341: 2006/07/19(水) 04:52:40.81 ID:5/IDK7c+0

342: 2006/07/19(水) 04:53:10.42 ID:ucgmVkWM0
第42話( ^ω^)FOXの恐怖 だお!


閃光の衝撃から、5人は起き上がった。


;゚⊿゚)ξ「何なのよ・・・・・あの閃光は。」

(;*゚ー゚)「閃光の走っていった方角の先は・・・・・・・水の都だよ!」


(;´∀`)「しぃ!! お前は急いで水の都に向かうモナ!!
    僕は風の谷に行って、みんなを落ち着かせてくるモナ!!」


(;*゚ー゚)「了解!!」

(;^ω^)「僕たちも水の都に行くお!!」

(;*゚ー゚)「かなりスピード出すよ! ついてこれる!?」

( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ('A`)「合点承知!!」
空も飛べるはず

343: 2006/07/19(水) 04:54:34.26 ID:ucgmVkWM0
ブーン達は通常数日かかる水の都まで、2日でたどり着いた。


(;^ω^)「これはひどい。」


上空からブーン達は水の都の様子を見た。
FOXから発せられた閃光は、水の都には直撃しなかったようだが近くに落ちたらしい。


水の都のしばらく先の地面が、クレーター状にえぐれていた。

344: 2006/07/19(水) 04:55:32.90 ID:ucgmVkWM0
水の都に降り立つと、閃光による被害がすさまじいことになっていた。

閃光の落ちた衝撃で、どうやら地震が起こったようである。

水の都は巨大な湖の上に四角いブロックを浮かべることで基礎とし道や建物を建造しているため、
その地震により湖が氾濫し、多くの基礎ブロックと建物が洗い流されていた。

345: 2006/07/19(水) 04:56:44.64 ID:ucgmVkWM0
( ;,,゚Д゚)「しぃ!! 来ていたのかゴルァ!!」

(;*゚ー゚)「ギコ・・・・・・・。 ひどいことになっているわね。」

( ;,,゚Д゚)「ああ。 多くの建物や道が洗い流され、湖に沈んだぞゴルァ。
    沈まなかった道や建物も水浸しだぞゴルァ。
    行方不明者の数は把握しきれんぞゴルァ!!」

346: 2006/07/19(水) 04:57:40.37 ID:ucgmVkWM0
しぃは、閃光とFOXのことについてギコに説明している。


一方、ブーン達は水の都の様子を見て唖然としていた。


;゚⊿゚)ξ「これが・・・・・・・・・FOXの力・・・・・・・。」


ツンは、何か思いつめた表情をしている。
そんなツンの体が、ブーンにはとても小さく見えた。

347: 2006/07/19(水) 04:58:29.07 ID:ucgmVkWM0
ブーンがツンに声をかけるかどうか思いあぐねていると、毒男が話しかけてきた。


('A`)「なあ、流石兄弟は無事なのかな?」

(;^ω^)「そうだお! 行ってみるお!!


しかし、ツンはその場から動こうとしなかった。


ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい。 
   あたし、ここで待っているわ。」

(;^ω^)「お・・・・・・そうかお。 気をつけるんだお?」

348: 2006/07/19(水) 04:59:49.21 ID:ucgmVkWM0
毒男とブーンは流石兄弟の家の前についた。
流石兄弟の家は都のはずれ、湖のほとりにあったため、たいした被害は受けていないようである。

ノックをしても何の返事も無かったのでドアノブに手をかけると
鍵がかかっていなかったため、2人はすんなりと中に入ることが出来た。


(;^ω^)(:'A`)「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


流石兄弟の家の中は水浸しになっていたが、それを除けばきれいなものだった。
しかし、家の中に流石兄弟の姿は無かった。

349: 2006/07/19(水) 05:00:45.47 ID:ucgmVkWM0
しぃとツンのいる場所まで戻ってくると、二人はグライダーの準備をしていた。


(;*゚ー゚)「お帰り。 
    慌しくて悪いんだけど、今から風の谷に向かうよ。
    
    ここに届けるための支援物資を取りに行かなきゃいけないし、
    何より風の谷の様子も気になるの。付いてきてくれる?」


('A`)「もちろんです。 早急に飛び立ちましょう。」


そういうと、毒男はテキパキとグライダーの準備を始めた。

350: 2006/07/19(水) 05:01:36.45 ID:ucgmVkWM0
一方ブーンは、ツンの様子が気になっていた。


(;^ω^)「ツン、元気ないお? どうしたんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・・・・・FOXって、恐ろしいなって思ってね。」


そう言ってあたりを見渡すツンの背中はとても小さく、かすかに震えていた。

ブーンはそんなツンの背中を抱きしめなければ、ツンがその場に崩れ落ちてしまいそうな気がした。


しかし毒男にグライダーの準備を急かされ、ツンを抱きしめることはかなわなかった。

351: 2006/07/19(水) 05:02:09.70 ID:ucgmVkWM0
4人は風の谷に着いた。


風の谷の人々は、空を走った閃光を見て一時パニックになったようだが、
現在は、モナーのおかげで一応落ち着いているようだ。


ブーン達はモナーに水の都の様子を説明し、支援物資や復興協力の必要性を説いた。


( ´∀`)「わかったモナ! 早速、支援物資の用意をするモナ!」

352: 2006/07/19(水) 05:02:42.13 ID:ucgmVkWM0
翌日は支援物資の用意で一日がつぶれた。

その夕方、ツンは谷の中のとある場所にいた。


ξ゚⊿゚)ξ「夕日が・・・・・・・・・・・・綺麗。」


その場所は以前風の谷に滞在したとき仲良くなった谷の少女に教えてもらった、
ツンのお気に入りの場所だった。

353: 2006/07/19(水) 05:03:27.83 ID:ucgmVkWM0
ξ゚⊿゚)ξ「この景色も、FOXのせいで無くなっちゃうのかな。」


ツンはひろゆきでの会話を思い出した。

思い出したといっても、ここ数日はそのことばかりを考えていた。
今日は支援物資の用意に追われて、たまたま考える暇が無かっただけだ。


ξ゚⊿゚)ξ「FOXは・・・・・・私がスケープゴートにならなければ破壊できない。」

354: 2006/07/19(水) 05:04:42.46 ID:ucgmVkWM0


川 ゚ -゚)「君がこの役目を引き受けなければ、たとえ私たちがFOXを破壊したとしても
   大地にひろゆきが落ちることで多くの罪のない人が氏ぬ。」

(*‘ω‘ *)y─┛~~「こういう言い方はきらいだが、さしずめこれは君の運命だ。
      君が運命に従えば、多くの人が助かり、世界も救われる。」


クーとちOぽっぽの言葉が、ツンの頭をよぎる。


ξ;⊿;)ξ「だけど・・・・・・スケープゴートなんて・・・・・・なりたくないよ!」


ツンは怖かった。怖くて怖くてたまらなかった。

でも、自分がその役目を負わなければ世界が破滅するという実感も感じていた。
水の都の悲惨な状況がツンの頭をよぎる。


極限の恐怖と使命感の板ばさみの中を、ツンの心はさまよっていた。

355: 2006/07/19(水) 05:05:51.16 ID:ucgmVkWM0
そのとき、後ろから声がした。


少女「・・・・・・お姉ちゃん。」

ξ゚⊿゚)ξ「あ・・・・・・・・。」


その少女は、ツンにこの場所を教えてくれた少女だった。
少女はツンの隣に座る。


少女「あたしたち・・・・・・氏んじゃうの?」

;゚⊿゚)ξ「えっ?」

少女「あたしたち、あの光に殺されちゃうの?」



少女は泣きながら言った。
涙で潤んだ少女の瞳が、ツンの瞳をまっすぐ見つめた。

356: 2006/07/19(水) 05:06:32.34 ID:ucgmVkWM0
気が付くと、ツンは少女を抱きしめていた。
ツンの胸からは、恐怖が消えていた。
そして、ツンは少女に向かってやさしくささやいた。


ξ゚ー゚)ξ「大丈夫。 あなたは・・・・世界はお姉ちゃんが守るわ。
   だから泣かないで。 ほら、笑って。」


357: 2006/07/19(水) 05:07:07.03 ID:ucgmVkWM0
少女は涙を拭くと、ツンにかわいらしい笑顔を見せた。


二人は笑って、そこから見える谷の景色を眺めた。
二人の視線の先では、太陽の塔が笑っていた。


;゚⊿゚)ξ「・・・・・・・・あれ、まだあったのね。」

358: 2006/07/19(水) 05:07:52.18 ID:ucgmVkWM0
その夜、ツンはブーンと二人きりで食事を取っていた。


ξ゚⊿゚)ξ「毒男はどこに行ったの?」

( ^ω^)「モナーさんに婿養子の申し込みに行ったお。」

ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・・・あのバカ、本気だったのね。」

359: 2006/07/19(水) 05:08:52.83 ID:ucgmVkWM0
ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ、ブーン?」

( ^ω^)「なんだお? このお肉はあげないお?」

ξ゚⊿゚)ξ「いらないわよ!!」

( ^ω^)「んじゃ、なんだお?」


ξ゚⊿゚)ξ「ひろゆきに行って、古代史のなぞも魔法文明のなぞも解き明かしちゃったじゃない?
   つまり、ブーンは夢をかなえたってことよね?」


( ^ω^)「まあ、そうだおね。」

ξ゚⊿゚)ξ「それじゃあ、ブーンはこれからどうするの? 夢はかなえちゃったじゃない。」

( ^ω^)「おっおっお。 そんなことかお。」

360: 2006/07/19(水) 05:10:28.84 ID:ucgmVkWM0
( ^ω^)「確かに、古代史のなぞを解き明かすっていう夢はかなったお。
     でも、僕の夢はそれで終わらないお。
     僕はまだ、この世界のすべてを見ていないお。」


ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・世界のすべて?」


( ^ω^)「そうだお。 
    
    この世界には一生かけても見れないほどいろんなものがあるお!
    僕は生きている限り、それを見に行き続けるんだお! それが僕の夢だお!
    
    だから、僕の夢は一生終わらないんだお!」


ξ゚⊿゚)ξ「終わらない・・・・・・夢?」


( ^ω^)「そうだお。
     
     見たことがないものって、きっとこれから見るものなんだお!
     行ったことがない場所って、きっとこれから行く場所なんだお!
     会ったことがない人って、きっとこれから会う人なんだお!
     
     そう考えるだけで、ワクワクしてこないかお?」

361: 2006/07/19(水) 05:11:26.47 ID:ucgmVkWM0
ツンはしばらくブーンを見つめると、にっこりと笑った。


ξ゚ー゚)ξ「・・・・・・・・・そうね! ワクワクしてくるね!」

( ^ω^)「だおだお!」

ξ゚ー゚)ξ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

(;^ω^)「や~ん、何でそんなに見つめるんだお?」


すると、ツンは身をのりだしてブーンの顔を覗き込んだ。



ξ゚ー゚)ξ「・・・・・・・・・ブーンの瞳って、キラキラ輝いていてとってもきれいよ!」



362: 2006/07/19(水) 05:12:17.22 ID:ucgmVkWM0
ブーンは戸惑っていた。

ここ最近笑っていなかったツンが、とびっきりの笑顔を見せてくれているのはすごくうれしい。

ツンは普段はツンツンしていて、暴言も吐くけど、
本当はすごくやさしくて、こんなに素敵な笑顔を持っていて、
それを自分の前に見せてくれている。

おまけに、自分の瞳をきれいだとまで言ってくれている。


こんなとき、なんて言えばいいんだろう?

363: 2006/07/19(水) 05:13:01.35 ID:ucgmVkWM0
(;^ω^)「あうあうあう~。」


結局、ブーンが発した言葉はこんなきょどり声だった。


ξ゚ー゚)ξ「あはは!! なによその声w」


そういうと、ツンはブーンから離れた。


ξ゚ー゚)ξ「じゃああたし、もう寝るね!」

( ^ω^)「お、おやすみだお。 また明日だお!」

ξ゚ー゚)ξ「・・・・・・・・・・・・うん!」


ツンは部屋から出て行った。

364: 2006/07/19(水) 05:13:37.32 ID:ucgmVkWM0
ツンは部屋から出て扉を閉めると、その扉に寄りかかった。

そして、こうつぶやいた。



ξ゚ー゚)ξ「・・・・・・・・・・・ブーン、あなたの夢は、あたしが守るわ。」



365: 2006/07/19(水) 05:14:10.52 ID:ucgmVkWM0
翌日、ブーンはしぃにたたき起こされた。


(;^ω^)「なんだお? 今日のしぃはやけにパワフルだお?」

(;*゚ー゚)「・・・・・・・・・・ツンちゃんの部屋に、こんな書置きが。」


ブーンはしぃから紙を受け取った。

366: 2006/07/19(水) 05:15:20.00 ID:ucgmVkWM0



      ブーン、毒男、しぃ、モナーさん、そして谷のみんな。
      今までこんなあたしによくしてくれて、本当にありがとう。
      あたし、行きます。
      みんなの世界を、夢を、未来を守りに行きます。
      だってあたし、この世界が・・・・・・・・・みんなが大好きだから!
      それじゃあね! バイバイ! お元気で。
                               ツンξ゚ー゚)ξ




367: 2006/07/19(水) 05:16:12.20 ID:ucgmVkWM0
ブーンは飛び起きると、外に飛び出した。


(;*゚ー゚)「ねえ、ツンちゃんどこに行っちゃったの!?」

(;^ω^)「きっと、森の遺跡だお!」


外に出ると、毒男がグライダーを準備して待っていた。


('A`)「しぃさんから話は聞いた。 行くぞ!!」

( ^ω^)「毒男、サンクスだお!!」

(;*゚ー゚)「あたしも行く!!」


3人は空へと羽ばたいた。


(;^ω^)「ツン・・・・・・・・・・・なにをするつもりだお!?」


第42話 完

412: 2006/07/19(水) 18:02:30.63 ID:JmivrX160
第43話( ^ω^)樹海の糸だお!


3人は、休むことなく飛び続けた。
そのため、翌日の昼には森の遺跡のすぐそばにまでたどり着いた。


(*゚ー゚)「あ!! あれ、ツンちゃんよ!!」

( ^ω^)「!!」


しぃの指差す先には、グライダーで森の遺跡の上空へ進んでいくツンの姿が見えた。

413: 2006/07/19(水) 18:03:47.70 ID:JmivrX160
('A`)「まずいぞ!
  このままじゃ、俺たちが追いつく前に森の遺跡にツンが着くぞ!」

(*゚ー゚)「任せて!」


そう言うと、しぃはブーンの後ろに回りこんで、魔法で突風を起こした。


(;^ω^)「ひゃうーーーーーーーん!!!!!!」

(*゚ー゚)ノ('A`)ノ「いってらっしゃ~い。」


ブーンのグライダーは、とんでもない速さでツンに向かって飛んでいった。

414: 2006/07/19(水) 18:05:16.90 ID:JmivrX160
(;^ω^)「ツン!! 待つお!! いったい何をするつもりだお!?」

ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・。」


ツンは森の遺跡に降下した。
ツンを追う形で、ブーンも森の遺跡に降下した。


着陸したブーンはグライダーを乗り捨て、ツンのあとを追った。
ツンは魔方陣のある神殿に向かって走っていく。

そしてついに、神殿の階段を上りきったところで、ブーンはツンの手を捕まえた。

415: 2006/07/19(水) 18:06:21.27 ID:JmivrX160
(;^ω^)「ツン!! こんなところまで1人で来て、何をするつもりだお!?」

ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・何って、ひろゆきに行く以外、ここにくる理由はないでしょ?」

(;^ω^)「だから何で一人でなんだお!? 
     クーたちに助けを求めに行くなら、僕たちも一緒に行くお!」

ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・・・・実はね。」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・。」


(;゚ω゚)「・・・・・・・・・・・!!」


ツンは、ひろゆきでクーとちOぽっぽに言われたことをすべて話した。

416: 2006/07/19(水) 18:07:07.21 ID:JmivrX160
ξ゚⊿゚)ξ「だからあたし、行かなきゃ。」

(;゚ω゚)「・・・・・・・・・・・・。」

ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・それじゃあね。」

(;゚ω゚)「ま、待つお!!」


ブーンはツンの手を握り締めた。


ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・痛いよ。 離して。」

(;^ω^)「イヤだお!! なんで・・・・・・なんでツンが行かなければならないんだお!?」

417: 2006/07/19(水) 18:08:44.45 ID:JmivrX160
ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・言ったでしょ? 
   ひろゆきの魔力を維持できるのはあたししかいないの。
   あたしがスケープゴートとして眠れば、世界も魔法も救われるのよ。」


(;^ω^)「ツンが眠る必要なんて、どこにも無いお!!
    FOXは、クーとちんちOぽがやっつけるんだお? 
    
    それなら2人に任せておけばいいお!! 
    ツンがスケープゴートになる必要なんて無いんだお!!」


ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・・・・ダメだよ。
   あたしが眠らなければ、2人がFOXを沈めたとしても
   今度は魔力を失ったひろゆきが大地に落ちてきちゃうのよ?」


(;^ω^)「なら、ひろゆきを大地に落としちゃえばいいお!!
     魔法なんか無くても、僕たちは生きていけるお!!」

418: 2006/07/19(水) 18:10:43.90 ID:JmivrX160
ξ゚⊿゚)ξ「でも、ひろゆきが大地に落ちれば、そのせいで多くの人が犠牲になるわ。
   ・・・・・・・それにね、あたしは魔法も守りたいの。」

(;^ω^)「・・・・・・・。」

ξ゚⊿゚)ξ「この前ケンカしたとき、ブーンがあたしに言ったじゃない?
   『あたしの魔法は用なしだ』って。
   
   ・・・・・・あたし、すごく悲しかった。
   だってあたし、魔法を使える以外に何のとりえも無いんだもん。」

(;^ω^)「違うお、僕はそんな意味で言ったんじゃ・・・」

ξ゚ー゚)ξ「いいのよ。 気にしないで。
   ブーンはバカだけどとっても優しいし、夢をかなえるために一生懸命だわ。
   
   毒男はキモくてアホだけど飛行機を操縦できるし、いざというとき頼りになるわ。
   しぃはみんなから人望があって、次の長になるため頑張っている。
   
   ショボン大佐や荒巻さん、ジョルジュ、モナーさんやギコ、流石兄弟。
   みんな何かとりえがあって、一生懸命で、夢がある。」

419: 2006/07/19(水) 18:12:22.88 ID:JmivrX160
ξ゚⊿゚)ξ「だけどあたしには魔法以外、何にも無い。
   
   人とはうまくしゃべれないし、わがままだし、
   すぐに殴るし、ひどいこと言って人を傷つけちゃう。
   
   世界の裂け目を超えたのも、ひろゆきに行ったのも、
   ブーンと毒男の夢に付いていっただけ。
 
   あたしには、自分の夢なんて無かった。」


(;゚ω゚)「・・・・・・・・・・。」


ξ゚ー゚)ξ「だけどね、今ならあたし、みんなの役に立てる。
    あたしがスケープゴートとして眠ることで、世界が助かる。
    あたしが大好きな人たちも、その人たちの夢も、守ることが出来るんだよ!」

420: 2006/07/19(水) 18:13:23.98 ID:JmivrX160
(;゚ω゚)「・・・・・・・・・・。」


違う。
ツンにはいいところがいっぱいある。
魔法が使えなくても、ツンはツンだ。
何一つ、変わることなんて無い。
だから、魔法なんていらないじゃないか。

それに、ツンのいない世界で夢をかなえることに、何の意味も無い。


そう言おうとしたとき、ツンがブーンに抱きついてきた。


ブーンはツンの行動に動転し、結局その言葉が言えなかった。

421: 2006/07/19(水) 18:14:20.96 ID:JmivrX160



ξ;⊿;)ξ「ブーン・・・・・・。
    お願い。 最後に一度だけ、あたしを抱きしめて・・・・・・・。」

(;゚ω゚)「あうあう・・・・・・・・。」



422: 2006/07/19(水) 18:15:18.58 ID:JmivrX160
ツンは、強くブーンを抱きしめてくる。

そんなツンの体はとても小さく、ガタガタ震えている。
ブーンは、そんなツンを抱きしめたかった。

だけど、ここでツンを抱きしめてしまえば、ツンが永遠に自分のもとから離れていってしまう気がした。

だからブーンは、ツンを抱きしめることが出来なかった。

423: 2006/07/19(水) 18:15:55.48 ID:JmivrX160
ξ;⊿;)ξ「・・・・・・・・・・・・。」


ツンはブーンを抱きしめる手を離すと、その場にしゃがみこんだ。
それと同時にブーンの体に衝撃が走り、ブーンは階段から転げ落ちた。


(;^ω^)「・・・・・・・・・・・痛いお。」


ブーンは痛む体引きずりながら、上半身を起こした。

424: 2006/07/19(水) 18:16:20.25 ID:JmivrX160
(;゚ω゚)「!!」


神殿を見上げると、階段を上ったところ、
さっきまで自分がいたところは数本の樹木によって埋め尽くされていた。

ツンの姿は、樹木に隔てられていてもう見えない。

425: 2006/07/19(水) 18:17:05.64 ID:JmivrX160
(;゚ω゚)「ツーーーーーーーーーーーン!!」


ブーンは体の痛みなど忘れ、階段を駆け上った。


上りきって、樹木に取り付いて何とか神殿の中に入ろうとしたが
樹木の隙間は、ブーンの腕が通るほどの大きさしかなかった。

426: 2006/07/19(水) 18:18:07.76 ID:JmivrX160
樹木の隙間から覗き込んだ先には、ツンのうしろ姿があった。


(;゚ω゚)「ツン! 行くなお! 行っちゃダメだお!!」

ξ;ー;)ξ「・・・・・・・・・・・・・・・。」


その声に振り向いたツンは、泣きながら笑っている。


ξ;ー;)ξ「永遠を願うなら、一度だけ抱きしめて
    ・・・・・・・・・・その手から、離せばいい。」

( ;ω;)「・・・・・・・・・・。」

ξ;ー;)ξ「私さえいなければ、その夢を守れるわ。」

( ;ω;)「ツン・・・・・・・・・・。」

ξ;ー;)ξ「さようなら、ブーン。 あなたの夢を、空から見守っているわ。」


ツンは振り返ると、神殿の奥へと進んでいった。

427: 2006/07/19(水) 18:18:50.00 ID:JmivrX160
( ;ω;)「ツン・・・・・・ツーーーーーーーーーーン!!」


ブーンは樹木の隙間から手を伸ばし、必氏に叫んだ。


だけど、その手も、その声も、ツンに届くことは無かった。

428: 2006/07/19(水) 18:19:33.96 ID:JmivrX160
必氏の思いで樹木を越えたブーンは、神殿の奥まで走った。

だけどその奥、魔方陣の部屋には、ツンの姿はもう無かった。


( ;ω;)「魔方陣!! 僕をひろゆきに連れて行くお!!」


ブーンは魔方陣を叩き続けた。手から血が出ても叩き続けた。
しかし、魔方陣はうんともすんとも言わなかった。

ブーンはその場に崩れ落ちた。

429: 2006/07/19(水) 18:20:00.77 ID:JmivrX160
(*゚ー゚) ('A`)「・・・・・・・・・・・・。」


気がつくと、毒男としぃが後ろに立っていた。


('A`)「話は聞いていた。 ツンは行っちまったようだな。」

( ;ω;)「・・・・・・・・・・・・・。」

('A`)「で、これからお前はどうするんだ?」

430: 2006/07/19(水) 18:21:01.51 ID:JmivrX160
ブーンは魔方陣の上に座り込んで、毒男としぃを見上げた。


( ;ω;)「ツンは・・・・・・行っちゃったお。」

('A`)「だから、これからどうするんだって聞いている!」

( ;ω;)「・・・・・・どうする?」


ブーンは立ち上がると、毒男の胸倉をつかんだ。


( ;ω;)「どうするって、どうすればいいんだお!!
     ツンはここにいないお! 魔方陣は起動しないお!!
     どうやってひろゆきまで行くって言うんだお!!!!」

431: 2006/07/19(水) 18:22:49.07 ID:JmivrX160
毒男がブーンの胸倉をつかみ返す。


('A`)「なら他の方法を考えろ!!
  方法が無いからって、あきらめるのがお前なのか!?
  
  違  う  だ  ろ  !  ?
  
  出来るわけが無いといわれ続けた世界の裂け目を超えたのは誰だ!?」


( ;ω;)「世界の裂け目と一緒にするなお!!
     ひろゆきは空よりも高いところにあるんだお!!
     そんなところまで、どうやって行くんだお!!
     
     グライダーなんかじゃ無理だお!!
     もすかうはボロボロで飛べないお!!
     飛べても、空よりも高いところなんて行けっこないお!!」


('A`)「・・・・・・・・。」


( ;ω;)「仮に空より高く飛べたとして、
     この広大の空から、どうやってひろゆきを探すお!?
     
     そんなの不可能だお!!

     いい加減なこと言うんじゃないお!!!」

432: 2006/07/19(水) 18:24:28.35 ID:JmivrX160
毒男はブーンの胸倉から手を離すと、ブーンに背を向けた。


('A`)「お前には愛想が尽きた。」

(;*゚ー゚)「毒男君!!」

('A`)「しぃさん、こいつはもうダメだ。 放っておきましょう。」

(;*゚ー゚)「・・・・・・・・・。」

( ;ω;)「・・・・・・どこに行くんだお?」


('A`)「決まっている。 ツンを助けに行くんだよ。
  あの女は、人の顔を見るたびバカだのキモイだの言うむかつく女だが
  一緒に世界の裂け目を超えた、かけがえの無い仲間だ。」


( ;ω;)「・・・・・・・・。」

('A`)「じゃあな。 お前のそんな顔、2度と見たくない。」



毒男は部屋から出て行った。


433: 2006/07/19(水) 18:25:32.85 ID:JmivrX160
(*゚ー゚)「ブーン君。」

( ;ω;)「・・・・・・・なんだお?」


(*゚ー゚)「ツンちゃんが『あたしには何も無い』って言ったとき
   どうして『そんなこと無い』って言わなかったの?

   ツンちゃんがブーン君を抱きしめたとき、
   どうしてブーン君は抱きしめ返さなかったの?」


( ;ω;)「・・・・・・・。」


(*゚ー゚)「きっと、ツンちゃんはブーン君にそう言ってほしかったんだと思う。
   きっと、ツンちゃんはブーン君に抱きしめ返してほしかったんだと思うよ。」


Σ( ;ω;)「!!」


ブーンはしぃの顔を見上げた。
しぃは悲しそうにブーンの顔を一瞥したあと、背を向けて部屋から出て行った。

434: 2006/07/19(水) 18:27:16.38 ID:JmivrX160
1人残されたブーンは、魔方陣の上に仰向けになり、天井を見上げた。


( ;ω;)「・・・・・・・・・・・・。」


ツンに置いていかれた。
しぃに見放された。

ずっと夢をともにしてきた、かけがえのない親友である毒男にも見捨てられた。


ブーンは天井に向かって手を伸ばした。
そうすれば、自分のもとを去っていた人たちの背中をつかめるような気がした。

だけど、つかめるものは虚無感以外、何も無かった。


( ;ω;)「・・・・・・・・・・独りになっちゃったお。」


ブーンは泣き続けた。
その涙は、いつまでもいつまでも、途切れることなく流れ続けた。


第43話 完             推奨BGM 樹海の糸/Cocco


引用: ( ^ω^)が世界のすべてを見てみたいようです