159: 2016/05/19(木) 07:04:27.25 ID:M1ulzlLC0
【磯辺典子の場合】
「最近、バレー部の後輩たちが怖いんだよ……!」
「へっ?」
練習後、相談があるんだと典子に引っ張り込まれた空き教室で開口一番そんなことを言われ、みほは目を白黒させた。
「怖いって、どんなとこがですか?」
アヒルさんチームの人間関係に何か問題があるのだろうか? 練習の様子ではそんな風には見えなかったが。
「えっとね……」
典子は何故か顔を赤くして、もじもじと指をこすり合わせた。
「なんか眼が怖いんだ」
「眼が?」
「ギラギラしてるっていうか、私が着替えてる時とか食い入るように見つめてきて……」
ん?
「すぐに頭撫でてきたり、何の脈絡もなくお尻触られたり、あげくの果てに膝に乗せられてぎゅーって抱きしめられたり……スキンシップも過剰になってきてて」
それは……なんというか……
「ねえ、どう思う? やっぱり私が子供っぽいから、軽く見られてるのかな。先輩としての威厳が無いってこと?」
「うーん……威厳の問題とかとは関係ないような……」
どう答えるべきか苦しむみほの様子をどう誤解したのか、にわかに典子が目を潤ませた。
「最近、バレー部の後輩たちが怖いんだよ……!」
「へっ?」
練習後、相談があるんだと典子に引っ張り込まれた空き教室で開口一番そんなことを言われ、みほは目を白黒させた。
「怖いって、どんなとこがですか?」
アヒルさんチームの人間関係に何か問題があるのだろうか? 練習の様子ではそんな風には見えなかったが。
「えっとね……」
典子は何故か顔を赤くして、もじもじと指をこすり合わせた。
「なんか眼が怖いんだ」
「眼が?」
「ギラギラしてるっていうか、私が着替えてる時とか食い入るように見つめてきて……」
ん?
「すぐに頭撫でてきたり、何の脈絡もなくお尻触られたり、あげくの果てに膝に乗せられてぎゅーって抱きしめられたり……スキンシップも過剰になってきてて」
それは……なんというか……
「ねえ、どう思う? やっぱり私が子供っぽいから、軽く見られてるのかな。先輩としての威厳が無いってこと?」
「うーん……威厳の問題とかとは関係ないような……」
どう答えるべきか苦しむみほの様子をどう誤解したのか、にわかに典子が目を潤ませた。
160: 2016/05/19(木) 07:06:15.70 ID:M1ulzlLC0
「やっぱり、西住さんもそう思ってるんだね……!
「いや、あのっ違っ」
「どうせ私、背は低いしスタイルも男の子みたいだし……何でも根性論で片付けようとするし……だから西住さんも子供っぽいって思ってるんだ……!」
「えっとその」
「可愛くなくて女子力足りないって、ちんちくりんだって思ってるんだ……!」
「お、落ち着いて! そうじゃなくて」
正直言って意外だった。いつも元気いっぱいで、あんまりそんなこと気にしそうなタイプだと思ってたから。
いつも元気な彼女がしょぼんと俯くのを見ていられず、みほは彼女の両肩に手を置く。
「そんなことないよ。磯辺さん、どんな時も一生懸命で頑張り屋で、すごいと思ってるしいつも頼りにしてる」
「本当に……?」
もちろんです。
装甲も火力も、お世辞にも強いとはいえない、むしろその真逆のスペックなのに。アヒルさんチームは、あなたがいたから強くなれたんです。どんな時も元気で、諦めないあなたがいたから。
そう力強く答えようとしたみほだったが。
「そっか……西住さん、私を頼りにしてくれてたんだ」
えへへ。うれしい。
そうはにかんだような笑顔で見上げられたとたん、口を突いて出たのはまったく違う言葉だった。
「可愛い……」
「へっ?」
「いや、あのっ違っ」
「どうせ私、背は低いしスタイルも男の子みたいだし……何でも根性論で片付けようとするし……だから西住さんも子供っぽいって思ってるんだ……!」
「えっとその」
「可愛くなくて女子力足りないって、ちんちくりんだって思ってるんだ……!」
「お、落ち着いて! そうじゃなくて」
正直言って意外だった。いつも元気いっぱいで、あんまりそんなこと気にしそうなタイプだと思ってたから。
いつも元気な彼女がしょぼんと俯くのを見ていられず、みほは彼女の両肩に手を置く。
「そんなことないよ。磯辺さん、どんな時も一生懸命で頑張り屋で、すごいと思ってるしいつも頼りにしてる」
「本当に……?」
もちろんです。
装甲も火力も、お世辞にも強いとはいえない、むしろその真逆のスペックなのに。アヒルさんチームは、あなたがいたから強くなれたんです。どんな時も元気で、諦めないあなたがいたから。
そう力強く答えようとしたみほだったが。
「そっか……西住さん、私を頼りにしてくれてたんだ」
えへへ。うれしい。
そうはにかんだような笑顔で見上げられたとたん、口を突いて出たのはまったく違う言葉だった。
「可愛い……」
「へっ?」
161: 2016/05/19(木) 07:08:03.73 ID:M1ulzlLC0
「可愛いよ、磯辺さん……ううん、典子ちゃんは!」
「のりこちゃん!?」
今なら1年生の子たちの気持ちがわかる。すごくわかります!
ふらふらと突き動かされるように一歩進み、ぐいっと引き寄せる。
「ひゃあっ! ににに西住さん、何を!?」
ちょっと怯えたような表情もいつもとギャップがあって、また可愛い。
思いあまったみほがその小さな体をぎゅーっと抱きしめようとしたとき、
「「待ったーっっ!」」
どどどっ、と教室の扉から三人のバレー部ユニフォーム姿の少女たちがなだれ込んで来た。
「近藤に佐々木に河西!?」
ぎょっとする典子の前に現れたのは、当然バレー部の1年生たちである。
「ついに知ってしまいましたね……西住隊長」
「キャプテンの、知られざる魅力を……!」
「いつもボーイッシュなキャプテンが、ふとした瞬間に魅せる乙女な素顔!それを知ってしまったらもう、手を出さずにはいられないっ!」
「のりこちゃん!?」
今なら1年生の子たちの気持ちがわかる。すごくわかります!
ふらふらと突き動かされるように一歩進み、ぐいっと引き寄せる。
「ひゃあっ! ににに西住さん、何を!?」
ちょっと怯えたような表情もいつもとギャップがあって、また可愛い。
思いあまったみほがその小さな体をぎゅーっと抱きしめようとしたとき、
「「待ったーっっ!」」
どどどっ、と教室の扉から三人のバレー部ユニフォーム姿の少女たちがなだれ込んで来た。
「近藤に佐々木に河西!?」
ぎょっとする典子の前に現れたのは、当然バレー部の1年生たちである。
「ついに知ってしまいましたね……西住隊長」
「キャプテンの、知られざる魅力を……!」
「いつもボーイッシュなキャプテンが、ふとした瞬間に魅せる乙女な素顔!それを知ってしまったらもう、手を出さずにはいられないっ!」
162: 2016/05/19(木) 07:13:27.94 ID:M1ulzlLC0
「あああのおまえたち何を言って」
「わかりますっ! 典子ちゃんはかわいいです! なんで今まで気づかなかったんだろう……」
「に、西住さんまでっ!?」
両こぶしを握りこんで目を輝かせるみほに愕然とする典子。
同じ学年とは思えないぐらいどんなピンチでも落ち着いていて、それこそ頼りになる彼女。それなのに仲間にはいつもとっても優しくて。だからこそ今日も相談するなら西住さんしかいないと思ったのに……
何だ、この手のひら返し!?
「キャプテンの魅力を共有できるのはいいですけど、抜け駆けはなしですよ隊長」
「一緒にキャプテンを愛でましょう!」
「とりあえず、みんなで一緒にぎゅーっとしたりあれやこれやしましょう♡」
「了解です!」
一斉に両手をわきわきさせながら迫ってくる4人。
「ひっ……あわわ……ま、待ってみんな、そんなに同時なんて、いくら私でもレシーブしきれな」
「「「根性で受け止めてください、キャプテン(典子ちゃん)!!」」
「い、い、いやぁぁぁーっ!?」
そんなことを言っても、根性論にも限界はある。
この後怒涛のアタック連打を決められ、4セット連取される磯辺典子であった。
「わかりますっ! 典子ちゃんはかわいいです! なんで今まで気づかなかったんだろう……」
「に、西住さんまでっ!?」
両こぶしを握りこんで目を輝かせるみほに愕然とする典子。
同じ学年とは思えないぐらいどんなピンチでも落ち着いていて、それこそ頼りになる彼女。それなのに仲間にはいつもとっても優しくて。だからこそ今日も相談するなら西住さんしかいないと思ったのに……
何だ、この手のひら返し!?
「キャプテンの魅力を共有できるのはいいですけど、抜け駆けはなしですよ隊長」
「一緒にキャプテンを愛でましょう!」
「とりあえず、みんなで一緒にぎゅーっとしたりあれやこれやしましょう♡」
「了解です!」
一斉に両手をわきわきさせながら迫ってくる4人。
「ひっ……あわわ……ま、待ってみんな、そんなに同時なんて、いくら私でもレシーブしきれな」
「「「根性で受け止めてください、キャプテン(典子ちゃん)!!」」
「い、い、いやぁぁぁーっ!?」
そんなことを言っても、根性論にも限界はある。
この後怒涛のアタック連打を決められ、4セット連取される磯辺典子であった。
164: 2016/05/19(木) 18:16:29.56 ID:X2UBAUhWO
乙です
キャプテン可愛い
キャプテン可愛い



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