9: 2015/03/25(水) 23:55:44.62 ID:MnzuluBs0
こまる 「まさか、こうしてまたアイドルのさやかちゃんと一緒に遊べるなんて! お兄ちゃんに感謝だよー!」
舞園 「ふふっ、私もこうして、こまるちゃんと遊びに行けるの、とても嬉しいですよ」
私の目の前にいるのは、国民的に支持を得ているアイドルグループでセンターを務める舞園 さやかちゃん。何で私のような平凡も平凡な女の子が、雲の上の存在である、さやかちゃんと遊べているのかというと、さっきの私の言葉通り、さやかちゃんと同じ学校に通うお兄ちゃんのおかげなのである。
さやかちゃんはスゴい才能を集めた学校《希望ヶ峰学園》に、《超高校級のアイドル》として通っている。一方、私のお兄ちゃんは一般人が選ばれる《超高校級の幸運》に当選して通っている。何の才能のない月並みなお兄ちゃんが通えるのはそのため。でも、これが私ともさやかちゃんと繋がる縁の始まり。
実をいうと、お兄ちゃん自体は中学の頃もクラスは違うけど、さやかちゃんと同じ学校に通ってはいたんだよね。
《希望ヶ峰学園》では、お兄ちゃんとさやかちゃんは同じクラスになって、私がさやかちゃん大好きなサヤカーだって話をしたら、さやかちゃんの方から会いたいって言ってくれたらしい! それがきっかけで、さやかちゃんと私は半年前にお兄ちゃんを交えて初対面した。
それから、個人的に2、3度一緒に遊んでいる。私から誘うのは迷惑だと思って誘ったことはない。つまりは、全部さやかちゃんからのお誘い! 夢のような話だけど、現実! 何度か遊んではいるけれど、アイドルのさやかちゃんからのお誘いメールを最初は現実味を感じることができずに、何度か疑ってからお返事を出す…というのが私の恒例になっている。それくらいスゴい存在なんだよ!
こまる 「でも、結構頻繁に遊んでる気がするんだけど…大丈夫なの?」
売れっ子のアイドルさやかちゃんのオフに、一般人だし、ましてや級友でもない私が半年の間に2、3度一緒に遊んでるって、結構スゴくない? 私何かと一緒に過ごしてくれるのは嬉しい。でも、他にやりたいこととかあるんじゃないかと心配になる。
舞園 「私がこまるちゃんと遊びたくて誘ってるんですよ? 問題ありませんっ」
にこりと私に微笑んでくれる。とっっっっても眩しい笑顔で! さやかちゃん可愛いよ!! 堪んないよ!!!
こまる 「さやかちゃん優しいなぁ! ますます好きになっちゃう!」
舞園 「私もこまるちゃん大好きですよ!」
今私がこうしてさやかちゃんを独占している時間…幸せだなあ……!
こまる 「えっと…さやかちゃん。お願いが…ある、ん、だけど……」
舞園 「なんですか?」
こまる 「腕組みして歩きたいなぁ……なんて」
すっごく贅沢で図々しいお願いなのは解ってる。でも! でも! さやかちゃんとの時間をもっとエンジョイしたい! 断られてもいい。こうして同じ空間で同じ空気を吸っている今でこそ、贅沢中の贅沢なんだし。
舞園 「うふふっ。もちろん、喜んで!」
さやかちゃんの腕が私の腕にするりと絡んで、肩と肩が触れ合った。ふわっといい香りがするし、女の子同士だけど、ドキドキしちゃう。
舞園 「こまるちゃん、ドキドキしてますね?」
こまる 「な、なんで解るの?!」
舞園 「私、エスパーなんです!」
こまる 「えええっ?!」
舞園 「ふふ、慌てるこまるちゃん可愛いです! 冗談ですよ、冗談っ」
慌てる私に、さやかちゃんは悪戯っぽく舌を出しながらそんなことを言う。ズルいよね! 可愛い子って何しても可愛い! これはもう世の男の子、果ては私みたいな女の子だってメロメロになるはずですよ!
こまる 「でも、さやかちゃんって鋭いよねぇ」
舞園 「そうですか?」
こまる 「隠しごとあってもバレちゃいそう」
舞園 「そうかも…知れませんね?」
さやかちゃんは意味あり気に目を細めて、私の目をまっすぐに見つめてきた。その視線に心臓はドクンと大きく跳ねて、ドクドクと胸を叩きはじめる。
こまる 「え? 私が何か隠しごとしてるとか解っちゃうの?」
今は大した隠しごとなんて…多分ないはずだけど。
舞園 「こまるちゃん自身も解っていないこと…今はほとんど私の一通になってるってことでしょうか」
こまる 「? どういうこと……?」
舞園 「ふふふっ」
舞園 「それはまた今度にして、どこに行きたいですか?」
こまる 「ええっ?! き、気になるよー!!」
頭にハテナで埋まる私の質問を、さやかちゃんはのらりくらりと躱して、目的の場所を目指した。
舞園 「ふふっ、私もこうして、こまるちゃんと遊びに行けるの、とても嬉しいですよ」
私の目の前にいるのは、国民的に支持を得ているアイドルグループでセンターを務める舞園 さやかちゃん。何で私のような平凡も平凡な女の子が、雲の上の存在である、さやかちゃんと遊べているのかというと、さっきの私の言葉通り、さやかちゃんと同じ学校に通うお兄ちゃんのおかげなのである。
さやかちゃんはスゴい才能を集めた学校《希望ヶ峰学園》に、《超高校級のアイドル》として通っている。一方、私のお兄ちゃんは一般人が選ばれる《超高校級の幸運》に当選して通っている。何の才能のない月並みなお兄ちゃんが通えるのはそのため。でも、これが私ともさやかちゃんと繋がる縁の始まり。
実をいうと、お兄ちゃん自体は中学の頃もクラスは違うけど、さやかちゃんと同じ学校に通ってはいたんだよね。
《希望ヶ峰学園》では、お兄ちゃんとさやかちゃんは同じクラスになって、私がさやかちゃん大好きなサヤカーだって話をしたら、さやかちゃんの方から会いたいって言ってくれたらしい! それがきっかけで、さやかちゃんと私は半年前にお兄ちゃんを交えて初対面した。
それから、個人的に2、3度一緒に遊んでいる。私から誘うのは迷惑だと思って誘ったことはない。つまりは、全部さやかちゃんからのお誘い! 夢のような話だけど、現実! 何度か遊んではいるけれど、アイドルのさやかちゃんからのお誘いメールを最初は現実味を感じることができずに、何度か疑ってからお返事を出す…というのが私の恒例になっている。それくらいスゴい存在なんだよ!
こまる 「でも、結構頻繁に遊んでる気がするんだけど…大丈夫なの?」
売れっ子のアイドルさやかちゃんのオフに、一般人だし、ましてや級友でもない私が半年の間に2、3度一緒に遊んでるって、結構スゴくない? 私何かと一緒に過ごしてくれるのは嬉しい。でも、他にやりたいこととかあるんじゃないかと心配になる。
舞園 「私がこまるちゃんと遊びたくて誘ってるんですよ? 問題ありませんっ」
にこりと私に微笑んでくれる。とっっっっても眩しい笑顔で! さやかちゃん可愛いよ!! 堪んないよ!!!
こまる 「さやかちゃん優しいなぁ! ますます好きになっちゃう!」
舞園 「私もこまるちゃん大好きですよ!」
今私がこうしてさやかちゃんを独占している時間…幸せだなあ……!
こまる 「えっと…さやかちゃん。お願いが…ある、ん、だけど……」
舞園 「なんですか?」
こまる 「腕組みして歩きたいなぁ……なんて」
すっごく贅沢で図々しいお願いなのは解ってる。でも! でも! さやかちゃんとの時間をもっとエンジョイしたい! 断られてもいい。こうして同じ空間で同じ空気を吸っている今でこそ、贅沢中の贅沢なんだし。
舞園 「うふふっ。もちろん、喜んで!」
さやかちゃんの腕が私の腕にするりと絡んで、肩と肩が触れ合った。ふわっといい香りがするし、女の子同士だけど、ドキドキしちゃう。
舞園 「こまるちゃん、ドキドキしてますね?」
こまる 「な、なんで解るの?!」
舞園 「私、エスパーなんです!」
こまる 「えええっ?!」
舞園 「ふふ、慌てるこまるちゃん可愛いです! 冗談ですよ、冗談っ」
慌てる私に、さやかちゃんは悪戯っぽく舌を出しながらそんなことを言う。ズルいよね! 可愛い子って何しても可愛い! これはもう世の男の子、果ては私みたいな女の子だってメロメロになるはずですよ!
こまる 「でも、さやかちゃんって鋭いよねぇ」
舞園 「そうですか?」
こまる 「隠しごとあってもバレちゃいそう」
舞園 「そうかも…知れませんね?」
さやかちゃんは意味あり気に目を細めて、私の目をまっすぐに見つめてきた。その視線に心臓はドクンと大きく跳ねて、ドクドクと胸を叩きはじめる。
こまる 「え? 私が何か隠しごとしてるとか解っちゃうの?」
今は大した隠しごとなんて…多分ないはずだけど。
舞園 「こまるちゃん自身も解っていないこと…今はほとんど私の一通になってるってことでしょうか」
こまる 「? どういうこと……?」
舞園 「ふふふっ」
舞園 「それはまた今度にして、どこに行きたいですか?」
こまる 「ええっ?! き、気になるよー!!」
頭にハテナで埋まる私の質問を、さやかちゃんはのらりくらりと躱して、目的の場所を目指した。
10: 2015/03/25(水) 23:59:19.27 ID:MnzuluBs0
舞園 「文化祭で開く喫茶店でステージ…ですか」
こまる 「そうなんだよぉ……でね? 私がキーボードやらなくちゃならなくて……したことないのに」
コンセプトが、ガールズバンドとアイドルの融合!だとかで、勝手に選ばれた私達演奏組と、踊る子達とで、お客さんの前で演奏と踊りを披露しなくちゃいけなくなってしまった。ピアノなんてやったことないのに、無茶振りだよ。
舞園 「それで楽器屋さんなんですね」
こまる 「曲はね、舞園ちゃんのグループの曲なんだ!」
舞園 「それは嬉しいですね!」
こまる 「それで楽譜が欲しいんだけど、舞園ちゃんのグループの楽譜って沢山あるから、どれ選べばいいか解らなくて」
せっかくこうして本人がいるんだし、素人の私が選ぶよりプロの目で確かめてもらった方がいいよね。
舞園 「そうですね……」
さやかちゃんは何冊か楽譜を取ってペラペラと目を通して、一冊を私に手渡す。
舞園 「これが一番いいと思います。簡単だけど、いいアレンジがされていますよ」
こまる 「わあ! ありがとう!!」
さやかちゃん本人に選んでもらっちゃった! 練習するのが楽しみになってきた!!
舞園 「一度、私が弾いてみましょうか?」
こまる 「え! 本当?! わあ! 聴きたい!!」
さやかちゃんによる演奏まで聴けるなんて、幸せ過ぎて罰があたりそう…っ!
舞園 「じゃあ、楽譜いいですか?」
私から楽譜を受け取ると、さやかちゃんは一台の電子ピアノに楽譜を置いて、鍵盤に両手を添える。その指が鍵盤を押さえて沈むと、さやかちゃん達の曲が流れだす。
こまる 「おおーっ」
ピアノを弾くさやかちゃん、楽しそう。何だか私も楽しくなってきた! 音に合わせて体が動いちゃう!
舞園 「こんな感じです。どうですか? これでいいですか?」
こまる 「うんうん! すっごく楽しいアレンジ! それに、さやかちゃんが選んでくれた楽譜だもんね!」
こまる 「これ、払ってくる!」
舞園 「はい」
さやかちゃんに選んでもらった楽譜、これはもう私の宝物だよ! 何だか使うのもったいないなぁ。
でも、やらなきゃ選んでくれたさやかちゃんかに申し訳が立たないもんね。やるよ! 私はやる時はやる子なんだから!
―――――――――
放課後の教室。私とミニステージをするメンバーで鋭意練習中です。自分でいうのも何だけど、上手くなってきてる! 私天才かも!!
「こまるー、あんた最近ますますサヤカー度が上がってるよね」
「それだけじゃないよ。あんだけ“弾けるワケないよぉ”って泣き言いってたのに、突然“練習がんばる!!”って、言い出すんだもんね」
こまる 「いやぁ、さやかちゃんへの愛が私を動かしているんですよ!!」
「ま、おかげで間に合いそうだし、いいんだけどさ」
「上達早いよね。サヤカーの力恐るべし」
こまる 「まだちょいちょい失敗はしちゃうけど、曲を弾ききるまでになったもんね! この調子で失敗を減らして完璧に仕上げるぞー!!」
「うんうん。がんばれがんれ」
「いや、でもあたしらも負けてらんないね。こまるのがうまいなんて焦るわ」
「ね、許せない! 生意気だ!」
こまる 「な、何それ?! ヒドい!!」
ね? がんばれば結構やる子なんです、私! 好きな曲を自分で弾けるようになるのって楽しい!
こまる (当日にさやかちゃんはお仕事があるみたいだから、お披露目できないのは残念だけど…)
こまる (でもでも、さやかちゃんに私の想いを届けるつもりでやりきるんだ!!)
こまる 「んじゃ、もう一回!」
私は改めて気合いをいれて、練習を再開した。
サヤカーの力、見せてやるんだから!
こまる 「そうなんだよぉ……でね? 私がキーボードやらなくちゃならなくて……したことないのに」
コンセプトが、ガールズバンドとアイドルの融合!だとかで、勝手に選ばれた私達演奏組と、踊る子達とで、お客さんの前で演奏と踊りを披露しなくちゃいけなくなってしまった。ピアノなんてやったことないのに、無茶振りだよ。
舞園 「それで楽器屋さんなんですね」
こまる 「曲はね、舞園ちゃんのグループの曲なんだ!」
舞園 「それは嬉しいですね!」
こまる 「それで楽譜が欲しいんだけど、舞園ちゃんのグループの楽譜って沢山あるから、どれ選べばいいか解らなくて」
せっかくこうして本人がいるんだし、素人の私が選ぶよりプロの目で確かめてもらった方がいいよね。
舞園 「そうですね……」
さやかちゃんは何冊か楽譜を取ってペラペラと目を通して、一冊を私に手渡す。
舞園 「これが一番いいと思います。簡単だけど、いいアレンジがされていますよ」
こまる 「わあ! ありがとう!!」
さやかちゃん本人に選んでもらっちゃった! 練習するのが楽しみになってきた!!
舞園 「一度、私が弾いてみましょうか?」
こまる 「え! 本当?! わあ! 聴きたい!!」
さやかちゃんによる演奏まで聴けるなんて、幸せ過ぎて罰があたりそう…っ!
舞園 「じゃあ、楽譜いいですか?」
私から楽譜を受け取ると、さやかちゃんは一台の電子ピアノに楽譜を置いて、鍵盤に両手を添える。その指が鍵盤を押さえて沈むと、さやかちゃん達の曲が流れだす。
こまる 「おおーっ」
ピアノを弾くさやかちゃん、楽しそう。何だか私も楽しくなってきた! 音に合わせて体が動いちゃう!
舞園 「こんな感じです。どうですか? これでいいですか?」
こまる 「うんうん! すっごく楽しいアレンジ! それに、さやかちゃんが選んでくれた楽譜だもんね!」
こまる 「これ、払ってくる!」
舞園 「はい」
さやかちゃんに選んでもらった楽譜、これはもう私の宝物だよ! 何だか使うのもったいないなぁ。
でも、やらなきゃ選んでくれたさやかちゃんかに申し訳が立たないもんね。やるよ! 私はやる時はやる子なんだから!
―――――――――
放課後の教室。私とミニステージをするメンバーで鋭意練習中です。自分でいうのも何だけど、上手くなってきてる! 私天才かも!!
「こまるー、あんた最近ますますサヤカー度が上がってるよね」
「それだけじゃないよ。あんだけ“弾けるワケないよぉ”って泣き言いってたのに、突然“練習がんばる!!”って、言い出すんだもんね」
こまる 「いやぁ、さやかちゃんへの愛が私を動かしているんですよ!!」
「ま、おかげで間に合いそうだし、いいんだけどさ」
「上達早いよね。サヤカーの力恐るべし」
こまる 「まだちょいちょい失敗はしちゃうけど、曲を弾ききるまでになったもんね! この調子で失敗を減らして完璧に仕上げるぞー!!」
「うんうん。がんばれがんれ」
「いや、でもあたしらも負けてらんないね。こまるのがうまいなんて焦るわ」
「ね、許せない! 生意気だ!」
こまる 「な、何それ?! ヒドい!!」
ね? がんばれば結構やる子なんです、私! 好きな曲を自分で弾けるようになるのって楽しい!
こまる (当日にさやかちゃんはお仕事があるみたいだから、お披露目できないのは残念だけど…)
こまる (でもでも、さやかちゃんに私の想いを届けるつもりでやりきるんだ!!)
こまる 「んじゃ、もう一回!」
私は改めて気合いをいれて、練習を再開した。
サヤカーの力、見せてやるんだから!
11: 2015/03/26(木) 03:33:48.72 ID:80mRx/ko0
こまる 「あ! さやかちゃんからメールだ!」
舞園『こんばんは! あれから練習はどうですか?』
こまる 「気にかけてくれてる! えへへー、嬉しいなーっ」
さやかちゃんからのメールに、逐一テンションが上がって舞い上がっちゃう私ってば気持ち悪い。でも仕方ないよね! さやかちゃん大好きなんだもん!
こまる 「まだちょいちょい失敗は…しちゃうけど…大丈夫だよー…っと」
送信して数十秒後、直ぐにさやかちゃんから返事がきた。
舞園『今度のお休みは空いてますか?』
こまる 「これは! 遊びのお誘い?!」
こまる 「もちろん! どこに行きたい?」
舞園『ステージを観にいけないかわりに、前に行った楽器屋さんで、こまるちゃんの演奏が聴きたいです!』
お、おお…な、なるほど! 次の休みまで後2日…これは何が何でも仕上げなければ…!!
こまる 「じゃあ…時間と待ち合わせは…前と同じで大丈夫?」
舞園『わかりました! こまるちゃんの演奏、楽しみです!』
こまる 「まさかこんな形で、さやかちゃんにお披露目することになっちゃうなんて……!」
本人の前で不甲斐ない、がっかりさせる演奏はできない!! ますますがんばらないとね……うう…プレッシャーが…緊張してきた。
―――――――――
こまる 「さやかちゃんに会えて嬉しいけど、今日は緊張のが大きいよー」
待ち合わせた場所から、今回もさやかちゃんと腕を組んであの時の楽器屋さんに向かっていた。再会した喜びより、緊張によるドキドキの方が勝っちゃってて、ちょっと損した気分かも。
舞園 「うふふっ、私はとっても楽しみです! こまるちゃんの努力の結果が観られるんですから」
ああ、今の私にそんな神々しい笑顔を向けないで!
こまる 「ううっ……さ、さやかちゃんをがっかりさせないように精一杯演奏します!!」
舞園 「気負わなくってもいいんですよ。まずは楽しむことが第一です」
優しい声色でさやかちゃんはそう言って、私の指に、自分の指を絡ませた。なんだか恋人がするみたいな手の繋ぎ方に、今度は別のドキドキが胸を打つ。
顔が熱くなってきた。
舞園 「そうすれば、失敗なんて二の次になっちゃいますから」
間近にまで、さやかちゃんの顔が近づいて、こつんとおでことおでこがぶつかった。
こまる 「~~~~っ!」
舞園 「こまるちゃんらしく、元気に演奏してください」
舞園『こんばんは! あれから練習はどうですか?』
こまる 「気にかけてくれてる! えへへー、嬉しいなーっ」
さやかちゃんからのメールに、逐一テンションが上がって舞い上がっちゃう私ってば気持ち悪い。でも仕方ないよね! さやかちゃん大好きなんだもん!
こまる 「まだちょいちょい失敗は…しちゃうけど…大丈夫だよー…っと」
送信して数十秒後、直ぐにさやかちゃんから返事がきた。
舞園『今度のお休みは空いてますか?』
こまる 「これは! 遊びのお誘い?!」
こまる 「もちろん! どこに行きたい?」
舞園『ステージを観にいけないかわりに、前に行った楽器屋さんで、こまるちゃんの演奏が聴きたいです!』
お、おお…な、なるほど! 次の休みまで後2日…これは何が何でも仕上げなければ…!!
こまる 「じゃあ…時間と待ち合わせは…前と同じで大丈夫?」
舞園『わかりました! こまるちゃんの演奏、楽しみです!』
こまる 「まさかこんな形で、さやかちゃんにお披露目することになっちゃうなんて……!」
本人の前で不甲斐ない、がっかりさせる演奏はできない!! ますますがんばらないとね……うう…プレッシャーが…緊張してきた。
―――――――――
こまる 「さやかちゃんに会えて嬉しいけど、今日は緊張のが大きいよー」
待ち合わせた場所から、今回もさやかちゃんと腕を組んであの時の楽器屋さんに向かっていた。再会した喜びより、緊張によるドキドキの方が勝っちゃってて、ちょっと損した気分かも。
舞園 「うふふっ、私はとっても楽しみです! こまるちゃんの努力の結果が観られるんですから」
ああ、今の私にそんな神々しい笑顔を向けないで!
こまる 「ううっ……さ、さやかちゃんをがっかりさせないように精一杯演奏します!!」
舞園 「気負わなくってもいいんですよ。まずは楽しむことが第一です」
優しい声色でさやかちゃんはそう言って、私の指に、自分の指を絡ませた。なんだか恋人がするみたいな手の繋ぎ方に、今度は別のドキドキが胸を打つ。
顔が熱くなってきた。
舞園 「そうすれば、失敗なんて二の次になっちゃいますから」
間近にまで、さやかちゃんの顔が近づいて、こつんとおでことおでこがぶつかった。
こまる 「~~~~っ!」
舞園 「こまるちゃんらしく、元気に演奏してください」
12: 2015/03/26(木) 03:34:55.70 ID:80mRx/ko0
私は今、電子ピアノの前に立っている。いよいよ……さやかちゃんの前で私の練習の成果をみせる時が…来てしまった。
ちらりと横目でさやかちゃんを見ると、柔らかい笑顔で私が演奏するのを待っている。一度深呼吸して、心臓を落ちつける。
こまる 「よし!」
自分で自分への掛け声と一緒に、鍵盤を叩く。イントロが明けると、横にいたさやかちゃんが私の目の前に移動して、歌と振り付けを始めた。
こまる (さやかちゃんの生歌! ダンスまで!)
あまりの嬉しさに興奮で心が踊りだす。私とさやかちゃんによる特別なステージ。これは本番ではないけど、きっと本番より今の方が気合いが入っちゃって、本番ではできない演奏なんじゃないかと思うくらい、ミスもなく全力で弾き切った。達成感と高揚感に満たされる。
舞園 「スゴいです! ばっちり弾けるようになってるじゃないですか!!」
舞園 「これなら本番でも問題ないですね!!」
踊った後で息を弾ませながらも、さやかちゃんが私に賛辞をくれる。
こまる 「ありがとう! さやかちゃんはすっごく輝いてた! 素敵だった!! 元気にもらえたからやりきれたんだよっ!!」
舞園 「それはこまるちゃんの力です。私の力じゃありません」
そんなことないって…絶対。
こまる 「私、さやかちゃんには不思議な力があると思うんだ」
こまる 「元気にしてくれたり、安心させてくれたり……ドキドキしちゃったりして」
こまる 「さやかちゃん見てると…側にいると、スゴく楽しい。忙しい中こんなに時間をくれて、ありがとう」
言葉足らずで伝えきれてないけれど、ありったけの感謝と想いを込めたつもり。
舞園 「私こそ、ありがとうございます」
こまる 「え?」
舞園 「私が目指したアイドルは、誰かを元気にするアイドルなんです」
舞園 「私が欲しい大切な言葉をくれたから、こまるちゃんに感謝です」
またそんな優しい笑顔でそんなこと言われたら……。
こまる 「本当にズルいよぉ」
顔に地が巡ってるのが解る。きっとゆでダコみたいになっちゃってるんだろうなぁ…恥ずかしい!!
舞園 「耳まで真っ赤ですよ? 可愛いです、こまるちゃん」
くすくすと笑うさやかちゃん。意地悪だなぁ。でも可愛い! 許しちゃう!
舞園 「私の一通じゃ、なくなりましたね」
こまる 「え?」
舞園 「もう、解ってるんじゃないですか? 自分の気持ちと」
舞園 「私の気持ち」
さやかちゃんの大きな瞳が、私を真っ直ぐにみつめてくる。
鼓動が一際大きく高鳴る。それは確かに、私にさやかちゃんへの気持ちを理解させた。
そっか…私のさやかちゃんへの気持ちって、ただのファンとしての気持ちだけじゃなかったんだ――
舞園 「本番が成功するおまじないをしてあげます」
さやかちゃんは人差し指を自分の唇に充てて、その指を、私の唇に充てる。これが、アイドルのさやかちゃんにとっての今できる精一杯の私への告白なんだろうなと感じた。
愛おしくて、抱き締めたくて堪らなくなる。
舞園 「これで成功間違いなしです!」
子どもみたいにはしゃぎながら、さやかちゃんは笑った。
こまる 「これで本番がんばれる!!」
舞園 「その粋です! こまるちゃん!」
お互いに言い合えない言葉があるのは切ないけれど、言えなくてもお互いに解り合えているんだったら、それは逆に強い絆であるように思えるから――私はいちファンとして、アイドルさやかちゃんを支えていこうと思う。
ちらりと横目でさやかちゃんを見ると、柔らかい笑顔で私が演奏するのを待っている。一度深呼吸して、心臓を落ちつける。
こまる 「よし!」
自分で自分への掛け声と一緒に、鍵盤を叩く。イントロが明けると、横にいたさやかちゃんが私の目の前に移動して、歌と振り付けを始めた。
こまる (さやかちゃんの生歌! ダンスまで!)
あまりの嬉しさに興奮で心が踊りだす。私とさやかちゃんによる特別なステージ。これは本番ではないけど、きっと本番より今の方が気合いが入っちゃって、本番ではできない演奏なんじゃないかと思うくらい、ミスもなく全力で弾き切った。達成感と高揚感に満たされる。
舞園 「スゴいです! ばっちり弾けるようになってるじゃないですか!!」
舞園 「これなら本番でも問題ないですね!!」
踊った後で息を弾ませながらも、さやかちゃんが私に賛辞をくれる。
こまる 「ありがとう! さやかちゃんはすっごく輝いてた! 素敵だった!! 元気にもらえたからやりきれたんだよっ!!」
舞園 「それはこまるちゃんの力です。私の力じゃありません」
そんなことないって…絶対。
こまる 「私、さやかちゃんには不思議な力があると思うんだ」
こまる 「元気にしてくれたり、安心させてくれたり……ドキドキしちゃったりして」
こまる 「さやかちゃん見てると…側にいると、スゴく楽しい。忙しい中こんなに時間をくれて、ありがとう」
言葉足らずで伝えきれてないけれど、ありったけの感謝と想いを込めたつもり。
舞園 「私こそ、ありがとうございます」
こまる 「え?」
舞園 「私が目指したアイドルは、誰かを元気にするアイドルなんです」
舞園 「私が欲しい大切な言葉をくれたから、こまるちゃんに感謝です」
またそんな優しい笑顔でそんなこと言われたら……。
こまる 「本当にズルいよぉ」
顔に地が巡ってるのが解る。きっとゆでダコみたいになっちゃってるんだろうなぁ…恥ずかしい!!
舞園 「耳まで真っ赤ですよ? 可愛いです、こまるちゃん」
くすくすと笑うさやかちゃん。意地悪だなぁ。でも可愛い! 許しちゃう!
舞園 「私の一通じゃ、なくなりましたね」
こまる 「え?」
舞園 「もう、解ってるんじゃないですか? 自分の気持ちと」
舞園 「私の気持ち」
さやかちゃんの大きな瞳が、私を真っ直ぐにみつめてくる。
鼓動が一際大きく高鳴る。それは確かに、私にさやかちゃんへの気持ちを理解させた。
そっか…私のさやかちゃんへの気持ちって、ただのファンとしての気持ちだけじゃなかったんだ――
舞園 「本番が成功するおまじないをしてあげます」
さやかちゃんは人差し指を自分の唇に充てて、その指を、私の唇に充てる。これが、アイドルのさやかちゃんにとっての今できる精一杯の私への告白なんだろうなと感じた。
愛おしくて、抱き締めたくて堪らなくなる。
舞園 「これで成功間違いなしです!」
子どもみたいにはしゃぎながら、さやかちゃんは笑った。
こまる 「これで本番がんばれる!!」
舞園 「その粋です! こまるちゃん!」
お互いに言い合えない言葉があるのは切ないけれど、言えなくてもお互いに解り合えているんだったら、それは逆に強い絆であるように思えるから――私はいちファンとして、アイドルさやかちゃんを支えていこうと思う。



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