275: 2011/03/16(水) 04:38:45.74 ID:dWYx6srAO
乙です、このまま原作通り二人が対立したらどうなるのかなとか考えてしまった
続きが気になる作品が多いな

そんないい流れをぶったぎって投下します、多分13レスです
九月三十日にあの男が居たらって話です、おそらく矛盾間違いだらけだと思います…

276: 2011/03/16(水) 04:40:15.00 ID:dWYx6srAO


 九月三十日、学園都市は未曽有の事態に陥っていた。
その原因は、神の右席の一人である前方のヴェントの侵入である。
彼女の持つ「天罰術式」は、彼女に敵意や悪意を持った者全てを仮氏状態にする。
これを使い学園都市に住む人間を仮氏状態に追いやり、他に用意した魔術で始末するというのが目的であった。
実際、学園都市はほぼ壊滅状態、理事会の人間三人の命も既に奪われてしまった。

 これに対し学園都市は「ヒューズ・カザキリ」を用い魔術を封頃しようとする。
そのために必要な存在が、妹達の制御を担う打ち止めだった。
打ち止めは学園都市から指令を受けた猟犬部隊に襲われてしまう。
一方通行はそれを阻止するために木原数多に立ち向かい、なんとか打ち止めを逃がす事に成功した。

 しかし、猟犬部隊はさらに打ち止めを追い続ける。
その少女の前に現れた少年、上条当麻は打ち止めの危機を知り少女と共に猟犬部隊から逃亡する。
相手は充分な武装で彼らを追い続け、捕まってしまうのも時間の問題だった。

 その途中、上条は建物のドアを見つけそこに隠れる事にした。
建物はファミリーレストランであり、入った場所はレストランの厨房であった。

 そこで上条と打ち止めが見たものは、一人の男の姿だった。
その男は白い服に、白い帽子、そして居る場所が厨房という事からコックだと予想が出来る。

 だが、その予想は間違いだ。彼はただのコックなどではない。


 彼の名は――スティーブン=セガール。
とある魔術の禁書目録 32巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
277: 2011/03/16(水) 04:41:11.36 ID:dWYx6srAO


「はあ……はあ……大丈夫か、打ち止め」

「うん……ミサカは大丈夫、でもあの人が……ってミサカはミサカは心配してみる」

「……今はその人よりも自分の心配をしよう。ところでここは……厨房?」

「そうみたいだね、ってミサカはミサカは暗くて良く見えない周りを確認してみる」

「って事はレストランか。それにしては静かだな……まるで誰も居ないみたいだ」

 学園都市が危機的状態という事を上条はこの時まだ知らなかった。
実際は誰も居ないのではなく、気絶しているだけなのである。
このレストランも店員、客を含め全員が気絶していた。――ただ一人を除いては。

「とりあえずここにしばらく身を隠し……ん?」

「どうしたの? ってミサカはミサカは質問してみる」

「いや、そこに誰か居る……ってええ!?」

 上条が驚くのも無理はなかった。
誰も居ないと思っていた厨房に一人の男が居た。
その男は全く気配を感じさせず、ただ芋の皮むきを続けていた。
自然な光景のはずなのに何故上条は驚いたのか。
それは、その男が二メートル近くの逞しい体つきをしていたからだ。

278: 2011/03/16(水) 04:42:45.96 ID:dWYx6srAO


 その男の格好はいわゆるコックなのだろうが、お世辞にも似合っているとは言えない。
筋骨隆々の大男が一人で気配を感じさせず、ただ皮むきをする。
その異常な光景が上条を驚かせたのだ。
そしてその存在から、上条に向けて声が発せられた。

「……そこに居るのは誰だ」

 男はそう言いながらこちらに体を向ける。
その男は凄みのある顔つきで、手には包丁が握られている。
上条はその姿に何故か命の危険を感じ、声がうわずってしまう。

「あっ、怪しい者では無いです! ただ、ちょちょちょっとだけご厄介になろうかと!」

「本当に怪しいヤツは自分の事を怪しいなんて言わない……が、どうやら本当のようだな」

「へっ……?」

「その横に連れてる女の子を見れば誰だってそう思う。それともお前は誘拐犯か何かか?」

「い、いえ! 誘拐なんかじゃありません! なあ打ち止め!?」

「う、うん……ミサカは誘拐されたわけじゃないよ、ってミサカはミサカは少し怯えてみる……」

「ああ、悪いな。怖がらせちまったか」

 そう言うと男は笑い出した。
どうやら氏ぬ事は無さそうだ、と二人は胸をなで下ろした。

279: 2011/03/16(水) 04:43:11.59 ID:dWYx6srAO


「ところでお前ら、何故ここに入って来たんだ?」

「えーっと……それはまあ色々と混み合った事情がございまして」

 さすがに銃を持った集団に追われているとは言えず、ただうやむやにする事しか上条には出来なかった。
しかし男はその態度を許さない。

「勝手に侵入してきて理由を言えない、か。少し手荒な真似をする事になるかもしれないが、構わないか?」

 そう言いながら男はニヤリと笑い、上条を真っすぐに見つめる。
その目はとても鋭く、何もかも見透かされてしまうと錯覚する程である。
全身の毛が逆立つような感覚というものを、上条は初めて味わった。

「まあ答えないなら、そちらの嬢ちゃんに聞くまでだが……」

「……うう……ってミサカはミサカは後ずさりしてみたり……」

「おっと、安心しな。さすがにそんな酷い事はしない……今の所はな」

 その言い方に上条は底知れぬ恐怖を感じた。
今まで数多くの無茶をしてきた上条だが、この男と戦うビジョンが見えない。
仮にこの男と戦う事になった時、自分に待っている未来は――、
そう考えた上条は見知らぬ男に全てを話す事にした。

280: 2011/03/16(水) 04:44:40.23 ID:dWYx6srAO


「……実は俺達、追われているんです」

「ほう……そいつは大変だ。嫉妬深い女にでも捕まったか?」

「……違う、武装した集団に追われている。捕まったら恐らく俺達は……」

 上条の口ぶりや雰囲気から男は全てを察した。
顎に手をやり何かを少し思案した後、男は再び口を開く。

「どうやらジョークでは無いようだな。いったい何をしたんだお前ら、その女の子はプリンセスか何かか?」

「正直その予想は間違いじゃない。奴らの狙いは……この子だ」

「へえ、このプリンセスにそれ程の価値があるのか。この都市は何を考えてるのかさっぱりだ」

「ああ……俺もそう思う」

「正直に全てを話した勇気は認めよう。だが……どうやら安心してはいられないみたいだな」

「どういう事……? ってミサカはミサカは裾をギュッと掴んでみる……」

「よく耳を澄ましてみな……来たぞ!」

 バアン! と扉を破る音が厨房に響く。その音と共に数人の武装した何者が侵入してきた。
顔の見えないフルフェイス、手には殺傷能力を十二分に持っていると思われる銃器を構えている。

 その集団こそ上条達を追う猟犬部隊であった。

281: 2011/03/16(水) 04:45:11.12 ID:dWYx6srAO


「……目標を発見、直ちに回収に移る」

 上条達を確認した集団は二人に向けて銃を構える。
その向けられた数は六つであり、上条達を逃がさないようにただ狙いを定めていた。
上条は右手に「天災」とも言うべき能力を有しているが、人間の造った銃や刃物に対しては全くの無力である。
右手を前に突き出してもただ銃弾が手のひらを貫通するだけだ。

 絶対絶命、敗北、そして氏、そんな単語が上条の頭の中に溢れる。
しかし、上条はこの状況下においても打ち止めだけは逃げられるようにと思案する。
だが何度考えてみても最悪の結果しか思いつかない。
今、戦力として考えられるものは己の右腕のみ、つまりゼロだ。
そのゼロの中ですべき事は打ち止めを逃がす事だけ、そう決意した上条は周りを見渡しどう動くかを考える。
入って来たドアの他にもう一つドアがある。そこから少し光が漏れていた。
上条は、その光の先にあるものはレストランのホールだと気付く。
ならばそこまで走り、打ち止めを逃がして自分はドアの前に立てば相手は追ってこれない。
もちろんこれは自分の命が失われる可能性は高い。
しかしこれ以上の方法は無い、と結論づけた上条はすぐさま行動を起こした。

282: 2011/03/16(水) 04:48:08.74 ID:dWYx6srAO


「……いいか、打ち止め、今からあそこのドアまで走る。そしてお前はそこから逃げるんだ……俺は残って時間を稼ぐ」

「で、でも……それだとあなたが氏んじゃうかもってミサカはミサカは……」

「お前が逃げられればそれでいい。後はどうにでもなる、俺に任せろ」

 上条達は小声で作戦の確認をする。しかしその行為すら相手は許さない。

「何か考えているようだが、無駄だと言っておこう。おとなしくそれを引き渡せ」

 そういうと集団は上条達に少しずつ近寄って来る。
このままだと何も出来ずに捕まってしまう、ならば――そう上条が考えていた時蚊帳の外にされていた大男が口を開いた。

「おい少年、お前の考えた作戦は立派だが……無駄が多い」

 大男は上条の考えを理解した上でこう述べた。
不思議なのは上条達が小声で話していた内容から全てを察したという事だが、それはこの大男だからこそ出来たのである。

「無駄が多い、ってどういう事だ」

「その男らしい姿勢は認めるが、命を落とす事は無いだろう」

「……何が言いたいんだ?」

「なに、簡単な事だ」

 この状況にも関わらず目の前で会話を続ける二人に、猟犬部隊の一人の男が声を荒げる。

「……おい! どういう状況かわかってるのか! お前達の命はこちらの手……ぐっ!?」

 男は最後まで喋る事が出来なかった。
なぜなら、男の手に包丁が刺さっていたからだ。
その包丁を投げた張本人はニヤリと笑い上条にこう話しかけた。

「つまりは、こんな雑魚に命を奪われる必要は無い」

283: 2011/03/16(水) 04:50:19.58 ID:dWYx6srAO


 猟犬部隊は完全武装をしている。
それは手袋にも言える事であり、刃物で傷つける事など不可能だ。
しかし、その手袋を貫く程のスピードで刃物を投げたらどうなるか。
その結果が今の状況である。大男の投げた包丁は的確に相手の手を捉えていた。

「伏せろ!」

「はっ、はい!」

 一瞬呆気に取られた猟犬部隊の他の人間も、すぐさま状況を理解し銃の引き金を引いた。
銃声が何発も響き続ける厨房、その中で辛うじて上条と打ち止めは身を隠す事に成功した。

「クソッ……あの男はいったい何なんだ」

「まったくだ……どこに行った!?」

 猟犬部隊の内の二人は困惑しながらも大男を探し続ける。
いくら暗闇の中とは言え、あれだけの図体で身を隠す事など不可能だ。
そう考えていると目の前に黒い影が現れた。その影は、言葉を話す。

「ここに居るぞ」

 そう言った瞬間、大男は相手の腕を取り、そのまま軽々と持ち上げ床に叩き伏せる。
床に倒れた相手の鳩尾を大男は思いっ切り踏みつける。
猟犬部隊の武装は何度も言うように完璧に近く、防御力も申し分ない。
しかし、その大男にはそんなもの通用しなかった。
その証拠に倒された相手はぐぶう、と声にならない空気の塊を漏らし、動かなくなってしまった。

284: 2011/03/16(水) 04:50:50.89 ID:dWYx6srAO


「何をやっているんだ! 早く始末しろ!」

 包丁を投げつけられた男が檄を飛ばす。
手からは夥しい量の血液が流れ、そのダメージが軽くない事を示している。

「し、しかしまた隠れてしまって補足出来ません!」

「馬鹿野郎! センサーで探せばすぐに見つかるだろうが!」

「ですが……相手が有り得ないスピードで動いているんです!」

 確かに存在は確認出来る、しかし動きが補足出来ない。
それ程のスピードで大男は身を隠しながら動いている。
常識外れの存在がその厨房で動いていたのだ。

「意味が分からん……いったいどこに……がはっ……!」

「ど、どうした!?」

 その方向を見ると、猟犬部隊の内の一人の体の後ろから手が伸びていた。
その手の片方は顎を掴み、もう片方は頭を掴む。
そしてそのまま、コキッ、という音がした。
その音がした後に残ったのは、ぐったりとした人間だった。

「ひ、ひいっ!?」

 仲間の姿を見て混乱した一人は銃を撃ち続ける。
完全に冷静さを失っており、後ろから近付いて来た何かへの反応が遅れてしまった。
気配に気付き、後ろを振り返ると、笑みを浮かべた大男が立っていた。

285: 2011/03/16(水) 04:53:20.20 ID:dWYx6srAO


「し、氏ねえっ!!」

 そう言いながら大男に向けて銃を放つ。
しかし大男はすぐさまその銃そのものを掴み、くるりと玩具を扱うかのようにその方向を反対に向けた。
その結果、銃弾は撃った本人の腹にほぼ零距離で直撃した。

「あ、あがっ……」

 その倒れた者は防御力の高いスーツに助けられた。
身体には届かなかったが、その威力は気絶するには充分であった。
猟犬部隊の残りは、後三人。

「……落ち着け、二人がかりで追い詰めるぞ」

「……ええ、あの柱の陰に潜んでるわね」

 その男女の組は、じりじりと銃を構えながら柱に近付いていく。
反応は動かずに、ただその場に潜むだけである。
それがかえって不気味に感じられる位の静けさだった。
そしてついに二人が柱にたどり着こうとした時、ピンッという音が聞こえ、その瞬間大男は動いた。
そのまま大男は走り去り、再び離れた所に身を隠す。

「この音……まさか」

 気付いた時には既に手遅れであった。
大男が投げた物は、いわゆる手りゅう弾と呼ばれる手投げ爆弾だった。
その威力は、五メートル範囲位にしか届かない物だったが、二人を黙らせるには申し分なかった。

 猟犬の残りは、後一人。

286: 2011/03/16(水) 04:54:15.68 ID:dWYx6srAO


「い、いったい何が起きてるんだ!? ってうわあ!」

「きゃあ! ってミサカはミサカは突然の爆発音に……」

 姿を隠していた上条と打ち止めは何が起きているか把握出来なかった。
銃声が何発も響いたかと思えば、人が倒れるような音、うめき声のようなもの、そして爆発音という異常な状況である。

「ああ、怖かったかな? だが安心しろ、今使ったのはそこまで威力の高い物ではない」

 そう言いながら大男が暗闇の中から現れた。
驚くべき事に、彼は無傷のままであった。
完全武装の集団を相手に、生身と包丁と爆弾一つで立ち向かったのだ。

「あの集団をこんな簡単に……いったいあなたは何者なんだ?」

「俺か? 俺は……危ない!」

「えっ? きゃあっ……ってミサカはミサカは捕まったみたい……」

「チッ……しぶといヤツがまだ居たのか」

「……随分ふざけた事してくれたなぁ。だがこれで終わりだ、コイツの命が惜しけりゃ大人しくしてやがれ!」

「いかにも悪役らしいセリフだな、古いタイプのギャングか?」

「……黙ってろ、手を上げて後ろを向け!」

「やれやれ……良いだろう、せっかくだから自慢の背中を見せてやるよ」

287: 2011/03/16(水) 04:55:53.82 ID:dWYx6srAO


 そう言うと大男は素直に後ろを向き背中を見せた。
その無防備な姿を男は満足そうに眺め、傷ついた手とは逆の手に持った銃を大男に向けた。
そのまま近付き、背中に銃を当てる。
上条はそれを止めるために男に向かって叫んだ。

「やめろ! その人は関係無いだろが!」

「うるせえ! こんだけいい様にやられて生きたまま帰せるか!」

「いいんだ少年、気にするな」

 大男は何も問題ないという雰囲気を出しながら、ただその場に立っていた。
それは諦めなのか――いや、違う。

「どこの誰かは知らねえが、これで終わりだ……氏ねっ!」

 再び厨房に響いた銃声、しかしその弾丸が当たったのは大男の背中ではなく、先の方に存在するただの壁であった。

「なに!? うっ……!」

 大男は相手が引き金に力を入れる瞬間にしゃがみ込み銃弾を回避した。
すぐさま相手の体に手を伸ばし、首を持ちそのまま体を持ち上げ頭から床に叩きつけた。
そして繰り出される打撃の嵐、防御スーツ越しでありダメージを与えられ無いはずなのだが、それすらも越える威力だった。

 こうして最後の相手も完全に気絶し、打ち止めを追ってきた猟犬部隊は完全に沈黙したのであった。

288: 2011/03/16(水) 04:56:21.62 ID:dWYx6srAO


「ふう……意外と時間が掛かったな」

 そう言いながらも大男は呼吸一つ乱さずに、やはり無傷のまま戦いを終えた。
突如現れた正体不明の超人に、上条と打ち止めは何を言えばいいか分からなかった。
とりあえず、上条は大男に対して礼を述べる事にした。

「あの、ありがとうございます。おかげというか何というか助かりました」

「なに、これ位は大した事はない。そっちのお嬢ちゃんも無事か?」

「うん、ミサカは大丈夫だよ、ってミサカはミサカは若干戸惑いながらも感謝する、ありがとう」

「良かった良かった。さて、後片付けをしないとな……」

「あの……一つだけ聞いてもいいですか?」

「なんだ?」

「さっきも聞こうとしたんだけど、あなたは何者なんですか?」

 そう上条が聞くと、大男はやはりニヤリと笑いながらこう答えた。

「俺か? 俺はただのコックだ」

 その言葉を上条と打ち止めが信じられなかったのは無理も無いとだけ言っておく。

「……ああ、どうやらこれだけでは終わらないみたいだな」

「へっ? いったいどういう事だ……?」

「ハッアァ~イ、こんな所に居たのね」

 ――コックの戦いは、まだ続くのかもしれない。

289: 2011/03/16(水) 05:00:36.29 ID:dWYx6srAO
以上です、自分で投下してて思ったがこれだけだといつも通りのセガール(レイバック)だった……せめてヴェントとは戦わせてみたかった
勢いで書いたはいいがどこに投下していいか良く分からなくなったのでここに投下させて貰いました

無茶苦茶ですいません、色々と失礼しました

291: 2011/03/16(水) 09:54:08.36 ID:Y8lYMUuno
流石最強無敵のコック
安心の無双っぷりだwwwwww

引用: ▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-25冊目-【超電磁砲】