1: 2019/08/05(月) 17:02:01.962 ID:ZLmsrV1/M.net
江戸時代の庶民の娯楽といえば歌舞伎や落語が有名でございますが、
実は滑稽本、今でいうところの小説も江戸っ子の間ではたいそう流行しておりました。
そんなわけで俺も小説で一山当ててやろう、なんていう若者も多かったようで、

熊「よっご隠居!」

ご隠居「どうしたんだね熊さん」

熊「いや、あっし『なろう小説』を書こうと思うんでさ」

隠居「また意味の分からねえことを言い出したねお前は。なんでそんなこと考えたんだい」

熊「いや、あっしもほら、一発当てて有名になって吉原あたりでも『キャー先生』みたいにいわれてえんですよ。」

隠居「まあ、しかし小説っていうとあれかい、滑稽本みたいな奴だろう。そんなもんお前、簡単には書けないだろうよ」

熊「ご隠居、『なろう小説』ってえ奴は滑稽本みたいなのとはちょっと違うんでさあ」

隠居「何が違うっていうんだい」

熊「まず、小難しい理屈も義理人情もいらねえ。ともかく冴えねえ主人公が天竺あたりに生まれ変わり、為朝公のお力をもらって悪党をバッサバッサ、
それで女どもがワーッと集まってくる。だからあっしみたいな大工しかやったことがねえ奴でも書けるって寸法で」
江戸前エルフ(11) (少年マガジンエッジコミックス)
2: 2019/08/05(月) 17:02:39.164 ID:ZLmsrV1/M.net
隠居「…そんなので売れるのかい」

熊「それが売れるんですよご隠居。上手いこと人気絵師の挿絵なんざ入った日にはもう一晩で蔵が立つってもんで」

隠居「熊さん、まあ夢物語もいいけども、『言うは易し行うは難し』というからね、実際にやってみねえとわからないだろう。それでもう何か書いたのかい」

熊「へえ、それが実は明日からやろうと」

隠居「駄目じゃあないか。そもそも熊さん、お前さん文字の読み書きはできるのかい」

熊「へえ、実はそれもまだできません」

隠居「こいつは呆れた。文字も読み書きできないのにどうやって小説を書くっていうんだい」

熊「へへ、なろう小説だけにそれも明日になれば
なんとかなろう、と」

お後がよろしいようで

13: 2019/08/05(月) 17:13:07.868 ID:dUo1c6HA0.net
感じ出てていいねぇ

15: 2019/08/05(月) 17:54:11.151 ID:WNAs/HXz0.net
もう少し続けて欲しかった

引用: 熊「よっご隠居!」ご隠居「どうしたんだね熊さん」熊「いや、あっし『なろう小説』を書こうと思うんだ」