅ、危ないところでした。大丈夫ですか?提督、赤城さん」

「加賀・・・か、助かった・・・」

「加賀さん、私・・・私・・・」

矢を射て二人の危機を救ってくれたのであろう加賀が、提督と、提督を護るように抱きしめて自身を盾にしている赤城に優しく声をかける。

「大丈夫ですよ、赤城さん。問題ありません。それにしても、赤城さんの艦載機が鎮守府に戻ってきた時は何事かと思いました。実際、提督も撃たれて大変だったみたいですね。医療専門の妖精を連れてきて良かったです。妖精さん、急いで提督の手当てをして頂戴」

加賀が構えていた弓の先には赤城の艦載機が居た。加賀が射たのは強盗ではなく、赤城の艦載機であった。

「あ・・・あ・・・」

強盗は何が起きたのかわからず、恐怖に顔を歪め地面にヘタレ込んでいる。

その眼前には赤城の艦載機が四方八方から囲んで皆一様に、急所に狙いを定めている。赤城には、男が銃を構え撃つ瞬間が見えていた。が、気が抜けてしまっていた赤城は咄嗟に―しかし確実に強盗の息の根を止めようとしてしまっていた。

それを既の所で加賀が艦載機の機銃の射線をずらし、且つ男の銃を持った手を射抜くことで両方の危機を回避していた。

「ちくしょう・・・バケモンめが・・・ちくしょう・・・」

精一杯虚勢を張る男。そんな男に加賀は一瞥をくれる。

「アナタも無事で良かったですね。―――提督と、赤城さんのためにも」

「ひっ」

加賀の表情と声色に男は恐怖しついに言葉を発せなくなり、幾人かの部下達と一緒に大人しく連行されていった。

「・・・本当に良かった。提督も無事でしたし、赤城さんの手が・・・あんなつまらない者の血で染まらずに済んで」

133: 2014/10/12(日) 00:51:34.83 ID:6uXDymYto

赤城「提督ー!良かったです、生きていて下さって本当に良かったです!」

提督「いたいいたい、抱きついたら腹の傷が!うがー!」

妖精「こらー!安静にしないと傷口がまた開くでしょー!」

提督「私は悪くない!こら、赤城、落ち着けー!」

赤城「ごめんなさい、私がこんなとこに誘わなければ・・・」

提督「・・・はぁ、赤城。顔を上げろ」

赤城「嫌です」

提督「えー!?」

赤城「・・・いま、情けない顔になってるので、見られたく、ないです」

妖精「こらー!女の子を泣かせちゃだめでしょー!」

提督「あ、ごめん、赤城・・・そのだな・・・」

赤城「言わないでおいたのに、なんで泣いてること言っちゃうんですか妖精さーん!」

妖精「あ、いけね!てへぺろ」

赤城「・・・提督?私、提督が撃たれて倒れたのを見たとき、怖かったんですから」

提督「・・・ああ」

赤城「本当に・・・氏んでしまったと・・・思ったんですから!」

提督「ごめんな。あいつらの下種な物言いについカッとなって・・・」

赤城「でも、私なら例え銃で撃たれたところでそう簡単には氏にはしないんです。ですから、あのまま人質に私がなってさえいれば――」

提督「赤城」

赤城「・・・なんですか」

提督「・・・好きな"女性"の前で格好を付けたいと思うのはどうしようもない男の性だ。許して欲しい」

赤城「・・・」

134: 2014/10/12(日) 00:54:22.60 ID:6uXDymYto

提督「あー、もう!こうなったら正直に言う!赤城!」

赤城「は、はい」

提督「今までは艦全体に士気に関わると思って言わないで置いたが・・・俺が限界を迎えてしまったようだ。赤城、俺は君が・・・お前が好きだ」

赤城「・・・はい」

提督「だから、そのーなんだ。恥ずかしいな・・・。これからも、最期まで俺と一緒に居てくれないか?」

赤城「はい・・・はい・・・!」

提督「なんだ、泣くほど嫌だったのか?」

赤城「違うんです。嬉しいんですけど、何故か涙が・・・っ」

妖精「えんだあああああ」

提督「もうやっぱり恥ずかしい!今度、二人のときにやり直そう赤城」

赤城「そうですね。エヘヘ」

加賀「救援に駆けつけ、そして現場の事後処理の手伝いをしている私達をよそに二人で良い雰囲気になっておられるとは。良いご身分ですね、提督?」

提督「あ、あなたは!」

加賀「そういうのは良いんで」

提督「あ、はい」

赤城「加賀さんっ」

加賀「赤城さん、平静を装ってるようですが顔真っ赤ですし口元もにやついてます。・・・でも、幸せそうな良い顔です」

赤城「は、恥ずかしい!」

加賀「提督、ありがとうございます。赤城さんのこんな幸せそうな姿を見られて、私も幸せです」

提督「そんな幸せそうに微笑む加賀さんを見られる私達も幸せです。な、赤城?」

赤城「ふふ、そうですね。加賀さんも滅多に笑いませんから」

加賀「――!私のことは良いのです。とにかく、お二人共、これからも執務はきちんとこなして頂戴ね?分別のあるお付き合いをするように」

提督「高校生のカップルに付き合い方を諭す教師のようだな・・・・・・イテっ!」

加賀「何か言いました?」

提督「いえ、何も」

加賀「それでは、養生して傷を早く治して下さい。赤城さんも、提督に付いておいてあげて。その間は、私達がなんとかしておきますから」

提督「かたじけない・・・」

赤城「加賀さん、ありがとうございます」

加賀「ふふ、お礼は他の皆にも言ってあげて下さい。では、私はこれで」


135: 2014/10/12(日) 01:03:17.19 ID:6uXDymYto
中途半端ですが今回はここまで。「You are !?」「Kaga-san !!」
まぁあれですね。これにめげずにこれからも黒歴史を生産していこうと思いました。

動画サイトで赤城さんの目覚まし時計ボイスを聞く度に赤城さんと結婚したくなるんですよね。やばい。

提督「歳を重ねると1年経つのが早く感じられる」

引用: 【艦これ】赤城「あの・・・提督?」提督「ん?」