774: 佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 22:54:07.86 ID:zzlz/Jmw0

放課後、俺はその日の授業による疲れを癒すために
SOS団部室までやってきたわけなのだがそこには誰もいなかった。
いつもなら長門か朝比奈さんか古泉がいるはずなのにな。
椅子に座って朝比奈さんが来るのを待とう。あの御方のお茶が飲みたいぜ。

……ん?誰だ?長門か?
誰かに袖を引っ張られている感覚がしたので振り返ってみるが、誰もいない。
はてさてこれは俺の気のせいか、はたまた幽霊のしわざか。
……って俺の気のせいに決まっ―――
「キョンくん!あたし、ここ!」
「へ?」
足元から声がした。
「あのねキョンくん、キョンくん」
「なんですか?」
説明しよう。――――って俺も分からん!!分かる奴はここに来て今すぐ俺に説明しろ!
そもそもなんだこの生物は?人だよな?でも、人にしては明らかにサイズが不適合だぞ?
「だいちゅき~」
とんだ愛の告白もあったもんだ。どうせ何かの罰ゲームだろう。
声からして鶴屋さんのはずなのだが、見た目がおかしい。
誰の仕業なんだ?……ハルヒ、お前か?あいつならこんな馬鹿らしいこと、望みかねんからな。
「キョンくんは?」
「は?」
「へ、ん、じ!」
「返事?」
「あたしの愛の告白……どうにょろ?」
涼宮ハルヒの憂鬱/2009年度放送版

775: 佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 22:54:43.79 ID:zzlz/Jmw0
あぁ、さっきのはマジだったのか……。
正直こんな姿の生物に告白されても嬉しくは無いのだが、
これが鶴屋さんだと思うと心拍数が上がってくる気がする。いや、気のせいじゃないな。
「あの~、鶴屋さん、ですよねぇ」
「違うっ!あたしはちゅるやにょろ!」
「あぁ、そうでしたか。ちゅるやにょろさんですね」
「もしかしてキョンくんわざと言ったにょろ?そうにょろね?!」
やっぱ気のせいだった。

……良かった、鶴屋さんとは違う生物みたいなのだが……
それにしてもにょろにょろうるさい生き物だな。
俺としてはそろそろ長門あたりにこの事件について説明して欲しいのだが。
……長門の登場シーンはまだか?

「すでに来ている」
「うぉ、長門か……って長門?」
なんとそこには猫耳、そして猫の尻尾をつけたちゅるやにょろさんサイズの長門が。
「わたしは長門ではない」
「……じゃあ、何なんだ?」
嫌な予感がする……猫……ナガト……はっ!そうか、謎は全て解けた!
ハルヒ!みんなを応接間に……集めなくていいが……そうなると……
やばい!最初の犠牲者は俺だ!今すぐ回避せねば!
「わたしは、」
「それ以上言わなくていい」

776: 佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 22:55:24.04 ID:zzlz/Jmw0
「なぜ?」
「なんとなく、だ」
「……にゃあ」
どうやら俺はやはり最初の犠牲者と相成ってしまったようだ……なんてこった。
長門に萌えちまったら終わりだと思っていたのに……っ!くやしいっ!(ビクビク)
思わず猫耳の付いているこの頭を撫でてしまう。
このサラサラな髪の毛と柔らかい耳……正直、たまりません。
「あっ……そこは、だめ」
「ここか?」
顎の下を擦ってみるとちっこい長門は変な反応を俺に見せた。
「だめ、と言っている」
「止めないぞ」
「み……みぅ……」
俺が猫耳長門を癒しつつ癒されている間にちゅるやにょろさんが俺の背中に乗ってきていた。
あまり重さを感じさせないから良いものを……。
まぁ、いいか。今はニャガ……じゃなかった、猫耳長門で精一杯だ。
……ん?背中の重みが倍近くになったぞ?
まさか……。

「誰だ」
「はは、僕ですよ、僕」
背中に感じる重みからするとお前もミニマム化してるっぽいな。
……んで、お前の名前はなんなんだ?
まぁ、今までの法則性からいくと大抵の予想は着くがな。

777: 佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 22:56:07.44 ID:zzlz/Jmw0
「おや、もうこの事件の法則性を発見したんですか?早いですね」
「まぁな」
……っていうか降りろ。
「僕は……お察しの通りコイジュミですよ」
「やっぱりか。……ってそんなことはどうでもいい。この事態を説明してくれ」
今の長門は説明役としては不適応だしな。
「もちろん、涼宮さんですよ」
「しかしまぁ、なんでまたアイツもこんなことを望んだんだ?」
「分かりませんがまたあなたの言葉からでは無いですか?」
「お前にしてはえらく投げやりだな」
「そうですか?」
「もしかしてお前……結構楽しんでないか?」
「……はは、どうでしょうか」
いいからお前は降りろ。

どうでもいいがこのゴロニャン長門をどうにかしてくれ。可愛すぎる。
腹を俺に向けて横になっちまった。お腹をさすりゃいいのか?
「おねが……っふにゃぁ!」
……この反応は反則的だっぜ!

「あの~、キョンくん」
そのスウィートエンジェルヴォイスは……朝比奈さんですか?
「なんですか、そのぉ……すうぃーとえんじぇるぼいす、って?」
「あ、いや、気にしなくていいですよ」
「気になりますぅ」

780: 佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 22:57:18.59 ID:zzlz/Jmw0
朝比奈さんも背中に乗っているらしく、(何時の間に俺はみんなの椅子になったんだ?)
俺の後ろ髪を引っ張ってくる。
しかし、残念ながらあのマシュマロの感覚は伝わってこなかった。
なんてこった……これでは俺の想い描く朝比奈さんとしては不適切だ。

「ところで、朝比奈さんの名前は?」
「えぇ~っとぉ、みくりゅ、ですぅ」
朝比奈さんって苗字は変わらないみたいだ。良かった……(?)

さて。
今、俺の周辺の状況をご説明しよう。
まず、ちゅるやにょろさん。
俺の背中で暴れまわっている。いい加減に叩くのは痛いから止めて欲しいものだ。
次に、猫長門。(あえて正式名称で言わないからな)
目の前で腹出して俺に擦ってもらって変な声を出している。ふにゃあ、とか。
そして、コイジュミ。
こいつは俺の隣で寝っ転がっているだけだ。長門みたいに撫でて欲しいのか?
最後に、朝比奈さん。
この御肩はちゅるやにょろさんを止めようとしてくれている。実行に移せていないのがミソだ。

……やばいな。

781: 佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 22:57:59.34 ID:zzlz/Jmw0
この状態を誰かに見られたら終わりだ。
しかし、そんなことを考えていると誰かが来る、
なんてのは物語にとっては必要かつ必然であり、だな?
つまりは。
ドアが開かれ、ハルヒが来た。普通サイズの人間が妙に懐かしいぜ。

「おっくれてごっめー……ぇ?ぇええ?!」
張本人であるお前がそんな態度を取るとは。まぁ無意識的らしいがな。
「はるにゃん!」
「あら、これは……ちゅるやさんじゃないの!」
「はぁ?ちゅるやさん?」
今ハルヒが抱きかかえ上げているその生物はちゅるやにょろさんだと俺は認識していたが。
「あたしが昨日考えたキャラクターよ、SOS団のマスコットになるかと思って!」
「他の奴等もか?」
「そうよ!」
……たまにはお前の気まぐれに颯爽と巻き込まれる俺達の身にもなってくれ。


後は誰かに頼みたい気分だ

784: 佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 23:02:16.08 ID:zzlz/Jmw0
>>781の最後の言葉はキョンの言葉ではなく俺の言葉です

787: 佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 23:03:37.89 ID:0G+l130n0
ん?終わり?

>>781くん>>781くん
スモークチーズはSSにでるのかい?

789: 佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 23:05:10.50 ID:ltxQNVYEO
乙!
この終わり方でも良いんじゃないか?

引用: ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」