402: 2006/05/12(金) 22:08:41.31 ID:5wxMOfu9O


前回:( ^ω^)ブーンが未開の惑星に不時着したようです7
最初から:( ^ω^)ブーンが未開の惑星に不時着したようです

「森から敵が現れました。兵力は………おおよそ10000程です」
(=゚ω゚)ノ「たった10000かよぅ。僕の部隊の守りを甘く見るなよぅ」
 
いよぅは全隊に指示を送る。
 
(=゚ω゚)ノ「砦を囲むように展開、いつも通り鉄壁の守りを見せてやれよぅ!」

403: 2006/05/12(金) 22:09:59.91 ID:5wxMOfu9O
──連合サイド
(*`ω` *)「目一杯派手に暴れるぽっぽ!」
(><)「皆さん、行きますよ! 矢の準備です!」
(*`ω` *)「放てっぽ!」
 
二人の指示で矢が放たれる。
だが…
 
(=゚ω゚)ノ「矢なんか撃っても無駄だよぅ」
 
突撃防衛師団の装備は巨大な縦長の盾と、非常に長い槍で統一されていた。
矢は全て盾に防がれる。
 
(><)「矢は効きませんね…白兵戦です!」
 
ビロードが突撃の指示を出した時、アレが飛来した。
闘技場で凄まじい威力を垣間見た物体。
突撃してしまった不運な前衛は吹き飛ばされ、爆炎に飲み込まれる。
 
(;><)「これじゃ近付けません!」
(*`ω` *)「でも向かって来たらアウトだっぽ。敵をあの場所から動かしちゃダメだぽっぽ」
(;><)「でもどうしたら…」
 
二人が指示を悩んでいると、爆撃が止んだ。
 
(><)「弾切れですか?」
 
試しに前進の指示を出す。射程に入ったのに爆撃は行われない。
エーアイ A.I.VOICE 2 結月ゆかり ダウンロード版 音声合成ソフト

404: 2006/05/12(金) 22:12:09.27 ID:5wxMOfu9O
──帝国サイド
(=゚ω゚)ノ「プギャー爆撃を止めろよぅ、奴等が近付いて来ないよぅ」
m9(^Д^)「文句があるプギャ?」
(=゚ω゚)ノ「大有りだよぅ。これじゃ僕がつまらないよぅ。
プギャーはオズンを落す作戦に出たんだから少しは我慢しろよぅ」
 
不満たらたらの様子でいよぅが抗議する。それに対し、プギャーは意外にも素直に頷いた。
 
m9(^Д^)「やっぱりお前も俺と同じタイプだプギャ。その気持ちはよく分かるプギャ」
(=゚ω゚)ノ「だったら砦に入ってろよぅ」
m9(^Д^)「分かったプギャ。でも今回だけプギャ。
総員爆撃を中止、砦に入れプギャ」
 
火竜兵師団が砦に入った頃、連合軍は突撃を開始して来た。
突撃する連合軍を槍で突き刺す。かわしても間合いに入る前に別の槍が襲いかかる。
例え間合いに入ったとしても剣撃は盾に防がれ、後ろに控えている兵からの槍が襲う。
まさに鉄壁の守りだ。
 
(*=゚ω゚)ノ「フハッ! この突き刺す瞬間の感触がたまらんよぅ…」
 
いよぅも次々と連合軍を屠る。彼の場合は間合いに入られる事もなく全て命中させていた。近くの兵が間合いに入られた時も、援護を忘れない。
全く数を減らさずに連合軍だけが命を散らしていった。

405: 2006/05/12(金) 22:15:44.14 ID:5wxMOfu9O
(,メ゚д゚)「おー、派手にやってるな」
( ゚∀゚)「…派手にやられてるの間違いだな。戦況は想像以上に悪い、急ぐぞ」
 
二人は馬に鞭を入れて加速した。
連合軍を煙幕にして砦の北側の壁に向かう。彼らの狙いは北側の壁にあった。
南から攻められている今、北側なら敵はいないと踏んでいるのだ。
 
幸い、予想通り兵力は全て南側と東西に集中していた。
二人は壁に近付く。
 
( ゚∀゚)「下から三番目の窓…だいたいあの辺りだ」
 
ジョルジュは砦の三階の窓周辺を指差す。
その時、窓から敵が顔を出した。
 
(,メ゚д゚)「見つかったな」
( ゚∀゚)「ああ、見つかった。なんか叫んでるな」
 
窓にぞろぞろと兵が集まってくる。その中にはプギャーもいた。
ジョルジュは手を振ってみせる。そして満面の笑みをプレゼントした。

406: 2006/05/12(金) 22:16:16.28 ID:5wxMOfu9O
(,メ゚д゚)「馬鹿な事やってないでさっさと合図を送れ」
( ゚∀゚)「へいへい…」
 
ジョルジュは点火した爆弾を後ろに放り投げる。
爆音が轟いた。
 
ジョルジュが爆弾の使い方を知っているのに驚いたようだったが、それより別の事で彼らの顔が引き歪んでいくのが分かった。
 
(,メ゚д゚)「バレたな」
( ゚∀゚)「ああ、バレた。でも今更遅い」
 
二人は同時に導火線を擦る。
 
(,メ゚Д゚) ゚∀゚)「せぇーのッ!!」
 
馬鹿でかい掛け声と共に爆弾を壁に向けて投てきした。

407: 2006/05/12(金) 22:17:36.19 ID:5wxMOfu9O
──連合軍オズン隊
(;><)「どうしよう…このままじゃ全滅です!」
(*`ω` *)「あとちょっと、あとちょっとの辛抱だぽっぽ! 持ち堪えろっぽ!」
 
ちOぽっぽが激励した時、北から爆音が聞こえた。
 
(><)*`ω` *)「合図(です!/っぽ!)」
 
爆音が聞こえた瞬間に連合軍は撤退を開始する。
 
(=゚ω゚)ノ「敵が引いてくよぅ。それに今の爆音はまたプギャーのヤツかよぅ?」

408: 2006/05/12(金) 22:20:24.39 ID:5wxMOfu9O
──砦内
「貴様らぁ! そこを動くなよ! プギャー様、敵がいます!」
 
兵の叫び声でプギャーと多数の兵が集結する。
 
「くそっ! ナメてるな、手なんか振りやがって…!」
 
兵は壁を蹴る。蹴られた壁はボロボロと崩れ出した。
爆音。
 
「あ、あいつら爆弾の使い方を知っています!」
 
m9(;^Д^)「プ、プギャ!? じゃあなんで爆薬を残して行ったんだプギャ!?」
 
混乱するプギャーを尻目に、兵は崩れた壁を調べ始める。
 
「この壁、なんか変だぞ?」
m9(;^Д^)「壁…? お前ら、その壁を崩せプギャ!」
 
プギャーに言われて壁を崩すと、中には大量の爆薬が…。
 
m9(;^Д^)「や…られた…プギャ…」
『せぇーのッ!!!』

「あいつら爆弾を──!」

409: 2006/05/12(金) 22:21:39.64 ID:5wxMOfu9O
さっきとは比べ物にならない程の轟音。爆発した大量の爆薬は砦の壁に一定間隔で仕込まれていた爆薬に引火する。
連鎖で爆発し、瞬く間に砦は崩壊した。その爆炎は、あ ら か じ め 埋 め て お い た爆薬に引火して突撃防衛師団と重装歩兵師団を吹き飛ばす。
辛うじて生き延びた者も、降り注ぐ外壁に押し潰されて絶命した。
 
( ゚∀゚)「さて、帰るか」
(,メ゚д゚)「おう」
ジョルジュはお使いを済ませたかのような態度でGIKOを促し、帰路に着いた。

411: 2006/05/12(金) 22:24:22.28 ID:5wxMOfu9O
──リヴムント
( ゚∀゚)「どうだ、少しはスカッとしたか?」
(*`ω` *)「そうでもないぽっぽ…」
(><)「僕もです…」
 
今回の作戦にちOぽっぽとビロードを参加させたのは、もちろん兵の疲労が主だったが、オズンの人々の敵の最期を間近で見せてやりたいという意味合いもあった。
 
( ゚∀゚)「…まぁ、そうだろうな。復讐なんてそんなもんだ。なぁ?」
 
ジョルジュはちOぽっぽとビロード、そして後ろに隠れている者に言った。
 
( ゚∀゚)「テル、出て来い」
 
柱の陰からテルが出て来た。
 
(,メ゚д゚)「このガキがオズンの生き残りか?」
 
GIKOはテルを観察するように眺める。
 
(*゚-゚)「ジョルジュ何とかしてよ。あなた達がいない間ずっと私達に『訓練してくれ』って言ってくるのよ」
 
SHIIは大層迷惑した様子で言う。
 
(;゚∀゚)「まだ諦めてなかったのか…。敵は取ってやったぞ、もういいだろ?」

「よくないっ! 俺は強くなりたいんだ!」

412: 2006/05/12(金) 22:26:59.61 ID:5wxMOfu9O
その気合いの入り方にジョルジュがため息をつくとGIKOがテルに歩み寄る。
 
(,メ゚д゚)「ほう…なら俺が──」
(;゚∀゚)「待て! 早まるな!」
 
GIKOの申し出にジョルジュは慌てて釘を刺す。
ジョルジュばかりか、その場にいた全員の顔に緊張が走っていた。
ジョルジュはもう一度深いため息をつくと、
 
(;゚∀゚)「…分かった、俺が鍛えてやる…」
 
とうとう観念した。
 
「ホントか!?」
 
ようやく了承してもらったテルは満面の笑顔だ。
 
(;゚∀゚)「…SHII、テルに訓練用の剣をくれてやれ。
普通のだとコイツにゃデカすぎる、短剣がいいな…」
(*゚o゚)「ちょっとぉ、本気ぃ?」
 
SHIIは眉を寄せる。

414: 2006/05/12(金) 22:28:59.45 ID:5wxMOfu9O
(;゚∀゚)「俺がやらないと、あいつがな…」
 
ジョルジュはチラリとGIKOの方を向く。
 
(*゚ー゚)「う~ん、納得せざるを得ないわね…。まあ私がやるんじゃないからいいけど。
テル、おいで」
 
SHIIに促されてテルは姿を消した。
 
( ^ω^)「GIKOだと何か問題あるのかお?」
 
ブーンはGIKOには聞こえないように尋ねる。
 
( ゚∀゚)「馬鹿、あいつに任せたら殺されるだろ。もの凄いスパルタだぜ?」
(;^ω^)「納得だお…」
(,メ゚д゚)「おいジョルジュ、俺が──」
( ゚∀゚)「悪い、一人にしてくれ…」
 
ジョルジュは顔を手で押さえながら退室。
 
(;゚∀゚)「めんどくせぇヤツを抱え込んじまったぜ…」
 
ジョルジュは消え入りそうな声で呟いていた…。

415: 2006/05/12(金) 22:29:52.94 ID:5wxMOfu9O
それから三日経った。ゴロツキの街と呼ばれているが、慣れてしまえば平和なものだ。
帝国軍はしばらく動かないだろうとジョルジュは言った。全滅して報告する者もいない上、やはり被害が大きい事もあるのだろう。
 
そのジョルジュはテルを相手に忙しい(?)日々を送っている。
ブーンは一度クアールに戻る事にした。モナーから兵器の完成が近いと言われたからだ。

416: 2006/05/12(金) 22:30:50.09 ID:5wxMOfu9O
──クアール
(;^ω^)「も、モナー、随分とやつれたお…」
(ヽ´∀`)「そうモナ? それより手伝ってほしいモナ。この小型ソーラーパネルをあと50枚作らないといけないんだモナ」
 
連射する為には大量のエネルギー供給が必要らしい。
燃料と高性能のジェネレーターが手に入らないこの星では太陽光に頼るのがベターだとモナーは結論づけた。
 
(ヽ´∀`)「あと、銃弾作っておいたモナ」
 
5発の銃弾を渡される。
 
(ヽ´∀`)「手作業だから量産は出来ないモナ。いざという時まで撃つのはやめるモナ」
( ^ω^)「わかったお。それよりモナーは少し寝るといいお」
(ヽ´∀`)「そうさせてもらうモナ…」
 
モナーはフラフラとベッドに向かい、倒れ込むように眠ってしまった。
 
( ^ω^)(モナーもかなり無茶してるみたいだお…)
 
ブーンはモナーが起きるまでの6時間、作業に没頭した。

418: 2006/05/12(金) 22:33:52.73 ID:5wxMOfu9O
──ラウン城:作戦会議室
川 ゚ -゚)「報告がないから調査隊を送った結果、火竜の砦は跡形もなく破壊されていた。残るはお前達二人だけだ」 
そしてクーが頭を下げた。
 
川 ゚ -゚)「今回のは私の失策だ。せめてもう少し頭の切れる者を同行させるべきだった。すまない…」
 
深々と頭を垂れるクーに、今回も起きていた荒巻が声をかける。
 
/ ,' 3 「…頭を上げろ。お前らしくもない」
( ・∀・)「そうだ、アンタは偉そうに俺達に指示してればいいんだからな」
 
モララーも励ます。
 
川 ゚ -゚)「…そうだな。
では簡単に我々の状況を説明する。我々の兵力は約75000まで減らされた。
まだ奴等よりは多いがこれ以上兵力を削られれば我々の敗北だ」
( ・∀・)「つまり、もう小細工はせずに総攻撃を仕掛けるんだな?」
川 ゚ -゚)「そういう事だ。…始めからそうしてれば良かったのだが、今更悔やんでも仕方がない。全兵に総攻撃の準備をするよう伝えろ」
 
荒巻はすぐに退室し、モララーもそれに続くと、声をかけられた。
 
川 ゚ -゚)「お前は傷が癒えていないが出陣してもらう事になる。すまない…」

420: 2006/05/12(金) 22:36:27.31 ID:5wxMOfu9O
( ・∀・)「これは俺の不注意だからな、気にするな」

川 ゚ -゚)「それでも傷は傷だ。無理な動きは極力控えてくれ」
( ・∀・)「わかってる。俺も氏にたくはないからな」
 
それだけ言い、モララーはクーの肩を軽く叩いて荒巻の跡を追った。


421: 2006/05/12(金) 22:39:34.98 ID:5wxMOfu9O
──リヴムント
( ゚∀゚)「そうか。いよいよ決戦って訳だな」
 
ジョルジュは各師団長を集めてそれを伝える。
 
(´<_ ` )「ジョルジュ殿、前の砦の件も火竜兵師団…といったな、奴等が来る事を知っていたが、その情報はどこから得ているのだ?」
 
弟者を始め、全員の疑問をぶつける。
 
( ゚∀゚)「奴等にスパイを抱えさせた。コイツを使ってな」
 
そう言いながら、以前回収した指輪を取り出す。
 
( ゚∀゚)「奴等の兵力は大きい。そこが付け入る隙と言えば隙だな。
奴等とて、全ての兵を把握している訳じゃないだろ」
(*゚ー゚)「あなた本当は参謀向きかもね。でも指揮官としても優れてるわよ」
( ゚∀゚)「かつての智将からそんな言葉を貰えるとは光栄だぜ」
 
その言葉にGIKO、弟者、そして彼女の本性を知る師団長はギクリと顔を強張らせる。
 
( ゚∀゚)「他にも呼び名があったよな…。確か血の──」
(;゚∀゚)「ぐふぉっ!」
 
GIKOがジョルジュの腹を殴り付けた。それも軽くではなく、体重の乗ったパンチだ。

422: 2006/05/12(金) 22:41:59.87 ID:5wxMOfu9O
(#゚∀゚)「GIKO…テメェなにしやがる…!」
 
ジョルジュは怒りの形相でGIKOを睨む。
そこに弟者と師団長が詰め寄って言う。
 
(;メ゚д゚)「それだけはSHIIの前で言うな、この通りだ、頼む」
(´<_ `;)「ジョルジュ殿、それは禁句だぞ…!」
「ジョルジュ様、それだけは言ってはなりませぬ!」
(;゚∀゚)「あ? ああ…わ、わかった…」
 
GIKOの滅多に見せない焦り切った表情と他の者の迫力に、ジョルジュもただならぬ物を感じたのか素直に応じた。
 
(*゚ー゚)「?」
(´<_ `;)(間一髪だな…)
「(危なかった…)」
 
けして智将や血粧の言葉でSHIIが変貌する訳ではないが、彼らはその言葉に敏感になっていたのだった。
 

(;メ゚д゚)「と、とにかく奴等はもうすぐ攻めてくる。準備を始めろ。あと、ブーンを呼び戻せ」
 
GIKOは自身を落ち着けるようにゆっくり言い、師団長らはそそくさと退散した。
 

(*゚-゚)「なんなのよ…」

423: 2006/05/12(金) 22:45:46.25 ID:5wxMOfu9O
──クアール
( ^ω^)「モナーには悪いけど呼び出されたお。決戦が近いらしいお」
( ´∀`)「大丈夫モナ。パネルはあと20枚程度モナ。何とかして決戦に間に合うようにするモナ」
( ^ω^)「頼んだお」
 
ブーンはモナーと別れると、今度はツンの家に向かう。
 
ξ゚ー゚)ξ「あらブーン、どうしたの?」
( ^ω^)「そろそろ行かないといけないんだお。決戦が近いお」
ξ゚-゚)ξ「…! そう…」
 
この反応はブーンの予想とは違った。
「さっさと行ってきなさい」くらい言われて送り出されるとばかり思っていたら、この反応だ。
 
(;^ω^)「ど、どうしたんだお? もうすぐ村長の、お祖父さんの敵が取れるんだお。うれしくないのかお?」
ξ゚-゚)ξ「そういう訳じゃないけど…」
 
ツンはキョロキョロと周りを見渡す。そして誰もいない事を確認してから…
 
(*^ω^)「ぉ!?」
 
ブーンの口にキスをした。

424: 2006/05/12(金) 22:46:38.59 ID:5wxMOfu9O
(*^ω^)「ちょwwwwwなんだお!?」

ξ//_//)ξ「お、おまじないよ。…無事に帰って来れるように…」
(*^ω^)「おまじない…」
 
ブーンが固まっていると、ツンはブーンを突き飛ばす。
 
ξ//⊿//)ξ「さっさと行きなさい!」
 
それだけ言うと、ドアを閉めてしまった。
 
(;^ω^)「訳わからん…」

425: 2006/05/12(金) 22:47:46.86 ID:5wxMOfu9O
──リヴムント
(><)「あ! ブーンさんが来ました!」
( ^ω^)「お待たせしたお」
(,メ゚д゚)「おう。話は聞いてるな?
これが俺達にとっても奴等にとっても最後の戦いになる。遠慮はいらねぇ、全力で行くぞ」
(´<_ ` )「しかしGIKO殿、やはりブーンには師団長を任せてはどうだ?
全軍出すにあたって、まとめる人間がこう少なくては…」
(,メ゚д゚)「ダメだ。貴様はコイツに指揮官が務まると思うのか? この阿呆面に」
(;^ω^)「ちょwwwwwヒドスwwwwwww」
 
いきなり侮辱されたブーン。しかしGIKOが相手ならいつもの事だ。
 
(,メ゚д゚)「確かに個人では強いが指揮となると話は別だ。それにコイツは以前、敵前逃亡した事があるしな。そんなヤツに兵は着いていかない。
上に立つ者に必要な物が欠けている」

426: 2006/05/12(金) 22:50:12.03 ID:5wxMOfu9O
GIKOが弟者に説明をしていると、ブーンが割って入って来た。
 
( ^ω^)「あの~」
(,メ゚д゚)「なんだ?」
( ^ω^)「話が見えないお」
(,メ゚д゚)「見えなくていい。いつも通り戦え」
( ^ω^)「それは分かりやすくていいお」
(,メ゚д゚)「な? 単純すぎるだろ?」
(´<_ `;)「そのようだな…」
 
確かに一個師団を任せる訳にはいかないな、と弟者はこの話を打ち切った。
 
(,メ゚д゚)「SHII、ワイルドデビルはどうなってる」
(*゚ー゚)「300匹くらい捕獲出来たわ。これならかなりの戦力になりそうよ」
(,メ゚д゚)「よし…。貴様ら、準備はいいか?」
( ゚∀゚)「いつでも行けるぜ。兵の士気も最高潮だ。
……しかしよくボロも出さずにうまく事が進んだもんだ。もうこんな苦しい戦はゴメンだぜ…」
 
ジョルジュは渋い顔で言う。
 
(*`ω` *)「問題ないぽっぽ」
(><)「大丈夫です!」

(´<_ ` )「こちらもOKだ」
( ^ω^)「こんな戦争は早く終わらせるお」
 
各師団長の士気も上がっている。
 
(,メ゚д゚)「奴等はまだ来ていない。今度はこちらから攻めるぞ!
全員配置につけ!」

428: 2006/05/12(金) 22:52:43.83 ID:5wxMOfu9O
──ラウン城
大隊長を四人も失った帝国軍は全ての兵をまとめるのにてこずっていた。
連合軍が進軍を開始してから四日後、ようやく編成が整ってきた状態だ。
師団長は多数残ってはいるが、彼らはここで改めて大隊長の偉大さを思い知った。全てを任せ切り…いや、任される事のなかった彼らには軍をまとめ上げる能力が育ってはいなかったのだ。
 
川 ゚ -゚)「これも私の失策か…」
 
確かに大隊長を動かしていたのは彼女だ。彼女は他の師団長にも作戦を任せるべきだったと後悔していた。
 
/ ,' 3 「いつまで後悔している。参謀がそのような態度では俺達の士気まで下がる。
尊大にドンと構えろ」

川 ゚ -゚)「分かっている。
…お前達、いや、全軍に伝えてほしい。閣下が出陣なさる御つもりだ」
 
その言葉に戦慄が走った。
 
( ・∀・)「閣下が…」
/ ,' 3 「これが吉と出るか凶と出るか…」
 
逃走する者はいなくなるだろうが、果たして恐怖が兵に与える影響は如何ほどの物だろうか…。
そう思考を巡らせている時、 
「報告します。連合軍が進軍、間もなくガイドを越える模様!
…規模は今までにない大部隊です!」
/ ,' 3 「なんだと?
先手を打たれるとは…」

429: 2006/05/12(金) 22:53:48.63 ID:5wxMOfu9O
川 ゚ -゚)「…裏切り者、もしくはスパイを掴まされたか…。
今回が小細工なしの突撃で助かった。策を練っても奴等には筒抜けだからな」
 
そう言いながら自虐的な笑みを浮かべる。
策略がない事が唯一の助けという事態は、参謀にとって屈辱でしかなかった。
 
川 ゚ -゚)「頼んだぞ…」
/ ,' 3 「我々に敗北は、ない」
( ・∀・)「その通りだからな!」
 
二人は勇ましく言い放ち、出陣の為に戻って行った。

430: 2006/05/12(金) 22:55:23.88 ID:5wxMOfu9O
帝国軍が進軍し、両軍共に視認出来るまで近付く。
帝国軍が目にした物、それは巨大な箱型の何かだ。それには布が掛けられていた。
その中からは獰猛な唸り声が響いている事を、彼らは知らない。
 
(,メ゚д゚)「来たな…ギリギリまで引きつけろ」
 
帝国軍は何も知らずに前進して来る。前衛が間近に迫った時、GIKOが吠える。
 
(,メ゚Д゚)「檻を開けッ!!」
 
一斉に布をはぎ取り、レバーを上げる。檻から多数のワイルドデビルが開放された。
檻を開けた兵はすぐに身をひるがえして馬に飛び乗り、帰還する。
だが不幸な者は逃げ遅れてワイルドデビルの餌食となった。
帝国兵は突如現れた獰猛な獣に驚愕した。だが進軍は止められない。
ワイルドデビルは近くにいる、帝国軍を敵とみなして襲いかかる。
その逞しい腕は一振りで兵の頭を吹き飛ばし、引き千切る。
迎え打つ帝国兵。
一体のワイルドデビルを斬り裂こうとした時、その巨躯の陰からもう一体のワイルドデビルが飛び出した。
着地したワイルドデビルは巨体で帝国兵を踏み潰し、引き裂き、咀嚼する。
一体が斬り裂かれるともう一体が飛び出して敵を薙払う。
みごとな連携、まさに荒野のハンターだ。

431: 2006/05/12(金) 22:56:33.96 ID:5wxMOfu9O
(,メ゚д゚)「どうだ、すげぇだろう。あいつらにはあまり餌を与えてないからな、凶暴性は増すってもんだ」
 
GIKOは矢を放つ指示を出してからその様子を惚れ惚れしながら見ている。
 
(;^ω^)「確かにすごいお…。てか、むごい…」
 
その言葉は帝国軍にむけた物だろうか。
それとも全滅する運命にあるワイルドデビルにむけられた物であろうか。
 
(,メ゚д゚)「貴様はいつまで経っても甘いな。戦ではその感情を捨てろ」
 
GIKOは武人の表情で諭すように言う。戦いに生き、そして戦いに散るであろう漢の顔だ。
甘さを排除する事は、哀しいが戦いに生きる者にとっては必要な心構えでもあった。

432: 2006/05/12(金) 22:57:41.96 ID:5wxMOfu9O
重装歩兵の頑丈な鎧でも、ワイルドデビルの一撃には紙に等しい。
その衝撃に、鎧は砕けはしなかったが肉体の方が耐えられない。衝撃は鎧の中の内蔵を破壊する。
素早い動きの出来ない重装歩兵は一時後退した。
たった一人を除いて。
彼は既に三体を屠り、更に敢えてワイルドデビルが密集している場所に躍り出る。
 
/ ,' 3 「岩に突進させるなど、弱者の考え方だ」
 
荒巻は持っている巨大な、刺のついたハンマーを振り下ろす。
その一撃はワイルドデビルの頭部を完全に粉砕し、脳漿を撒き散らせながら地面に突き刺さる。
二体のワイルドデビルが肉薄する。
荒巻は地面に突き刺さるハンマーを横に振り回すと、一体は横腹を強打されて内蔵をぶちまける。その勢いは止まらずにもう一体の肉体も破壊した。腰に挿してある剣を使うまでもない。
その背後の陰から更に一体のワイルドデビルが飛び出した。
上空からの一撃──
荒巻は一歩下がってかわす。そして顔面を素手で殴り付けた。
よろめくワイルドデビル。
その顔面を今度はガッシリと掴んで地面に叩き付ける。
 
/ ,' 3 「獣風情が」
 
地面に顔を埋めたワイルドデビルにハンマーが振り下ろされた───

433: 2006/05/12(金) 22:59:23.38 ID:5wxMOfu9O
ワイルドデビルの数が減ってきた。やはり、如何に強靱な肉体を持とうとも、300の数では全滅も時間の問題だった。
帝国兵に滅ぼされたのが多数だが、中にはこちらからの矢で命を落としたものもある。
 
(,メ゚д゚)「残り100ってとこか…。奴等は5000程兵を減らしたな。…上出来だ」
 
禍々しく笑い、その目はこれから始まる戦いに爛々と輝いている。
 
(,メ゚д゚)「頃合いだ」
 
GIKOから剣を抜く軽やかな音が響く。
それに続いて兵も剣を抜き、その音はGIKOを中心に拡がっていった。
 
(,メ゚д゚)「ブーン、貴様は俺と来い。貴様に背中を預ける」
 
GIKOの言葉に隊長補佐がブーンに詰め寄って来た。
 
「頼むぞ、GIKO様は一人で突っ込みなさるからな…。むろん、この私も御二人を援護するつもりだ」
( ^ω^)「任せろお!」
 
ブーンは力強く頷いて見せた。

434: 2006/05/12(金) 23:00:39.89 ID:5wxMOfu9O
(*゚ー゚)「先陣は私達よ。しっかりね」
「SHII様、くれぐれも無茶はなさらずに…」
 
副隊長の言葉に兵の間に戦慄が走った。
皆、顔を強張らせている。
 
(*゚-゚)「…何よ、ここは無茶する場面でしょうが」
 
口を尖らせながら、いつかの弟者の言葉を借りて言う。
 
「その…なんと言いますか、SHII様は興奮されるといつも…」
(*゚-゚)「はっきり言いなさいよ、全く…。
とにかくみんな! 生き残るのよ!」
「ハハ、本当に無茶な事をしなきゃいいけどな…」
「まあ、その時は全力で着いて行くさ」
 
兵達のざわめきは、SHIIの頬をヒクつかせる程度で終わった。

435: 2006/05/12(金) 23:01:28.53 ID:5wxMOfu9O
(*`ω` *)「向こうが騒がしいっぽ。こっちも準備するぽっぽ」
(><)「…この戦いが終わったら、オズンの再建ですね。
人は集まるでしょうか…?」
「きっと大丈夫ですよ。あのような美しい街に人が集まらない訳がありません」
「集まらなかったら俺達男だけのむさ苦しい街になるけどなw」
 
兵の一人がおどけて見せると笑いが起きた。
 
(><)「ちOぽっぽさんは女性です!」
(*`ω` *)「そうだぽっぽ! 失礼な人達だっぽ」
 
憤慨したように見せたが怒ってはいない。
 
(*`ω` *)「平和な暮らしを取り戻す為に、出陣だっぽ!」

436: 2006/05/12(金) 23:02:14.20 ID:5wxMOfu9O
(´<_ ` )「ぬ、突撃の合図だ」
「いよいよですね。リヴムント隊に遅れを取らぬよう全力で戦いましょう」
(´<_ ` )「うむ。仲間同士での勝ち負けはどうでもいいが、奴等に負ける訳にはいかん」
 
振り向いて出来る限りの声で叫んだ。
 
(´<_ ` )「行くぞ! これが最後の戦いになる、我々で勝利を勝ち取れ!」
『おおおおおお!!!!』

437: 2006/05/12(金) 23:04:31.82 ID:5wxMOfu9O
( ゚∀゚)「よーし、お前ら腹括れよ。全軍突撃──」
 
叫ぼうとした時、傍らの小さな影に気付く。
 
(;;゚∀゚)「テ、テテテテル!!!??」
 
ジョルジュはあまりの事に、声を裏返して叫ぶ。
何故このガキが此所にいるのか…そんな考えが脳内を目まぐるしく駆け巡った。
 
「何やってんだよ、『オオォー!』って言う準備してたのにさ」
 
そんな心中など読み取れないのか、テルは文句を垂らす。 
(;;゚∀゚)「お前、どうやって着いてきた…?」
「普通に歩いてだよ。みんな歩くの早くてさ、参ったよ」
 
本当に参っているのはジョルジュだ。
 
( ゚∀゚)「お前らの中にコイツに気付いた者がいるはずだろ? そいつは何をしていた」 
ジョルジュは兵達を睨む。すると一人の兵が名乗り出た。
 
「この子供、ジョルジュ様に許可をもらったと…」
(##゚∀゚)「馬鹿野郎! 俺がガキを戦場に引っ張り出すとでも思ってんのかッ!!!?」
 
ジョルジュの怒号に怯む兵だったが、テルは気にした様子もない。相当図太いのか馬鹿なのか…。
テルはにぃ、と無邪気な笑顔で言う。

438: 2006/05/12(金) 23:06:14.08 ID:5wxMOfu9O
「これから帝国の奴等を倒しに行くんだろ? 俺も手伝うよ!
強くなったんだぜ! ほら!」
 
以前与えた訓練用の模擬刀を振り回す。
確かに型はマシになってはいるが、まだまだ児戯に等しい。
 
(#゚∀゚)「遊びじゃねぇんだぞ!? 何考えてんだ!」
 
怒鳴るジョルジュの脳裏に、もう一つ、不安が浮かび上がった。
 
(;゚∀゚)「…まさか、妹も連れて来た、って言うんじゃないだろうな?」
「セレンは置いてきたよ。あいつじゃ足手まといだし」
 
その場にいた全員が心の中で「お前もだ」と総ツッコミしたに違いない。
 
(;゚∀゚)(クソ…もう突撃の時間だ…どうする…?
帰れと言って聞くタマじゃないぞ…。かと言ってここに残らせる訳にもいかん。聞くとも思えないしな…)
 
想定外の事態に彼は混乱していた。
おかげで兵に連れて帰らせる、という選択肢を考える事すら出来なくなくなっていた。
ジョルジュは大きく舌打ちし、言う。
 
( ゚∀゚)「俺に着いて来い。決して離れるなよ」

439: 2006/05/12(金) 23:07:24.23 ID:5wxMOfu9O
「やった! 流石ジョルジュだぜ!」
「コ、コラ! ジョルジュ様を呼び捨てとは!」
 
すかさず兵がテルを叱り付ける。
対するジョルジュはめんど面倒臭気に手をヒラヒラさせながら
 
( ゚∀゚)「あー…いい、いい。それより少し遅れている。さっさと行くぞ」
 
そう言って腰の短剣を抜き、テルに渡した。短剣だが子供が持つと普通の剣に見える。
 
( ゚∀゚)「一応渡しとくがお前は自分から戦おうとするな。それは護身用だ」
「えー、なんで──」
 
また文句を垂らすテルに、今度こそゲンコツが入る。それもかなり強めの物だ。
頭を押さえながら、とりあえずは逆らう気はなくなったようだ。
 
(;゚∀゚)(本当にめんどうなガキを抱え込んじまったぜ…)
 
ため息は、行進の音にかき消されていった───

440: 2006/05/12(金) 23:09:34.58 ID:5wxMOfu9O
両軍が衝突し、大混戦となった。聞こえるのは怒号と断末魔の声、金属音のみだ。
会話など余程近くでないと聞き取れない。
聞き取れないはずだが、不思議な事にこれから剣を交える者同士は意思の疎通が出来るようだ。
 
( ・∀・)「また会う事が出来てうれしいからなッ! SHII!」
(*゚ー゚)「あら…あの時のボーヤじゃない。まだ生きてたのね」
 
SHIIは嘲笑する。
モララーは気にした様子はない。
 
( ・∀・)「あの時、お前が一枚上手だった事は認めるからな。でも今回は小細工なしの勝負だからなッ!」
 
モララーとSHIIが交差する。
SHIIの剣はモララーの鎧に弾かれ、モララーの剣はSHIIの頭上を斬った。
それに伴い各騎兵が戦闘を開始する。
通り抜けながら剣を振るう者や止まって斬り合う者など様々だ。
 
(*゚ー゚)(ふぅん、剣にも自身があるって訳ね…)
 
互いに馬を向き合わせて突進する。
モララーがチラリと横に目配せした。
 
(*゚ー゚)「…面白いじゃない。とことん付き合ってあげるわ」

441: 2006/05/12(金) 23:10:14.45 ID:5wxMOfu9O
二人は近付き、方向転換させた。
二頭と二人は横に並びながら共に走る。もちろん攻撃も忘れずに。
剣を交しながら彼女はGIKOと弟者の戦いを思い出していた。
こんな時に考える事じゃないわね、とその考えをかき消しながら剣を突き出した。

442: 2006/05/12(金) 23:11:31.81 ID:5wxMOfu9O
( ゚∀゚)「悪いが前線は任せるぞ。俺にはガキの子守があるからよ…」
「はっ!御任せ下さい」
 
テルは馬鹿にすんな、と口を挟むが無視される。
 
( ゚∀゚)「まだ早いと思ってたがいい機会だ。戦がどんなものか、その目に焼き付けろ」
 
ジョルジュは厳しい顔つきで前方を睨みながら言い、敵が来た時の為に身構える。
テルはというと、訓練の時でさえ見た事のないジョルジュの発する闘気に固まっていた。
少し離れた場所では既に戦闘は始まっている。
所々、前衛を抜けた敵もいるがその後ろにいた兵に斬り殺されていた。
だが、とうとう敵がジョルジュ目掛けて走って来た。
かわす事は出来ない。かわしたらテルに刃が振り降ろされるかもしれないからだ。
ジョルジュは落ち着いて剣を受け止める。そして弾き返してすぐに一閃、敵の喉元をかっ捌いた。
血を噴き上げながら即氏した敵を、テルはまばたき一つせずに凝視する。
そこに、ジョルジュが言葉を投げ掛けた。
 
( ゚∀゚)「いいか? これが戦だ。奴等も俺らも、やってる事は大差ねぇ。目的は違ってもな」

443: 2006/05/12(金) 23:12:39.57 ID:5wxMOfu9O
テルは聞いているのかいないのか───
恐らく、聞こえてはいないだろう。全身がガタガタと震えて目の焦点が合っていない事がそれを表していた。
ジョルジュは軽く息を吐き、しゃがみ込んでテルの頬を軽くはたく。
 
「あ…? あ、あ…」
 
完全なショック状態だ。
やはり早すぎたか…
そんな思いがジョルジュを支配したその時、前衛の兵が次々と吹き飛ばされるのが目に入った。
ここを通すまいと向かう兵も、巨大なハンマーに吹き飛ばされる。
 
(;゚∀゚)「…とんだ化けモンが来やがったな…」
 
その化け物はジョルジュの前に立つとハンマーを降ろした。

444: 2006/05/12(金) 23:14:16.22 ID:5wxMOfu9O
/ ,' 3 「ティーグル領主のジョルジュと見受けられる。
…しかし子持ちだとは聞いていなかったぞ。その上戦に連れてくるとは行楽のつもりか?」
( ゚∀゚)「生憎、コイツは俺のガキじゃねぇ。それに俺は未婚だ」
 
ジョルジュは吐き捨てるように言い放つ。
 
/ ,' 3 「ふむ…場違いな質問であったな。
我は帝国重装歩兵師団大隊長、荒巻スカルチノフ。手合わせ願いたい」
( ゚∀゚)「断る…って言っても引いてはくれないよな。
いいぜ、相手してやる。俺はティーグル──今は歩兵師団長だな。必要に応じて重装歩兵の指揮も執るぜ。名はジョルジュ長岡だ」
 
普段のジョルジュなら、大隊長を見た途端にしめた、と思うはずだが今回は違った。
大隊長を倒せば敵の士気は大いに下がる。
だが今は後ろで震えている少年の事ばかりが気になっていた。この時ばかりは本心では引いてほしい、と思っていたのだ。

引用: ( ^ω^)ブーンが未開の惑星に不時着したようです