28: 2012/07/14(土) 19:45:08.09 ID:hJZCtFyW0
ありがとうございます。
昨日仕事に向かったためにスレが落ちてしまいました。
>>24さんがURLを貼って下さったので
昨日の続きに飛んで書かせていただきます。
お時間がございましたら、序盤はURLの方をご覧ください。
あまり長くはありません。
【あらすじ】
迷宮の外でうろつく跳獣の子供を拾ったソードマンとフォートレス。
彼女達は、跳獣を狙ったメディックを仲間に、迷宮に向かいます。
その途中捕獲された血の裂断者を、合流したダンサーと共に、不思議な光で撃退した四人。
冒険は始まったばかり――。
昨日仕事に向かったためにスレが落ちてしまいました。
>>24さんがURLを貼って下さったので
昨日の続きに飛んで書かせていただきます。
お時間がございましたら、序盤はURLの方をご覧ください。
あまり長くはありません。
【あらすじ】
迷宮の外でうろつく跳獣の子供を拾ったソードマンとフォートレス。
彼女達は、跳獣を狙ったメディックを仲間に、迷宮に向かいます。
その途中捕獲された血の裂断者を、合流したダンサーと共に、不思議な光で撃退した四人。
冒険は始まったばかり――。
30: 2012/07/14(土) 19:49:46.16 ID:hJZCtFyW0
第二部
―気球の上、夜―
ソードマン (うとうと……)
フォートレス 「…………」
メディック 「ええいくっつくな……離れろ!」
ダンサー 「いいじゃないーこんな時じゃなきゃ二人っきりになれないんだしー」
メディック 「二人っきりじゃないだろ……」
フォートレス 「あ……俺はいいですよ。別に気にしませんので、存分にお楽しみください」
ダンサー 「坊や話が分かるぅ! 後でそっちにも行ってあげる」
メディック 「だからくっつくな! 気球が墜落する!!」
「小僧! お前もあっさり俺を見捨てるんじゃないよ!!」
―気球の上、夜―
ソードマン (うとうと……)
フォートレス 「…………」
メディック 「ええいくっつくな……離れろ!」
ダンサー 「いいじゃないーこんな時じゃなきゃ二人っきりになれないんだしー」
メディック 「二人っきりじゃないだろ……」
フォートレス 「あ……俺はいいですよ。別に気にしませんので、存分にお楽しみください」
ダンサー 「坊や話が分かるぅ! 後でそっちにも行ってあげる」
メディック 「だからくっつくな! 気球が墜落する!!」
「小僧! お前もあっさり俺を見捨てるんじゃないよ!!」
31: 2012/07/14(土) 19:53:59.53 ID:hJZCtFyW0
フォートレス 「ぎゃーぎゃーうるせぇな……こいつが起きる。静かにしろよ、大人だろ?」
ソードマン 「Zzz……Zzz……」
ダンサー 「あなた達、見たことあるわ。最近ギルドに入った新米ハンターね」
「そのレベルで熊に向かって行くなんて無謀よ?」
フォートレス 「向かっていくつもりは……」
ダンサー 「逃げるのも戦いのうち。逃げが上手い冒険者ほど生き残るものよ」
メディック 「その通りだ」
「研究所には俺の仲間が昔使ってた、お古の防具がある」
「それを着れば少しはマシになるだろう」
フォートレス 「確かに……今の俺の装備はボロボロだしなぁ……」
ソードマン 「Zzz……Zzz……」
ダンサー 「あなた達、見たことあるわ。最近ギルドに入った新米ハンターね」
「そのレベルで熊に向かって行くなんて無謀よ?」
フォートレス 「向かっていくつもりは……」
ダンサー 「逃げるのも戦いのうち。逃げが上手い冒険者ほど生き残るものよ」
メディック 「その通りだ」
「研究所には俺の仲間が昔使ってた、お古の防具がある」
「それを着れば少しはマシになるだろう」
フォートレス 「確かに……今の俺の装備はボロボロだしなぁ……」
32: 2012/07/14(土) 19:57:21.17 ID:hJZCtFyW0
メディック 「まぁ、逃げ足ばかり上手くなってもしょうがないが……」
ダンサー 「何よ、誰のこと言ってるの?」
メディック 「お前のことだよ」
ダンサー 「………………」
「(ふっ)やめやめ。辛気臭い話はやめにしましょ」
「携帯食料を幾つか持ってきたから、食べていいわよ」
フォートレス 「マジでか! 助かる!!」
ダンサー 「ふふ……素直な子。私は好きよ」
フォートレス 「(ガツガツ)このパンと肉イケますね……!」
ダンサー 「…………」
「ね、あの子って、あなたの何?」
ダンサー 「何よ、誰のこと言ってるの?」
メディック 「お前のことだよ」
ダンサー 「………………」
「(ふっ)やめやめ。辛気臭い話はやめにしましょ」
「携帯食料を幾つか持ってきたから、食べていいわよ」
フォートレス 「マジでか! 助かる!!」
ダンサー 「ふふ……素直な子。私は好きよ」
フォートレス 「(ガツガツ)このパンと肉イケますね……!」
ダンサー 「…………」
「ね、あの子って、あなたの何?」
34: 2012/07/14(土) 20:02:04.63 ID:hJZCtFyW0
フォートレス 「んぐ……ゲホッ、ゲホッ!」
ダンサー 「ちょっと、大丈夫? はい水」
フォートレス 「す……すんません(ゴクゴク)」
「……何って……ただの幼馴染スよ」
ダンサー 「ふーん、『ただの』幼馴染ねぇ……」
フォートレス 「な、何ですか?」
ダンサー 「うぅん別に。それにしては一生懸命守るなって」
「正直その子、冒険者としては、どうして適性試験を通ったのか不思議なくらいだもの」
フォートレス 「…………」
「俺は……」
「約束したんだ。俺は、こいつに『世界樹の迷宮』を見せてやるって」
メディック 「………………」
ダンサー 「ちょっと、大丈夫? はい水」
フォートレス 「す……すんません(ゴクゴク)」
「……何って……ただの幼馴染スよ」
ダンサー 「ふーん、『ただの』幼馴染ねぇ……」
フォートレス 「な、何ですか?」
ダンサー 「うぅん別に。それにしては一生懸命守るなって」
「正直その子、冒険者としては、どうして適性試験を通ったのか不思議なくらいだもの」
フォートレス 「…………」
「俺は……」
「約束したんだ。俺は、こいつに『世界樹の迷宮』を見せてやるって」
メディック 「………………」
35: 2012/07/14(土) 20:11:10.67 ID:hJZCtFyW0
メディック 「…………迷宮は子供の来る場所じゃない。遊び場じゃない」
フォートレス 「そ……そんなことお前に言われる筋合いはない!」
「迷宮に入って冒険するのは、こいつの……俺の夢なんだ!」
メディック 「夢で命を落とすほど馬鹿らしいことはないよ」
フォートレス 「…………」
メディック 「まぁ……すぐに命を落とすコースからは幸いそれたみたいだ」
「その跳獣に少しは感謝しておくんだな」
フォートレス 「…………」
跳獣 「Zzz……」
フォートレス (フン……こんな獣……)
(俺がいれば充分だ。こいつには、俺ひとりでいいんだ……)
フォートレス 「そ……そんなことお前に言われる筋合いはない!」
「迷宮に入って冒険するのは、こいつの……俺の夢なんだ!」
メディック 「夢で命を落とすほど馬鹿らしいことはないよ」
フォートレス 「…………」
メディック 「まぁ……すぐに命を落とすコースからは幸いそれたみたいだ」
「その跳獣に少しは感謝しておくんだな」
フォートレス 「…………」
跳獣 「Zzz……」
フォートレス (フン……こんな獣……)
(俺がいれば充分だ。こいつには、俺ひとりでいいんだ……)
37: 2012/07/14(土) 20:26:52.29 ID:hJZCtFyW0
―メディックの研究所、朝―
メディック 「ほら、起きろ。着陸するぞ」
フォートレス 「んあ? 着陸? ……おい起きろ、気球が降りるってさ」
ソードマン 「んんー……何か頭がグラグラする……」
メディック 「気圧のせいかもしれないな。こいつを飲めばすぐに良くなる」
フォートレス 「…………」
メディック 「どうした?」
フォートレス 「安全な薬なんだろうな?」
メディック 「どういう意味だ?」
メディック 「ほら、起きろ。着陸するぞ」
フォートレス 「んあ? 着陸? ……おい起きろ、気球が降りるってさ」
ソードマン 「んんー……何か頭がグラグラする……」
メディック 「気圧のせいかもしれないな。こいつを飲めばすぐに良くなる」
フォートレス 「…………」
メディック 「どうした?」
フォートレス 「安全な薬なんだろうな?」
メディック 「どういう意味だ?」
38: 2012/07/14(土) 20:30:29.26 ID:hJZCtFyW0
ダンサー 「大丈夫よ。こいつは変人だけど、調合の腕だけは確かだから」
メディック 「だけとはなんだ、だけとは」
フォートレス 「じゃあ……もらいます。おい、これ飲め」
ソードマン 「うん……(ゴクリ)」
ダンサー 「別に、たいして歳が離れてるわけでもないんだから、敬語使わなくてもいいわよ~」
フォートレス 「たいしてって……いや、確かに若くは見えるけど……」
ダンサー 「ふふ。何歳に見える?」
フォートレス 「…………」
「…………俺達と、タメに見えます」
ダンサー 「でしょう?」
メディック 「だけとはなんだ、だけとは」
フォートレス 「じゃあ……もらいます。おい、これ飲め」
ソードマン 「うん……(ゴクリ)」
ダンサー 「別に、たいして歳が離れてるわけでもないんだから、敬語使わなくてもいいわよ~」
フォートレス 「たいしてって……いや、確かに若くは見えるけど……」
ダンサー 「ふふ。何歳に見える?」
フォートレス 「…………」
「…………俺達と、タメに見えます」
ダンサー 「でしょう?」
40: 2012/07/14(土) 20:34:36.92 ID:hJZCtFyW0
メディック 「アホなこと言ってないで、着陸を手伝ってくれ」
ダンサー 「アホなこととは何よ」
メディック 「降りるぞ。投げ出されないように注意しろ」
>ズサァァァァ…………
ソードマン 「………………」
フォートレス 「大丈夫か?」
ソードマン 「うん。受け止めてくれたから平気」
ダンサー 「何か萌えるわ~。あたしも受け止めて!(抱きっ)」
フォートレス 「ちょ……ちょっと……」
ソードマン 「…………」
ダンサー 「アホなこととは何よ」
メディック 「降りるぞ。投げ出されないように注意しろ」
>ズサァァァァ…………
ソードマン 「………………」
フォートレス 「大丈夫か?」
ソードマン 「うん。受け止めてくれたから平気」
ダンサー 「何か萌えるわ~。あたしも受け止めて!(抱きっ)」
フォートレス 「ちょ……ちょっと……」
ソードマン 「…………」
41: 2012/07/14(土) 20:38:02.12 ID:hJZCtFyW0
跳獣 「…………」
>キラーン
跳獣 「フッ……!」
>ヒュンッ ヒュンッ
>ドゴォ! ドゴォ!!
フォートレス 「何で!? ぶるぉぉ! ぶらぁあ!!」
ソードマン 「だ、駄目だよ! そこは急所だよ!!」
跳獣 「ふぅ、ふぅ……」
ソードマン 「もう、いきなり殴るのは駄目。そういうの、あんまり感心しないな」
メディック 「気にするな、そのモンスターの特徴なんだろ」
「動体視力がかなりいいのに加えて、動いていないと落ち着かないのかもしれない」
フォートレス 「それで片付けようとするな……」
>キラーン
跳獣 「フッ……!」
>ヒュンッ ヒュンッ
>ドゴォ! ドゴォ!!
フォートレス 「何で!? ぶるぉぉ! ぶらぁあ!!」
ソードマン 「だ、駄目だよ! そこは急所だよ!!」
跳獣 「ふぅ、ふぅ……」
ソードマン 「もう、いきなり殴るのは駄目。そういうの、あんまり感心しないな」
メディック 「気にするな、そのモンスターの特徴なんだろ」
「動体視力がかなりいいのに加えて、動いていないと落ち着かないのかもしれない」
フォートレス 「それで片付けようとするな……」
42: 2012/07/14(土) 20:41:33.26 ID:hJZCtFyW0
フォートレス 「毎回毎回意味もなく殴られる俺の身にも……」
メディック 「火を消したから、気球の籠を倒すぞ。捕まってろ」
ソードマン 「はい、先生!」
ダンサー 「ふぅん、『先生』ね……」
メディック 「な……何だよ(グッ)」
>ググググ……
>ズゥン……
ダンサー (そういえばこいつ、『先生』って呼ばれるのが夢って昔……)
フォートレス 「ったく……誰も俺の話を聞きやしねえ……(ブツブツ)」
>ゴソゴソ
ソードマン 「わぁ、ここが先生の研究所ですか?」
メディック 「火を消したから、気球の籠を倒すぞ。捕まってろ」
ソードマン 「はい、先生!」
ダンサー 「ふぅん、『先生』ね……」
メディック 「な……何だよ(グッ)」
>ググググ……
>ズゥン……
ダンサー (そういえばこいつ、『先生』って呼ばれるのが夢って昔……)
フォートレス 「ったく……誰も俺の話を聞きやしねえ……(ブツブツ)」
>ゴソゴソ
ソードマン 「わぁ、ここが先生の研究所ですか?」
43: 2012/07/14(土) 20:45:57.24 ID:hJZCtFyW0
メディック 「ああ。取り敢えず入ってくれ……っと、ツタが凄いな……」
ダンサー 「しばらく来てなかったからねー」
フォートレス 「まだ使えるんだろうな?」
メディック 「そんなやわには作ってないはずだ。よし、開いた」
>ギィィ
メディック 「かなり埃っぽいが……窓を開けてくる。少し経ったら入ってきてくれ」
ダンサー 「分かった分かった。行ってらっしゃい」
ソードマン 「……先生って、有名な人だったんですか?」
ダンサー 「まぁどっちかといえば有名なんじゃないかな」
「薬の特許も何個か持ってるし、冒険なんてしなくても食べていけるんじゃない?」
ダンサー 「しばらく来てなかったからねー」
フォートレス 「まだ使えるんだろうな?」
メディック 「そんなやわには作ってないはずだ。よし、開いた」
>ギィィ
メディック 「かなり埃っぽいが……窓を開けてくる。少し経ったら入ってきてくれ」
ダンサー 「分かった分かった。行ってらっしゃい」
ソードマン 「……先生って、有名な人だったんですか?」
ダンサー 「まぁどっちかといえば有名なんじゃないかな」
「薬の特許も何個か持ってるし、冒険なんてしなくても食べていけるんじゃない?」
45: 2012/07/14(土) 20:56:34.43 ID:hJZCtFyW0
ソードマン 「そ、そうなんですか……」
フォートレス 「そんなのが何で今更外の研究所なんかに……」
ダンサー 「まぁ色々あったのよ」
「あなた達に事情があるようにね。あたし達にも事情があるの」
フォートレス 「…………」
ソードマン 「…………」
メディック 「(ゴホッ、ゴホッ)中はあらかた大丈夫だ。もう入ってもいいぞ」
「コーヒー豆を買ってきてよかった。切れてたよ」
ダンサー 「じゃあ遠慮無く」
メディック 「お前はもう少し遠慮しろ」
ソードマン 「お邪魔しまーす」
フォートレス 「そんなのが何で今更外の研究所なんかに……」
ダンサー 「まぁ色々あったのよ」
「あなた達に事情があるようにね。あたし達にも事情があるの」
フォートレス 「…………」
ソードマン 「…………」
メディック 「(ゴホッ、ゴホッ)中はあらかた大丈夫だ。もう入ってもいいぞ」
「コーヒー豆を買ってきてよかった。切れてたよ」
ダンサー 「じゃあ遠慮無く」
メディック 「お前はもう少し遠慮しろ」
ソードマン 「お邪魔しまーす」
46: 2012/07/14(土) 21:01:40.07 ID:hJZCtFyW0
ソードマン 「……きゃ……」
フォートレス 「待て、叫ぶな!」
跳獣 「ふぅ、ふぅ……」
フォートレス (ほっ)
ソードマン 「……びっくりしたぁ。この標本、何ですか?」
メディック 「それはマンドラゴラだ。迷宮のモンスターだよ」
ソードマン 「迷宮……」
メディック 「冒険者はたくさんいるが、何日かかっても探索が出来ないほど広大な……」
「……そんな、不思議な場所だ」
「明らかに人工物と思われるものがたくさんあるから、自然の産物じゃないとは思うが……」
「その謎を解き明かすことができたら、勲章ものなんだろうな」
フォートレス 「待て、叫ぶな!」
跳獣 「ふぅ、ふぅ……」
フォートレス (ほっ)
ソードマン 「……びっくりしたぁ。この標本、何ですか?」
メディック 「それはマンドラゴラだ。迷宮のモンスターだよ」
ソードマン 「迷宮……」
メディック 「冒険者はたくさんいるが、何日かかっても探索が出来ないほど広大な……」
「……そんな、不思議な場所だ」
「明らかに人工物と思われるものがたくさんあるから、自然の産物じゃないとは思うが……」
「その謎を解き明かすことができたら、勲章ものなんだろうな」
47: 2012/07/14(土) 21:05:06.15 ID:hJZCtFyW0
ソードマン (何だろう……先生、とても寂しそうな……)
メディック 「今日は午後から、迷宮に少し入ってみよう。その跳獣を見つけたという場所も見ておきたい」
フォートレス 「本当か!?」
ダンサー 「あら、迷宮に入るのは、もしかして初めて?」
ソードマン 「今まで何回か入ったことはあるんですが、奥までは……」
ダンサー 「勿体無いわねぇ。奥に行けばいく程面白いのに」
メディック 「子供に変なことを教えるな」
フォートレス 「ガキ扱いするな……!」
メディック 「ガキにガキと言って何が悪い?(カチャカチャ)」
メディック 「今日は午後から、迷宮に少し入ってみよう。その跳獣を見つけたという場所も見ておきたい」
フォートレス 「本当か!?」
ダンサー 「あら、迷宮に入るのは、もしかして初めて?」
ソードマン 「今まで何回か入ったことはあるんですが、奥までは……」
ダンサー 「勿体無いわねぇ。奥に行けばいく程面白いのに」
メディック 「子供に変なことを教えるな」
フォートレス 「ガキ扱いするな……!」
メディック 「ガキにガキと言って何が悪い?(カチャカチャ)」
48: 2012/07/14(土) 21:09:10.41 ID:hJZCtFyW0
メディック 「よし、アリアドネの糸もある」
ソードマン 「道標になる糸ですね」
フォートレス 「地味に高ぇんだよなそれ」
メディック 「お前らどんだけ金がないんだ……まぁいい。こっちに防具がある」
「合うものをどれでも持っていくといい」
フォートレス 「マジでか! ありがたく頂戴するぞ!(ゴソゴソ)」
ソードマン 「…………」
メディック 「君も、そんな防具じゃ迷宮はダメだ。別のものにした方がいい」
ソードマン 「あの、お金……」
メディック 「…………」
ソードマン 「ちゃんとお支払いします。足りなかったら、しっかり働いて……」
ソードマン 「道標になる糸ですね」
フォートレス 「地味に高ぇんだよなそれ」
メディック 「お前らどんだけ金がないんだ……まぁいい。こっちに防具がある」
「合うものをどれでも持っていくといい」
フォートレス 「マジでか! ありがたく頂戴するぞ!(ゴソゴソ)」
ソードマン 「…………」
メディック 「君も、そんな防具じゃ迷宮はダメだ。別のものにした方がいい」
ソードマン 「あの、お金……」
メディック 「…………」
ソードマン 「ちゃんとお支払いします。足りなかったら、しっかり働いて……」
50: 2012/07/14(土) 21:15:38.97 ID:hJZCtFyW0
メディック 「子供にそんな心配をされるほど困ってないよ」
ソードマン 「でも……」
メディック 「誰かに借りを作りたくないっていうのはわかるが、子供にしてはあまり賢くはないな」
ソードマン 「……!!」
メディック 「そうだな……だが、それでは君の気がすまないだろう」
「俺の研究が終わったら、まとめてもらうよ。その時まで貯めておくといい」
ソードマン 「(ほっ)はい……!!」
メディック 「だが君の体の小ささじゃ、この鎧が関の山だな……兜も被って、ちゃんと武装しなきゃダメだ」
ソードマン 「そ、そんなに着込んで動けるかな……」
跳獣 「…………ふぅ、ふぅ」
ダンサー 「ねえ、この鼻息が荒いのはどうするの?」
ソードマン 「でも……」
メディック 「誰かに借りを作りたくないっていうのはわかるが、子供にしてはあまり賢くはないな」
ソードマン 「……!!」
メディック 「そうだな……だが、それでは君の気がすまないだろう」
「俺の研究が終わったら、まとめてもらうよ。その時まで貯めておくといい」
ソードマン 「(ほっ)はい……!!」
メディック 「だが君の体の小ささじゃ、この鎧が関の山だな……兜も被って、ちゃんと武装しなきゃダメだ」
ソードマン 「そ、そんなに着込んで動けるかな……」
跳獣 「…………ふぅ、ふぅ」
ダンサー 「ねえ、この鼻息が荒いのはどうするの?」
51: 2012/07/14(土) 21:19:32.17 ID:hJZCtFyW0
メディック 「この子になついてるみたいだし、連れてった方がいいな」
「それに……」
(俺の推測が当たっていれば、いざというときの備えになる……)
(最近は迷宮も物騒だ。熊が入口付近に来てるのもおかしい)
(備えておくに越したことはない……)
ダンサー 「?」
メディック 「君も、それでいいか?」
ソードマン 「はい! みてみて、余った頭巾で、この子を入れる袋をお腹につけてみました!」
跳獣 「(モゾモゾ)ふもー」
ダンサー 「ウサギって言うより、そう見たらカンガルーね……」
メディック 「いいんじゃないか? 抱いているよりも動きやすいだろう」
「それに……」
(俺の推測が当たっていれば、いざというときの備えになる……)
(最近は迷宮も物騒だ。熊が入口付近に来てるのもおかしい)
(備えておくに越したことはない……)
ダンサー 「?」
メディック 「君も、それでいいか?」
ソードマン 「はい! みてみて、余った頭巾で、この子を入れる袋をお腹につけてみました!」
跳獣 「(モゾモゾ)ふもー」
ダンサー 「ウサギって言うより、そう見たらカンガルーね……」
メディック 「いいんじゃないか? 抱いているよりも動きやすいだろう」
52: 2012/07/14(土) 21:29:24.62 ID:hJZCtFyW0
―数時間後、迷宮前、午後―
メディック 「さて……このあたりでその跳獣を拾ったんだな?」
ソードマン 「そうです。確かこのへんだったと思います」
フォートレス 「あの岩には見覚えがある」
メディック 「ふむ……」
(特に目新しい形跡はないな……)
(だとしたらやっぱり、迷宮の中からやってきたと考えるのが妥当か……)
メディック 「……迷宮に入ってみようか。準備はいいな?」
ソードマン 「はい!」
フォートレス (この男、さっきから何ひとりで考えこんでんだ?)
メディック 「さて……このあたりでその跳獣を拾ったんだな?」
ソードマン 「そうです。確かこのへんだったと思います」
フォートレス 「あの岩には見覚えがある」
メディック 「ふむ……」
(特に目新しい形跡はないな……)
(だとしたらやっぱり、迷宮の中からやってきたと考えるのが妥当か……)
メディック 「……迷宮に入ってみようか。準備はいいな?」
ソードマン 「はい!」
フォートレス (この男、さっきから何ひとりで考えこんでんだ?)
53: 2012/07/14(土) 21:35:08.32 ID:hJZCtFyW0
―碧照ノ樹海、午後―
フォートレス 「こんな奥まで来たのは初めてだ……」
メディック 「何言ってるんだ。まだ全然入り口付近だ」
フォートレス 「…………」
ソードマン 「モンスターがあんまりいませんね」
メディック 「そうだな……少し前に、昨日の熊が捕獲されただろう?」
「あれに驚いて隠れちまった可能性が高いな」
ダンサー 「つまんなーい」
メディック 「だったら研究所で待ってろよ」
ダンサー 「それもっとつまんないじゃないー」
「それに、この子達のことも気になるし」
ソードマン 「…………」
フォートレス 「こんな奥まで来たのは初めてだ……」
メディック 「何言ってるんだ。まだ全然入り口付近だ」
フォートレス 「…………」
ソードマン 「モンスターがあんまりいませんね」
メディック 「そうだな……少し前に、昨日の熊が捕獲されただろう?」
「あれに驚いて隠れちまった可能性が高いな」
ダンサー 「つまんなーい」
メディック 「だったら研究所で待ってろよ」
ダンサー 「それもっとつまんないじゃないー」
「それに、この子達のことも気になるし」
ソードマン 「…………」
54: 2012/07/14(土) 21:41:11.04 ID:hJZCtFyW0
跳獣 「ふも……?」
ソードマン 「?」
>キラキラ
ソードマン 「何あれ……?」
フォートレス 「? 何って……何だあれ?」
「光るカエル……?」
メディック 「!! 希少個体だ! 生け捕りにしろ!!」
フォートレス 「生け捕りって……あのでかいカエルをか!?」
ソードマン 「………………」
メディック 「何唖然としてるんだ!」
ダンサー 「高く売れるわよー」
フォートレス 「! 行くぞ!!」
ソードマン 「?」
>キラキラ
ソードマン 「何あれ……?」
フォートレス 「? 何って……何だあれ?」
「光るカエル……?」
メディック 「!! 希少個体だ! 生け捕りにしろ!!」
フォートレス 「生け捕りって……あのでかいカエルをか!?」
ソードマン 「………………」
メディック 「何唖然としてるんだ!」
ダンサー 「高く売れるわよー」
フォートレス 「! 行くぞ!!」
55: 2012/07/14(土) 21:52:22.70 ID:hJZCtFyW0
フォートレス 「ふんっ!」
>ブンッ!!
森林カエル希少個体 「ゲコッ!!」
>ヒュッ
フォートレス 「何だあれ、早いぞ!!」
メディック 「希少個体だからな、逃げ足だけは早いんだよ!」
フォートレス 「こなくそおお!!」
>ブンッ、ブンッ!!
森林カエル希少個体 「…………ゲコォッ!!」
>ダダッ!!!
フォートレス 「まずい……抜けられた!!!」
>ブンッ!!
森林カエル希少個体 「ゲコッ!!」
>ヒュッ
フォートレス 「何だあれ、早いぞ!!」
メディック 「希少個体だからな、逃げ足だけは早いんだよ!」
フォートレス 「こなくそおお!!」
>ブンッ、ブンッ!!
森林カエル希少個体 「…………ゲコォッ!!」
>ダダッ!!!
フォートレス 「まずい……抜けられた!!!」
57: 2012/07/14(土) 21:55:39.98 ID:hJZCtFyW0
ソードマン 「……!! こっちに来る!!!」
フォートレス 「何でお前そこにいるんだ! 脇に避けてろ!!」
ダンサー 「あの子モンスターを引き寄せる才能でもあるのかしら……?」
メディック 「悠長なこと言ってる場合か! 危ないぞ!!」
ソードマン 「わ……私だって…………」
(逃げてばっかりじゃ駄目だ……)
(剣があるんだ……やれる……!!)
森林カエル希少個体 「シャアア!!!(バッ!)」
ソードマン 「たああ!!(ザシュ!!)」
跳獣 「フッ!!」
>ヒュン!!
>ドゴォッ!!!
フォートレス 「何でお前そこにいるんだ! 脇に避けてろ!!」
ダンサー 「あの子モンスターを引き寄せる才能でもあるのかしら……?」
メディック 「悠長なこと言ってる場合か! 危ないぞ!!」
ソードマン 「わ……私だって…………」
(逃げてばっかりじゃ駄目だ……)
(剣があるんだ……やれる……!!)
森林カエル希少個体 「シャアア!!!(バッ!)」
ソードマン 「たああ!!(ザシュ!!)」
跳獣 「フッ!!」
>ヒュン!!
>ドゴォッ!!!
58: 2012/07/14(土) 21:58:49.61 ID:hJZCtFyW0
森林カエル希少個体 「キュゥ……」
>ドサリ
フォートレス 「お前……やるじゃねえか! 剣なんて使えたのか!?」
「(ハッ)」
ダンサー 「へぇ……もしかして、剣を握ったことがなかったの?」
ソードマン 「…………」
メディック (もしかして、この子達は……)
跳獣 (バッ)
(ズルズル)
ソードマン 「……? もしかして、私にくれるの?」
跳獣 (ドサッ)
「ふもー」
>ドサリ
フォートレス 「お前……やるじゃねえか! 剣なんて使えたのか!?」
「(ハッ)」
ダンサー 「へぇ……もしかして、剣を握ったことがなかったの?」
ソードマン 「…………」
メディック (もしかして、この子達は……)
跳獣 (バッ)
(ズルズル)
ソードマン 「……? もしかして、私にくれるの?」
跳獣 (ドサッ)
「ふもー」
59: 2012/07/14(土) 22:01:51.72 ID:hJZCtFyW0
ソードマン 「ありがとう。じゃあ、これは先生にお譲りします」
メディック 「本当かい? それは助かる」
「こいつの絞り汁は、薬の原料になる」
フォートレス 「…………聞かなきゃよかったぜそれ…………」
ダンサー 「そろそろ日も暮れるわ。戻らない?」
メディック 「そうだな。見つけたモンスターも数えるほどだ。得られる情報は……」
「何だ……これ……?」
(こんなところに石版なんてあったか……?)
ダンサー 「何? 石版?」
メディック 「ああ……読めないが……」
(違う……断片的だが読める。しかしダンサーには悟られたくない……)
メディック 「本当かい? それは助かる」
「こいつの絞り汁は、薬の原料になる」
フォートレス 「…………聞かなきゃよかったぜそれ…………」
ダンサー 「そろそろ日も暮れるわ。戻らない?」
メディック 「そうだな。見つけたモンスターも数えるほどだ。得られる情報は……」
「何だ……これ……?」
(こんなところに石版なんてあったか……?)
ダンサー 「何? 石版?」
メディック 「ああ……読めないが……」
(違う……断片的だが読める。しかしダンサーには悟られたくない……)
60: 2012/07/14(土) 22:05:21.62 ID:hJZCtFyW0
メディック (これは……!!)
「全員戻るぞ……!」
フォートレス 「どうしたんだよ、顔色変えて」
メディック 「いや……これから夜になると危険なモンスターも出てくる」
「一旦体制を立てなおした方がいい」
「それに、このカエルの鮮度も落ちちまうしな」
ソードマン 「そうですね。私お腹ぺこぺこです」
フォートレス 「そういえば俺も腹が減ったな……」
ダンサー 「じゃあ、帰って夕食にしましょうか!」
メディック 「………………」
××××A 「………………」
××××B 「………………」
「全員戻るぞ……!」
フォートレス 「どうしたんだよ、顔色変えて」
メディック 「いや……これから夜になると危険なモンスターも出てくる」
「一旦体制を立てなおした方がいい」
「それに、このカエルの鮮度も落ちちまうしな」
ソードマン 「そうですね。私お腹ぺこぺこです」
フォートレス 「そういえば俺も腹が減ったな……」
ダンサー 「じゃあ、帰って夕食にしましょうか!」
メディック 「………………」
××××A 「………………」
××××B 「………………」
61: 2012/07/14(土) 22:07:52.85 ID:hJZCtFyW0
第三部に続きます。
明日も仕事のため、ここで一旦切らせていただきます。
スレが残っていましたら、続きをここでやらせていただきます。
落ちていましたら、パー速VIPで続きを書かせていただきます。
お付き合いいただけましたら幸いです。
それでは、今回は失礼します。
明日も仕事のため、ここで一旦切らせていただきます。
スレが残っていましたら、続きをここでやらせていただきます。
落ちていましたら、パー速VIPで続きを書かせていただきます。
お付き合いいただけましたら幸いです。
それでは、今回は失礼します。
62: 2012/07/14(土) 22:09:33.40 ID:CC4mxk9g0
おつかれさーん
再開する時はSAVEデータを検索してね
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