758: 2006/10/20(金) 17:28:40.40 ID:fVbqOAUx0
短いハルヒ×キョン置いときますね

759: 2006/10/20(金) 17:29:26.35 ID:fVbqOAUx0
いつになく俺とハルヒの距離は近かった。
放課後の部室に差し込む柔らかな秋の日差し。
普段なら眠気を誘うその温もりも、今日だけは少し違った。
黄金色に輝く部室には俺とハルヒしかいない。
雰囲気は最高だと言っていい。
そして俺達は・・・

「ね、ねぇ。こんなんで本当に気持ちいいの・・・?」とハルヒ。
「あぁ、気持ちいいぞ」
涼宮ハルヒの憂鬱/2009年度放送版

760: 2006/10/20(金) 17:30:07.21 ID:fVbqOAUx0
言いながらハルヒは続けた。
言葉とは裏腹に、どこかハルヒは嬉しそうだ。
ハルヒの手が俺に触れている。
ほっそりとしているが、骨ばっているわけではない指。
その指も、手の平も、本当に柔らかく感じられる。
比較対照が妹ぐらいしかいないので良く分からんのだが、
これが女性特有の柔らかさというものなのだろうか。
その考えはハルヒの優しい声でかき消された。

「・・・あんた、ほんとにカチコチねぇここ」
「そ、そうか?」
「そうよ」
「もっとお前の好きにやってくれていいんだぞ」
「他の人になんてした事ないから分かんないのよ!バカ!」
「いで!いでででで!」

ハルヒは思いっきりつねって来やがった。

761: 2006/10/20(金) 17:30:55.62 ID:fVbqOAUx0
「あー痛ぇなこのやろう」
「あんたが口ごたえするからよ」
「へいへい」
「まだして欲しい?まだすっごーく固いまんまだけど!」

そう聞いてくるハルヒの声は楽しそうだった。
俺の肩こりもだいぶマシになっただろうか。
その日、SOS団の中で名誉ある雑用係を任されている俺の肩には
随分疲れがたまっていたのだ。
黄昏る空を二人で見ているとき、冗談半分で提案してみた。
「たまには平団員を労って肩でも揉んでくれよ」と。
もちろん物凄い剣幕で怒られるもんだと思っていた。
だが今日は、あいつにも黄昏が綺麗に映っていたのだろうか。
なんと渋々了承してくれたのだ。
明日は雨かも知れん。女心と秋の空とも言うしな。

その後、俺の肩はへにゃへにゃの腑抜けになるまで揉みほぐされた。
ハルヒはずっと俺の後ろのいたので、その顔を拝む事は出来なかったが、
夕日に母性を浮き彫りにされたあいつの姿はきっと、
世界がひっくり返るほど美しかったに違いない。



おわり

762: 2006/10/20(金) 17:32:22.93 ID:r5iGCAVjO
殺伐としてる時に乙!

引用: ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」